JP2018002954A - ウレタン形成性組成物、及びそれを用いたウレタン粘着剤 - Google Patents

ウレタン形成性組成物、及びそれを用いたウレタン粘着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】粘度が低くハンドリング性が良好であり、ウレタン粘着剤を製造する際の硬化性を向上させたウレタン形成性組成物、及び再剥離時における基材の汚染性を低減させた、高凝集力のウレタン粘着剤を提供する。【解決手段】2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とを含み、ポリアルキレンオキシド(A)が下記(a1)から(a4)を全て満たすウレタン形成性組成物を、ウレタン粘着剤に用いる。(a1)不飽和度が0.010meq/g以下である。(a2)水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量が1000以上である。(a3)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布が1.039以下である。(a4)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により算出した分子量分布と水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量(M)とが下記数式(1)を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン粘着剤に好適に使用されるウレタン形成性組成物、及びそれを用いたウレタン粘着剤に関する。
粘着剤は、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等に用いられており、近年ではパソコン、テレビ、携帯電話等の液晶ディスプレイやタッチパネルの密着等の様々な分野で使用されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オキシアルキレン系粘着剤等が知られており、特に最近は、強い粘着力を有する強粘着型粘着剤から、微小な粘着力を有する微粘着型粘着剤まで広範囲の用途にアクリル系粘着剤が使用される傾向がある。
しかしながら、アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーが粘着剤中に残存する場合に、臭気や皮膚刺激性、基材の汚染が問題となる。またアクリル系粘着剤は、被着体に貼付した後、経時変化によって、粘着力が上昇したり移行性が高くなる傾向がある。このため被着体に糊残りが生じ易く、再剥離性が不充分になりやすいという問題がある。また、アクリル系粘着剤では、凝集力を発現するためガラス転移温度が高いコモノマーを使用することから低温での耐衝撃性が不足し低温特性に劣るといった問題があった。
一方で、ゴム系粘着剤は高いタック性を示しやすいが、粘着力が高くなりすぎたり経時変化によって粘着力が上昇しやすいため剥離時に基材の破損や糊残りが発生しやすく再剥離性に劣る。また経時変化によって粘着剤成分が基材へ移行して耐汚染性が十分ではない。
これに対し、ウレタン系粘着剤は、アクリル粘着剤に比べて分子量が小さく、被着体の形状変化に容易に追従できる長所を有している。
例えば、特許文献1には、剥離速度依存性が低く透明性が良好な粘着剤として、一分子当たりの平均官能基数が2.2〜3.4のポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と触媒とを含有するOH末端ウレタンプレポリマーAと、多官能イソシアネート化合物Bとを、成分AのOH基と成分BのNCO基をNCO/OHの当量比として0.5〜1.6の範囲で含むポリウレタン粘着剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン粘着剤組成物は、ポリエーテルポリオールの分子量が低く、3官能のポリエーテルポリオールを多く使用するため、ウレタンプレポリマーの粘度が上昇してハンドリング性に劣り、段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するといった問題や塗工時のハンドリング性が悪いといった問題があった。さらに、不飽和度の高いポリエーテルポリオールを用いているため、再剥離時に移行成分が増加し、基材の汚染の懸念があった。
また、特許文献2には、モノオール量の少ないポリエーテルジオールを用いた水性系ウレタン粘着剤が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載のモノオール量の低いポリエーテルジオールは、複金属シアン化物錯体を触媒として用いることが知られており、そのようなジオールは分子量分布が約1.1程度と広がりやすく、高粘度でハンドリング性が悪い等の課題を抱えている。そのため、それを用いたウレタン形成性組成物は粘度が上昇し、塗工時のハンドリング性が悪いといった課題やウレタン粘着剤を製造する際の硬化性の向上が十分ではないという課題があった。
特開2006−182795号公報 特表2007−514858号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘度が低くハンドリング性が良好であり、ウレタン粘着剤を製造する際の硬化性を向上させたウレタン形成性組成物、及び再剥離時における基材の汚染性を低減させた、高凝集力のウレタン粘着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の分子量分布を有し、かつ特定の不飽和度を有する2官能のポリアルキレンオキシド、及びポリイソシアネートを配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示すとおりウレタン形成性組成物、及びそれを用いたウレタン粘着剤に関する。
[1]2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とを含み、ポリアルキレンオキシド(A)が下記(a1)から(a4)を全て満たすことを特徴とするウレタン形成性組成物。
(a1)不飽和度が0.010meq/g以下である。
(a2)水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量が1000以上である。
(a3)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布が1.039以下である。
(a4)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により算出した分子量分布と水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量(M)とが下記数式(1)を満たす。
Figure 2018002954
[2]ポリアルキレンオキシド(A)のモノオールを加味した平均の官能基数fが1.7〜2.0の範囲であることを特徴とする上記[1]に記載のウレタン形成性組成物。
[3]ポリイソシアネート(C)が、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート及びこれらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のウレタン形成性組成物。
[4]ポリアルキレンオキシド(A)の分子量分布(Mw/Mn)が、分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填したカラム4本を直列接続し、レファレンス側に抵抗管を接続、展開溶媒にテトラヒドロフランを用いた条件で分析した分子量分布であることを特徴とする上記[1]乃至[3]に記載のウレタン形成性組成物。
[5]さらに、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)を含むことを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
[6]ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)を合わせた混合物としての平均官能基数faveの下限が下記数式(6):
Figure 2018002954
を満たすことを特徴とする上記[5]に記載のウレタン形成性組成物。
[7]ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)との重量比が99.9/0.1〜51/49の範囲であることを特徴とする上記[5]又は[6]に記載のウレタン形成性組成物。
[8]ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とのプレポリマーを含む上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
[9]ポリアルキレンオキシド(A)及びポリアルキレンオキシド(B)と、ポリイソシアネート(C)とのプレポリマーを含む上記[5]乃至[8]のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
[10]上記[1]乃至[9]に記載のウレタン形成性組成物と溶媒とを含む溶液であって、当該溶液中のウレタン形成性組成物の濃度が10〜90重量%の範囲であることを特徴とするウレタン形成性組成物溶液。
[11]上記[1]乃至[9]のいずれかに記載のウレタン形成性組成物の反応生成物を含むウレタン粘着剤。
[12]周波数1Hz、25℃での弾性率が2×10Pa〜2×10Paの範囲であることを特徴とする上記[11]に記載のウレタン粘着剤。
[13]JIS K7136の方法で測定した40μmでのHazeが1%未満であることを特徴とする上記[11]又は[12]に記載のウレタン粘着剤。
[14]JIS Z0237の方法で測定した無アルカリガラスとの粘着力が3〜10N/25mmの範囲であることを特徴とする上記[11]乃至[13]のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
[15]下記(b1)及び(b2)を満たすことを特徴とする上記[11]乃至[14]のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
(b1)JIS Z0237の方法で測定したボールタックが21以上である。
(b2)JIS Z0237の方法で測定した40℃での保持力が100分以上である。
[16]周波数1Hz、25℃での損失弾性率G“と貯蔵弾性率G‘の比(tanδ)が0.5〜1.2の範囲であることを特徴とする上記[11]乃至[15]のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
[17]分子量1000以下の有機成分の含有量が5重量%以下であることを特徴とする上記[11]乃至[16]のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
[18]少なくとも1種の基材と、その基材上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層が上記[11]乃至[17]のいずれかに記載のウレタン粘着剤を含むことを特徴とする粘着シート。
[19]少なくとも1種の基材と、その基材上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層が上記[11]乃至[17]のいずれかに記載のウレタン粘着剤を含むことを特徴とする光学用粘着シート。
本発明のウレタン形成性組成物は、粘度が低くハンドリング性に優れ、ウレタン粘着剤を製造する際に良好な硬化性を示す。また、本発明のウレタン粘着剤は、再剥離時における基材の耐汚染性に優れ、再剥離性を有する高凝集力のウレタン粘着剤として好適に使用することができる。
また、本発明のウレタン粘着剤は、特定の2官能のポリアルキレンオキシド(A)と、特定の3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)とを併用することにより、高い柔軟性、低温特性に加えて、適度な粘着力を有し再剥離性、タック性、透明性を発現するため、再剥離性粘着剤として好適に使用することができる。さらには、水蒸気バリア性、耐ブリスター性に優れる光学用粘着剤として好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のウレタン形成性組成物は、ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)を含み、ポリアルキレンオキシド(A)が下記(a1)から(a4)を全て満たすことをその特徴とする。
(a1)不飽和度が0.010meq/g以下である。
(a2)水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量が1000以上である。
(a3)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布が1.039以下である。
(a4)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により算出した分子量分布と水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量(M)とが上記数式(1)を満たす。
<ポリアルキレンオキシド>
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)しては、特に限定するものではないが、例えば、活性水素化合物R[−H]mを一種又は二種以上用い、炭素数が2〜12の3員環のアルキレンオキシドを一種又は二種以上付加したアルキレンオキシド付加物であることが好ましく、また、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキシドであることが好ましい。
Figure 2018002954
[上記一般式(1)中、Rは、活性水素含有化合物(R[−H])からm個の活性水素を除いたm価の基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基であり、Aは炭素数3のアルキレン基である。複数のZ又はAがある場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。mは2、pは0又は1〜500の整数、qは1〜1000の整数、rは0又は1〜500の整数である。]
これらのうち、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たり活性水素基を少なくとも2個有している化合物が好ましい。
本発明のウレタン形成性組成物は、さらに、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)を含んでもよい。
本発明において、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)としては、特に限定するものではないが、例えば、活性水素含有化合物R[−H]を一種又は二種以上用い、炭素数が2〜12の3員環のアルキレンオキシドを一種又は二種以上付加したアルキレンオキシド付加物であることが好ましく、また、上記一般式(1)において、Rが、活性水素含有化合物(R[−H])からm個の活性水素を除いたm価の基であり、Zは炭素数2〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基であり、Aは炭素数3のアルキレン基であり(複数のZ又はAがある場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい)、mは3〜100の整数、pは0又は1〜500の整数、qは1〜1000の整数、rは0又は1〜500の整数であるポリアルキレンオキシドであることが好ましい。
これらのうち、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たり活性水素基を少なくとも3個有している化合物である。
活性水素含有化合物(R[−H])としては、活性水素基を有していれば特に限定されないが、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシアルキレンジオール等の2官能のジオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の2個の活性水素基を有する化合物が挙げられる。活性水素含有化合物(R[−H])としては、これらの中からから選ばれる一種又は二種以上の混合物を用いることができる。
また、本発明において、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)に用いる活性水素含有化合物(R[−H])としては、特に限定するものではないが、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、三洋化成社製サンニックスGP−250、GP−400、GP−600、GP−1000等の3官能の低分子量ポリオール等のトリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等のテトラオール、ヘキソール、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等の3個以上の活性水素を有する化合物を一種又は二種以上用いることができる。
活性水素含有化合物(R[−H])に付加させるアルキレンオキシドとしては、分子内にエポキシ環を1個以上有している化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜12のアルキレンオキシドが挙げられ、一種又は二種以上のアルキレンオキシドを用いてもよい。
これらのなかでも、工業的に入手が容易なプロピレンオキシド、エチレンオキシド等の炭素数が2〜3のアルキレンオキシドを含む一種又は二種以上のアルキレンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドを含む一種又は二種以上のアルキレンオキシドがさらに好ましい。
上記一般式(1)中のZOとしては、粘度が低くなりやすく良好なウレタン成形性を示しやすいため、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜12のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造を有することが好ましい。さらに好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドから選ばれる一種又は二種以上のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造であり、最も好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドから選ばれる一種のポリエーテル構造である。さらには、ウレタン粘着剤とした際に顕著な透明性を発現しやすいため、ポリアルキレンオキシド(A)又はポリアルキレンオキシド(B)の少なくともいずれかにエチレンオキシド由来の構造を含有する事が好ましく、ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)の混合物中にエチレンオキシド由来の構造を0.1〜10重量%含むことが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲で含むことである。
上記一般式(1)中のpは0又は1〜500の整数であり、好ましくはp=0又は1〜100の整数であり、さらに好ましくはp=0である。
上記一般式(1)中のZとしては、例えば、下記一般式(2)で示される構造が挙げられる。
Figure 2018002954
[上記一般式(2)中、R、R、R、Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルを表す。但し、R〜Rの合計の炭素数が10を超えることはない。また、R〜Rのいずれか2つが結合してシクロアルキル基を形成してもよい。]
また、上記一般式(1)中のAOとしては、粘度が低くなりやすくウレタン粘着剤とした際に良好な粘着特性を示しやすいため、プロピレンオキシド等の炭素数3のアルキレンオキシド由来のポリエーテル構造であることが好ましい。
上記一般式(1)中のAとしては、例えば、下記式で示される構造が挙げられる。
Figure 2018002954
上記一般式(1)中のqは1〜1000の整数であり、好ましくはq=10〜500の整数であり、さらに好ましくはq=15〜250の整数である。
上記一般式(1)中のrは、0又は1〜500の整数である。低温で固化しにくくハンドリング性に優れやすいため、好ましくはr=0又は1〜90の整数であり、さらに好ましくはr=0である。
上記一般式(1)中のpとqとrの関係としては、粘度が低くなりやすくウレタンとした際に良好な耐汚染性を示しやすいため、p+q>r(但し、p+qが10〜1000、qが10〜1000、rが0又は1〜90)を満たすことが好ましい。さらに好ましくは、p+q>5r(但しp+qが30〜600、qが30〜500、rが0又は1〜90)を満たすことであり、最も好ましくはp+q>10r(但しp+qが50〜600、qが50〜500、rが0又は1〜90)を満たすことである。
このようなポリアルキレンオキシド(A)としては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ジオール等の2官能のポリアルキレンオキシド等が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド(A)は、1種類に限定されることはなく、複数種のポリアルキレンオキシド(A)を混合して使用してもよい。2種以上のポリアルキレンオキシド(A)を併用する場合、それぞれが上記構造を有する方がより好ましいが、含有重量の多い方のポリアルキレンオキシドの分子構造が上記構造を有していれば好適に使用できる。
<ポリアルキレンオキシドの分子量分布>
本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.039以下である。好ましくは1.003〜1.029の範囲であり、さらに好ましくは1.005〜1.019の範囲であり、最も好ましくは1.006〜1.016の範囲である。
この分子量分布(Mw/Mn)が1.039を超えると、高分子量成分の増加及びモノオールの減少が要因と考えられる粘度の上昇に加え、低分子量成分の影響と考えられる硬化性の悪化を引き起こしやすく、それを用いたウレタン形成性組成物はウレタン粘着剤の形成に時間を要し生産性に劣る。また、そのようなウレタン形成性組成物を用いて得られるウレタン粘着剤は、低分子量成分等により下地への汚染を引き起こしやすく使用が困難となり、さらには再剥離しての使用も困難である。
なお、この分子量分布(Mw/Mn)が1.029以下になると、顕著な粘度低減効果が得られ、バルクでのハンドリング性が向上し、反応や組成が均一となりやすい。
2種以上のポリアルキレンオキシド(A)を併用する場合、それぞれのポリアルキレンオキシド(A)の分子量分布(Mw/Mn)が1.039以下であり、混合物とした際の分子量分布(Mw/Mn)も1.039以下であることが好ましいが、含有重量の多い方のポリアルキレンオキシド(A)の分子量分布が(Mw/Mn)が1.039以下であれば良い。
本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(B)は、とくに限定されないがポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1.1以下であることが好ましい。
なかでも、ポリアルキレンオキシド混合物中にポリアルキレンオキシド(B)が30重量%を超える場合1.039以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.003〜1.029の範囲である。
本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)の、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布(Mw/Mn)と、後述する水酸基価(OHV)より算出した数平均分子量(M)との関係は下記数式(1):
Figure 2018002954
を満たす。好ましくは下記数式(2):
Figure 2018002954
を満たすことであり、さらに好ましくは下記数式(3):
Figure 2018002954
を満たすことである。
また、2官能のポリアルキレンオキシド(A)と3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)とを併用する場合、ポリアルキレンオキシド(A1)とポリアルキレンオキシド(A2)それぞれが上記数式を満たすことが好ましいが、含有量の多い方のポリアルキレンオキシドが上記数式を満たすのであれば好適に使用できる。
ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた分子量分布(Mw/Mn)は、後述する理由から、分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填したカラム4本を直列接続し、レファレンス側に抵抗管を接続、展開溶媒にテトラヒドロフランを用いた条件で測定して分析した分子量分布であることが好ましく、標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線を用いて算出した分子量分布(Mw/Mn)であることが望ましい。
分離カラムの本数としては、分離能(理論段数)が高くベースラインの揺らぎや液中の不純物の微小ピークにより分子量分布が広がることを抑制しやすいため、好ましくは3〜5本であり、特に好ましく4本である。
分離カラムの充填剤の粒径は、測定時間が適正で、ベースラインの揺らぎや液中の不純物の微小ピークにより分子量分布が広がることを抑制しやすいため、好ましくは1〜4.5μmであり、特に好ましくは3μmである。
分離カラムの排除限界は好ましくは5万〜300万であり、さらに好ましくは6万〜40万である。分離カラムの内径は好ましくは5〜7.5mmφであり、さらに好ましくは6mmφである。分離カラムの長さ、好ましくは10〜25cmであり、さらに好ましくは15cmである。
このような分離カラムとしては、例えば、東ソー社製TskgelSuperH4000、Tskgel SuperH3000等が挙げられる。最も好ましい分離カラムの構成は、東ソー製TskgelSuperH4000×2本とTskgel SuperH3000×2本との計4本を直列接続する構成である。
分離カラム側の流速は好ましくは0.5〜0.9ml/minであり、さらに好ましくは0.6ml/minである。カラム温度は好ましくは30℃〜50℃であり、さらに好ましくは40℃である。
また、レファレンス側にはポンプの脈動により分子量分布が広がることを抑制しやすいため、抵抗管2本〜6本を接続することが好ましく、さらに好ましくは抵抗管5本の接続であり、最も好ましくは抵抗管5本と分離カラム1本の接続である。
抵抗管としては長さが2m、内径が0.1mmφのもの等が好適なものとして挙げられる。
レファレンス側の流速は、ポンプの脈動周期が短くベースラインの揺らぎを抑制しやすくポンプの脈動により分子量分布が広がることを抑制しやすいため、抵抗管5本の状態で好ましくは0.1〜0.6ml/minであり、さらに好ましくは0.15ml/minである。
3次近似曲線検量線の標準物質に用いるポリスチレンは、好ましくは6点〜10点であり、さらに好ましくは8点である。分子量既知の標準物質に用いるポリスチレンの分子量としては好ましくは300〜3000000の範囲からの選択であり、さらに好ましくは450〜1100000の範囲からの選択である。具体的には、例えば500、1010、2630、10200、37900、96400、427000、1090000の8点選択等が挙げられ、標準物質の測定は500、2630、37900、427000の4点と1010、10200、96400、1090000の4点等2回に分けて測定してもよい。
展開溶媒としては、好ましくはジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランであり、さらに好ましくは和光純薬社製のBHT安定剤含有特級テトラヒドロフランである。
サンプル濃度としては好ましくは0.5〜2mg/mlであり、さらに好ましくは1mg/mlである。サンプル溶液の注入量はピークがブロードになりにくく分子量分布が広がりにくい10〜90μlが好ましく、さらに好ましくは20μlである。
ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法における低分子量成分の面積比率は、ピーク全体の4.5%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。低分子量成分の面積比率減少に伴い粘度は上昇しやすいが、ウレタン粘着剤とした際に移行成分が少なく再剥離性に優れやすいため好ましい。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)のゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法における低分子量成分の面積比率は、ピーク全体の4.5%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。低分子量成分の面積比率減少に伴い粘度は上昇しやすいが、ウレタン粘着剤とした際に移行成分が少なくハンドリング性や保持力等の粘着特性や耐汚染性、再剥離性に優れやすいため好ましい。
ここで、ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法における「低分子量成分の面積比率」とは、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定する際に算出される数平均分子量(Mn)の1/3以下の数平均分子量の低分子量成分を指し、ベースラインと分子量分布を測定する際に算出される数平均分子量(Mn)の1/3の点でピーク分割して低分子量成分の面積%を求めることができる。
<ポリアルキレンオキシドの性状>
本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)の不飽和度は、0.010meq/g以下である。好ましくは、0.002〜0.009meq/gの範囲であり、さらに好ましくは0.004〜0.008meq/gの範囲である。
0.010meq/gを超える不飽和度が高いポリアルキレンオキシドを用いて得られるウレタン粘着剤は、良好に硬化せず移行成分が多く発生して耐汚染性に劣り、再剥離性や基材汚染により使用が困難である。また硬化に時間を要して生産性の悪化により使用が困難である。さらには低分子量のモノオールを多く副生し、分子量分布の狭いポリアルキレンオキシドを得ること自体も困難となる。
また、本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(B)の不飽和度は、とくに限定されないが耐汚染性や保持力が改善しやすいため0.07meq/g以下であることが好ましい。なかでも、ポリアルキレンオキシド混合物中にポリアルキレンオキシド(B)が30重量%を超える場合0.03meq/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.008meq/gの範囲である。
本発明において、ポリアルキレンオキシドの「不飽和度(meq/g)」とは、ポリアルキレンオキシドの1g当たりに含まれる不飽和基の総量のことであり、JIS K1557 6.7に規定された方法に準拠して測定した値である。ポリアルキレンオキシドの不飽和度はポリアルキレンオキシド中に存在するモノオール量の指標となり、増加することで粘度は低下するが、ポリアルキレンオキシドの平均官能基数が低下することがあり、ポリウレタン原料として用いた際に停止反応となり、ポリウレタンの分子量低下や未架橋の低分子量成分の増加につながったり、ポリウレタン中でダングリング鎖として作用することで硬化性の低下や凝集力が低下して粘着特性の低下を引き起こすことがある。
また、ポリアルキレンオキシド(A)中のモノオールを加味した平均の官能基数fは、高分子量化した際に低下することがあるが、1.7〜2.0の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.0の範囲である。なかでも、ポリアルキレンオキシド(A)のOHVから算出した数平均分子量(M)は1000〜8000未満の場合、1.9〜2.0の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1.95〜2.0の範囲である。平均の官能基数fが1.7未満では不飽和度が低くても凝集力が不足し、再剥離性に劣る場合がある。
また、ポリアルキレンオキシド(A)のモノオールを加味した平均の官能基数fは下記式(4):
Figure 2018002954
によって求めた値である。
ここで、fはポリアルキレンオキシド(A)の開始剤の官能基数(市販品の場合公称官能基数を用いてもよい)、Mはポリアルキレンオキシド(A)の水酸基価より算出した数平均分子量を表し、USVはポリアルキレンオキシド(A)の不飽和度(meq/g)、を表す。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)のOHVから算出した数平均分子量(M)は1000以上である。好ましくは2000〜50000の範囲であり、さらに好ましくは、2000〜30000の範囲である。
3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)を併用する場合、ポリアルキレンオキシド(A)の分子量が低すぎると、柔軟性が低下して段差追従性に劣る場合があるため、ポリアルキレンオキシド(A)のOHVから算出した数平均分子量(M)は2000〜50000の範囲が好ましく、さらに好ましくは5000〜30000の範囲であり、最も好ましくは8000〜30000の範囲である。
また、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)を併用しない場合、ポリアルキレンオキシド(A)の分子量が高すぎると凝集力が不足して粘着特性が低下する場合があるため、ポリアルキレンオキシド(A)のOHVから算出した数平均分子量(M)は1000〜12000未満の範囲が好ましく、さらに好ましくは1000〜8000未満の範囲であり、最も好ましくは1000〜5000未満の範囲である。
一方、ポリアルキレンオキシド(A)の数平均分子量(M)が1000未満では、不飽和度や分子量分布の差異が小さくなり、ウレタン形成性組成物の粘度や硬化性の改善や得られるポリウレタン組成の汚染性改善の顕著な効果が得られない。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)のOHVから算出した数平均分子量(M)は、ポリアルキレンオキシド(A)の水酸基価(OHV、単位はmgKOH/g)に基づき、下記数式(5):
Figure 2018002954
を用いて計算した値をいう。
ここで、「OHV」は、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。また、「1分子当たりの水酸基数」とは、ポリアルキレンオキシド(A)を製造するときに原料として用いた開始剤である活性水素化合物1分子あたりの活性水素原子の数をいう。市販品で開始剤の活性水素原子の数を特定できない場合、公称官能基数を用いる。
また、本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(B)のOHVから算出した数平均分子量(M)は、とくに限定されないが3N/25mm以上の粘着力と保持力、再剥離性を発現しやすく、さらには粘着剤組成物が低粘度となりハンドリング性、硬化性に優れやすいため1000〜30000未満であることが好ましく、さらに好ましくは2000〜12000未満であり、最も好ましくは2000〜9000未満である。
本発明のウレタン形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)、(B)は、室温環境下で液体であり、非晶性の化合物が好ましい。室温環境下で液体で非晶性であれば、加熱をせず使用しやすい等成形性に優れやすい。
また、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)のガラス転移温度はハンドリング性に優れやすく得られるポリウレタン粘着剤の低温特性が良好となりやすいことから−30℃以下が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)、(B)の25℃条件における粘度は、特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは0.1〜500Pa・sの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜200Pa・sの範囲であり、最も好ましくは0.2〜60Pa・sの範囲である。ポリアルキレンオキシド(A)、(B)の粘度が0.1〜500Pa・s(25℃)の範囲であれば成形しやすく、得られるポリウレタン組成物の物性を制御しやすい。
本発明において、25℃条件における「粘度」とは、JIS K1557−5 6.2.3項のコーンプレート回転粘度計で測定した値を指す。具体的には、せん断速度0.1(1/s)条件での粘度を指すが、粘度が測定範囲に入らない場合、測定範囲に入るようせん断速度範囲を0.001〜100(1/s)の範囲で調整しても良い。
<ポリアルキレンオキシドの製造>
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)の製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、活性水素含有化合物と塩基触媒、ルイス酸の存在下に、アルキレンオキシドの開環重合を行うことにより製造することができる。
例えば、活性水素含有化合物と塩基触媒を混合し、減圧処理して触媒活性種前駆体を調整する際に十分に水分や溶媒を除去すること、
さらにルイス酸を混合し、減圧処理して触媒活性種を調整する際に十分に副生物を除去すること及び沸点が低い副生物となる特定のルイス酸を選定することで分子量分布を広げる要因となるルイス酸由来のポリアルキレンオキシドを抑制すること、
副反応が少ない塩基触媒と特定のルイス酸を組み合わせた触媒を用いてアルキレンオキシドを付加する製造プロセスを経ること、
水分値が100ppm以下と少ないアルキレンオキシドを用いること、
等により、製造することが好ましいが、特に限定されない。
また、ポリアルキレンオキシド(B)の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。例えば、3官能以上の開始剤にセシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を用いて所定の分子量までアルキレンオキシドを付加する方法が挙げられる。
不飽和度が低く、分子量分布が狭い低粘度のポリアルキレンオキシド(B)が得やすく、それを用いたウレタンプレポリマーを含有する硬化性樹脂組成物のハンドリング性の向上や得られるウレタン硬化物の耐汚染性が優れやすいため、活性水素含有化合物とイミノ基含有フォスファゼニウム塩等の塩基触媒、ルイス酸触媒の存在下に、アルキレンオキシドの開環重合を行うことにより製造することが好ましい。
塩基触媒として、特に限定するものではないが、アルキレンオキシドの適応範囲が広くて重合活性が高く、低不飽和度となりやすいため、塩基触媒とルイス酸とを併用した触媒系を用いることが好ましい。
ここで、ルイス酸としては、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。そして、これらの中でも、触媒性能に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、さらに好ましくは、有機アルミニウムである。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム;メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチル−イソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン;塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機アルミニウムを挙げることができる。
これらの中でも、触媒活性種調製の際の副生物の沸点が100℃以下と低くて除去しやすく、分子量分布を広げる要因となるルイス酸由来のポリアルキレンオキシドを抑制しやすいトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム等が好ましい。触媒活性種調製の際に副生する化合物はルイス酸の構造より判断でき、例えばトリメチルアルミニウムではアルミニウム上の置換基のメチル基にHが付加したメタン、トリイソブチルアルミニウムではアルミニウム上の置換基のイソブチル基にHが付加したイソブタン、トリイソプロポキシアルミニウムではイソプロポキシ基にHが付加したイソプロパノールである。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等を挙げることができる。
塩基触媒としては特に限定されないが、P−N結合を有する塩基化合物が望ましい。さらに好ましくは、イミノ基及びP−N結合を有する塩基化合物であり、例えば下記一般式で示されるイミノフォスファゼニウム塩化合物が挙げられる(例えば、特開2011−132179号公報参照)。
Figure 2018002954
[上記一般式(3)中、R及びRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、RとRとが互いに結合して環構造を形成していても良いし、R同士又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。]
塩基触媒とルイス酸との割合は、アルキレンオキシド重合触媒としての作用が発現する限りにおいて任意であり、特に限定するものではないが、例えば、塩基触媒:ルイス酸=1:0.002〜500(モル比)の範囲が好ましい。
本発明のポリアルキレンオキシドを製造する際の重合温度としては、特に限定するものではないが、ポリアルキレンオキシドが分解して分子量分布が広がりにくく触媒活性を発現しやすいため、70〜150℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは90〜110℃の範囲である。
本発明に用いるポリアルキレンオキシドを製造する際の重合圧力は、特に限定するものではないが、0.05〜1.0MPaの範囲、好ましくは0.1〜0.6MPaの範囲である。
本発明において、ポリアルキレンオキシドを製造する際の撹拌速度としては、重合容器の形状や内容積、撹拌翼形状等によるため、特に限定するものではないが、例えば、内容積2Lの円筒型の重合容器でイカリ型の撹拌翼の場合には、300rpm以上で十分に撹拌することが好ましい。
イミノフォスファゼニウム塩とルイス酸を組み合わせた触媒を用い、活性水素含有化合物にアルキレンオキシドを付加する場合、
(1)イミノフォスファゼニウム塩(その前駆体を含む)、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を同時に混合し、加熱・減圧処理等を行って触媒活性種を調製する方法、
(2)これらのうちの1成分に他の2成分を混合し加熱・減圧処理等を行って触媒活性種を調製する方法、
(3)これらのうちの2成分に他の1成分を混合し加熱・減圧処理等を行って触媒活性種を調製する方法、
(4)これらのうちの2成分を混合し加熱・減圧処理等を行って触媒活性種前駆体を調製後、他の1成分を混合しさらに加熱・減圧処理等を行って触媒活性種を調製する方法
等の如何なる方法を用いても良い。これらのうち、副生物や不純物が除去されやすく狭い分子量分布のポリアルキレンオキシドを得やすいため、好ましくはイミノフォスファゼニウム塩と活性水素含有化合物とを混合した後に加熱・減圧処理を行って、その後にルイス酸を混合しさらに加熱・減圧処理等を行って触媒活性種を調製してアルキレンオキシドを付加する製造プロセスを経ることが好ましい。
その際の加熱・減圧処理の温度としては副生物や不純物が除去されやすく狭い分子量分布のポリアルキレンオキシドを得やすいため100℃以上が好ましく、さらに好ましくは100〜130℃の範囲である。加熱・減圧処理の際の圧力としては、副生物や不純物が除去されやすく狭い分子量分布のポリアルキレンオキシドを得やすいため0.5kPa未満が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.2kPaの範囲である。その際の加熱・減圧処理の時間としては、反応容器の形状等により異なるがイミノフォスファゼニウム塩及び又はその前駆体、ルイス酸、及び活性水素含有化合物を混合後2時間以上であることが好ましく、さらに好ましくはイミノフォスファゼニウム塩及び又はその前駆体と活性水素含有化合物を混合後2時間以上の加熱・減圧留去に加え、ルイス酸混合後さらに加熱・減圧留去を2時間以上行うことが好ましい。さらに不純物除去のため低沸点の脱水溶媒を添加し、共沸操作を行って不純物を除去してもよい。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)としては、特に限定するものではないが、触媒が残存すると粘度が上昇することがあるため、重合後に触媒を除去したものであることが好ましい。ポリアルキレンオキシド(A)の触媒残渣量としては200ppm以下が好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましい。ここで、触媒残渣量としては、触媒を2種類以上併用して用いる場合、合算した触媒残渣量を指す。
<ポリアルキレンオキシド混合物>
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)とを併用する場合、2官能のポリアルキレンオキシド(A)と3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)の重量比としては、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)の添加量が増加するとプレポリマーとした際の粘着剤組成物の粘度が上昇したり、ポットライフが短くなりハンドリングが困難となる場合や得られる粘着剤の粘着力が低下する場合があるため、ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)の重量比[(A)/(B)]が99.9/0.1〜51/49の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは97/3〜61/39の範囲であり、最も好ましくは95/5〜71/29の範囲である。
ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)を合わせたポリアルキレンオキシド混合物の平均の官能基数の上限としては、特に限定されないが、高すぎるとプレポリマーとした際の粘着剤組成物の粘度が上昇したり、ポットライフが短くなりハンドリングが困難となる場合や得られる粘着剤の粘着力が低下する場合があるため、好ましくは2.7未満であり、さらに好ましくは2.5未満である。なお平均の官能基数にはポリアルキレンオキシドに含まれるモノオールによる官能基数の低下は含まず、ジオールや水は2、トリオールは3として平均官能基数を算出する。
ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)を合わせた混合物としての平均官能基数faveは、特に限定されないが、ポリアルキレンオキシドの分子量が高くなるに従い適度な粘着力と凝集力の両立が困難となる場合があるため、下記数式(6);
Figure 2018002954
を満たすことが好ましく、さらに好ましくは下記数式(7):
Figure 2018002954
を満たすことである。
本発明において、ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)を合わせたポリアルキレンオキシド混合物としての平均官能基数faveは、下記数式(8):
Figure 2018002954
より算出した値である。
ここで、fはポリアルキレンオキシド(A)の平均官能基数、Wはポリアルキレンオキシド(A)の重量部、Mはポリアルキレンオキシド(A)の数平均分子量を表し、fはポリアルキレンオキシド(B)の平均官能基数、Wはポリアルキレンオキシド(B)の重量部、Mはポリアルキレンオキシド(B)の数平均分子量を表す。
なお本発明の平均官能基数は、副生したモノオールによる実質的な官能基数の低下は加味せず、2官能の開始剤を用いて得られるジオールは2、3官能の開始剤を用いて得られるトリオールは3として計算することができる。
また、本発明のウレタン形成性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)に加え、それら以外の活性水素化合物(以下、「その他の活性水素化合物」と称する。)を併用することができる。その他の活性水素化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、水、多価カルボン酸、ポリアミン、ポリオール等の1分子当たり少なくとも1個の活性水素基を有する化合物である。その他の活性水素化合物を用いる場合、その添加量としては、特に限定するものではないが、多すぎると得られた粘着剤形成性組成物の粘度が上昇したり、ウレタン粘着剤の柔軟性が低下する場合があるため、ポリアルキレンオキシド(A)100重量部に対して50重量部未満の範囲で使用することが好ましく、10重量部以下であることがさらに好ましい。最も好ましくは、ポリアルキレンオキシド(A)100重量部に対してその他の活性水素化合物が10重量部以下の範囲であり、その他の活性水素化合物中に3官能以上のポリアルキレンオキシドを含まないことが好ましい。
<ポリイソシアネート(C)>
本発明の粘着剤形成性組成物に用いるポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)を含む。本発明において、ポリイソシアネート(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。
具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ペンタメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有プレポリマー、及びこれらの二種以上の混合物等が例示される。さらに、これらのイソシアネートの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基又はオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
これらのなかでも、粘着剤形成性組成物が低粘度で、得られるウレタン粘着剤の柔軟性や透明性が発現しやすいため、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、これらの変性体が好ましく、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、脂肪族イソシアネート含有プレポリマー、脂環式イソシアネート含有プレポリマー、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基又はオキサゾリドン基含有変性物)が好ましい。これらイソシアネートは一種又は二種以上混合して使用してもよい。また、プレポリマーを事前に反応容器内で形成せず、直接混合して用いる場合(ワンショット法)、蒸気圧の低いイソシアネートを用いることが好ましく、とくに限定されないが例えば、アロファネート変性のHDI、イソシアヌレート変性のHDI等の脂肪族イソシアネートの変性体、アロファネート変性のIPDI、イソシアヌレート変性のIPDI等の脂環式イソシアネートの変性体、いずれか1種以上を用いることが好ましい。
イソシアネート含有プレポリマーとしては、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、イソトリデカノール、ヘキシルデカノール、エチルヘキサノール、ブチルテトラグリコール等のモノオール、ポリオール、モノアミン又はポリアミン等と、対応するイソシアネートとの反応生成物が挙げられる。
ポリイソシアネート(C)の官能基数(1分子中のNCO官能基の数)としては、特に限定されないが2〜6官能であることが好ましく、さらに好ましくは2〜3官能である。
ポリイソシアネート(C)の添加量としては、とくに限定されないがポリイソシアネート(C)の有するNCO基総量と粘着剤形成性組成物中の活性水素基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が0.8〜1.5未満の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.4未満の範囲であり、最も好ましくは1.01〜1.3未満の範囲である。
ポリイソシアネート(C)の添加重としては、本発明の趣旨を損なわない範囲で特に限定されないが、好ましくはポリアルキレンオキシド(A)100部に対して0.1〜50部未満の範囲であり、さらに好ましくは0.3〜10部未満の範囲であり、最も好ましくは0.5〜5部未満の範囲である。ポリイソシアネート(C)の添加重量が50部未満では得られるウレタン粘着剤が柔軟になりやすいため段差追従性に優れやすく、0.1部以上であれば適度な硬化性を発現しやすいため好ましい。
ポリアルキレンオキシド(A)、(B)に加えて、その他の活性水素化合物を用いる場合には、ポリイソシアネート(C)の添加量としては、ポリイソシアネート(C)のNCO基総量と、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)、及びその他の活性水素化合物のOH基総量とのモル比率が0.7〜1.5(モル比)であることが好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.35(モル比)であり、最も好ましくは0.8〜1.29の範囲(モル比)である。
<ウレタンプレポリマー>
本発明のウレタン形成性組成物において、ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)(以下、「ポリイソシアネート(C1)」と称する。)とが反応してそれらの一部又は全部がウレタンプレポリマーを形成していてもよい。また、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)とポリイソシアネート(C1)とが反応してそれらの一部又は全部がウレタンプレポリマーを形成していてもよい。さらには、そのウレタンプレポリマーに対して、硬化剤として、ポリイソシアネート(C1)、又はポリイソシアネート(C1)以外のポリイソシアネート(C)(以下、「ポリイソシアネート(C2)」と称する。)をさらに添加して、粘着剤形成性組成物としてもよい。
その場合、ウレタンプレポリマーに用いるポリイソシアネート(C1)の添加量としては、ポリイソシアネート(C1)の有するNCO基総量と、ポリアルキレンオキシド(A)の有するOH基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が、0.7〜0.99又は1.01〜1.3(モル比)となる範囲であり、好ましくはポリイソシアネート(C1)の有するNCO基総量とポリアルキレンオキシド(A)の有するOH基総量のモル比率が0.75〜0.95又は1.05〜1.2(モル比)となる範囲である。
これらのなかでも、保存安定性が高いOH基末端のプレポリマーが得られることからポリイソシアネート(C1)の有するNCO基とポリアルキレンオキシド(A)の有するOH基総量の比率が0.7〜0.99(モル比)の範囲が特に好ましく、最も好ましくは0.75〜0.95(モル比)となる範囲である。
ポリイソシアネート(C1)の有するNCO基総量と、ポリアルキレンオキシド(A)の有するOH基総量とのモル比率が1.00付近の0.99超〜1.01未満の範囲では粘度が上昇して粘着剤形成性組成物のハンドリングが悪化する場合がある。
<添加剤>
本発明の粘着剤形成性組成物には、必要に応じて、ウレタン化触媒、消泡材、整泡剤、その他の添加剤を含んでもよい。
本発明のウレタン形成性組成物中の添加剤の含有量としては、特に限定するものではないが、好ましくは10重量%以下の範囲であり、さらに好ましくは5重量%以下の範囲である。特に、分子量1000以下の有機成分は移行成分の要因となりやすいため、含有量は5重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは3重量%以下の範囲であり、最も好ましくは0.1重量%以下の範囲である。
<ウレタン形成性組成物>
本発明のウレタン形成性組成物は、2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)を含む組成物であり、ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とが反応してそれらの一部又は全部がウレタンプレポリマーを形成していてもよい。
また、本発明のウレタン形成性組成物が、2官能のポリアルキレンオキシド(A)、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)、及びポリイソシアネート(C)を含む組成物である場合、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)とポリイソシアネート(C)とが反応してそれらの一部又は全部がウレタンプレポリマーを形成していてもよい。
本発明のウレタン形成性組成物は、同一分子量の低モノオール量のポリアルキレンオキシドを用いて得られるウレタン形成性組成物より低粘度なため、ハンドリング性に優れ、硬化速度も速いため、ウレタン粘着剤とする際の生産性に優れる。
本発明のウレタン形成性組成物の製造方法としては、特に限定されない。
本発明のウレタン形成性組成物中の、ポリアルキレンオキシド(A)の含有量としては、特に限定するものではないが、通常50〜99.9重量%の範囲であり、好ましくは60〜99.8重量%の範囲であり、さらに好ましくは70〜99.5重量%の範囲である。ポリアルキレンオキシド(A)の含有量が50〜99.9重量%の範囲であれば、ペースト状や固体状となりにくく液状を保ちやすいため、ハンドリングしやすい。また上記の範囲内であれば均一な組成となりやすく、低粘度となってハンドリングしやすい。
本発明のウレタン形成性組成物中の、ポリイソシアネート(C)の含有量としては、特に限定するものではないが、通常0.1〜35重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。
本発明のウレタン形成性組成物の粘度としては、粘着剤の用途により異なるため、特に限定されないが、通常1〜1000Pa・sの範囲であり、好ましくは2〜300Pa・sの範囲であり、さらに好ましくは3〜100Pa・sの範囲である。1〜1000Pa・sの範囲であれば、用途により異なるが撹拌や成形等のハンドリングがしやすい。
本発明のウレタン形成性組成物にポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とが窒素下で反応して形成したウレタンプレポリマーを含むことで安定した品質で得られやすく、硬化速度を短縮しやすいため好ましい。一方で、ウレタンプレポリマーを含む場合、粘度が高くハンドリング性が低下しやすいが、本発明の粘着剤形成性組成物は、分子量分布の狭い2官能のポリアルキレンオキシドを多く使用するため、不飽和度が低くても粘度が低くハンドリング性に優れ、架橋した際に耐衝撃性、柔軟性、低温特性の良好なポリウレタン粘着剤が得られる。
また、原料を一括で混合するワンショット法では、系外からの水分とイソシアネートが反応しやすく分子量分布が広がりやすいが、分子量分布の狭い2官能のポリアルキレンオキシドを多く使用するため、均一なウレタン構造の粘着剤を得やすい。そのため、ワンショット法、プレポリマー法共にとくに限定されないで用いることができる。
本発明のウレタン形成性組成物に用いることができるウレタンプレポリマーとしては特に限定されないが、粘度が低くハンドリング性が良好となりやすく、適度な硬化性を発現しやすいためGPC法により求められるウレタンプレポリマーの数平均分子量が5×10〜2×10の範囲であることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は粘度の指標となり高いと溶媒への分散性が悪化したり、ゲル状物が生成しやすくハンドリングが困難となる場合があるため、GPC法により求められるウレタンプレポリマーの重量平均分子量が2×106未満となる範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1×106未満となる範囲であり、それに対応する粘度であることが好ましい。
また2官能のポリアルキレンオキシドを多く使用するため、プレポリマー化して用いる際も3官能のポリオールを多く用いる場合より粘度が顕著に低くなりやすく、プレポリマーのゲル化等の外観不良を抑制しやすい。
また、不飽和度が低く、分子量分布が狭い、ポリアルキレンオキシドを使用するため硬化性に優れ、得られるウレタン粘着剤中に低分子量成分が少ないため、粘着特性を発現しやすく、また再剥離した際の基材の汚染を抑制しやすい。
ウレタンプレポリマーとして使用する場合の分子量分布(Mw/Mn)としては、とくに限定されないが、低粘度で耐汚染性や保持力、再剥離性に優れやすいため、20以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.2以下であることが好ましく、最も好ましくは1.1〜2.0の範囲である。
<ウレタン形成性組成物の溶液>
本発明のウレタン形成性組成物において、ハンドリング性や塗工性を改善するため、溶媒を使用し、ウレタン形成性組成物溶液としてもよい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。ウレタン形成性組成物の溶解性、溶媒の沸点等の点から特に、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン又はこれらの混合溶媒が好ましい。これら溶媒は、プレポリマー化して用いる場合、反応初期、反応中盤、反応終了後等任意のタイミングで添加してもよい。
溶媒を使用した場合のウレタン形成性組成物の濃度(溶媒を除く未反応の原料を含む)としては、特に限定されず、用途により選択されるが、好ましくは10〜90重量%の範囲であり、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲である。ウレタン形成性組成物溶液中のウレタン形成性組成物の濃度が10〜90重量%の範囲であれば、保存安定性が向上しやすく、ハンドリング性の向上効果も期待できるため好ましい。
溶剤を含む場合の本発明のウレタン形成性組成物の粘度としては、粘着剤の用途により異なるため、特に限定されないが、通常0.1〜100Pa・sの範囲であり、好ましくは0.2〜30Pa・sの範囲であり、さらに好ましくは0.3〜3Pa・sの範囲である。0.1〜100Pa・sの範囲であれば、用途により異なるが撹拌や成形等のハンドリングがしやす、適度な液の流動性を示して良好なハンドリング性が期待できるため好ましい。
本発明のウレタン形成性組成物溶液は、保存溶液として用いることができ、反応が緩やかで保存安定性に優れる。さらには乾燥して反応を進行させることで、ウレタン粘着剤として使用することができる。また、架橋剤としてポリイソシアネート(c2)を用いて2液とする場合に混合性、混合後の保存安定性に優れやすく、分散性改良液として用いることができ、2液型ウレタン粘着剤の製造に好適に使用することができる。
<ウレタン粘着剤の製造方法>
本発明のウレタン形成性組成物に、必要に応じて架橋剤を添加し、所定の温度で反応を進行することでウレタン粘着剤を製造することができる。
本発明のウレタン粘着剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明のウレタン形成性組成物又はウレタン形成性組成物溶液を基材上に塗工して、必要に応じて脱泡、乾燥して所定の形状で加温又は常温で静置又は撹拌して反応を進行させる方法等が挙げられる。例えば、塗工することでシート状、フィルム状にすることができ、型内で成形することで板状、ブロック状にすることができる。
本発明のウレタン粘着剤の合成時には、公知のウレタン化触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、特に限定されないが、錫系化合物、及び非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上記ウレタン化触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が、反応性及び衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、単独でも使用できるが、併用することもできる。
本発明のウレタン粘着剤の合成時における、上記ウレタン化触媒の添加量としては、特に限定されないが、少なすぎると生産性が低下する場合があり、多すぎると反応が不均一となり物性が不安定となる場合があるため、ポリアルキレンオキシド(A)、(B)及び必要に応じて添加されるその他の活性水素化合物の総量100重量部に対して、上記した3級アミン系化合物では0.01〜15重量部、上記した有機金属系化合物では0.0001〜5重量部の範囲が好ましい。合成後、これら触媒は、除去してもよく、残存していてもよい。
本発明のウレタン粘着剤を形成する際に、必要に応じて活性水素基又はイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤を追加して用いることができる。
本発明のウレタン粘着剤を形成する際に用いることができる架橋剤としては、活性水素基に対して反応性を有する化合物、又はイソシアネート基に対して反応性を有する化合物であれば、特に限定されない。
例えば、アジリジン系架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート系架橋剤、ポリオール架橋剤、アミン系架橋剤、水分等が挙げられる。これらの架橋剤は、一般に液状であるためそのまま使用することができるが、必要に応じて、有機溶媒で希釈して用いてもよい。
エポキシ系架橋剤としては、特に限定されないが、エポキシ基及びアミノ基を有するアミン型エポキシ架橋剤、非アミン型エポキシ架橋剤が挙げられる。例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン及び1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、2,2‘一[[2,2一ビス(オキシランー2一イルメトキシメチル)一1,3一プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビスオキシラン、及びこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、三菱ガス化学社製テトラッドC、テトラッドX、ナガセケムテックス社製デナコールEX−411、デナコールEX212、デナコールEX214、綜研化学社製E−5C等が挙げられる。
ポリオール架橋剤としては、2個以上の活性水素基を有していればよく、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、短鎖長の低分子量アルキレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオールポリエチレングリコール、ポリエステルポリオール、及びこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。これらのなかでも、硬化性に優れ、透明性に優れる硬化物が得られるため、ポリオール中に芳香環を含まず数平均分子量は8000未満の上記ポリオール架橋剤であることが好ましい。
アミン系架橋剤としては、特に限定されないが、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4‘−ジアミン等の脂環式ポリアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4‘−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(seC−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン、JeffAmineD−2000等のポリオキシアルキレンポリアミン、及びこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。
架橋剤の官能基数としては、特に限定するものではないが、例えば、2〜6の範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜3の範囲である。架橋剤の官能基数が2〜6の範囲であれば、架橋が均一に進行しやすく、硬化も不十分となりにくいため好ましい。
架橋剤の添加量は、粘着剤形成性組成物を構成するNCO基総量と活性水素基総量(系中の水分を含む)のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が0.8〜1.5未満の範囲となるように添加することが好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.4未満の範囲であり、最も好ましくは1.01〜1.3未満の範囲である。
ウレタン形成性組成物中にウレタンプレポリマーを含む場合、ウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して、0.1〜20当量(モル比)の範囲が好ましく、0.3〜15当量の範囲がさらに好ましく、0.5〜7当量の範囲が特に好ましい。架橋剤の添加量が、ウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して、0.1〜20当量(モル比)の範囲であれば、良好な硬化性を有し、高い柔軟性が期待できるため好ましい。
ウレタン粘着剤の分子量分布としては、特に限定されないが、耐汚染性や保持力、再剥離性に優れやすいため、20以下であることが好ましい。さらに好ましくは、ウレタンの分子量分布が4.0未満であり、最も好ましくは3.0未満の範囲である。そのようなウレタン粘着剤は3官能のポリアルキレンオキシドを10部以下又は用いないこと、2官能のポリイソシアネートCのみを用いることで得やすい。
特に、分子量分布が広いと分子量1000以下の有機成分が増加し、移行成分の要因となりやすいため、分子量1000以下の有機成分の含有量は5重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは3重量%以下の範囲である。ウレタン粘着剤より低分子量成分を所定の溶媒で抽出することで求めることができる。
<ウレタン粘着剤>
本発明のウレタン粘着剤は、本発明のウレタン形成性組成物の反応生成物を含むことをその特徴とする。
本発明のウレタン粘着剤は、不飽和度が低いポリアルキレンオキシドを用いており高分子量化しても架橋点を保持しやすく、良好な柔軟性と粘着特性、低温〜高温までの耐衝撃性を発現しやすい。また、粘着剤形成性組成物の粘度が低く均一な組成で得られやすいため透明性が優れやすい。
本発明のウレタン粘着剤は、周波数1Hz、25℃での弾性率が2×10Pa〜2×10Pa以下であることが好ましく、さらに好ましくは3×10Pa〜1.2×10Paの範囲であり、さらに好ましくは、5×10Pa〜1.2×10Paの範囲である。周波数1Hz、25℃での弾性率が2×10Pa〜2×10Paの範囲内であれば、凝集力を保持しつつ粘着剤が変形しやすいため、保持力や粘着力等の粘着特性を発現しつつ被着体の段差へ追従して気泡が発生を抑制しやすいため好ましい。
本発明において、25℃℃での弾性率は、動的粘弾性測定装置UBM社製RheogelE−4000を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、それぞれの温度における貯蔵弾性率G‘の値を意味する。
本発明のウレタン粘着剤のガラス転移温度は、特に限定されないが−30℃以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、−80℃〜−50℃の範囲である。ガラス転移温度−30℃以下の範囲であれば、糊残りや耐熱性が低下せず、低温下でも落下した際に剥離や割れが抑制でき低温での高い密着性が期待できるため好ましい。
本発明のウレタン粘着剤の周波数1Hz、25℃での損失弾性率G“と貯蔵弾性率G‘の比(tanδ)は、特に限定されないが、0.5以上であることが好ましい。なかでも、周波数1Hz、25℃でのtanδが0.5〜1.2の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.0の範囲である。25℃での損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’の比(tanδ)は、0.5以上であれば粘性があり、エネルギーの熱等への変換が期待できるため、室温での振動吸収性や耐衝撃性が期待できるため好ましい。
本発明において、ガラス転移温度、25℃でのtanδは、動的粘弾性測定装置、UBM社製Rheogel E−4000を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、貯蔵弾性率G‘に対する損失弾性率G“の比であるtanδのピーク値を取る温度をガラス転移温度として評価し、25℃での値を25℃での損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’の比(tanδ)として評価した。
本発明のウレタン粘着剤のJIS Z0237の方法で測定した無アルカリガラスとの粘着力は、特に限定されないが、3N/25mm〜10N/25mm未満の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは4N/25mm〜9N/25mm未満の範囲である。無アルカリガラスとの粘着力が3N/25mm〜10N/25mm未満の範囲であれば、基材への接着信頼性や耐衝撃性、再剥離性が期待できるため好ましい。また特に限定されないが、再剥離性の観点から剥離形態が界面剥離であることが好ましい。
本発明のウレタン粘着剤の粘着力は、無アルカリガラスとして0.7mm厚みのコーニング社製イーグルXGを用いてJIS Z0237に準じて測定した値である。具体的には、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちし、幅25mmにカットしてJIS Z0237に準じてロール圧着して試験片を作製。引張試験機オリエンテック社製RTG−1210を用いて、JIS Z0237に準拠して23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った、180°引き剥がし粘着力(N/25mm)を粘着力とした。
本発明のウレタン粘着剤のJIS Z0237の方法で測定したボールタックは、特に限定されないが、6以上であることが好ましい。なかでも、瞬間的に接着して段差へ追従しやすいため21以上の範囲が好ましく、さらに好ましくは25以上であり、最も好ましくは32以上である。ボールタックが21以上であれば濡れ性に顕著に優れるため、張り合わせ時間の短縮が期待でき、さらには位置ズレ等が抑制されるため生産性が向上しやすい。
本発明のウレタン粘着剤のボールタックはJIS Z0237に準じて評価した値であり、具体的には、傾斜角度30度、助走距離10cmの条件で粘着剤距離10cmの間で停止したボールNo.である。
本発明に用いるウレタン粘着剤のJIS Z0237の方法で測定した保持力は、特に限定されないが、40℃条件で100分以上であることが好ましい。
本発明のウレタン粘着剤の保持力はJIS Z0237に準じて評価した値であり、具体的には、SUS基材に25mm×25mmの接着面で張り合わせ、40℃、静荷重1kgの条件で重りが落下するまでの時間を評価した。保持力が40℃条件で100分以上であれば、移行成分が少なく、高い凝集力により再剥離性が期待できる。
本発明のウレタン粘着剤のJISK7136の方法で測定したHazeは、特に限定されないが、好ましくは40μm厚みでのHazeが1%未満であり、さらに好ましくはHazeが0.4%未満であり、もっとも好ましくはHazeが0.2%未満である。40μm厚みでのHazeが1%未満であれば、透明性が高く視認性に優れ、良好な外観が期待できるため好ましい。特に限定されないが、光学用粘着シート等の光学用途で用いる場合、40μm厚みでのHazeが1%未満であることが好ましい。このような40μm厚みでのHazeが1%未満の粘着剤は、粘着剤形成性組成物を構成するNCO基総量と活性水素基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が0.9〜1.3未満となる範囲の条件で製造することが好ましい。
本発明において、Hazeは測定に用いる基材を除いた値である。具体的には、PMMA基材のHazeが0.2%、PMMAと粘着剤の2層構造でのHazeが0.5%の場合、粘着剤のHazeは0.5−0.2=0.3%とした。
本発明のウレタン粘着剤は、室温で柔軟性を有し高温でも弾性を保持でき、振動吸収性、粘着性、低温特性、タック性に優れ、印刷段差への追従性や耐衝撃性、低温から高温までの密着性が期待できる。
本発明のウレタン粘着剤は、フィルム状やシート状、板状、ブロック状等任意の形状で提供することができる。
<粘着シート>
本発明の粘着シートは、少なくとも1種の基材とその基材上に設けられた粘着剤層を有し、粘着剤層が本発明のウレタン粘着剤を含むことをその特徴とする。
本発明の粘着シートに用いる基材としては、例えば、離型フィルム、芯材等が挙げられる。このような離型フィルムとしては、例えば、PET、PP、TPX、これらのシリコーン、フッソ等の離型処理したフィルム等が挙げられる。市販品としては、例えば、帝人デュポン社製ピューレックスA31、A33、A35、A43等の離型PETが挙げられる。芯材としては、不織布やPETフィルム、PPフィルム等が挙げられる。
本発明の粘着シートの積層構成としては、例えば、離型PETで両面を挟み込んだ3層構造の基材レス型粘着シート、粘着剤層に芯材を用いた5層構成の両面粘着シート等が挙げられる。
本発明の粘着シート中の粘着剤層の厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは10μm〜1000μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm〜250μmの範囲であり、最も好ましくは20μm〜130μmである。特にフィルムセンサー用の光学用粘着シートの場合、20μm〜150μmの範囲が好ましく、タッチパネルとカバーパネル間用ガラスセンサー向け光学用粘着シートの場合、50μm〜250μmの範囲が好ましい。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シートの形状としては、所望の形状としてよい。特に限定されないが、ロール状としてもよく、裁断してシート状で提供してもよい。
本発明の粘着シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明のウレタン形成性組成物を含む成分と、架橋剤を含む成分とを所定の比率で混合して2液硬化型ポリウレタン組成物とした後、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等による塗工する方法を挙げることができる。これらの塗工方式を用いる場合、基材の片面又は両面に2液硬化型ポリウレタン組成物を塗布した後、必要に応じて脱泡、加熱、乾燥することが望ましい。
加熱する方法としては、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、一般に使用される方法を用いることができる。乾燥温度は特に制限されないが、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは80〜150℃の範囲である。基材として熱可塑性樹脂を使用する場合、乾燥温度はその融点以下であることが望ましい。乾燥温度50〜200℃の範囲では、基材の劣化や色調の変化が生じにくいため好ましい。
本発明のウレタン粘着剤、粘着シートの用途としては、特に限定されず、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等が挙げられる。具体的には、包装テープ、ラベル用テープ、マスキングテープ、クラフトテープ等の包装・事務・家庭用粘着テープ、絆創膏等の医療用テープ、壁紙用テープ、フォームテープ、建築用弾性粘着剤等の建築用テープ、パソコン、テレビ、携帯電話、自動車、太陽電池、その他家電等に用いる電子材料用テープ、液晶ディスプレイ、タッチパネルの密着等に用いる光学用粘着シート、製造工程における表面保護テープ、防水テープ、導電性テープ、放熱性テープ等が例示される。
本発明のウレタン粘着剤、粘着シートは、特に耐衝撃性が必要な用途、例えば、ガラス等の割れやすい基材の密着や飛散防止、電子機器等、振動や衝撃に弱い機器の密着等に好適に使用することができ、具体的には、タッチパネル用途等の光学用途や電気電子部品用途等に使用することができる。具体的な用途としては、特に限定するものではないが、スマートフォン、タブレットPC、ノートパソコン等の電子機器に用いられる光学用粘着シート、電子部品の保護テープが例示される。これらのなかでも、上記電子機器内部の各種フィルムの密着に好適に用いることができる。
<光学用粘着シート>
本発明の光学用粘着シートは、少なくとも1種の基材とその基材上に設けられた粘着剤層を有し、粘着剤層が本発明のウレタン粘着剤を含むことをその特徴とする。
光学用粘着シートに用いる粘着剤層としては、視認性が優れやすいことから40μm厚みでのHazeが1%未満の本発明のウレタン粘着剤であることが好ましく、さらに好ましくは粘着剤層が40μm厚みでのHazeが0.40%未満の本発明のウレタン粘着剤であり、最も好ましくは粘着剤層が40μm厚みでのHazeが0.20%未満の本発明のウレタン粘着剤である。
光学用粘着シートに用いる粘着剤層としては、ITO腐食性を考慮すると25μm厚みでの水蒸気透過度が90g/m・day以下であることが好ましく、さらに好ましくは60g/m・day以下である。また適応範囲が優れやすいことから、耐ブリスター性に優れ、ポリカーボネート板に4cm角で張り合わせて60℃で加温し静置後に残存する発泡箇所の面積が5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1%以下であり、最も好ましくは発泡箇所が目視上0%である。なかでも、60℃で加温直後の発泡箇所の面積が5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1%以下であり、最も好ましくは発泡箇所が目視上0%である。
本発明の光学用粘着シートの具体的な光学用途としては、特に限定されないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機等のタッチパネルやディスプレイ、ITOフィルムや銀メッシュ、銅メッシュ、偏光板といったその周辺の機能性フィルムの密着等に用いる粘着シートが挙げられる。タッチパネルの動作方式としては、特に限定されず、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式、電磁誘導式等に好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した材料、及び評価方法は以下に示すとおりである。
<原材料>
1)ポリアルキレンオキシド
実施例又は比較例で用いたポリオールの性状を表1に示す。
Figure 2018002954
ポリオールA1〜A3:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒とトリイソプロポキシアルミニウムを併用し、脱水・脱溶媒を十分に行い、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールに十分に脱水したプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。
ポリオールA4〜A6:複合金属シアン化物錯体(DMC)触媒を用い、常法により、2官能のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。
ポリオールA7:市販の汎用ポリオキシプロピレングリコール(三洋化成工業社製PP−4000)。
ポリオールA8:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒のみを用い、常法により、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。
なお、上記したポリオールは使用前に加熱・真空脱水し使用した。市販品以外は、常法により触媒を除去し使用した。
ポリオールA1〜A3は不飽和度と分子量分布が狭いものであり、いずれも粘度が7Pa・s以下と低粘度であった。ポリオールA1はポリオールA4と、ポリオールA2はポリオールA5と比較して低粘度でであった。
ポリオールA6は不飽和度が低くて分子量も高く、さらに分子量分布が広いため、粘度が7Pa・s超と高いものであった。
Figure 2018002954
ポリオールA9〜A11:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒とトリイソプロポキシアルミニウムを併用し、脱水・脱溶媒を十分に行い、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールに十分に脱水したプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。なお、ポリオールA9は上記ポリオールA3と同じポリオキシプロピレングリコールである。
ポリオールA12:市販の汎用ポリオキシプロピレングリコール(三洋化成工業社製PP−4000)。
ポリオールA13:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒のみを用い、常法により、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。
ポリオールA14:複合金属シアン化物錯体(DMC)触媒を用い、常法により、2官能のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレングリコール。
ポリオールB1:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒とトリイソプロポキシアルミニウムを併用し、3官能分子量1000のポリオキシプロピレンポリオールにプロピレンオキシド、エチレンオキシドを順次付加したポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオール。
ポリオールB2:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒のみを用い、常法により、3官能分子量1000のポリオキシプロピレンポリオールにプロピレンオキシド、エチレンオキシドを順次付加したポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオール。
ポリオールB3:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒とトリイソプロポキシアルミニウムを併用し、3官能分子量1000のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドのみを付加したポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールB4:複合金属シアン化物錯体(DMC)触媒を用い、常法により、3官能のポリオキシプロピレンポリオールにプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールB5:市販の3官能汎用ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオール(三洋化成工業社製FA−921)。
なお、上記したポリオールは使用前に加熱・真空脱水し使用した。市販品以外は、常法により触媒を除去し使用した。
ポリオールA9〜A11は不飽和度と分子量分布が狭いものであった。ポリオールA10はポリオールA14と比較して低粘度であった。
ポリオールB1、B3は不飽和度と分子量分布が狭いものであった。ポリオールB4は不飽和度が低くて分子量も高く、さらに分子量分布が広いため、粘度が高いものであった。
2)ポリイソシアネート
イソシアネートC1:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)。
イソシアネートC2:アロファネート変性2官能HDI系架橋剤(東ソー社製コロネート2770)。
3)添加剤
ウレタン化触媒:ジブチル錫ジラウレート(和光純薬社製)
溶剤 :超脱水メチルエチルケトン(和光純薬社製)
酸化防止剤 :Irganox1010(BASF社製)
上記市販品をそのまま使用した。
(ポリオールの性状評価)
<水酸基価、数平均分子量>
ポリアルキレンオキシドの水酸基価(OHV)はJIS−K1557−1の方法に従い、測定した。また、ポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、ポリアルキレンオキシドの水酸基価に基づき、上記数式(5)を用いて計算した値である。
<不飽和度>
JIS−K1557−6の方法に従い、測定した。
<分子量分布(Mw/Mn)>
サンプル瓶へポリオール10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとして分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填した東ソー製TskgelSuperH4000×2本及びTskgelSuperH3000×2本の計4本を直列接続し、レファレンス側は抵抗管×5本を接続、展開溶媒に和光社製BHT安定剤含有の特級テトラヒドロフランを用い、分離カラム側の流速0.6ml/min、レファレンス側の流量0.15ml/min、カラム温度40℃の条件で分析した。分子量既知の東ソー社製標準ポリスチレン8点を用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。測定装置には東ソー製HLC−8320GPC、解析には東ソー製HLC−8320GPC−ECOSEC−WorkStationを用いた。
(ウレタンプレポリマー合成例1)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、ポリオールA1、ポリイソシアネートC1、触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量加え70℃まで昇温して窒素下で反応を行った。反応器内容物のNCO基をジブチルアミン逆滴定により追跡し、赤外分光光度計を用いて反応完結を確認して、実施例1で用いたウレタンプレポリマーを得た。
実施例2〜11、比較例1〜9で用いたウレタンプレポリマーも、表3、表4に示す配合に従って、上記と同様の方法で合成した。また撹拌状況等により溶媒としてメチルエチルケトンを90重量%を超えない範囲で適宜添加した。
(ウレタンプレポリマー溶液製造例1)
ウレタンプレポリマー合成例1にて得られたウレタンプレポリマーへ溶媒として超脱水のメチルエチルケトンを加えて加温しながら撹拌し、ウレタンプレポリマー濃度70%の溶液を調製し、実施例1で用いたウレタンプレポリマー溶液とした。また、このウレタンプレポリマー溶液の含水率をカールフィッシャー水分計により測定した。
実施例2〜11、比較例1〜9で用いたウレタンプレポリマー溶液も上記と同様の方法で調整した。ここで、必要に応じて溶媒を添加し、ウレタンプレポリマー濃度は塗工性見合いで10重量%〜90重量%又は100重量%(無溶媒)の範囲で調製した。
(ウレタン粘着剤、粘着シート製造例1)
ウレタンプレポリマー溶液製造例1にて得られた溶液約10gと架橋剤としてポリイソシアネートC2を所定量、サンプル瓶に加えてペンシルミキサーにて均一になるまで撹拌した。このウレタンプレポリマー組成物を50℃で30分加温しながら静置して系内の気泡を除去し、室温へ冷却した。
次いで、この組成物を、離型PET(帝人デュポンフィルム社製ピューレックス)上へ乾燥厚み40μmになるようにアプリケーターにて塗工し、100℃に加温した防爆乾燥機内で3分静置して溶媒を除去した。この時点でNCO基の残量を測定した。乾燥終了後、基材側と離型力に差異がある離型PET(帝人デュポンフィルム社製ピューレックス)を硬化物面に気泡が入らないようにローラーで3往復して張り合わせた。その後、23〜25℃、50%RHの恒温室で静置し、3日後IRにてNCO基の消失を確認した。40μmの硬化物厚みの離型PET/硬化物/離型PETの3層構造のシートを作製し、実施例1の硬化物評価サンプル(粘着シート)とした。
実施例2〜11、比較例1〜9で用いた硬化物評価サンプル(粘着シート)も上記と同様の方法で作製した。
(ウレタンプレポリマー合成例2)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、ポリオールA9、ポリオールB2、ポリイソシアネートC1、触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量加え70℃まで昇温して窒素下で反応を行った。撹拌状況により溶媒としてメチルエチルケトンを適宜添加した。反応器内容物のNCO基をジブチルアミン逆滴定により追跡し、赤外分光光度計を用いて反応完結を確認して、実施例13で用いたウレタンプレポリマーを得た。
実施例14〜24、比較例10〜16で用いたウレタンプレポリマーも、表5、表6に示す配合に従って、上記と同様の方法で合成した。また、撹拌状況等により溶媒としてメチルエチルケトンを90重量%を超えない範囲で適宜添加した。
(ウレタンプレポリマー溶液製造例2)
ウレタンプレポリマー合成例2にて得られたウレタンプレポリマーへ溶媒として超脱水のメチルエチルケトンを加えて加温しながら撹拌し、ウレタンプレポリマー濃度30%の溶液を調製し、実施例13で用いたウレタンプレポリマー溶液とした。このウレタンプレポリマー溶液の含水率をカールフィッシャー水分計により測定した。
実施例14〜24、比較例10〜16で用いたウレタンプレポリマー溶液も上記と同様の方法で調整した。ここで、必要に応じて溶媒を添加し、ウレタンプレポリマー濃度は塗工性見合いで10重量%〜90重量%又は100重量%(無溶媒)の範囲で調製した。
(ウレタン粘着剤、粘着シート製造例2)
ウレタンプレポリマー溶液製造例2にて得られた溶液約10gとウレタンプレポリマーと溶液中の水分を合わせた活性水素基量に対して0.5当量の架橋剤としてポリイソシアネートC2を、サンプル瓶に加えてペンシルミキサーにて均一になるまで撹拌した。本ウレタンプレポリマー組成物を50℃で30分加温しながら静置して系内の気泡を除去し、室温へ冷却した。
次いで、この組成物を、離型PET(帝人デュポンフィルム社製ピューレックス)上へ乾燥厚み40μmになるようにアプリケーターにて塗工し、100℃に加温した防爆乾燥機内で3分静置して溶媒を除去した。この時点でNCO基の残量を測定した。乾燥終了後、基材側と離型力に差異がある離型PET(帝人デュポンフィルム社製ピューレックス)を硬化物面に気泡が入らないようにローラーで3往復して張り合わせた。その後、23〜25℃、50%RHの恒温室で静置し、3日後IRにてNCO基の消失を確認した。40μmの硬化物厚みの離型PET/硬化物/離型PETの3層構造のシートを作製し、実施例13の硬化物評価サンプル(粘着シート)とした。
実施例14〜24、比較例10〜16で用いた硬化物評価サンプル(粘着シート)も上記と同様の方法で作製した。
(ウレタン形成性組成物の評価方法)
<GPC数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布>
ウレタンプレポリマー、又はウレタン形成性組成物を、溶媒としてTHFを用いた標準条件によりGPC測定を行い、標準ポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を評価した。
サンプル瓶へポリウレタン粘着剤形成性組成物を固形分が10mgとなる量とTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。
測定条件は、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定を行い、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線として数平均分子量、重量平均分子量の解析を行った。また、それらの比率Mw/Mnを分子量分布とした。
<粘度>
Anton−Paar社製MCR−300を用いて、25℃条件で粘着剤組成物の70%メチルエチルケトン溶液の粘度を測定し、指標とした。角速度依存性を評価し、一定となる範囲の平均値を粘度とした。
ポリアルキレンオキシドの分子量とプレポリマーとしてのNCO/OHによって用途が異なり、粘度の要求が異なるため、ポリアルキレンオキシドの分子量とプレポリマーとしてのNCO/OHが近い実施例の粘度を基準として比較して、粘度がそれ以下のものを○(基準の実施例含む)、高いものを×と判断した。
具体的には、比較例1は実施例1〜3(分子量2000±100、NCO/OH=0.85±0.05)、比較例2、3、8、9は実施例6、7(分子量4300±200、NCO/OH=0.85±0.05)、比較例4は実施例8(分子量4300±200、NCO/OH=0.75±0.05)、比較例5は実施例9(分子量4300±200、NCO/OH=0)、比較例6は実施例10(分子量9200±2000、NCO/OH=0.75±0.05)、比較例7は実施例11(分子量9200±2000、NCO/OH=0)を基準として粘度の高低を評価した。
<硬化性>
ウレタン粘着剤形成性組成物の硬化性を以下のとおり評価した。
ウレタン粘着剤形成性組成物(30重量%溶液)を離型PETフィルム帝人デュポンフィルム社製ピューレックス上に乾燥膜厚で40μm厚みとなるように塗工して、100℃3分間乾燥後、離型PETを張り合わせてシートを作製。25℃50%RH条件で静置し、硬化させた。
シート作成から24時間経過後のNCO基含量をジブチルアミン逆滴定法により算出し、転化率が90%以上のものを硬化性が○、転化率が85〜90%未満では硬化性が△、転化率が85%未満のものを硬化性×と判断した。
<ハンドリング性>
実施例13〜24、比較例10〜16では、重量平均分子量をウレタン形成性組成物のハンドリング性の指標として評価した。すなわち、重量平均分子量が100万未満であればハンドリング可能な粘度であるとして○、100万以上200万未満であれば高粘度で分散性に劣るため△、200万以上の場合ゲル状物が生成しやすく粘度も高いためハンドリング性が悪いとして×と判断した。
(ウレタン粘着剤の評価方法)
<耐汚染性>
作製から1か月25℃50%RH下で静置したサンプルから離型PETを剥離し、離型PETの離型面の曇りを観察し、基材へ張り合わせて剥離した際の汚染性の指標として、以下の基準で評価した。
曇りなし:○
曇りあり:×
<粘着力、再剥離性>
ウレタン粘着剤、粘着シート製造例に従い、得られたシートの離型PETを片面剥離し、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちした。幅25mmにカットし、無アルカリガラス板コーニング社製イーグルXGにJIS Z0237に準じてロール圧着して試験片を作製した。引張試験機オリエンテック社製テンシロンTG−1210を用いて、JIS Z0237に準拠して180°剥離試験を行い、180°引き剥がし粘着力(N/25mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った。試験回数は2回以上とし、平均値を算出した。粘着力が高いほど、室温での基材への密着性が期待できると評価した。
粘着力が4〜10N/25mm未満の範囲であれば、接着信頼性を保持しつつ基材を破損させずに再剥離しやすいと判断でき、粘着特性が○と判断した。
粘着力が3N/25mm以上4N/25mm未満であれば用途が限られるため粘着特性△、3N/25mm未満であれば粘着特性×と判断した。また10N/25mmを超えると基材からの再剥離は困難となるため粘着特性××と判断した。
また粘着力の測定時に、2回以上の平均で接着面の5%以上が凝集破壊する場合、再剥離性が×、凝集破壊面が接着面の5%未満かつ耐汚染性の評価が×の場合、再剥離性が△、凝集破壊面が接着面の5%未満でかつ耐汚染性が○の場合、再剥離性が○と判断した。
また、剥離形態によらず粘着力が10N/25mmを超える場合、基材破損の可能性があることから再剥離性は×と判断した。
<保持力>
ウレタン粘着剤、粘着シート製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちした。もう一面の離型PETを剥がし、SUS基材に25mm×25mmの接着面で張り合わせ試験片とし、JIS Z0237に準じて評価した。具体的には、40℃、静荷重1kgの条件で重りが落下するまでの時間を測定した。保持力が高いと粘着剤の凝集力が高く、再剥離性や接着信頼性が期待できると評価した。保持力が100分を超える範囲で接着信頼性が○(良好)、保持力が100分未満を×とした。
<打ち抜き加工性>
粘着シート作製例に従い、得られた40μmの硬化物厚みの離型PET/硬化物/離型PETの3層構造のシートを、打ち抜き試験機を用いて3号ダンベルにて3回打ち抜き、以下の基準で打ち抜き加工性を評価した。
打ち抜き刃への付着無し :○
1〜2サンプル打ち抜き刃に付着:△
3サンプル全て打ち抜き刃に付着:×。
<ボールタック>
ウレタン粘着剤、粘着シート製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちした。もう一面の離型PETを剥がしてJIS Z0237に準じて評価し、傾斜角度30度、助走距離10cmの条件で粘着面へ所定の鋼球を転がし、粘着剤距離10cmの間で停止したボールNo.を評価した。ボールタックが21以上であれば特徴的なタック性と評価し○、20以下では通常のタック性と評価し×とした。
<Haze(白濁度)>
ウレタン粘着剤、粘着シート製造例に従い、得られた厚み40μmの粘着剤シートの離型PETを片面剥離し、PMMA基材三菱レイヨン製アクリライトL♯001クリアへローラーを用いて張り合わせた。もう一面の離形PETを剥離してNDH5000にて全光線透過率とHazeを測定し、PMMA基材単独のHazeを差し引いたHazeを評価した。具体的には、PMMA基材のHazeが0.2%、PMMA2と粘着剤の2層構造で0.5%の場合、0.5%−0.2%=粘着剤の内部Haze0.3%と評価した。粘着剤の内部Hazeが0.20%未満を○、0.20%〜1.00%未満の範囲を△、1.00%以上を×と評価した。
<ガラス転移温度、25℃でのtanδ、弾性率>
ウレタン粘着剤、粘着シート製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、折り返して測定試料とした。動的粘弾性測定装置UBM社製Rheogel E−4000を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、貯蔵弾性率G‘に対する損失弾性率G“の比であるtanδのピーク値を取る温度をガラス転移温度として評価し、25℃での値を25℃での損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’の比(tanδ)として評価した。25℃でのtanδが高いと室温でエネルギーをよく熱へ変換するため、25℃でのtanδが0.50以上であれば高厚み時に耐衝撃性が良好であると判断し、耐衝撃性○、0.50未満であれば特段の耐衝撃性が期待できないと判断し耐衝撃性×と評価した。
25℃でのG‘が2×10Pa〜1.3×10Pa未満であれば室温で柔軟であり、印刷段差を含む基材へ密着時も段差追従性が良好であると判断し柔軟性評価◎、1.3×10Pa〜2.0×10Pa未満では○、その範囲以外では×と評価した。
(光学用粘着シートの評価)
<ITO腐食性>
光学用粘着シートを25μmのPETフィルムに張り合わせ、PET/粘着剤/PETのフィルムを作製し試験片とした。
測定環境は40℃×90%RH条件、JISK7129−A法(感湿センサー法)に準拠して水蒸気バリア性を測定し、ITO腐食性の指標とした。本実施例ではウレタン構造の中に酸性成分を含まないため水分による影響を評価した。
25μm厚み換算の水蒸気透過度が60g/m2・day未満であれば、水蒸気のITOへの影響が軽微と判断できるためITO腐食性○と判断し、60〜90g/m2・day未満では△(不合格)、90g/m・day以上では×と判断した。
<ブリスター性>
光学用粘着シートを25μmのPETフィルムに張り合わせ、PET/粘着剤のフィルムを作製し、2mm厚みのポリカーボネート板に2kgローラーで張り合わせて試験片とした。
25℃50%RH条件で24時間静置後、60℃で100時間加熱し、取り出して常温静置後の発泡状態を外観の目視評価により5段階で以下の基準で評価し、耐ブリスター性を判断した。
発泡無し(発泡面積0%) :◎
一部に発泡小(発泡面積1%以下) :○
全面に発泡小(発泡面積5%以下) :△
一部に発泡大(発泡面積20%以下) :×
全面に発泡大(発泡面積20%超) :××。
<段差追従性>
ボールタックの評価と柔軟性評価、粘着力評価がいずれもが○の場合、瞬間的に高いタックを発現し柔軟で段差へ追従し保持しやすいため、段差追従性が○と判断した。それ以外は×とした。
<低温耐衝撃性>
ガラス転移温度が低いと低温での密着性が期待できると評価し、耐衝撃性が期待できると評価した。ガラス転移温度が−30℃以下であれば低温耐衝撃性○、−30℃を超える範囲では低温耐衝撃性×とした。
実施例1〜8、実施例10.
表3に示す配合に従って、2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネートC1、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量用い、撹拌状況見合いで溶媒として超脱水のメチルエチルケトンを適宜追加して窒素雰囲気下でウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した(プレポリマー法)。
これら実施例で得られたウレタンプレポリマーは、いずれも分子量分布が顕著に狭く、低粘度でハンドリング性に優れた。
また、これら実施例で得られたウレタンプレポリマーは、分子量分布の広いポリアルキレンオキシド(A)を用いたプレポリマーに対して硬化速度が速く生産性に優れた。
続いて、これら実施例で得られたウレタンプレポリマーを用い、2官能架橋剤との2液で得られたウレタン粘着剤は、ウレタンとしても分子量分布が顕著に狭く、可塑剤を含まずモノオール由来等の低分子量成分が少ないため、分子量1000以下の有機成分は3重量%以下の範囲であり、基材に対する汚染性が顕著に優れ、さらには凝集力向上により再剥離性や保持力、打ち抜き加工性も向上する事が分かった。
また、これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、いずれもHaze値が1.0%未満、25℃での弾性率が6×10Pa〜2×10Paの範囲であった。
実施例9、11、12.
表3に示す配合に従って、ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネートC2、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートの所定量を一括で混合し、粘度を測定した。基材上で硬化させることでウレタン粘着剤を得た(ワンショット法)。
ワンショット法では、空気化で扱うため蒸気圧の高いポリイソシアネートC1を使用せず、変性して蒸気圧を高めたポリイソシアネートC2のみを用いた。
ポリアルキレンオキシド(A)、ポリイソシアネートC2、及びジブチルチンジラウレートを混合したウレタン形成性組成物は、いずれも低粘度でハンドリング性に優れた。
また、これら実施例で得られたウレタン形成性は、硬化速度が速く生産性に優れた。
ここで、これら実施例で得られた、ワンショット法によるウレタン粘着剤は、上記したプレポリマー法によるウレタン粘着剤と比較してウレタンとしての分子量分布は広いが、後述する分子量分布の広いポリアルキレンオキシド(A)を用いた比較例のウレタン粘着剤と比較して、分子量分布が顕著に狭く、基材に対する汚染性が顕著に優れ、さらには凝集力向上により再剥離性や保持力、打ち抜き加工性も向上することが分かった。
さらに、これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、いずれもHaze値が1.0%未満、25℃での弾性率が6×10Pa〜2×10Paの範囲であり、光学用粘着シートへの展開が期待できるものであった。
実施例1〜12の結果を表3に併せて示す、
Figure 2018002954
比較例1〜4、6.
表4に示す配合に従って、分子量分布の広い2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネートC1、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量用い、撹拌状況見合いで溶媒としてメチルエチルケトンを適宜追加して窒素雰囲気下でウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した(プレポリマー法)。
これら比較例で得られたウレタンプレポリマーはいずれも、分子量分布の狭いポリアルキレンオキシド(A)を用いて得られる実施例のウレタンプレポリマーより分子量分布が広く高粘度であり、ハンドリング性に劣るものであった。
また、これら比較例で得られたウレタンプレポリマーは、硬化速度が十分ではなく、物性の発現に時間を要するものであった。
続いて、これら比較例で得られたウレタンプレポリマーを用い、2官能架橋剤との2液で粘着剤を作製したところ、ウレタンの分子量分布はさらに広がり、分子量1000以下の有機成分が3%超と低分子量成分による影響と考えられる汚染の抑制が十分ではなく、使用が困難であった。
さらに、これら比較例で得られた粘着剤は、凝集力の向上が十分ではなく、再剥離性や保持力、打ち抜き加工性に劣るものであった。
比較例5、7.
表4に示す配合に従って、ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネートC2、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートの所定量を一括で混合し、粘度を測定した。基材上で硬化させることでウレタン粘着剤を得た(ワンショット法)。
ワンショット法では、空気化で扱うため蒸気圧の高いポリイソシアネートC1を使用せず、変性して蒸気圧を低減したポリイソシアネートC2のみを用いた。
ポリアルキレンオキシド(A)、ポリイソシアネートC2、及びジブチルチンジラウレートを混合したウレタン形成性組成物は、分子量分布の狭いポリアルキレンオキシド(A)を用いて得られた、実施例のウレタン形成性組成物と比較して、高粘度でハンドリング性に劣る組成物であり、硬化速度が十分ではなく、物性の発現に時間を要するものであった。
また、これら比較例で得られた、ワンショット法によるウレタン粘着剤は、分子量分布は広く、基材に対する汚染性の改善が十分ではなく、使用が困難なものであり、凝集力の向上が十分ではなく、再剥離性や保持力、打ち抜き加工性に劣るものであった。
さらに、これら比較例で得られた、ワンショット法によるウレタン粘着剤は、Hazeが高く、光学用粘着シートとしての使用は困難なものであった。
比較例8、9.
表4に示す配合に従って、不飽和度の高いポリアルキレンオキシド(A)、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量用い、撹拌状況見合いで溶媒としてメチルエチルケトンを適宜追加して窒素雰囲気下でウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した(プレポリマー法)。
これら比較例で得られたウレタンプレポリマーは低粘度であったが、分子量分布が広く、硬化性に劣るものであった。
続いて、これら比較例で得られたウレタンプレポリマーを用いて、2官能架橋剤との2液で粘着剤を作製したところ、モノオールに由来する低分子量成分による影響と考えられる汚染があり、使用が困難であった。
比較例8で得られたウレタン粘着剤は、25℃での弾性率が2×10Pa未満、分子量1000以下の有機成分が5%超であり、凝集力が低く、再剥離性や保持力、打ち抜き加工性に劣るものであった。
比較例1〜9の結果を表4に併せて示す。
Figure 2018002954
実施例13〜24.
表5に示す配合に従って、2官能のポリアルキレンオキシド(A)、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)、ポリイソシアネートC1、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量用い、撹拌状況見合いで溶媒としてメチルエチルケトンを適宜追加して窒素雰囲気下でウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した(プレポリマー法)。
これら実施例で得られたウレタンプレポリマーはいずれも、数平均分子量が5万〜20万であるのに対し、重量平均分子量が100万未満であり、低粘度でハンドリング性に優れた。
続いて、これらの実施例で得られたウレタンプレポリマーに、2官能架橋剤を混合し、塗工・乾燥した後、反応を進行させウレタン粘着剤を作製した。
これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、分子量分布の広いポリアルキレンオキシド(A)を用いたウレタン粘着剤に対して硬化速度が速く生産性に優れた。
これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、3官能のポリアルキレンオキシドの含有量の多い実施例10を除き粘着力が4〜9N/25mmと適度な粘着力を発現しつつ界面剥離を示し、粘着力と再剥離性を両立するものであった。実施例10も粘着力も3N/25mmと使用可能な範囲であった。
さらには、これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、内部Hazeが顕著に小さく、光学特性優れた。特にエチレンオキシド構造を有するものは内部Hazeが0.2%未満と顕著に良好な透明性を示した。
これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、いずれも保持力が100分以上で凝集力に優れ、弾性率は2×10Pa以下であり、柔軟性と接着信頼性を両立するものであった。
また、これら実施例で得られたウレタン粘着剤は、ボールタックが21以上と顕著に高いため瞬間的に接着し段差への追従性が良好な粘着剤であった。
さらに、3官能のポリアルキレンオキシドの含有量の多い実施例22を除き、25℃でのtanδがいずれも0.5〜1.2であり、耐衝撃性が良好であった。
実施例13〜24の結果を表5に併せて示す。
Figure 2018002954
比較例10.
表6に示す配合に従って、不飽和度の高いポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)、ポリイソシアネートC1、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを所定量用い、撹拌状況見合いで溶媒としてメチルエチルケトンを適宜追加して窒素雰囲気下でウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した(プレポリマー法)。
得られたウレタンプレポリマーは重量平均分子量が100万未満であり、低粘度でハンドリング性に優れたが、数平均分子量が5万未満であり、ウレタン分子量が十分に伸びないものであった。
続いて、得られたウレタンプレポリマーと2官能架橋剤を混合し、塗工・乾燥した後、反応を進行させウレタン粘着剤を作製したが、その際の硬化速度が遅く、生産性に劣るものであった。
得られたウレタン粘着剤は、粘着力が2N/25mm未満であり十分な粘着力を発現せず接着信頼性に劣り、また、透明性や保持力、タック性も十分ではないため使用が困難なものであった
比較例11.
不飽和度を低減したポリアルキレンオキシド(A)、(B)を使用した以外は比較例10と同様の条件でウレタンプレポリマー及びウレタン粘着剤を作製した。
得られたウレタンプレポリマーは、重量平均分子量が100万未満であり、低粘度でハンドリング性に優れ、数平均分子量も5万以上であり、比較例1と比較して硬化速度の向上は見られたが、硬化性の改善は不十分であった。
得られたウレタン粘着剤は、粘着力は発現するが凝集破壊であり、透明性や保持力、タック性も十分ではないため使用が困難なものであった。
比較例12〜15.
表6に示す配合に従って、分子量分布の広いポリアルキレンオキシド(A)を使用し、比較例10と同様の条件でウレタンプレポリマー及びウレタン粘着剤を作製した。
得られたウレタンプレポリマーは、重量平均分子量が100万以上であり、高粘度でハンドリング性に劣るものであった。比較例10で得られたウレタンプレポリマーと比較して硬化速度の向上は僅かに見られたが、硬化性の改善は不十分であった。
得られたウレタン粘着剤は、いずれも界面剥離性と3N/25mm〜10N/25mm未満の適度な粘着力を発現せず、再剥離性と粘着特性を両立しないものであり、適度な粘着力が必要な用途において使用は困難であった。
得られたウレタン粘着剤は、ボールタックがいずれも21以上と良好なタック性を示したが、段差追従性の指標となる柔軟性と接着信頼性の指標となる保持力を両立せず、再剥離性の粘着剤としての使用は困難であった。
また、得られたウレタン粘着剤は、室温域のtanδの値が低く、耐衝撃性の発現が期待できない粘着剤であった。
比較例10〜15の結果を表6に併せて示す。
Figure 2018002954
実施例25、比較例16,17.
分子構造の異なるアクリル系粘着剤2種類と、実施例17で得られたウレタン粘着剤とを用い、光学用粘着剤としての特性を評価した。これらの結果を表7に併せて示す。
Figure 2018002954
低不飽和度、狭い分子量分布の2官能のポリアルキレンオキシド(A)、3官能のポリアルキレンオキシド(B)、及びポリイソシアネート(C)を用いて得られた実施例のウレタン粘着剤は、酸性成分を含まず、いずれのアクリル系粘着剤と比較しても水蒸気透過度が低いため、良好な耐ITO腐食性が得られるものであった。
また、実施例のウレタン粘着剤は、いずれのアクリル系粘着剤と比較しても室温での弾性率が低く、顕著に高いタック性を示すため、タッチパネル等に使用する際に印刷や配線の段差に対して高い段差追従性が得られるものであった。
さらに、実施例のウレタン粘着剤は、いずれのアクリル系粘着剤と比較してもガラス転移温度が低く、室温域でのtanδも高いため、低温環境で使用される光学部材においてもゴム状領域を保持でき、温度環境によらず落下時に浮きや剥がれ、割れ等に対して高い耐衝撃性を有する粘着剤であった。また、Haze値もいずれのアクリル系粘着剤に対して1/2以下とタッチパネル等に使用した際に良好な光学特性を保持できる粘着剤であった。
実施例のウレタン粘着剤は、基材としてポリカーボネート板を用いた場合においても、耐ブリスター性がアクリル系粘着剤と同等以上の良好な特性を示した。
以上より、実施例のウレタン粘着剤が、光学用粘着シート用途に好適に使用できることが示された。

Claims (19)

  1. 2官能のポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とを含み、ポリアルキレンオキシド(A)が下記(a1)から(a4)を全て満たすことを特徴とするウレタン形成性組成物。
    (a1)不飽和度が0.010meq/g以下である。
    (a2)水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量が1000以上である。
    (a3)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分布が1.039以下である。
    (a4)ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)により算出した分子量分布と水酸基価(OHV)から算出された数平均分子量(M)とが下記数式(1)を満たす。
    Figure 2018002954
  2. ポリアルキレンオキシド(A)のモノオールを加味した平均の官能基数fが1.7〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のウレタン形成性組成物。
  3. ポリイソシアネート(C)が、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート及びこれらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン形成性組成物。
  4. ポリアルキレンオキシド(A)の分子量分布(Mw/Mn)が、分離カラムに粒径3μmの充填剤を充填したカラム4本を直列接続し、レファレンス側に抵抗管を接続、展開溶媒にテトラヒドロフランを用いた条件で分析した分子量分布であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のウレタン形成性組成物。
  5. さらに、3官能以上のポリアルキレンオキシド(B)を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
  6. ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)を合わせた混合物としての平均官能基数faveの下限が下記数式(6):
    Figure 2018002954
    を満たすことを特徴とする請求項5に記載のウレタン形成性組成物。
  7. ポリアルキレンオキシド(A)とポリアルキレンオキシド(B)との重量比が99.9/0.1〜51/49の範囲であることを特徴とする請求項5又は6に記載のウレタン形成性組成物。
  8. ポリアルキレンオキシド(A)とポリイソシアネート(C)とのプレポリマーを含む請求項1乃至4のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
  9. ポリアルキレンオキシド(A)及びポリアルキレンオキシド(B)と、ポリイソシアネート(C)とのプレポリマーを含む請求項5乃至8のいずれかに記載のウレタン形成性組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のウレタン形成性組成物と溶媒とを含む溶液であって、当該溶液中のウレタン形成性組成物の濃度が10〜90重量%の範囲であることを特徴とするウレタン形成性組成物溶液。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載のウレタン形成性組成物の反応生成物を含むウレタン粘着剤。
  12. 周波数1Hz、25℃での弾性率が2×10Pa〜2×10Paの範囲であることを特徴とする請求項11に記載のウレタン粘着剤。
  13. JIS K7136の方法で測定した40μmでのHazeが1%未満であることを特徴とする請求項11又は12に記載のウレタン粘着剤。
  14. JIS Z0237の方法で測定した無アルカリガラスとの粘着力が3〜10N/25mmの範囲であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
  15. 下記(b1)及び(b2)を満たすことを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
    (b1)JIS Z0237の方法で測定したボールタックが21以上である。
    (b2)JIS Z0237の方法で測定した40℃での保持力が100分以上である。
  16. 周波数1Hz、25℃での損失弾性率G“と貯蔵弾性率G‘の比(tanδ)が0.5〜1.2の範囲であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
  17. 分子量1000以下の有機成分の含有量が5重量%以下であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載のウレタン粘着剤。
  18. 少なくとも1種の基材と、その基材上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層が請求項11乃至17のいずれかに記載のウレタン粘着剤を含むことを特徴とする粘着シート。
  19. 少なくとも1種の基材と、その基材上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層が上記請求項11乃至17のいずれかに記載のウレタン粘着剤を含むことを特徴とする光学用粘着シート。
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