JP6821255B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の運転制御を司る制御装置に関する。
内燃機関の排気通路には、内燃機関の気筒から排出される排気ガス中に含まれる有害物質HC、CO、NOxを酸化/還元して無害化する三元触媒が装着されている。三元触媒による有害物質の浄化処理の能率を高めるには、触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比近傍の一定の範囲内に収束させることが求められる。そのために、排気通路を流れるガスの空燃比を空燃比センサを介して計測し、その実測空燃比と目標空燃比即ち理論空燃比との偏差を縮小する方向に燃料噴射量を増減操作するフィードバック制御を実施することが通例となっている。
停止していた内燃機関を始動する際には、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトを電動機により回転駆動しつつ、インジェクタから燃料を噴射してこれを気筒において燃焼させ、クランクシャフトの回転を加速するクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度即ちエンジン回転数が内燃機関の冷却水温等に応じて定まる閾値を超えたときに、完爆したものと見なして終了する。その上で、内燃機関の始動直後の時期には、燃料噴射量を空燃比が理論空燃比よりもリッチとなるように調整しているが、エミッションの悪化を抑止するためには、内燃機関の始動後可及的速やかに空燃比を理論空燃比に近づけるフィードバック制御を開始することが望ましい(例えば、下記特許文献を参照)。
特開平10−288075号公報
揮発性の低い重質燃料が使用される場合、内燃機関の始動のためのクランキング中にエンジン回転数が十分に加速せず、始動が遅れることがある。そこで、重質燃料が使用されたとしても内燃機関を確実に始動できるよう、従来より、クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値に到達しない場合には、燃料噴射量を平常よりもさらに増量することで、混合気の燃焼を安定させるようにしている。
図3に、その具体例を示す。内燃機関を始動する際には、燃料噴射量の基本量(原則として、気筒に吸入される空気の量との比が理論空燃比またはその近傍の値となるような燃料の量)に、増量補正項A、B及びCを加味することで、燃料噴射量を基本量よりも増量している。増量補正項Aは、内燃機関の始動のためのクランキングを終了した時点t2以降減衰する。増量補正項Bもまた同様に、クランキングの終了時点t2以降減衰するが、その減衰の速さは増量補正項Aよりも緩やかである。増量補正項Bは、主として内燃機関が低温であるときに大きくなるフリクションロスを補償するもので、内燃機関の現在の温度が低いほど大きな値に設定する。増量補正項Cは、増量補正項A及びBとは異なり、ステップ的に増減する。
従来の始動制御において、クランキングの開始時点t0から所定時間が経過した時点t1までにエンジン回転数が閾値に到達しなかった場合、図3に示しているように、増量補正項Cにさらなる増量分ΔCを加増することで、燃料噴射量を増量していた。そして、内燃機関が完爆に至り始動した後、ある一定以上の時間が経過して混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点t4で、増量補正項Cによる燃料噴射量の増量分をステップ的に削減するようにしていた。
しかしながら、このような制御によれば、時点t4において、燃料噴射量がΔD分大きく急減することとなり、混合気の空燃比が一時的にリーンとなって、内燃機関の出力するエンジントルクが変動し、エンジン回転数に乱れが生じてしまう。このとき既に、空燃比のフィードバック制御を開始していたとしても、時点t4にて発生する外乱を吸収するには至らず、エンジン回転数の低落を抑止することができなかった。
本発明は、以上の問題に初めて着目してなされたものであり、揮発性が比較的低い燃料が使用された場合における、内燃機関の始動後のアイドル回転数の不当な低落を抑止することを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関の始動のためのクランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合、そうでない場合と比較して、その後の燃料噴射量を増量補正する内燃機関の制御装置であって、前記増量補正において、その増量分がある期間を経過した後に0まで減少する第一の補正項と、その増量分が前記第一の補正項が0になるのに要する期間よりも長い期間が経過した後に0まで減少する第二の補正項と、その増量分が前記第二の補正項が0になるのに要する期間よりも長い期間が経過した後に0まで減少する第三の補正項とを重ね合わせたものを燃料噴射量の基本量に加味することとし、前記第一の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第一の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく、かつクランキング中のエンジン回転数が低いほど大きく設定するとともに、その第一の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点を迎える前に0まで減少し、前記第二の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第二の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく、かつクランキング中の内燃機関の冷却水温が低いほど大きく設定するとともに、その第二の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点を迎える前に0まで減少し、前記第三の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第三の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく設定するとともに、その第三の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点以後徐々に0まで減少する内燃機関の制御装置を構成した。
前記第一の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後徐々に0まで減少するが、その単位時間あたりの減少量は完爆時点後のエンジン回転数が高いほど大きく、前記第二の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後徐々に0まで減少するが、その単位時間あたりの減少量は完爆時点後の内燃機関の冷却水温が高いほど大きく、かつ前記第一の補正項の減少よりも遅く緩やかであり、前記第三の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後段階的に減少させてゆくことが好ましい
本発明によれば、揮発性が比較的低い燃料が使用された場合における、内燃機関の始動後のアイドル回転数の不当な低落を抑止できる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の制御装置が実施する制御の内容を説明するタイミング図。 従来の内燃機関の始動の際の制御の内容を説明するタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよく、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよい。O2センサの出力特性は、理論空燃比近傍の範囲では空燃比に対する出力の変化率が大きく急峻な傾きを示し、それよりも空燃比が大きいリーン領域では低位飽和値に漸近し、空燃比が小さいリッチ領域では高位飽和値に漸近する、いわゆるZ特性曲線を描く。本実施形態では、触媒41の上流側の空燃比センサ43としてリニアA/Fセンサを想定し、下流側の空燃比センサ44としてO2センサを想定している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求される負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR量(または、EGR率)等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、内燃機関のクランキング中や始動直後その他の例外的な場合を除き、気筒1に充填される混合気の空燃比、ひいては気筒1から排出され触媒41へと導かれる排気ガスの空燃比をフィードバック制御する。ECU0は、まず、吸気圧及び吸気温、エンジン回転数、要求EGR率等から、気筒1に充填される新気の量を算出し、これに見合った基本噴射量TPを決定する。基本噴射量TPは、典型的には、気筒1に吸入される空気の量との比が理論空燃比またはその近傍の値となるような燃料の量である。
次いで、この基本噴射量TPを、触媒41の上流側及び/または下流側の空燃比に応じて定まるフィードバック補正係数FAFで補正する。一般に、フィードバック補正係数FAFは、空燃比センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との偏差に応じて調整され、実測空燃比が目標空燃比に対してリーンであるときには増加し、実測空燃比が目標空燃比に対してリッチであるときには減少する。平常の目標空燃比は、理論空燃比またはその近傍に設定する。
そして、内燃機関の状況に応じて定まる各種補正係数Kや、インジェクタ11の無効噴射時間TAUVをも加味して、最終的な燃料噴射時間(インジェクタ11に対する通電時間)Tを算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。しかして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
触媒41の上流側及び/または下流側の空燃比信号f、gを参照したフィードバック制御は、例えば、内燃機関の冷却水温が所定温度以上であり、燃料カット中でなく、パワー増量中でなく、内燃機関の始動からある程度の時間が経過し、空燃比センサ43、43の温度が高まり空燃比センサ43、44が活性中、吸気圧が正常である、等の諸条件がおしなべて成立しているときに実施する。
また、ECU0は、停止している内燃機関を始動するにあたり、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator))を稼働させるための制御信号oを電動機に入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。内燃機関の始動のためのクランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が閾値を超えたときに、完爆したものと見なして終了する。クランキングの終了条件となる閾値は、内燃機関の温度等に応じて上下し得る。具体的には、内燃機関の冷却水温が低いほど高く設定することとなる。
しかして、本実施形態のECU0は、内燃機関の始動のためのクランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合、そうでない場合と比較して、その後の燃料噴射量を増量補正する。
図2に、本実施形態のECU0による、内燃機関の始動時及び始動後の制御の模様を示している。この図2に実線で表しているのは、揮発性の低い重質燃料が使用されたときの、エンジン回転数及び燃料噴射量の増量分のそれぞれの推移である。内燃機関の始動のためのクランキングの開始時点t0から所定時間が経過した時点t1において、エンジン回転数が閾値に到達していない場合、ECU0は、燃料噴射量をさらに増量する補正を加えることで、混合気の燃焼の安定化を図り、以て内燃機関を確実に完爆まで持っていくようにする。
燃料噴射量の基本量に加味する補正項には、増量補正項A、増量補正項B及び増量補正項Cの三つが存在する。燃料補正量を増量補正するためには、(1+増量補正項A+増量補正項B+増量補正項C)を補正係数Kの一部または全部として基本噴射量TPに乗算し、燃料噴射時間Tを算定することとなる。なお、増量補正項A、B及びCは、クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇する平常の場合であっても、即ち揮発性が必要十分に高い燃料が使用されたとしても、図2中に破線で表しているように0ではなく、基本噴射量TPに加味される。
増量補正項Aは、主としてクランキング中及びクランキング終了後のエンジン回転数の高低に応じて決定される、エンジン回転数の加速の促進または吹き上がりの抑制のための補正項である。クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合における増量補正項Aの時点t1以降の値は、平常の場合におけるクランキング中の増量補正項AよりもΔAだけ増量する。この増量分ΔAの大きさは、クランキング中のエンジン回転数が低いほど大きく設定する。そして、増量補正項Aは、内燃機関が完爆に至った時点t2以後、0まで徐々に減少させてゆく。そのときの増量補正項Aの減衰の速さは、完爆時点t2後のエンジン回転数が高いほど速くする。換言すれば、完爆時点t2後のエンジン回転数が高くなるほど、増量補正項Aの単位時間あたりの減少量を大きくする。
増量補正項Bは、主としてクランキング中及びクランキング終了後の内燃機関の温度(冷却水温)の高低に応じて決定される、内燃機関のフリクションロスの補償のための補正項である。クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合における増量補正項Bの時点t1以降の値は、平常の場合におけるクランキング中の増量補正項BよりもΔBだけ増量する。この増量分ΔBの大きさは、クランキング中の内燃機関の冷却水温が低いほど大きく設定する。そして、増量補正項Bは、内燃機関が完爆に至った時点t2以後、0まで徐々に減少させてゆく。そのときの増量補正項Bの減衰の速さは、完爆時点t2後の内燃機関の冷却水温が高いほど速くする。換言すれば、完爆時点t2後の冷却水温が高くなるほど、増量補正項Bの単位時間あたりの減少量を大きくする。なお、増量補正項Bの減衰の速さは、増量補正項Aの減衰の速さよりも遅く緩やかであり、増量補正項Bが0となるのは増量補正項Aが0となった後である。
増量補正項Cは、原則として、増量補正項A及びBのように逓減はせず、ある期間同じ大きさを保ち、かつステップ的に変動する補正項である。クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合における増量補正項Cの時点t1以降の値は、平常の場合におけるクランキング中の増量補正項CよりもΔCだけ増量する。この増量分ΔCの大きさは、図3に示している従来の始動制御における増量補正項Cの増量分ΔCよりも小さくなる。そして、増量補正項Cは、内燃機関が完爆に至った時点t2以後、段階的に減少させてゆく。
ECU0は、内燃機関が完爆状態に至った時点t2でクランキングを終了するとともに、完爆後ある程度の時間が経過した時点t3で、空燃比センサ43、44を介して計測される実測空燃比を目標空燃比に追従させる空燃比フィードバック制御を開始する。その一方で、増量補正項A、B及びCの減少により、混合気の空燃比は理論空燃比よりもリッチの状態から理論空燃比へと近づいてゆく。
しかして、空燃比フィードバック制御を開始した後、混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点t4以後、増量補正項Cを0まで(ステップ的に減少させるのではなく)徐々に減少させてゆく。増量補正項A及びBは、時点t4を迎える前に0まで減少している。
本実施形態では、内燃機関の始動のためのクランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合、そうでない場合と比較して、その後の燃料噴射量を増量補正する内燃機関の制御装置0であって、前記増量補正において、その増量分がある期間を経過した後に0まで減少する第一の補正項(増量補正項Aまたは増量補正項B)と、その増量分が前記第一の補正項が0になるのに要する期間よりも長い期間が経過した後に0まで減少する第二の補正項(増量補正項Aに対する増量補正項B若しくは増量補正項C、または増量補正項Bに対する増量補正項C)とを重ね合わせたものを燃料噴射量の基本量(基本噴射量TP)に加味する内燃機関の制御装置0を構成した。
並びに、本実施形態では、内燃機関の始動のためのクランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合、そうでない場合と比較して、その後の燃料噴射量を増量補正する内燃機関の制御装置0であって、前記増量補正において、増量分の補正項(増量補正項A、BまたはC)を燃料噴射量の基本量(基本噴射量TP)に加味することとし、その補正項による増量分を0まで減少させる際には当該増量分をステップ的にではなく徐々に減少させる内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、揮発性が比較的低い燃料が使用された場合における、内燃機関の始動後のアイドル回転数の不当な低落を抑止できる。特に、図3に示しているように、クランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合における燃料噴射量の増量分を、増量補正項A、B及びCに分配していることから、その増量補正を終了する時点t4における増量の残存分ΔDが、従来の始動制御におけるΔDよりも小さくなる。従って、増量補正を終了する時点t4の前後で燃料噴射量が減少する割合を縮小することができる、つまりは時点t4にて発生する外乱を小さくすることができ、エンジントルクの変動及びエンジン回転数の低落の幅を極小化することが可能となる。
加えて、燃料噴射量の増量補正を終了する時点t4以後、増量の残存分ΔDを徐々に減少させるようにしており、このこともまたエンジントルクの変動及びエンジン回転数の低落の抑制に寄与し得る。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態には限られない。上記実施形態では、燃料噴射量の増量補正項A、B及びCを燃料噴射量の基本噴射量TPに乗算する係数としていたが、増量補正項A、B及びCを基本噴射量TP(または、基本噴射量TPにフィードバック補正係数FAF等を乗じたもの)に加算する補正量としても構わない。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
4…排気通路
41…触媒
43…触媒上流の空燃比センサ
44…触媒下流の空燃比センサ
f…触媒上流の空燃比信号
g…触媒下流の空燃比信号
j…燃料噴射信号
o…クランキング用の電動機の制御信号

Claims (2)

  1. 内燃機関の始動のためのクランキング中の所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇しなかった場合、そうでない場合と比較して、その後の燃料噴射量を増量補正する内燃機関の制御装置であって、
    前記増量補正において、その増量分がある期間を経過した後に0まで減少する第一の補正項と、その増量分が前記第一の補正項が0になるのに要する期間よりも長い期間が経過した後に0まで減少する第二の補正項と、その増量分が前記第二の補正項が0になるのに要する期間よりも長い期間が経過した後に0まで減少する第三の補正項とを重ね合わせたものを燃料噴射量の基本量に加味することとし、
    前記第一の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第一の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく、かつクランキング中のエンジン回転数が低いほど大きく設定するとともに、その第一の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点を迎える前に0まで減少し、
    前記第二の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第二の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく、かつクランキング中の内燃機関の冷却水温が低いほど大きく設定するとともに、その第二の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点を迎える前に0まで減少し、
    前記第三の補正項について、前記所定時間が経過した時点以降の第三の補正項は当該所定時間内にエンジン回転数が閾値まで上昇した場合のそれよりも大きく設定するとともに、その第三の補正項は空燃比フィードバック制御の開始後混合気の燃焼が十分に安定化したと思しき時点以後徐々に0まで減少する内燃機関の制御装置。
  2. 前記第一の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後徐々に0まで減少するが、その単位時間あたりの減少量は完爆時点後のエンジン回転数が高いほど大きく、
    前記第二の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後徐々に0まで減少するが、その単位時間あたりの減少量は完爆時点後の内燃機関の冷却水温が高いほど大きく、かつ前記第一の補正項の減少よりも遅く緩やかであり、
    前記第三の補正項は、内燃機関が完爆に至った時点以後段階的に減少させてゆく請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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