添付された図面とともに、以後にさらに詳しく説明される実施形態を参照すれば、このような実施形態を達成するための利点、特徴、及び方法が明らかになるであろう。本発明は、ここで開示される実施形態に限定されるものではなく、様々なモードに具体化されることができる。以下において説明される本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有した者にとって、本発明をより明らかに理解することを可能なようにするために提供される。本明細書によって同じ参照符号は、同じ構成要素を指すことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る洗濯機を示した側断面図である。図2は、図1の洗濯機の主要部をより詳細に示したものである。図3は、図1の一部を拡大して示したものである。図4は、本発明の一実施形態に係る洗濯機の主要部間の制御関係を示したブロック図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る洗濯機100は、上部が開口したキャビネット111と、キャビネット111の開口した上部に配置され、洗濯物が出入される洗濯物出入口が形成されたキャビネットカバー112と、洗濯物出入口を開閉するドア113とを備える。キャビネットカバー112には、洗濯機100の作動全般に対してユーザから命令を受信するコントロールパネル124が備えられることができる。
キャビネット111の内部には、水が入れられる外槽160と、外槽160内に回転可能に備えられ、洗濯物または布が入れられる内槽150とが配置される。内槽150には、水が外槽160と内槽150との間を循環できるように複数の水孔(図示せず)が形成される。外槽160の上部には、布が出入され得るように中央部hが開口した外槽カバー114が配置されることができる。
外槽160は、支持部材117によりキャビネット111の内部に吊り下がる。支持部材117の一端は、トップカバー112と連結され、他端は、サスペンション118により外槽160と連結される。内槽150の回転の際に誘発される外槽160の振動がサスペンション118により緩衝される。
内槽150の底には、水流を形成するパルセータ116が備えられ、外槽160の下側には、内槽150及び/又はパルセータ116を回転させるために回転力を発生する駆動部130が配置される。
駆動部130は、コイルが巻き取られた固定子130aと、コイルとの間に誘発される電磁気力により回転される回転子130bとが備えられたモータを含むことができる。また、駆動部130は、モータの駆動を制御するドライバ(図示せず)を含むことができる。回転子130bの位置を感知するホールセンサ130cが備えられることができる。制御部10は、ホールセンサ130cの出力信号に基づいて回転子130bの回転速度または位置を感知できる。
駆動部130の回転軸132は、外槽160を貫通して、内槽150及びパルセータ116を選択的に回転させる。回転軸132の回転力を内槽150及び/又はパルセータ116に伝達するクラッチ(図示せず)が備えられることができる。クラッチの作動によって内槽150とパルセータ116とが共に回転されるか、パルセータ116のみが回転され得る。
給水部131は、外槽160と内槽150との間に水を供給できる。給水部131は、外部水源から供給された水が流入する給水流路119を統制する給水バルブ135と、給水流路119上に備えられた洗剤ボックス134、及び洗剤ボックスハウジング136を含むことができる。洗剤ボックスハウジング136には、給水流路119から流入した水が洗剤ボックス134に分配されるように分配ホール136hが形成され得る。
洗剤ボックスハウジング136は、キャビネットカバー112に配置されることができる。洗剤ボックス134は、洗剤Dを収容することができ、洗剤ボックスハウジング136に引き出し可能に受納されることができる。
洗剤ボックスハウジング136には、開口部138が形成され得る。実施形態によって、外槽カバー114には、給水部から吐出された水が通過される給水口105が形成され得る。給水の際、開口部138を通過した水は、給水口105を介して内槽150と外槽160との間に流入することができる。
外槽160から排出された水を循環流路29に沿って圧送させる循環ポンプ20が備えられることができる。循環流路29には、噴射ノズル28が備えられることができる。この場合、循環ポンプ20作動の際、噴射ノズル28を介して内槽150内に水が噴射される。循環流路29を統制するバルブ(図示せず)がさらに備えられることができる。
外槽160から水を排水させるための排水ポンプ144が備えられることができる。排水ポンプ144は、外槽160と連通された排水流路142上に備えられることができる。本実施形態では、循環ポンプ20と排水ポンプ144とが各々備えられるが、これとは異なり、流路が適宜構成されるならば、1つのポンプを介して循環流路29を介しての水の循環と排水流路142を介しての排水とが選択的になされることもできる。
洗濯機100は、外槽160内の水位を感知する水位感知部13を備えることができる。外槽160と連通された連通管15が備えられることができ、水位感知部13は、連通管15を介して作用する空圧を測定する圧力センサを備えることができる。外槽160内の水位によって圧力センサを介して感知された圧力が可変されるので、水位感知部13は、圧力センサにより感知された圧力に基づいて外槽160内の水位を判断できる。しかし、このような構成は、あくまでも1つの実施形態に過ぎないだけであり、水位感知部13は、既に公知された様々な形態で構成され得ることはもちろんである。
洗濯機100は、循環流路29に沿って移送される流量を感知する流量感知部50を備えることができる。流量感知部50は、流量計(flow meter)を含むことができる。制御部10は、流量計により測定された流量に基づいて循環流路29に沿って移送された水の量(以下、「循環水量」という。)を決定できる。流量計は、循環ポンプ20とは別に備えられることができるが、これに限らず、循環ポンプ20がそれ自体で流量計として活用されることもできる。本実施形態では、別の流量計が備えられず、制御部10は、循環ポンプ20の回転速度(rpm)に基づいて流量を感知できる。
また、制御部10は、循環ポンプ20の回転速度に基づいて求めた流量と、流量が感知される間、循環ポンプ20が負荷状態で運転された時間とに基づいて循環水量を決定できる。負荷状態で運転された時間は、負荷状態(外槽160内に水が満たされている状態)で循環ポンプ20が駆動され始めて、無負荷状態(すなわち、外槽160内の水位が実質的にゼロ水位になった状態)になるまでかかった時間である。
循環ポンプ20に印加される駆動電流は、循環ポンプ20が負荷状態で駆動される場合に比べて、無負荷状態で駆動される場合、その大きさが急激に減少する特性を見せる。したがって、制御部10は、駆動電流変化に基づいて循環ポンプ20が無負荷状態で駆動され始める開始を感知できる。
循環水量は、循環ポンプ20の回転速度と負荷状態で循環ポンプ20が回転された時間に比例する。ここで、循環ポンプ20の回転速度は、制御部10により設定されたこととしてその値が分かるものであるため、循環ポンプ20が負荷状態で回転された時間のみをさらに分かることができれば、循環水量が決定され得る。制御部10は、負荷状態で所定の速度で循環ポンプ20を駆動させ、循環ポンプ20が駆動される途中に駆動電流値が急激に下降する時点(無負荷状態に達した時点)を感知し、負荷状態で循環ポンプ20が回転された時間(負荷状態で駆動され始めて、無負荷状態に達するまでかかった時間)を求めることができる。
布量感知部60は、内槽150内に投入された布量を感知する。布量感知部60は、投入された布の量によって内槽150の慣性が変わる原理を利用したものであって、駆動部130から入力または出力された内槽150の慣性を反映する指標の変化(例えば、駆動電流変化、駆動速度変化)に基づいて布量を求めることができる。しかし、これに限らず、布量感知部60は、洗濯機の技術分野で既に公知された様々な布量感知手段で構成されることができる。
図5は、本発明の一実施形態に係る洗濯機の制御方法を示した順序図である。図6は、図5の給水S2が行われる態様(a)、布濡らしS3が行われる態様(b)、及び循環水の流量を感知する態様(c)を模式的に示したものである。図7は、本発明の一実施形態に係る制御方法による洗濯機の各駆動ステップでの内槽の回転速度a、給水制御b、循環制御c、及び排水制御dを示したグラフである。
図5〜図7に示すように、本発明の一実施形態に係る洗濯機の制御方法は、布が水に浸っていない状態で布量を感知するステップS1と、布が水に濡れない範囲内で外槽160と内槽150との間に給水をするステップS2と、外槽160から水を循環流路29に排出させ、循環流路29を介して再度内槽150に水を投入して布を濡らすステップS3と、布に吸収できずに外槽160に再度集まった水を外槽160内の水位がゼロ水位になるように循環流路29に排出させて流量を感知するステップS5と、S5ステップで感知された流量に基づいて外槽160内の水位がゼロ水位になるまで循環流路29に排出された実際循環水量を求め、実際循環水量とS1ステップで感知された布量に対応する予め設定された予想循環水量とに基づいて布質を判断するステップS6とを含む。
より詳細に、布量感知ステップS1は、布が水に浸っていない状態で行われる。内槽150の慣性は、投入された布の量により変わる。ここで、内槽150の慣性は、停止慣性または運動慣性のうち、いずれでありうる。駆動部130から出力された内槽150の慣性を反映する指標に基づいて布量が決定され得る。本実施形態では、内槽150の停止慣性に基づいて布量が決定される。図7に示されたように、布量感知ステップS1では、内槽150が停止状態から第1の速度RPM1で加速されて、第1の速度RPM1で一定時間の間、回転されることができる。第1の速度RPM1は、略30rpm程度が適当である。
内槽150が第1の速度RPM1まで加速される区間、特に、停止状態から加速される所定区間では、内槽150の停止慣性が及ぼすので、布量が大きいほど、駆動部130に印加される電流値が大きい。したがって、制御部10は、内槽150が第1の速度RPM1まで加速される途中に、駆動部130に印加される電流値に基づいて布量を決定できる。BLDCモータの場合、q軸電流値が布量を決定するのに考慮されることができる。
さらには、布量決定の際、内槽150が第1の速度RPM1で回転される途中に感知された駆動部130の逆起電力がさらに考慮され得る。逆起電力は、内槽150の運動慣性を反映する指標であって、布量が大きいほど、大きい値を有する。この他にも、S1ステップでは、既に公知された様々な方法を利用して布量が感知され得ることはもちろんである。
給水ステップS2は、布が水に浸らない範囲内で外槽160内に水を供給するステップである。図3に示されたように、給水部131を介して内槽150と外槽160との間に給水されることができる。このときの給水水位は、水が内槽150内に侵さない範囲内で最大限高いことが良い。例えば、給水ステップS2では、内槽150の底またはパルセータ116の底まで給水がなされ得る。このときの外槽160内の水位は、図6の(a)に給水水位L1で表示された。給水ステップS2の実施後にも、布は水に浸らないので、布量感知ステップS1は、給水ステップS2以後に行われることもできる。ただし、この場合、給水水位L1は、内槽150の底よりは低いことが良い。
外槽160内の水位は、水位感知部13を介して感知されることができる。水位感知部13により外槽160内の水位がL1に到達したことと感知されれば、制御部10は、給水バルブ135を遮断させることができる。
布濡らしステップS3では、外槽160から排出された水が循環流路29に沿って移送された後、さらに内槽150に投入される。以下、循環流路29に沿って移送される水を循環水という。内槽150に投入された循環水が外槽160に再度集まり、このように集まった水がさらに循環流路29に沿って移送される循環過程が連続的になされなければならない。流量制御が可能な循環ポンプ20の場合、循環過程の連続性が確保され得る範囲内で循環ポンプ20の回転速度が制御されることが好ましい。
図6の(b)に示すように、実施形態では、循環水は、噴射ノズル28を介して内槽150内に噴射されることができ、噴射された水により内槽150内の布が均等に濡らされるように内槽150が回転され得る。このとき、内槽150の回転速度(図7のRPM2)は、布が遠心力により内槽150の内側面にくっついた状態で回転され得る速度以上であることが好ましい。布量によって布が内槽150にくっついた状態で回転される最低速度が変わり得るので、S3ステップでの内槽150の回転速度は、布量感知ステップS1で感知された布量によって設定されることが好ましい。また、噴射ノズル28の噴射方向は、内槽150の内側面に向けることが好ましい。
布濡らし完了判断ステップS4は、布が一定水準以上に十分濡らされたかを判断するステップであって、好ましくは、それ以上の水が吸収できない程度に布が濡らされた状態を感知することを目的とする。布濡らしが完了したかは、外槽160内の水位変化や駆動部130にかかる負荷量変化などの様々な方法によって判断されることができる。本実施形態では、外槽160内の水位が所定値以上であり、水位変動が予め設定された範囲内でなされた場合に、布濡らしが完了したことと判断する。布濡らしステップS3の初期には、布による水の吸収が活発になされるだけでなく、噴射された循環水が内槽150を経てさらに外槽160に流入するまである程度の時間がかかるので、外槽160内は低水位状態である。このとき、水位感知部13を介して感知された水位変動量は、布が濡らされた程度を正確に反映できない。したがって、制御部10は、布が十分に濡らされてそれ以上布に吸収できずに、さらに外槽160に一定水準の水が集まった後、すなわち、外槽160の水位が所定値以上となった条件を先に満たした状態で水位感知部13により感知された水位変動量に基づいて布濡らし完了可否を決定する。
制御部10は、外槽160内の水位変動が予め設定された一定の範囲内でなされる場合、布濡らしが完了したことと判断することができる。特に、布濡らしステップS3が実行中に布が十分に水を吸収した状態(外槽160内の水位変動が予め設定された一定の範囲内でなされる状態)では、内槽150から外槽160に排出される流量も一定の範囲内で変動される安定化状態に達する。
図6の(b)は、布が十分に水を吸収した状態を示したものであって、外槽160の水位がL2に下降された。
循環流量感知ステップS5は、循環水の流量を感知するために提供される。流量感知部50により循環流路29に沿って移送される流量が感知される。前述したように、流量感知部50は、循環ポンプ20を含むことができる。この場合、制御部10は、循環ポンプ20の回転速度(rpm)に基づいて流量を決定できる。また、S5ステップで、制御部10は、感知された流量と循環ポンプ20が負荷状態で駆動された時間に基づいて外槽160から排出されて循環流路29に沿ってさらに内槽150に投入された水の量、すなわち、循環水量を決定できる。前述したように、制御部10は、循環ポンプ20の駆動中に駆動電流が急激に変更される時点、すなわち、循環ポンプ20が無負荷状態で駆動される時点を感知する。循環ポンプ20の回転速度が低いほど、外槽160内の水が循環流路29に全て排出される前に、内槽150内に投入された循環水がさらに外槽160に流れて水位を補充するので、循環ポンプ20は、続けて負荷運転をするようになる。この場合は、循環ポンプ20が無負荷状態で駆動される時点を感知できない。したがって、S5ステップでは、循環流路29を介して水が移送される途中のある瞬間、外槽160内が実質的にゼロ水位(図6の(c)参照)になって循環ポンプ20の無負荷運転が感知され得る適切な速度で循環ポンプ20の回転速度が制御されることが好ましい。このような観点で、S5ステップでの循環ポンプ20の回転速度は、S3ステップより高く設定されることができる。
一方、S5ステップで感知された循環水量は、布に吸収された水の量に反比例する。布は、材質によって水を吸収できる程度(以下、「含水率」という。)が異なる。布量が同一であるとしても、含水率が高い布は、より多くの水を吸収する。例えば、枕はジーンズに比べて大きな含水率を有するので、内槽150内に枕が投入された場合とジーンズが投入されたそれぞれの場合において、S1ステップで同じ大きさの布量が感知されるとしても、枕の場合が最もより多い量の水を吸収する。したがって、布量と循環水量の関係から布質を判断できる。
より詳細に、布質判断ステップS6で制御部10は、布量感知ステップS1で感知された布量Wdと、布量に対応する予め設定された予想循環水量Q0と、実際感知された循環水量Qdとに基づいて布質を判断できる。例えば、Q0>Qdである場合は、予想したことより布が水を多く吸収して循環水量が少なく感知される。このような場合は、含水率が高い布が投入された場合である。逆に、Q0<Qdである場合は、含水率が低い布が洗濯機に投入された場合である。また、予想循環水量Q0と実際感知された循環水量Qdとの間の差ΔQによってより細分化された布質情報を求めることも可能である。このような例として、下記の表1は、布量が少量LV1である場合と、多量LV2である場合において、予想循環水量Q0(1)、Q0(2)と実際循環水量Qdとに基づいてS1、S2、S3の3つの布質を判断する基準の例であり、S1、S2、S3の順に次第に含水率が高い布である。
洗濯条件設定ステップS7は、S6ステップで決定された布質によって洗濯条件が設定されるステップである。制御部10は、布質によって洗濯時間、内槽150またはパルセータ116の駆動パターン、濯ぎまたは脱水時間、脱水速度、追加給水量などの様々な洗濯条件を設定できる。
その後、洗濯ステップS8では、S7ステップで設定された洗濯条件によって洗濯が行われ、洗濯完了後、排水が行われる(S9)。排水ステップS9では、内槽150が高速で回転される脱水とともに排水ポンプ144が作動され得る。
S9ステップの排水が完了した後、湿布量が感知され得る(S10)。湿布量感知ステップS10は、実質的に布量感知ステップS1と同じであるが、内槽150内の布が水に濡れた状態で行われるという点において相違がある。
脱水条件設定ステップS11で、制御部10は、S10ステップで感知された湿布量によって内槽150の回転速度(図7のRPM3)、回転時間などの脱水条件を設定できる。このとき、S6ステップで求められた布質情報が共に考慮され得る。特に、含水率が低い布、例えば、脱水が容易なナイロン、ポリエステルなどの機能性衣類、下着、季節性衣類(Tシャツ、半袖)などは、コットン・パンツやジーンズなどの一般的な布や、冬服やふとんなどの含水率が高い布に比べて、脱水速度を低めるか、脱水時間を減らしても十分に脱水されることができる。したがって、含水率が低い布であるほど、脱水回転最大速度を低く設定したり、脱水時間を短く設定することによって電力消費と脱水時間を短縮させることができる。
逆に、含水率が高い布であるほど、脱水回転最大速度を高く設定したり、脱水時間を長く設定することによって脱水性能を向上させることができる。
一方、実施形態によって、湿布量感知ステップS10が省略され得る。この場合、S11ステップでは、S1ステップで感知された布量とS6ステップで求められた布質情報とに基づいて脱水条件が設定され得る。