JP2008190473A - エンジンの吸入空気量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの吸入空気量制御について、標高が変化してもスロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を的確に制御して、良好なエンジン運転状態を維持できるようにする。
【解決手段】車両に搭載したエンジン1の吸気管路2においてスロットルバルブ5を迂回するバイパス路3に配設したISCバルブ4を電子制御ユニット10の電子的制御手段で開閉操作することによりスロットルバルブ5全閉時のバイパス空気量を調整して所定のエンジン回転速度を維持するための吸入空気量制御装置において、その電子的制御手段が、大気圧検出手段としての吸気管圧力センサ12の検出信号により大気圧を検知し、そのときの大気圧値に応じて少なくともエンジンストールを回避可能なバイパス空気量を確保するバルブ開度の下限値を設定して、ISCバルブ4の制御を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】車両に搭載したエンジン1の吸気管路2においてスロットルバルブ5を迂回するバイパス路3に配設したISCバルブ4を電子制御ユニット10の電子的制御手段で開閉操作することによりスロットルバルブ5全閉時のバイパス空気量を調整して所定のエンジン回転速度を維持するための吸入空気量制御装置において、その電子的制御手段が、大気圧検出手段としての吸気管圧力センサ12の検出信号により大気圧を検知し、そのときの大気圧値に応じて少なくともエンジンストールを回避可能なバイパス空気量を確保するバルブ開度の下限値を設定して、ISCバルブ4の制御を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの吸入空気量制御装置に関し、殊に、ISCバルブ(バイパス空気量調整バルブ)を有するスロットルバルブのバイパス路を吸気通路に備えたエンジンシステムにおいて、エンジン減速時に少なくとも必要最小限のバイパス空気量を確保するためにバルブ開度の下限値を設定して、制御を実行する吸入空気量制御装置に関するものである。
車両に搭載されるエンジンシステムについて、例えば特開昭63−29034号公報に記載されているように、吸気通路にスロットルバルブをバイパスするバイパス路を設けるとともに、車両の減速状態を検知しながらバイパス路に設けたISCバルブを開閉操作して制御を実行する吸入空気量制御装置を備えたものが知られている。
このような吸入空気量制御装置は、スロットルバルブが全閉となるアイドル運転状態やエンジンの減速状態に応じてISCバルブを開閉操作することにより、バイパス空気量を調整しながらエンジン回転速度を予め設定した目標回転速度(アイドル回転速度)前後に収まるように制御する。また、このISCバルブの開度制御においては、必要以上にバイパス空気量を減らしてエンジンストールとならないように、下限(閉側)規制を行っているのが一般的である。
しかし、空気密度の異なる低地と高地においては必要とされる空気流量が異なることから、低地で設定したバルブ開度の下限値のままでは、車両の移動により標高が高くなった際に減速等によるエンジン回転速度低下により、ISCバルブが過剰に閉じることでバイパス空気量が不足して、エンジンストール等のトラブルを発生することがある。
特開昭63−29034号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、エンジンの吸入空気量制御について、標高が変化してもスロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を的確に制御して、良好なエンジン運転状態を維持できるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、車両搭載エンジンの吸気通路においてスロットルバルブを迂回するバイパス路に配設したISCバルブを電子的制御手段により開閉操作して前記スロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を調整することにより所定のエンジン回転速度を維持する吸入空気量制御装置において、前記電子的制御手段が、所定の大気圧検出手段の検出信号により大気圧を検知し、そのときの大気圧値に応じて少なくともエンジンストールを回避可能なバイパス空気量を確保するバルブ開度の下限値を設定して前記ISCバルブの制御を実行することとした。
スロットルバルブ全閉時にバイパス空気量を調整する吸入空気量制御装置は、バルブ開度の下限値を設定してエンジン回転速度の過剰低下を回避するのが通常であるが、本発明において、検知した大気圧値に応じてその下限値を決定して設定するようにしたことで、高度の上昇により空気密度が低下した場合でもエンジン回転速度が過剰に低下しないものとして、エンジンストール等のトラブルに陥ること有効に回避できる。
また、そのバルブ開度の下限値の決定を、大気圧値に対応する補正係数で既設の下限値を補正することにより行うものとすれば、的確な下限値を容易に決定でき、或いは、大気圧値と、この大気圧値に応じて所定のエンジン回転速度を少なくとも維持可能とするバルブ開度の下限値とからなるマップを記憶手段に記憶しておきこのマップを用いて行うものとすれば、電子的制御手段の処理能力に過剰な負荷をかけずに迅速な制御が可能となる。
更に、上述した吸入空気量制御装置において、その大気圧検出手段を吸気通路に配設した吸気管圧力センサとし、検知した吸気管圧力値を基に所定の方法で大気圧を推定するものとすれば、吸入空気量制御装置がスピードデンシティ方式のエンジン回転速度制御装置を兼ねている場合等において、大気圧検出装置を新たに設ける必要がない。
検知した大気圧値を基にISCバルブ開度の下限値を決定するという本発明によると、標高が変化してもスロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を的確に制御することができ、良好なエンジン運転状態を維持することができるものである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態についての車両に搭載されるエンジンシステムの配置図を示すものであり、エンジン1の吸気通路を形成する吸気管路2にスロットルバルブ5を迂回するバイパス路3が設けられ、このバイパス路3には吸入空気量制御装置としての電子制御ユニット10により所定のアクチュエータで開閉操作されるISCバルブ4が設けられている。
また、吸気管路2には、スロットル開度センサ11、吸気管圧力センサ12が配設され、エンジン1側にはエンジン回転センサ13が配設されており、電子制御ユニット10がこれらセンサ類に電気的に接続されて各出力信号が入力されるようになっている。
そして、エンジン1のアイドル運転時にはスロットルバルブ5が全閉状態となるが、電子制御ユニット10がスロットル開度センサ11でスロットルバルブ5の全閉状態を検知して、ISCバルブ4の開度を操作することによりバイパス路3を通るバイパス空気量を調整して、エンジン回転速度が予め設定した目標回転速度(アイドル回転速度)となるように制御するものであり、このこと自体は従来の吸入空気量制御装置と同様であって周知の技術である。
更に、本実施の形態では、電子制御ユニット10の記憶手段に、以下に述べる吸入空気量制御方法を実行するための制御プログラムが格納され、これを自動的に実行するようになっている点が本発明の特徴部分となっている。尚、電子制御ユニット10は吸入空気量制御のための専用の吸入空気量制御装置としてエンジンシステムに設けてもよいが、エンジンシステムの全般的な制御を行う汎用の電子制御ユニットに、この吸入空気量制御プログラムを追加的に格納して吸入空気量制御装置を兼ねるものとすれば、コスト面で有利なものとなる。
上述したように、アイドル運転時にスロットルバルブ5が開状態から全閉状態となることから、電子制御ユニット10でISCバルブ4を開閉操作してバイパス通路3を流れるバイパス空気量を調整し、エンジン回転速度を予め設定した目標エンジン回転速度(アイドルエンジン速度)となるように制御する。例えば、通常走行から急に減速したとき、スロットルバルブ5は開状態から全閉状態となるが、その際のエンジン回転速度は目標エンジン回転速度よりも高いところにあるため、ISCバルブ4の開度を絞ってバイパス通路3に流れるバイパス空気量を減らし、エンジン回転速度を低下させるように制御する。
このとき、クラッチを切る等の操作によりエンジン負荷が減少すると、急激にエンジン回転速度が低下する。そのため、ISCバルブ4が閉じすぎて空気量不足によるエンジンストールに陥らないようにバルブ開度の下限値を設定しておき、これに従ってISCバルブ4の開閉操作を行うことで空気量不足によるエンジン運転状態の不調を回避しようとする。
しかしながら、従来例においては、ISCバルブ4の開度の下限値を低地で設定した場合、車両の走行により標高が上がって高地となったときに空気密度の違いで低地と高地とではエンジンに必要となる吸入空気量が異なるため、ISCバルブ4を過剰に閉じていまい、空気量不足によるエンジンストール等のトラブルの原因となっていた。
そこで、本実施の形態においては、吸入空気量制御装置としての電子制御ユニット10が、大気圧検出手段としての吸気管圧力センサ12を用いて所定の手順によりそのときの大気圧を測定(推定)し、その大気圧値に応じてISCバルブの下限値を設定するものとして、ISCバルブ4の閉じ過ぎによるバイパス空気量不足を回避して、エンジンストール等のトラブルを防止するようにしたものである。
尚、吸気管圧力センサ12を用いて大気圧を測定する場合、検知した吸気管圧力値を用いて所定の算出方法により近似大気圧を導出して大気圧を推定する等のいくつかの手順が知られているが、専用の大気圧センサを配設して直接大気圧を検出しても良いことは言うまでもない。しかしこの場合、比較的高価な大気圧センサを新たに配設することはコスト面で不利となりやすい。
本実施の形態における大気圧に応じたバルブ開度の下限値の決定は、検知した大気圧値に対応する補正係数等を用いて既に設定した下限値を補正(大気圧補正)して行うものとすればよく、これにより的確な下限値を容易に決定できるものとなる。一方、これとは異なる方法として、その記憶手段に、大気圧値と、大気圧値に応じて所定のエンジン回転速度を少なくとも維持可能なバルブ開度の下限値とをマップにして予め記憶手段に記憶しておき、このマップを用いて行うこともできる。この場合には、電子制御ユニット10の処理能力に過剰な負荷をかけずに迅速な制御が行える。
図2は本実施の形態による制御結果を示すグラフであり、減速走行移行によりスロットルバルブ5が全閉となると、ISCバルブ4は閉じる方向に制御されるが、エンジン回転速度は車軸の回転によりすぐには低下しないことが判明するが、低地から高地に移動した車両の場合には、このような状態で運転者がクラッチを切ることにより、破線で示す大気圧補正のない下限値の従来例ではバイパス空気量が不足してエンジンストールに陥りやすかった。
これに対し、下限値に大気圧補正を行っている実線で示す本実施の形態によれば、空気密度に応じて少なくともエンジンストールを回避可能なバイパス空気量を確保するバルブ開度の下限値でISCバルブ4の閉じ動作が止まるため、エンジン回転速度の過剰な低下を回避することができ、エンジンストールを有効に防止することができる。
以上、述べたように、エンジンの吸入空気量制御について、本発明により標高が変化しても減速走行等のスロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を的確に制御することができ、良好なエンジン運転状態を維持できるようになった。
1 エンジン、2 吸気管路、3 バイパス路、4 ISCバルブ、5 スロットルバルブ、10 電子制御ユニット、11 スロットルバルブ開度センサ、12 吸気管圧力センサ、13 エンジン回転センサ
Claims (4)
- 車両搭載エンジンの吸気通路においてスロットルバルブを迂回するバイパス路に配設したISCバルブを電子的制御手段により開閉操作して前記スロットルバルブ全閉時のバイパス空気量を調整することにより所定のエンジン回転速度を維持する吸入空気量制御装置において、前記電子的制御手段が、所定の大気圧検出手段の検出信号により大気圧を検知し、そのときの大気圧値に応じて少なくともエンジンストールを回避可能なバイパス空気量を確保するバルブ開度の下限値を設定して前記ISCバルブの制御を実行することを特徴とするエンジンの吸入空気量制御装置。
- 前記下限値の設定は、前記大気圧値に対応する補正係数で既設の前記下限値を補正することにより行われることを特徴とする請求項1に記載したエンジンの吸入空気量制御装置。
- 前記下限値の設定は、記憶手段に記憶した大気圧値と、この大気圧値に応じて所定のエンジン回転速度を少なくとも維持可能とする前記下限値とからなるマップを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載したエンジンの吸入空気量制御装置。
- 前記大気圧検出手段は、前記吸気通路に配設した吸気管圧力センサであり、検知した吸気管圧力値を基に所定の方法で大気圧値を推定することを特徴とする請求項1,2または3に記載したエンジンの吸入空気量制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2007027485A JP2008190473A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | エンジンの吸入空気量制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014240650A (ja) * | 2013-06-12 | 2014-12-25 | スズキ株式会社 | 船外機 |
JP2019135382A (ja) * | 2018-02-05 | 2019-08-15 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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2007
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