JP6582513B2 - ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液型ウレタン粘着剤 - Google Patents

ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液型ウレタン粘着剤 Download PDF

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本発明は、ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液型ウレタン粘着剤に関する。
粘着剤は、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等に用いられており、近年ではパソコン、テレビ、携帯電話等の液晶ディスプレイやタッチパネルの密着等の様々な分野で使用されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オキシアルキレン系粘着剤等が知られており、特に最近は、強い粘着力を有する強粘着型粘着剤から、微小な粘着力を有する微粘着型粘着剤まで広範囲の用途にアクリル系粘着剤が使用される傾向がある。
しかしながら、アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーが粘着剤中に残存する場合に、臭気や皮膚刺激性が問題となる。またアクリル系粘着剤は、被着体に貼付した後、経時変化によって、粘着力が上昇したり移行性が高くなる傾向がある。このため被着体に糊残りが生じ易く、再剥離性が不充分になりやすいという問題がある。また、アクリル系粘着剤では、凝集力を発現するためガラス転移温度が高いコモノマーを使用することから低温での耐衝撃性が不足し低温特性に劣るといった問題があった。
これに対し、ウレタン系粘着剤は、アクリル粘着剤に比べて分子量が小さく、被着体の形状変化に容易に追従できる長所を有しているが、高分子量化が困難なため、硬化剤を含有することによって凝集力を確保している。このような硬化剤の添加量が多い粘着剤の場合、粘着シートの粘着層は弾性率が高く、粘着力が高くなりにくいと言われている。
例えば、特許文献1には、剥離速度依存性が低く透明性が良好な粘着剤として、一分子当たりの平均官能基数が2.2〜3.4のポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物と触媒とを含有するOH末端ウレタンプレポリマーAと、多官能イソシアネート化合物Bとを、成分AのOH基と成分BのNCO基をNCO/OHの当量比として0.5〜1.6の範囲で含むポリウレタン粘着剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン粘着剤組成物は、ポリエーテルポリオールの分子量が低く、3官能のポリエーテルポリオールを多く使用するため、段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するといった問題やチキソ性を発現して塗工時のハンドリング性が悪いといった問題があった。また、粘着力が低いため、基材への密着性に劣るものであった。さらに、使用するポリオールの分子量が低く相対的にイソシアネートの使用量が多いため結晶性を有するハードドメインが多く形成されることがあり、光学用途で用いる場合、透明性が十分ではなく、溶剤への溶解性が悪く、未溶解分による外観不良が発生するといった懸念があった。
特開2006−182795号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、外観不良がなく、良好にハンドリングできて適度な硬化性を有するウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液硬化型ウレタン粘着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の不飽和度、分子量のポリエーテルジオールと特定の不飽和度、分子量のポリエーテルポリオール、およびポリイソシアネートを特定の配合比にて配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す、ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液硬化型ウレタン粘着剤に関する。
[1]ポリエーテルジオールAと、ポリエーテルポリオールBと、ポリイソシアネートCとを用いて得られたウレタンプレポリマーであって、
ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
ポリエーテルポリオールBが3官能以上のポリエーテルポリオールであって、その不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限が2.20であること
を特徴とするウレタンプレポリマー。
[2]ポリエーテルジオールAの不飽和度(meq/g)と数平均分子量とが、下記式:
不飽和度≦数平均分子量×0.00001
を満たすことを特徴とする上記[1]に記載のウレタンプレポリマー。
[3]ポリイソシアネートCが、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートおよびこれらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のウレタンプレポリマー。
[4]標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が30,000〜300,000の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
[5]ポリエーテルジオールAが、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒を用い、アルキレンオキシドを開環重合して得られたものであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと溶媒とを用いて得られた、当該ウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲であるウレタンプレポリマー溶液。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを用いて得られた硬化物であることを特徴とする2液硬化型ポリウレタン。
[8]ウレタンプレポリマーの反応性基に対して、架橋剤Dを、0.0001当量〜20当量(モル比)の範囲で用いることを特徴とする上記[7]に記載の2液硬化型ポリウレタン。
[9]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のウレタンプレポリマーを含むウレタン粘着剤。
[10]上記[7]または[8]に記載の2液硬化型ポリウレタンを用いて得られた2液硬化型ウレタン粘着剤。
[11]上記[9]または[10]に記載のウレタン粘着剤を用いて得られた光学用粘着シート。
本発明のウレタンプレポリマーは、外観不良がなく、良好にハンドリングでき、適度な硬化性を有する。
また、本発明の2液硬化型ポリウレタンは、高い柔軟性、低温特性を有し、透明性、粘着性を発現することができるため、2液硬化型ウレタン粘着剤として好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリエーテルジオールAと、3官能以上のポリエーテルポリオールBと、ポリイソシアネートCとを用いて得られるウレタンプレポリマーであって、
ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
ポリエーテルポリオールBの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限が2.20であること
をその特徴とする。
<ポリエーテルジオールA>
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAとしては、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たり水酸基を2個有している化合物が好ましい。
このようなポリエーテルジオールAとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ジオール等の2官能のポリアルキレンオキシド等が挙げられ、特に限定するものではないが、具体的には、三洋化成社製サンニックスPP−1000、PP−2000、PP−3000,PP−4000、三井化学社製アクトコールP−22、P−21、P−23、P−28、ED−28、旭硝子社製エクセノール720、1020、2020、3020、4020、510、4002、4010、4019、5001、5005、プレミノール4002、5005、プレミノールS4004、4011、4012、4015、4008F、4013F、4318F、日油社製ユニオールD−1000、D−1200、D−2000、D−4000、PB−700、PEG#1500、PEG#2000、プロノン#102、#104、#202B、#204等の市販品として入手することができる。
ポリエーテルジオールAは、一種類に限定されることはなく、複数種のポリエーテルジオールを混合して使用してもよい。
ポリエーテルジオールAは、オキシプロピレン基を有することが好ましく、オキシエチレン基を有してもよい。
ポリエーテルジオールAの数平均分子量(Mn)は、3000〜30000の範囲である。さらに好ましくは3500〜20000の範囲であり、最も好ましくは4000〜15000の範囲である。ポリエーテルジオールAの数平均分子量が3000未満では硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く成形が困難であり、得られる硬化物も柔軟性が無いため段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するため、使用が困難である。また、ポリエーテルジオールAの数平均分子量が30000を超えると凝集力が不足して硬化性が十分ではなく使用が困難であり、反応性の低下や粘度の上昇により工業的にウレタンプレポリマーを合成することも困難である。
本発明において、ポリエーテルジオールAの「数平均分子量」とは、ポリエーテルジオールAの水酸基価(OHV、単位はmgKOH/g)に基づき、下記式:
数平均分子量=(56100/OHV)×1分子当たりの水酸基数
を用いて計算した値をいう。
ここで、「OHV」は、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。また、「1分子当たりの水酸基数」とは、ポリエーテルジオールAを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいい、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールは2であり、グリセリンおよびトリメチロールプロパンは3である。市販品で開始剤の活性水素原子の数を特定できない場合、その公称官能基数を用いる。
ポリエーテルジオールAの分子量分布としては、特に限定されないが、1.16未満が好ましく、1.13未満がさらに好ましく、1.10未満が特に好ましい。分子量分布を1.16未満とすることで、得られるプレポリマーの粘度低下やプレポリマー化の反応性向上が期待できる。
本発明において、ポリエーテルジオールAの分子量分布(Mw/Mn)は、分子量既知の標準ポリスチレン試料を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することによって得られるポリスチレン換算の分子量の分布であり、GPC質量平均分子量(Mw)をGPC数平均分子量(Mn)で割った値をいう。GPC法による分子量分布は、例えば、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、ポリスチレン換算で求めることができる。
ポリエーテルジオールAの不飽和度は、0.07meq/g以下である。好ましくは0.01〜0.07meq/gの範囲であり、さらに好ましくは0.014〜0.06meq/gの範囲である。ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/gを超えると、得られるウレタンプレポリマーは良好な硬化性を示さず、移行成分が多く発生する硬化物となるため使用が困難である。
2種以上のポリエーテルジオールを併用してポリエーテルジオールAとする場合、それぞれのポリエーテルジオールの不飽和度が0.07meq/g以下であることが好ましいが、不飽和度が0.07meq/g以上のポリエーテルジオールを使用するときは、それ以外のポリエーテルジオールと混合して、その混合物の平均の総不飽和度を0.07meq/g以下にすればよい。
ポリエーテルジオールAの不飽和度はポリエーテルジオールA中に存在するモノオール量の指標となり、増加することで平均官能基数fが低下することがあるが、本発明では、それらを含め、「ポリエーテルジオールA」と称する。
本発明において、ポリエーテルジオールAの「不飽和度(meq/g)」とは、ポリエーテルジオールAの1g当たりに含まれる不飽和基の総量のことであり、JIS K1557 6.7に規定された方法に準拠して測定した値である。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAの不飽和度(meq/g)と数平均分子量は、下記式:
不飽和度≦数平均分子量×0.00001
を満たすことが好ましい。なかでも、下記式:
数平均分子量×0.0000025≦不飽和度≦数平均分子量×0.000009
を満たすことが好ましく、下記式:
数平均分子量×0.000003≦不飽和度≦数平均分子量×0.000008
を満たすことがさらに好ましい。ポリエーテルジオールAの不飽和度を、数平均分子量×0.00001以下とすることで、得られたウレタンプレポリマーの硬化物に良好な柔軟性を期待することができるため好ましい。
ポリエーテルジオールAの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。例えば、2官能開始剤を用い、開環重合触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合することで製造することができる。
開環重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム等の汎用アルカリ金属化合物触媒;水酸化セシウム等のセシウム金属化合物触媒;亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体等の複合金属シアン化物錯体触媒;フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等が挙げられる。これら触媒は一種または二種以上使用してもよい。
これらの触媒のうち、不飽和度の低いポリエーテルジオールAを製造するためには、セシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を用いることが好ましい。また、ポリエーテルジオールAをイミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒を用いて製造することで、得られるポリエーテルジオールAの分子量分布が狭くなるため、ポリエーテルジオールA、それを用いたプレポリマーの粘度低下や、硬化物とした際の移行成分の低減が期待できるため好ましい。
イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒としては、イミノ基およびP−N結合を有する化合物であればよく、特に限定されないが、下記一般式で示される化合物が挙げられる(例えば、特開2011−132179号公報参照)。
Figure 0006582513
[上記一般式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、RとRが互いに結合して環構造を形成していても良いし、R同士またはR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2〜5のアルキルカルボキシアニオン、または炭酸水素アニオンを表す。]
2官能開始剤としては、特に限定されないが、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシアルキレンジオール等の2官能のポリオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の、2個の活性水素を有する化合物から選ばれる一種または二種以上が用いられる。
アルキレンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドからなる群より選ばれる一種または二種以上が用いられる。
これらのうち、上記2官能開始剤を一種または二種以上用い、炭素数が2〜3の3員環のアルキレンオキシドを一種または二種以上開環重合させることにより得られるポリエーテルジオールが好ましい。
ポリエーテルジオールAの製造方法として、具体的には、セシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を用いて、1段で所定の分子量までアルキレンオキシドを付加する方法、2官能開始剤を用い、水酸化カリウム触媒、セシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を用いて、数平均分子量200〜10000程度までアルキレンオキシドを付加し、その後当該触媒を除去または残存した状態でセシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を1種または2種以上用いて所定の分子量まで2段以上でアルキレンオキシドを付加する方法等が例示される。
<ポリエーテルポリオールB>
本発明に用いるポリエーテルポリオールBとしては、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たりに少なくとも3個の水酸基を有しているポリエーテルポリオールが好ましい。
このようなポリエーテルポリオールBとしては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオール、ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオール等の3官能以上のポリアルキレンオキシドが挙げられ、特に限定するものではないが、具体的には、三洋化成社製サンニックスGP−1000、GP−1500、GP−3000、GP−4000V、GA−5000S、FA−908、FA−961、FA−921、FA−703、FA−757、三井化学社製アクトコールG−28、MN−5000、MN−4000、P−31、MN−1500、旭硝子社製エクセノール1030、4030、5030、230、828、837、プレミノール3005、3010、3015、3020、7001、7006、7012、プレミノールS3006、3011、やプレミノール7021(4官能)等の市販品として入手することができる。
ポリエーテルポリオールBの1分子当たりの水酸基数は、3〜6の範囲であることが好ましく、3〜4の範囲であることがさらに好ましい。ポリエーテルポリオールBの1分子当たりの水酸基数が3〜6の範囲であれば、得られたウレタンプレポリマーの硬化物に良好な柔軟性や粘着性が期待できるため好ましい。
なお、ポリエーテルポリオールBの上記1分子当たりの水酸基数は、後述するポリエーテルポリオールBを製造するのに用いた多価開始剤の活性水素原子数と一致する。例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンは3であり、ジフェニルメタンジアミンでは4である。
ポリエーテルポリオールBの数平均分子量(Mn)は、5000〜40000の範囲であるが、5000〜30000の範囲が好ましく、さらに好ましくは6000〜20000の範囲である。ポリエーテルポリオールBの数平均分子量が5000未満では硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く成形が困難であり、得られる硬化物も柔軟性が無いため段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するため、使用が困難である。また、ポリエーテルポリオールBの数平均分子量が40000を超えると凝集力が不足して硬化性が十分ではなく使用が困難であり、反応性の低下や粘度の上昇により工業的にウレタンプレポリマーを合成することも困難である。
本発明において、ポリエーテルポリオールBの数平均分子量は、ポリエーテルジオールBの水酸基価(OHV、単位はmgKOH/g)に基づいて下記式:
数平均分子量=(56100/OHV)×1分子当たりの水酸基数
を用いて計算した値をいう。
ここで、「OHV」は、JIS K1557 6.4に準拠して測定した値である。また、「1分子当たりの水酸基数」とは、ポリエーテルジオールBを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいう。市販品で開始剤の活性水素原子の数を特定できない場合、公称官能基数を用いる。
ポリエーテルポリオールBの分子量分布は、特に限定されないが、1.30未満が好ましく、さらに好ましくは、1.25未満である。分子量分布が1.30未満では得られるウレタンプレポリマーの粘度低下や高い反応性が期待できるため好ましい。
本発明において、ポリエーテルポリオールBの分子量分布(Mw/Mn)は、上記したポリエーテルジオールAの分子量分布と同様の方法で求めることができる。
ポリエーテルポリオールBの不飽和度は、0.07meq/g以下であるが、0.003〜0.07meq/gの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.004〜0.06meq/gの範囲である。不飽和度は0.07meq/gを超えると、得られるウレタンプレポリマーは良好な硬化性を示さず、移行成分が多く発生する硬化物となるため使用が困難である。
2種以上のポリエーテルポリオールを併用してポリエーテルポリオールBとする場合、それぞれのポリエーテルポリオールの不飽和度が0.07meq/g以下であることが好ましいが、不飽和度が0.07meq/g以上のポリエーテルポリオールを使用するときは、それ以外のポリエーテルポリオールと混合して、その混合物の平均の総不飽和度を0.07meq/g以下にすればよい。
不飽和度が増加することで、ポリエーテルポリオールBの平均官能基数fが低下することがあるが、本発明ではそれらを含め、「ポリエーテルポリオールB」と称する。
本発明において、ポリエーテルポリオールBの「不飽和度(meq/g)」とは、ポリエーテルポリオールBの1g当たりに含まれる不飽和基の総量のことであり、JIS K1557 6.7に規定された方法に準拠して測定した値である。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルポリオールBの不飽和度と数平均分子量とは、下記式:
不飽和度≦数平均分子量×0.000009
を満たすことが好ましく、さらに下記式:
数平均分子量×0.0000003≦不飽和度≦数平均分子量×0.000007
を満たすことが好ましい。不飽和度を数平均分子量×0.000009以下とすることで、得られたウレタンプレポリマーの分子量が高くなり、その柔軟性の向上が期待できるため好ましい。
ポリエーテルポリオールBは一種類に限定されることはなく、複数種のポリエーテルポリオールを混合して使用してもよい。
ポリエーテルポリオールBの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。例えば、3官能以上の多価開始剤を用い、開環重合触媒の存在下、アルキレンオキシドを開環重合することで製造することができる。
開環重合触媒としては、例えば、上記したものが使用できる。
3官能以上の多価開始剤としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、三洋化成社製サンニックスGP−250、GP−400、GP−600、GP−1000等の3官能の低分子量ポリオール等のトリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等のテトラオール、ヘキソール、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等の3個以上の活性水素を有する化合物を一種または二種以上用いることができる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、上記したものが使用できる。
これらのうち、3官能以上の官能基数を有する開始剤を一種または二種以上用い、炭素数が2〜3の3員環のアルキレンオキシドを一種または二種以上開環重合させることにより得られたポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルポリオールBの製造方法としては特に制限はなく、従来公知の製造方法で製造することができる。例えば、3官能以上の開始剤にセシウム金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、フォスファゼン触媒、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒、水酸化バリウム触媒等を用いて1段、または2段以上で所定の分子量までアルキレンオキシドを付加する方法が挙げられる。
<ポリオール混合物>
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限は、2.20であるが、2.19が好ましく、さらに好ましくは2.15である。ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物の平均官能基数faveが2.20を超えると、ウレタンプレポリマーのゲル化や硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く成形が困難であり、得られる硬化物も柔軟性が無いため段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するため、使用が困難である。
また、本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物としての平均官能基数faveの下限としては、特に限定するものではないが、1.70が好ましく、1.75がさらに好ましく、特に好ましくは1.80である。ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物の平均官能基数faveが1.7以上であれば硬化性を発現しやすく、硬化した際に移行成分が少なくなりやすいため好ましい。
本発明において、ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物としての平均官能基数faveは、下記式より算出した値である。
ave=(f×W/M+f×W/M)/(W/M+W/M
ここで、fはポリエーテルジオールAの平均官能基数、WはポリエーテルジオールAの重量部、MはポリエーテルジオールAの数平均分子量を表し、fはポリエーテルポリオールBの平均官能基数、Wはポリエーテルポリオールの重量部、MはポリエーテルポリオールBの数平均分子量を表す。
また、ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールBのそれぞれの平均官能基数fは下記式によって求めた値である。
f=(1000fn/Mn)/[{(1000/Mn)一(USV/fn)}+USV]
ここで、fnは水酸基数、Mnは数平均分子量、USVは不飽和度である。水酸基数fnは、ポリエーテルジオールAまたはポリエーテルポリオールBを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいい、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールは2であり、グリセリンおよびトリメチロールプロパンは3である。市販品の場合、公称官能基数を用いた。なお、ポリエーテルジオールAの平均官能基数fがf、ポリエーテルジオールBの平均官能基数fがfである。
本発明のウレタンプレポリマーに用いる、ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBのモル比([ポリエーテルジオールA]/[ポリエーテルポリオールB])としては、特に限定されないが、99.9/0.1〜30/70の範囲が好ましく、95/5〜51/49の範囲がさらに好ましい。ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBのモル比が、99.9/0.1〜30/70の範囲であれば、未溶解分等の発生が無く良好な外観を有し、良好なハンドリング性が期待できるため好ましい。
<ポリイソシアネートC>
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリイソシアネートCとしては、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物が使用でき、特に限定されない。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有プレポリマー、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。さらに、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
これらのなかでも、柔軟性や透明性が発現しやすいため、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、これらの変性体が好ましく、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、脂肪族イソシアネート含有プレポリマー、脂環式イソシアネート含有プレポリマー、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)が好ましい。これらイソシアネートは一種または二種以上混合して使用してもよい。
イソシアネート含有プレポリマーとしては、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、イソトリデカノール、ヘキシルデカノール、エチルヘキサノール、ブチルテトラグリコール等のモノオール、ポリオール、モノアミン、ポリアミン等とイソシアネートとの反応物が挙げられる。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリイソシアネートCの添加量としては、ポリイソシアネートCの有するNCO基総量と、ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBの有するOH基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が、0.85〜1.15(モル比)となる範囲であり、好ましくはポリイソシアネートCの有するNCO基総量とポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBの有するOH基総量のモル比率が0.85〜1.05(モル比)となる範囲である。これらのなかでも、保存安定性が高いOH基末端のプレポリマーが得られることからポリイソシアネートCの有するNCO基とAとBの有するOH基総量の比率が0.85〜0.99(モル比)の範囲が特に好ましい。ポリイソシアネートCの有するNCO基総量と、ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBの有するOH基総量とのモル比率が0.85未満であるかまたは1.15を超える範囲では、硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く成形が困難であり、得られた硬化物も柔軟性が無いため段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するため、使用が困難である。
<その他の活性水素化合物>
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBに加え、それら以外の活性水素化合物(以下、「その他の活性水素化合物」と称する。)を併用することができる。
その他の活性水素化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、水、多価カルボン酸、ポリアミン、ポリオール等の1分子当たり少なくとも1個の活性水素基を有する化合物である。その他の活性水素化合物を用いる場合、その他の活性水素化合物の添加量としては、特に限定するものではないが、多すぎると得られたウレタンプレポリマーの硬化物の柔軟性や透明性が低下する場合があるため、ポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBの総量100重量部に対して40重量部以下の範囲で使用することが好ましい。
<ウレタンプレポリマーの合成方法>
本発明のウレタンプレポリマーの合成方法としては特に制限されず、例えば、上記したポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールB、および必要に応じてその他活性水素化合物とポリイソシアネートCとを、ウレタン化触媒、溶剤、消泡材、その他添加剤等の存在下、ウレタン化反応させる方法等が挙げられる。よって、得られたウレタンプレポリマーは、ウレタン化触媒、消泡材、添加剤等を含んでいてもよい。
ここで、ウレタン化反応の温度としては、特に限定されないが、120℃以下であることが好ましく、更に好ましくは50〜110℃である。120℃以下であれば、反応速度の制御や所定の数平均分子量と構造のウレタンプレポリマーが得られやすいため、好ましい。
したがってウレタン化反応は、120℃以下で1〜20時間行なうのが好ましい。反応の終点は、滴定によるイソシアネート残留量測定、またはIR測定によるイソシアネートピークの消失により判断することができる。
ウレタン化反応は、特に限定されないが、反応制御を容易にするため、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。ウレタンプレポリマーの溶解性、溶媒の沸点等の点から特に、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶媒が好ましい。これら溶媒は、反応初期、反応中盤、反応終了後等任意のタイミングで添加してもよい。
ウレタン化反応時に溶媒を使用した場合のウレタンプレポリマー濃度(溶媒を除く未反応の原料を含む)としては、特に限定されず、用途により選択されるが、好ましくは10〜90重量%の範囲であり、更に好ましくは20〜55重量%の範囲である。ウレタンプレポリマー溶液中のウレタンプレポリマー濃度が10〜90重量%の範囲であれば、ウレタン化の反応性の低下が小さく、ハンドリング性の向上効果が期待できるため好ましい。
本発明のウレタンプレポリマーの合成時には、公知のウレタン化触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられ、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
有機金属系化合物としては、特に限定されないが、錫系化合物、および非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
上記ウレタン化触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が、反応性および衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、単独でも使用できるが、併用することもできる。
本発明のウレタンプレポリマーの合成時における、上記ウレタン化触媒の添加量としては、特に限定されないが、少なすぎると生産性が低下する場合があり、多すぎると反応が不均一となり物性が不安定となる場合があるため、ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールB、および必要に応じて添加されるその他活性水素化合物の総量100重量部に対して、上記した3級アミン系化合物では0.01〜15重量部、上記した有機金属系化合物では0.0001〜5重量部の範囲が好ましい。合成後、これら触媒は、除去してもよく、残存していてもよい。
本発明のウレタンプレポリマーは、高分子量化を促進するため、鎖延長剤を用いて鎖延長することができる。特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミンを使用して鎖延長することができる。
本発明のウレタンプレポリマーは透明性に優れ、3官能以上のポリエーテルポリオールBの使用量が少ないためハンドリング性や外観がよく、不飽和度が低いポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBを使用するため硬化性に優れる。
<ウレタンプレポリマーの性状>
本発明のウレタンプレポリマーの性状としては、液状であることが望ましい。ゲル状や固体では塗工が難しい場合があり、溶媒に溶解して使用する場合にも不溶分等が発生する場合がある。
本発明のウレタンプレポリマーは、分子内に反応性基を有することが好ましい。反応性基としては、特に限定されないが、活性水素基といったイソシアネート基と反応する反応性基、イソシアネート基といった活性水素基と反応する反応性基を含有することが好ましく、特に分子末端に水酸基を含有する水酸基末端ウレタンプレポリマーであることが好ましい。ポリイソシアネートCの有するNCO基とポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBの有するOH基総量の比率が1.00以下の範囲では水酸基が末端構造である。また、1.00を超える範囲ではイソシアネート基が末端構造のものが多い。本発明のウレタンプレポリマーの末端構造としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、アリル基等の1種または2種以上が挙げられる。
本発明のウレタンプレポリマーの標準ポリスチレン換算の数平均分子量は、30000〜300000の範囲であることが好ましく、50000〜180000範囲がより好ましい。ウレタンプレポリマーの数平均分子量が30000〜300000の範囲であれば、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなりすぎず、得られるウレタン硬化物が良好な柔軟性を期待できるため好ましい。標準ポリスチレン換算の数平均分子量は、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件でGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線として算出することができる。
本発明のウレタンプレポリマーの粘度は、特に限定されず、用途により選択されるが、好ましくは15〜1000000Pa・s(25℃)の範囲であり、さらに好ましくは15〜500000Pa・s(25℃)の範囲である。ウレタンプレポリマーの粘度が15〜1000000Pa・s(25℃)の範囲であれば、十分な分子量の樹脂が形成され、良好な溶剤への分散性や塗工性が期待できるため好ましい。
本発明のウレタンプレポリマーは、そのままウレタン粘着剤として使用することができ、また、後述する2液硬化型ウレタン粘着剤の成分として好適に使用される。
<ウレタンプレポリマー溶液>
本発明のウレタンプレポリマー溶液は、本発明のウレタンプレポリマーと溶媒を用いて得られ、ウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲の溶液であり、20〜55重量%の範囲が更に好ましい。ウレタンプレポリマー溶液中のウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲であれば、反応性の低下が小さく、ハンドリング性の向上効果が期待できるため好ましい。
本発明のウレタンプレポリマー溶液に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。これらのうち、ウレタンプレポリマーの溶解性、溶媒の沸点等の点から、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶媒が特に好ましい。
本発明のウレタンプレポリマー溶液の粘度は、特に制限はなく用途により選択されるが、0.1〜100Pa・s(25℃)の範囲が好ましく、さらに好ましくは1〜50Pa・s(25℃)の範囲である。ウレタンプレポリマー溶液の粘度が0.1〜100Pa・s(25℃)の範囲であれば、適度な液の流動性を示して良好なハンドリング性が期待できるため好ましい。
本発明のウレタンプレポリマー溶液は、乾燥させることで、ウレタン粘着剤として使用することができ、また、後述する2液硬化型ウレタン粘着剤の成分として好適に使用される。
<2液硬化型ポリウレタン>
本発明の2液硬化型ポリウレタンは、本発明のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを用いて得られる硬化物である。
本発明の2液硬化型ポリウレタンは、フィルム状やシート状、板状、ブロック状等任意の形状で提供することができる。
本発明の2液硬化型ポリウレタンの製造方法としては、例えば、本発明のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを混合し、所定の形状で硬化させることにより製造することができ、必要に応じて脱泡、乾燥して所定の形状で製造することができる。例えば、塗工することでシート状、フィルム状にすることができ、型内で成形することで板状、ブロック状にすることができる。
本発明の2液硬化型ポリウレタンの用途は、特に限定されないが、透明性、柔軟性、低温特性が優れることから、例えば、粘着剤、建築用弾性接着剤といった接着剤、表面保護フィルム、塗料、エラストマー、塗膜防水材、床材、建築・土木用シーリング材、可塑剤、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム等の製造に用いることができる。これらのなかでも、粘着力と柔軟性、タック性が良好な硬化物が得られることから、2液硬化型ウレタン粘着剤として好適に用いることができる。
<架橋剤D>
本発明の2液硬化型ポリウレタンに用いる架橋剤Dとしては、活性水素基に対して反応性を有する化合物、またはイソシアネート基に対して反応性を有する化合物であれば、特に限定されない。例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート系架橋剤、ポリオール架橋剤、アミン系架橋剤、水分等が挙げられる。これらの架橋剤は、一般に液状であるためそのまま使用することができるが、必要に応じて、有機溶媒で希釈して用いてもよい。
ウレタンプレポリマー中の、ポリイソシアネートCに由来するNCO基総量と、ポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBに由来するOH基総量のモル比率([NCO基総量]/[OH基総量])が1.00以下の範囲では、架橋剤Dとしては、活性水素基に対して反応性を有する化合物が好ましい。このような架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。これらのなかでも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ架橋剤が耐熱性等の性能を発現しやすいため好ましい。
一方、ウレタンプレポリマー中の、ポリイソシアネートCに由来するNCO基総量とポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBに由来するOH基総量のモル比率が1.00を超える範囲では、架橋剤Dとしては、イソシアネート基に対して反応性を有する化合物であることが好ましい。このような架橋剤としては、例えば、ポリオール架橋剤やアミン系架橋剤、水分等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBに加えて、その他の活性水素化合物を用いて得られたものである場合、ポリイソシアネートCに由来するNCO基総量と、ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールB、およびその他の活性水素化合物に由来するOH基総量とのモル比率を用いて、上記した架橋剤を選択してもよい。
イソシアネート系架橋剤としては、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物が使用でき、特に限定されない。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。さらに、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
これらのなかでも、得られたウレタンプレポリマーの硬化物の柔軟性や透明性が発現しやすいため、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、これらの変性体が好ましく、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、脂環式ポリイソシアネート含有ウレタンプレポリマー、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)が好ましい。これらイソシアネートは一種または二種以上混合して使用してもよい。さらに好ましくは、アロファネート基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有する脂環式イソシアネート、これらアロファネート変性イソシアネートを1種以上含む混合物であり、特に限定されないが、例えば、東ソー社製コロネート2770、コロネート2785、コロネート2792、これらを1種以上含む混合物等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、特に限定されないが、エポキシ基およびアミノ基を有するアミン型エポキシ架橋剤、非アミン型エポキシ架橋剤が挙げられ、例えばビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、2,2’一[[2,2一ビス(オキシランー2一イルメトキシメチル)一1,3一プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビスオキシラン、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。特に限定されないが、例えば、三菱ガス化学社製テトラッドC、テトラッドX、ナガセケムテックス社製デナコールEX−411、デナコールEX212、デナコールEX214、綜研化学社製E−5C等の市販品が挙げられる。
ポリオール架橋剤としては、2個以上の活性水素基を有していればよく、特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、短鎖長の低分子量アルキレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオールポリエチレングリコール、ポリエステルポリオール、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。これらのなかでも、硬化性に優れ、透明性に優れる硬化物が得られるため、ポリオール中に芳香環を含まず数平均分子量は8000未満の上記ポリオール架橋剤であることが好ましい。
アミン系架橋剤としては、特に限定されないが、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(seC−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン、JeffAmineD−2000等のポリオキシアルキレンポリアミン、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。
架橋剤Dの官能基数としては、特に限定するものではないが、例えば、2〜6の範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜3の範囲である。架橋剤Dの官能基数が2〜6の範囲であれば、架橋が均一に進行しやすく、硬化も不十分となりにくい為好ましい。
本発明の2液硬化型ポリウレタンに用いる架橋剤Dの添加量は、ウレタンプレポリマーの反応性基に対して、0.0001当量〜20当量(モル比)の範囲が好ましく、0.01〜2当量の範囲がさらに好ましく、0.1〜1.5当量の範囲が特に好ましい。架橋剤Dの添加量が、ウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して、0.0001当量〜20当量(モル比)の範囲であれば、良好な硬化性を有し、高透明性が期待できるため好ましい。
<ウレタン粘着剤>
本発明のウレタン粘着剤は、本発明のウレタンプレポリマーを用いるものであれば、特に限定されず、具体的には、本発明の2液硬化型ポリウレタン等、本発明のウレタンプレポリマー、または本発明のウレタンプレポリマー溶液を用いて得られたウレタン粘着剤が例示される。
本発明のウレタン粘着剤は、例えば、1種以上の基材に積層した粘着フィルムや粘着シート、液状等任意の形状で提供することができる。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シートに用いる基材としては、離型フィルム、芯材等が挙げられる。このような離型フィルムとしては、PET、PP、TPX、これらのシリコーン、フッソ等の離型処理したフィルム等が挙げられ、市販品としては帝人デュポン社製ピューレックスA31、A33、A35、A43等の離型PETが挙げられる。芯材としては、不織布やPETフィルム、PPフィルム等が挙げられる。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シートの積層構成としては、例えば、離型PETで両面を挟み込んだ3層構造の基材レス型粘着シート、粘着剤層に芯材を用いた5層構成の両面粘着シート等が挙げられる。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シート中の粘着剤層の厚みとしては、特に限定されないが、好ましくは10μm〜1000μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm〜250μmの範囲であり、最も好ましくは20μm〜130μmである。特にフィルムセンサー用の光学用粘着シートの場合、20μm〜150μmの範囲が好ましく、タッチパネルとカバーパネル間用ガラスセンサー向け光学用粘着シートの場合、50μm〜250μmの範囲が好ましい。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シートの形状としては、所望の形状としてよい。特に限定されないが、ロール状としてもよく、裁断してシート状で提供してもよい。
本発明のウレタン粘着剤を用いた粘着シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明のウレタンプレポリマーを含む成分と、架橋剤Dを含む成分とを所定の比率で混合して2液硬化型ポリウレタン組成物とした後、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等による塗工する方法を挙げることが出来る。これらの塗工方式を用いる場合、基材の片面または両面に2液硬化型ポリウレタン組成物を塗布した後、必要に応じて脱泡、加熱、乾燥することが望ましい。加熱する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、一般に使用される方法を用いることができる。乾燥温度は特に制限されないが、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃、更に好ましくは80〜150℃の範囲である。基材として熱可塑性樹脂を使用する場合、乾燥温度はその融点以下であることが望ましい。乾燥温度50〜200℃の範囲では、基材の劣化や色調の変化が生じにくいため好ましい。
本発明のウレタン粘着剤、粘着シートの用途としては、特に限定されず、例えば、テープ、ラベル、シール、化粧用シート、滑り止めシート、両面粘着テープ等が挙げられ、具体的には、包装テープやラベル用テープ、マスキングテープ、クラフトテープ等の包装・事務・家庭用粘着テープ、絆創膏等の医療用テープ、壁紙用テープ、フォームテープ、建築用弾性粘着剤等の建築用テープ、パソコン、テレビ、携帯電話、自動車、太陽電池、その他家電等に用いる電子材料用テープ、液晶ディスプレイ、タッチパネルの密着等に用いる光学用粘着シート、製造工程における表面保護テープや防水テープ、導電性テープ、放熱性テープ等が例示される。
本発明のウレタン粘着剤、粘着シートは、特に透明性に優れた硬化物が得られることから、タッチパネル用途等光学用途に好適に使用することができ、具体的には、スマートフォン、タブレットPC、ノートパソコン等の電子機器に用いられる光学用粘着シートとして好適に用いることができる。これらのなかでも、上記電子機器内部の各種フィルムの密着に好適に用いることができる。
<光学用粘着シート>
本発明の光学用粘着シートは、本発明のウレタン粘着剤を用いて得られた、光学用途に使用される粘着シートである。
具体的な光学用途としては、特に限定されないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機等のタッチパネルやディスプレイ、ITOフィルムや銀メッシュ、銅メッシュ、偏光板といったその周辺の機能性フィルムの密着等に用いる粘着シートが挙げられる。タッチパネルの動作方式としては、特に限定されず、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式、電磁誘導式等に好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で使用した材料、および評価方法は以下に示すとおりである。
表1、表2および表3に記載の原料としては、それぞれ以下のものを使用した。
<原材料>
1)ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールB、その他活性水素化合物
Figure 0006582513
<ポリエーテルジオールA>
ポリオールA1、A3:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒を用いて、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルジオール.
ポリオールA2、A4:中国製複合金属シアン化物錯体(DMC)触媒を用いて、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加した後、イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒を用いて、プロピレンオキシドを付加したポリエーテルジオール.
ポリオールA5、A6:市販の汎用ポリオキシプロピレングリコール。
<ポリエーテルポリオールB>
ポリオールB1、B2:開始剤に3官能分子量600のポリオキシプロピレンポリオールを用いた以外は、ポリオールA1と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB3:市販の低不飽和度ポリオキシプロピレントリオール.
ポリオールB4:開始剤にペンタエリスリトールを用いた以外は、ポリオールA2と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB5:触媒にKOHを用いた以外は、ポリオールB1と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB6:市販の汎用ポリオキシプロピレントリオール。
<その他活性水素化合物>
ポリオールC1:ジエチレンアジペート系ポリエステルポリオール(東ソー社製、ニッポラン1004)
これらポリオールA1〜C1は使用前に加熱、真空脱水してから使用した。
2)ポリイソシアネートC
ポリイソシアネートC1:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI).
ポリイソシアネートC2:イソホロンジイソシアネート(IPDI)。
3)架橋剤D
架橋剤D1:アロファネート変性2官能HDI系架橋剤(東ソー社製コロネート2770)。
(ポリオール性状の分析)
<水酸基価、数平均分子量>
水酸基価はJIS−K1557−1の方法に従い、測定した。ポリオールの数平均分子量は製造に使用した開始剤の官能基数(市販品は公称官能基数)とポリオールの水酸基あたりの分子量の積で計算した水酸基換算分子量をポリオールの数平均分子量とした。
<不飽和度>
JIS−K1557−6の方法に従い、測定した。
<分子量分布(Mw/Mn)>
サンプル瓶へポリオール10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。測定条件としては、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定し、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。
(ウレタンプレポリマー合成例1)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、ポリオールA1、ポリオールB2、ポリイソシアネートC1を所定量加え70℃まで昇温して反応を行った。反応器内容物のNCO基をジブチルアミン逆滴定により追跡し、赤外分光光度計を用いて反応完結を確認して実施例1のウレタンプレポリマーを得た。
ウレタンプレポリマー合成例1以外の実施例、比較例のウレタンプレポリマーも同様の方法で合成し、反応速度等により触媒としてDBTDLを0.02重量%を超えない範囲でマイクロシリンジを用いて適宜添加し、また撹拌状況等により溶媒としてメチルエチルケトンを80重量%を超えない範囲で適宜添加した。
(ウレタンプレポリマー溶液製造例1)
合成例1にて得られたウレタンプレポリマーへ溶媒として超脱水のメチルエチルケトンを加えて加温しながら撹拌して溶解し、ウレタンプレポリマー濃度20%の溶液を調製した。本ウレタンプレポリマー溶液をカールフィッシャー水分計により含水率を測定した。
ウレタンプレポリマー溶液製造例1以外のウレタンプレポリマー、ウレタンプレポリマー溶液も必要に応じて同様の方法で溶媒を添加し、ウレタンプレポリマー濃度は塗工性見合いで10重量%〜100重量%(無溶媒)の範囲で調製した。
(2液硬化物製造例1)
ウレタンプレポリマー溶液製造例1にて得られた溶液約10gとウレタンプレポリマーと溶液中の水分を合わせた活性水素基量に対して0.5当量のアロファネート変性2官能HDI系架橋剤コロネート2770(東ソー社製)を、サンプル瓶に加えてペンシルミキサーにて均一になるまで撹拌した。本ウレタンプレポリマー組成物を50℃で30分加温しながら静置して系内の気泡を除去し、室温へ冷却した。離型PET(帝人デュポン社製、ピューレックス)上へ乾燥厚み40μmになるようにアプリケーターにて塗工し、80℃に加温した防爆乾燥機内で30分静置して溶媒を除去した。この時点でNCO基の残量は混合直後の約20%であった。乾燥終了後、基材側と離型力に差異がある離型PET(帝人デュポン社製ピューレックス)を硬化物面に気泡が入らないようにローラーで3往復して張り合わせた。その後、23〜25℃、50%RHの恒温室で静置し、3日後IRにてNCO基の消失を確認。40μmの硬化物厚みの離型PET/硬化物/離型PETの3層構造のシートを作製し、実施例1の硬化物評価サンプル(粘着シート)とした。
実施例1以外も同様に、ウレタンプレポリマーと溶液中の水分を合わせた活性水素基量に対して0.5当量のアロファネート変性2官能HDI系架橋剤コロネート2770(東ソー社製)を用いて同条件で硬化物シートを作製し、それぞれ実施例2〜10の硬化物評価サンプルとした。
(プレポリマー性状評価例)
<GPC数平均分子量(Mn)>
サンプル瓶へウレタンプレポリマー10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。測定条件は、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定を行い、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線として数平均分子量の解析を行った。
<ウレタンプレポリマー外観>
ウレタンプレポリマーの外観を目視評価し、ゲル化やブツが発生している外観不良のものを×、良好な外観のものを○として評価を継続した。
<ハンドリング性>
溶液濃度20%へ調整しても塗工が困難なもの、粘度が高く脱泡できず溶媒への溶解も困難なものを×、塗工可能であるが経時で基材へ移行しハンドリング性が悪いものを△、原液または溶液状で塗工が可能であるものを○と評価した。
<透明性>
ウレタンプレポリマーを40μmとなるように離型PET上へ塗工して、さらに離型PETで挟んだ状態で日本電色工業製、ヘーズメーターNDH5000にて全光線透過率を測定し、基材分を除いた全光線透過率が99%未満のものを×、全光線透過率が99%以上のものを○とした。具体的には、基材2枚重ねで全光線透過率91%、3層構造で90%の場合、90/91=98.9%で×と評価。
<硬化性>
ウレタンプレポリマーとHDI系架橋剤コロネート2770(東ソー社製)とをウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して0.5当量のモル比で撹拌混合して乾燥・硬化した際に、指で触れて硬化性を評価した。硬化が不十分で液状のものを×、硬化が不十分で移行成分が指に付着し周辺部位を汚損する恐れがあるものを△、移行成分が少なくタックがあるものを○、逆に硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く、成形が困難なものは××とした。
(硬化物特性の評価例)
<柔軟性>
2液硬化物製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、折り返して測定試料とした。動的粘弾性測定装置(UBM社製、Rheogel E−4000)を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、25℃での貯蔵弾性率G’を評価した。25℃でのG’が2×10Pa下であれば柔軟性○、G’が2×10Paを超えた場合柔軟性を×とした。
<低温特性>
2液硬化物製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、折り返して測定試料とした。動的粘弾性測定装置(UBM社製、Rheogel E−4000)を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、貯蔵弾性率G’に対する損失弾性率G”の比であるtanδのピーク値を取る温度をガラス転移温度として評価した。ガラス転移温度が−40℃以下であれば低温特性○、ガラス転移温度が−40℃を超えた場合に低温特性×とした。
<透明性>
2液硬化物製造例に従い、得られた粘着シートの離型PETを片面剥離し、PMMA基材(三菱レイヨン社製、アクリライトL#001クリア)へローラーを用いて張り合わせた。もう一面の離形PETを剥離してNDH5000にて全光線透過率とHAZEを測定し、PMMA基材単独の全光線透過率を差し引いた全光線透過率が99%以上でHAZEが0.8%未満であるものを○、全光線透過率かHAZEのどちらかが基準に未達のものを×とした。具体的には、PMMA基材の全光線透過率91%、PMMA2と粘着剤の2層構造で90%の場合、90/91=98.9%で×と評価した。
<粘着特性>
2液硬化物製造例に従い、得られた粘着シートの離型PETを片面剥離し、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちした。幅25mmにカットし、無アルカリガラス板コーニング社製イーグルXGにJIS Z0237に準じてロール圧着して試験片を作製した。引張試験機オリエンテック社製テンシロンRTG−1210を用いて、JIS Z0237に準拠して180°剥離試験を行い、180°引き剥がし粘着力(N/25mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った。試験回数は2回以上とし、平均値を算出し、3N/25mm以上を○、3N/25mm未満を×とした。
実施例1〜9、比較例1〜3の結果を表2に、実施例10、比較例4〜10の結果を表3に示す。
Figure 0006582513
Figure 0006582513
実施例1〜10.
表2、表3に示す配合に従ってウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。
いずれも外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性や硬化性は良好であった。また、合成したウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物は、柔軟性や低温特性が良好な硬化物が得られることが分かった。さらには、光学用粘着剤としての評価では粘着力や透明性が高いことが分かった。
比較例1.
表2に示す配合に従ってウレタンプレポリマーの合成を検討した。反応は完結したが、反応終盤で粘度が急上昇して溶媒に不溶のゲル分が生成し、ウレタンプレポリマーとしての使用は困難であった。
比較例2.
実施例1のポリオールB2をポリオールA1に変更して、ポリオールA1を100部としてウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化性が見られずウレタンプレポリマーとしての使用は困難であった。
比較例3.
実施例2のNCO/OH比を0.95から0.8に低下させてウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化も進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであった。
また、合成したウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物は、柔軟性が無いため凹凸への追従性に期待できないものであり、光学用粘着剤としての評価では粘着力が低いため接着信頼性に劣るものであった。
比較例4〜6.
実施例2の配合から、ポリオールA、ポリオールB、またはその両方を不飽和度が高いものへ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良や透明性の悪化は無かったが、塗工後に経時で基材への移行があるためハンドリング性に劣るものであり、硬化が不十分であるためプレポリマーとしての使用は困難であった。
また、合成したウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物は、柔軟性や低温特性は良好であったが、硬化が不十分であり、粘着力も発現しなかった。
比較例7.
比較例6の配合から、NCO/OH比を0.95から0.8に低下して硬化性を高めたウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化が進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであり、ハンドリング性と硬化性の両立は困難であった。
また、合成したウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物は、柔軟性が無いため凹凸への追従性に期待できないものであり、光学用粘着剤としての評価では粘着力が低いため接着信頼性に劣るものであった。
比較例8.
比較例6の配合から、ポリオールBの比率を30%から80%に上昇して硬化性を高めたウレタンプレポリマーの合成を検討した。反応は完結したが、溶媒に不溶のゲル分が生成し、プレポリマーとしての使用は困難であった。
比較例9.
実施例2の配合から、ポリオールA、ポリオールBの分子量を低下したものへ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化が進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであった。
また、合成したウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物は、柔軟性が無いため凹凸への追従性に期待できないものであり、光学用粘着剤としての評価では粘着力が低いため接着信頼性に劣るものであった。
比較例10.
実施例2の配合から、ポリオールA 70重量部からポリエステルポリオールC 70重量部へ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。ウレタンプレポリマーの透明性が悪く、また粘度が高いためハンドリング性に劣るものであった。
ウレタンプレポリマーを用いて得られた硬化物はガラス転移温度が高いため低温特性に劣るものであり、透明性も悪いものであった。また、硬化物は、柔軟性が無いため凹凸への追従性に期待できないものであり、光学用粘着剤としての評価では透明性が低いため光学特性に劣るものであった。

Claims (11)

  1. ポリエーテルジオールAと、ポリエーテルポリオールBと、ポリイソシアネートCとを用いて得られたウレタンプレポリマーであって、
    ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
    ポリエーテルポリオールBが3官能以上のポリエーテルポリオールであって、その不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
    ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
    ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての下記の平均官能基数faveの上限が2.20、下限が1.80であること
    を特徴とするウレタンプレポリマー。
    ave =(f ×W /M +f ×W /M )/(W /M +W /M
    ここで、f はポリエーテルジオールAの平均官能基数、W はポリエーテルジオールAの重量部、M はポリエーテルジオールAの数平均分子量を表し、f はポリエーテルポリオールBの平均官能基数、W はポリエーテルポリオールの重量部、M はポリエーテルポリオールBの数平均分子量を表す。
    また、ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールBのそれぞれの平均官能基数fは下記式によって求めた値である。
    f=(1000fn/Mn)/[{(1000/Mn)一(USV/fn)}+USV]
    ここで、fnは水酸基数、Mnは数平均分子量、USVは不飽和度である。水酸基数fnは、ポリエーテルジオールAまたはポリエーテルポリオールBを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいう。なお、ポリエーテルジオールAの平均官能基数fがf 、ポリエーテルジオールBの平均官能基数fがf である。
  2. ポリエーテルジオールAの不飽和度(meq/g)と数平均分子量とが、下記式:
    不飽和度≦数平均分子量×0.00001
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のウレタンプレポリマー。
  3. ポリイソシアネートCが、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートおよびこれらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のウレタンプレポリマー。
  4. 標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が30,000〜300,000の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
  5. ポリエーテルジオールAが、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒を用い、アルキレンオキシドを開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと溶媒とを用いて得られた、当該ウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲であるウレタンプレポリマー溶液。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを用いて得られた硬化物であることを特徴とする2液硬化型ポリウレタン。
  8. ウレタンプレポリマーの反応性基に対して、架橋剤Dを、0.0001当量〜20当量(モル比)の範囲で用いることを特徴とする請求項7に記載の2液硬化型ポリウレタン。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーを含むウレタン粘着剤。
  10. 請求項7または8に記載の2液硬化型ポリウレタンを用いて得られた2液硬化型ウレタン粘着剤。
  11. 請求項9または10に記載のウレタン粘着剤を用いて得られた光学用粘着シート。
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