JP2017526388A - エキソソームの単離 - Google Patents
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Abstract
生体試料からエキソソームを単離する方法を提供する。該方法は、i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、およびv)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程を含む。上記方法により、有利なことに、完全性と安定性が維持された、本質的に混入粒子のないエキソソームが得られる。
Description
本発明は、全体としてエキソソームに関し、より詳細には生体試料からエキソソームを単離する方法に関する。
生物体において、組織や細胞は、周囲の微小環境に最適化できるように、常に互いに連絡を取り合う必要がある。細胞間や組織間のシグナル伝達としては、これまでに、酵素、ホルモン、サイトカイン、ケモカインなどのタンパク質によるシグナル伝達系が報告されている。しかし、多くのペプチドは、循環環境に晒されて存在し続けることは不可能である。さらに、mRNAおよびmiRNAはいずれも細胞外の環境においては極めて不安定であり、組織間や臓器間の輸送にはこれらを内包するものが必要である。したがって、これらの因子は、エキソソーム、微小小胞体およびアポトーシス小体などの小さい二重膜の細胞外小胞(ECV)に内包された状態で分泌される。これらの小胞は、その由来となる細胞内の場所によって、構造的特性および生化学的特性がそれぞれ異なっており、小胞の構造的特性および生化学的特性は、生体内システムにおける各小胞の機能および役割に影響を与えている。例えば、エキソソームは、概して均一な集団であり、その大きさは約40〜120nmである。一方、微小小胞体およびアポトーシス小体は外形が不揃いであり、その大きさは、微小小胞体で100nmから1000nmであり、アポトーシス小体では1000nmを超える。これらのECVはいずれも、タンパク質、生体脂質、核酸などの様々な生物活性分子を含有しており、細胞同士が直接接触することなく、これらの物質が細胞間で輸送される。したがって、ECVは、細胞間のコミュニケーションの一形態であり、生理的プロセスおよび病的プロセスの双方に関与している可能性がある。実際、体内循環するECVが、がん、炎症、自己免疫疾患および心疾患の発症に関与することを示す知見が増えてきている。
エキソソーム関連のシグナル伝達および生物学は、様々な病的状態や疾患バイオマーカーの創出との関わりという面から、この10年の間に広く研究が進められてきた。しかし、細胞代謝や臓器間クロストークの促進におけるエキソソームの生理的な役割を明らかにしようとする研究は少ない。エキソソーム研究が進まない主な原因の1つは、エキソソームの標準的または機能的な単離方法が欠如していることである。多くの単離方法が公開されているが、これらの方法では、生化学的分析やその他の様々な用途(治療用ペイロード(タンパク質、mRNA、miRNAなど)の送達などを含む)に必要な十分な量と質を備えた精製エキソソーム集団を得ることはできない。さらに、超遠心分離やろ過を必要としない方法がキットの形態で商業化されているが、この方法は、純粋なエキソソーム画分を単離する能力および/または生物学的評価もしくは治療用送達に必要な十分な質を備えたエキソソームを単離する能力において大きな欠点がある。
したがって、研究目的で生体試料からエキソソームを単離するための改良された方法を提供すること、および/または診断もしくは治療において使用するためのエキソソームを開発することができれば望ましい。
本明細書に記載の通り、今般、新規のエキソソーム単離方法が開発された。
したがって、本発明の第1の態様において、生体試料からエキソソームを単離する方法が提供される。該方法は、
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含む。
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含む。
本発明の別の一態様において、直径が20nm未満の粒子および120nmより大きい粒子が本質的に排除されているエキソソームを含むエキソソームペレット、または該エキソソームペレットが再懸濁されたエキソソームを含む溶液が提供される。
本発明の別の一態様において、直径が40〜120nmより大きい粒子および40〜120nm未満の粒子が本質的に排除されているエキソソームを含む組成物であって、前記エキソソームに外因性のカーゴが充填されている組成物が提供される。
本発明のさらなる一態様において、生体試料からエキソソームを単離するための本明細書に記載の方法を実施するのに有用なキットが提供される。
本発明におけるこれらの態様およびその他の態様は、下記の詳細な説明において以下の図面を参照することにより明らかになるだろう。
生体試料からエキソソームを単離する新規の方法を提供する。該方法は、
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体およびアポトーシス小体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含む。
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体およびアポトーシス小体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含む。
「エキソソーム」という用語は、直径が約40〜120nm、好ましくは約50〜100nm、例えば約60nm、約70nm、約80nm、約90nmまたは約100nmである、細胞由来の小胞を意味する。エキソソームは、哺乳動物の任意の適当な生体試料から単離することが可能であり、生体試料としては、全血、血清、血漿、尿、唾液、母乳、脳脊髄液、羊水、腹水、骨髄および哺乳動物培養細胞(例えば、(野生型または不死化)未熟樹状細胞、誘導多能性幹細胞、非誘導多能性幹細胞、線維芽細胞、血小板、免疫細胞、網状赤血球、腫瘍細胞、間葉系幹細胞、衛星細胞、造血幹細胞、膵臓幹細胞、白色前駆脂肪細胞、ベージュ前駆脂肪細胞など)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、培養細胞試料は、各細胞に適した培地(エキソソーム非含有血清を使用)中で維持されることは十分に理解できるだろう。エキソソームは、他の小胞とは異なる特定の表面マーカーを含有する。表面マーカーとしては、例えばCD9、CD37、CD44、CD53、CD63、CD81、CD82、CD151などのテトラスパニン;インテグリン、ICAM−1、EpCAM、CD31などの標的マーカーまたは接着マーカー;およびアネキシン、TSG101、ALIXなどの膜融合マーカーが挙げられ、さらに、Rab5b、HLA−G、HSP70、LAMP2(リソソーム関連膜タンパク質)およびLIMP(リソソーム内在性膜タンパク質)などのその他のエキソソーム膜貫通型タンパク質なども挙げられる。エキソソームは、非哺乳動物または非哺乳動物の培養細胞から得ることもできる。エキソソームの生合成に関与する分子機構は進化的に保存されていると考えられているので、非哺乳動物から得られたエキソソームは、表面マーカーとして、哺乳動物の表面マーカーのアイソフォーム、例えば、CD9のアイソフォームやCD63のアイソフォーム(CD9とCD63によってエキソソームと他の細胞由来小胞とを区別することができる)などを有する。本明細書における「哺乳動物」という用語は、以下に限定されないが、ヒトや、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの家畜に加えて、マウス、ラット、ウサギ(これらに限定されない)などの非家畜動物も包含することを意図するものである。「非哺乳動物」という用語は、例えば、細菌などの微生物、ハエ類、蠕虫類、植物、果物/野菜(例えば、トウモロコシ、ザクロなど)、酵母などから得られたエキソソームを包含することを意図するものである。
本発明の一態様において、生体試料からエキソソームを単離する方法は、生体試料から不要な大きい細胞残屑、すなわち、約7〜10ミクロンより大きい細胞、細胞成分、アポトーシス小体などを除去する第1の工程を含む。この工程は、通常遠心分離によって行われる。例えば、4℃、1000〜4000×gで10〜60分間の遠心分離、好ましくは1500〜2500×g、例えば2000×gで、10〜30分、12〜28分、14〜24分、15〜20分、16分、17分、18分および19分から選択される時間の遠心分離を行う。当業者であれば、この単離工程が、市販の適当な実験室用遠心機(例えば、Thermo Scientific(登録商標)製、Cole−Parmer(登録商標)製など)を用いて行われることは十分に理解できるだろう。エキソソームを高純度で単離するために、必要に応じて、得られた上清に対して第2の遠心分離工程を行い、細胞残屑およびアポトーシス小体(少なくとも約7〜10ミクロンのサイズの残屑など)をさらに除去してもよい。この工程は、本発明の方法の第1工程、すなわち、4℃、1000〜4000×gで10〜60分間、好ましくは1500〜2500×g、例えば2000×gで、選択した特定の時間行う遠心分離を繰り返すことにより行われる。
細胞残屑を分離した後、第1の遠心分離工程を1回以上実施して得られた上清を、残屑を含むペレットから(デカントまたはピペットを用いた吸引によって)分離し、次いで、必要に応じて追加の(第2の)遠心分離工程、すなわち、4℃、12,000〜15,000×gで30〜90分間の遠心操作を含む工程を行って、中型サイズの残屑(例えば6ミクロンより大きい残屑)を除去してもよい。一実施形態において、この遠心分離工程は、4℃、14,000×gで1時間行われる。得られた上清は、再度、残屑を含むペレットから分離する。
得られた上清を回収し、第3の遠心分離工程、すなわち、4℃、40,000〜60,000×gで30〜90分間の遠心操作を含む工程を行って、0.3ミクロンより大きい(例えば、約0.3〜6ミクロン)小〜中型の微小小胞体などの夾雑物をさらに除去する。一実施形態において、この遠心分離工程は、50,000×gで1時間行われる。得られた上清をペレットから分離してさらなる処理に供する。
次いで、この上清をろ過、例えば、精密ろ過して、細菌類およびより大きい微小小胞体などの約0.22ミクロン以上の残屑を除去する。ろ過は、同じポアサイズのフィルター(例えば0.22ミクロンのフィルター)を用いて1回以上行ってもよい。あるいは、2つ以上のフィルターを用いてろ過を行ってもよく、この場合、同じポアサイズのフィルターを使用してもよく、使用するフィルターのポアサイズを段階的に小さくしてもよい。後者の例としては、40〜50ミクロンのフィルターに1回以上通し、20〜30ミクロンのフィルターに1回以上通し、10〜20ミクロンのフィルターに1回以上通し、0.22〜10ミクロンのフィルターに1回以上通すといった方法が挙げられる。この工程に用いられる適当なフィルターには、0.45ミクロンのフィルターおよび0.22ミクロンのフィルターが含まれる。
次いで、精密ろ過により得られた上清(濾液)を、適当な生理的溶液、好ましくは滅菌した生理的溶液(例えば、水溶液、生理食塩水または糖含有溶液)と1:1の比率(例えば、生理的溶液10mLに対して上清10mL)で混合してもよい。これにより、次の超遠心分離操作においてエキソソームの凝集を防ぎ、エキソソームの完全性を保つことができる。次いで、エキソソームを含む溶液に対して超遠心分離を行って、エキソソームおよび混在する残りの微小小胞体(100〜220nm)をペレット状にする。この超遠心分離工程は、4℃、110,000〜170,000×gで1〜3時間、例えば、170,000×gで3時間行われる。この超遠心分離工程は、良好な結果を得るために、必要に応じて繰り返し行ってもよく、例えば2回以上行ってもよい。この工程の実施においては、任意の市販の超遠心分離機(例えば、Thermo Scientific(登録商標)製、Beckman(登録商標)製など)を使用することができる。得られたエキソソーム含有ペレットを、確立された手法により上清から分離し、適当な生理的溶液に再懸濁する。
超遠心分離を行った後、再懸濁したエキソソーム含有ペレットに対して密度勾配分離を行い、エキソソームと混在する微小小胞体とをそれぞれの密度に基づいて分離する。様々な密度勾配を用いることが可能であり、例えば、ショ糖勾配、コロイドシリカ密度勾配またはイオジキサノール勾配を用いることができる。また、エキソソームと混在する微小小胞体との分離が十分に可能であれば、その他の密度勾配(例えば、ショ糖勾配の1.100〜1.200g/mLショ糖画分と同様に機能する密度勾配)も用いることができる。したがって、密度勾配の例には、20〜50%のショ糖を含む0.25〜2.5Mの連続的なショ糖密度勾配による分離(例えば、ショ糖クッション遠心分離)、コロイドシリカ密度勾配、例えば、Percoll(商標)勾配分離(ポリビニルピロリドン(PVP)でコーティングされた直径15〜30nmのコロイドシリカ粒子を、例えば、(RNA分解酵素、DNA分解酵素をいずれも含まない)水で30%/70%(w/w)に希釈したものを含む)、およびイオジキサノール勾配(例えば、6〜18%のイオジキサノール)の使用が含まれる。選択した勾配液に、エキソソームを再懸濁した溶液を加えて、110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間超遠心分離を行う。得られたエキソソームペレットを分離し、生理的溶液に再懸濁する。
密度勾配分離後に得られたエキソソームペレットの再懸濁液は、使用した密度勾配によっては、そのまま使える状態となる。例えば、密度勾配としてショ糖勾配を使用した場合、適切なショ糖画分を回収した後、回収した他のショ糖画分と混合してもよく、また、再懸濁したエキソソームペレットはそのまま使える状態にあるが、好ましくは超遠心分離(4℃、110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間)による洗浄工程に供してもよい。密度勾配として、例えば、コロイドシリカ(Percoll(商標))密度勾配またはイオジキサノール密度勾配を使用した場合、本質的に純粋なエキソソーム含有ペレットを得るために、再懸濁したエキソソームペレットをさらに複数回の洗浄工程、例えば、4℃、110,000〜170,000×gの速度でそれぞれ1〜3時間行う超遠心分離工程に1〜3回供してもよい。得られたペレットを上清から分離した後、使用に適した生理学的に許容される溶液に再懸濁してもよい。
当業者であれば十分に理解できるだろうが、各遠心分離工程または各超遠心分離工程で得られたエキソソームペレットを、次の遠心分離工程の前に、適当な生理的溶液(例えば、滅菌PBS、0.9%滅菌生理食塩水または糖含有の0.9%滅菌緩衝生理食塩水)を用いて洗浄してもよい。
本発明の方法により、有利なことに、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%またはそれ以上の純度を有するとともに、生物学的に完全な状態である、哺乳動物および非哺乳動物のエキソソームが得られる手段が提供される。本明細書における「少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%またはそれ以上の純度」とは、すなわち、直径が20nm未満であるかまたは120nmより大きい細胞残屑、アポトーシス小体および微小小胞体が「本質的に排除されている」こと、好ましくは40nm未満であるかまたは120nmより大きい細胞残屑、アポトーシス小体および微小小胞体が「本質的に排除されている」ことを意味する。また、「生物学的に完全な状態」としては、例えば、凝集したり塊状になっておらず、かつ切れたり、穴が開くなどの破損がない状態が挙げられる。本明細書に記載の方法で単離されるエキソソームは高い安定性を示し、このことは、単離したエキソソームの混合物/溶液のゼータ電位(例えば、ゼータ電位が少なくとも±30mVの大きさであり、例えば、≦−30または≧+30、好ましくは少なくとも40mV、50mV、60mV、70mV、80mVまたはそれ以上の大きさである)によって確認することができる。「ゼータ電位」という用語は、コロイド分散液の界面動電電位を意味し、ゼータ電位の大きさは、分散液中で隣接する同じ電荷を持つ粒子(エキソソーム)間の静電反発力の程度を示す。エキソソームに関しては、ゼータ電位の大きさが30mV以上であれば、安定性は中程度であり、すなわち、溶液中または分散液中で凝集が起こらない状態である。ゼータ電位の大きさが40〜60mVであれば、安定性は良好であり、また、60mVより大きければ、安定性は優れている。
さらに、本発明の単離方法により、エキソソームを大量に取得することができる。例えば、1〜4mLの哺乳動物の血清もしくは血漿、または15〜20mLの細胞培養液(少なくとも約2×106個の細胞)から、総タンパク質の量として約100〜2000μgのエキソソームを得ることができる。したがって、高収量を可能にする本発明の方法により、少なくとも約5μg/μL、好ましくは少なくとも約10〜25μg/μLの濃度のエキソソーム含有溶液を容易に調製することができる。本明細書において、任意の所定の数値に関する「約」という用語は、その数値の偏差が最大10%であること、すなわちその数値より最大10%大きいか最大10%小さいことを意味する。
本明細書に記載の方法で単離されるエキソソームは、有益なことに、完全性を保持しているとともに、高い純度(直径が20nm未満であるかまたは120nmより大きい物質の存在が「本質的に排除されている」)、安定性およびin vitroとin vivoの双方の生物活性を有するものであり、このようなエキソソームはこれまで得ることは不可能であった。したがって、本発明のエキソソームは、例えば、診断および/または治療において、比類なく有用である。また、本発明のエキソソームは非アレルゲン性であることが確認されていることから、自己、同種異系および異種に対して安全に使用できる。
本発明の方法を用いて得られたエキソソームは、薬学的または生理学的に許容される担体と組み合わせて、治療用の製剤として調製してもよい。「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」という表現は、医薬分野および獣医学分野において使用が許容されていること、すなわち、許容できない毒性を示すなどの生理的使用に不適な点が認められないことを意味する。当業者であれば、エキソソーム製剤の使用目的によって、選択する担体が異なることは十分に理解できるだろう。一実施形態において、エキソソームは、点滴または注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射または静脈内注射)による投与に適した製剤に調製される。よって、発熱物質を含まない滅菌水溶液(必要に応じて緩衝液または等張液としてもよい)などの生理学的に許容される医療グレードの担体に懸濁した懸濁剤として調製される。使用可能な担体としては、蒸留水(RNA分解酵素、DNA分解酵素をいずれも含まない)、糖(例えば、ショ糖またはデキストロース)を含有する滅菌溶液、または塩化ナトリウムを含む滅菌生理食塩水(必要に応じて緩衝液としてもよい)が挙げられる。好適な生理食塩水は、様々な濃度の塩化ナトリウムを含んでいてもよく、例えば、通常の生理食塩水(0.9%)、1/2生理食塩水(0.45%)、1/4生理食塩水(0.22%)の他、これらより高濃度(例えば、3%〜7%またはそれ以上)の塩化ナトリウムを含む溶液も使用できる。必要に応じて、生理食塩水は塩化ナトリウム以外の成分、例えば、デキストロースなどの糖を含んでいてもよい。塩化ナトリウム以外の成分を含む生理食塩水としては、例えば、リンゲル液(例えば、乳酸リンゲル液または酢酸リンゲル液)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝生理食塩水(TBS)、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)、アール平衡塩類溶液(EBSS)、標準クエン酸生理食塩水(SSC)、HEPES緩衝生理食塩水(HBS)、ゲイ平衡塩類溶液(GBSS)などが挙げられる。
他の実施形態において、エキソソームは、以下の投与経路に限定されないが、経口、鼻腔内、腸内、局所、舌下、動脈内、髄内、髄腔内、吸入、眼内、経皮、膣内、直腸内などの経路からの投与に適した製剤に調製され、各製剤はそれぞれの投与経路に適した担体を含む。例えば、局所適用するエキソソーム組成物は、適当な担体を配合して調製することができる。局所適用されるクリーム剤、ローション剤および軟膏剤は、トリグリセリド基剤などの適当な基剤を用いて調製することができる。このようなクリーム剤、ローション剤および軟膏剤は、界面活性剤をさらに含有していてもよい。好適な噴射剤を用いたエアロゾル製剤を調製することも可能である。また、本発明における組成物には、投与方法に拘わらず、他の補助剤を配合してもよく、例えば、微生物の増殖および/または長期保管中の分解を防ぐために、抗菌剤、酸化防止剤およびその他の保存剤を本発明における組成物に配合してもよい。
また、エキソソームペレットは、使用前に保存することも可能である。例えば、確立された方法に従って、4℃で冷蔵保存してもよく、凍結または凍結乾燥させて保存してもよい。エキソソームペレットは、任意の生理学的に許容される担体中に保存してもよく、必要に応じて低温安定化剤および/またはガラス化剤(例えば、DMSO、グリセロール、トレハロース、ポリヒドロキシアルコール(例えば、メトキシグリセロール、プロピレングリコールなど)、M22など)を添加した該担体中に保存してもよい。
本発明の方法で単離されるエキソソームは、その比類なき特性(例えば、高純度、完全性および安定性)から、哺乳動物における疾患またはその他の病的症状の治療に用いるカーゴ(例えば、生体材料、治療用化合物などの物質)を送達するための媒体として使用できる点で有利である。本発明で単離されるエキソソームが有する高い純度および安定性により、該エキソソームへの外因性のカーゴの充填が可能である。本発明のエキソソームを用いて送達することができるカーゴとしては、例えば、エキソソームに本来存在しない(外部由来の)外因性物質が挙げられる。例えば、DNA(核内DNAでもミトコンドリアDNAでもよい)、mRNA、tRNA、miRNA、siRNAなどのRNA、アプタマーおよびその他の核酸含有分子などの核酸分子、ペプチド、タンパク質、リボザイム、糖、ポリマー、治療薬、低分子などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明で単離されるエキソソームは、例えば、miRNA、mRNA、タンパク質/ペプチドなどの二次構造を有する化合物の送達や、例えば、20塩基対を超えるサイズの核酸分子(例えば、50塩基対を超えるサイズの核酸分子または100塩基対を超えるサイズの核酸分子)、ペプチド、タンパク質などの大きな化合物の送達に特に有用である。
カーゴは、当技術分野で既に確立されている、細胞へのカーゴの導入方法により、本発明のエキソソームに導入することができる。したがって、例えば、約20〜1000V/cmの電圧を印加するエレクトロポレーション法により、カーゴをエキソソームに導入することができる。また、カチオン性脂質をベースとするトランスフェクション試薬を用いたトランスフェクションにより、カーゴをエキソソームに導入してもよい。好適なトランスフェクション試薬としては、例えば、Lipofectamine(登録商標)MessengerMAX(商標)トランスフェクション試薬、Lipofectamine(登録商標)RNAiMAXトランスフェクション試薬、Lipofectamine(登録商標)3000トランスフェクション試薬、またはPLUS(商標)試薬と併用するLipofectamine(登録商標)LTX試薬が挙げられるが、これらに限定されない。カーゴの充填には、適量のトランスフェクション試薬が用いられるが、その量は、使用する試薬、試料およびカーゴにより異なってもよい。例えば、Lipofectamine(登録商標)MessengerMAX(商標)トランスフェクション試薬を用いる場合は、約0.15μL〜10μLの使用量で、100ng〜2500ngのmRNAまたはタンパク質をエキソソームに充填することができる。また、その他の方法を用いてエキソソームにカーゴを導入してもよく、例えば、タンパク質を導入するために膜透過性ペプチドを使用してもよい。
本発明により単離されるエキソソームは、その完全性および安定性から、所望のカーゴを10μgのエキソソームタンパク質当たり、mRNAまたはmiRNAであれば少なくとも約1ng、タンパク質であれば少なくとも約30μg充填することができる点で有利である。
当業者であれば十分に理解できるだろうが、カーゴを充填する前または充填した後に、カーゴを送達するための媒体としての有効性を高めるために、本発明のエキソソームに標的指向性を有する部分を付与する修飾をさらに施してもよい。この点に関して、特定の種類の細胞または組織を特異的に標的とする物質が組み込まれたエキソソームを作製してもよい。この標的特異的な物質、例えば標的細胞上または標的組織上に存在するレセプターまたはリガンドに対して親和性を有するペプチドは、例えば、当技術分野で確立されている方法を用いてエキソソームの膜マーカー(前述したもの)と融合させることによって、エキソソームの膜内に組み込んでもよい。
本発明の別の一態様において、本発明のエキソソーム単離方法の実施に有用な試薬または器具を1以上含むキットが提供される。このキットには、本発明の単離方法の実施手順が詳細に記載された使用説明書、例えば、本方法が、
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含むことが示された使用説明書がさらに含まれる。
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含むことが示された使用説明書がさらに含まれる。
したがって、本発明のキットは、使用説明書に加えて、上記方法の実施に有用な溶液を含んでいてもよい。例えば、試料を遠心分離した後、エキソソーム含有ペレットを再懸濁するための生理的溶液;緩衝液;洗浄液;または密度勾配分離を行うための密度勾配溶液を1以上含んでいてもよい。さらに、本発明のキットには、生体試料用の容器、試験管、遠心管、精密ろ過フィルターなどの器具が1以上含まれていてもよい。
以下の実施例において本発明の実施形態について説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:ヒト生体試料からのエキソソームの単離
健康なヒト被験者から血液と尿の検体を採取した。血清を分離するために、血液を室温で1時間放置して凝固させた後、4℃、2,000×gで15分間遠心した。同様に、尿検体も4℃、2,000×gで15分間遠心して、細胞残屑を除去した。血漿を分離するために、採取後すぐに血液を4℃、2,000×gで15分間遠心し、5μgのプロテイナーゼK(20mg/mLの原液、Life Technologies)を加えて37℃で20分間処理した。これ以降は、すべての検体(血清1mL、血漿1mLおよび尿)に対して同一の処理を行う。
健康なヒト被験者から血液と尿の検体を採取した。血清を分離するために、血液を室温で1時間放置して凝固させた後、4℃、2,000×gで15分間遠心した。同様に、尿検体も4℃、2,000×gで15分間遠心して、細胞残屑を除去した。血漿を分離するために、採取後すぐに血液を4℃、2,000×gで15分間遠心し、5μgのプロテイナーゼK(20mg/mLの原液、Life Technologies)を加えて37℃で20分間処理した。これ以降は、すべての検体(血清1mL、血漿1mLおよび尿)に対して同一の処理を行う。
混在する浮遊細胞をさらに除去するために、第1の遠心分離で得られた上清を4℃、2000×gで60分間遠心した(省略可能)。次いで、上清を4℃、14,000×gで60分間遠心した(省略可能)。得られた上清を4℃、50,000×gで60分間遠心した。次いで、得られた上清を40μmのフィルターでろ過した後、0.22μmのシリンジフィルターでろ過した(2回)。次いで、ろ過した上清を慎重に超遠心管に移し、同量の滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した。次いで、固定角ローターを用いて、超遠心分離を4℃、110,000〜170,000×gで2時間行った。次いで、得られたペレットをPBSに再懸濁し、再度遠心分離を4℃、110,000〜170,000×gで2時間行った(省略可能)。次いで、ペレットを、慎重な操作により25mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)に再懸濁し、超遠心管に準備した4mLの30%/70%Percoll(商標)勾配クッション(0.22μmのフィルターでろ過滅菌した水を用いて調製)または30%Tris/ショ糖/滅菌水クッション(300gのプロテアーゼ非含有ショ糖、24gのTris塩基、500mLの滅菌水、pH7.4、0.22μmのフィルターでろ過滅菌)の上に静かに添加した。これを、4℃、150,000〜170,000×gで90分間遠心した。シリンジを用いて、エキソソーム画分(勾配界面にある境界明瞭なペレット層)を慎重に採取し、50mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した後、4℃、110,000〜170,000×gで90分間遠心して精製エキソソームを得た(ショ糖勾配を用いた場合にはこの手順は省略可能である)。得られたエキソソームを、滅菌PBSまたは0.9%滅菌生理食塩水に再懸濁し、後の分析(in vitroおよびin vivo)に使用した。エキソソーム画分の純度は、少なくとも2つの独立したエキソソーム膜マーカー(この実施例ではCD9およびCD63)を用いて、サイズ分布測定、免疫金標識/ウェスタンブロッティングにより確認した。
BCAアッセイ(Pierce(商標))により、各検体におけるエキソソームの収量を求めたところ、血清、血漿および尿からの収量は、2〜20μg/μLであった。エキソソーム画分の純度を、定性的に免疫金標識法で確認したところ、平均粒径は90nmであり、20〜120nmの範囲外の混入物はごく微量であった。また、エキソソームの安定性についても、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いて調べたところ、血清から単離したエキソソームのゼータ電位は−80.4mVであった(図1Aを参照)。
実施例2:マウスから単離したエキソソーム
実施例1に記載の超遠心分離法により、C57Bl/6Jマウスから採取した血清1mLからエキソソームを単離した。単離したエキソソームを電子顕微鏡で観察し、エキソソームのサイズを調べた(拡大倍率:140,000倍)。また、単離したエキソソームを可視化するナノ粒子トラッキング解析を、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いて行った。マウス血清から得られたエキソソームの平均サイズは約90nmであった(図1Bを参照)。単離したエキソソームにおいて、CD63(エキソソーム膜に多く存在する)に対する免疫金標識を行って電子顕微鏡で観察し、血清由来エキソソーム画分の純度および完全性を調べた(拡大倍率:125,000倍)。
実施例1に記載の超遠心分離法により、C57Bl/6Jマウスから採取した血清1mLからエキソソームを単離した。単離したエキソソームを電子顕微鏡で観察し、エキソソームのサイズを調べた(拡大倍率:140,000倍)。また、単離したエキソソームを可視化するナノ粒子トラッキング解析を、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いて行った。マウス血清から得られたエキソソームの平均サイズは約90nmであった(図1Bを参照)。単離したエキソソームにおいて、CD63(エキソソーム膜に多く存在する)に対する免疫金標識を行って電子顕微鏡で観察し、血清由来エキソソーム画分の純度および完全性を調べた(拡大倍率:125,000倍)。
BCAアッセイによるエキソソーム総タンパク質の収量は14.2μg/μLであった。単離したエキソソームの安定性は、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いて調べた。その結果、血清から単離したエキソソームのゼータ電位は−78.1mVであった。
実施例3:樹状細胞からの単離
ヒトまたはマウスの未熟樹状細胞を、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、4mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、5ng/mLマウスGM−CSFおよび20%ウシ胎児血清を含有するアルファ最小必須培地中で65〜70%コンフルエントに達するまで増殖させた。馴化培地を回収するために、細胞を滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で2回洗浄した後、前述の培地(エキソソーム除去ウシ胎児血清を含む)を加えた。48時間後に、ヒトまたはマウスの未熟樹状細胞の培養液から馴化培地を回収した。細胞残屑を除去するために、回収した培地(10mL)を4℃、2,000×gで15分間遠心した。続いて、混在する浮遊細胞をさらに除去するために、4℃、2000×gで60分間遠心してもよい。次いで、上清を4℃、14,000×gで60分間遠心した。得られた上清を4℃、50,000×gで60分間遠心した。次いで、得られた上清を40μmのフィルターでろ過した後、0.22μmのシリンジフィルターでろ過した(2回)。次いで、得られた上清を、慎重に超遠心管に移し、同量の滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した。次いで、固定角ローターを用いて、超遠心分離を4℃、100,000〜170,000×gで2時間行った。得られたペレットをPBSに再懸濁し、再度遠心分離を4℃、100,000〜170,000×gで2時間行った。ペレットを、慎重な操作により25mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)に再懸濁し、超遠心管に準備した4mLの30%/70%Percoll(商標)勾配クッション(0.22μmのフィルターでろ過滅菌した水を用いて調製)の上に静かに添加した。これを、4℃、100,000〜170,000×gで90分間遠心した。シリンジを用いて、勾配界面にあるエキソソームペレット含有画分を慎重に採取し、50mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した後、最後に4℃、100,000〜170,000×gで90分間遠心して精製エキソソームを得た。得られたエキソソームペレットを、滅菌PBSまたは0.9%滅菌生理食塩水に再懸濁し、後の用途に供した。エキソソーム画分の純度に関しては、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いたサイズ分布測定により、40〜120nmの範囲外の混入物がごく微量であることを確認するとともに、エキソソーム膜マーカーであるCD9、CD63、TSG101およびALIXを用いて、免疫金標識/ウェスタンブロッティングによる確認も行った。
ヒトまたはマウスの未熟樹状細胞を、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、4mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、5ng/mLマウスGM−CSFおよび20%ウシ胎児血清を含有するアルファ最小必須培地中で65〜70%コンフルエントに達するまで増殖させた。馴化培地を回収するために、細胞を滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で2回洗浄した後、前述の培地(エキソソーム除去ウシ胎児血清を含む)を加えた。48時間後に、ヒトまたはマウスの未熟樹状細胞の培養液から馴化培地を回収した。細胞残屑を除去するために、回収した培地(10mL)を4℃、2,000×gで15分間遠心した。続いて、混在する浮遊細胞をさらに除去するために、4℃、2000×gで60分間遠心してもよい。次いで、上清を4℃、14,000×gで60分間遠心した。得られた上清を4℃、50,000×gで60分間遠心した。次いで、得られた上清を40μmのフィルターでろ過した後、0.22μmのシリンジフィルターでろ過した(2回)。次いで、得られた上清を、慎重に超遠心管に移し、同量の滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した。次いで、固定角ローターを用いて、超遠心分離を4℃、100,000〜170,000×gで2時間行った。得られたペレットをPBSに再懸濁し、再度遠心分離を4℃、100,000〜170,000×gで2時間行った。ペレットを、慎重な操作により25mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)に再懸濁し、超遠心管に準備した4mLの30%/70%Percoll(商標)勾配クッション(0.22μmのフィルターでろ過滅菌した水を用いて調製)の上に静かに添加した。これを、4℃、100,000〜170,000×gで90分間遠心した。シリンジを用いて、勾配界面にあるエキソソームペレット含有画分を慎重に採取し、50mLの滅菌PBS(pH7.4、Life Technologies)で希釈した後、最後に4℃、100,000〜170,000×gで90分間遠心して精製エキソソームを得た。得られたエキソソームペレットを、滅菌PBSまたは0.9%滅菌生理食塩水に再懸濁し、後の用途に供した。エキソソーム画分の純度に関しては、Beckman DelsaMax動的光散乱分析装置を用いたサイズ分布測定により、40〜120nmの範囲外の混入物がごく微量であることを確認するとともに、エキソソーム膜マーカーであるCD9、CD63、TSG101およびALIXを用いて、免疫金標識/ウェスタンブロッティングによる確認も行った。
実施例4:植物からのエキソソームの単離
穀粒(4つのトウモロコシの穂軸から採取)およびザクロ種子(4つのザクロの実から採取)をそれぞれホモジナイズして、得られたホモジネートを100μmのフィルターを用いてろ過した。ろ過したホモジネートを、実施例1に記載のエキソソーム単離方法に供した。図2(AおよびB)に示すように、上記の植物からエキソソームを単離することができた。
穀粒(4つのトウモロコシの穂軸から採取)およびザクロ種子(4つのザクロの実から採取)をそれぞれホモジナイズして、得られたホモジネートを100μmのフィルターを用いてろ過した。ろ過したホモジネートを、実施例1に記載のエキソソーム単離方法に供した。図2(AおよびB)に示すように、上記の植物からエキソソームを単離することができた。
実施例5:エキソソーム産生のスケールアップ
検体量を増やして、例えば、検体を入れる容器を96ウェルディッシュから、48ウェルディッシュ、24ウェルディッシュ、12ウェルディッシュ、6ウェルディッシュに、60cmウェルプレートから100cmウェルプレートに、T−150フラスコから、T−175フラスコ、T−225フラスコ(すべてCorning製)に拡張して操作を行い、エキソソームの単離に成功した。単離したエキソソームの質および完全性はいずれも同程度であり、例えば、平均サイズは約78nm(直径)であり、ゼータ電位は約−87mVであった(図3AおよびB)。
検体量を増やして、例えば、検体を入れる容器を96ウェルディッシュから、48ウェルディッシュ、24ウェルディッシュ、12ウェルディッシュ、6ウェルディッシュに、60cmウェルプレートから100cmウェルプレートに、T−150フラスコから、T−175フラスコ、T−225フラスコ(すべてCorning製)に拡張して操作を行い、エキソソームの単離に成功した。単離したエキソソームの質および完全性はいずれも同程度であり、例えば、平均サイズは約78nm(直径)であり、ゼータ電位は約−87mVであった(図3AおよびB)。
また、1Lまたは3LのCELLine(商標)バイオリアクターフラスコ(Wheaton)を用いた、未熟樹状細胞からのエキソソームの単離も行った。1Lまたは3Lのバイオリアクターを用いて単離したエキソソームにおいても、前述の小スケールで単離したエキソソームと同様の平均サイズ(直径)およびゼータ電位が維持されていた。
したがって、本発明の方法は容易に拡張することが可能である。BCAアッセイ(Pierce)で求めたエキソソームタンパク質の収量は、約4mg(96ウェルプレート使用)から約1400mg(3Lのバイオリアクター使用)に及び、この範囲で直線性が認められた(図4AおよびB)。
実施例5:市販の各種キットを使用したエキソソーム単離方法の比較
Life Technologies(商標)、Cell Guidance System(商標)、Norgen Biotek Corporation(商標)、Qiagen(商標)、Exiqon(商標)およびSystem Biosciences(商標)から市販されているエキソソーム単離キットを各メーカーの使用説明書に従って使用し、血清からエキソソームを単離した。
Life Technologies(商標)、Cell Guidance System(商標)、Norgen Biotek Corporation(商標)、Qiagen(商標)、Exiqon(商標)およびSystem Biosciences(商標)から市販されているエキソソーム単離キットを各メーカーの使用説明書に従って使用し、血清からエキソソームを単離した。
これらのキットを使用して得られた結果と、実施例1〜3に記載の方法を使用して得られた結果とを比較した。上記キットを使用して単離したエキソソームは、実施例1〜3の方法を使用して単離したエキソソームより質が劣っていた。具体的に述べると、電子顕微鏡観察により、市販のキットで得られた精製物中には、残屑の混入や微小小胞体の凝集が認められたが、実施例1〜3の方法では、平均直径90nmの円形のエキソソームが凝集せずに得られていた(図5)。
実施例1の方法を使用して単離したエキソソームの量(BCAタンパク質アッセイで測定した総タンパク質の量:10〜25μg/μL)は、試験に使用したどの市販キットで単離したタンパク質の量(BCAタンパク質アッセイで測定した総タンパク質の量:0.1〜0.5μg/μL)よりも顕著に多かった。したがって、図6に示すように、市販のキット(S1〜S6)のタンパク質収量と比べると、実施例1〜3の方法(EX1〜EX6)により約80〜100倍量のエキソソームを得ることができた。さらに、市販のキットを使用して単離した精製物は、ゼータ電位が−10mVを超えている(すなわち−10〜0mV)ことから、その安定性は低く、また急速に凝集が認められた。一方、実施例1〜3の方法で単離したエキソソームのゼータ電位は−80.4mV(ヒト)および−78.1mV(マウス)で、エキソソームも円形で凝集しなかったことから、安定性において明らかな相違が示された。また、実施例1〜3の本発明の方法を使用して単離したエキソソームの生理的緩衝液に対する溶解性と比較して、市販のキットを使用して単離した精製物は、生理的緩衝液に非常に溶けにくかったことも特筆すべき点である。市販のキットを使用して得られたペレットは、生理的緩衝液、またはRIPA緩衝液、尿素緩衝液などの界面活性剤をベースとした緩衝液に効率よく懸濁することができなかった。
実施例6:エキソソーム単離方法の比較
Matthew J.A.Woods博士の研究室から、Alvarez−Ervitiら,Nature Biotechnology,Vol.29,4:341(2011)およびEl−Andaloussiら,Nature Protocols,Vol 7,12:2112(2012)の2つの文献が発表されている。各文献において本発明に関連する内容は本明細書に組み込まれるものとし、いずれの文献もin vivoにおけるsiRNAの治療用送達のためのエキソソームの使用を提案するものである。Alvarez−ErvitiらおよびEl−Andaloussiらの方法を用いて、未熟樹状細胞の培養液からエキソソームを得た。これらの方法は、簡潔に述べると、培養液に対して、遠心分離を4℃、300gで10分間行い、次いで、得られた上清を、12,000gで30分間遠心した後、120,000gで70分間遠心してエキソソームをペレット状にするというものである。
Matthew J.A.Woods博士の研究室から、Alvarez−Ervitiら,Nature Biotechnology,Vol.29,4:341(2011)およびEl−Andaloussiら,Nature Protocols,Vol 7,12:2112(2012)の2つの文献が発表されている。各文献において本発明に関連する内容は本明細書に組み込まれるものとし、いずれの文献もin vivoにおけるsiRNAの治療用送達のためのエキソソームの使用を提案するものである。Alvarez−ErvitiらおよびEl−Andaloussiらの方法を用いて、未熟樹状細胞の培養液からエキソソームを得た。これらの方法は、簡潔に述べると、培養液に対して、遠心分離を4℃、300gで10分間行い、次いで、得られた上清を、12,000gで30分間遠心した後、120,000gで70分間遠心してエキソソームをペレット状にするというものである。
図7Aに示すように、Alvarez−Ervitiらの方法を用いて得られたエキソソーム精製物のタンパク質収量は、1.67μg/μLであり、該精製物は、直径が約5nmから1×104nmを超えるサイズまでの粒子を含み、粒子のゼータ電位は−20.4mV(「やや不安定(incipient instability)」であることを示す)であった。図7Bに示すように、El−Andaloussiらの方法を用いて得られた精製物のタンパク質収量は、1.89μg/μLであり、該精製物は、直径が10nm未満から約100nmまでの粒子を含み、粒子のゼータ電位は−15.7mV(「やや不安定(incipient instability)」であることを示す)であった。これとは対照的に、本発明の方法(実施例1〜3)で単離した精製物のタンパク質収量は、総タンパク質として10〜25μg/μLであり、エキソソームの平均直径は約90nmで、膜断片(例えば10nm未満)や大きな微小小胞体(1000nmより大きい)の混入は認められず、さらに、エキソソームのゼータ電位は「優れている」とされる範囲(例えば、約−80.4mV(ヒト)、−78.1mV(マウス))であった。
El−Andaloussiら(2012)の方法で単離したエキソソームと、本発明の単離方法で単離したエキソソームの有効性を比較するために、El−Andaloussiらの文献に記載の方法と同様にして、エキソソームにsiRNAを充填した。具体的には、C2C12細胞から分化させた筋管を、El−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームに内包したGAPDH siRNAまたは本発明の単離方法により単離したエキソソームに内包したGAPDH siRNAで処理した。エキソソームへのGAPDH siRNAの充填は、El−Andaloussiらの文献に記載の方法と同様に、400Vおよび125μFの条件のエレクトロポレーションにより行った。また、トランスフェクション試薬(Lipofectamine 2000)を用いて、筋管をGAPDH siRNAで処理したものをポジティブコントロールとし、スクランブルsiRNA(scRNA)で処理したものをネガティブコントロールとした。
独立して行った3回の試験において、siRNAを内包したEl−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームにより、GAPDH量が約35%抑制された(図8)。GAPDH siRNAを内包した本発明の単離方法(実施例3)で単離したエキソソームにより、GAPDH量が約65%抑制された(図9)。したがって、本発明の単離方法で単離したエキソソームの方が、遺伝子抑制に関して顕著に高い性能を有しており、よってカーゴの取り込み能力が高いことが示された。
El−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームを用いて、別の種類のカーゴを充填または内包する能力についても測定を行い、本発明の単離方法で単離したエキソソームの充填能力と比較した。エキソソームへの充填は、エレクトロポレーションにより、上記と同様にして行った。siRNA(GAPDH、Sigma−Aldrich)、miRNA(mmu−miR−23a、アクセッション番号:MI0000571)、mRNA(GAA、NCBI参照配列:NM_001159324.1)およびペプチド(rGAA、NCBI参照配列:NP_001152796.1)などの各種カーゴをエキソソームに充填した。
図10に示すように、El−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームにおけるカーゴの充填能力は限定的であった。El−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームは、siRNAの充填においては幾分か能力を示したが、miRNA、mRNAおよびペプチドの充填能力は全くないか、あってもごくわずかであった。それに比べて、本発明の単離方法で単離したエキソソームは、siRNA(El−Andaloussiらの方法を用いて単離したエキソソームと比べて2.22倍のsiRNA充填量)、miRNA(El−Andaloussiらの方法を用いて単離したエキソソームと比べて25倍)、mRNAおよびペプチド(El−Andaloussiらの方法を用いて単離したエキソソームにはmRNAまたはペプチドを全く充填することができなかったとすれば、計算上比率は無限大となる)のいずれの充填能力も100%を示した。
最後に、El−Andaloussiらの方法で得られたエキソソームと、本発明の単離方法で単離したエキソソームの安全性を比較した。安全性を評価するために、C57Bl/6Jマウス(1群6匹)に、ヒトの未熟樹状細胞から調製した、異種由来の空のエキソソーム(0.9%滅菌生理食塩水に再懸濁したもの)10μg(エキソソーム総タンパク質として)を静脈内注射により週1回、合計4回投与した。エキソソームの投与前または投与期間中は、これらのマウスへの抗ヒスタミン薬(例えば、ベナドリル)の投与は行わなかった。El−Andaloussiらの方法で調製したエキソソーム精製物を注射したマウスは、4回目の注射までにすべて死亡した。一方、本発明の単離方法で単離したエキソソームを注射したマウスの死亡率は0であり、いずれのマウスでも副作用は認められなかった(図11を参照)。
実施例7:修飾RNAのエキソソームへの充填および送達
本発明の単離方法で単離したエキソソームにおける修飾RNAを充填または送達する能力を測定し、エキソソームを使用せずに修飾RNAを送達した場合と比較した。500ngの非修飾(生理的)mRNA−Vegfaまたは500ngのmodRNA−Vegfa(合成方法はZangiら,Nature Biotechnology,31,898−907(2013)に記載されており、この文献において本発明に関連する内容は本明細書に組み込まれるものとする)を、エキソソーム(エキソソーム総タンパク質として20μg)に充填した。充填は、カチオンベースのトランスフェクション試薬を用いて、過去に報告されている方法と同様にして行った。
本発明の単離方法で単離したエキソソームにおける修飾RNAを充填または送達する能力を測定し、エキソソームを使用せずに修飾RNAを送達した場合と比較した。500ngの非修飾(生理的)mRNA−Vegfaまたは500ngのmodRNA−Vegfa(合成方法はZangiら,Nature Biotechnology,31,898−907(2013)に記載されており、この文献において本発明に関連する内容は本明細書に組み込まれるものとする)を、エキソソーム(エキソソーム総タンパク質として20μg)に充填した。充填は、カチオンベースのトランスフェクション試薬を用いて、過去に報告されている方法と同様にして行った。
初代培養心筋細胞を、空のエキソソーム、modRNA−Vegfa、modRNA−Vegfa充填エキソソームまたはmRNA−Vegfa充填エキソソームでそれぞれ処理した。modRNA−Vegfa単独で処理した細胞では、効率的なトランスフェクションを行うために、Lipofectamine 2000を使用した。VEGF−Aタンパク質の産生量を経時的に(0〜180時間)測定した。処理した細胞において、VEGF−Aタンパク質の産生量は、約20時間にピークに達し、約144時間でベースラインに戻るという一定の産生パターンを示した。しかし、産生されたVEGF−Aの総量を見ると、mRNA−VegfaエキソソームまたはmodRNA−Vegfaエキソソームで処理した細胞の産生量(約10ng/mL)は、modRNA−Vegfa単独で処理した細胞における産生量(約3.2ng/mL)の約3倍であった(図12AおよびBを参照)。したがって、非修飾RNAおよび修飾RNA、例えば、mRNA−VegfaおよびmodRNA−Vegfaはいずれも、エキソソームに効率的に充填され、外因性のトランスフェクション試薬と併用しなくても細胞へと送達されることが示された。
さらに、エキソソームを治療用送達媒体として用いる場合、mRNA自体への修飾(modRNA)が不要であること、また、非修飾のmRNAを内包したエキソソームとの比較結果より、mRNAへの修飾は治療上有利とはならないことは明らかである(図12B)。
実施例8:エキソソームの体内分布
in vivoモデルシステムにおいて、本発明の単離方法で単離したエキソソームが様々な組織に効果的に取り込まれることを確認するために、単離したエキソソームを、BODIPY(登録商標)TEセラミド蛍光色素(Life Technologies)を用いて標識した。BODIPY(登録商標)TRセラミドは、赤色蛍光色素(吸収/発光極大波長約589/617nm)であり、D−エリスロスフィンゴシンから調製され、生物活性を有する天然のスフィンゴ脂質と同じ立体配座を有する。マウスに全量100μgの標識エキソソーム(0.9%滅菌生理食塩水に懸濁したもの)を静脈内投与し、投与直後(0分)、投与後10分および投与後20分に、マウスの組織/臓器(大腿四頭筋、心臓、脳、肝臓、腎臓、肺、鼠蹊部白色脂肪組織、褐色脂肪組織、膵臓および大腸)ならびに血液を採取した(1群4匹)。血清および組織ホモジネートの蛍光を測定し、様々な組織/臓器中に存在する標識エキソソームを定量化するために、血液(血漿)の測定値に対する比として表した。0分の時点では、蛍光のほとんどが血液中で観察されたが、標識エキソソームが広く体内に非特異的に分布するにつれて、継時的に(投与後10分および20分)様々な組織/臓器における蛍光が増加した(図13)。
in vivoモデルシステムにおいて、本発明の単離方法で単離したエキソソームが様々な組織に効果的に取り込まれることを確認するために、単離したエキソソームを、BODIPY(登録商標)TEセラミド蛍光色素(Life Technologies)を用いて標識した。BODIPY(登録商標)TRセラミドは、赤色蛍光色素(吸収/発光極大波長約589/617nm)であり、D−エリスロスフィンゴシンから調製され、生物活性を有する天然のスフィンゴ脂質と同じ立体配座を有する。マウスに全量100μgの標識エキソソーム(0.9%滅菌生理食塩水に懸濁したもの)を静脈内投与し、投与直後(0分)、投与後10分および投与後20分に、マウスの組織/臓器(大腿四頭筋、心臓、脳、肝臓、腎臓、肺、鼠蹊部白色脂肪組織、褐色脂肪組織、膵臓および大腸)ならびに血液を採取した(1群4匹)。血清および組織ホモジネートの蛍光を測定し、様々な組織/臓器中に存在する標識エキソソームを定量化するために、血液(血漿)の測定値に対する比として表した。0分の時点では、蛍光のほとんどが血液中で観察されたが、標識エキソソームが広く体内に非特異的に分布するにつれて、継時的に(投与後10分および20分)様々な組織/臓器における蛍光が増加した(図13)。
実施例9:エキソソームのin vitro生物活性試験
ヒトの初代培養皮膚線維芽細胞の増殖試験により、実施例1の方法を用いて単離したエキソソームの生物活性と、市販のキットを用いて単離したエキソソームの生物活性とを比較した。ヒトの初代培養皮膚線維芽細胞は、標準的な手法を用いて、健康なヒト被験者の皮膚生検から単離した。エキソソームは、実施例1に記載した方法と同様にして、または市販のエキソソーム単離キットを用いて、運動量の少ない人(SED)および運動量の多い人(END)の血清から単離した。単離したエキソソームをそれぞれ同量(エキソソーム総タンパク質として100ng/μL)用いて皮膚線維芽細胞を処理し、細胞を5日間培養した(n=3/処理)。
ヒトの初代培養皮膚線維芽細胞の増殖試験により、実施例1の方法を用いて単離したエキソソームの生物活性と、市販のキットを用いて単離したエキソソームの生物活性とを比較した。ヒトの初代培養皮膚線維芽細胞は、標準的な手法を用いて、健康なヒト被験者の皮膚生検から単離した。エキソソームは、実施例1に記載した方法と同様にして、または市販のエキソソーム単離キットを用いて、運動量の少ない人(SED)および運動量の多い人(END)の血清から単離した。単離したエキソソームをそれぞれ同量(エキソソーム総タンパク質として100ng/μL)用いて皮膚線維芽細胞を処理し、細胞を5日間培養した(n=3/処理)。
エキソソーム処理後、Vybrant(登録商標)MTT細胞増殖アッセイ(Life Technologies)を行い、細胞増殖について検討を行った。図14に示すように、本発明の方法を用いて単離したSEDおよびENDのエキソソームは、市販品による方法を用いて同じ検体から単離したSEDおよびENDのエキソソームよりヒト皮膚線維芽細胞の増殖効果が高かった。生理的な変動(例えば、被験者またはサンプリング時間が異なることによるもの)の影響を避けるために、この比較に用いた血清検体は、同じ運動量の多い人または同じ運動量の少ない人から同時刻に採取されたものであることに留意されたい。対応のないt検定を用いてデータを分析し、平均±SEMとして示した。*p<0.05 運動量の少ない人の群と運動量の多い人の群との比較。
1つの特定の説明に限定するものではないが、市販のキットで単離したエキソソームにおける生物活性の欠如は、疎水性環境におけるエキソソームの機械的な切断やエキソソームの「凝集」とともに、エキソソームの不十分な精製にも起因している可能性がある。
実施例10:単離したエキソソームのin vivoにおける生物活性
実施例1の方法を用いて単離したエキソソームは、in vivo環境において生物活性を有していることが示された。McMaster大学内の中央動物施設で飼育した雄性C57Bl/6Jマウスを、温度および湿度が管理されている室内のマイクロアイソレータケージに収容し、飼料および水を自由摂取させて、12時間ごとの明暗サイクルの環境下で飼育した。3ヶ月齢のマウスを、運動量の少ない群(SED:運動ができないように回転かごがロックされた回転かごケージに収容)と運動訓練を受ける群(END:トレッドミルトレーニング:Eco 3/6トレッドミル(Columbus Instruments)を用いて、15m/分で60分間の運動を週5回2ヶ月間実施)とに無作為に振り分けた(N=150/群)。ただし、両群間で体重が等しくなるようにした。マウスからエキソソームを単離する前に、過去の文献(Safdarら,PNAS,108(10):4135−40(2011))に記載の方法と同様にして、持久力評価負荷試験を行い、END群のマウスがSEDマウスより高い有酸素能力を有することを確認した。
実施例1の方法を用いて単離したエキソソームは、in vivo環境において生物活性を有していることが示された。McMaster大学内の中央動物施設で飼育した雄性C57Bl/6Jマウスを、温度および湿度が管理されている室内のマイクロアイソレータケージに収容し、飼料および水を自由摂取させて、12時間ごとの明暗サイクルの環境下で飼育した。3ヶ月齢のマウスを、運動量の少ない群(SED:運動ができないように回転かごがロックされた回転かごケージに収容)と運動訓練を受ける群(END:トレッドミルトレーニング:Eco 3/6トレッドミル(Columbus Instruments)を用いて、15m/分で60分間の運動を週5回2ヶ月間実施)とに無作為に振り分けた(N=150/群)。ただし、両群間で体重が等しくなるようにした。マウスからエキソソームを単離する前に、過去の文献(Safdarら,PNAS,108(10):4135−40(2011))に記載の方法と同様にして、持久力評価負荷試験を行い、END群のマウスがSEDマウスより高い有酸素能力を有することを確認した。
SEDマウスおよびENDマウスの血液から、実施例1の方法を用いてエキソソームを単離した。単離したエキソソームを、エキソソーム総タンパク質の濃度が1μg/μLになるように0.9%滅菌生理食塩水に再懸濁した。エキソソームを含む溶液(100〜150μLエキソソーム含有生理食塩水)、すなわちSEDマウスのエキソソームまたはENDマウスのエキソソームを、SEDマウスの別のコホート集団に週5回静脈内投与した。このとき、ドナーとレシピエントとが1対1で対応するようにした。6週間の投与終了後、各群のマウス(SEDエキソソームを投与したSEDマウスおよびENDエキソソームを投与したSEDマウス)を自発活動量測定ケージ(Columbus Instruments)に24時間収容して、自発運動能力を測定した。次いで、これらのマウスを持久力評価負荷試験に供した。これとは別のC57Bl/6Jマウスのコホート集団である、運動量の少ない(SED)マウスおよび持久力訓練を受けた(END;自発的回転かご走行ケージで10週間訓練された)マウスを、それぞれ持久力訓練適応のネガティブコントロールおよびポジティブコントロールとして、持久力評価負荷試験にそれぞれ供した。対応のないt検定を用いてデータを分析し、平均±SEMとして示した。*p<0.05、SED群とEND群との比較;§p<0.05、SED+SED EXO群とSED+END EXO群との比較。
運動量の少ない(SED)マウスにENDエキソソームを投与した場合、SEDマウスに投与したSEDエキソソームの作用とは異なり、基礎の自発活動量および最大持久力の増加が見られた(図15)。運動量の少ないマウスにENDエキソソームを6週間投与し、その間「運動量の少ない状態」を維持した場合の基礎の自発活動量および最大持久力は、自発的回転かごケージで6週間訓練されたマウスのそれと同程度であった。
本明細書に引用されている参考文献における本発明に関連する部分は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
Claims (20)
- 生体試料からエキソソームを単離する方法であって、
i)生体試料に対して第1の遠心分離を行って該試料から約7〜10ミクロンより大きい細胞残屑を除去し、その後上清を得る工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して遠心分離を行い、該上清から微小小胞体を除去する工程、
iii)工程ii)で得られた上清を精密ろ過し、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
iv)精密ろ過により工程iii)で得られた上清に対して超遠心分離を少なくとも1回行い、エキソソームペレットを得る工程、および
v)工程iv)で得られたエキソソームペレットを生理的溶液に再懸濁し、密度勾配を用いた第2の超遠心分離を行い、エキソソームペレット画分を分離する工程
を含む方法。 - 工程ii)が、40,000〜60,000×gの速度で30〜90分間の遠心分離を行うことを含む、請求項1の方法。
- 前記遠心分離を50,000×gの速度で1時間行う、請求項2の方法。
- 工程ii)が、上清に対して第2の遠心分離を12,000〜15,000×gの速度で30〜90分間行うことを含み、得られた上清に対して第3の遠心分離を40,000〜60,000×gの速度で30〜90分間行う、請求項1の方法。
- 第2の遠心分離を、14,000×gの速度で1時間行い、第3の遠心分離を、50,000×gの速度で1時間行う、請求項4の方法。
- 第1の遠心分離を、1000〜4000×gの速度で10〜60分間行い、さらに任意選択で、この第1の遠心分離を繰り返し行う、請求項1の方法。
- 工程iii)の上清を、0.2〜10ミクロンのフィルター、好ましくは0.22ミクロンのフィルターを用いて少なくとも1回精密ろ過する、請求項1の方法。
- 工程iv)の超遠心分離を、110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間行い、得られたペレットを生理的溶液に懸濁し、さらに任意選択で、超遠心分離を同じ速度で繰り返し行う、請求項1の方法。
- 工程v)の第2の超遠心分離を、ショ糖密度勾配、コロイドシリカ密度勾配およびイオジキサノール勾配から選択される密度勾配を用いて、110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間行う、請求項1の方法。
- 30%/70%(v/v)コロイドシリカ密度勾配を用いる、請求項9の方法。
- 工程v)のエキソソームペレット画分を、生理的溶液に再懸濁して、超遠心分離を110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間行い、さらに任意選択で、得られたペレットに対して超遠心分離を1回または2回繰り返し行う、請求項10の方法。
- 前記ペレットを生理的溶液に懸濁する、請求項1の方法。
- 生体試料からエキソソームを単離する方法であって、
i)生体試料に対して第1の遠心分離を1000〜4000×gの速度で10〜60分間行い、さらに任意選択で、この第1の遠心分離を繰り返し行う工程、
ii)工程i)で得られた上清に対して第2の遠心分離を12,000〜15,000×gの速度で30〜90分間行う工程、
iii)工程ii)で得られた上清に対して第3の遠心分離を40,000〜60,000×gの速度で30〜90分間行う工程、
iv)工程iii)で得られた上清を0.2〜10ミクロンのフィルターで精密ろ過して、精密ろ過により得られた上清を回収する工程、
v)精密ろ過により工程iv)で得られた上清に対して超遠心分離を110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間少なくとも1回行い、ペレットを得る工程、
vi)任意選択で、工程v)で得られたペレットを再懸濁し、工程v)の超遠心分離を繰り返し行う工程、
vii)工程iv)で得られたペレットを生理的溶液に再懸濁し、超遠心分離を、ショ糖密度勾配およびコロイドシリカ密度勾配から選択される密度勾配を用いて、110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間行い、エキソソームペレット画分を得る工程、および
viii)工程v)のエキソソームペレット画分を生理的溶液に再懸濁し、工程v)でコロイドシリカ密度勾配を用いた場合は、得られた溶液に対して超遠心分離を110,000〜170,000×gの速度で1〜3時間行い、さらに任意選択で、得られたペレットに対して超遠心分離を1回または2回繰り返し行う工程
を含む方法。 - 直径が20nm未満の粒子および120nmより大きい粒子が本質的に排除されているエキソソームを含むエキソソームペレット、または該エキソソームペレットが再懸濁された生理的溶液。
- 前記エキソソームのゼータ電位が少なくとも約30mV、好ましくは40mV以上の大きさである、請求項14のペレットまたは溶液。
- エキソソームタンパク質の含量が約100〜2000μgである、請求項14のペレットまたは溶液。
- 前記エキソソームに外因性のカーゴが充填されている、請求項14のペレットまたは溶液。
- 前記外因性のカーゴが、DNA、siRNA、mRNA、tRNA、アプタマー、miRNA、ペプチド、タンパク質、リボザイム、糖、治療用化合物、低分子およびポリマーからなる群から選択される、請求項17のペレットまたは溶液。
- 前記カーゴが、二次構造を含むカーゴまたは20塩基対を超えるサイズのカーゴである、請求項17のペレットまたは溶液。
- 請求項1の方法の工程を含む使用説明書を含み、さらに請求項1の方法の実施に有用な溶液または器具を1以上含む、請求項1の方法の実施に使用するためのキット。
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