JP3551435B2 - 過給機付エンジン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は吸気ポートの閉時期を可変とする手段と過給機とを備えたエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、機械式または排気ターボ式の過給機によって吸気を過給することにより、吸気の充填量を増大し、エンジンのトルクを高めるようにし過給機付エンジンは一般に知られている。
【0003】
また、吸気弁の閉時期を下死点から大きくずらすことにより有効圧縮比を膨張比よりも小さくして圧縮仕事を少なくする手法(所謂ミラーサイクル)がポンピングロス低減等のために従来から知られているが、最近、過給機およびインタークーラを備えたエンジンにおいてこのような手法を利用し、ノッキングを抑制しつつトルクアップを図るようにしたものが提案されている。例えば、特開昭63−239312号公報に示されたエンジンでは、吸気通路に過給機およびインタークーラが設けられる一方、エンジンの幾何学的圧縮比が8.5以上の高圧縮比とされ、かつ吸気弁閉時期が下死点よりも大きく遅れた遅閉じに設定されている。このエンジンによると、膨張比は稼がれつつ、これと比べて有効圧縮比が小さくされることにより、圧縮上死点温度が引き下げられてノッキングが抑制され、この状態で過給により充填量が高められ、有効にトルクアップが図られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のエンジンでは、吸気の吹き戻しが生じる程度に吸気弁閉時期を大きく遅らせることで有効圧縮比を小さくして圧縮上死点温度を引き下げるようにしているが、このような作用は、吸気弁閉時期を下死点よりかなり早い時期とする早閉じによっても得られる。つまり、上記遅閉じによる場合は下死点より後において吸気の吹き戻しが生じる期間が有効圧縮比を減少させるものとなるが、早閉じの場合は吸気弁が閉じてから下死点までの期間が有効圧縮比を減少させるものとなり、圧縮上死点温度を引き下げる作用が得られる。
【0005】
そして、上記遅閉じによる場合は、上記吹き戻しの間に絞り損失が生じてこのときに多少の温度上昇を招く。また低速時等に吸気ポートの一部を遮断してスワールを生成するように吸気系を構成すると上記絞り損失が増大し、これを避けようとするとスワール生成が困難になる等の不都合があり、これに対し、上記早閉じの場合、上記吹き戻しがないために、絞り損失の低減およびスワール生成などに有利となる。
【0006】
しかし、吸気弁閉時期を所定の早閉じに保った場合、後に詳述するようにエンジン回転数が高くなるにつれ、実質的な吸入終期がさらに早められることで充填量が低下するとともに、過給圧が過大に上昇する等の不都合が生じる。
【0007】
なお、例えば特開昭62−63129号公報に示されるように、吸気弁の上流に設けたロータリバルブにより吸気ポートの閉時期を変更可能とし、低負荷時に吸気ポートの閉時期を早くしたものがあるが、これは低負荷時のホンピングロス低減のためのものであって、高負荷時のノッキング対策となるものではない。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑み、過給機付エンジンにおいて吸気弁の早閉じによりノッキング抑制等の機能を効果的に発揮させ、しかも、高速側の運転領域での充填量の低下や過給圧の上昇を防止することができる過給機付エンジンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、ポペット弁タイプの吸気弁と、この吸気弁の閉時期を変更可能とする閉時期可変手段と、吸気を過給する過給機とを備えたエンジンにおいて、吸気弁閉時期を下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とするように上記閉時期可変手段が設定されているとともに、この閉時期可変手段を制御する制御手段を備え、この制御手段は、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域で吸気弁閉時期を上記早閉じ時期とし、高速側の運転領域で低速側と比べて吸気弁閉時期を遅くするように上記閉時期可変手段を制御するようになっているものである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、エンジンの幾何学的圧縮比が8.5以上となっているものである。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を備えているものである。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、スワール生成手段が、スワール生成用の第1吸気ポートと、第2吸気ポートと、少なくとも高負荷域における低速域で第2吸気ポートの吸気流通を遮断する吸気流通コントロール手段とで構成されているものである。
【0013】
第5の発明は、吸気ポートの閉時期を変更可能とする閉時期可変手段と、吸気を過給する過給機とを備えたエンジンにおいて、吸気ポートの閉時期を下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とするように上記閉時期可変手段が設定されているとともに、この閉時期可変手段を制御する制御手段を備え、この制御手段は、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域で吸気弁閉時期を上記早閉じ時期とし、高速側の運転領域で低速側と比べて吸気弁閉時期を遅くするように上記閉時期可変手段を制御するようになっており、一方、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を備えているものである。
【0014】
【作用】
第1の発明のエンジンによると、少なくとも高負荷低速域で、吸気弁の早閉じにより有効圧縮比が下げられ、これによってノッキングを抑制する作用が得られる。この場合に、吸気弁の遅閉じと比べ、吸気の吹き戻し時の絞り損失がなくなる。また、高速側の運転領域では、上記早閉じとした場合に回転数上昇につれて無効角が増大することなどに起因して、充填量の低下および過給圧の過大上昇の傾向が生じることに対し、吸気弁閉時期が遅らされることによりこの傾向が是正される。
【0015】
第2の発明によると、幾何学的圧縮比が高圧縮比とされることにより熱効率が高められ、かつ膨張比が稼がれつつ、上記作用が得られる。
【0016】
第3の発明、第4の発明によると、スワールによってノッキング抑制作用が高められる。
【0017】
第5の発明によると、少なくとも高負荷低速域で、吸気弁が早閉じとされることと、スワールが生成されることとにより、ノッキングを抑制する作用が高められ、高速側では吸入期間が長くなることで充填量が確保される。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例による過給機付エンジンを示す。この図において、1は複数の気筒2を備えたエンジン本体であり、その幾何学的圧縮比は8.5以上の高圧縮比となっている。また、3は上記エンジン本体1に対して吸気を供給する吸気通路3であり、上流側の共通吸気通路4と、下流側の吸気マニホールド5とからなっている。
【0019】
上記共通吸気通路4には、エアクリーナ6、吸入空気量を検出するエアフローメータ7、図外のアクセルペダルの踏み込みに応じて作動するスロットル弁8が設けられるとともに、スロットル弁8の下流に過給機10が設けられている。図示の過給機10は機械式過給機であり、エンジン出力軸によりベルト等の伝動機構11を介して駆動されるようになっている。さらに、この過給機10の下流にインタークーラ12が設けられ、また、過給機10をバイパスするバイパス通路13と、低負荷時にこの通路13を開くバイパス制御弁14が設けられている。
【0020】
上記吸気マニホールド5は、気筒別の独立吸気通路16を有し、各独立吸気通路16の下流端の吸気ポートが各気筒2の燃焼室に開口している。当実施例では、各独立吸気通路16が仕切壁により第1通路16aと第2通路16bとに分割され、これらの通路の下流端側の、第1および第2の2つの吸気ポート17,18が燃焼室に開口している。吸気ポート近傍の各独立吸気通路16には、燃料を噴射供給するインジェクタ19が配設されている。
【0021】
上記第1吸気ポート17は、燃焼室内にスワールを生成し得るように、ボア中心に対してオフセットした方向に開口し、かつ、吸気流通抵抗を軽減するため、あまり屈曲せず略ストレートに形成されている。また、第2吸気ポート18は第1吸気ポート17に対して並列的に、燃焼室に開口している。また、上記第2通路16bには、吸気流通コントロール手段としてのコントロール弁20が設けられている。このコントロール弁20は、アクチュエータ21により作動されて第2通路16bを開閉し、第2吸気ポート18に対して吸気遮断状態と吸気供給状態とに変更可能となっている。そして、上記コントロール弁20が閉じているときは、吸気が第1吸気ポート17のみから燃焼室に供給されることにより燃焼室内にスワールが生成され、また上記コントロール弁20が開いたときには、吸気が両吸気ポート17,18から燃焼室に供給されて、スワールは消去され、もしくは弱まるようになっている。
【0022】
上記両吸気ポート17,18にはそれぞれ、ポペット弁タイプの吸気弁22,23が設けられている。この吸気弁22,23は動弁装置により駆動され、この動弁装置には、吸気弁閉時期を変更可能とする閉時期可変手段が設けられている。当実施例では、吸気弁の開閉タイミングの位相を変更するバルブタイミング可変機構25により閉時期可変手段が構成されている。このバルブタイミング可変機構25の具体的構造は従来から種々知られているところであって、本発明で限定するものではないが、例えば、吸気弁用動弁カムが配設されているカムシャフト26とエンジン出力軸に連動するカムプーリ27との間に、ヘリカルギヤ等を介して両者を連結する位相変更部材28を備え、この部材28が制御信号に応じて作動されることにより、カムプーリ27に対するカムシャフト26の位相を変化させるようになっている。
【0023】
30は制御手段としてのコントロールユニット(ECU)であり、マイクロコンピュータ等からなっている。このコントロールユニット30には、スロットル弁8の開度を検出するスロットル開度センサ31からの信号、エンジン回転数を検出する回転数センサ32からの信号等が入力されている。そしてコントロールユニット30は、上記スロットル開度センサ31および回転数センサ32等によって検出される運転状態に応じ、後記の制御マップ(図3)に基づいて吸気弁閉時期の制御および吸気流通状態の制御を行なうように、バルブタイミング可変機構25の位相変更部材28および上記コントロール弁20のアクチュエータ21に、制御信号を出力している。
【0024】
なお、35は排気マニホールドであって、気筒別の独立排気通路36を有し、その上流端の排気ポート37が燃焼室に開口し、排気弁(図示省略)によって開閉されるようになっている。
【0025】
図2は、上記バルブタイミング可変機構25によって変更される吸気弁22,23のバルブタイミングを示しており、この図に実線で示す第1のタイミングIVT1と破線で示す第2のタイミングIVT2とに吸気弁のバルブタイミングが変更可能となるように、予めバルブタイミング可変機構25による可変範囲が設定されている。上記第1のタイミングIVT1によると、吸気弁閉時期が下死点(BDC)付近以前の所定時期IC1であって、有効圧縮比が膨張比と比べてかなり小さくなる早閉じ状態となり、具体的には後述のように閉時期IC1がBBDC95°程度から略BDCまでの範囲内に設定される。また、上記第2のタイミングIVT2によると、吸気弁閉時期が上記第1のタイミングIVT1による閉時期IC1よりも遅い時期IC2となる。この第2のタイミングIVT2による吸気弁閉時期IC2は、第1のタイミングIVT1による閉時期IC1よりも遅ければ下死点以前であってもよいし、下死点以後でもよい。
【0026】
図3はコントロールユニット30によるバルブタイミングの制御および吸気流通状態制御のための制御マップを示している。この図のように、バルブタイミング変更用の設定回転数Naを境に低速側の運転領域では早閉じ状態(上記第1のタイミングIVT1)、高速側の運転領域では上記早閉じ状態と比べて閉時期が遅い状態(上記第2のタイミングIVT2)とされる。一方、吸気流通状態の制御としては、吸気流通状態変更用の設定回転数Nbを境に、低速側の運転領域ではコントロール弁20が閉じられ、高速側の運転領域ではコントロール弁20が開かれる。
【0027】
なお、上記のような吸気弁のバルブタイミングの制御に加え、排気弁のバルブタイミングも変更可能とし、吸気弁のバルブタイミングの変更に応じて排気弁のバルブタイミングを変更することによりオーバラップを調整するようにしてもよい。
【0028】
また、吸気弁閉時期を変更可能とする閉時期可変手段は、図4に示すようなカムセレクト機構40により構成することもできる。このカムセレクト機構40は、カムプロフィールの異なる2種類のカム41,42を用いることにより、吸気弁リフト特性を変えて、吸気弁開閉のタイミングや開弁期間を変更することができるようになっている。
【0029】
すなわち、吸気弁用のカムシャフト43には、後記第1のタイミングIVT11を与える低速型カム41と、後記第2のタイミングIVT12を与える高速型カム42とが配設されている。そして、各カム41,42に対応するロッカーアーム44,45とこれらの連結、分離を行なう連結部材(図示せず)等により、吸気弁駆動状態を低速型カム41による駆動状態と高速型カム42による駆動状態とに切換える切換機構が構成されている。この切換機構に対して作動油圧を供給する油圧回路には電磁弁46が設けられ、コントロールユニット30から制御信号によって電磁弁46が切換わることにより、上記切換機構が作動するようになっている。
【0030】
このカムセレクト機構40による場合、上記両カム41,42のカム形状の設定により、吸気弁開閉のタイミングを任意に大きく変更することができる。そこで、図5の例によると、低速型カム41による第1のタイミングIVT11では、吸気弁閉時期が下死点(BDC)付近以前の所定時期IC11となる早閉じ状態とされ、一方、高速型カム42による第2のタイミングIVT12では、第1のタイミングIVT12とは逆に遅閉じにより有効圧縮比が膨張比よりも小さくなるように、閉時期IC12が下死点よりも大きく遅れた時期とされている。
【0031】
以上のような過給機付エンジンによると、エンジンの幾何学的圧縮比が8.5以上の高圧縮比とされて、熱効率が高められるとともに膨張比が稼がれ、このようにされた上で、設定回転数Naより低速側の運転領域では、吸気弁が所定の早閉じとされることにより、有効圧縮比が小さくされ、圧縮上死点温度が引き下げられる。
【0032】
すなわち、図6に示すように、圧縮上死点温度は、吸気弁閉時期が下死点BDCよりも少し後(一般のエンジンの吸気弁閉時期)とされた場合に最も高くなり、この時期から吸気弁閉時期がずれると、そのずれが早閉じ側、遅閉じ側のいずれであっても、膨張比に対して有効圧縮比が小さくなることにより圧縮上死点温度が低下し、ノッキングの抑制には有効となる。ただし、先にも述べたように、遅閉じの場合は下死点後において吸気の吹き戻し生じるときに絞り損失が生じるのに対し、早閉じによると上記絞り損失が減少する点で有利となる。吸気弁早閉じによる圧縮上死点温度の引下げは、始動限界温度を下回らない範囲とする。その具体的数値はエンジンによって種々異なるが、図6に示した例によると、BBDC(下死点前)95°程度で始動限界温度となるので、BDC〜BBDC95°の範囲に吸気弁閉時期を設定することが望ましい。
【0033】
そして上記実施例によると、設定回転数Naよりも低速側の運転領域において、上記早閉じとされることにより、とくにノッキングが生じ易い高負荷低速域で、圧縮上死点温度を引下げる作用が得られてノッキング限界が高められ、かつ、この早閉じの状態でも過給機のよる過給作用で充填量が高められ、これらの作用でトルクアップが可能となる。
【0034】
さらに上記実施例では、設定回転数Nb以下の領域では上記コントロール弁20が閉じられることにより、スワールが生成され、このスワールによってもノッキングを抑制する作用が得られる。また、上記のような吸気弁の早閉じによると遅閉じと比べて絞り損失が減少し、かつ第1吸気ポート17が略ストレートな形状とされて流通抵抗が軽減されていることにより、第1吸気ポート17のみから吸気が供給される状態でも、圧縮上死点温度を引下げる作用および充填量の確保が達成される。
【0035】
ところで、吸気弁が前記の第1のタイミングIVT1またはIVT11による早閉じのままでは、エンジン回転数の上昇につれてエンジンの充填量が低下し、過給圧は図7中に線A,A’のように回転数上昇につれて高くなって、高速域で過大となる。これは次のような理由による。すなわち、吸気弁の開弁角のうちにはリフト量が小さいことなどで実質的に吸入に寄与しない無効角α(図2中に示す)があり、この無効角αはエンジン回転数が高くなるにつれて大きくなるので、吸気弁閉時期が一定であれば、エンジン回転数の上昇につれて実質的な吸入終期が早められ、有効な開弁期間が短くなる。従って、とくに上記早閉じの状態では、エンジン回転数の上昇につれ、実質的な吸入期間の短縮により充填量が減少するとともに、過給機からの空気の吐出に対してエンジンによる吸い込み量の減少分だけ、過給圧が上昇することとなる。
【0036】
これに対し、上記実施例によると、設定回転数Naを越えたときに、吸気弁が前記の第2のタイミングIVT2またはIVT12に変更されて、吸気弁閉時期が遅らされることにより、充填量が高められ、過給圧の上昇が抑制される。この場合、吸気弁閉時期が下死点付近やそれ以前であっても、低速時と比べて遅ければ、吸入時間が増大されることにより充填量が高められ、それにつれて過給圧が、設定回転数Naで一定量だけ低くなる(図7中の線B)。また、前記の図5中の第2のタイミングIVT12のように下死点より大きく遅らされて吸気の吹き戻しが生じる程度の遅閉じの状態にされた場合は、エンジン回転数が高くなるほど、実質的な吸入終期が早くなるにつれて吹き戻しが減少することで充填量が増加し、過給圧の上昇が抑制される(図7中の線C)。
【0037】
また、高速側ではコントロール弁20が開かれることにより、吸気流通面積が大きくされ、高速域での吸気流通量が確保される。
【0038】
なお、上記実施例ではポペット弁タイプの吸気弁22,23の閉時期を変更可能としているが、吸気弁に加えてその上流の吸気ポートに、ロータリバルブ等のタイミング弁を設け、これにより吸気ポートの閉時期を調節することにより、吸気ポートの閉時期を所定の早閉じとこれより遅い時期とに変更可能とする閉時期可変手段を構成することもできる。この場合も、低速側の運転領域で吸気ポートを早閉じとし、高速側で吸気ポートの閉時期を遅らせるように制御するとともに、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を設けることにより、低速域では早閉じによる圧縮上死点温度の抑制およびスワール生成等が良好に行なわれることとなる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の過給機付エンジンは、ポペット弁タイプの吸気弁の閉時期が下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とされるとともに、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域では吸気弁閉時期を上記早閉じ時期としているため、有効圧縮比を下げてノッキングを抑制することができるとともに、吸気弁を遅閉じとする場合と比べ、吹き戻し時の絞り損失がない等の利点がある。しかも、高速側の運転領域では吸気弁閉時期を遅らせるようになっているため、吸気弁早閉じとした場合に問題となる、回転数上昇に伴う無効角の増大による充填量の低下および過給圧過大上昇を防止することができる。
【0040】
この発明において、エンジンの幾何学的圧縮比が8.5以上となっていると(請求項2)、エンジンの熱効率が高められ、かつ膨張比が稼がれつつ、上記吸気弁早閉じにより有効圧縮比が適度に下げられ、上記効果が良好に発揮される。
【0041】
また、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を備え(請求項3)、例えばスワール生成用の第1吸気ポートと、第2吸気ポートと、少なくとも高負荷域における低速域でセカンダリ吸気ポートの吸気流通を遮断する吸気流通コントロール手段とで構成されたスワール生成手段を備えると(請求項4)、高負荷低速域で、吸気弁の早閉じに加えてスワールによってもノッキングが抑制され、上記効果が高められる。
【0042】
また、請求項5に記載の発明の過給機付エンジンは、吸気ポートの閉時期が下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とされるとともに、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域では上記所定早閉じ時期となり、高速側の運転領域では上記早閉じ時期よりも吸気弁閉時期が遅くなるように制御され、一方、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールが生成されるようになっているため、少なくとも高負荷低速域で、吸気弁の早閉じとスワールとでノッキングを抑制する作用が高められて、有効にトルクアップが図られ、また高速側では吸入期間が長くなることで充填量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のよるターボ過給機付エンジンの全体構造を示す概略図である。
【図2】吸気弁のバルブタイミングを示す説明図である。
【図3】バルブタイミングの制御および吸気流通状態制御のための制御マップを示す図である。
【図4】閉時期可変手段の別の実施例を示す要部の拡大図である。
【図5】図4の手段によって変更される吸気弁のバルブタイミングの例を示す説明図である。
【図6】吸気弁閉時期と圧縮上死点温度との関係を示す図である。
【図7】エンジン回転数と過給圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
10 過給機
17 第1吸気ポート
18 第2吸気ポート
20 コントロール弁
22,23 吸気弁
25 バルブタイミング可変機構(閉時期可変手段)
30 コントロールユニット(制御手段)
40 カムセレクト機構(閉時期可変手段)
Claims (5)
- ポペット弁タイプの吸気弁と、この吸気弁の閉時期を変更可能とする閉時期可変手段と、吸気を過給する過給機とを備えたエンジンにおいて、吸気弁閉時期を下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とするように上記閉時期可変手段が設定されているとともに、この閉時期可変手段を制御する制御手段を備え、この制御手段は、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域で吸気弁閉時期を上記早閉じ時期とし、高速側の運転領域で低速側と比べて吸気弁閉時期を遅くするように上記閉時期可変手段を制御するものであることを特徴とする過給機付エンジン。
- エンジンの幾何学的圧縮比が8.5以上となっている請求項1記載の過給機付エンジン。
- 少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を備えている請求項1または2記載の過給機付エンジン。
- スワール生成手段は、スワール生成用の第1吸気ポートと、第2吸気ポートと、少なくとも高負荷域における低速域で第2吸気ポートの吸気流通を遮断する吸気流通コントロール手段とで構成されている請求項3記載の過給機付エンジン。
- 吸気ポートの閉時期を変更可能とする閉時期可変手段と、吸気を過給する過給機とを備えたエンジンにおいて、吸気ポートの閉時期を下死点以前の所定時期であって有効圧縮比が膨張比と比べて小さくなる早閉じ時期とこれよりも遅い時期とに変更可能とするように上記閉時期可変手段が設定されているとともに、この閉時期可変手段を制御する制御手段を備え、この制御手段は、少なくとも高負荷域において低速側の運転領域で吸気弁閉時期を上記早閉じ時期とし、高速側の運転領域で低速側と比べて吸気弁閉時期を遅くするように上記閉時期可変手段を制御するようになっており、一方、少なくとも高負荷域における低速域で燃焼室内にスワールを生成させるスワール生成手段を備えていることを特徴とする過給機付エンジン。
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