JP6582513B2 - ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液型ウレタン粘着剤 - Google Patents
ウレタンプレポリマーおよびそれを用いた2液型ウレタン粘着剤 Download PDFInfo
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Description
ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
ポリエーテルポリオールBが3官能以上のポリエーテルポリオールであって、その不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限が2.20であること
を特徴とするウレタンプレポリマー。
不飽和度≦数平均分子量×0.00001
を満たすことを特徴とする上記[1]に記載のウレタンプレポリマー。
ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
ポリエーテルポリオールBの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限が2.20であること
をその特徴とする。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAとしては、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たり水酸基を2個有している化合物が好ましい。
数平均分子量=(56100/OHV)×1分子当たりの水酸基数
を用いて計算した値をいう。
不飽和度≦数平均分子量×0.00001
を満たすことが好ましい。なかでも、下記式:
数平均分子量×0.0000025≦不飽和度≦数平均分子量×0.000009
を満たすことが好ましく、下記式:
数平均分子量×0.000003≦不飽和度≦数平均分子量×0.000008
を満たすことがさらに好ましい。ポリエーテルジオールAの不飽和度を、数平均分子量×0.00001以下とすることで、得られたウレタンプレポリマーの硬化物に良好な柔軟性を期待することができるため好ましい。
2官能開始剤としては、特に限定されないが、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシアルキレンジオール等の2官能のポリオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の、2個の活性水素を有する化合物から選ばれる一種または二種以上が用いられる。
本発明に用いるポリエーテルポリオールBとしては、オキシアルキレン基を有し、ポリマー末端、分岐鎖末端といった任意の箇所に分子内に1分子当たりに少なくとも3個の水酸基を有しているポリエーテルポリオールが好ましい。
数平均分子量=(56100/OHV)×1分子当たりの水酸基数
を用いて計算した値をいう。
不飽和度≦数平均分子量×0.000009
を満たすことが好ましく、さらに下記式:
数平均分子量×0.0000003≦不飽和度≦数平均分子量×0.000007
を満たすことが好ましい。不飽和度を数平均分子量×0.000009以下とすることで、得られたウレタンプレポリマーの分子量が高くなり、その柔軟性の向上が期待できるため好ましい。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物としての平均官能基数faveの上限は、2.20であるが、2.19が好ましく、さらに好ましくは2.15である。ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリオール混合物の平均官能基数faveが2.20を超えると、ウレタンプレポリマーのゲル化や硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く成形が困難であり、得られる硬化物も柔軟性が無いため段差部分が大きい用途では柔軟性が十分ではなく段差へ追従できずに気泡が発生するため、使用が困難である。
ここで、fAはポリエーテルジオールAの平均官能基数、WAはポリエーテルジオールAの重量部、MAはポリエーテルジオールAの数平均分子量を表し、fBはポリエーテルポリオールBの平均官能基数、WBはポリエーテルポリオールの重量部、MBはポリエーテルポリオールBの数平均分子量を表す。
ここで、fnは水酸基数、Mnは数平均分子量、USVは不飽和度である。水酸基数fnは、ポリエーテルジオールAまたはポリエーテルポリオールBを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいい、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールは2であり、グリセリンおよびトリメチロールプロパンは3である。市販品の場合、公称官能基数を用いた。なお、ポリエーテルジオールAの平均官能基数fがfA、ポリエーテルジオールBの平均官能基数fがfBである。
本発明のウレタンプレポリマーに用いるポリイソシアネートCとしては、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物が使用でき、特に限定されない。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネートー4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、それらとポリオールとの反応によるイソシアネート含有プレポリマー、およびこれらの二種以上の混合物等が挙げられる。さらに、これらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基またはオキサゾリドン基含有変性物)やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体(多核体と称されることもある)も包含される。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ポリエーテルジオールAおよびポリエーテルポリオールBに加え、それら以外の活性水素化合物(以下、「その他の活性水素化合物」と称する。)を併用することができる。
本発明のウレタンプレポリマーの合成方法としては特に制限されず、例えば、上記したポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールB、および必要に応じてその他活性水素化合物とポリイソシアネートCとを、ウレタン化触媒、溶剤、消泡材、その他添加剤等の存在下、ウレタン化反応させる方法等が挙げられる。よって、得られたウレタンプレポリマーは、ウレタン化触媒、消泡材、添加剤等を含んでいてもよい。
本発明のウレタンプレポリマーの性状としては、液状であることが望ましい。ゲル状や固体では塗工が難しい場合があり、溶媒に溶解して使用する場合にも不溶分等が発生する場合がある。
本発明のウレタンプレポリマー溶液は、本発明のウレタンプレポリマーと溶媒を用いて得られ、ウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲の溶液であり、20〜55重量%の範囲が更に好ましい。ウレタンプレポリマー溶液中のウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲であれば、反応性の低下が小さく、ハンドリング性の向上効果が期待できるため好ましい。
本発明の2液硬化型ポリウレタンは、本発明のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを用いて得られる硬化物である。
本発明の2液硬化型ポリウレタンに用いる架橋剤Dとしては、活性水素基に対して反応性を有する化合物、またはイソシアネート基に対して反応性を有する化合物であれば、特に限定されない。例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート系架橋剤、ポリオール架橋剤、アミン系架橋剤、水分等が挙げられる。これらの架橋剤は、一般に液状であるためそのまま使用することができるが、必要に応じて、有機溶媒で希釈して用いてもよい。
本発明のウレタン粘着剤は、本発明のウレタンプレポリマーを用いるものであれば、特に限定されず、具体的には、本発明の2液硬化型ポリウレタン等、本発明のウレタンプレポリマー、または本発明のウレタンプレポリマー溶液を用いて得られたウレタン粘着剤が例示される。
本発明の光学用粘着シートは、本発明のウレタン粘着剤を用いて得られた、光学用途に使用される粘着シートである。
1)ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールB、その他活性水素化合物
ポリオールA1、A3:イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒を用いて、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルジオール.
ポリオールA2、A4:中国製複合金属シアン化物錯体(DMC)触媒を用いて、2官能分子量400のポリオキシプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加した後、イミノ基含有フォスファゼニウム塩(IPZ)触媒を用いて、プロピレンオキシドを付加したポリエーテルジオール.
ポリオールA5、A6:市販の汎用ポリオキシプロピレングリコール。
ポリオールB1、B2:開始剤に3官能分子量600のポリオキシプロピレンポリオールを用いた以外は、ポリオールA1と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB3:市販の低不飽和度ポリオキシプロピレントリオール.
ポリオールB4:開始剤にペンタエリスリトールを用いた以外は、ポリオールA2と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB5:触媒にKOHを用いた以外は、ポリオールB1と同様の方法で合成したポリエーテルポリオール.
ポリオールB6:市販の汎用ポリオキシプロピレントリオール。
ポリオールC1:ジエチレンアジペート系ポリエステルポリオール(東ソー社製、ニッポラン1004)
これらポリオールA1〜C1は使用前に加熱、真空脱水してから使用した。
ポリイソシアネートC1:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI).
ポリイソシアネートC2:イソホロンジイソシアネート(IPDI)。
架橋剤D1:アロファネート変性2官能HDI系架橋剤(東ソー社製コロネート2770)。
<水酸基価、数平均分子量>
水酸基価はJIS−K1557−1の方法に従い、測定した。ポリオールの数平均分子量は製造に使用した開始剤の官能基数(市販品は公称官能基数)とポリオールの水酸基あたりの分子量の積で計算した水酸基換算分子量をポリオールの数平均分子量とした。
JIS−K1557−6の方法に従い、測定した。
サンプル瓶へポリオール10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。測定条件としては、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定し、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線を検量線として、分子量分布(Mw/Mn)の解析を行った。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、ポリオールA1、ポリオールB2、ポリイソシアネートC1を所定量加え70℃まで昇温して反応を行った。反応器内容物のNCO基をジブチルアミン逆滴定により追跡し、赤外分光光度計を用いて反応完結を確認して実施例1のウレタンプレポリマーを得た。
合成例1にて得られたウレタンプレポリマーへ溶媒として超脱水のメチルエチルケトンを加えて加温しながら撹拌して溶解し、ウレタンプレポリマー濃度20%の溶液を調製した。本ウレタンプレポリマー溶液をカールフィッシャー水分計により含水率を測定した。
ウレタンプレポリマー溶液製造例1にて得られた溶液約10gとウレタンプレポリマーと溶液中の水分を合わせた活性水素基量に対して0.5当量のアロファネート変性2官能HDI系架橋剤コロネート2770(東ソー社製)を、サンプル瓶に加えてペンシルミキサーにて均一になるまで撹拌した。本ウレタンプレポリマー組成物を50℃で30分加温しながら静置して系内の気泡を除去し、室温へ冷却した。離型PET(帝人デュポン社製、ピューレックス)上へ乾燥厚み40μmになるようにアプリケーターにて塗工し、80℃に加温した防爆乾燥機内で30分静置して溶媒を除去した。この時点でNCO基の残量は混合直後の約20%であった。乾燥終了後、基材側と離型力に差異がある離型PET(帝人デュポン社製ピューレックス)を硬化物面に気泡が入らないようにローラーで3往復して張り合わせた。その後、23〜25℃、50%RHの恒温室で静置し、3日後IRにてNCO基の消失を確認。40μmの硬化物厚みの離型PET/硬化物/離型PETの3層構造のシートを作製し、実施例1の硬化物評価サンプル(粘着シート)とした。
<GPC数平均分子量(Mn)>
サンプル瓶へウレタンプレポリマー10mgとTHF10mlを添加し、1終夜静置することで溶解し、PTFEカードリッジフィルター(0.5μm)でろ過することでサンプルを得た。検出器としてRI検出器RI8020、測定用カラムとしてTSKgelGMR−HHRL×2本直列、HLC−8020GPCを用いた(いずれも東ソー社製)。測定条件は、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、溶媒THFの条件で測定を行い、東ソー社製標準ポリスチレンを用いた3次近似曲線検量線として数平均分子量の解析を行った。
ウレタンプレポリマーの外観を目視評価し、ゲル化やブツが発生している外観不良のものを×、良好な外観のものを○として評価を継続した。
溶液濃度20%へ調整しても塗工が困難なもの、粘度が高く脱泡できず溶媒への溶解も困難なものを×、塗工可能であるが経時で基材へ移行しハンドリング性が悪いものを△、原液または溶液状で塗工が可能であるものを○と評価した。
ウレタンプレポリマーを40μmとなるように離型PET上へ塗工して、さらに離型PETで挟んだ状態で日本電色工業製、ヘーズメーターNDH5000にて全光線透過率を測定し、基材分を除いた全光線透過率が99%未満のものを×、全光線透過率が99%以上のものを○とした。具体的には、基材2枚重ねで全光線透過率91%、3層構造で90%の場合、90/91=98.9%で×と評価。
ウレタンプレポリマーとHDI系架橋剤コロネート2770(東ソー社製)とをウレタンプレポリマーの反応性基(系中の水分を含む)に対して0.5当量のモル比で撹拌混合して乾燥・硬化した際に、指で触れて硬化性を評価した。硬化が不十分で液状のものを×、硬化が不十分で移行成分が指に付着し周辺部位を汚損する恐れがあるものを△、移行成分が少なくタックがあるものを○、逆に硬化が早期に進行しすぎてポットライフが短く、成形が困難なものは××とした。
<柔軟性>
2液硬化物製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、折り返して測定試料とした。動的粘弾性測定装置(UBM社製、Rheogel E−4000)を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、25℃での貯蔵弾性率G’を評価した。25℃でのG’が2×105Pa下であれば柔軟性○、G’が2×105Paを超えた場合柔軟性を×とした。
2液硬化物製造例に従い、得られた硬化物を離型PETから引き剥がし、折り返して測定試料とした。動的粘弾性測定装置(UBM社製、Rheogel E−4000)を用いて、測定温度−80℃〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hz、せん断モード条件にて測定を行い、貯蔵弾性率G’に対する損失弾性率G”の比であるtanδのピーク値を取る温度をガラス転移温度として評価した。ガラス転移温度が−40℃以下であれば低温特性○、ガラス転移温度が−40℃を超えた場合に低温特性×とした。
2液硬化物製造例に従い、得られた粘着シートの離型PETを片面剥離し、PMMA基材(三菱レイヨン社製、アクリライトL#001クリア)へローラーを用いて張り合わせた。もう一面の離形PETを剥離してNDH5000にて全光線透過率とHAZEを測定し、PMMA基材単独の全光線透過率を差し引いた全光線透過率が99%以上でHAZEが0.8%未満であるものを○、全光線透過率かHAZEのどちらかが基準に未達のものを×とした。具体的には、PMMA基材の全光線透過率91%、PMMA2と粘着剤の2層構造で90%の場合、90/91=98.9%で×と評価した。
2液硬化物製造例に従い、得られた粘着シートの離型PETを片面剥離し、粘着面に厚さ25μmのPETフィルム東レ社製ルミラーS−10を裏打ちした。幅25mmにカットし、無アルカリガラス板コーニング社製イーグルXGにJIS Z0237に準じてロール圧着して試験片を作製した。引張試験機オリエンテック社製テンシロンRTG−1210を用いて、JIS Z0237に準拠して180°剥離試験を行い、180°引き剥がし粘着力(N/25mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った。試験回数は2回以上とし、平均値を算出し、3N/25mm以上を○、3N/25mm未満を×とした。
表2、表3に示す配合に従ってウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。
表2に示す配合に従ってウレタンプレポリマーの合成を検討した。反応は完結したが、反応終盤で粘度が急上昇して溶媒に不溶のゲル分が生成し、ウレタンプレポリマーとしての使用は困難であった。
実施例1のポリオールB2をポリオールA1に変更して、ポリオールA1を100部としてウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化性が見られずウレタンプレポリマーとしての使用は困難であった。
実施例2のNCO/OH比を0.95から0.8に低下させてウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化も進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであった。
実施例2の配合から、ポリオールA、ポリオールB、またはその両方を不飽和度が高いものへ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良や透明性の悪化は無かったが、塗工後に経時で基材への移行があるためハンドリング性に劣るものであり、硬化が不十分であるためプレポリマーとしての使用は困難であった。
比較例6の配合から、NCO/OH比を0.95から0.8に低下して硬化性を高めたウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化が進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであり、ハンドリング性と硬化性の両立は困難であった。
比較例6の配合から、ポリオールBの比率を30%から80%に上昇して硬化性を高めたウレタンプレポリマーの合成を検討した。反応は完結したが、溶媒に不溶のゲル分が生成し、プレポリマーとしての使用は困難であった。
実施例2の配合から、ポリオールA、ポリオールBの分子量を低下したものへ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。外観不良やハンドリング性の悪化は無く、透明性は良好であったが、硬化時のポットライフが短く、硬化が進行しすぎて成形性・硬化性に劣るものであった。
実施例2の配合から、ポリオールA 70重量部からポリエステルポリオールC 70重量部へ変更してウレタンプレポリマーを合成し、性状を評価した。ウレタンプレポリマーの透明性が悪く、また粘度が高いためハンドリング性に劣るものであった。
Claims (11)
- ポリエーテルジオールAと、ポリエーテルポリオールBと、ポリイソシアネートCとを用いて得られたウレタンプレポリマーであって、
ポリエーテルジオールAの不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が3000〜30000の範囲であること、
ポリエーテルポリオールBが3官能以上のポリエーテルポリオールであって、その不飽和度が0.07meq/g以下であり、且つ数平均分子量が5000〜40000の範囲であること、
ポリイソシアネートCの有するNCO基と、前記ポリエーテルジオールAおよび前記ポリエーテルポリオールBの有するOH基総量との比率が0.85〜1.15(モル比)の範囲であること、並びに
ポリエーテルジオールAとポリエーテルポリオールBを合わせたポリエーテルポリオール混合物としての下記の平均官能基数faveの上限が2.20、下限が1.80であること
を特徴とするウレタンプレポリマー。
f ave =(f A ×W A /M A +f B ×W B /M B )/(W A /M A +W B /M B )
ここで、f A はポリエーテルジオールAの平均官能基数、W A はポリエーテルジオールAの重量部、M A はポリエーテルジオールAの数平均分子量を表し、f B はポリエーテルポリオールBの平均官能基数、W B はポリエーテルポリオールの重量部、M B はポリエーテルポリオールBの数平均分子量を表す。
また、ポリエーテルジオールA、ポリエーテルポリオールBのそれぞれの平均官能基数fは下記式によって求めた値である。
f=(1000fn/Mn)/[{(1000/Mn)一(USV/fn)}+USV]
ここで、fnは水酸基数、Mnは数平均分子量、USVは不飽和度である。水酸基数fnは、ポリエーテルジオールAまたはポリエーテルポリオールBを製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいう。なお、ポリエーテルジオールAの平均官能基数fがf A 、ポリエーテルジオールBの平均官能基数fがf B である。 - ポリエーテルジオールAの不飽和度(meq/g)と数平均分子量とが、下記式:
不飽和度≦数平均分子量×0.00001
を満たすことを特徴とする請求項1に記載のウレタンプレポリマー。 - ポリイソシアネートCが、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートおよびこれらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のウレタンプレポリマー。
- 標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が30,000〜300,000の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
- ポリエーテルジオールAが、イミノ基含有フォスファゼニウム塩触媒を用い、アルキレンオキシドを開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のウレタンプレポリマー。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと溶媒とを用いて得られた、当該ウレタンプレポリマーの濃度が10〜90重量%の範囲であるウレタンプレポリマー溶液。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーと、活性水素基またはイソシアネート基に対し反応性を有する架橋剤Dとを用いて得られた硬化物であることを特徴とする2液硬化型ポリウレタン。
- ウレタンプレポリマーの反応性基に対して、架橋剤Dを、0.0001当量〜20当量(モル比)の範囲で用いることを特徴とする請求項7に記載の2液硬化型ポリウレタン。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタンプレポリマーを含むウレタン粘着剤。
- 請求項7または8に記載の2液硬化型ポリウレタンを用いて得られた2液硬化型ウレタン粘着剤。
- 請求項9または10に記載のウレタン粘着剤を用いて得られた光学用粘着シート。
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