JP3186164B2 - 座席用空調装置 - Google Patents

座席用空調装置

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JP3186164B2
JP3186164B2 JP01784292A JP1784292A JP3186164B2 JP 3186164 B2 JP3186164 B2 JP 3186164B2 JP 01784292 A JP01784292 A JP 01784292A JP 1784292 A JP1784292 A JP 1784292A JP 3186164 B2 JP3186164 B2 JP 3186164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は座席用空調装置に関する
もので、例えば自動車用座席の周囲空間及び座席内を空
調するための空調装置として用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用の空調装置では、エンジ
ンルーム内に開口した外気吸込口より外気を取り入れ、
あるいは車室前方に開口した内気吸込口より車室内空気
を取り入れ、この空気を熱交換器により冷却,加熱し、
車室前方のダッシュパネルに形成さた吹出口より空調空
気を車室に向けて吐出させている。この空調空気は乗員
の数に係わらず車室全体に対流されている。
【0003】また、実開昭60−51115号公報、実
開昭60−163106号公報には、車両用座席に空調
空気の吹出口を複数形成し、空調された空気を車両用座
席の表面から吹き出す空調装置が開示されている。空気
の吸込口は上述の従来例と同様、エンジンルーム内に開
口した外気吸込口あるいは車室前方に開口した内気吸込
口より取り入れており、座席表面より吹き出された空調
空気は先ずは座席近傍を空調するが、その後は車室内全
体を対流し、車室内壁等と熱交換されて温度が上昇した
後、内気吸込口より再吸入されるか、あるいは車室後方
に形成された空気排出口より車室外に排出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例では、ダッシュパネルあるいは座席に形成され
た吹出口より空調空気が車室内全体に吹き出されて対流
しているため、乗員に快適感を与えるに必要な動力以上
の動力が消費されている。これは、本来着座している乗
員の周辺のみ空調できれば、乗員に快適感を与えるのに
は十分であるが、実際には車室内全体を対流しているた
め、最低限必要な動力以上の動力が消費されてしまうの
である。
【0005】また、座席表面に形成された吹出口より空
調空気を吹き出すものでは、乗員が着座した際にその吹
出口が塞がれてしまい、十分に空調空気が吹き出され
ず、空気循環性能が悪化してしまう。さらに、座席を冷
却するために座席内に導いた空気が座席内で滞留してし
まうため、徐々に温まっていったり、逆に、座席を加熱
するために座席内に導いた空気が座席内で滞留して徐々
に冷えていったりして、座席内空調の役割を果たせなく
なってしまう。
【0006】そこで、本発明は上記課題を解決すること
を目的とし、消費動力の低減を図るとともに、吹き出し
た冷気又は暖気を座席内に導いて座席を空調することを
課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために本発明の座席用空調装置は、一端側に形成さ
れた吸込口より座席の周囲空間の空気を導入し、他端側
に形成された吹出口より前記周囲空間に向けて空気を吹
き出すための導風ダクトと、この導風ダクト内に配設さ
れ、前記吸込口より導入された導入空気と熱交換するこ
とによって、この導入空気を冷却または加熱する熱交換
器とを備え、前記吸込口もしくは吹出口の少なくとも一
方口を着座員が着座する着座部近傍に配設し、他方口を
前記周囲空間を介して一方口と対向する位置に配設し、
座席の周囲空間を空調する座席用空調装置において、前
記導風ダクトの内、前記吸込口より前記熱交換器までの
吸込ダクト部の少なくとも一部と、前記熱交換器より前
記吹出口までの吹出ダクト部の少なくとも一部とをそれ
ぞれ前記座席内に配設することにより、前記導入空気及
び前記吹出空気によって前記座席を冷却または加熱し、
さらに、前記吸込ダクト部に導入された前記導入空気
と、前記吹出ダクト部を通過して吹き出される吹出空気
とを熱交換可能に構成したことを特徴とする。
【0008】本発明の座席用空調装置によれば、吹出口
から吹き出された冷気または暖気はその吹出口と対向し
て配置された吸込口に吸い込まれるため、着座している
着座員の周辺のみを集中的に空調することができる。ま
た、吹出口から吹き出された冷気または暖気が座席内に
配設された吸込ダクト部に導入され、この導入空気と、
熱交換器より吹出口までの吹出ダクト部を通過して吹き
出される吹出空気とを熱交換させることにより、座席を
冷却または加熱して温度調整を行うことができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の座席用空調装置を自動車用空調
装置として用いた場合の第1実施例について説明する。
図1は自動車の車室前方を模式的に示した断面図で、天
井106、フロントガラス108等で囲まれた車室空間
126内には着座部50、背もたれ部52、ヘッドレス
ト58とからなる座席が車両の床面114に固定されて
いる。
【0010】背もたれ部52は着座部50に対してその
傾斜角度が任意に調整可能なようにして連結されてお
り、その外形は金属性のフレーム88およびスプリング
84により形成されている。このフレーム88の周囲に
はクッション材56が配され、その表面は皮製、あるい
は布製の表皮54によって覆われている。
【0011】背もたれ部52の上方部には、連接棒11
6を介してヘッドレスト58が上下動可能なように連接
されている。ヘッドレスト58もその表面は表皮57で
覆われ、その内部にクッション材59が詰め込まれてい
る。背もたれ部52内には、後述する第1ダクト62の
吹出側となる第2ダクト66の一部が位置している。こ
の第2ダクト66は、第1ダクト62の吹出側から延出
し、着座部50内部から背もたれ部52内に連続して配
設されている。以下両者の区別をつけるため、着座部5
0内部の第2ダクトを着座部側第2ダクト66aと呼
び、一方、背もたれ部52内部の第2ダクトを背もたれ
部側第2ダクト66bと呼ぶ。この背もたれ部側第2ダ
クト66bは背もたれ部52の下方端から上方端に向か
って延びている。また、着座部側第2ダクト66aと背
もたれ部側第2ダクト66bとの間にはジャバラダクト
部64が形成されている。このジャバラダクト部64は
背もたれ部52の傾斜角度が変化した時に、第2ダクト
66の角度変位を吸収するためのものである。
【0012】なお、着座部側第2ダクト66aは後述す
る着座部導入ダクト221と、背もたれ部側第2ダクト
66bは後述する背もたれ部導入ダクト201とそれぞ
れ熱交換可能にされているが、その構成については後で
詳述する。図2はヘッドレスト58の内部構造を詳細に
示す図である。背もたれ部52の上方より突出した第2
ダクト66の一端はジャバラダクト68に連結され、こ
のジャバラダクト68はヘッドレスト58の芯材124
に連結されている。この芯材124は内部が中空となっ
ており、ダクト機能とヘッドレスト58の芯材機能とを
有している。ジャバラダクト68はヘッドレスト58が
上下に移動した際に、芯材124と第2ダクト66との
相対変位を吸収するためのものである。
【0013】芯材124の上方開放端には第3ダクト7
0が連結されている。この第3ダクト70の連結端には
板バネ122が配されており、この板バネ122が芯材
124の内周面に形成された切欠き128に係合するこ
とによって、第3ダクト70が上下方向に位置調整が可
能なようになっている。
【0014】第3ダクト70はおよそL字状に屈曲して
おり、さらにその先端部にはジャバラ部118が形成さ
れている。そして、その開放端である吹出口72はジャ
バラ部118の屈曲によりその開口方向が乗員の頭上か
ら車両の天井方向まで任意に設定可能となっている。吹
出口72の近傍部には複数の孔が穿設されたパンチメタ
ル120が固定されている。
【0015】これら第1〜第3ダクト62,66,70
は樹脂材料よりなるもので、ダクト壁内に複数の空間部
がダクトの長手方向に延びるように形成されたハニカム
構造をなしている。この空間部によりダクト自体のヒー
トマスが低減され、最大冷房時の冷却時間の短縮化を図
ることができる。また、空間部は断熱作用もなしてお
り、とくに背もたれ部52内に配される第2ダクト66
においては、特に日射より座席自身に与えられる熱、あ
るいは乗員からの熱を遮断する効果が大きい。
【0016】一方、背もたれ部52内のクッション材5
6内部には、背もたれ部導入ダクト201が配置されて
おり、この背もたれ部導入ダクト201の開口端である
第1吸込口203が背もたれ部52の左右両端部に設け
られている。この吸込口203は背もたれ部52の側方
に開口しており、乗員の着座動作に支障のないものとな
っている。
【0017】背もたれ部導入ダクト201及びその背も
たれ部導入ダクト201と熱交換する背もたれ部側第2
ダクト66bを図4を参照して詳しく説明する。まず、
背もたれ部導入ダクト201は2枚の基板部207の間
に複数の直方体部205が挟まれた形状をしており、内
部に格子状の空気通路211が形成されている。基板部
207及び直方体部205は熱伝導率が高い軟質材でで
きている。
【0018】背もたれ部導入ダクト201の下端には開
口部213が形成されており、ジャバラダクト215を
介して後述する分岐ダクト217に連通している。一
方、背もたれ部側第2ダクト66bは、基板部157に
複数の直方体部155が立設されており、基板部157
と背もたれ部導入ダクト201の基板部207とがボル
ト締めされる等して固定されている。そして、図5
(A)に示すように、背もたれ部側第2ダクト66bの
直方体部155が、背もたれ部導入ダクト201の基板
部207に密接することにより格子状の空気通路161
が形成されている。基板部157及び直方体部155は
熱伝導率が低く、乗員による背圧に対し折れ曲がらない
硬質ゴム材料でできている。背もたれ部側第2ダクト6
6bの下端には開口部(図示せず)が形成されており、
上述した着座部側第2ダクト66aとの間のジャバラダ
クト部64に連通している。
【0019】なお、背もたれ部側第2ダクト66bの直
方体部155の、背もたれ部導入ダクト201の基板部
207への密接の仕方は、図5(A)のように両直方体
部155,205が基板部207を挟んで並ぶように配
置するほか、図5(B)のように、両直方体部155,
205をずらして配置させてもよい。また、図5(C)
に示すように、図5(A)における背もたれ部側第2ダ
クト66b側の直方体部155を背もたれ部導入ダクト
201の基板部207と同じ熱伝導率の高い軟質材で一
体成形し、熱伝導率が低い硬質ゴム材料でできた平板1
70に密接させても実施できる。この場合、背もたれ部
側第2ダクト66bの空気通路161の周囲3方は熱伝
導率の高い軟質材となるため、より熱交換がし易くな
る。
【0020】図6は図1の着座部50を矢印A方向から
見た部分断面図である。図6に示すように、着座部50
はその外形がフレーム51によって形成されており、そ
の表面は表皮49で覆われ、その内部にクッション材5
3が詰め込まれている。このクッション材53内部に
は、着座部導入ダクト221が配置されており、着座部
導入ダクト221の開口端である第2吸込口223が着
座部50の左右両端部において上方へ開口している。こ
の第2吸込口223は車両の前後方向に長く、左右方向
に短い長方形状をなしており、乗員の着座動作に支障の
ないものとなっている。
【0021】着座部導入ダクト221及び、その着座部
導入ダクト221と熱交換する着座部側第2ダクト66
aの構成、さらにはそれら両者の配置等は、それぞれ上
述した背もたれ部導入ダクト201及び背もたれ部側第
2ダクト66bと同様であるので説明は省略する。但
し、着座部導入ダクト221には、図6に示すようにジ
ャバラダクト部225が形成されており、乗員が着座し
た際、体重でクッション材53が沈下しても、それに伴
い着座部導入ダクト221も下方への位置調整が可能と
されている。
【0022】また、着座部導入ダクト221に至る途中
で分岐して第4ダクト63に連通されており、この分岐
部分に第1ダンパ250が設けられている。そして、着
座部導入ダクト221側へ吸い込まれる風量と第4ダク
ト63側へ吸い込まれる風量の比率等を調節可能とされ
ている。さらに、着座部導入ダクト221の下流側には
開口部(図示せず)が形成されており、ジャバラダクト
229を介して分岐ダクト217に連通している。そし
て、分岐ダクト217は、着座部導入ダクト221から
の通路と上述した背もたれ部導入ダクト201からの通
路とが合流した後、第4ダクト63に連通している。ま
た、両導入ダクト201,221からの通路の合流部分
には第2ダンパ231が設けられており、両導入ダクト
201,221からそれぞれ吸い込まれる風量の比率等
を調節可能にされている。
【0023】一方、上述した第1ダクト62は着座部5
0と床面114との間の空間に位置し、第1ダクト62
の左右中心位置には電動モータ76で回転駆動されるブ
ロワーファン74が配置されている。このブロワーファ
ン74の回転により吸込口203,223からの空気吸
引力が発生する。
【0024】第1ダクト62内にはブロワーファン74
の後流に従来より公知の冷媒蒸発器78が配置さてお
り、この蒸発器78によって吸込口203,223より
吸入された空気の熱が奪われ冷却される。蒸発器78の
さらに後流には、エンジン冷却水の熱を利用して空気を
加熱するヒータ80が配されている。このヒータの前面
にはヒータを通過する空気量を調整するためのエアミッ
クスダンパ82が回動自在に配されている。
【0025】蒸発器78は従来より公知の冷凍サイクル
の一部をなすもので、図1に示されているように、冷媒
を圧縮する圧縮器90、高温高圧冷媒を冷却する凝縮器
92、凝縮された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する
気液分離器94、分離された液冷媒を膨張させて減圧す
る膨張弁96とが順次冷媒配管によって連結されてい
る。
【0026】ヒータ80はエンジン98とラジエータ1
00とを連結する配管に接続されており、ヒータ80に
流入する高温冷却水の量は流量調整弁104によって制
御されている。また、エンジンよりラジエータに冷却水
を流入させるか否かは、配管中に配設されたサーモスタ
ット102によって制御されている。
【0027】吸込口203,223より吸入された空気
は蒸発器78、ヒータ80によって所望温度に空調され
るが、その空調制御方法は従来公知の方法を用いられて
いる。また、空気を冷却、加熱する手段は上述の蒸発器
78、ヒータ80に限られるものではなく、例えばペル
チェ素子を用いた電気式の熱交換器を用いることも可能
である。
【0028】次に本第1実施例の作動について説明す
る。図示しないファンスイッチおよびエアコンスイッチ
を乗員がオンさせると、ブロワーファン74が回転する
と同時に圧縮器90が駆動される。ブロワーファン74
の吸引力より車室空間126の空気が第1及び第2吸込
口203,223より吸い込まれ、蒸発器78によって
冷却される。蒸発器78の作動は従来より公知の作動で
ある。冷却された空気はエアミックスダンパ82の回度
に応じてヒータ80を通過する空気とヒータ80を迂回
する空気とに振り分けられる。
【0029】ヒータ80は従来より公知の作動をなすも
ので、ヒータ80を通過した空気は所定温度まで加熱さ
れる。ヒータ80によって加熱された空気と、ヒータ8
0を迂回した空気とがヒータ80の後流域で混合されて
所望温度に温度調節され、さらに第2ダクト66を、着
座部側第2ダクト66a、背もたれ部側第2ダクト66
bの順に流れていき、第3ダクト70を介して吹出口7
2より吹き出される。吹き出された空気は乗員の頭部か
ら足元側に向かって流下する。
【0030】そして、吹き出された空調空気は、第1吸
込口203及び第2吸込口223に吸引される。この空
気の流れを図中破線で示す。従来の空調装置では車室空
間126全体を空調していたのに対し、本実施例では座
席近傍の空間のみを空調しており、所謂ゾーン空調をな
している。
【0031】また、第1吸込口203より吸い込まれた
空調空気は、背もたれ部52内のクッション材56内部
に配置された背もたれ部導入ダクト201に導入され
る。格子状の空気通路211を空調空気が通ることによ
り、熱伝導率が高い軟質材でできた基板部207及び直
方体部205を介して、例えば、その空調空気が冷房用
の冷却空気の場合には背もたれ部52自体を冷却するこ
とができる。
【0032】そして、その際、隣接する背もたれ部側第
2ダクト66bの格子状の空気通路161内には、吹出
口72から吹き出す前の空調空気が流れている。この空
調空気は、背もたれ部導入ダクト201の基板部207
に接しているので、この基板部207を介して、背もた
れ部導入ダクト201側の空気通路211に導入された
空気と熱交換をする。
【0033】例えば、冷房の場合には通常吹き出す前の
空調空気、即ち、背もたれ部側第2ダクト66bの空気
通路161内を通過している空気の方が冷たいため、背
もたれ部導入ダクト201に導入した空気だけで冷却す
るよりは背もたれ部52を速く冷却できる。逆に、背も
たれ部側第2ダクト66bの空気通路161内を通過し
ている空気だけ冷却すると冷たすぎる場合にも、背もた
れ部導入ダクト201内の少し温まった導入空気と熱交
換することにより、微妙な調整が可能となる。
【0034】なお、背もたれ部導入ダクト201を通過
した空気は開口部213より排出され、ジャバラダクト
215を介して分岐ダクト217に流れ込む。一方、第
2吸込口223より吸い込まれた空調空気は、着座部5
0内のクッション材53内部に配置された着座部導入ダ
クト221に導入される。上述の背もたれ部導入ダクト
201及び背もたれ部側第2ダクト66bの場合と同様
に、着座部導入ダクト221内に導入された空気と、着
座部側第2ダクト66aを通過する空気とで熱交換がな
される。その結果、例えば冷却空気であれば着座部50
自体を冷却することができる。着座部導入ダクト221
を通過した空気は、開口部(図示せず)より排出され、
ジャバラダクト229を介して分岐ダクト217に流れ
込む。
【0035】分岐ダクト217において、着座部導入ダ
クト221からの空気と背もたれ部導入ダクト201か
らの空気とが合流して第4ダクト63に流れ込み、第1
ダクト62に戻される。このように、着座部50内部に
配置した着座部側第2ダクト66aを通る吹き出す前の
空調空気と、吹き出された後再度着座部導入ダクト22
1に導入した空気とで熱交換して調整しながら着座部5
0を空調する。また、背もたれ部52内部に配置した背
もたれ部側第2ダクト66bを通る吹き出す前の空調空
気と、吹き出された後再度背もたれ部52内に導入した
空気とで熱交換して調整しながら背もたれ部52を空調
することができる。
【0036】従って、周辺空気だけでなく乗員が着座し
ている座席自身を空調することにより、より快適な空調
を行うことができる。加えて、第1及び第2ダンパ25
0,231の開度を調整することによって、背もたれ部
導入ダクト201、着座部導入ダクト221からそれぞ
れ吸い込まれる風量を調節することができ、着座部側第
2ダクト66a、あるいは背もたれ部側第2ダクト66
bを通る吹き出す前の空調空気との熱交換の比率を調整
することができる。例えば、背もたれ部52側を重点的
に冷却し、着座部50をやや高目の温度に保つ等、微妙
な空調が可能となる。
【0037】本発明者等の検討結果によれば、フィーリ
ングテストにより、背もたれ部52の表面温度は26〜
28℃程度が快適であることが判った。一方、着座部5
0を冷却し過ぎると逆に不快感が生じることも判ったの
で、例えば、真夏時の室温30℃以上といった状態の場
合には、背もたれ部導入ダクト201に導入する空気量
を調整して背もたれ部52側は冷却度合を強くし、ある
程度時間が経って、車内が全体的に冷却された後は、着
座部導入ダクト221へ導入する空気量を調整して着座
部50を冷やし過ぎない等の各種調整を行なうとよい。
【0038】さらに、吹出口72は座席の上方、背もた
れ部導入ダクト201への第1吸込口203及び着座部
導入ダクト221への第2吸込口223は共に座席の両
端部に設けられており、乗員が着座した際にその吹出口
72や吸込口203,223が塞がれてしまうことはな
い。従って、空気循環は良好であり、座席を冷却するた
めに座席内に導いた空気が座席内で滞留してしまうこと
もなく、良好な座席内空調を実現することができる。
【0039】また、吹出口72と吸込口203,223
とが対向して設けられているため、冷風回収効率が良
い。すなわち、冷気は乗員近傍の冷房に大部分使用さ
れ、他の部分を冷房するために使用される量は比較的少
なく消費動力の低減を図ることができる。この点につい
ては本願出願人による特願平3−299276号に詳し
く記載されているのでここでは省略する。
【0040】なお、上述した実施例では吹出口72を吸
込口223より上方に配置し、吹き出し風が流下する構
成としたが、例えば、図1に示される吸込口223より
空調空気を吹き出させ、吹出口72より空気を吸い込ま
せる構成としても良い。この場合には、ブロワーファン
74、蒸発器78、ヒータ80の配置順が図1に示され
るものとは逆順になる。この様な構成は、特に暖房を主
目的にした空調を行う場合に適している。
【0041】次に、第2実施例について説明する。図7
(A),(B)に示すように、基板部301に複数の直
方体部303が立設された第1ダクト部材305と、同
じく基板部311に複数の直方体部313が立設された
第2ダクト部材315とを、第1ダクト部材305の直
方体部303が、第2ダクト部材315の基板部311
に当接するように重ね合わせてある。これら第1及び第
2ダクト部材305,315は熱伝導率が低い硬質ゴム
材料でできており、両者はボルト締めされる等して互い
に固定されている。
【0042】さらに、2層になった熱伝導率の高い冷熱
シート321が第2ダクト部材315の直方体部313
に接着してあり、冷熱シート321と第2ダクト部材3
15とにより形成される空間が背もたれ部導入ダクト2
01の吸込用空気通路317となる。一方、第2ダクト
部材315と第2ダクト部材305とにより形成される
空間が背もたれ部側第2ダクト66bの吹出用空気通路
307となる。
【0043】そして、図7(C)に示すようなT字状の
金属プレート323が、その頭部323aは2層の冷熱
シート321の間に挟まれ、胴体部323bは吸込用空
気通路317、さらには第2ダクト部材315の基板部
311を貫通して吹出用空気通路307にまで至るよう
に配置されている。この金属プレート323は、熱伝導
率の高い銅、アルミ等の材料でできている。
【0044】したがって、本第2実施例によれば、吹出
用空気通路307内を流れている、吹出口72から吹き
出す前の空調空気と、吹き出された後、背もたれ部導入
ダクト201に導入して吸込用空気通路317内を流れ
ている空気とが、金属プレート323を介して熱交換
し、金属プレート323の頭部323aによって、直接
冷熱シート321に熱を伝達するため、より効果的な座
席内空調が実現できる。
【0045】次に、第3実施例について説明する。図8
(A),(B)に示すように、硬質ゴム材でできた2枚
の平板状のダクト板401,402、及び2層になった
熱伝導率の高い冷熱シート403が、第1ダクト板40
1、第2ダクト板402、冷熱シート403の順番で平
行に配置され、それら3枚が、波状に形成されたばね部
材405で連結されている。
【0046】ばね部材405は、その一端が第1ダクト
板401に埋設し、中央付近で第2ダクト板402を貫
通し、他端は、2層の冷熱シート403の間に配置され
ている金属プレート407に係合している。冷熱シート
403と第2ダクト板402とにより形成される空間が
背もたれ部導入ダクト201の吸込用空気通路417と
なる。一方、第2ダクト板402と第1ダクト板401
とにより形成される空間が背もたれ部側第2ダクト66
bの吹出用空気通路415となる。
【0047】さらに、ばね部材405は熱伝導率の高い
金属でできており、乗員の背圧を受けて支持すると共
に、吹出用空気通路415内を流れている空調空気と、
吸込用空気通路417内を流れている空気とを熱交換さ
せ、金属プレート407を介して冷熱シート403に熱
を伝達する働きを持つ。
【0048】次に、第4実施例について図9及び図10
を参照して説明する。本第4実施例では、図10
(A),(B)に示すように、平行な複数の溝501が
形成されたダクト部材503に冷熱シート505が接着
されて空気通路が構成されている。一つおきの溝501
と冷熱シート505とにより形成される空間が背もたれ
部導入ダクト201の吸込用空気通路507となる。一
方、残りの1つおきの溝501と冷熱シート505とに
より形成される空間が背もたれ部側第2ダクト66bの
吹出用空気通路509となる。
【0049】そして、図9に示すように、ダクト部材5
03の上下において、吹出用空気通路509のみと連通
する吹出ダクト511が設けられており、残りの吸込用
空気通路507は吸込ダクト513に連通するように配
置されている。従って、本第4実施例によれば、ダクト
部材503は1枚でよく、また吹出用空気通路509内
を流れている空調空気及び、吸込用空気通路507内を
流れている空気が、それぞれ直接冷熱シート505に熱
を伝達することができる。
【0050】また、上述の実施例では一つの座席につい
ての例であったが、二つ以上の座席に対しても、各座席
ごとにブロワーファン74、蒸発器78、エアミックス
ダンパ82、ヒータ80を配置し、圧縮器90、凝縮器
92、気液分離器94、膨張弁96、ラジエータ100
等は共用すればよい。
【0051】さらにまた、日射量を測定する日射センサ
ー、吸込口203,223内には吸い込まれる空気温度
を測定する室内温度センサー、および乗員が所望温度に
設定する温度設定装置等を設け、それらからの入力信号
に基づいてエアミックスダンパ82、あるいは第1、第
2ダンパ250,231の開度を調整するとよい。
【0052】尚、上述のすべての実施例は自動車用の空
調装置として本発明を用いた場合の例であったが、本発
明は自動車用に限定されるものではなく、他の座席の空
調に用いることが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の座席用空
調装置を用いれば、着座している着座員の周辺のみを集
中的に空調することができ、所望温度までの達成時間の
短縮を図ることができると同時に必要冷房能力を低減す
ることができる。すなわち省動力を達成することができ
消費動力の低減を図るとともに、吹出口から吹き出され
た冷気または暖気が座席内に配設された吸込ダクト部に
導入され、この導入空気と、熱交換器より吹出口までの
吹出ダクト部を通過して吹き出される吹出空気とを熱交
換させることにより、座席を冷却または加熱して温度調
整を行うことができ、より良好な空調を実現することが
できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座席用空調装置を自動車用空調装置と
して用いた第1実施例を示す模式的断面図である。
【図2】ヘッドレスト部の詳細を示す断面図である。
【図3】第1実施例の座席の部分断面斜視図である。
【図4】熱交換部分のダクトの断面斜視図である。
【図5】熱交換部分の構成を示す断面図である。
【図6】図1における着座部を矢印A方向から見た部分
断面図である。
【図7】(A)及び(B)は第2実施例の熱交換部分の
構成を示す断面図、(C)は第2実施例に用いられる金
属プレートの斜視図である。
【図8】(A)は第3実施例の熱交換部分の構成を示す
断面図、(B)はその斜視図である。
【図9】第4実施例を示す概略斜視図である。
【図10】(A)は第4実施例の熱交換部分の構成を示
す斜視図、(B)はその断面図である。
【符号の説明】
50…着座部、 52…背もたれ部、 58
…ヘッドレスト、62…第1ダクト、 63…第4
ダクト、 66…第2ダクト、66a…着座部側第2
ダクト 66b…背もたれ部側第2ダクト、70
…第3ダクト、 72…吹出口、 74…ブ
ロワーファン、78…蒸発器、 80…ヒータ、
90…圧縮器、 92…凝縮器、161,211…空
気通路、 201…背もたれ部導入ダクト、20
3…第1吸込口、 221…着座部導入ダクト、 2
23…第2吸込口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−623(JP,A) 実開 昭54−74156(JP,U) 実開 昭56−35407(JP,U) 実公 昭53−52254(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/34 A47C 7/74 B60H 1/32 614

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側に形成された吸込口より座席の周
    囲空間の空気を導入し、他端側に形成された吹出口より
    前記周囲空間に向けて空気を吹き出すための導風ダクト
    と、 この導風ダクト内に配設され、前記吸込口より導入され
    た導入空気と熱交換することによって、この導入空気を
    冷却または加熱する熱交換器とを備え、 前記吸込口もしくは吹出口の少なくとも一方口を着座員
    が着座する着座部近傍に配設し、他方口を前記周囲空間
    を介して一方口と対向する位置に配設し、座席の周囲空
    間を空調する座席用空調装置において、 前記導風ダクトの内、前記吸込口より前記熱交換器まで
    の吸込ダクト部の少なくとも一部と、前記熱交換器より
    前記吹出口までの吹出ダクト部の少なくとも一部とをそ
    れぞれ前記座席内に配設することにより、前記導入空気
    及び前記吹出空気によって前記座席を冷却または加熱
    し、 さらに、前記吸込ダクト部に導入された前記導入空気
    と、前記吹出ダクト部を通過して吹き出される吹出空気
    とを熱交換可能に構成したことを特徴とする座席用空調
    装置。
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