JP2010106050A - 光学部材用粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、帯電防止性のみならず、さらに偏光板用途のような長期にわたる使用に好適な耐久性、粘着力および透明性に優れた光学部材用粘着剤を提供することである。
【解決手段】活性水素原子含有基(h)を有する(メタ)アクリレート系共重合体(A)、架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)を含有する粘着剤であって、前記共重合体(A)が、一般式(1)で示される基を側鎖に有し、かつ一般式(1)におけるAOがオキシエチレン基である単位を共重合体(A)の重量に基づいて20〜50重量%含有する光学部材/ガラス基板貼り付け用の粘着剤。
−COOCH2CH(OH)CH2O−(AO)n−R (1)
[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は光学部材用粘着剤及びこれを用いた粘着剤付き光学部材に関する。さらに詳しくは、偏光板、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム等の各種光学部材とガラス基板を貼り付けるための光学部材用粘着剤及び粘着剤付き光学部材に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイは、偏光板、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム等の各種光学部材とガラス基板を貼り合わせて構成される。これら光学部材の貼り合わせには、作業性が良好で接着特性の信頼性が高いことから、通常、粘着剤が使用されている。一般に粘着剤層表面を保護する目的で剥離ライナーなどが用いられており、特にクリーン度が要求される電子用途では、剥離ライナーとしてプラスチックフィルムが用いられている。プラスチックフィルム等のプラスチック材料は電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気を発生する。該静電気は周囲のゴミを吸い寄せたり、電子部品の静電破壊の原因となる。そこで静電気の発生を防止するために下記の方法(例えば、特許文献1、2、3参照)が提案されている。
(1)剥離ライナーに帯電防止性を付与する。
(2)剥離ライナーと粘着剤層の間に、または粘着剤層を有しない方の面に帯電防止剤層を付与する。
(3)粘着剤層に帯電防止性を付与する。
特開昭58−191777号公報 特開平 7−26223 号公報 特開平 1−253482号公報
しかしながら、上記方法は下記の問題点を有している。
(1)の方法は、基材フィルムに低分子界面活性剤、高分子帯電防止剤、金属粉、カーボンブラックを練り込む方法であり、帯電防止効果が不十分という問題がある。
(2)の方法は、界面活性剤、帯電防止性樹脂、導電性樹脂等からなる帯電防止層を設ける方法であり、これも帯電防止効果が不十分という問題がある。
(3)の方法は、粘着剤層に低分子界面活性剤、高分子帯電防止剤、金属粉、カーボンブラックを練り込む方法であり、界面活性剤のブリードアウトによる耐久性の悪化、粘着剤層の透明性低下等の問題がある。
上記のように該光学部材用粘着剤には帯電防止性のみならず、さらに偏光板用途のような長期にわたる使用に好適な耐久性、粘着力および透明性に優れることが求められている。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、活性水素原子含有基(h)を有する(メタ)アクリレート系共重合体(A)[以下において、単に(A)と表記する場合がある]、架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)を含有する粘着剤であって、前記共重合体(A)が、一般式(1)で示される基を側鎖に有し、かつ一般式(1)におけるAOがオキシエチレン基である単位を共重合体(A)の重量に基づいて20〜50重量%含有する光学部材/ガラス基板貼り付け用の粘着剤;該粘着剤からなる粘着剤層を、光学部材の少なくとも片面の少なくとも一部に有する粘着剤付き光学部材;及び該粘着剤を用いて光学部材とガラス基板を貼り合わせてなる画像表示装置である。
−COOCH2CH(OH)CH2O−(AO)n−R (1)
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。
本発明の粘着剤は、下記の効果を奏する。
(1)帯電防止性に優れる。
(2)透明性に優れる。
(3)粘着力の経時変化が少ない。
本発明において、活性水素原子含有基(h)を有する(メタ)アクリレート系共重合体(A)[以下において、単に共重合体(A)又は(A)と表記することがある]における活性水素原子含有基(h)としては、水酸基、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基及びチオール基等が挙げられる。これらのうち、共重合体(A)が一般式(1)で示される基を側鎖に有するので水酸基は必須の活性水素原子含有基(h)として含まれる。また、活性水素原子含有基(h)として好ましいのは、粘着性の観点から、カルボキシル基及び一般式(1)で示される基に含まれる水酸基の併用である。共重合体(A)が活性水素原子含有基(h)を有することによって、活性水素原子と後述の架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)との反応が起こり、粘着剤としての優れた機能が発揮できる。
本発明における共重合体(A)は、一般式(1)で示される基を側鎖に有することによって粘着剤としての優れた機能、特に帯電防止性が発揮できる。
−COOCH2CH(OH)CH2O−(AO)n−R (1)
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。
Rのうち、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基及びエチル基、並びに直鎖若しくは分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。これらのうち粘着剤としての帯電防止性の観点から好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基である。
AOで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、1,2−オキシプロピレン基、1,3−オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基及び1,4−オキシブチレン基が挙げられる。これらのうち好ましいのは粘着剤の帯電防止性の観点からオキシエチレン基及び1,2−オキシプロピレン基である。
nは10〜50の数、粘着剤の帯電防止性の観点から好ましくは12〜45の数、さらに好ましくは15〜40の数である。また、(AO)nは2種以上のオキシアルキレン基の併用であってもよく、それらの結合様式はブロック、ランダム又はこれらの併用でもよい。
なお、(AO)nは通常はアルキレンオキサイドの付加物の構造であるから、付加モル数に分布があるためnは平均値であり必ずしも整数であるとは限らない。
また、本発明における前記共重合体(A)は、前記一般式(1)におけるAOがオキシエチレン基である単位を共重合体(A)の重量に基づいて20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%含有する。(AO)がオキシエチレン基である単位が20重量%未満の場合は、帯電防止性能が不足し、50重量%を超えた場合は、ガラス基板に対する粘着力が不足する。
前記共重合体(A)中の、前記一般式(1)におけるAOがオキシエチレン基である単位の重量割合は、通常は、共重合体(A)の製造時における各原料成分の仕込量から計算できる。また、AOがオキシエチレン基のみ又はオキシエチレン基と1,2−オキシプロピレン基であって、前記一般式(1)で示される基に由来するAO以外のオキシアルキレン基を含まない場合は、以下の方法で共重合体を分析することによってオキシエチレン基単位の含有量を定量することができる。
共重合体(A)と内部標準物質としてメタクリル酸メチルを均一に混合したものを、重クロロホルムを溶媒としてH1−NMRを測定する。オキシエチレン基由来の3.6ppmのピークの面積とメタクリル酸メチルの二重結合由来の6.2ppmのピークの面積の比から(A)中のオキシエチレン基単位の含有量を定量することができる。例えば、(A)をx(g)とメタクリル酸メチルをy(g)とを均一混合してH1−NMRを測定し、6.2ppmのピークの面積に対する3.6ppmのピークの面積比をZとすると(A)中のオキシエチレン基単位の含有量(重量%)は下記の計算式で算出できる。
(A)中のオキシエチレン基単位の含有量(重量%)
=(1100×y×Z)/(86×x)
前記共重合体(A)は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート系共重合体前駆体(A0)[以下において、単に共重合体前駆体(A0)又は(A0)と表記することがある]のカルボキシル基と一般式(2)で示される化合物のグリシジル基とを反応させて得ることができる。
Figure 2010106050
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。炭素数1〜18のアルキル基の例及び好ましいもの、AOの例及び好ましいもの、及びnのうちの好ましいものは、前記と同様である。
前記共重合体前駆体(A0)を構成するモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー(a1)を必須とし、カルボキシル基を含有しない(メタ)アクリレート系モノマー(a2)及びその他のモノマー(a3)が挙げられ、共重合体前駆体(A0)は(メタ)アクリレート系の構造を主体とする共重合体である。
カルボキシル基含有モノマー(a1)としては、不飽和一塩基酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸及びビニル安息香酸等]、不飽和二塩基酸[マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸及びメサコン酸等]、不飽和二塩基酸のモノエステル[上記不飽和二塩基酸のモノアルキルエステル]、コハク酸モノエステル[2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加体の無水コハク酸開環付加体]、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマー(a1)のうち粘着剤の粘着力と耐久性のバランスの観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸及びポリ(重合度=2〜30)オキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの無水コハク酸開環付加体であり、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
カルボキシル基を含有しない(メタ)アクリレート系モノマー(a2)としては、アルキル(メタ)アクリレート(a21)及びその他の(メタ)アクリレート(a22)が挙げられる。カルボキシル基を含有しない(メタ)アクリレート系モノマー(a2)のうち、粘着性の観点から好ましいのは、アルキル(メタ)アクリレート(a21)である。
アルキル(メタ)アクリレート(a21)としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート並びに及びステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのうち好ましいのは粘着剤の帯電防止性の観点から炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである。
その他の(メタ)アクリレート(a22)としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、及びポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の活性水素原子含有(メタ)アクリレート、並びにアルコキシポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数2〜4のもの、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びモノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、アルキレン基の炭素数2〜4のもの、例えばポリ(重合度2〜100)オキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(重合度2〜100)オキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、アルコキシ基の炭素数1〜4でアルキレン基の炭素数2〜4のもの、例えばメトキシポリ(重合度2〜100)オキシエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシポリ(重合度2〜100)オキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の(メタ)アクリレート(a22)としては、更にジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート及び脂環基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の(メタ)アクリレート(a22)のうち、粘着剤の凝集力の観点から好ましいのは活性水素原子含有(メタ)アクリレートである。
共重合体前駆体(A0)を構成するモノマーのうち、その他のモノマー(a3)としては(メタ)アリル系モノマー[アリルアルコール、メタリルアルコール、酢酸アリル及びポリオキシアルキレンアリルエーテル等]、炭化水素系モノマー[エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン、イソブチレン、ジイソブチレン、スチレン及びビニルトルエン等](a32)、アミド基含有モノマー[(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリアミド等]、カルボン酸ビニルエステル[酢酸ビニル等]、アルキルビニルエーテル[メチルビニルエーテル等]及び不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル[マレイン酸ジメチルエステル及びマレイン酸ジブチルエステル等]等が挙げられる。
前記共重合体前駆体(A0)を構成するモノマーのモル比(a1)/(a2)/(a3)は、モル%で表すと、通常、5〜50/40〜95/0〜10であり、好ましくは10〜40/55〜90/0〜5である。
なお、(a2)及び(a3)としてオキシエチレン基を有するモノマー[例えば、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートやメトキシポリオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等]を使用する場合は、共重合体前駆体(A0)の重量に基づいてオキシエチレン基単位が好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下となるような割合で使用することが好ましく、特に好ましくは全く使用しないことである。なお、20重量%以下であれば重合中にゲル化する可能性が少なくなる傾向にある。
共重合体前駆体(A0)の重量平均分子量[以下、Mwと略記、測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)による。]は、耐久性の観点から好ましい下限は1,000,000、さらに好ましくは1,100,000、とくに好ましくは1,200,000、塗工性の観点から好ましい上限は2,000,000、さらに好ましくは1,900,000、とくに好ましくは1,800,000である。
また、(A0)のTgは、粘着剤の粘着力の観点から好ましい下限は−100℃、さらに好ましくは−90℃、とくに好ましくは−80℃である。また、粘着剤のタックの観点から好ましい上限は30℃、さらに好ましくは0℃、とくに好ましくは−10℃である。
さらに、(A0)は2種以上の混合物として使用してもよい。
共重合体前駆体(A0)の製造方法は特に限定されず公知の方法を用いることができるが、ラジカル重合法が好ましく、とりわけ溶液重合法が分子量を調節しやすいため好ましい。
溶液重合において用いられる溶媒としては、エステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1〜8、例えばメタノール、エタノール、オクタノール)、炭化水素(炭素数4〜8、例えば、シクロヘキサン、トルエン)及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)等が挙げられる。
本発明における前記一般式(2)の化合物は水、炭素数2〜4のグリコール又は炭素数1〜18のアルカノールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均で10〜50モル付加した後、末端の水酸基(但し、水若しくはグリコールを使用した場合は水酸基のうちの1個)をグリシジルエーテル化することによって得ることが出来る。
炭素数2〜4のグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオオール等が挙げられる。炭素数1〜18のアルカノールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エチルエキシルアルコール、ラウリルアルコール及びステアリルアルコール等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられ、好ましいもの、好ましい結合様式、及び好ましい付加モル数は前記一般式(1)の説明で記載したのと同様である。
グリシジルエーテル化反応は、アルキレンオキサイド付加物に、アルカリ金属水酸化物の存在下に、エピクロルヒドリンを反応させることにより行うことができる。アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの固形物(粒状若しくは粉末状)若しくは水溶液状(濃度30重量%以上)を使用できるが、副反応抑制の観点から固形物が好ましい。反応後の反応混合物に通常40℃以下の水、好ましくは10〜40℃の水を投入し、過剰のアルカリ金属水酸化物と生成塩を溶解させ分液する。分液後、有機層にアルカリ吸着剤を投入し、好ましくは70〜120℃、減圧下(好ましくは−85KPaG以下)でエピクロルヒドリンを留去した後、ろ過することにより、高純度のグリシジルエーテルを得ることができる。
本発明における共重合体(A)は、前記共重合体前駆体(A0)と一般式(2)の化合物を混合、加熱し反応させることで得ることができる。反応温度は好ましくは50〜150℃である。また、反応時間は好ましくは3〜50時間である。また、必要により公知の触媒(例えば、2−メチルイミダゾール)を用いてもよい。反応溶媒はエステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、炭化水素(炭素数4〜8、例えばシクロヘキサン、トルエン)及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)が好ましい。
(A0)と一般式(2)の化合物の仕込み比率は、(A)の重量に基づくオキシエチレン単位が20〜50重量%、かつ(A0)中のカルボキシル基に対する一般式(2)の化合物中のグリシジル基の当量比が0.1〜1となるようにすることが好ましい。グリシジル基の当量比が1より大きくなると、未反応の一般式(2)の化合物が残存し、粘着力低下の原因となる。また、グリシジル基の当量比が0.1〜1であると、過剰のカルボキシル基が共重合体(A)中の活性水素原子含有基(h)として残存するので、粘着性の観点から好ましい。
本発明における共重合体(A)の他の製造方法としては、共重合体前駆体としてグリシジル基を有する(メタ)アクリレートを構成モノマーの1種に使用し、得られた共重合体前駆体のグリシジル基と、HO−(AO)n−Rで示されるアルキレンオキサイド付加物とを反応させる方法が挙げられる。製造工程の簡略さと収率の観点から好ましいのは共重合体前駆体(A0)と前記一般式(2)で示されるグリシジルエーテル化合物とを反応させる方法である。
本発明における共重合体(A)のMwは、耐久性の観点から好ましい下限は1,100,000、さらに好ましくは1,200,000、とくに好ましくは1,300,000、塗工性の観点から好ましい上限は2,100,000、さらに好ましくは2,000,000、とくに好ましくは1,900,000である。
また、(A)のTgは、粘着剤の粘着力の観点から好ましい下限は−100℃、さらに好ましくは−90℃、とくに好ましくは−80℃である。また、粘着剤のタックの観点から好ましい上限は30℃、さらに好ましくは0℃、とくに好ましくは−10℃である。
本発明において、架橋剤(B)は粘着剤の凝集力を向上させる必須成分である。架橋剤(B)としては、(A)中の活性水素原子含有基(h)と反応し得る反応性官能基を1分子中に2〜5個有する有機化合物(B1)、及び価数が2〜4である多価金属キレート化合物(B2)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。前記反応性官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、ヒドラジド基、オキサゾリニル基及びアジリジニル基等が挙げられる。
架橋剤(B)のうちの有機化合物(B1)としては、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、ヒドラジド、オキサゾリン化合物及びアジリジン化合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートしては、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートのイソシアネート基の一部をカルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、ウレア、ビュレット、イソシアヌレート及び/又はウレタン基等に変性した化合物、並びに、過剰量のジイソシアネートと活性水素化合物とを反応させて得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。
該活性水素化合物としては、低分子多価(2価〜4価又はそれ以上)アルコール及び2〜3価のポリ(重合度=2〜30)オキシアルキレン(C2〜4)ポリオール等が挙げられる。
前記低分子多価アルコールとしては、脂肪族2価アルコール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール及びネオペンチルグリコール)、脂肪族3価アルコール(例えばグリセリン及びトリメチロールプロパン);その他、脂環式アルコール、芳香環含有アルコール、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース、ショ糖、ジペンタエリスリトール、並びにポリグリセリン(重合度2〜20)等が挙げられる。
前記2〜3価のポリオキシアルキレンポリオールとしては上記低分子多価アルコール又は多価フェノールビスフェノールA等)にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
上記例示したポリイソシアネートはブロック剤でブロックされていてもよい。ブロック剤としては、例えばフェノール化合物;活性メチレン化合物;ラクタム;オキシム;アルコール;2級芳香族アミン;メルカプト化合物;イミダゾール化合物;酸アミド;酸イミド及び重亜硫酸塩等が挙げられる。
該ウレタンプレポリマー中のNCO含量(重量%)は、通常3〜35%である。ポリイソシアネートのうち、ガラス基板への粘着力の観点から、好ましいのはイソシアネート末端ウレタンプレポリマーである。 架橋剤として好ましい市販品のイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーとしては、例えば「コロネートL」日本ポリウレタン(株)製、トリメチロールプロパンとTDIからなるイソシアネート末端プレポリマー)が挙げられる。
ポリエポキシドとしては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが挙げられる。
ヒドラジドとしては、ポリカルボン酸[脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びマレイン酸)、芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸)等]のジヒドラジド、アルキレン(炭素数2〜6)ジヒドラジド(エチレン−1,2−ジヒドラジド及びプロピレン−1,3−ジヒドラジド等)が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン及び2−n−プロピル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
アジリジン化合物としては、ポリアミンの誘導体[1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素等]、低分子多価アルコールのポリ(2−アジリジニルプロピオネート)[エチレンビス−(2−アジリジニルプロピオネート)、トリメチロールプロパン−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン等]が挙げられる。
前記有機化合物(B1)の官能基当たりの分子量は、粘着剤の凝集力及び粘着力の観点から好ましい下限は分子量40、さらに好ましくは60である。また、好ましい上限は、分子量20,000、さらに好ましくは10,000、とくに好ましくは5,000である。
架橋剤(B)のうちの多価金属キレート化合物(B2)としては、多価(2〜4価)金属[IIA族(Mg、Ca等)、IIB族(Zn等)、IIIA族(Al等)、IVA族(Sn、Pb等)、遷移金属(Ti、Zr、マンガン、Fe、Co、Ni、Cu等)等]のキレート化合物(βジケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のキレーターとのキレート化合物)が挙げられる。アルミニウムアセチルアセトナートの市販品としては川研ファインケミカル(株)製「アルミキレートA(W)」及び日本化学産業(株)製「ナーセムアルミニウム」等が挙げられる。共重合体(A)と(B2)を混合すると(B2)中のキレート配位子がはずれ、多価金属が共重合体(A)のカルボキシル基に配位して架橋が行なわれる。
多価金属キレート化合物(B2)の多価金属の1価当たりの分子量は、粘着剤の凝集力及び粘着力の観点から好ましい下限は40、さらに好ましくは50、凝集力と粘着力の観点から好ましい上限は140、さらに好ましくは130、とくに好ましくは110である。
架橋剤(B)としては、さらに、特開2008−7702号公報に記載の架橋剤が挙げられる。
架橋剤(B)の使用量は、共重合体(A)中の活性水素原子と該活性水素原子と反応する(B)の当量比で表した場合、粘着剤の凝集力及びガラス基板への粘着力の観点から、好ましくは1/0.01〜1/2、さらに好ましくは1/0.02〜1/1となる量であり、重量比(A)/(B)は、好ましくは99.9/0.1〜90/10である。
本発明において、粘着剤が含有するシランカップリング剤(C)はガラス基板に対する粘着力をさらに向上させるための必須成分である。シランカップリング剤(C)としては、重合性不飽和基含有ケイ素化合物(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有ケイ素化合物[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等]、アミノ基含有ケイ素化合物[3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等]、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等、及びこれらの混合物等が挙げられる。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの市販品としては信越化学(株)製「KBM−403」等が挙げられる。ガラス基板に対する粘着力の観点から好ましくは、エポキシ基含有ケイ素化合物である。
シランカップリング剤(C)の使用量は、共重合体(A)の重量に基づいて、通常0.001〜10%、粘着剤の粘着力及び耐久性の観点から好ましくは0.005〜5%である。
本発明の粘着剤において、粘着剤の固形分の重量に基づく共重合体(A)、架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)のそれぞれの好ましい含有量(合計が100重量%)は、以下の通りである。なお、本発明において「固形分」とは、水及び有機溶剤以外の成分を意味する。
共重合体(A)は、好ましくは88〜99.89重量%、さらに好ましくは90〜99.45重量%;架橋剤(B)は、好ましくは0.1〜9重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%;シランカップリング剤(C)は、好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは、0.05〜2重量%である。
本発明の粘着剤は塗工性の観点から、好ましくは有機溶媒(S)を含有する。有機溶媒(S)としては、共重合体前駆体(A0)を溶液重合するときに用いられる前記の有機溶媒が挙げられる。有機溶媒(S)の含有量は、粘着剤のうちの好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは10〜90重量%である。
本発明の粘着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて粘着性付与樹脂(D1)、可塑剤(D2)、充填剤(D3)、顔料(D4)、紫外線吸収剤(D5)及び酸化防止剤(D6)からなる群から選ばれる添加剤(D)の少なくとも1種をさらに加えることができる。(D1)〜(D6)の具体例としては、特開2008−7702号公報に記載のものが、同公報に記載の量の範囲で使用できる。
本発明の粘着剤の粘度は、25℃において、通常100〜10,000mPa・sである(測定法はJIS−K7117−2に記載の方法)。
本発明の帯電防止性粘着剤は、(A)、(B)、(C)必要により(S)及び(D)を通常の混合装置(撹拌機を備えた混合槽、スタティックミキサー等)で均一に混合することにより製造できる。(D)は(A)の製造の段階(製造前の原料、製造途中の反応物または製造後の生成物)において加えてもよい。
本発明の粘着剤付き光学部材は、光学部材の少なくとも片面の少なくとも一部に、前記粘着剤からなる粘着剤層を有するものである。前記光学部材としては、フィルム状の光学部材、例えば偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されたもの等が挙げられる。
該粘着剤層の形成方法としては、前記フィルム状の光学部材の少なくとも片面の少なくとも一部に粘着剤を流延方式や塗工方式等の適切な方法で塗布し乾燥させる方法、粘着剤層を設けた剥離ライナーから上記光学部材の面上に転写する方法等が挙げられる。塗布法としては、ロールコーティング法(リバースコーティング、グラビアコーティング等)、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法及びスプレー法などを採用できる。粘着剤を塗布後、乾燥工程で溶剤や水を揮発させることで所定の厚みの粘着剤層を得ることができる。
上記粘着剤層を形成させる際の加熱手段としては、熱風(60〜150℃)、(近)赤外線及び高周波等が挙げられる。また、養生の条件としては、例えば室温で3〜7日間程度又は45℃で12〜72時間程度が挙げられる。本発明における粘着剤層の塗膜厚さ(乾燥後)は、通常1〜50μm、耐久性及び密着性の観点から好ましくは5〜30μmである。
本発明の粘着剤付き光学部材が貼り付けられる対象となる画像表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
[(メタ)アクリレート系共重合体前駆体(A0)の製造]
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した反応容器に、酢酸エチル70部を仕込み78℃に昇温した。n−ブチルアクリレート264部(2.1モル部)、アクリル酸36部(0.5モル部)を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部を酢酸エチル55部に溶解した開始剤溶液とを、反応容器内に窒素を吹き込みながら、別々の滴下ロートから4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合させた。 滴下終了後2時間熟成させ、その後2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部を酢酸エチル28部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点(80℃)で重合反応を2時間継続した後、酢酸エチル1047部を加えて(メタ)アクリレート系共重合体前駆体(A01)の溶液(固形分濃度=20%)を得た。Mwは150万であった。
製造例2
製造例1において、n−ブチルアクリレート264部の代わりにn−ブチルアクリレート204部(1.6モル部)とメチルメタクリレート60部(0.6モル部)を用いたこと以外は製造例1と同様にして(メタ)アクリレート系共重合体前駆体(A02)の溶液(固形分濃度=20%)を得た。Mwは140万であった。
[アルキレンオキサイド付加物の製造]
製造例3
事前に150℃恒温槽で8時間乾燥した撹拌及び温度調節機能の付いた2リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール93部(0.5モル部)、45%水酸化カリウム水溶液2.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて2時間脱水を行った。次いでエチレンオキシド(以下EOと省略)220部(5モル部)をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入し、ラウリルアルコールEO10モル付加物(z1)を得た。
製造例4〜9及び比較製造例1
製造例3において、EO220部の代わりに表1に記載のアルキレンオキサイドを表1に記載の量用いたこと以外は製造例3と同様にしてアルキレンオキサイド付加物(z2)〜(z7)及び(比z1)を得た。表1及び以下において、/はランダム結合を表す。
Figure 2010106050
[グリシジルエーテル化合物の製造]
製造例10
撹拌装置、温度制御措置、湿式粉砕機(反応槽の外側に付属)を設置した反応槽に、(z1)315部、エピクロルヒドリン 83部、トルエン250部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下とし、19℃の窒素雰囲気下にある粒状水酸化ナトリウム 38部を19〜29℃で9.5時間かけて断続滴下し、この間反応槽内の水酸化ナトリウムは湿式粉砕機を使用して粉砕させた。その後25〜29℃で5時間反応熟成し、グリシジルエーテル化した。なお、湿式粉砕機は水酸化ナトリウムの滴下開始から反応熟成終了まで連続運転した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水200部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)10部を投入し、減圧下昇温して120℃、−98.0KPaGまでエピクロルヒドリンとトルエン混合物の留出除去を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、ラウリルアルコールEO10モルグリシジルエーテル化合物(g1)を得た。
製造例11〜16及び比較製造例2
製造例10において、ラウリルアルコールEO10モル付加物(z1)315部の代わりに表2に記載のアルキレンオキサイド付加物を表2に記載の量用いたこと以外は製造例10と同様にしてグリシジルエーテル化合物(g2)〜(g7)及び(比g1)を得た。表2において、GEはグリシジルエーテルを表す。
Figure 2010106050
[(メタ)アクリレート系共重合体(A)の製造]
製造例17
撹拌機、温度計および還流冷却管を付した反応容器に、前記共重合体前駆体(A01)の溶液100部、グリシジルエーテル化合物(g1)10部[(A01)のカルボキシル基に対する(g1)のグリシジル基の当量比=0.42]と酢酸エチル40部を仕込み80℃に昇温した。その後、反応を10時間継続させ、分子側鎖にオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート系共重合体(A1)の溶液(固形分濃度=20%)を得た。前述のH1−NMRの測定による定量から(A1)中のオキシエチレン単位は20.4%であった。また、(A1)の酸価は36で、カルボキシル基(h1)の存在を確認した。
製造例18〜23及び比較製造例3〜5
表3に記載の共重合体前駆体の溶液、グリシジルエーテル化合物及び酢酸エチルを、表3に記載の量使用したこと以外は実施例17と同様にして製造例18〜23の共重合体(A2)〜(A7)の溶液(固形分濃度=20%)及び比較製造例3〜5の共重合体(比A1)〜(比A3)の溶液(固形分濃度=20%)を製造した。
Figure 2010106050
[粘着剤の製造]
実施例1
上記(メタ)アクリレート系共重合体(A1)の溶液(固形分濃度=20%)100部に、架橋剤(B)としてトリメチロールプロパンのイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの75%酢酸エチル溶液[商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製]1部及びシランカップリング剤(C)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.05部[商品名「KBM−403」、信越化学(株)製]を均一に混合して本発明の粘着剤(X1)を作成した。粘着剤(X1)の粘度(測定法:JIS−K7117−2に記載の方法)は、25℃において7,200(mPa・s)であった。
実施例2〜7及び比較例1〜4
表4に記載の共重合体の溶液、架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)を、表4に記載の量使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜7の粘着剤(X2)〜(X7)及び比較例1〜4の粘着剤(比X1)〜(比X4)を製造した。なお、表4中、ナーセム*とはアルミニウムアセチルアセトナート[商品名「ナーセムアルミニウム」、日本化学産業(株)製]を表す。
Figure 2010106050
比較例5
実施例1において、共重合体(A1)の溶液100部の代わりに前記共重合体前駆体(A01)の溶液100部を用いたこと以外は同様にして比較例5の粘着剤(比X5)を調製した。
比較例6
共重合体前駆体(A01)の溶液250部に過塩素酸リチウム1部、ポリエーテルジオール[商品名「サンニックスPP−400」、三洋化成工業(株)製]20部及び酢酸エチル80部を混合し、配合物を得た。実施例1において、共重合体(A1)の溶液100部の代わり前記配合物100部を用いたこと以外は同様にして比較例6の粘着剤(比X6)を調製した。
比較例7
共重合体前駆体(A01)の溶液250部にアルキルフォスフェート系帯電防止剤[商品名「フォスファノールRD−510Y」、東邦化学工業(株)製]2.5部を配合し、配合物を得た。実施例1において、共重合体(A1)の溶液100部の代わりに前記配合物100部を用いたこと以外は同様にして比較例7の粘着剤(比X7)を調製した。
比較例8
共重合体前駆体(A01)の溶液250部にカーボンブラック2.5部を分散させ、分散物を得た。実施例1において、(A1)の溶液100部の代わりに前記分散物100部を用いたこと以外は同様にして比較例8の粘着剤(比X8)を調製した。
粘着剤(X1)〜(X7)及び(比X1)〜(比X8)を離型ポリエステルフィルム[商品名「スーパステック SP−PET38」、リンテック(株)製]基材に乾燥後の膜厚が25μmになるようにアプリケーターで塗工し60℃で1分間、さらに100℃で1分間各々熱風乾燥させ、さらに45℃で3日間養生して粘着シート1を得た。
得られた粘着シート1を偏光板の片面に貼り付けて粘着シート2を得た。該粘着シート1及び粘着シート2を用いて、以下の試験方法で表面固有抵抗値、透明性、粘着力及び耐久性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2010106050
〔性能試験方法〕
(1)表面固有抵抗値
粘着シート1を23℃×65%RHの条件で12時間静置した後に、JIS−K6911に記載の方法で粘着フィルムの表面固有抵抗を測定した。
(2)透明性
粘着シート1の全光線透過率をJIS−K7361−1に記載の方法で測定し、下記の基準で評価した。
○ :全光線透過率が85%以上
× : 全光線透過率が85%未満
(3)粘着力
粘着シート2を2.5cm×15cmに裁断し、前記離型ポリエステルフィルムを剥離して、無アルカリガラス板[商品名「1737」、コーニング社製]に貼り付けたものを、JIS−Z0237に記載の方法で23℃での粘着力を測定した。
(4)耐久性
粘着シート2を24cm×14cmに裁断し、前記離型ポリエステルフィルムを剥離して、前記無アルカリガラス板に貼り付けた。得られたサンプルを85℃/dry、60℃/95%RHの条件で500時間放置し、粘着剤層の発泡、ガラス板からの剥がれや浮きの有無を下記の評価基準に従い、目視で評価した。
○ :発泡、剥がれや浮きが全く見られない。
× :発泡、剥がれ、浮きのうち少なくとも1つが見られる。
表5の結果から、本発明の光学部材用粘着剤は、比較例のものに比べて優れた帯電防止性を有すると同時に、透明性、粘着力及び耐久性にも優れることがわかる。
本発明の光学部材用粘着剤は、偏光板、位相差板、光拡散板等の各種光学部材とガラス基板との貼り合わせ用粘着剤として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置の幅広い用途に用いることができ、極めて有用である。

Claims (7)

  1. 活性水素原子含有基(h)を有する(メタ)アクリレート系共重合体(A)、架橋剤(B)及びシランカップリング剤(C)を含有する粘着剤であって、前記共重合体(A)が、一般式(1)で示される基を側鎖に有し、かつ一般式(1)におけるAOがオキシエチレン基である単位を共重合体(A)の重量に基づいて20〜50重量%含有する光学部材/ガラス基板貼り付け用の粘着剤。
    −COOCH2CH(OH)CH2O−(AO)n−R (1)
    [式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。]
  2. 前記共重合体(A)が有する活性水素原子含有基(h)が、カルボキシル基及び前記一般式(1)で示される基に含まれる水酸基である請求項1記載の粘着剤。
  3. 前記共重合体(A)が、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート系共重合体前駆体(A0)と、一般式(2)で示される化合物とを反応させて得られる共重合体である請求項1又は2記載の粘着剤。
    Figure 2010106050
    [式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは10〜50の数を表す。]
  4. 前記架橋剤(B)が、前記共重合体(A)中の活性水素原子含有基(h)と反応しうる反応性官能基を1分子中に2〜5個有する有機化合物(B1)及び価数が2〜4である多価金属キレート化合物(B2)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の粘着剤。
  5. 更に有機溶媒(S)を含有してなる請求項1〜4のいずれか記載の粘着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の粘着剤からなる粘着剤層を、光学部材の少なくとも片面の少なくとも一部に有する粘着剤付き光学部材。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載の粘着剤を用いて光学部材とガラス基板を貼り合わせてなる画像表示装置。
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