JP4253991B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼形態を均質燃焼と成層燃焼との間で切り替える内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関に適用される装置として、排気再循環(EGR)装置が知られている。EGR装置は、内燃機関の排気系に排出された排気の一部を吸気系に再循環する装置であり、再循環される排気(EGRガス)が流過するEGR通路と、同通路を通じて再循環されるEGRガスの量、すなわちEGR量を調整するバルブ(EGRバルブ)とを備えて構成されている。そして、EGRガスを吸入系に再循環することで気筒内の燃焼温度を低下させ、NOx(窒素酸化物)の生成を抑えている。
【0003】
一方、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関のように、燃焼方式を成層燃焼と均質燃焼との間で切り替える内燃機関が知られている。こうした内燃機関では、上記燃焼方式の切り替え時に気筒内に多量のEGRガスが存在すると、燃焼が悪化して失火が生じ、トルクショックが発生するおそれがある。
【0004】
こうした燃焼方式の切り替え時におけるEGRの影響による失火を抑制する技術として、特開平11−287143号公報に記載の内燃機関の制御装置が知られている。同公報の制御装置は、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされたときに、EGRバルブの開度を小さな値、或いはゼロとしている。そして、そうしたEGRバルブの開度制御によって気筒内のEGR量を十分に低下させてから、内燃機関の噴射系や点火系の制御量(例えば燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期など)を均質燃焼での要求値に切り替えることで、失火の発生を抑制するようにしている。
【0005】
一方、成層燃焼から均質燃焼への切り替えに際しては、吸気系の制御量(例えばスロットル開度など)も均質燃焼時の要求値に切り替えられる。ただし、吸気系には、スロットルバルブの動作速度や、そのスロットルバルブから気筒内へ至るまでの空気の移動時間などに起因する応答遅れが存在するため、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼での要求値へと切り替えた時点では、吸入空気量が依然として本来の要求値よりも多い状態となっていることがある。このときの吸入空気量の要求値は、燃焼方式の切り替え前後のトルク段差をなくすべく設定されている。そのため、上記の如く吸入空気量が要求値を上回ると、一時的なトルク増大を招き、トルクショックが発生してしまう。
【0006】
そうした吸気系の応答遅れに起因するトルク増大を抑制する技術としては、例えば特開平10−68375号公報や特開平11−107815号公報にみられるように、噴射系や点火系の制御量を均質燃焼時の要求値に切り替えたときに、点火時期を遅角補正することでトルクを低減して、上記トルク増大分を相殺する技術が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした点火時期の遅角補正を行う構成と、上述の特開平11−287143号公報に記載の技術、すなわち燃焼方式の切り替えに際してEGRバルブの開度を小さな値、或いはゼロとするように制御した後で、内燃機関の噴射系や点火系の制御量を均質燃焼時の要求値に制御して燃焼方式を切り替える構成とを備えた内燃機関において、均質燃焼時にEGRを行う場合には、次のような不具合も無視し得ないものとなる。
【0008】
すなわち、燃焼方式を成層燃焼から均質燃焼へと切り替えた後、EGRバルブの開度を増大させることとなるが、気筒内のEGR量が多くなると燃焼速度が低下することから、点火時期の要求値(要求点火時期)は進角側に移行する。そのため、点火時期の遅角補正に際して気筒内に多量のEGRガスが導入されていれば、遅角補正を行ったところで、適切なトルク低減を行えるまでに点火時期を遅角できなくなってしまう。
【0009】
なお、上述の特開平11−287143号公報に記載の構成では、EGRバルブの開度制御に関して、上記点火時期の遅角補正との関係が一切考慮されておらず、EGRバルブの開度制御の如何に依っては、やはり上記のような不具合は避け難いものとなる。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、均質燃焼時にEGRを行う内燃機関であれ、成層燃焼から均質燃焼への切り替えを好適に行うことのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、EGRバルブの開度制御を通じて吸気系に再循環されるEGR量を調整する内燃機関に適用されて、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされたとき、前記EGRバルブの開度を成層燃焼時よりも小さな値、またはゼロとするように制御した後、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値に切り替えるとともに、前記噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値に切り替えたときに吸気系の応答遅れによるトルクの増大分が相殺されるように、点火時期遅角補正するとともにその遅角量を減衰させる内燃機関の制御装置において、前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させるに際して、前記点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けて前記EGRバルブの開度を増大させるEGR制御手段を備えるようにしたものである。
【0012】
この構成では、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされるとともにEGRバルブの開度を小さな値、またはゼロとすることで、燃焼方式の切り替え中に、気筒内に残留したEGRガスによる燃焼の悪化によって失火が生じることを抑制している。また、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値に切り替えたときに、吸気系の応答遅れによって内燃機関のトルクが増大してトルクショックが生じることを、それら噴射系及び点火系の制御量の切り替えとともに点火時期の遅角補正を行うことで抑制するようにしている。
【0013】
また、この構成では、EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させるに際して、上記点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けてEGRバルブの開度を増大させるようにしている。そのため、EGR量の増加が点火時期の遅角補正に影響しないように、EGRバルブの開度制御を行うことができるようになる。したがって、均質燃焼時にEGRを行う内燃機関であれ、成層燃焼から均質燃焼への切り替えを好適に行うことができるようになる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される開度へと増大させる時期を、前記遅角量の減衰に関連付けて設定させるように前記EGR制御手段を構成したものである。
【0015】
この構成では、EGRバルブの開度を増大させる時期を、点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けて設定するようにしている。そのため、EGR量の増加が点火時期の遅角補正に影響しないような時期に、EGRバルブの開度を増大させるように設定可能となる。したがって、均質燃焼時にEGRを行う内燃機関であれ、成層燃焼から均質燃焼への切り替えを好適に行うことができるようになる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記遅角量が所定値よりも小さくなった以降に、前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させるように前記EGR制御手段を構成したものである。
【0017】
点火時期の遅角補正においては、低減させるトルク増大分が小さくなるほど、すなわちトルクショック抑制の必要性が少なくなるほど、遅角量が小さく設定される。そこで、この構成のように、点火時期の遅角補正にかかる遅角量が所定値よりも小さくなった以降にEGRバルブの開度が均質燃焼にて要求される開度に増大させるようにすれば、EGR量の増加によって要求点火時期が進角側へ移行しても、あまりトルクショックが発生しないように、EGRバルブの開度制御を行うことができるようになる。したがって、EGR量の増加が点火時期の遅角補正に影響することを適切に回避できるようになる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、前記所定値をゼロとしたものである。
この構成では、遅角量がゼロとなって点火時期の遅角補正が完了した後に、EGRバルブの開度が増大されるようになる。そのため、EGR量の増加が点火時期の遅角補正に影響することを確実に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態にかかる制御装置及び同制御装置が適用される内燃機関10の概略構成を示している。
同図1に示すように、車両に搭載される内燃機関10は、吸気通路11、排気通路12、及びそれら両通路11、12を連通するEGR通路13を備えて構成されている。また、内燃機関10には、気筒内に燃料を直接噴射するインジェクタ14と、この噴射された燃料と空気との混合気を点火する点火プラグ15とが設けられている。吸気通路11には内燃機関10の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ16が、またEGR通路13には同通路13を通じて排気通路12から吸気通路11内へと再循環される排気の量(EGR量)を調整するためのEGRバルブ17が、それぞれ設けられている。
【0021】
こうした内燃機関10の各種制御、例えば上記インジェクタ14による燃料噴射量や燃料噴射時期の制御、点火プラグ15による点火時期の制御、スロットルバルブ16による吸入空気量の制御、EGRバルブ17によるEGR量の制御などは、電子制御装置(ECU)18によって行われている。そして、この内燃機関10は、機関運転中にそれらの制御を通じて、成層燃焼と均質燃焼との間で燃焼方式を切り替えるようにしている。
【0022】
均質燃焼では、内燃機関10の吸気行程中にインジェクタ14から燃料を噴射して、気筒内に均等に混合された混合気層を形成した状態で燃焼が行われる。これに対して、成層燃焼では、内燃機関10の圧縮行程後期にインジェクタ14から燃料を噴射して、点火プラグ15周囲のみに可燃な濃い混合気層を形成した状態で燃焼が行われる。したがって、成層燃焼を行えば、超希薄空燃比での燃焼が可能となり、ポンピング損失や冷却損失を低減し、内燃機関10の燃費性能を向上することができる。
【0023】
このように超希薄空燃比で行われる成層燃焼時には、スロットルバルブ16の開度(スロットル開度)は、同一運転条件での均質燃焼時に比して、相対的に開き側に設定される。また、燃料噴射量についても、均質燃焼では基本的に吸入空気量に応じて設定されるのに対して、成層燃焼ではアクセル開度や機関回転速度などから求められた内燃機関10のトルク要求量に応じて設定されている。
【0024】
更に成層燃焼では、燃焼を維持可能なEGR量の限界が高く、大量のEGR導入による排気のNOx(窒素酸化物)の低減を図ることができる。また、成層燃焼時にはスロットル開度が相対的に開き側に設定されて、吸気管負圧が相対的に低くなっているため、排気通路12から吸気通路11へのEGRの導入効率が低下する。そのため、成層燃焼時のEGRバルブ17の開度(EGR開度)は、同一運転条件での均質燃焼時に比して相対的に開き側に設定される。
【0025】
このように、両燃焼方式での吸気系や点火系、噴射系、EGRなどの各種制御量の要求値はそれぞれ異なっている。そのため、成層燃焼から均質燃焼への切り替え時には、それら制御量が成層燃焼での要求値から均質燃焼での要求値へと切り替えられている。
【0026】
続いて、以上のように構成された本実施形態の内燃機関の制御装置における成層燃焼から均質燃焼への切り替えにかかる制御について、図2〜図5を併せ参照して説明する。図2及び図3は、成層燃焼から均質燃焼への切り替えに際して、ECU18によって行われる一連の処理手順を示すフローチャートである。また図4は、本実施形態の内燃機関の制御装置における成層燃焼から均質燃焼への切り替え時の制御態様の一例を示している。
【0027】
さて、時刻t1において、図4(a)に示す「燃焼方式切換要求フラグ」が成層燃焼から均質燃焼へと移行し、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされると、同図4(k)に示すように、EGR開度がゼロに設定される(図2:ステップ10)。これにより、内燃機関10の排気系から吸気系へのEGR供給が遮断され、気筒内に残留するEGRガスの量(EGR量)は、時間経過とともに低下するようになる。
【0028】
また、この時刻t1において、図4(b)に示すように、吸気系の制御量(スロットル開度)を均質燃焼での要求量に切り替える時期を決定するためのカウンタC1の値がクリアされ(「C1←0」)、同カウンタC1のカウントが開始される(図2:ステップ20)。その後、このカウンタC1の値は、所定時間毎に「1」ずつインクリメント(「C1←C1+1」)される(図2:ステップ22)。
【0029】
そして、時刻t2において、カウンタC1の値が設定値αに達すると(図2:ステップ21において「YES」)、図4(c)に示す「吸気系の燃焼方式切換フラグ」が成層から均質に移行し、吸気系の制御量が均質燃焼の要求値に切り替えられる。これにより、図4(g)に示すスロットル開度は、成層燃焼時に比して閉弁側の均質燃焼での要求値に変更される(図2:ステップ23)。なお、この設定値αは、EGR開度をゼロとしてから後述する噴射系や点火系の切り替えを行うまでに、気筒内のEGR量が十分に低下されるだけのディレイ時間を持たせるように設定されている。ここでは、この設定値αを、切り替え要求がなされたときのEGR量や内燃機関10の運転状態(機関回転速度、機関負荷など)に応じて求めるようにしている。
【0030】
ところで、上述したように、スロットルバルブ16の動作速度や吸気通路11内での空気の移動時間などによる吸気系の応答遅れのため、スロットル開度の要求値の変更は、内燃機関10の吸入空気量に対して直ちには反映されない。そのため、図4(h)に示すように、その後しばらくの間、吸入空気量は、本来の均質燃焼での要求値を上回った状態が継続されることとなる。
【0031】
一方、噴射系の制御量である燃料噴射量の均質燃焼での要求値は、吸入空気量に応じて設定される。したがって、吸入空気量が図4(h)に示すように本来の要求値を上回っていれば、図4(i)に示すように燃料噴射量も本来の要求値を上回ることとなり、内燃機関10のトルクが一時的に増大してしまう。
【0032】
そこで上述したように、点火時期の遅角補正によってトルクを低減して、上記吸気系の応答遅れによるトルクの増大分を相殺し、トルクショックの発生を抑制することとなる。ただし、燃焼を維持可能な点火時期の遅角限界によって、上記遅角補正によってトルクショックを抑制可能な範囲にも自ずと限界がある。そのため、ここでは吸気系の制御量を均質燃焼での要求値に切り替えた後、吸入空気量がある程度低減されて、上記遅角補正によるトルクショックの抑制が可能となるまで、噴射系や点火系の制御量を均質燃焼での要求値へと切り替えることを遅延するようにしている。
【0033】
さて、時刻t2において、吸気系の制御量が均質燃焼での要求値へと切り替えられると、図4(d)に示すように、噴射系や点火系の制御量を均質燃焼での要求量へと切り替える時期を決定するためのカウンタC2の値がクリアされ(「C2←0」)、同カウンタC2のカウントが開始される(図2:ステップ30)。このカウンタC2の値も、やはり所定時間毎に「1」ずつインクリメント(「C2←C2+1」)される(図2:ステップ32)。
【0034】
そして、時刻t3において、このカウンタC2の値が設定値βに達すると(図2:ステップ31において「YES」)、図4(e)に示す「点火・噴射系の燃焼方式切換フラグ」が均質燃焼に移行し、噴射系及び点火系の制御量が均質燃焼の要求値へと切り替えられる(図2:ステップ33)。ここでの設定値βは、吸入空気量がある程度低下して、点火時期の遅角補正によるトルクショックの抑制が可能となるまでの間、上記噴射系及び点火系の切り替えを遅延させるべく設定されている。ここではこの設定値βを、機関回転速度や、成層燃焼及び均質燃焼での吸入空気量の要求値の差分などに基づき求めるようにしている。
【0035】
また更に、この時刻t3においては、上述の点火時期の遅角補正が開始される(図3:ステップ40)。この点火時期の遅角補正は、例えば図5に示すような態様で行われる。
【0036】
すなわち、時刻t3において点火時期の遅角補正が開始されると、図5(b)に示す燃料噴射量の増大分(実際の値と本来の要求値との差分)に応じた内燃機関10のトルク増大を抑えるべく、点火時期の遅角量が算出される。この遅角量は、機関回転速度や、図5(a)に示す吸入空気量の増大分(実際の値と要求値との差分)などに基づき算出され、図5(d)に示すように設定される。そして、図5(c)に示すように設定された点火時期の要求値を、この遅角量にて遅角補正することで、図5(e)に示すように実際の点火時期が設定される。そしてその結果、図5(f)に示すように、内燃機関10のトルク増大を抑えるようにしている。
【0037】
ちなみに、吸気系の応答遅れに起因する内燃機関10のトルク増大は、切り替え直後が最も大きく、その後は吸入空気量の収束とともに減少していく。また、切り替え直後のトルクの急激な増大分を打ち消しさえすれば、以降のトルク増大は、トルクショックとしては官能され難くなる。そこで、吸気系の応答遅れがある程度まで収束した時刻t4以降は、遅角量を徐々に減衰させ、点火時期を本来の均質燃焼での要求値に向け、徐々に進角させるようにしている。
【0038】
ところで、こうした点火時期の遅角補正を開始した時刻t3には、図4(f)に示すように、カウンタC3の値がクリアされ(「C3←0」)、同カウンタC3のカウントが開始される(図3:ステップ50)。このカウンタC3は、上記燃焼方式の切り替え要求がなされるとともに開度ゼロとされたEGR開度を、均質燃焼での要求値に切り替える時期を決定するために用いられる。このカウンタC3の値も、やはり所定時間毎に「1」ずつインクリメント(「C3←C3+1」)される(図3:ステップ52)。
【0039】
そして、時刻t5において、このカウンタC3の値が設定値γに達すると(図3:ステップ51において「YES」)、図4(k)に示すようにEGRバルブ17の開度が均質燃焼時の要求開度に増大されるようになる。そしてその時点から、内燃機関10の排気系から吸気系へのEGR供給が再開される。
【0040】
なお、ここでの設定値γは、上記点火時期の遅角補正にかかる遅角量がゼロとなった時点で、カウンタC3の値が同設定値γに達するように設定される。ここでは、上記の遅角量の算出時と同じパラメータ、すなわち機関回転速度や吸入空気量の増大分(実際の値と要求値との差分)などを用いて、遅角量がゼロとなる時期を予測し、上記設定値γを設定している。したがって、点火時期の遅角量がゼロとなった時点、すなわち点火時期の遅角補正が完了した時点から、吸気系へのEGR供給が再開されるようになる。
【0041】
このように本実施形態では、成層燃焼から均質燃焼への切り替えに際して、その切り替え要求がなされるとともにEGRバルブ17の開度を一旦ゼロとしている。そしてその後、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値へと切り替えるとともに、その噴射系及び点火系の制御量を切り替えたときに、点火時期の遅角補正を行うことで、吸気系の応答遅れに起因する内燃機関10のトルク増大を抑えるようにしている。
【0042】
しかも、本実施形態では、点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けて、EGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させている。より具体的には、その点火時期の遅角補正にかかる遅角量がゼロまで減衰した時点で、EGRバルブ17の開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させている。そのため、点火時期の遅角補正が行われている間、吸気系へのEGR供給が遅延されるため、EGR量の増加に伴う点火時期の要求値の進角側への移行が点火時期の遅角補正に影響することを回避することができる。
【0043】
こうしてEGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求開度に切り替えられたことで、成層燃焼から均質燃焼への切り替えが完了する。なお、図4(j)に示すように、この時刻t5以降、上記EGR供給の再開に伴う気筒内のEGR量の増加に応じて、点火時期は進角側に移行されるようになる。
【0044】
以上説明した本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、一旦はゼロとされたEGRバルブ17の開度を、噴射系及び点火系の制御量が均質燃焼での要求値へと切り替えられた後に、均質燃焼にて要求される値に増大させるに際して、点火時期の遅角補正にかかる遅角量に関連付けてEGRバルブ17の開度を増大させるようにしている。そのため、EGR量の増加による点火時期の要求値の進角側への移行に影響されることなく、点火時期の遅角補正によるトルクショックの抑制を適切に行うことができる。したがって、均質燃焼時にEGRを行う内燃機関であれ、成層燃焼から均質燃焼への切り替えを好適に行うことができるようになる。
【0045】
(2)また、本実施形態では、点火時期の遅角補正にかかる遅角量がゼロとなる時期、すなわち点火時期の遅角補正制御が完了した時期から、上記EGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させるようにしている。そのため、EGR量の増加が点火時期の遅角補正に影響することを、より確実に防止できるようになる。
【0046】
(第2実施形態)
続いて、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2実施形態について、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
なお、本実施形態においても、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされてから、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼での要求値へと切り替えるまでの処理(図2:ステップ10〜ステップ33)は、先の第1実施形態と同様に行われる。
【0048】
ここで先の第1実施形態では、カウンタC3を用いて、EGRバルブ17の開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させる時期を決定するようにしていた。そして、設定値γの設定によって、上記EGRバルブ17の開度を増大させる時期を、点火時期の遅角補正にかかる遅角量と関連付けるようにしていた。
【0049】
これに対して、本実施形態では、EGRバルブ17の開度を増大させる時期を、点火時期の遅角補正にかかる遅角量から直接的に決定するようにしている。図6は、そうした本実施形態における成層燃焼から均質燃焼への切り替えに際しての、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼での要求値に切り替えた以降におけるECU18の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す一連の処理は、第1実施形態における図3のステップ40以降の処理の代わりとして実行される。
【0050】
さて、本実施形態においても、噴射系及び点火系の制御量が均質燃焼での要求値へと切り替わるとともに、点火時期の遅角補正制御が開始される(図6:ステップ400)。ただし本実施形態では、その点火時期の遅角補正にかかる遅角量の推移を監視し、その遅角量がゼロとなったときに(ステップ500において「YES」)、EGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させるようにしている(ステップ501)。
【0051】
このように本実施形態では、EGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値に増大させる時期を、点火時期の遅角制御にかかる遅角量から直接的に求めている。そのため、点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰が、EGRバルブ17の開度制御に直接的に反映されるようになる。そして、本実施形態の内燃機関の制御装置においても、第1実施形態と同様の効果が得られるようになる。
【0052】
(その他の実施形態)
以上説明した各実施形態の内燃機関の制御装置は、次のように変更することもできる。
【0053】
・上記各実施形態では、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされるとともに、EGRバルブ17の開度をゼロとするようにしているが、上記燃焼の切り替え時に燃焼の悪化をもたらさない程度に気筒内のEGR量を低減し得るのであれば、そのときのEGRバルブ17の開度を、ゼロ以外の小さな値に制御するようにしてもよい。
【0054】
・上記各実施形態では、点火時期の遅角補正にかかる遅角量がゼロとなるまで減衰される時刻t5において、EGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させているが、遅角量がゼロとなった時刻t5以降にEGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させるようにすれば、EGR量の増加によって点火時期の遅角補正が影響を受けることを確実に防止することができる。
【0055】
・また更に、上記遅角量がゼロまで減衰される時刻t5以前であっても、EGR量の増大が点火時期の遅角補正によるトルクショックの抑制に影響しない程度、或いはその影響によるトルク増大が問題とならない程度まで遅角量が減衰されていれば、その時点でEGRバルブ17の開度を増大させるようにしてもよい。例えば、上記第1実施形態において、カウンタC3の値が上記遅角量が十分に小さくなったときに設定値γに達するようにその設定値γを設定したり、或いは上記第2実施形態において、上記補正量が十分に小さな所定値まで減衰されたときにEGRバルブ17の開度を増大させるようにしてもよい。その場合にも、点火時期の遅角補正に対して、EGR量の増大が与える影響を低減し、トルクショックを抑制することはできる。要は、点火時期の遅角補正にかかる遅角量に関連付けてEGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させる時期を設定すれば、EGR量の増大が点火時期の遅角補正に及ぼす影響を制御することができる。そして、EGR量の増大が点火時期の遅角補正によるトルクショックの抑制に影響しない、或いはその影響が問題とならないような時期に、EGRバルブ17の開度を増大させることができるようになる。
【0056】
・また、上記各実施形態では、点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けてEGRバルブ17の開度を均質燃焼での要求値へと増大させる時期を設定するようにしているが、その遅角量の減衰に関連付けてEGRバルブ17の開度の増大態様を設定するようにしてもよい。例えば、上記遅角量の減衰に応じて、EGR量の増大が点火時期の遅角補正に影響しない程度、或いはその影響により生じたトルク増大がトルクショックとして官能されない程度の量だけ、EGRバルブ17の開度を増大させていくようにすれば、EGR量の増大が点火時期の遅角補正に与える影響を適切に制御することができる。
【0057】
・なお、こうした成層燃焼から均質燃焼への切り替え時のトルクショックの発生には、上述したEGRや吸気系の応答遅れなど以外にも、様々な因子が影響している。そこで、点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に加え、そうしたその他の因子をも関連付けて、上記EGRバルブ17の開度を均質燃焼へと増大させるようにしてもよい。すなわち、EGRバルブ17の開度の増大態様を決定するパラメータの一つとして、上記遅角量の減衰態様を反映するパラメータを用いるようにすれば、EGR量の増大が点火時期の遅角補正に与える影響を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態についてその全体構造を模式的に示す略図。
【図2】同実施形態の燃焼方式切替時の処理手順を示すフローチャート。
【図3】同実施形態の燃焼方式切替時の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の燃焼方式切替時の制御態様例を示す略図。
【図5】同実施形態の点火時期遅角補正にかかる制御態様例を示す略図。
【図6】第2実施形態についてその燃焼方式切替時の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気通路、12…排気通路、13…EGR通路、14…インジェクタ、15…点火プラグ、16…スロットルバルブ、17…EGRバルブ、18…電子制御装置(EGR制御手段)。

Claims (4)

  1. EGRバルブの開度制御を通じて吸気系に再循環されるEGR量を調整する内燃機関に適用されて、成層燃焼から均質燃焼への切り替え要求がなされたとき、前記EGRバルブの開度を成層燃焼時よりも小さな値、またはゼロとするように制御した後、噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値に切り替えるとともに、前記噴射系及び点火系の制御量を均質燃焼にて要求される値に切り替えたときに吸気系の応答遅れによるトルクの増大分が相殺されるように、点火時期遅角補正するとともにその遅角量を減衰させる内燃機関の制御装置において、
    前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させるに際して、前記点火時期の遅角補正にかかる遅角量の減衰に関連付けて前記EGRバルブの開度を増大させるEGR制御手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記EGR制御手段は、前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される開度へと増大させる時期を、前記遅角量の減衰に関連付けて設定するものである請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記EGR制御手段は、前記遅角量が所定値よりも小さくなった以降に、前記EGRバルブの開度を均質燃焼にて要求される値へと増大させるものである請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記所定値はゼロである請求項3記載の内燃機関の制御装置。
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