JP2017507994A5 - チアクマイシンbの新たな溶媒和結晶 - Google Patents
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Description
本発明は、チアクマイシンBの新たな多形又は固体状態に関する。新たな多形及び新たな固体状態は既存の多形の代替選択肢である。
1つの態様では、本発明の多形は、酢酸溶媒和結晶又は酢酸イソプロピル溶媒和物から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
1つの態様では、本発明の多形は、酢酸溶媒和結晶又は酢酸イソプロピル溶媒和物から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
チアクマイシンBは先行技術に開示されているようにして生産可能であるが、市販もされている(例えばバイオオーストラリス・ファインケミカルズ(Bioaustralis Fine Chemicals))。結晶性のチアクマイシンB出発材料も市販されている(例えばブライトジーン・バイオメディカルテクノロジー(Brightgene Bio−MedicalTechnology))。
チアクマイシンBの多形の例は、19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶、クロロベンゼン溶媒和結晶、メチルエチルケトン溶媒和結晶、酢酸イソプロピル溶媒和物又はイソプロパノール溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の別の例は、3.3及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶、メチルエチルケトン溶媒和結晶、酢酸イソプロピル溶媒和物又はイソプロパノール溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の別の例は、3.3及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶又はメチルエチルケトン溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の例において、チアクマイシンBのn‐プロパノール溶媒和結晶は、3.3、7.5、7.7、18.8及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
1つの好ましい態様では、チアクマイシンBの酢酸溶媒和結晶は、6.7、7.6、18.7及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのクロロベンゼン溶媒和結晶は、6.7、18.8及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのメチルエチルケトン溶媒和結晶は、3.3、7.5、15.7及び18.6の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのイソプロパノール溶媒和結晶は、6.5、9.9、18.6及び19.8の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
新たな固体状態の例は、高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、DSCによる測定で約113℃のTgを備えた高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、5重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、2重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、0.5重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、保管に適している高純度の非晶質チアクマイシンB材料であって、2重量%未満の水を含み、かつDSCによる測定で約113℃のTgを有する。
新たな固体状態の例は、HPLCによる測定で98%を超えるチアクマイシンBを含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料であって、保管に適しており、2重量%未満の水を含み、かつDSCによる測定で約113℃のTgを有する。
本発明の1つの態様では、保管に適しており、かつ16.6及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、チアクマイシンBの新たな多形が提供される。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ7.1、16.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、酢酸溶媒和物である。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ実質的に図8Bに示されるような7.1、16.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸溶媒和物である。この形態はチアクマイシン溶媒和物α形と呼ばれる。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ7.3、15.7、16.6、18.8、19.9及び20.2±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸イソプロピル溶媒和物である。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ実質的に図9Bに示されるような7.3、15.7、16.6、18.8、19.9及び20.2±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸イソプロピル溶媒和物である。この形態はチアクマイシン溶媒和物β形と呼ばれる。
本発明の1つの態様では、保管に適しており、かつ16.6、18.8及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、チアクマイシンBの新たな多形が提供される。
他の多形の例は、実質的に図11に示されるような3.3、9.9及び18.6±0.1の回折角2θにピークを示すXRPDを特徴とするチアクマイシンBの任意の溶媒和結晶である。
チアクマイシンBの多形の例は、19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶、クロロベンゼン溶媒和結晶、メチルエチルケトン溶媒和結晶、酢酸イソプロピル溶媒和物又はイソプロパノール溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の別の例は、3.3及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶、メチルエチルケトン溶媒和結晶、酢酸イソプロピル溶媒和物又はイソプロパノール溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の別の例は、3.3及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、プロパノール溶媒和結晶、酢酸溶媒和結晶又はメチルエチルケトン溶媒和結晶から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶である。
上記多形の例において、チアクマイシンBのn‐プロパノール溶媒和結晶は、3.3、7.5、7.7、18.8及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
1つの好ましい態様では、チアクマイシンBの酢酸溶媒和結晶は、6.7、7.6、18.7及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのクロロベンゼン溶媒和結晶は、6.7、18.8及び19.9の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのメチルエチルケトン溶媒和結晶は、3.3、7.5、15.7及び18.6の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
上記多形の例において、チアクマイシンBのイソプロパノール溶媒和結晶は、6.5、9.9、18.6及び19.8の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする。
新たな固体状態の例は、高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、DSCによる測定で約113℃のTgを備えた高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、5重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、2重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、0.5重量%未満の水を含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料である。
新たな固体状態の例は、保管に適している高純度の非晶質チアクマイシンB材料であって、2重量%未満の水を含み、かつDSCによる測定で約113℃のTgを有する。
新たな固体状態の例は、HPLCによる測定で98%を超えるチアクマイシンBを含む高純度の非晶質チアクマイシンB材料であって、保管に適しており、2重量%未満の水を含み、かつDSCによる測定で約113℃のTgを有する。
本発明の1つの態様では、保管に適しており、かつ16.6及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、チアクマイシンBの新たな多形が提供される。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ7.1、16.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、酢酸溶媒和物である。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ実質的に図8Bに示されるような7.1、16.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸溶媒和物である。この形態はチアクマイシン溶媒和物α形と呼ばれる。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ7.3、15.7、16.6、18.8、19.9及び20.2±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸イソプロピル溶媒和物である。
本発明の1つの態様では、チアクマイシンBの新たな多形は、保管に適しており、かつ実質的に図9Bに示されるような7.3、15.7、16.6、18.8、19.9及び20.2±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す酢酸イソプロピル溶媒和物である。この形態はチアクマイシン溶媒和物β形と呼ばれる。
本発明の1つの態様では、保管に適しており、かつ16.6、18.8及び19.9±0.1の回折角2θにピークを有するXRPDを示す、チアクマイシンBの新たな多形が提供される。
他の多形の例は、実質的に図11に示されるような3.3、9.9及び18.6±0.1の回折角2θにピークを示すXRPDを特徴とするチアクマイシンBの任意の溶媒和結晶である。
参考例1:非晶質チアクマイシンB
約99%のHPLC純度及び1重量%未満の水分を有する結晶性チアクマイシンB出発材料(図1AのXRPDを参照)を、水/THF(5:1、v:v)に溶解させて凍結乾燥した。凍結乾燥生成物は非晶質であった(図1Bを参照)。
約99%のHPLC純度及び1重量%未満の水分を有する結晶性チアクマイシンB出発材料(図1AのXRPDを参照)を、水/THF(5:1、v:v)に溶解させて凍結乾燥した。凍結乾燥生成物は非晶質であった(図1Bを参照)。
参考例2:チアクマイシンBのクロロベンゼン溶媒和結晶
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(69mg)を、1.5mlのn‐ヘプタン/クロロベンゼン(1:2、v:v)と混合した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流(流量制御なし)の下で蒸発させた。結果として生じる固体を濾別した。このようにして得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で23重量%のクロロベンゼンを含んでいた。チアクマイシンBのクロロベンゼン溶媒和結晶のXRPDは図2A及び2Bに示されている。
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(69mg)を、1.5mlのn‐ヘプタン/クロロベンゼン(1:2、v:v)と混合した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流(流量制御なし)の下で蒸発させた。結果として生じる固体を濾別した。このようにして得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で23重量%のクロロベンゼンを含んでいた。チアクマイシンBのクロロベンゼン溶媒和結晶のXRPDは図2A及び2Bに示されている。
参考例3:チアクマイシンBのn‐プロパノール溶媒和結晶
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(100mg)を、2mlのn‐プロパノールと混合してスラリーを形成した。この懸濁液を室温で24時間撹拌した。最後に、溶媒を室温で穏やかなN2流の下で蒸発させた。得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で4重量%のn‐プロパノールを含んでいた。チアクマイシンBのn‐プロパノール溶媒和結晶のXRPDは図3A及び3Bに示されている。
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(100mg)を、2mlのn‐プロパノールと混合してスラリーを形成した。この懸濁液を室温で24時間撹拌した。最後に、溶媒を室温で穏やかなN2流の下で蒸発させた。得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で4重量%のn‐プロパノールを含んでいた。チアクマイシンBのn‐プロパノール溶媒和結晶のXRPDは図3A及び3Bに示されている。
参考例4:チアクマイシンBのイソプロパノール溶媒和結晶
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(73mg)を、1.5mlのイソプロパノールと混合してスラリーを形成した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流の下で蒸発させた。その後スラリーを濾過し、得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で17重量%のイソプロパノールを含んでいた。イソプロパノールを、最初に11重量%、次に6重量%の2ステップで減らした。チアクマイシンBのイソプロパノール溶媒和結晶のXRPDは図4A及び4Bに示されている。
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(73mg)を、1.5mlのイソプロパノールと混合してスラリーを形成した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流の下で蒸発させた。その後スラリーを濾過し、得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で17重量%のイソプロパノールを含んでいた。イソプロパノールを、最初に11重量%、次に6重量%の2ステップで減らした。チアクマイシンBのイソプロパノール溶媒和結晶のXRPDは図4A及び4Bに示されている。
参考例5:チアクマイシンBのメチルエチルケトン(MEK)溶媒和結晶
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(71mg)を、1.5mlのn‐ヘプタン/MEK(1:2、v:v)と混合した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流(流量制御なし)の下で蒸発させた。結果として生じる固体を濾別した。得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で6%のイソプロパノールを含んでいた。チアクマイシンBのメチルエチルケトン溶媒和結晶のXRPDは図5A及び5Bに示されている。
参考例1において得られた非晶質チアクマイシンB(71mg)を、1.5mlのn‐ヘプタン/MEK(1:2、v:v)と混合した。この懸濁液を室温で24時間振盪した。最後に、溶媒の50%を室温で穏やかなN2流(流量制御なし)の下で蒸発させた。結果として生じる固体を濾別した。得られた湿潤材料はTG‐FTIRによる測定で6%のイソプロパノールを含んでいた。チアクマイシンBのメチルエチルケトン溶媒和結晶のXRPDは図5A及び5Bに示されている。
参考例7:高純度の非晶質チアクマイシン材料の安定性
高純度の非晶質チアクマイシンB材料のいくつかの試料を40℃/75%相対湿度で保管した。開始時、24時間、7日及び1ヶ月後に得られたXRPDは非晶質の材料を示している(図7Aを参照)。
高純度の非晶質チアクマイシンB材料のいくつかの試料を40℃/75%相対湿度で保管した。開始時、24時間、7日及び1ヶ月後に得られたXRPDは非晶質の材料を示している(図7Aを参照)。
Claims (6)
- 酢酸溶媒和結晶又は酢酸イソプロピル溶媒和物から選択されるチアクマイシンBの溶媒和結晶。
- 19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、請求項1に記載の溶媒和結晶。
- 3.3及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶媒和結晶。
- 6.7、7.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする酢酸溶媒和結晶である、請求項1に記載の溶媒和結晶。
- 7.1、16.6、18.7及び19.9±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする酢酸溶媒和結晶である、請求項1に記載の溶媒和結晶。
- 7.3、15.7、16.6、18.8、19.9及び20.2±0.1の回折角2θにおいてピークを示すXRPDを特徴とする酢酸イソプロピル溶媒和結晶である、請求項1に記載の溶媒和結晶。
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