JP7023129B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両等に搭載される内燃機関を制御する制御装置に関する。
運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下であるアイドル運転時には、エンジン回転数を所望の目標アイドル回転数に収束させる目的で、両者の偏差を縮小する方向に吸気絞り弁、具体的にはスロットルバルブやアイドルスピードコントロールバルブを開閉操作し、気筒に吸入される空気量及び燃料噴射量を増減調整するフィードバック制御を実施することが通例である。
実測のエンジン回転数が目標回転数よりも高いときには、吸気絞り弁の開度を縮小して内燃機関の出力するエンジントルクを低減させようとする。一方で、気筒に吸入される空気量即ち酸素量が顕著に少なくなると、気筒における混合気の燃焼が不安定化し、失火を生じてエンジンストールに陥るおそれがある。それ故、吸気絞り弁の開度または吸入空気量に予め下限値(下限ガード値)を設定しておき、エンジン回転数如何によらず吸気絞り弁の開度または吸入空気量が当該下限値を下回らないようにすることで、燃焼の不安定化を防止している(例えば、下記特許文献を参照)。
特開平07-004290号公報
燃費性能の一層の向上を目論み、近時の内燃機関はフリクションロスを極限まで軽減しており、エンジン回転数を最低限度のアイドル回転数以上に維持するために必要とされるエンジントルクが小さくなってきている。その帰結として、吸気絞り弁の開度または吸入空気量を下限値まで縮小したとしても、エンジン回転数が十分に低下せずに高止まりすることがある。エンジン回転数が不必要に高いことは、燃料噴射及び着火燃焼の頻度が不必要に多いことを意味し、余分な燃料の消費に直結する。
現状のところ、吸気絞り弁の開度または吸入空気量に対する下限値は、実際の混合気の燃焼の善し悪しとは無関係な単一の値に設定している。その下限値は、燃焼状態が悪化する条件下でもエンジンストールに陥らないような安全余裕を加味した値となっている。従って、燃焼状態が良好な状況の下では、エンジン回転数を最低限度以上に維持するのに必要な大きさを超えたエンジントルクが出力され、どうしてもエンジン回転数が高くなってしまう。
本発明は、以上の問題に初めて着目してなされたものであり、内燃機関の気筒における燃焼の安定性とエンジン回転数の低下との両立を図ることを所期の目的とする。
本発明では、エンジン回転数と目標回転数との偏差を縮小する方向に吸気絞り弁を開閉操作して気筒に吸入される吸入空気量を増減させるフィードバック制御を実施するにあたり、前記吸気絞り弁の開度または前記吸入空気量に予め下限値及び上限値を設定し、前記エンジン回転数が前記目標回転数を上回る偏差が残存していても前記吸気絞り弁の前記開度または前記吸入空気量が既に前記下限値に到達しているならば前記吸気絞り弁の前記開度を縮小せずまたは前記吸入空気量を減少させず、前記吸気絞り弁の前記開度または前記吸入空気量が既に前記上限値に到達しているならば、前記吸気絞り弁の前記開度を拡大せずまたは前記吸入空気量を増加させず、前記吸気絞り弁の開度または前記吸入空気量が前記下限値から一定の範囲内にあるときに、前記気筒における燃焼の不安定を感知したならば、その後の前記下限値をそれ以前よりも大きい値に引き上げ、前記下限値を引き上げる際の増分において、空燃比が所定の空燃比よりもリーンである場合の増分を、前記空燃比が前記所定の空燃比よりもリッチである場合の増分と比較してより大きくする、内燃機関の制御装置を構成した。
前記所定の空燃比は、例えば理論空燃比である。
本発明によれば、内燃機関の気筒における燃焼の安定性とエンジン回転数の低下との両立を図り得る。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の制御装置が実施する制御の内容を説明する図。 同実施形態の制御装置が実施する制御の内容を説明する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、吸気絞り弁である電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び/または下流には、排気通路4を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44は、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよいし、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、気筒1に充填される吸入空気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR量(または、EGR率)等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、運転状況に応じて、気筒1への燃料供給を一時中断する燃料カットを実行する。ECU0は、所定の燃料カット条件が成立したときに、燃料カット即ちインジェクタ11からの燃料噴射を停止する。ECU0は、少なくとも、アクセルペダルの踏込量が0若しくは0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が燃料カット許可回転数以上あることを以て、燃料カット条件が成立したものと判断する。
燃料カット中は、スロットルバルブ32をアクセルペダルの踏込量(0または0に近い)に依拠しない開度に開いておく。この操作は、燃料カット中の内燃機関のポンピングロスを低減してエンジン回転の減速を遅らせるために行う。このときのスロットルバルブ32の開度は、一定値としてもよいし、車速等に応じて増減させてもよいが、何れにせよ比較的大きな開度とする。
そして、ECU0は、所定の燃料カット終了条件が成立したときに、燃料カットを終了することとし、燃料噴射(及び、点火)を再開する。ECU0は、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等のうち何れかを以て、燃料カット終了条件が成立したものと判断する。
ECU0は、燃料噴射量を決定するにあたり、まず気筒1に吸入される空気の量を求め、その吸入空気量に応じて、理論空燃比またはその近傍の空燃比を具現できるような燃料噴射量の基本量TPを決定する。言うまでもなく、基本噴射量TPは、吸入空気量に比例し、吸入空気量が多いほど多くなる。吸入空気量は、現在のエンジン回転数及びサージタンク33内吸気圧を基に推算する。必要であれば、その推算値に、吸気温や大気圧等に応じた補正を加えることができる。尤も、吸気通路3にエアフローメータが設置されているならば、エアフローメータを介して吸入空気量を直接計測することが可能である。
次いで、この基本噴射量TPを、空燃比センサ43、44の出力信号f、gに応じて定まる補正係数FAFで補正する。補正係数FAFは、1を中心に増減する正数であり、空燃比センサ43、44を介して検出された空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに減少し、空燃比センサ43、44を介して検出された空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに増加する。
さらに、状況に応じて定まる各種補正係数Kや、インジェクタ11の無効噴射時間TAUVをも加味して、最終的な燃料噴射時間(インジェクタ11に対する通電時間)Tを算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。そして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
ECU0が決定した燃料噴射量Tにより最終的に実現される、気筒1に充填される混合気の空燃比は、常に理論空燃比であるとは限られず、理論空燃比よりもリッチになることもあれば、理論空燃比よりもリーンになることもある。燃料カットの終了直後等、触媒41内に多量の酸素が吸蔵されている状況下では、敢えて燃料噴射量Tを増量して混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ化し、触媒41に吸蔵された酸素の放出、消費を促すことがある。逆に、触媒41内の酸素が欠乏している状況下や、内燃機関の冷間始動直後の時期にあっては、敢えて燃料噴射量Tを削減して混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン化し、触媒41に酸素を供給したり、冷間始動直後の時期におけるHCの排出の抑制及び触媒41の昇温を図ったりする。
しかして、本実施形態のECU0は、運転者のアクセルペダルの踏込量が0若しくは0に近い閾値以下であるアイドル運転時、またはアクセル開度が所定以下の低負荷運転時において、エンジン回転数を所望の目標回転数に収束させるフィードバック制御を実施する。このフィードバック制御では、原則として、実測のエンジン回転数と目標回転数との偏差を縮小する方向にスロットルバルブ32の開度を操作し、気筒1に吸入される空気量及び燃料噴射量を増減調整する。
実測のエンジン回転数が目標回転数よりも高いと、ECU0は、スロットルバルブ32の開度を縮小して内燃機関の出力するエンジントルクを低減させようとする。一方で、気筒1に吸入される空気量即ち酸素量が顕著に少なくなると、気筒1における混合気の燃焼が不安定化し、失火を生じてエンジンストールに陥るおそれがある。このようなエンジンストールを防止するべく、ECU0は、エンジン回転数のフィードバック制御において、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量に予め下限値(下限ガード値)を設定する。そして、エンジン回転数が目標回転数を上回る偏差が残存していようとも、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量が既に当該下限値に到達しているならば、それ以上スロットルバルブ32の開度を縮小せず、またはそれ以上吸入空気量を減少させない。これにより、フィードバック制御中の燃焼の不安定化を回避している。
エンジン回転数のフィードバック制御中、換言すれば内燃機関がアイドル運転またはアイドル運転に近い低負荷運転を行っている(要するに、吸入空気量及び燃料噴射量が比較的少ない)ときの燃焼の安定度合いは、空燃比の影響を受ける。具体的には、空燃比がリッチであるほど燃焼が安定化し、空燃比がリーンであるほど燃焼が不安定化する。このことに鑑み、本実施形態のECU0は、図2に示すように、空燃比がリッチである場合のスロットルバルブ32の開度または吸入空気量の下限値を、空燃比がよりリーンである場合のそれと比較してより小さく設定する。
下限値を上下させるためにECU0が参照する空燃比は、空燃比センサ43、44(特に、排気通路4を通じて触媒41に流入する排気ガスと接触する上流側の空燃比センサ43)を介して検出される空燃比であってもよいし、気筒1に吸入される空気量と燃料噴射量Tとの比である空燃比つまりはECU0が現在実現しようとしている目標空燃比であってもよい。
空燃比が理論空燃比よりもリッチである場合と、空燃比が理論空燃比と同等または理論空燃比よりもリーンである場合とで下限値を変更する、即ち前者の場合により低位の下限値を設定し、後者の場合により高位の下限値を設定するようにしてもよい。あるいは、空燃比センサ43を介して検出される空燃比及びECU0が実現しようとしている目標空燃比の双方が理論空燃比よりもリッチである場合により低位の下限値を設定し、そうでない場合により高位の下限値を設定することもできる。
但し、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量が下限値と同等または同下限値から一定の範囲内にある、即ち吸入空気量が既に低減されているときに、気筒1における混合気の燃焼の不安定を感知したならば、その後の下限値をそれ以前の下限値よりも大きい値に引き上げることが好ましい。
気筒1における燃焼の不安定は、例えば、クランク角センサを介して検出されるエンジン回転数の変動に基づいて知得できる。ECU0は、内燃機関のクランクシャフトが所定角度、例えば30°CA(クランク角度)回転するために要した時間を反復的に計測し、今回計測された所要時間から前回計測された所要時間を減算することで、30°CA毎のクランクシャフトの回転速度の低下量の指標となる、30°CAの所要時間の変化量を得る。30°CAの所要時間の変化量が正値であることはエンジン回転数が減速傾向にあることを意味し、負値であることはエンジン回転数が加速傾向にあることを意味する。気筒1内で混合気の燃焼が不安定化し、または失火が発生すると、当該気筒1の膨張行程において加速が行われないことから、膨張行程中の30°CAの所要時間の変化量の値が逓増する。故に、ECU0は、30°CAの所要時間の変化量を所定の判定値と比較し、前者が後者を上回ったならば燃焼の不安定ないし失火が発生したものと判定する。
気筒1における燃焼の不安定を検知する他の手法として、混合気の燃焼中に気筒1内の点火プラグ12の中心電極を流れるイオン電流を検出し、イオン電流の大きさが所定値以上となっている時間の長さを計数して、その時間の長さを判定値と比較することも考えられる。前者が後者を下回ったならば、燃焼の不安定ないし失火が発生したものと判定する。
さらには、過去の一定の期間内、例えばクランクシャフトが所定回数回転した間に、所定回数以上の燃焼の不安定ないし失火が発生した経歴がある場合に、はじめて気筒1での燃焼が不安定化していると判断するようにしても構わない。
エンジン回転数のフィードバック制御中に、気筒1における混合気の燃焼が現に不安定化しているのであれば、ECU0が、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量の下限値をより高位の値に引き上げる。結果、現在の空燃比が同等であっても、気筒1における燃焼の不安定を感知している場合の方が、燃焼の不安定を感知していない場合よりも下限値が大きくなる。下限値を引き上げれば、気筒1に吸入される空気量が増量(同時に、燃料噴射量も増量)されることになり、気筒1における燃焼が安定化する。
なお、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量の下限値をより高位の値に引き上げる際には、図3に示すように、空燃比がよりリーンである場合の増分を、空燃比がよりリッチである場合の増分と比較してより大きくすることが好ましい。例えば、現在の空燃比が理論空燃比と同等またはそれよりもリーンである場合において、燃焼の不安定化を感知したならば、以後、空燃比が理論空燃比と同等またはそれよりもリーンの場合に用いる下限値を引き上げる。このとき、空燃比が理論空燃比よりもリッチの場合に用いる下限値は、引き上げてもよいし引き上げなくてもよい。空燃比がリッチであると燃焼が不安定化しにくいことを勘案すれば、空燃比が理論空燃比よりもリッチの場合に用いる下限値は必ずしも引き上げる必要はない。
他方、現在の空燃比が理論空燃比よりもリッチである場合において、燃焼の不安定化を感知したならば、以後、空燃比が理論空燃比よりもリッチの場合に用いる下限値を引き上げる。このとき、空燃比が理論空燃比と同等またはそれよりもリーンの場合に用いる下限値は、引き上げてもよいし引き上げなくてもよいが、空燃比がリーンであると燃焼が不安定化しやすいことを勘案すれば、空燃比が理論空燃比と同等またはそれよりもリーンの場合に用いる下限値も併せて引き上げた方がよいと考えられる。
因みに、ECU0は、エンジン回転数のフィードバック制御において、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量に予め上限値(上限ガード値)を設定することがある。そして、エンジン回転数が目標回転数を下回る偏差が残存していようとも、スロットルバルブ32の開度または吸入空気量が既に当該上限値に到達しているならば、それ以上スロットルバルブ32の開度を拡大せず、またはそれ以上吸入空気量を増加させない。
上限値は、例えば、内燃機関に付随し、内燃機関のクランクシャフトから回転トルクの伝達を受けて稼働する補機による、内燃機関に対する機械的な負荷の大きさに応じて調整する。具体的には、内燃機関により回転駆動されて発電する発電機の発電量(出力電圧または出力電流)が大きいほど上限値を大きく設定し、また内燃機関により回転駆動されるコンプレッサが圧縮する流体(特に、車室内を空調するエアコンディショナ用の冷媒)の圧力が高いほど上限値を大きく設定する。
本実施形態では、エンジン回転数とその目標回転数との偏差を縮小する方向に吸気絞り弁32を開閉操作して気筒1に吸入される空気量を増減させるフィードバック制御を実施するにあたり、吸気絞り弁32の開度または吸入空気量に下限値を設定しておき、エンジン回転数がその目標回転数を上回る偏差が残存していても吸気絞り弁32の開度または吸入空気量が既に当該下限値に到達しているならばそれ以上吸気絞り弁32の開度を縮小せずまたはそれ以上吸入空気量を減少させないこととし、現在の空燃比が所定の空燃比(例えば、理論空燃比)よりもリッチである場合の前記下限値を、現在の空燃比が所定の空燃比と同等またはそれよりもリーンである場合の前記下限値と比較してより小さく設定する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、混合気の燃焼が不安定化しにくい(空燃比がよりリッチの)状況下において、下限値をより低位の値に設定することができ、気筒1に吸入される空気量及び燃料噴射量を削減し、エンジントルクを低減させてエンジン回転数を十分に低下させることが可能となる。結果、余分な燃料消費が抑制され、燃費性能の向上に寄与し得る。
翻って、混合気の燃焼が不安定化しやすい(空燃比がよりリーンの)状況下においては、下限値をより高位の値に設定することで、燃焼の不安定化ないし失火を適切に予防し、エンジンストールを回避することができる。
その上で、吸気絞り弁32の開度または吸入空気量が前記下限値と同等または同下限値から一定の範囲内にあるときに、気筒1における燃焼の不安定を感知したならば、その後の前記下限値をそれ以前の下限値よりも大きい値に引き上げることとし、その際の前記下限値の増分について、、現在の空燃比が所定の空燃比(例えば、理論空燃比)と同等またはそれよりも空燃比がリーンである場合の増分を、現在の空燃比が所定の空燃比よりもリッチである場合の増分と比較してより大きく設定することとすれば、失火に起因するエンジンストールのリスクを最小化することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態には限られない。例えば、内燃機関の吸気通路に、スロットルバルブとともに吸気絞り弁としてアイドルスピードコントロールバルブが設置されている場合には、このアイドルスピードコントロールバルブを開閉操作することで気筒に吸入される空気量を増減させるフィードバック制御を実行することができる。周知の通り、アイドルスピードコントロールバルブは、吸気通路におけるスロットルバルブの上流側と下流側とを連通するバイパスを開閉する、開度操作の可能なバルブである。
その場合、内燃機関の制御装置は、アイドルスピードコントロールバルブの開度または吸入空気量(バイパスを流通する空気の流量であることがある)に下限値を設定し、たとえエンジン回転数がその目標回転数を上回る偏差が残存していても、アイドルスピードコントロールバルブの開度または吸入空気量が既に当該下限値に到達しているならば、それ以上アイドルスピードコントロールバルブの開度を縮小せず、またはそれ以上吸入空気量を減少させないように制御する。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
32…吸気絞り弁(スロットルバルブ)
4…排気通路
43…空燃比センサ
b…クランク角信号
c…アクセル開度信号
d…吸気温・吸気圧信号
f…空燃比信号
j…燃料噴射信号
k…開度操作信号

Claims (2)

  1. エンジン回転数と目標回転数との偏差を縮小する方向に吸気絞り弁を開閉操作して気筒に吸入される吸入空気量を増減させるフィードバック制御を実施するにあたり、
    前記吸気絞り弁の開度または前記吸入空気量に予め下限値及び上限値を設定し、
    前記エンジン回転数が前記目標回転数を上回る偏差が残存していても前記吸気絞り弁の前記開度または前記吸入空気量が既に前記下限値に到達しているならば前記吸気絞り弁の前記開度を縮小せずまたは前記吸入空気量を減少させず、
    前記吸気絞り弁の前記開度または前記吸入空気量が既に前記上限値に到達しているならば、前記吸気絞り弁の前記開度を拡大せずまたは前記吸入空気量を増加させず、
    前記吸気絞り弁の開度または前記吸入空気量が前記下限値から一定の範囲内にあるときに、前記気筒における燃焼の不安定を感知したならば、その後の前記下限値をそれ以前よりも大きい値に引き上げ、
    前記下限値を引き上げる際の増分において、空燃比が所定の空燃比よりもリーンである場合の増分を、前記空燃比が前記所定の空燃比よりもリッチである場合の増分と比較してより大きくする、内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定の空燃比は理論空燃比である、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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