JP2017504513A - 環境制御シート用のシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

シート組立体に隣接する空間の温度を調節する方法が、シート組立体内であってシートカバリングの下方に配置された発熱素子を作動させることを含む。流体供給デバイスと熱電素子とを含む流体モジュールが作動させられ、シートクッション内に少なくとも部分的に形成された分散システムを通じて、加熱された空気を流体モジュールからシート組立体に隣接する空間に送る。ある期間の後で、発熱素子が停止される。

Description

優先出願の参照による援用
本出願とともに提出された出願データシートにおいて外国または国内の優先権の主張が特定されているあらゆる出願は、37CFR1.57に従って参照により本出願に援用される。
本出願は、2013年12月5日に出願された米国仮特許出願第61/912485号および2013年12月6日に出願された米国仮特許出願第61/913114号の優先権の利益を主張し、これら2つの出願の全てが参照によって本出願に明確に援用される。
本出願は概ね温度調節に関し、詳細には、シート組立体の温度調節に関する。
生活空間または作業空間の環境制御のための温度調整された空気は、通常、建物全体、選択されたオフィス、または建物内の続き部屋などの、比較的広範囲の領域に供給される。自動車のような乗物の場合、通常、乗物全体が1つのユニットとして冷却または加熱される。しかし、より選択的または制限的な気温調整が望ましい多数の状況がある。たとえば、実質的に瞬間的な加熱または冷却を実現できるように、乗員シートに対する個別の環境制御を行うことが望ましいことが多い。たとえば、夏季に日陰のない領域に長時間駐車され、夏の気候に曝された自動車は、乗物用シートが非常に高温になり、乗員は、車内に入って車両を使用してからしばらくの間、通常の空調がなされても、不快を感じることがある。さらに、通常の空調がなされていても、暑い日には、乗員の背中および他の圧点が、座っている間汗ばんだままになる場合がある。冬季には、特に、通常の乗物用ヒータでは乗物の室内が急速に温まる可能性が低く、乗員のシートを迅速に温めて乗員の快適さを促進する機能を有することが極めて望ましい。
そのような理由で、乗物用シート用の様々な種類の個別の温度調節システムがある。そのような温度調節システムは、通常、シートのバッククッションとシートクッションの少なくとも一方に形成された流路と通路の組合せを有する分散システムを含む。熱モジュールが空気の温度を調節し、調節済みの空気を流路および通路に送る。調節済みの空気は、流路および通路を通って流れ、乗物用シートの表面に隣接する空間を冷却または加熱する。
したがって、乗物用シートおよび他のシート組立体用の環境制御システムのための改良された温度調節装置および方法が必要である。
したがって、本出願の一実施態様は、支持面を画定する支持構造を含むシート組立体に隣接する空間の温度を調節する方法を含む。この方法は、第1の調節モードまたは期間の間、支持面内に位置するか、あるいは支持面に沿って位置するか、あるいは支持面の下方に位置する伝導性発熱素子を第1の目標温度に達するまで作動させ、それによって支持面を伝導的に加熱することと、第2の調節モードまたは期間の間、流体供給デバイスと対流式温度調節デバイスとを含む流体モジュールを、第2の目標温度に達するまで作動させることと、加熱された空気を、少なくとも部分的にシートクッション内に形成された分散システムを通じて流体モジュールから支持面に送って支持面に隣接する空間を対流式に加熱することと、所望の第1の目標温度に達したときに、伝導性発熱素子を停止させることと、を含み、第1の調節モードまたは期間は概して、第2の調節モードまたは期間に先行して、または第2の調節モードまたは期間と同時に用いられ、伝導性発熱素子は、第2の調節モードまたは期間の間、少なくとも2つの異なるレベルの間を循環するように構成されている。いくつかの実施態様では、伝導性発熱素子は、抵抗発熱素子である。いくつかの実施態様では、伝導性発熱素子は、流体モジュールよりも多くの熱エネルギーを生成するように構成される。いくつかの実施態様では、対流式温度調節デバイスは熱電素子を含む。いくつかの実施態様では、シート組立体は乗物内に配置される。いくつかの実施態様では、この方法は、シート組立体に隣接する位置の温度が所望の目標温度よりも低くなったときに、制御モジュールを使用して、伝導性発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを作動させるステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、伝導性発熱素子を作動させることは、抵抗ヒータを作動させることを含む。いくつかの実施態様では、この方法は、伝導性発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを使用して、シート組立体のシートカバリングの概ね下方の空間内で熱を発生させるステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、この方法は、伝導性発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを使用して、シート組立体のシートカバリングの概ね下方でかつシート組立体のシートクッションの概ね上方の空間内で熱を発生させるステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、流体モジュールを作動させるステップは、発熱素子が作動させられてから少なくとも60秒後に開始する。いくつかの実施態様では、流体モジュールを作動させるステップは、発熱素子が作動させられてから少なくとも120秒後に開始する。いくつかの実施態様では、流体モジュールを作動させるステップは、発熱素子が停止された後に開始する。いくつかの実施態様では、伝導性発熱体を作動させるステップと流体モジュールを作動させるステップは、実質的に同時に行われる。いくつかの実施態様では、伝導性発熱素子と流体モジュールはどちらも、ある期間の間作動させられ、その期間の間、伝導性発熱素子および環境制御デバイスに供給される総電流は実質的に一定である。いくつかの実施態様では、シート組立体は、周囲温度がしきい値温度よりも低い場合、第1の調節モードまたは期間と第2の調節モードまたは期間の両方において同時に動作するように構成され、シート組立体は、周囲温度がしきい値温度よりも高い場合、第1の調節モードまたは期間と第2の調節モードまたは期間のうちの一方において動作するように構成されている。いくつかの実施態様では、シート組立体は、第1の調節モードまたは期間と前記第2の調節モードまたは期間が互いに同時に行われているときに、周囲温度がしきい値温度よりも高くなった場合は、第1の調節モードまたは期間と第2の調節モードまたは期間との間の循環動作を開始するように構成される。いくつかの実施態様では、この方法は、伝導性発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスによって消費される総電力を測定するステップと、総電力が所定の電力を超えたときに、伝導性発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを停止させるステップとをさらに含む。
本願の別の実施態様は、フィードバック制御を使用して環境制御シート組立体の温度を調節する方法を含み、この方法は、シート組立体の所望の動作設定に関する指示を乗員から受け取るステップと、少なくとも1つの温度センサを使用してシート組立体において行われる温度調節のレベルに関連する温度を検知するステップと、所望の動作設定および検知された温度を制御モジュールに供給するステップであって、制御モジュールが、所望の動作設定および検知された温度に基づいてシート組立体に隣接する空間の温度を調節するように発熱素子および流体モジュールを選択的に管理するように構成され、前記流体モジュールが、流体移送デバイスと熱電デバイスとを有している、ステップと、制御モジュールを使用して、発熱素子、流体移送デバイス、および熱電デバイスのうちの少なくとも1つを作動または停止させるステップと、を含み、発熱素子は、シート組立体の支持面の近くに配置され、支持面を伝導的に加熱するように構成され、流体モジュールが、加熱されるかまたは冷却された空気をシート組立体のシートクッション内に少なくとも部分的に形成された流体分散システムを選択的に通過させて、支持面に隣接する空間を対流式に加熱または冷却するように構成され、制御モジュールは、発熱素子、流体移送デバイス、および熱電デバイスのうちの少なくとも1つを選択的に作動または停止させて、所望の動作設定を維持するようになっており、制御モジュールは、乗物の点火システムの状況を示す信号を受信するように構成され、点火システムがオンにされたときに、発熱素子、流体移送デバイス、および熱電デバイスのうちの少なくとも1つを作動させるようになっている。いくつかの実施態様では、クレーム制御シート組立体の所望の動作設定は、一般的な温度設定に対応する。いくつかの実施態様では、クレーム制御シート組立体の所望の動作設定は、特定の温度または温度範囲に対応する。いくつかの実施態様では、シート組立体は、シートバック部とシートボトム部とを有し、シートバック部の所望の動作設定は、シートボトム部の所望の動作設定とは異なる。
本出願のさらに別の実施態様は、フィードバック制御を使用して環境制御シート組立体の温度を調節する方法を含み、この方法は、シート組立体の所望の動作設定に関する指示を乗員から受け取るステップと、少なくとも1つの温度センサを使用してシート組立体において行われる温度調節のレベルに関連する温度を検知するステップと、所望の動作設定および検知された温度を制御モジュールに供給するステップと、制御モジュールを使用してシート組立体に隣接する空間の温度を調節するように発熱素子および流体モジュールを選択的に管理するステップであって、流体モジュールが流体移送デバイスと熱電デバイスとを有する、ステップと、検知された温度が所望の設定値温度よりも低いときに、発熱素子と流体モジュールの少なくとも一方を加熱動作モードで動作させるステップと、検知された温度が所望の設定値温度よりも高いときに、発熱素子と流体モジュールの少なくとも一方を冷却動作モードで動作させるステップと、検知された温度が所定の期間にわたって所望の設定値温度よりも所定の差分だけ高いときに、発熱素子と流体モジュールの少なくとも一方の動作を加熱動作モードから冷却動作モードに切り替えるステップと、検知された温度が所定の期間にわたって所望の設定値温度よりも所定の差分だけ低いときに、動作を冷却動作モードから加熱動作モードに切り替えるステップと、を含む。いくつかの実施態様では、所定の差分は摂氏2度である。いくつかの実施態様では、所定の期間は6秒である。いくつかの実施態様では、発熱素子は、発熱素子の測定温度が所定の目標温度に達するまで単独で動作させられる。いくつかの実施態様では、所定の目標温度は、所望の設定値温度の所定の温度オフセット内である。いくつかの実施態様では、所定の温度オフセットは摂氏20度である。くつかの実施態様では、所定の目標温度に達したときに発熱素子の動作が中断され流体モジュールの動作が開始される。いくつかの実施態様では、発熱素子の動作は中断され、流体モジュールは動作している。
本出願の別の実施態様は、環境制御シート組立体を含み、それは、外面を有するシートクッションと、シートクッションを通って延びており、入口を有する供給通路と、空気をシートクッションの支持面に沿って分散させるように構成された少なくとも1つの分散通路を有し、供給通路と連通する分散システムと、シートクッションの外面の上方に配置されたシートカバリングと、シートカバリングと供給通路の入口との間に配置された熱源と、供給通路の入口に動作可能に連結された流体モジュールであって、分散システムと供給通路との間で空気を移動させるように構成された流体移送デバイスを含む流体モジュールと、流体モジュールによって移動させられた空気を加熱するように構成された熱電デバイスと、ユーザによって生成された入力信号を受信したときに、熱源、流体モジュール、および熱電デバイスを第1の調節モードおよび第2の調節モードの一方または両方において動作させ、加熱または冷却された空気をシートクッションの外面に供給し、第1の調節モードと第2の調節モードが互いに同時に動作しているときに、周囲温度がしきい値温度よりも高くなった場合は、第1の調節モードと第2の調節モードとの間の循環動作を開始するように構成された制御システムと、を含む。いくつかの実施態様では、制御システムは、熱源が停止された後に流体モジュールを作動させるように構成されている。
本発明の好ましい実施形態に従って構成された環境制御システムを含む乗物用シート組立体の斜視図である。 図1の乗物用シート組立体の側面図である。 図2の線2A−2Aに沿った図1の乗物用シート組立体の断面図である。 図2の線2B−2Bに沿った図1の乗物用シート組立体の断面図である。 乗物用シート組立体のカバリングが取り外された図1の乗物用シート組立体の正面図である。 図1の乗物用シート組立体の背もたれの分解側面斜視図である。 図1の乗物用シート組立体および環境制御システムの概略図である。 乗物用シート組立体の変形実施形態の背もたれの断面図である。 乗物用シート組立体の変形実施形態のシートの断面図である。 乗物用シート組立体の別の変形実施形態の背もたれの断面図である。 乗物用シート組立体のさらなる変形実施形態のシートの断面図である。 環境制御システムの一実施形態の発熱素子および流体モジュールに供給される電力のグラフである。 一実施形態による環境制御システムに関する制御サブルーチンの概略図である。 一実施形態による環境制御システムに関する制御サブルーチンの概略図である。 一実施形態による環境制御システムに関する制御サブルーチンのフローチャートである。 一実施形態による環境制御システムのサブルーチンの動作によって得られる温度および電圧のグラフである。 一実施形態による環境制御システムのサブルーチンの動作によって得られる温度および電圧のグラフである。 電力を低減する制御を実行しない加熱モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。 電力を低減する制御を実行しない加熱モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。 電力を低減する制御を実行する加熱モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。 電力を低減する制御を実行する加熱モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。 一実施形態による環境制御システムの概略図である。 一実施形態による加熱モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。 一実施形態による冷却モードにおける環境制御システムの動作のグラフである。
図1および図2は、シート部32と背もたれ部34とを有するシート組立体30の例示的な実施形態を示す。シート組立体30は、以下に図2A〜図4を参照してより詳しく説明する環境制御システム36を含む。
乗員がシート組立体30に座ると、乗員のシートは概ねシート部32のシート領域40内に配置され、乗員の脚の少なくとも一部は、シート部32の大腿領域42によって支持される。この実施形態では、シート部32の後端部44は、背もたれ部34の底端部46に結合されている。乗員がシート組立体30に座ると、乗員の背中は背もたれ部34の前面48に接触し、乗員のシートおよび脚はシート部32の頂面50に接触する。面48、50は協働して乗員を着座位置に支持する。シート組立体30は、様々なサイズおよび体重の乗員に適応するように構成し、かつそのようなサイズを有することが可能である。
図示の実施形態では、シート組立体30は標準的な自動車シートと同様である。しかし、本明細書に記載されたシート組立体30のいくつかの特徴および態様が、様々な他の用途および環境において使用されてもよいことを理解されたい。たとえば、シート組立体30のいくつかの特徴および態様は、たとえば、飛行機、船舶などの他の乗物において使用できるようになされてもよい。さらに、シート組立体30のいくつかの特徴および態様は、たとえば、職場と居住地のいずれか一方または両方において使用される椅子、ソファ、劇場用シート、マットレス、およびオフィス用シートなどの静止環境において使用できるようになされてもよい。たとえばベンチシートなどの、シート組立体30の他の構成も考えられる。
引き続き図1および図2を参照すると分かるように、背もたれ部34は、前面側54と、背面側56と、頂部側58と、底部側60とを有している。背もたれ部34は、シート組立体30の乗員を左右方向において支持するために頂部側50と底部側60との間を延びている一対の側面57、59を含んでいる。背もたれ部34の腰部領域62は、概ね背もたれ部34の側面57、59の間の、シート部32の近くに配置されている。
同様に、シート部32は、前面側64と、背面側66と、頂部側68と、底部側70とを有している。シート部32も、シート組立体30の乗員を左右方向において支持するために背面側66から前面側64まで延びている一対の側面69、71を含んでいる。一実施形態では、シート組立体30は、シート部32の底部側70を乗物の床に取り付けることによって乗物に固定されている。
図2Aは、背もたれ部34の一部の断面図である。図示されているように、背もたれ部34は概して、適切なカバリング材料74(たとえば、張り材料、皮革、またはビニール)で覆われたクッション72によって形成されている。クッション72は通常、金属フレームまたはプラスチックフレーム(不図示)に支持されている。いくつかの実施形態では、フレームとクッション72との間にばねが配置されてもよい。フレームは、シート組立体30を構造的に支持し、一方、クッション72は柔らかい着座面を形成する。カバリング材料74は、シート組立体30の表面に美しい外観と柔らかい感触を与える。図2Bのシート部32は、図2Aに示されているように背もたれ部34と同様に構成されてもよい。
図3は、カバリング74が取り外され、それによってクッション72が露出されたシート組立体30を示している。クッション72は、一般的な自動車シートクッションフォームであってもよく、あるいは乗員を支持するのに適切な特性を有する他の種類の材料であってもよい。そのような材料には独立気泡フォームまたは連続気泡フォームが含まれるが、それらに限定さらない。
図3および図3Aに示されているように、シート組立体30の背もたれ部34には背もたれ流体分散システム76Aが設けられている。分散システム76Aは、シートクッション72の前面側54から背面側56まで延びている入口通路78Aを有している(たとえば図2Aも参照されたい)。分散システム76Aは、入口通路78Aから延びる、少なくとも1つであって多くの場合は複数存在する流路80Aも含んでいる。上述のように、クッション72は、たとえば連続気泡フォームまたは独立気泡フォームなどの一般的な自動車クッション材料から形成されてもよい。一実施形態では、クッション72は、通路78Aと各流路80Aのいずれか一方または両方を形成するように事前に成形されたフォームで作られている。別の実施形態では、通路78Aと各流路80Aのいずれか一方または両方は、シートクッション72からフォームを切り取ることによって形成されてもよい。
図3Aを参照すると分かるように、図示の実施形態では、空気を分散させるためのインサートまたはライナ150が流路80A、80B内に配置されてもよい。図示のように、インサート150は概して、概ねU字形の断面を有する複数の流路またはプレナム154を含む本体152を有している。インサート150は、クッション72に形成された各流路80Aに概ね嵌るように構成されている。プレナム154は、入口通路78Aを通って延びるダクト156から延びている。プレナム154およびダクト156の周囲は、クッション71の表面と概ね平行に延びているフランジ158を含んでいる。図2Aを参照されたい。インサート150は、空気がクッション72内に流れ込むのを制限するように構成された耐湿性の独立気泡フォームで形成されることが好ましい。しかし、他の実施形態では、インサート150は、たとえば、成形プラスチックなどの他の材料から形成することが可能である。インサート150のさらなる詳細および追加の実施形態は、2004年5月25日に出願され、内容全体が参照によって本明細書に援用される(incorporated by reference herein)同時係属米国特許出願第10/853779号に記載されている。以下に図2Bを参照して説明するように、変形実施形態では、分散システム76Aはインサート150なしで形成されてもよい。
再び図2Aを参照すると、シート組立体30を通って空気を送るための分散通路82Aを画定するように、カバーまたはスクリム81Aがインサート150の概ね上方に配置されている。スクリム81Aは、分散通路82Aに向かって、および/または分散通路82Aから空気を送る1つまたは複数の開口部84Aを含み、好ましくはシートカバー74を構造的に支持して、各通路82Aに落ち込むのを防ぐ。スクリム81Aは1つまたは複数の熱素子を含むことが好ましく、熱素子はスクリム81A内に、1つまたは複数の開口部84Aに概ね隣接して配置されることが好ましく、シート組立体30に隣接する空間の温度を変化させるように構成されている。以下により詳しく説明するように、図示の実施形態では、各熱素子160Aは、シート組立体を通って送られる空気を加熱することと、各熱素子160Aに隣接するシート組立体の一部を加熱することとのいずれか一方または両方を行うのに使用される。
各熱素子160Aは、たとえば抵抗ヒータ(たとえば抵抗線、炭素繊維系発熱素子、および炭素含浸シート)と、化学反応ヒータと、熱交換器と、ペルティエ熱電デバイスのうちの少なくとも1つなど、温度を変化させる様々なデバイスのうちのいずれを有してもよい。各熱素子160Aは、スクリム81Aを形成するように布や発泡体などと組み合わせて使用されてもよい。別の実施形態では、各熱素子160Aは、スクリム81Aに結合されてもよく、あるいはスクリム81Aの概ね近くに配置されてもよい。図示の実施形態では、スクリム81Aは、スクリム81Aとインサート150との間の漏れを制限し、それによって空気が各開口部84Aを通過して流れるように、フランジ158に取り付けられている。一実施形態では、接着剤を使用してスクリム81Aをインサート150に取り付けている。他の実施形態では、熱かしめ(heat stake)または留め具が使用されてもよい。
引き続き図2Aを参照すると、スクリム81Aとシートカバリング74との間に任意の分散層86Aが配置されている。分散層86Aは、開口部84Aを通って流れる空気をカバリング74の下面に沿って拡散させる。分散層86Aと、背もたれ部34の前面48に近接する空間との間を空気が流れるのを可能にするために、カバリング74は通気性の材料から形成されてもよい。たとえば、一実施形態では、カバリング74は、天然繊維と合成繊維のいずれか一方または両方で作られた通気性の布を含む。別の実施形態では、カバリング74は、皮革、または小さい開口部もしくは孔が設けられた皮革状材料から形成されている。変形実施形態では、分散層86Aは省略されてもよく、あるいはシートカバリング74とスクリム81Aのいずれか一方または両方と組み合わされてもよい。上述のように、スクリム81Aは、空気の通過を可能にするように構成されている。図示の実施形態では、このことは、スクリム81Aに小さい開口部または孔を設けることによって実現される。別の実施形態では、スクリム81A自体と各熱素子160Aのいずれか一方または両方が概ね通気性を有していてもよい。
図2Bおよび図3を参照すると、シート組立体30のシート部32には、シート分散システム76Bも設けられている。シート分散システム76Bは、シートクッション72の頂部側68から底部側70まで延びている入口通路78Bを有している。背もたれ分散システム76Aと同様に、シート分散システム76Bは、入口通路78Bから延びる、少なくとも1つ存在する、多くの場合は複数存在する流路80Bも含んでいる。これらの流路80Bは上述のように構成されてもよい。
シート分散システム76Bでは、クッション72の流路80Bを形成する部分は、各流路80Bを通って流れる空気がクッション72内にそれほどしみ込まないように構成されたコーティング、スキン、または他の材料による処理と被覆のいずれか一方または両方を施されることが好ましい。別の実施形態では、クッション72は、空気がフォーム内をそれほど流れないようにする密なフォームから形成されてもよい。それに加えて、あるいはその代わりに、シート分散システム76Bは、 図2Aおよび図3Aを参照して上に記載されたようにインサートまたはライナを含んでもよい。
各流路80Bは、空気をシート組立体30内を通して送るための各分散通路82Bを画定するようにスクリムまたはカバー81Bによって覆われている。スクリム81Bは上述のように構成されることが好ましい。したがって、スクリム81Bは、熱素子160Bと、分散通路82Bに向かって、および/または分散通路82Bから空気を送るための1つまたは複数の開口部84Bとを含んでいる。上述のように、スクリム81Bは、スクリム81Bとクッション72との間の漏れを制限するようにクッション72に取り付けられることが好ましい。分散層86Bは、任意に、スクリム81Bとシートカバリング74との間に配置される。上述のように、変形実施形態では、分散層86Bを省略するか、あるいはシートカバリング74とスクリム81Aのいずれか一方または両方と組み合わせることが可能である。さらに、カバリング74と同様に、スクリム81A自体が、図示の実施形態に示されているように、概ね通気性を有することと、小さい開口部または孔84Bを備えることのいずれか一方または両方が施されるように構成されてもよい。
以下により詳しく説明するように、熱素子160A、160Bは、シート組立体30の乗員に隣接する空間または乗員に隣接するシートの部分における温度を変化させる(たとえば上昇させる)のに使用される。熱素子160A、160Bは、分散システム76A、76B内に生成される流体の流れと組み合わされて使用されることが好ましい。後述のように、熱素子160A、160Bが流体の流れと組み合わされて使用されるとき、空気は、熱素子160A、160Bがその温度を変化させる前に調節されてもあるいは調節されなくもよい。たとえば、一実施形態では、(加熱することのできる)空気は、入口通路78A、78Bを通して分散通路82A、82Bに送られる。次いで、空気は開口部84A、84Bを通過して分散層86A、86Bに流入する。次いで、空気はカバリング74を通して背もたれ部34の前面48とシート部32の頂面のいずれか一方または両方に隣接する空間に送られる。別の実施形態では、環境制御システム36は、背もたれ部34の前面48とシート部32の頂面のいずれか一方または両方に隣接する空気を除去するのに使用される。そのような実施形態では、空気は、カバリング74を通して分散層86A、86B内に引き込まれる。次いで、空気は開口部84A、84Bを通して分散通路82A、82B内に引き込まれ、入口通路78A、78Bを通過する。このようにして、分散システム76A、76Bを通じて、引き込みと供給のいずれか一方または両方が行われた空気を使用して、熱素子160A、160Bの補助と強化のいずれか一方または両方が行われてもよい。一実施形態では、熱素子160A、160Bはカバリング74および他の材料層を通る伝導を介して乗員を温める。そのような実施形態では、流体の流れは、熱素子160A、160Bによって発生させられた熱を対流を介して乗員に伝達することによっても、熱素子160A、160Bを強化することができる。
当業者には、空気をカバリング74に沿ってクッション72を通って分散させるという目的があるとすると、背もたれ部34およびシート部32用の分散システム76A、76Bをいくつかの異なる方法で修正してもよいことが認識されよう。たとえば、流路80A、80Bと開口部84A、84Bのいずれか一方または両方の形状と数のいずれか一方または両方が修正されてもよい。他の実施形態では、スクリム81A、81Bと分散通路82A、82Bのいずれか一方または両方が、同様の機能が得られるように構成された他の構成要素との組合せと交換のいずれか一方または両方が行われてもよい。他の実施形態では、分散システム76A、76Bまたはそれらの一部が互いに組み合わされてもよい。さらに、背もたれ部34およびシート部32の分散システム76A、76Bの様々な特徴が互いに、組合せと交換のいずれか一方または両方が行われてもよい。
図4は、温度調節システム36の概略図である。図示の実施形態では、温度調節システム36は、上述の熱素子160A、160Bと分散システム76A、76Bとを含んでいる。システム36は、バック流体モジュール92Aとシート流体モジュール92Bとをさらに含む。後述するように、2つの流体モジュール92A、92Bがいずれも、上述の分散システム76A、76Bからの流体の供給と除去のいずれか一方または両方と、分散システム76A、76Bへの調節された空気(たとえば加熱された空気)の供給との、いずれか一方または両方を行うように構成されている。このようにして、流体モジュール92A、92Bは、上述の熱素子160A、160Bによって生成された熱を強化または補助するのに使用することができる流体の流れを、シート組立体30から、および/またはシート組立体に供給する。
図示の実施形態では、流体モジュール92A、92Bの各々は、デバイス94A、94Bを通って流れる流体を調節する(たとえば、選択的に加熱または冷却する)熱電デバイス94A、94Bを含むことが好ましい。好ましい熱電デバイス94A、94Bは、当該技術分野で公知のペルティエ熱電モジュールである。図示の流体モジュール92A、92Bは、熱エネルギーを、モジュール92A、92Bを通って流れる流体から分散システム76A、76Bに伝達するかあるいは流体から除去する主熱交換器96A、96Bも含むことが好ましい。そのような流体は、導管98A、98Bを通して分散システム76A、76Bに移送される(2004年10月25日に出願され、参照によって本明細書において援用される米国出願第10/973947号を参照されたい)。図示の実施形態では、モジュール92A、92Bは、熱電デバイス94A、94Bから延びており主熱交換器96A、96Bと概ね向かい合う廃熱交換器100A、100B(図4参照)も含むことが好ましい。主熱交換器96A、96Bと廃熱交換器100A、100Bのいずれか一方または両方を介して流体を送るために、ポンピングデバイス102A、102Bが各流体モジュール92A、92Bと組み合わされることが好ましい。ポンピングデバイス102A、103Bは、たとえば、軸流送風機とラジアルファンのいずれか一方または両方などの電動ファンまたは電動送風機を有してもよい。図示の実施形態では、単一のポンピングデバイス102A、102Bが主熱交換器96A、96Bと廃熱交換器100A、100Bの両方に使用されてもよい。しかし、別個のポンピングデバイスが廃熱交換器100A、100Bおよび熱交換器96A、96Bと組み合わされてもよいと考えられる。
上述の流体モジュール92A、92Bが、分散システム76A、76Bに供給される空気の移動と調節のいずれか一方または両方を行うのに使用される場合があるデバイスの例示的な1つの実施形態のみを表していることを理解されたい。調節済みの空気の移動と供給のいずれか一方または両方を行うために、異なる構成の様々な流体モジュールのうちのいずれが使用されてもよい。使用可能な流体モジュールの他の例は、参照によって本明細書に援用される米国特許第6223539号、第6119463号、第5524439号、第5626021号に記載されている。そのような流体モジュールの別の例は現在、Gentherm Incorporated(旧Amerigon,Inc.)によってMicro-Thermal ModuleTMの商標で市販されている。別の例では、流体モジュールは、空気の温度を調節する熱電デバイスと廃熱交換器のいずれか一方または両方を持たないポンプデバイスを有していてもよい。そのような実施形態では、ポンピングデバイスが空気を移動するかまたは分散システム76A、76Bに供給するのに使用されてもよい。さらに別の実施形態では、流体モジュール92A、92Bは、1つまたは複数の構成要素(たとえば、ポンピングデバイス、熱電デバイスなど)を互いに共有することと、乗物の全体的な環境制御システムと共有することとのいずれか一方または両方を行ってもよい。別の実施形態では、両方の分散システム76A、76Bに空気を供給するのに単一の流体モジュールが使用される。
動作時には、空気の形態の流体を流体モジュール92A、92Bから導管98A、98Bを通して、対応する分散システム76A、76Bに供給することができる。上述のように、空気は、通路82A、82Bを通って開口部84A、84Bに流入し、次いで分散層86A、86Bに沿って流れ、カバリング74を通過する。このようにして、調節済みの空気または未調節の空気を、背もたれ部34の前面48とシート組立体の頂面50のいずれか一方または両方に供給することができる。上述のように、シート組立体に供給された空気は、熱素子160A、160Bを強化または補助してもよい。
変形実施形態では、自動車の乗員室内からの空気をカバリング74を通して分散層86A、86B内に引き込み、開口部84A、84Bを通過させることができる。次いで、空気は分散通路82A、82Bを通って入口通路78A、78Bに流入し、次いで導管98A、98Bに流入することができる。このようにして、温度調節システム36は、シート組立体30の表面付近の空気が除去されるように吸引を行うことができる。上述のように、シート組立体30から除去された空気は、熱素子160A、160Bを強化または補助してもよい。
次に、温度調節システム36用の例示的な制御システム104について、引き続き図4を参照して説明する。図示のように、制御システム104は、環境制御システム36のユーザが環境制御システム36に関する制御設定モードまたは設定モードを実行できるようにするためのユーザ入力デバイス106を含んでいる。制御設定は、特定の温度設定(たとえば、65度)、より一般的な温度設定(たとえば「高温」または「低温」)と、ポンピングデバイスに関する設定(たとえば「高」、「中」、または「低」)のうちのいずれか一方または両方を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポンピングデバイスは、3つの設定値ではなく温度設定に基づいて最適化レベルに設定することも可能である。入力デバイス106は、所望の構成に応じて、たとえば、ダイアル、ボタン、レバー、スイッチ、別のデバイスからのシリアル通信などの、様々な入力デバイスのうちのいずれを含んでもよい。ユーザ入力デバイス106は、制御設定の視覚的または聴覚的表示を実現するユーザ出力を含んでもよい(たとえばLEDディスプレイ)。
引き続き図4を参照すると、入力デバイス106は制御モジュール110に動作可能に接続されている。制御モジュール110は、背もたれ部34およびシート部32用の流体モジュール92A、92Bのポンピングデバイス102A、102Bおよび熱電デバイス94A、94Bに、動作可能に接続されている。制御ユニット110はまた、制御線(不図示)を通して熱素子160A、160Bに動作可能に接続されている。熱電デバイス94A、94などによって調節された流体の、熱電デバイス(たとえばその構成要素)の温度を測定する温度センサ112、114が設けられている。温度センサ112、124はまた、シート制御モジュール110に動作可能に接続されている。温度センサ(不図示)は、好ましくは熱素子160A、160Bの近くにあるいは熱素子160A、160Bに近接して配置され、制御モジュール110にも動作可能に接続されてもよい。
図示の実施形態では、制御モジュール110は、電源114および接地源116に動作可能に接続されており、前述のデバイス(92A、92B、112、124、160A、160B)のうちの1つまたは複数、あるいはすべてを動作させるのに十分な電気容量を供給する適切な電気制御ユニットを含む。いくつかの実施形態では、シート制御モジュール110は、入力デバイス106から乗員の入力を受け取り、温度センサ112、114から温度情報を受け取るように構成されたコントローラも有している。この情報から、シート制御モジュール110は、乗員の快適さを確保しシステムを損傷から保護するように構成された所定の論理に従って、熱素子160A、160Bと、熱電デバイス94A、94Bと、流体ポンプ102A、102Bのうちの少なくとも1つの動作を調整するように構成されている。
当業者には、シート制御モジュール110が、配線接続(hard-wired)されたフィードバック制御回路、専用プロセッサ、または本明細書に記載されたステップおよび機能を実行するように構成することができる任意の他の制御デバイスを有することが可能であることが理解されよう。さらに、制御モジュール110内のコントローラは、必要に応じて部分構成要素と組み合わされてもあるいは部分構成要素に分割されてもよい。たとえば、制御モジュール110を、背もたれ部34を調節する第1のモジュールと、シート部32を調節する第2の制御モジュールとに分割すると有利である場合がある。たとえば、2005年1月31日に出願され参照によって本明細書に援用される米国特許出願第10/047077号を参照されたい。別の実施形態では、熱素子160A、160Bと流体モジュール92A、92Bとに別個の制御モジュールを設けてもよい。さらに、制御システム104が、環境制御システム36の動作を制御するシステムの1つの例示的な構成を表すに過ぎないことを理解されたい。当業者には、本明細書の開示を考慮して、制御システム104の様々な他の構成が認識されよう。さらに、制御モジュール110の1つまたは複数の構成要素が、流体モジュール92A、92Bの一方または両方の内部あるいは別個の位置などの様々な位置に配置されてもよい。
様々な構成要素が制御ユニットに「動作可能に接続されている」と記載されている。これは物理的接続(たとえば電気配線またはハード的な配線回路)および非物理的接続(たとえば無線または赤外線の信号)を含む広義の用語であることを理解されたい。「動作可能に接続されている」が直接接続と、(たとえば追加の中間デバイスを介する)間接接続を含むことを理解されたい。
制御モジュール110は、場合によっては、乗物のイグニッションがオンにされたかどうかを示す信号を乗物の制御デバイス118から受信するように構成されてもよい。このように、シート制御モジュール110は、乗物のエンジンが動作している場合にのみシステム36の動作を可能にするように構成されてもよい。
制御モジュール110は、様々な電子構成要素とコンピュータ構成要素のいずれか一方または両方を含んでいてよい。「制御モジュール」という用語は、本明細書では、コードを実行するプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ハード的に配線されたフィードバック制御回路、上述の機能を実現する他の適切な構成要素、または上記のいくつかもしくはすべての組合せを含むか、それらの一部であるという意味で用いることができる。制御モジュール110は、制御ユニットによって実行されるコードを記憶する(共有、専用、またはグループの)メモリをさらに有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、制御モジュール110は、マイクロプロセッサと、メモリストレージと、制御論理を実行するためのプログラムとを含んでもよい。第1の制御モジュール6は、いくつかのセンサから入力を受信し、そのような入力に基づいてシステムの様々な動作パラメータを調整してもよい。任意の適切な制御アルゴリズムが実施されてもよい。制御モジュール110は、温度センサまたは小形コンプレッサや伝熱デバイスなどの様々なセンサおよびデバイスの少なくとも一つに結合されてもよく、いくつかの構成要素への熱出力を調整できる。いくつかの実施形態では、制御モジュール110は、たとえば、乗物のコントローラエリアネットワーク(CAN)バスを介して乗物の様々な動作を制御する乗物の電子制御ユニットまたはモジュールの近くに位置するかあるいは該電子制御ユニットまたはモジュールの一部であってもよい。本明細書では、制御モジュール110と結合されてもよい様々なセンサおよびデバイスのさらなる詳細について説明する。
一実施形態では、熱素子160A、160Bが作動させられ、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50を加熱する。熱素子160A、160Bが作動させられている間、流体モジュール92A、92Bは、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50に流体の流れを供給することができる。流体流は調節されなくてもよく(たとえば加熱されない)、そのような実施形態では、各熱素子から背もたれ部34およびシート部32の表面48、50への熱の対流を推進することによって熱素子160A、160Bを強化することができる。別の実施形態では、熱電デバイス94A、94Bが作動させられている間、流体モジュール92A、92Bが背もたれ部34およびシート部32の表面48、50に加熱された空気を供給する。このようにして、流体モジュール92A、92Bは、熱素子160A、160Bによってもたらされる加熱効果を補助し強化する。さらに別の実施形態では、熱素子160A、160Bは、第1の期間または初期期間の間、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50を主として伝導によって加熱するのに使用される。第1の期間または初期期間の後に、流体モジュール92A、92Bは、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50に調節済みの空気または未調節の空気を供給することが可能である。
上述の実施形態はいくつかの利点を有する。たとえば、特に寒い条件では、流体モジュールによって供給される加熱された空気を使用するだけではシート組立体を顕著に加熱するのに長い時間がかかる場合がある。上述の実施形態では、熱素子160A、160Bは、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50の近くに配置されているので、伝導を介して直ちに発熱することができ、この熱をシート組立体30の乗員によって感じることができる。分散システム76A、76Bを通じて供給される空気は、熱素子160A、160Bによって供給される熱を(たとえば対流によって)強化するかあるいは(調節済みの空気を供給することによって)補助することができる。
したがって、一実施形態では、制御モジュール110は、(たとえば、適切に位置するセンサによって判定されるような)特に寒い条件の間、熱素子160A、160Bと、流体モジュール92A、92Bによって供給される加熱された空気の両方を使用するように構成することが可能である。それに加えて、または代替実施形態において、制御モジュール110は、ユーザが高温(たとえば、高または最高)設定を選択したときに熱素子160A、160Bと流体モジュール92A、92Bによって供給される加熱された空気との両方を使用するように構成することが可能である。より低温の設定(たとえば、低と中の少なくとも一方)では、熱素子160A、160Bまたは流体モジュール92A、92Bのみを使用してシート組立体30を加熱することができる。
さらに、いくつかの環境制御システムは、比較的高価であり、したがって、すべての用途に適しているとは限らない。特に、熱電素子94A、94Bは、用途によっては高価すぎる場合がある。そのような用途では、流体モジュール92A、92Bは、熱電素子94A、94Bなしに形成されてもよく、分散システム76A、76Bを通じて単にシート面に空気を供給することとシート面から空気を除去することの少なくとも一方を行うのに使用されてもよい。このように、低コストの環境制御システムが形成される。そのようなシステムでは、熱素子160A、160Bは、シート組立体30の表面を選択的に制御(たとえば加熱)するのに使用される。流体モジュール92A、92Bによって供給される流体の流れを使用して乗員への熱の伝達を強化することと、熱素子160A、160Bを単独で動作させることのいずれか一方または両方が可能である。冷却が必要であるとき、流体モジュール92A、92Bは、シート組立体に空気流を供給するかあるいはシート面から空気を引き込んで冷却効果を生じさせることが可能である。
変形実施形態では、流体モジュール92A、92Bは、分散システム76A、76Bを通じて、シート面に冷却された空気のみを供給することと主として冷却された空気を供給することのいずれか一方または両方を行うように構成された熱電素子を含んでもよい。制御モジュール110は、ユーザが冷房を望んでいるときに、流体モジュール92A、92Bがシート面に冷却された空気を供給するように構成することが可能である。ユーザが暖房を望んでいるときには、熱素子160A、160Bを使用してシート組立体30の表面を選択的に加熱することができる。暖房時には、流体モジュール92A、92Bが流体を供給して乗員への熱の伝達を強化することと、熱素子160A、160Bを単独で動作させることのいずれか一方または両方が可能である。この実施形態では、熱電素子デバイスを冷却機能と加熱機能の両方を実現するように構成する必要がないので、制御モジュール110および流体モジュール92A、92Bを簡略化することができる。
上記において様々な実施形態および動作モードについて説明したが、シート組立体30の様々な部分(たとえば、シート部および背もたれ部)を修正された方法で制御することと、異なる温度設定に調節することのいずれか一方または両方を行ってもよいと考えられる。
図5Aおよび図5Bは、環境制御システムの変形実施形態の分散システム276A、276Bの一部を示している。図5Aおよび図5Bでは、 図2Aおよび図2Bに示されている要素と同様の要素は、図2Aおよび図2Bにおいて使用されたのと同じ参照番号によって示されている。さらに、環境制御システムのいくつかの構成要素のみについて以下に詳しく説明する。詳しく記載されない構成要素については、上記の詳細な説明が参照される場合がある。
上述の実施形態と同様に、環境制御システムは概して、熱素子360A、360Bと、流体モジュール(不図示)と、分散システム276A、276Bとを有している。この実施形態では、発熱体360A、360Bは、空気をシート組立体3を通して送るのに使用される分散通路82A、82Bと入口通路78A、78Bのいずれか一方または両方の概ね内部に、あるいはいずれか一方または両方に概ね近接して配置されている。このようにして、発熱素子360A、360Bは、シート組立体30の表面48、50に供給される空気を加熱するのに使用されてもよい。
図示の実施形態に関して、背もたれ部34用の熱素子160Aは、分散通路82Aを形成するインサート150の部分を少なくとも部分的に形成してもよい。分散通路を通って流れる空気は、熱素子360Aによって加熱され、次いで開口部84Aを通って乗員に供給される。変形実施形態では、熱素子360Aはインサート150の内面または外面に沿って配置されてもよい。
図5Bおよびシート部32に関しては、各熱素子360Bは、シートクッション72内に流路80Bの一部を整列させることと形成することとのいずれか一方または両方を行ってもよい。背もたれ部34と同様に、各熱素子360Bは、通路82Bを通って流れる空気を加熱する。他の実施形態では、各熱素子360Bはクッション72内に配置されてもよい。
したがって、熱素子360A、360Bが概ねシートクッション72内のシートカバー74とシート組立体30の背面56または下面70との間に配置されているので、熱素子360A、360Bは、流体モジュールによってシート組立体30に供給される空気を加熱することができる。変形実施形態では、1つまたは複数の熱素子(不図示)をシートの前面または頂面の近くに、あるいは前面または頂面に隣接して設けることができることを理解されたい。そのような実施形態では、各熱素子を、図2Aおよび図2Bを参照して上記に記載されたようにスクリム81A、81B内に設けることができる。
図6Aおよび図6Bは、分散システム1076A、1076Bの一部と、環境制御システムの他の変形実施形態を示している。図6Aおよび図6Bでは、図2Aおよび図2Bに示されているのと同様の要素は、図2Aおよび図2Bにおいて使用されたのと同じ参照番号によって示されている。さらに、環境制御システムのいくつかの構成要素のみについて以下に詳しく説明する。詳しく記載されない構成要素については、上記の詳細な説明が参照される場合がある。
上述の実施形態と同様に、環境制御システムは概して、熱素子1160A、1160Bと、流体モジュール(不図示)と、分散システム1076A、1076Bとを有している。図6Aを参照すると、この実施形態では、背もたれ部34用の分散システム1076Aは、シートクッション72の概ね背面側56に配置された少なくとも1つであって好ましくは複数の流路1080Aを含んでいる。少なくとも1つであって好ましくは複数の貫通通路1075Aは、各流路1080Aからクッション72の前面側54まで延びている。通路1075Aは、 図2Aおよび図2Bを参照して上記に記載されたような配置と組合せのいずれか一方または両方を実現することができるカバーまたはスクリム81A、分散層86A、およびカバリング74によって覆われている。図示の実施形態では、各熱素子1160Aは、スクリム81A内の各開口部84Aの近くに配置されている。上述のようなインサート1150が各流路1080Aと各通路1075Aのいずれか一方または両方の内部に設けられてもよい。各分散通路82Aを画定し、各分散通路82Aを流体モジュールに連結する、入口1004を有する背面カバリング1002が設けられている。さらに、変形実施形態では、図6Bを参照して以下に記載されているように各流路1080Aまたは各通路1075A内にあるいは各流路1080Aまたは各通路1075Aの近くに1つまたは複数の熱素子(不図示)を設けることができることを理解されたい。
図6Bは、シート部32用の分散システム1076Bを示している。図6Aに示されている背もたれ部34と同様に、分散システム1076Bは、シートクッション72の概ね底部側60に配置された少なくとも1つであって好ましくは複数の流路1080Bを含んでいる。少なくとも1つであって好ましくは複数の貫通通路1075Bが各流路1080Bからクッション72の頂部側54まで貫通している。各通路1075Bは、図2Aおよび図2Bを参照して上記に記載されたような配置と組合せのいずれか一方または両方を実現することができるカバーまたはスクリム81B、分散層86B、およびカバリング74によって覆われている。各分散通路82Bを画定し、各分散通路82Bを流体モジュールに連結する、入口1004を有する底面カバリング1002が設けられている。
この実施形態では、各発熱素子1160Bは、空気をシート組立体30を通って送るのに使用される各流路1080Bと各貫通通路1075Bのいずれか一方または両方によって形成されるような各分散通路82Bの概ね内部にあるいは各分散通路82Bに近接して配置されている。さらに、この実施形態の分散システム1076Bはインサートを含んでいない。しかし、上述のように、シート部およびクッション部32、34用の分散システム1076A、1076Bのいくつかの構成要素および特徴部の交換と組合せのいずれか一方または両方を行ってもよいことを理解されたい。たとえば、シート部32がインサートを含むことと、各熱素子をスクリム内に配置させることとのいずれか一方または両方が可能である。さらに、変形実施形態では、シートの頂面の近くに、あるいは頂面に隣接して、1つ以上の熱素子(不図示)を設けることができることを理解されたい。そのような実施形態では、各熱素子は、図2Bを参照して上記に記載されたようにスクリム81B内に設けることが可能である。
上述のように、一実施形態では、熱素子160A、160Bは、第1の期間または初期期間の後に、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50を主として伝導によって加熱するために使用することが可能である。第1の期間または初期期間の間、流体モジュール92A、92Bは、背もたれ部34およびシート部32の表面48、50に調節済みの空気または未調節の空気を供給するために使用することが可能である。図7は、そのような実施形態において使用することができる制御ルーチンの一実施形態のグラフである。
図7に示されているように、ユーザは制御ユニット110に設定温度を与えることができる。たとえば、ユーザは、各々が設定温度に対応する高設定、中設定、および低設定のうちの1つを選択することができる。別の実施形態では、ユーザはダイアルまたはその他の入力デバイスで温度(たとえば100度)を選択することができる。コントローラ110は、初期期間dの間は、流体モジュール92A、92Bがオフのままであり、熱素子160A、160Bに電力が供給されるように構成されている。好ましい実施形態では、制御遅延は直接制御されない。期間d は、各熱素子が所定の温度に達するのに必要な期間によって決定されることが好ましい。変形実施形態では、この初期期間dの間、流体移送デバイス102A、102Bによってシートに未調節の流体を供給して熱素子160A、160Bによる加熱を強化することができる。各熱素子が規定の温度設定値に達すると、コントローラ110は、(熱電ユニット94A、94Bおよび流体移送デバイス102A、102Bがまだ作動させられていない場合)熱電ユニット94A、94Bおよび流体移送デバイス102A、102Bを作動させることができる。いくつかの実施形態では、各熱素子は、温度しきい値に達したときに停止されてもよい。図示の実施形態では、流体モジュール92A、92Bに供給される電力が増大させられ、熱素子160A、160Bに供給される電力が低減させられる遷移期間がある。この期間の間、熱素子160A、160Bおよび流体モジュール92A、92Bに供給される総電力を実質的に一定に維持すると有利であることがある。特定の期間の後、流体モジュール92A、92Bを使用してシート組立体30が加熱される間熱素子160A、160Bへの電力供給は停止される。
図7の矢印a によって示されているように、コントローラ110は、熱素子160A、160Bが作動させられたときまたは初期期間dの後に、環境制御システム36を始動するように構成することが可能である。期間dは、各熱素子が所定のシート面温度に相当する所定の温度に達するのに必要な期間によって決定される。一実施形態では、期間dは60秒よりも長く、別の実施形態では、期間dは120秒よりも長い。いくつかの実施形態では、流体モジュール92A、92Bは、熱素子160A、160Bがオフにされた後に作動させられる。他の実施形態では、流体モジュール92A、92Bは、(たとえば図7に示されているように)熱素子160A、160Bが依然として電力を供給されている間作動させられる。各熱素子および各熱電デバイスは、シート面と各熱素子との間の熱抵抗と熱損失に起因して、シート面の所の温度よりも高い温度で動作させられる。
上述のように、熱素子160A、160Bは、背もたれ部34とシート部32の表面48、50の近くに配置されているので、伝導を介して直ちに発熱することができ、この熱をシート組立体30の乗員によって感じることができる。このことは、各流体モジュールによって供給される加熱された空気のみを使用してシート組立体を顕著に加熱するには長い時間がかかる場合がある低温条件において特に有利である場合がある。ある期間の後、流体モジュール92A、92Bは、熱素子160A、160Bへの電力供給をオフにできるかあるいは電力供給を著しく低減できるのに十分な量の加熱された空気をユーザに供給する。加熱を行うために熱素子160A、160Bを使用する状態から流体モジュール92A、92Bを使用する状態への移行は、ユーザが移行に気付かないようになされることが好ましい。
[他の制御概念]
いくつかの実施形態によれば、シート(たとえば、乗物用シート、オフィス用椅子、ソファなど)用の環境制御システムは、シート底部またはクッションおよびシートバックの各々について熱素子と流体調節モジュール(すなわち流体モジュール)とを含む。各熱素子は、それぞれのクッションの内部、または調節すべきシート面に隣接する他の支持構造の内部に配置でき、伝熱によってシート面を選択的に加熱する。一例では、各熱素子は、抵抗ヒータマットまたは他の伝導加熱デバイスを含んでいる。流体調節デバイスまたは流体モジュールの各々は、空気を選択的に調節する(例えば加熱と冷却のいずれか一方または両方を行う)調節デバイス(たとえば、熱電デバイスすなわちTED、他の対流式加熱デバイスと対流式冷却デバイスの少なくとも一方など)と、シートに設けられた空気分散システムを通じて表面に調節済みの空気を供給する流体供給デバイス(たとえば送風機、ファン、他の流体移送デバイスなど)とを含んでもよい。流体調節モジュールと流体モジュールという用語は、本明細書では同じ意味に使用される。
環境制御システムは、1つまたは複数の温度センサと1つまたは複数の制御モジュールとをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の温度センサは、熱素子および流体調節モジュールの各々と組み合わされている。各温度センサは、熱素子(たとえば、抵抗ヒータマットまたは他の加熱デバイス)、流体モジュール(たとえば、TEDまたはその構成要素、たとえば、基板、半導体素子、熱交換部材など、流体モジュールハウジングの通路または他の内側部分もしくは外側部分など)、流体モジュールに進入する大気、流体モジュールによって排出された空気、シートの一部(たとえば、クッションまたは他の構成要素)の温度、シートが配置された環境(たとえば、自動車または他の乗物の内部、室内など)内の温度などを測定することができる。各温度センサは、測定温度を示し、したがって、環境制御システムの1つ以上の構成要素によって供給または伝達される熱を示す信号を出力する。いくつかの実施形態では、制御モジュールは、シートクッションおよびシートバックの各表面が、シートの乗員によって設定された様々な温度または設定値(たとえば、設定値温度または温度範囲、低/中/高などの一般的な設定など)に維持されるように、各熱素子と各流体調節モジュールの少なくとも一方の動作を独立して制御する。
いくつかの実施形態では、制御モジュールは、熱素子および流体調節モジュールの各々に関してメモリに記憶することができる別個の制御ルーチンを周期的に実行する。一例では、制御ループは一定の期間であり、各ルーチンは、本明細書において指摘される場合を除いて実質的に同様である。各デバイスの制御ルーチンは、モード制御サブルーチン、加熱モードサブルーチン、および冷却モードサブルーチンを含んでいてよい。制御モジュールは、監視(watchdog)電力低減制御ルーチンをさらに含んでもよい。制御ルーチンの様々な特徴は図8〜図14に図示されている実施形態に示されている。
立上げサブルーチンの一実施形態が図8に示されている。図示のように、いくつかの実施形態では、立上げ802において、制御サブルーチンは最初、熱素子の動作を指示する(804)。いくつかの実施形態では、熱素子804が作動させられると、熱素子の温度が熱素子目標温度810に向かって上昇する(808)。この目標温度810において、オフにされている流体モジュール806を作動させることができる。流体モジュールが作動させられ、動作を開始すると、流体モジュールの温度を(たとえば、流体モジュール目標温度814に向かって)上昇させることができる(812)。いくつかの実施形態では、この時点で、熱素子804をオフになるように(またはより低いレベルで動作するように)指示することができる(816)。いくつかの実施形態では、流体モジュール806は引き続き、温度を所望の設定値温度に維持するように動作する(820)。いくつかの実施形態では、熱素子804が流体モジュール806より迅速に温度を上昇させることができるので、最初に熱素子804を動作させると有利である場合がある。しかし、熱素子804と流体モジュール806の両方を同時に動作させると、電力消費が多くなることがある。したがって、いくつかの実施形態では、(たとえば、熱素子804と流体モジュール806の両方を同時に、連続的または間欠的に動作させることによって)目標温度を実現し、一方、環境制御システムの全体的な電力消費量を特定のしきい値レベル以下に維持するのに制御ルーチンが使用される。
立上げサブルーチンの別の実施形態が図9に示されている。本実施形態では、立上げ902において、制御サブルーチンは最初、熱素子を作動させる(904)。いくつかの実施形態では、熱素子904が動作すると、熱素子の温度が熱素子目標温度910に向かって上昇する(908)。この目標温度910において、最初は停止されている流体モジュール906が作動させられ動作するように指示される。流体モジュール906が動作すると、流体モジュールの温度が、流体モジュール目標温度914に向かって上昇し(912)、引き続き流体モジュール目標温度での動作を維持する(916)。いくつかの実施形態では、この時点で、熱素子が振動と循環と非一定すなわち可変の動作のうちの少なくとも1つを実行するように指示される(922)。そのような可変(たとえば振動)の動作のモードの間、熱素子904の温度を熱素子最高目標温度920と熱素子最低目標温度924との間に維持するように熱素子904のオンとオフを切り替える(あるいは低動作レベルと高動作レベルとに変化させる)ことができる。いくつかの実施形態では、熱素子最高目標温度920は、流体モジュール目標温度914から所定の量だけずれていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、この所定の量は摂氏1度から摂氏20度の間であってもよい。いくつかの構成において、熱素子904は流体モジュール906よりも迅速に温度を上昇させることができるので、最初に熱素子904を動作させると有利である場合がある。図9に示されているように熱素子904に振動動作を実行させることによって、電力消費量に関するさらなる利点が実現されてもよい。
流体調節モジュールに関するモード制御サブルーチンの一実施形態を示す流れ図が図10に示されている。いくつかの実施形態によれば、モード制御サブルーチンは、それぞれの設定値温度および測定温度に基づいて動作モード(たとえば加熱モードまたは冷却モード)を判定する。モード制御サブルーチンの初期設定時に(1000)、制御システムはまず、デバイスを判定する(1001)。デバイスが使用可能である場合、モード制御サブルーチンは、図10に示されているように、立上げ時(立上げ制御期間)と、設定値が最初に実現した後の期間の間(設定値制御期間)の動作モードを決定することができる。たとえば、立上げ制御期間1002などの立上げ制御期間の間、モード制御サブルーチンは最初、(決定ブロック1003によって示されているように)測定温度が設定値温度よりも低いときに加熱モードを選択し(1004)、(決定ブロック1003によって示されているように)測定温度が設定値温度よりも高いときに冷却モードを選択する(1006)。いくつかの実施形態では、設定値制御期間1010などの設定値制御期間の間、モード制御サブルーチンは、測定温度が増分スイッチタイマの動作1013の後、(決定ブロック1014によって示されているように)所定の期間(たとえばしきい値時間)の間(決定ブロック1012によって示されているように)設定値温度を所定の量(たとえば温度差すなわち差分Δ)だけ超えたときに、動作を加熱モードから冷却モードに切り替える。測定温度が設定値温度を所定の量だけ超えていない場合、ブロック1015によって示されているようにスイッチタイマはリセットされてもよい。いくつかの実施形態では、設定値制御期間1010などの設定値制御期間の間、モード制御サブルーチンは、増分スイッチタイマの動作1020の後に、決定ブロック1022によって示されているように、所定の期間(たとえばしきい値時間)の間、決定ブロック1018によって示されているように、測定温度が、設定値温度に所定の量(たとえば温度差すなわち差分Δ)を加えた温度よりも低いときに、動作を冷却モードから加熱モードに切り替える。測定温度が設定値温度を所定の量だけ超えた場合、ブロック1026によって示されているようにスイッチタイマはリセットされてもよい。いくつかの実施形態では、シートに熱が加えられている期間の間に設定値を小さくすると、流体調節モジュールが冷却モードで動作することが可能になる。一例として、温度差分(Δ)が摂氏約2℃に等しく、しきい値時間が6秒に等しいことが適切であることが判明している。しかし、他の実施形態では、温度差分(Δ)としきい値時間のいずれか一方または両方の値は、それぞれ摂氏2℃および6秒よりも大きくても小さくてもよい。
いくつかの構成では、図9に示されているように、暖め制御ルーチンは、抵抗ヒータマットの測定温度が設定値温度の所定の温度オフセット内の所定の目標温度に達するまで抵抗ヒータマットのみを動作させる。一例では、設定値温度オフセットは摂氏約20℃である。しかし、他の実施形態では、設定値温度オフセットは、摂氏20℃未満である(たとえば、5〜10℃、10〜15℃、15〜20℃、約5℃未満、上記の範囲内の値など)か、あるいは摂氏20℃を超える(たとえば、20〜25℃、25〜30℃、30〜35℃、35〜40℃、40℃を超える値、上記の範囲内の値など)。オフセットは、シートと流体モジュールの少なくとも一方における可変温度フィードバックと、他の因子のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて変えることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、オフセットはシートが配置された周囲条件(たとえば周囲温度)に少なくとも部分的に基づいて変化する。各冷却制御サブルーチンは、TEDの測定温度と他の測定温度(たとえば調節済みの空気の温度)のいずれか一方または両方が、設定値温度に対応する所定の目標温度に達するまで、流体調節モジュールのみを動作させることができる。一例では、目標温度は設定値温度と等しい。
各設定値制御サブルーチンは、シートクッションおよびシートバックのそれぞれの表面をそれぞれの設定値に維持する、あるいは設定値に近い値に維持するように、シートクッションおよびシートバックの各々における各デバイスを動作させるように協働する。いくつかの実施形態において、各設定値制御サブルーチンには、たとえば、図10に示されているように、冷却モード設定値制御サブルーチンおよび加熱モード設定値制御サブルーチンが含まれる。各冷却モードサブルーチンは、フィードバック制御を使用して調節済みの空気の測定温度を設定値温度の所定の温度内に維持するように流体調節デバイスのみを動作させる。一例では、フィードバック制御は、TEDの測定温度を使用した比例フィードバック制御である。加熱モード設定値制御サブルーチンは、抵抗ヒータマットの測定温度に基づいて、抵抗ヒータマットと流体調節デバイスの両方を単独で動作させることも、あるいは組み合わせて動作させることも可能である。いくつかの実施形態では、測定された抵抗ヒータマットの温度が暖め期間の終了時に初めて目標温度に達したときに、制御は抵抗ヒータマットの動作を中断し、流体調節モジュールの目標温度での動作を開始する。いくつかの実施形態では、制御は、抵抗ヒータマットの測定温度がその目標温度よりも所定の量(たとえば設定値温度差分Δ)だけ低下したときに、抵抗ヒータマットの動作を開始する。一例では、設定値温度差分は摂氏約1℃である。制御は、抵抗ヒータマットがその目標温度に達して、制御が流体調節モジュールの動作を継続させつつ抵抗ヒータマットを停止させるまで、抵抗ヒータマットと流体調節デバイスを同時に動作させてもよい。
いくつかの実施形態によれば、流体調節モジュールは、その冷却モード最適化に起因して、設定値温度よりも低い実現可能な最高目標温度を有する場合がある。設定値温度が最高目標温度よりも高い期間の間に、抵抗ヒータマットの測定温度が低下し始めることがある。
制御システムの様々な特徴が図11〜図17に示されている実施形態に例示されている。これらの実施形態では、抵抗ヒータマットと他の熱素子(たとえば、伝導性加熱デバイスまたは構成要素)のいずれか一方または両方の目標温度は、クッション設定値温度からたとえば摂氏20℃などの所定の量だけずれている。他の実施形態では、目標温度は、クッション設定値温度から摂氏10〜30度、摂氏10〜12度、摂氏12〜14度、摂氏14〜16度、摂氏16〜20度、摂氏20〜25度、または摂氏25〜30度だけずれていてもよい。抵抗ヒータマットの振動動作は、このヒータマットの目標温度と、ヒータマットの目標温度から摂氏1℃だけずれていてもよい最低動作温度との間に生じてもよい。所定の温度オフセットのうちのどれを選択するかは、他の実施形態では異なる場合があるが、ユーザによって検出される温度の量を最小限に抑える温度オフセットを選択することが望ましい。図11および図12に示されているように、抵抗ヒータまたはヒータマットは最初、ヒータマット目標温度まで動作し、この時点で、熱電デバイスを含む流体モジュールがオンにされる。次いで、抵抗ヒータまたはヒータマットは振動動作を開始してシステムの電力消費量をよりうまく最適化する。いくつかの実施形態では、シート環境制御システムの電圧は約12Vに維持される。
図13A、図13Bおよび図14A、図14Bに示されているようないくつかの実施形態では、監視電力低減制御が、デバイスのうちの1つまたは複数を停止させることによって、シート環境制御システムの総電力消費量を制限する。一例では、制御は、両方の抵抗ヒータが動作している期間の間、流体調節モジュールを停止させる。図13Aおよび図13Bは、電力低減制御を伴わないシート環境制御システムの動作を示し、一方、図14Aおよび図14Bは、電力低減制御を伴うシート環境制御システムの動作を示している。図14Aおよび図14Bに示されているように、シートクッションおよびバッククッション内の両方の抵抗ヒータが動作しているときに流体モジュールの熱電デバイスをオフにすると、図13Aおよび図13Bにおいて観測される高電流スパイクがなくなる。いくつかの実施形態では、電力低減制御は、伝導発熱素子、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスによって消費される総電力を測定し、総電力が所定の電力を超えたときに、伝導性発熱体、流体供給デバイス、および対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを停止させる。各発熱素子および流体モジュールによって消費される総電力を測定することによって、消費される電力が所定の電力を超えないように総消費電力を管理することができる。
シート環境制御システムの改良には、スマートフォン(たとえばiPhone)アプリケーションを使用して環境制御シートの制御システムを制御することも含まれる。いくつかの実施形態では、環境制御シート用の制御ユニットは、(たとえば、Bluetooth、Wi-Fi、任意の他のワイヤレスプロトコルなどを使用して)スマートフォンとワイヤレスに通信することができる。したがって、スマートフォンアプリケーションは、環境制御シートのよりカスタマイズされた制御を実現することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、アプリケーションは、ユーザが温度と、温度範囲と、シート組立体のシート底部およびシートバック部の環境のうちの少なくとも1つを個々に制御するのを可能にすることができる。さらに、アプリケーションは、温度と、環境制御システムに含まれるかあるいは環境制御システムと組み合わされたセンサによって取得される他の測定値(たとえば、相対湿度、凝縮物の有無など)とのいずれか一方または両方に関するフィードバック(たとえばリアルタイムフィードバック)を行うことができる。モバイルデバイス(スマートフォンなど)用のアプリケーションは、ユーザに高/中/低の制御設定値を設定することを要求する代わりに、ユーザが、バッククッションまたはシートクッションの一方を加熱し、バッククッションまたはシートクッションの他方を冷却することと、その逆を行うこととを含め、バッククッションとシートクッションのいずれか一方または両方に対する加熱または冷却のレベルを独立して調節するのを可能にしてもよい。スマートフォンアプリケーションは、シート環境制御システムの温度および送風機速度を独立して設定するのをさらに可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、システムが加熱モードで動作しているときに熱電デバイスが発熱するのを可能にするか、あるいはシステムが冷却モードで動作しているときに十分な廃熱を除去するのを可能にするために、送風機制御が使用可能であってもよい。
環境制御システムは、限定はしないが、高速の伝導性発熱、対流式加熱による長期的な快適さ、独立したシートバック制御およびシートクッション制御、閉ループの自動制御的な(インテリジェントな)加熱および冷却制御を含む、従来のシステムに対するいくつかの利点を有している。環境制御システムは、有利には加熱モードと冷却モードの両方において自動車の一般的な電圧範囲内の電圧において動作する、冷却向けに最適化されたTEDも含む。本明細書に開示された各実施形態にはさらなる利益および利点が存在する。
図16〜図17は、各環境制御シート組立体用のこの制御機能に関する実施形態をさらに開示している。上述のように、いくつかの実施形態では、電力低減御サブルーチンによる振動動作によって、加熱時間を短縮でき、電力消費量を最適化または改善できることが望ましい。いくつかの実施形態では、(たとえば、スペーサ布または他の材料の体積を変更すること、マッサージブラダ同士の間に穴または他の開口部を形成すること、フィラーフォームをスペーサ布または他の材料と交換すること、高PPI網状フォームを低PPI網状フォームと交換すること、皮革に張り合わされたフォームを除去してミシン目を開放または露出させること、シートの座骨領域の近くに穴を設けること、A側のフィラーフォームをスペーサ布または他の材料と交換することなどによって)伝導温度調節と対流式温度調節のいずれか一方または両方を強化または改善するのを可能にするために、乗物用シートまたは他のシートに様々な変更が施されてもよい。
開示された各実施形態の説明の補助として、上記では、添付の図について説明するために、上向き、上方、下向き、下方、垂直、水平、上流、および下流などの語を使用した。しかし、図示の各実施形態を様々な所望の位置に配置しかつ様々な所望の位置に配置して方向を定めることができることが理解されよう。
上記の説明において、様々な構成要素が「バック」クッションまたは「シート」クッションと組み合わされるように記載されている。変形実施形態では、バッククッションおよびシートクッションの部分構成要素を入れ替えることと、同様に形成することのいずれか一方または両方を行ってもよいことを理解されたい。さらに他の実施形態では、図示の各実施形態の様々な構成要素を組み合わせることと、たとえば、背もたれ部の頂部および底部などの、シートの様々な領域に適用することとのいずれか一方または両方を行ってもよい。他の各実施形態では、バッククッションおよびシートクッションの各特徴が、たとえば、バックシート組立体および背面シート組立体、または左シート組立体および右シート組立体などの、温度を調節すべき乗員領域の様々な領域に適用されてもよい。
本明細書にはいくつかの実施形態および例が開示されているが、本出願は、具体的に開示された各実施形態を超えて、他の代替実施形態と、本発明と変形例と均等実施形態の使用とのいずれか一方または両方に拡張される。また、各実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたは部分組合せが行われてもよく、それらは依然として本発明の範囲内であると考えられる。したがって、開示された各発明の様々なモードを形成するために、開示された各実施形態の様々な特徴および態様を互いに組み合わせるかまたは置き換えることができることを理解されたい。したがって、本明細書において開示された本発明の範囲は、開示された上述の特定の各実施形態に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
本明細書において開示された各実施形態については様々な変更および代替形態が考えられるが、 その特定の例が図面に示され、本明細書において詳しく記載されている。しかし、本発明は、開示された特定の各形態および各方法に限定されるものではなく、逆に、本発明は、上述の様々な実施形態および添付の特許請求の範囲の主旨および範囲内のすべての変形例、均等例、および代替例をカバーするものであることを理解されたい。本明細書に開示された各方法を記載された順序で実施する必要はない。本明細書において開示された各方法は、ユーザによる特定の処置を含むが、明示的な指示であるか暗示的な指示であるかにかかわらず、それらの処置についての第三者による任意の指示を含んでもよい。たとえば、「向ける」または「作動させる」などの処置は、それぞれ「向けることを指示する」または「作動させることを指示する」を含む。本明細書において開示された範囲は、そのあらゆる重なり部分、部分範囲、およびその組合せも包含する。「まで」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「間」などの語は、記載された数字を含む。「約」または「概ね」などの用語の後に続く数字は、記載された数字を含む。たとえば、「約10mm」は「10mm」を含む。「実質的に」などの語の後に続く語または句は、記載された語または句を含む。たとえば、「実質的に平行」は「平行」を含む。
好ましい各実施形態についての上記の説明ではいくつかの新規な特徴を示し、記載し、指摘したが、図示された通りの装置の細部とその用途の様々な省略、置換、および形態の変更が、本開示の主旨から逸脱せずに当業者によってなされてもよいことが理解されよう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によって限定されるべきではなく、上記の説明は、本発明の範囲を限定するのではなく例示するものである。

Claims (32)

  1. 支持面を画定する支持構造を含むシート組立体に隣接する空間の温度を調節する方法であって、
    第1の調節モードまたは期間の間、前記支持面内に位置するか、あるいは前記支持面に沿って位置するか、あるいは前記支持面の下方に位置する伝導性発熱素子を第1の目標温度に達するまで作動させ、それによって支持面を伝導的に加熱することと、
    第2の調節モードまたは期間の間、流体供給デバイスと対流式温度調節デバイスとを含む流体モジュールを、第2の目標温度に達するまで作動させることと、
    加熱された空気を、少なくとも部分的にシートクッション内に形成された分散システムを通じて前記流体モジュールから前記支持面に送って前記支持面に隣接する空間を対流式に加熱することと、
    所望の前記第1の目標温度に達したときに、前記伝導性発熱素子を停止させることと、を含み、
    前記第1の調節モードまたは期間は概して、前記第2の調節モードまたは期間に先行して、または前記第2の調節モードまたは期間と同時に用いられ、
    前記伝導性発熱素子は、前記第2の調節モードまたは期間の間、少なくとも2つの異なるレベルの間を循環するように構成されている、方法。
  2. 前記伝導性発熱素子は、抵抗発熱素子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記伝導性発熱素子は、前記流体モジュールよりも多くの熱エネルギーを生成するように構成されている、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記対流式温度調節デバイスは熱電素子を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記シート組立体は乗物内に配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記シート組立体に隣接する位置の温度が所望の目標温度よりも低くなったときに、制御モジュールを使用して、前記伝導性発熱素子、前記流体供給デバイス、および前記対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを作動させることをさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記伝導性発熱素子を作動させることは、抵抗ヒータを作動させることを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記伝導性発熱素子、前記流体供給デバイス、および前記対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを使用して、前記シート組立体のシートカバリングの概ね下方の空間内で熱を発生させることをさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記伝導性発熱素子、前記流体供給デバイス、および前記対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを使用して、前記シート組立体のシートカバリングの概ね下方でかつ前記シート組立体の前記シートクッションの概ね上方の空間内で熱を発生させることをさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記流体モジュールを作動させる前記ステップは、前記発熱素子が作動させられてから少なくとも60秒後に開始する、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記流体モジュールを作動させる前記ステップは、前記発熱素子が作動させられてから少なくとも120秒後に開始する、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記流体モジュールを作動させる前記ステップは、前記発熱素子が停止された後に開始する、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記伝導性発熱体を作動させる前記ステップと前記流体モジュールを作動させる前記ステップは、実質的に同時に行われる、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記伝導性発熱素子と前記流体モジュールはどちらも、ある期間の間作動させられ、前記期間の間、前記伝導性発熱素子および前記環境制御デバイスに供給される総電流は実質的に一定である、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記シート組立体は、周囲温度がしきい値温度よりも低い場合、前記第1の調節モードまたは期間と前記第2の調節モードまたは期間の両方において同時に動作するように構成され、
    前記シート組立体は、前記周囲温度が前記しきい値温度よりも高い場合、前記第1の調節モードまたは期間と前記第2の調節モードまたは期間のうちの一方において動作するように構成されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記シート組立体は、前記第1の調節モードまたは期間と前記第2の調節モードまたは期間が互いに同時に行われているときに、前記周囲温度が前記しきい値温度よりも高くなった場合は、前記第1の調節モードまたは期間と前記第2の調節モードまたは期間との間の循環動作を開始するように構成される、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記伝導性発熱素子、前記流体供給デバイス、および前記対流式温度調節デバイスによって消費される総電力を測定することと、
    前記総電力が所定の電力を超えたときに、前記伝導性発熱素子、前記流体供給デバイス、および前記対流式温度調節デバイスのうちの少なくとも1つを停止させることと、をさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. フィードバック制御を使用して環境制御シート組立体の温度を調節する方法であって、
    前記シート組立体の所望の動作設定に関する指示を乗員から受け取ることと、
    少なくとも1つの温度センサを使用して前記シート組立体において行われる温度調節のレベルに関連する温度を検知することと、
    前記所望の動作設定および前記検知された温度を制御モジュールに供給することであって、前記制御モジュールが、前記所望の動作設定および前記検知された温度に基づいて前記シート組立体に隣接する空間の温度を調節するように発熱素子および流体モジュールを選択的に管理するように構成され、前記流体モジュールが、流体移送デバイスと熱電デバイスとを有することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記発熱素子、前記流体移送デバイス、および前記熱電デバイスのうちの少なくとも1つを作動または停止させることと、を含み、
    前記発熱素子は、前記シート組立体の支持面の近くに配置され、前記支持面を伝導的に加熱するように構成され、
    前記流体モジュールが、加熱されるかまたは冷却された空気を前記シート組立体のシートクッション内に少なくとも部分的に形成された流体分散システムを選択的に通過させて、前記支持面に隣接する空間を対流式に加熱または冷却するように構成され、
    前記制御モジュールは、前記発熱素子、前記流体移送デバイス、および前記熱電デバイスのうちの少なくとも1つを選択的に作動または停止させて、前記所望の動作設定を維持するようになっており、
    前記制御モジュールは、乗物の点火システムの状況を示す信号を受信するように構成され、前記点火システムがオンにされたときに前記発熱素子、前記流体移送デバイス、および前記熱電デバイスのうちの少なくとも1つを作動させるようになっている、方法。
  19. クレーム制御シート組立体の前記所望の動作設定は、一般的な温度設定に対応する、請求項18に記載の方法。
  20. クレーム制御シート組立体の前記所望の動作設定は、特定の温度または温度範囲に対応する、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記シート組立体は、シートバック部とシートボトム部とを有し、前記シートバック部の前記所望の動作設定は、前記シートボトム部の前記所望の動作設定とは異なる、請求項18から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. フィードバック制御を使用して環境制御シート組立体の温度を調節する方法であって、
    前記シート組立体の所望の動作設定に関する指示を乗員から受け取ることと、
    少なくとも1つの温度センサを使用して前記シート組立体において行われる温度調節のレベルに関連する温度を検知することと、
    前記所望の動作設定および前記検知された温度を制御モジュールに供給することと、
    前記制御モジュールを使用して前記シート組立体に隣接する空間の温度を調節するように発熱素子および流体モジュールを選択的に管理することであって、前記流体モジュールが流体移送デバイスと熱電デバイスとを有することと、
    前記検知された温度が所望の設定値温度よりも低いときに、前記発熱素子と前記流体モジュールの少なくとも一方を加熱動作モードで動作させることと、
    前記検知された温度が前記所望の設定値温度よりも高いときに、前記発熱素子と前記流体モジュールの少なくとも一方を冷却動作モードで動作させることと、
    前記検知された温度が所定の期間にわたって所望の設定値温度よりも所定の差分だけ高いときに、前記発熱素子と前記流体モジュールの少なくとも一方の動作を加熱動作モードから冷却動作モードに切り替えることと、
    前記検知された温度が所定の期間にわたって前記所望の設定値温度よりも所定の差分だけ低いときに、動作を冷却動作モードから加熱動作モードに切り替えることと、を含む方法。
  23. 前記所定の差分は摂氏2度である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記所定の期間は6秒である、請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記発熱素子は、前記発熱素子の測定温度が所定の目標温度に達するまで単独で動作させられる、請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記所定の目標温度は、前記所望の設定値温度の所定の温度オフセット内である、請求項22から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記所定の温度オフセットは摂氏20度である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記所定の目標温度に達したときに前記発熱素子の動作が中断され前記流体モジュールの動作が開始される、請求項22から27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記発熱素子の動作は中断され、前記流体モジュールは動作している、請求項22から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 環境制御シート組立体であって、
    外面を有するシートクッションと、
    前記シートクッションを通って延びており、入口を有する供給通路と、
    空気を前記シートクッションの前記支持面に沿って分散させるように構成された少なくとも1つの分散通路を有し、前記供給通路と連通する分散システムと、
    前記シートクッションの前記外面の上方に配置されたシートカバリングと、
    前記シートカバリングと前記供給通路の前記入口との間に配置された熱源と、
    前記供給通路の前記入口に動作可能に連結された流体モジュールであって、前記分散システムと前記供給通路との間で空気を移動させるように構成された流体移送デバイスを含む流体モジュールと、
    前記流体モジュールによって移動させられた前記空気を加熱するように構成された熱電デバイスと、
    ユーザによって生成された入力信号を受信したときに、前記熱源、前記流体モジュール、および前記熱電デバイスを第1の調節モードおよび第2の調節モードの一方または両方において動作させ、加熱または冷却された空気を前記シートクッションの前記外面に供給し、前記第1の調節モードと前記第2の調節モードが互いに同時に動作しているときに、周囲温度がしきい値温度よりも高くなった場合は、前記第1の調節モードと前記第2の調節モードとの間の循環動作を開始するように構成された制御システムと、を含む環境制御シート組立体。
  31. 前記制御システムは、前記熱源が停止された後に前記流体モジュールを作動させるように構成されている、請求項30に記載の環境制御デバイス。
  32. 前記制御システムは、前記熱源が停止された後に前記流体モジュールを作動させるように構成されている、請求項29から31のいずれか1項に記載の環境制御デバイス。
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