JPH05301516A - 座席用空調装置 - Google Patents

座席用空調装置

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Publication number
JPH05301516A
JPH05301516A JP10677892A JP10677892A JPH05301516A JP H05301516 A JPH05301516 A JP H05301516A JP 10677892 A JP10677892 A JP 10677892A JP 10677892 A JP10677892 A JP 10677892A JP H05301516 A JPH05301516 A JP H05301516A
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JP
Japan
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air
suction port
duct
damper
seat
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Application number
JP10677892A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Takano
義昭 高野
Kazufumi Yomo
四方  一史
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Masahiko Osuga
正彦 大須賀
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば冷房開始時におけるクールダウンが早
く行える等、所望温度までの達成時間の短縮及び必要冷
房能力の低減を図り、省動力化を実現する。 【構成】 背もたれ部52とヘッドレスト58との間に
は短絡用吸込ダクト1が配置され、車両前方に開口する
短絡用吸込口3を備えている。この短絡用ダクト1は第
2ダクト66に連通しており、その連通部分には吸込口
切替ダンパ5が設けられている。吹出口72より吹き出
された空調空気がこの短絡用吸込口3から吸い込まれる
ことによって、着座員の頭部付近が集中して空調され、
また、下方の吸込口60から吸い込まれるよりも短い経
路で回収されるため、クールダウンが早く行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用空調装置に関する
もので、例えば自動車用座席の周囲空間を空調するため
の空調装置として用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用の空調装置では、エンジ
ンルーム内に開口した外気吸込口より外気を取り入れ、
あるいは車室前方に開口した内気吸込口より車室内空気
を取り入れ、この空気を熱交換器により冷却,加熱し、
車室前方のダッシュパネルに形成さた吹出口より空調空
気を車室に向けて吐出させている。この空調空気は着座
員の数に係わらず車室全体に対流されている。
【0003】また、実開平1−150110号公報に
は、後席専用の冷房装置を装備しているキャブオーバー
型車において、シートバックの上部後方に冷気吹出用グ
リルを取り付けると共に、冷房装置から送られた冷風を
グリルに導風するためダクトをシートバックに組み込ん
だ空調配風構造が開示されている。空気の吸込口は上述
の従来例と同様、例えばエンジンルーム内に開口した外
気吸込口あるいは車室前方に開口した内気吸込口より取
り入れ、冷気吹出用グリルより吹き出された空調空気は
先ずは座席近傍を空調するが、その後は車室内全体を対
流し、車室内壁等と熱交換されて温度が上昇した後、内
気吸込口より再吸入されるか、あるいは車室後方に形成
された空気排出口より車室外に排出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例では、ダッシュパネルあるいは座席に形成され
た吹出口より空調空気が車室内全体に吹き出されて対流
しているため、着座員に快適感を与えるに必要な動力以
上の動力が消費されている。これは、本来着座している
着座員の周辺のみ空調できれば、着座員に快適感を与え
るのには十分であるが、実際には車室内全体を対流して
いるため、最低限必要な動力以上の動力が消費されてし
まうのである。
【0005】そこで本発明は、消費動力を低減すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために本発明の座席用空調装置は、座席周囲空間の
空気を導入し、一端側に形成された吹出口より前記周囲
空間に向けて空気を吹き出すための導風ダクトと、この
導風ダクト内に配設され、導入された導入空気と熱交換
することにより、この導入空気を冷却または加熱する熱
交換器とを備え、前記吹出口を着座員が着座する着座部
近傍に配設すると共に、前記周囲空間を介して前記吹出
口と対向する位置に、吸い込んだ空気の少なくとも一部
を前記熱交換器へ導風可能な吸込口を配設した座席用空
調装置であって、前記熱交換器を、前記導風ダクト内の
前記吹出口近傍に配設すると共に、前記熱交換器の上流
側において開閉可能な空調空気短絡用開閉部を前記導風
ダクトに形成し、前記吹出口より吹き出された空調空気
が、該短絡用開閉部から吸い込まれることによって、前
記吸込口から吸い込まれるよりも短い経路で再度導風ダ
クトに回収されるようにしたことを特徴とする。
【0007】本発明の座席用空調装置によれば、導風ダ
クト内に導入された導入空気は、熱交換器によって熱交
換されて冷却または加熱される。そして、吹出口より周
囲空間に向けて吹き出された空調空気は、吹出口と対向
する位置に配設された吸込口に吸い込まれるため、着座
している着座員の周辺のみを集中的に空調することがで
きる。
【0008】また、空調空気短絡用開閉部を開ければ、
吹出口より吹き出された空調空気が主にその短絡用開閉
部から吸い込まれ、吹出口と対向する位置に配設された
吸込口から吸い込まれるよりも短い経路で再度導風ダク
トに回収される。一般的に、例えば冷房開始時において
は、導風ダクト内に溜っている熱気があまり冷却されな
いまま熱風として吹き出され、冷却空気が吹き出される
までにしばらく時間がかかることがある。その場合、本
発明では、吹き出した空気があまり温まらない内に短絡
用開閉部から回収して循環させるため、冷気の短絡効果
が高まり、冷房開始時におけるクールダウンが早く行え
る。もちろん、クールダウンが終了したら短絡用開閉部
を閉じ、吹出口から吹き出され対向位置の吸込口に吸い
込まれる空調空気によるいわゆるベール空調を行うこと
もできる。
【0009】なお、冷房に限らず、暖房開始時にも、吹
き出した空気があまり冷えない内に短絡用開閉部から回
収して循環させるため、暖気の短絡効果が高まり、同様
にウォームアップが早く行える。また、吹出口の対向位
置に配置される吸込口を導風ダクトの他端側に形成し、
吸込口より吸い込まれた空気が導風ダクト内に導入され
て全て熱交換器へ導風されるようにしてもよい。この場
合、吹出口より吹き出されて着座員の周辺のみを集中的
に空調しただけの空調空気、例えば冷気であれば不必要
に温まらない内に吸込口より吸い込まれて全て循環する
ことにより、省動力をさらに図ることができる。
【0010】また、熱交換器を筒状に形成すると共に、
その筒状熱交換器の周囲に複数の吹出口を略放射状に設
け、例えば各吹出口を複数座席の周囲空間それぞれに向
けて吹き出し可能に構成してもよい。こうすれば、簡易
な構成でありながら、各座席の着座員に対して、着座員
の周辺のみを集中的に空調し、かつ冷房開始時であれば
クールダウンが早く行える。
【0011】
【実施例】以下本発明の座席用空調装置を自動車用空調
装置として用いた場合の第1実施例について説明する。
図1は自動車の車室前方を模式的に示した断面図で、天
井106、フロントガラス108等で囲まれた車室空間
126内には着座部50、背もたれ部52、ヘッドレス
ト58とからなる座席が車両の床面114に固定されて
いる。
【0012】背もたれ部52は着座部50に対してその
傾斜角度が任意に調整可能なようにして連結されてお
り、その外形は金属性のフレーム88およびスプリング
84により形成されている。このフレーム88の周囲に
はクッション材56が配され、その表面は皮製、あるい
は布製の表皮54によって覆われている。
【0013】背もたれ部52の上方部には、図示しない
連接棒を介してヘッドレスト58が上下動可能なように
連接されている。ヘッドレスト58もその表面は表皮5
7で覆われ、その内部にクッション材59が詰め込まれ
ている。第1ダクト62は着座部50と床面114との
間の空間に位置し、その開口端である吸込口60が、着
座部50の両脇に開口している。また、第1ダクト62
の他端はジャバラダクト64を介して第2ダクト66に
連結されている。第2ダクト66は背もたれ部52の下
方端から上方端に向かって延びており、背もたれ部52
内のスプリング84に固定されている。ジャバラダクト
64は背もたれ部52の傾斜角度が変化した時に、第1
ダクト62と第2ダクト66と角度変位を吸収するため
のものである。
【0014】背もたれ部52の上部より後方に突出した
第2ダクト66はジャバラダクト68を介して第3ダク
ト70に連結されている。このジャバラダクト68は背
もたれ部52が前後に移動、あるいは傾斜した際に、第
3ダクト70と第2ダクト66との相対変位を吸収する
ためのものである。
【0015】また、背もたれ部52とヘッドレスト58
との間には短絡用吸込ダクト1が配置されており、車両
前方に開口する短絡用吸込口3を備えている。この短絡
用吸込ダクト1は第2ダクト66に連通しており、その
連通部分には吸込口切替ダンパ5が設けられている。本
実施例では、この短絡用吸込口3を備えた短絡用吸込ダ
クト1及び吸込口切替ダンパ5によって、空調空気短絡
用開閉部が構成される。
【0016】第3ダクト70はおよそL字状に屈曲して
天井106に沿わされており、その開放端である吹出口
72は下方に開口している。この第3ダクト70内には
電動モータ76で回転駆動されるブロワーファン74が
配置されている。このブロワーファン74の回転により
吸込口60及び/または短絡用吸込口3からの空気吸引
力が発生する。
【0017】さらに、第3ダクト70内にはブロワーフ
ァン74の後流側に蒸発器78が配置されている。蒸発
器78は従来より公知の冷凍サイクルの一部をなすもの
で、冷媒を圧縮する圧縮器90、高温高圧冷媒を冷却す
る凝縮器92、凝縮された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに
分離する気液分離器94、分離された液冷媒を膨張させ
て減圧する膨張弁96とが順次冷媒配管97によって連
結されている。
【0018】なお、上述した第1〜第3ダクト62,6
6,70は樹脂材料よりなるもので、ダクト壁内に複数
の空間部がダクトの長手方向に延びるように形成された
ハニカム構造をなしている。この空間部によりダクト自
体のヒートマスが低減され、最大冷房時の冷却時間の短
縮化を図ることができる。また、空間部は断熱作用もな
しており、とくに背もたれ部52内に配される第2ダク
ト66においては、特に日射より座席自身に与えられる
熱、あるいは着座員からの熱を遮断する効果が大きい。
また、図1中、符号110は自動車のボンネット、11
2はハンドルをそれぞれ示す。
【0019】次に本第1実施例の作動について説明す
る。まず、吸込口切替ダンパ5で第短絡用吸込ダクト1
側を塞ぎ、第3ダクト70を第2ダクト66とのみ連通
させた状態での風の流れを説明する。図示しないファン
スイッチおよびエアコンスイッチを着座員がオンさせる
と、ブロワーファン74が回転する。ブロワーファン7
4の吸引力により車室空間126の空気が吸込口60よ
り吸い込まれ、第1ダクト62、第2ダクト66を通っ
て第3ダクト70内の蒸発器78と熱交換して冷却され
る。この冷却された空気は吹出口72より吹き出され、
着座員の頭部から足元側に向かって流下する。そして、
吹き出された空調空気は、吸込口60に吸引される。こ
の場合、座席近傍の空間のみを空調しており、所謂ベー
ル空調をなしている。
【0020】一方、吸込口切替ダンパ5で第2ダクト6
6側を塞ぎ、第3ダクト70を短絡用吸込ダクト1との
み連通させた状態での風の流れを説明する。この場合、
ブロワーファン74が回転すると、ブロワーファン74
の吸引力により車室空間126の空気が短絡用吸込口3
より吸い込まれ、短絡用吸込ダクト1を通って第3ダク
ト70内の蒸発器78と熱交換して冷却される。この冷
却された空気は吹出口72より吹き出され、短絡用吸込
口3に吸引される。
【0021】この場合は、着座員の頭部付近を集中して
空調することができる。また、吹出口72より吹き出さ
れた空調空気は、下方の吸込口60から吸い込まれるよ
りも短い経路で回収され、クールダウンが早く行える。
このクールダウンについて更に説明する。一般的に冷房
開始時においては、第1ダクト62、第2ダクト66内
等に溜っている熱気があまり冷却されないまま熱風とし
て吹き出されてしまい、冷却空気が吹き出されるまでに
しばらく時間がかかることがある。特に頭部付近に熱気
が吹き出されるのは不快である。
【0022】その場合、短絡用吸込口3からのみ吸い込
むようにすれば、1ダクト62、第2ダクト66内の熱
気を吹き出すことがない。また、吹き出した空気があま
り温まらない内に回収して循環させるため、冷気のショ
ートサーキット効果が高まり、冷房開始時におけるクー
ルダウンが早く行えるのである。特に頭部付近だけでも
早く冷却されることは、着座員にとっての快適性向上と
いう観点からも非常に有効である。
【0023】もちろん、クールダウンが終了したら吸込
口切替ダンパ5を例えば半開状態にし、下方の吸込口6
0、短絡用吸込口3の両方から同時に吸い込めるように
し、1ダクト62、第2ダクト66内の熱気を少しづつ
循環させるようにすると、一度に熱気が吹き出すことも
なく、着座員に不快感を与えない。また、着座員の周辺
が全体的に冷却されれば、吸込口切替ダンパ5で第短絡
用吸込ダクト1側を塞ぎ、下方の吸込口60からのみ吸
い込まれるようにしてもよい。
【0024】なお、上記実施例では、ブロワーファン7
4の後流側に蒸発器78を配置したが、吸込口切替ダン
パ5の下流側であれば、ブロワーファン74の上流側に
蒸発器78を配置してもよい。次に、第2実施例を図2
を参照して説明する。第1実施例と同じ部分は同じ番号
を付して詳しい説明を省略する。
【0025】第1実施例では、背もたれ部52とヘッド
レスト58との間には短絡用吸込ダクト1を配置し、車
両前方に開口する短絡用吸込口3を備えていたが、本第
2実施例では短絡用吸込ダクト1は備えていない。第2
ダクト66が背もたれ部52の背後に配置され、第2ダ
クト66と第3ダクト70との連結部分に短絡用吸込口
3が直接形成されている。そして、吸込口切替ダンパ5
により短絡用吸込口3を開閉することができるようにさ
れている。
【0026】本第2実施例でも第1実施例と同様に、吸
込口切替ダンパ5により短絡用吸込口3を開ければ、吹
出口72より吹き出された空調空気は、短絡用吸込口3
に吸引され、着座員の頭部付近を集中して空調すること
ができる。また、吹出口72より吹き出された空調空気
は、下方の吸込口60から吸い込まれるよりも短い経路
で回収され、クールダウンが早く行える。
【0027】次に、第3実施例を図3を参照して説明す
る。第2実施例と同じ部分は同じ番号を付して詳しい説
明を省略する。本第3実施例では、吸込口切替ダンパ5
をサーボモータ7で駆動可能に構成されており、サーボ
モータ7はコントローラ10に接続されている。また、
コントローラ10には、蒸発器78の下流側に設けられ
た吹出温度センサ11により検出した吹出温度t、及び
温度設定装置13により設定された設定温度toが入力
するように構成されている。
【0028】本第3実施例において、吹出温度tを基に
した吸込口切替ダンパ5の開閉制御処理を、図4に示し
たフローチャートを参照して説明する。エアコンスイッ
チがオンされると(ステップ100:YES)、まず温
度設定装置13からの設定温度to及び吹出温度センサ
11からの検出温度tを入力し(ステップ110)、設
定温度toと検出温度tとの比較を行う(ステップ12
0)。ステップ120において検出温度tが設定温度t
oより大きい場合は、吸込口切替ダンパ5を開き(ステ
ップ130)、ステップ110に戻る。
【0029】吸込口切替ダンパ5を開ければ、吹出口7
2より吹き出された空調空気は、短絡用吸込口3に吸引
され、着座員の頭部付近を集中して空調することができ
る。また、吹出口72より吹き出された空調空気が、下
方の吸込口60から吸い込まれるよりも短い経路で回収
され、あまり温まらない内に循環するのでクールダウン
が早く行われ、検出温度tが設定温度toに近づいてい
く。
【0030】一方、検出温度tが設定温度to以下の場
合は、吸込口切替ダンパ5をゆっくりと閉じる(ステッ
プ140)。これは、吸込口切替ダンパ5を急激に閉じ
てしまうと、第1ダクト62及び第2ダクト66内の熱
気が一度に蒸発器78に流れ込んでしまうため、ゆっく
りと閉じて徐々に循環させるのである。
【0031】吸込口切替ダンパ5を閉じてしまうと、吹
出口72より吹き出された空調空気は、下方の吸込口6
0に吸引され、着座員の頭部から足元にかけて全体的に
空調することができる。なお、上記第3実施例では、蒸
発器78の下流側に設けられた吹出温度センサ11によ
り検出した吹出温度tを基にして吸込口切替ダンパ5の
開閉制御を行ったが、ブロワーファン74の上流側で検
出した吸込温度を基にして同様に制御してもよい。ま
た、ブロワーファン74と蒸発器78との間で検出した
温度を基にして同様に制御してもよい。
【0032】次に、第4実施例を図5を参照して説明す
る。本第4実施例は、ブロワーファン74を共用して複
数の座席に空調を行うものである。各座席周辺の構成は
第3実施例と同じなので番号の付与及び詳しい説明を省
略する。また、吸込口切替ダンパ5等、第3実施例と同
じものには同じ番号を付して詳しい説明を省略する。
【0033】各座席には、吸込口60の形成された第1
ダクト62がそれぞれ配置されており、1本の第2ダク
ト66に連通している。第3ダクト70は各座席に対応
して分岐しており、それぞれに対応して蒸発器78a,
78bが配置されている。なお、番号の後に付けるa,
bで対応する座席を区別する。
【0034】ブロワーファン74と蒸発器78aとの間
には第1ダンパ20a、ブロワーファン74と蒸発器7
8bとの間には第2ダンパ20bが配置されている。第
1及び第2ダンパ20a,20bは、開状態のとき、ブ
ロワーファン74により吸い込まれた空気を蒸発器78
a,78b側に導風可能とし、閉状態のときには通路を
塞ぎ導風不可能としてしまう。そして、第1及び第2ダ
ンパ20a,20bには、それぞれ開閉信号出力手段2
1a,21bが接続されており、第1及び第2ダンパ2
0a,20bが開状態か閉状態かを検出してコントロー
ラ10に出力するように構成されている。
【0035】また、第1ダンパ20aと蒸発器78aと
の間には第1温度センサ23a、第2ダンパ20bと蒸
発器78bとの間には第2温度センサ23bがそれぞれ
設けられている。そして、第1温度センサ23aにより
検出した第1検出温度t11、第2温度センサ23bによ
り検出した第2検出温度t12が、コントローラ10に入
力するようにされている。
【0036】もちろん、温度設定装置13により設定さ
れた設定温度toもコントローラ10に入力する。一
方、コントローラ10は、切替ダンパ開閉手段25を介
して吸込口切替ダンパ5の開閉を行わせることが可能で
ある。次に、第4実施例におけるダンパ開閉制御処理を
図6のフローチャートを参照して説明する。これは、第
1ダンパ20a及び第2ダンパ20bの開閉状態に応じ
て、吸込口切替ダンパ5の開閉を制御するものである。
尚、図6に示すフローチャート中では、吸込口切替ダン
パ5を単に吸込ダンパと記載する。
【0037】制御が開始されると、まず、開閉信号出力
手段21aの出力結果より第1ダンパ20の開閉状態を
判断し(ステップ200)、第1ダンパ20が開状態の
場合には、開閉信号出力手段21bの出力結果より第2
ダンパ20bの開閉状態を判断する(ステップ21
0)。第2ダンパ20bも開状態の場合には、第1検出
温度t11、第2検出温度t12、及び設定温度toを入力
し(ステップ220)、第1検出温度t11が設定温度t
o以下で、かつ第2検出温度t12も設定温度to以下で
あるかどうかを判断する(ステップ230)。
【0038】そして、両検出温度t11,t12が共に設定
温度to以下の場合には、吸込口切替ダンパ5を閉じて
(ステップ240)、ステップ200に戻り以下の処理
を繰り返す。吸込口切替ダンパ5を閉じると、各座席に
対応する吹出口72より吹き出された空調空気は、下方
の吸込口60に吸引され、各座席の着座員の頭部から足
元にかけて全体的に空調することができる。
【0039】一方、両検出温度t11,t12のどちらか片
方でも設定温度toより大きい場合には、吸込口切替ダ
ンパ5を開く(ステップ250)。吸込口切替ダンパ5
を開ければ、吹出口72より吹き出された空調空気は、
短絡用吸込口3に吸引され、着座員の頭部付近を集中し
て空調することができる。また、吹出口72より吹き出
された空調空気が、下方の吸込口60から吸い込まれる
よりも短い経路で回収され、あまり温まらない内に循環
するのでクールダウンが早く行われ、設定温度toより
大きい検出温度t11,t12が設定温度toに近づいてい
く。
【0040】また、ステップ210で第2ダンパ20b
が閉状態の場合には、第1検出温度t11及び設定温度t
oを入力し(ステップ260)、第1検出温度t11が設
定温度to以下であるかどうかを判断する(ステップ2
70)。そして、第1検出温度t11が設定温度to以下
の場合には、吸込口切替ダンパ5を閉じ(ステップ28
0)、一方、第1検出温度t11が設定温度toより大き
い場合には、吸込口切替ダンパ5を開く(ステップ29
0)。この場合は、第2ダンパ20bは閉じているの
で、ブロワーファン74に吸い込まれた空気は蒸発器7
8a側にのみ導風される。
【0041】吹出口72より吹き出された空調空気は、
吸込口切替ダンパ5の開閉に応じ、下方の吸込口60か
ら吸い込まれて着座員の頭部から足元にかけて全体的に
空調したり、短絡用吸込口3に吸引され、着座員の頭部
付近を集中して空調することができる。
【0042】また、ステップ200で第1ダンパ20が
閉状態の場合には、第2ダンパ20bの開閉状態を判断
する(ステップ300)。そして、第2ダンパ20bが
開状態の場合には、第2検出温度t12及び設定温度to
を入力し(ステップ310)、第2検出温度t12が設定
温度to以下であるかどうかを判断する(ステップ32
0)。
【0043】そして、第2検出温度t12が設定温度to
以下の場合には、吸込口切替ダンパ5を閉じ(ステップ
330)、一方、第2検出温度t12が設定温度toより
大きい場合には、吸込口切替ダンパ5を開く(ステップ
340)。この場合は、第1ダンパ20aは閉じている
ので、ブロワーファン74に吸い込まれた空気は蒸発器
78b側にのみ導風される。
【0044】吹出口72より吹き出された空調空気は、
吸込口切替ダンパ5の開閉に応じ、下方の吸込口60か
ら吸い込まれて着座員の頭部から足元にかけて全体的に
空調したり、短絡用吸込口3に吸引され、着座員の頭部
付近を集中して空調することができる。
【0045】また、ステップ300で第2ダンパ20b
が閉状態の場合、即ち、第1及び第2ダンパ20a,2
0bが共に閉状態の場合には、ブロワーファン74の下
流側に吹出口がなくなるので、エアコンスイッチをオフ
させ、ブロワーファン74の回転を停止させる(ステッ
プ350)。
【0046】次に、第5実施例を図7を参照して説明す
る。第4実施例と同じ部分には同じ番号を付して詳しい
説明を省略する。本実施例では、第2ダクト66が途中
まで内部で分割されており、前後各座席の第1ダクト6
2とそれぞれ連通している。そして、その集合部分に
は、連通切替ダンパ31が配置されており、前座席の第
1ダクト62側のみを完全に閉じる状態から、後座席の
第1ダクト62側のみを完全に閉じる状態まで移動可能
にされている。
【0047】コントローラ10は、切替ダンパ開閉手段
25を介して吸込口切替ダンパ5の開閉を行ったり、連
通ダンパ開閉手段33を介して連通切替ダンパ31の開
閉を行う。次に、第5実施例におけるダンパ開閉制御処
理を図8のフローチャートを参照して説明する。尚、図
8に示すフローチャート中では、吸込口切替ダンパ5を
単に吸込ダンパ、連通切替ダンパ31を単に連通ダンパ
と記載する。
【0048】制御が開始されると、まず第1ダンパ20
aの開閉状態を判断し(ステップ400)、第1ダンパ
20aが開状態の場合には、第2ダンパ20bの開閉状
態を判断する(ステップ410)。第2ダンパ20bも
開状態の場合には、連通切替ダンパ31を中央位置、即
ち前後各座席の第1ダクト62が共に第3ダクト70へ
連通する状態にする(ステップ420)。そして、第1
検出温度t11、第2検出温度t12、及び設定温度toを
入力し(ステップ430)、第1検出温度t11が設定温
度to以下で、かつ第2検出温度t12も設定温度to以
下であるかどうかを判断する(ステップ440)。
【0049】ステップ440でYESの判断、即ち両検
出温度t11,t12が共に設定温度to以下の場合には、
吸込口切替ダンパ5を閉じて(ステップ450)、ステ
ップ400に戻り以下の処理を繰り返す。吸込口切替ダ
ンパ5を閉じると、各座席に対応する吹出口72より吹
き出された空調空気は、各座席の下方の吸込口60に吸
引され、各座席の着座員の頭部から足元にかけて全体的
に空調することができる。
【0050】一方、ステップ440でNOの判断、即ち
両検出温度t11,t12のどちらか片方でも設定温度to
より大きい場合には、吸込口切替ダンパ5を開く(ステ
ップ460)。吸込口切替ダンパ5を開ければ、吹出口
72より吹き出された空調空気は、短絡用吸込口3に吸
引され、着座員の頭部付近を集中して空調することがで
き、クールダウンも早く行われる。
【0051】また、ステップ410で第2ダンパ20b
が閉状態の場合には、連通切替ダンパ31を、後座席の
第1ダクト62側のみを完全に閉じる状態に移動させる
(ステップ470)。そして、第1検出温度t11及び設
定温度toを入力し(ステップ480)、第1検出温度
t11が設定温度to以下であるかどうかを判断する(ス
テップ490)。
【0052】第1検出温度t11が設定温度to以下の場
合には、吸込口切替ダンパ5を閉じ(ステップ50
0)、一方、第1検出温度t11が設定温度toより大き
い場合には、吸込口切替ダンパ5を開く(ステップ51
0)。この場合、後座席側の第1ダクト62側は完全に
閉じられているので、後座席側の吸込口60から暖かい
空気を吸い込むことはなく、また第2ダンパ20bは閉
じているので、ブロワーファン74に吸い込まれた空気
は蒸発器78a側にのみ導風される。
【0053】従って、吸込口切替ダンパ5の開閉に応
じ、前座席側の吸込口60から吸い込まれて着座員の頭
部から足元にかけて全体的に空調したり、短絡用吸込口
3に吸引され、着座員の頭部付近を集中して空調するこ
とができる。また、ステップ400で第1ダンパ20が
閉状態の場合には、第2ダンパ20bの開閉状態を判断
する(ステップ520)。そして、第2ダンパ20bが
開状態の場合には、連通切替ダンパ31を、前座席の第
1ダクト62側のみを完全に閉じる状態に移動させる
(ステップ530)。そして、第2検出温度t12及び設
定温度toを入力し(ステップ540)、第2検出温度
t12が設定温度to以下であるかどうかを判断する(ス
テップ550)。
【0054】第2検出温度t12が設定温度to以下の場
合には、吸込口切替ダンパ5を閉じ(ステップ56
0)、一方、第2検出温度t12が設定温度toより大き
い場合には、吸込口切替ダンパ5を開く(ステップ57
0)。この場合は、前座席側の第1ダクト62側は完全
に閉じられているので、前座席側の吸込口60から暖か
い空気を吸い込むことはなく、また第1ダンパ20aは
閉じているので、ブロワーファン74に吸い込まれた空
気は蒸発器78b側にのみ導風される。
【0055】従って、吸込口切替ダンパ5の開閉に応
じ、後座席側の吸込口60から吸い込まれて着座員の頭
部から足元にかけて全体的に空調したり、短絡用吸込口
3に吸引され、着座員の頭部付近を集中して空調するこ
とができる。また、ステップ520で第2ダンパ20b
が閉状態の場合、即ち、第1及び第2ダンパ20a,2
0bが共に閉状態の場合には、連通切替ダンパ31をフ
リーな状態にする(ステップ580)。そして、ブロワ
ーファン74の下流側に吹出口がなくなるので、エアコ
ンスイッチ自体をオフさせ、ブロワーファン74の回転
を停止させる(ステップ590)。
【0056】次に、第6実施例を図9を参照して説明す
る。第5実施例と同じ部分には同じ番号を付して詳しい
説明を省略する。本第6実施例では、第2ダクト66が
ブロワーファン74の手前にいたるまで内部で分割され
て前後各座席の第1ダクト62とそれぞれ連通してお
り、その集合部分には、連通切替ダンパ31が配置され
ている。
【0057】そして、前座席の第1ダクト62と連通す
る側の第2ダクト66に開口された短絡用吸込口3aに
は、第1吸込口切替ダンパ5aが配置されている。ま
た、後座席の第1ダクト62と連通する側の第2ダクト
66に開口された短絡用吸込口3bには、第2吸込口切
替ダンパ5bが配置されている。コントローラ10は、
切替ダンパ開閉手段25a,bを介して第1及び第2吸
込口切替ダンパ5a,5bの開閉を行ったり、連通ダン
パ開閉手段33を介して連通切替ダンパ31の開閉を行
う。
【0058】次に、第6実施例におけるダンパ開閉制御
処理を図10、11のフローチャートを参照して説明す
る。尚、図10,11に示すフローチャート中では、第
1吸込口切替ダンパ5aを単に第1吸込ダンパ、第2吸
込口切替ダンパ5bを単に第2吸込ダンパ、連通切替ダ
ンパ31を単に連通ダンパと記載する。
【0059】第1ダンパ20が開状態(ステップ60
0:open)で、第2ダンパ20bも開状態(ステップ6
10:open)の場合には、連通切替ダンパ31を中央位
置、即ち前後各座席の第1ダクト62が共に第3ダクト
70へ連通する状態にする(ステップ620)。そし
て、第1検出温度t11、第2検出温度t12、及び設定温
度toを入力し(ステップ630)、第1検出温度t11
が設定温度to以下であるかどうかを判断する(ステッ
プ640)。
【0060】第1検出温度t11が設定温度to以下の場
合、今度は第2検出温度t12が設定温度to以下である
かどうかを判断する(ステップ650)。第2検出温度
t12も設定温度to以下の場合には、第1吸込口切替ダ
ンパ5a及び第2吸込口切替ダンパ5bを共に閉じて
(ステップ670)、ステップ600に戻り以下の処理
を繰り返す。
【0061】第1及び第2吸込口切替ダンパ5a,5b
を閉じると、各座席に対応する吹出口72より吹き出さ
れた空調空気は、各座席の下方の吸込口60に吸引さ
れ、各座席の着座員の頭部から足元にかけて全体的に空
調することができる。一方、ステップ650でNOの判
断、即ち第2検出温度t12は設定温度toよりも大きい
場合には、第1吸込口切替ダンパ5aは閉じ、第2吸込
口切替ダンパ5bは開く(ステップ670)。第1検出
温度t11は設定温度to以下なので、前座席側では吹き
出された空気は下方の吸込口60に吸引され、頭から足
元まで空調される。一方、後座席側は第2吸込口切替ダ
ンパ5bを開けることで、吹出口72より吹き出された
空調空気が短絡用吸込口3bに吸引され、着座員の頭部
付近を集中して空調することができ、クールダウンも早
く行われる。
【0062】また、ステップ640でNOの判断、即
ち、第1検出温度t11が設定温度toより大きい場合に
も、第2検出温度t12が設定温度to以下であるかどう
かを判断する(ステップ680)。第2検出温度t12は
設定温度to以下である場合には、第1吸込口切替ダン
パ5aは開き、第2吸込口切替ダンパ5bは閉じる(ス
テップ690)。
【0063】第1及び第2吸込口切替ダンパ5a,5b
を閉じると、各座席に対応する吹出口72より吹き出さ
れた空調空気は、各座席の下方の吸込口60に吸引さ
れ、各座席の着座員の頭部から足元にかけて全体的に空
調することができる。一方、ステップ650でNOの判
断、即ち第2検出温度t12は設定温度toよりも大きい
場合には、第1吸込口切替ダンパ5aは閉じ、第2吸込
口切替ダンパ5bは開く(ステップ670)。第1検出
温度t11は設定温度toより大きいので、前座席側は第
1吸込口切替ダンパ5aを開けることで、吹出口72よ
り吹き出された空調空気が短絡用吸込口3aに吸引さ
れ、着座員の頭部付近を集中して空調する。一方、第2
検出温度t12は設定温度to以下なので、後座席側は頭
部から足元までの空調を行う。
【0064】また、ステップ610で第2ダンパ20b
が閉状態の場合には、連通切替ダンパ31を、後座席の
第1ダクト62側のみを完全に閉じる状態に移動させる
(ステップ710)。そして、第1検出温度t11及び設
定温度toを入力し(ステップ720)、第1検出温度
t11が設定温度to以下であるかどうかを判断する(ス
テップ730)。
【0065】第1検出温度t11が設定温度to以下の場
合には、第1吸込口切替ダンパ5a及び第2吸込口切替
ダンパ5bを閉じ(ステップ740)、一方、第1検出
温度t11が設定温度toより大きい場合には、第1吸込
口切替ダンパ5は開き、第2吸込口切替ダンパ5bは閉
じる(ステップ750)。この場合、ステップ710の
結果、連通切替ダンパ31により後座席側の第1ダクト
62側は完全に閉じられているので、後座席側の吸込口
60から暖かい空気を吸い込むことはなく、また第2ダ
ンパ20bは閉じているので、ブロワーファン74に吸
い込まれた空気は蒸発器78a側にのみ導風される。
【0066】また、ステップ600で第1ダンパ20が
閉状態の場合(以下の処理は図11に示す。)には、第
2ダンパ20bの開閉状態を判断する(ステップ76
0)。そして、第2ダンパ20bが開状態の場合には、
連通切替ダンパ31を、前座席の第1ダクト62側のみ
を完全に閉じる状態に移動させ(ステップ770)、第
2検出温度t12及び設定温度toを入力し(ステップ7
80)、第2検出温度t12が設定温度to以下であるか
どうかを判断する(ステップ790)。
【0067】第2検出温度t12が設定温度to以下の場
合には、第1吸込口切替ダンパ5a及び第2吸込口切替
ダンパ5bを共に閉じる(ステップ800)、一方、第
2検出温度t12が設定温度toより大きい場合には、第
1吸込口切替ダンパ5aは閉じ、第2吸込口切替ダンパ
5bは開く(ステップ810)。この場合は、ステップ
770の結果、前座席側の第1ダクト62側は完全に閉
じられているので、前座席側の吸込口60から暖かい空
気を吸い込むことはなく、また第1ダンパ20aは閉じ
ているので、ブロワーファン74に吸い込まれた空気は
蒸発器78b側にのみ導風される。
【0068】また、ステップ760で第2ダンパ20b
が閉状態の場合、即ち、第1及び第2ダンパ20a,2
0bが共に閉状態の場合には、連通切替ダンパ31をフ
リーな状態にする(ステップ820)。そして、ブロワ
ーファン74の下流側に吹出口がなくなるので、エアコ
ンスイッチ自体をオフさせ、ブロワーファン74の回転
を停止させる(ステップ830)。
【0069】次に、熱交換器を略筒状に形成すると共
に、その筒状熱交換器の周囲に複数の吹出口を略放射状
に配置し、各吹出口を複数座席の周囲空間それぞれに向
けて吹き出すようにした実施例を以下に説明する。ま
ず、第7実施例を説明する。座席周辺の構成は第6実施
例と同様で、第3ダクト70の構成及びその中に配置さ
れるものが異なるので、第3ダクト70の周辺構造のみ
を示す。以下の実施例でも同様である。図12には第7
実施例における第3ダクト70の内部を図示する上面
図、図13はその模式的A−A断面図である。
【0070】本第7実施例においても、第2ダクト66
は内部で分割され、前後各座席の第1ダクト62(図1
2、13には図示せず。以下同様。)とそれぞれ連通し
ており、その集合部分には、連通切替ダンパ31が配置
されている。そして、前座席の第1ダクト62と連通す
る側の第2ダクト66に開口された短絡用吸込口3aに
は、第1吸込口切替ダンパ5aが配置されている。ま
た、後座席の第1ダクト62と連通する側の第2ダクト
66に開口された短絡用吸込口3bには、第2吸込口切
替ダンパ5bが配置されている。
【0071】第3ダクト70内の、第2ダクト66との
連通部分には、ファンモータ176により回転される遠
心ファン174が第2ダクト66に軸方向を向けて配置
されており、その周囲を囲むように、略円筒状に形成さ
れた筒状蒸発器178が配置されている。この筒状蒸発
器178としては、サーペンタイン式、ドロンカップ
式、プレートフィン式等のいずれでも使用可能である。
【0072】そして、筒状蒸発器178の周囲に、本実
施例では約90度おきに4つの吹出口72が略放射状に
設けられている。この4つの吹出口72は、例えば図1
4に示すように、2つの前部座席FS1,FS2のそれ
ぞれ上方及び後部座席RSの着座員が着座する位置の上
方に配置するとよい。
【0073】また、筒状蒸発器178と吹出口72の間
には吹出口切替ダンパ150が配置されており、吹き出
し先を切り替え可能にされている。本実施例では、この
吹出口切替ダンパ150としていわゆるフィルムダンパ
を用いている。このフィルムダンパには所定位置に開口
部(図示せず)が形成されており、筒状蒸発器178の
周囲をほぼ一周にわたって取り巻くように配置されてい
る。そして、ロール状にした一端側から引き出したり、
巻き取ったりして開口部の位置を移動させていくもので
ある。
【0074】本第7実施例によれば、1つの遠心ファン
174、1つの筒状蒸発器178を備えるだけの簡易な
構成で、各座席の着座員に対して、着座員の周辺のみを
集中的に空調し、かつ冷房開始時には、第1吸込口切替
ダンパ5a、第2吸込口切替ダンパ5bを開ければ冷気
の短絡効果が高まり、クールダウンが早く行える。この
際の空調空気の流れについては第6実施例までで詳しく
説明しているのでここでは省略する。
【0075】上記第7実施例では、吹出口72へ至る経
路が遠心ファン174を中心として放射方向に設けられ
ていたが、図15に示す第8実施例のように、遠心ファ
ン174の回転方向に合わせて角度をもたせてもよい。
この場合は、筒状蒸発器178のフィン179も同様に
角度をもたせて配置する。この様にすることで、通風抵
抗を減少させ、風量アップを図ることができる。
【0076】また、筒状蒸発器178は必ずしも遠心フ
ァン174と同一平面上に配置する必要はなく、図16
に示す第9実施例のように、上下方向にずらして配置し
ても同様に実施できる。例えば天井に配置する場合等
に、ファンモータ176の配置場所の確保が容易とな
る。
【0077】次に、第10実施例を図17及び図18を
参照して説明する。第7実施例と同じ部分には同じ番号
を付して詳しい説明を省略する。第7実施例では遠心フ
ァン174を用いていたが、本第8実施例では軸流ファ
ン184を用いている。軸流ファン184により軸方向
に吹き出された空気は、第3ダクト70の上壁部70a
にぶつかって、筒状蒸発器178側に導風される。後の
風の流れは第7実施例と同様である。次に、第11実施
例を図19及び図20を参照して説明する。第10実施
例と同じ部分には同じ番号を付して詳しい説明を省略す
る。第10実施例では軸流ファン184と筒状蒸発器1
78を組み合せたが、本第11実施例では、軸流ファン
184と、通常の四角形の蒸発器188を組み合わせて
いる。軸流ファン184の軸方向下流側に四角蒸発器1
88を配置してある。
【0078】四角蒸発器188を通過した空気は、第3
ダクト70の上壁部70aにぶつかる。後の風の流れは
第10実施例と同様である。次に、第12実施例を図2
1及び図22を参照して説明する。図22は図21の模
式的B−B断面図である。上記第7実施例では、遠心フ
ァン174の周囲を囲むように、略円筒状に形成された
筒状蒸発器178を配置したが、本第10実施例では4
つに分割され、各蒸発器198a,198b,198
c,198dが4つの吹出口72に対応する位置にそれ
ぞれ配置されている。
【0079】遠心ファン174の径方向に吹き出された
空気は、各蒸発器198a,198b,198c,19
8dを通過して冷却されてから、それぞれ対応する吹出
口72より吹き出されていく。次に、第13実施例を図
23を参照して説明する。上記第12実施例は、1本の
配管97に、4つに分割された蒸発器198a,198
b,198c,198dが順番に接続されていた。本第
13実施例では、本流より並列に分岐した4本の配管9
7a,97b,97c,97dに、それぞれ蒸発器20
8a,208b,208c,208dが接続されてい
る。
【0080】そして、各蒸発器208a,208b,2
08c,208dに対応して、それぞれ膨張弁96及び
感温筒99が設けられている。このように、4つの吹出
口72に対応した蒸発器208a,208b,208
c,208dを、冷凍サイクル中において並列に配置す
ることによって、各吹出口72からの吹出温度を個別に
調整したりすることが容易になる。
【0081】次に、第14実施例を図24及び図25を
参照して説明する。図25は図24の模式的C−C断面
図である。第7実施例と同じ部分には同じ番号を付して
詳しい説明を省略する。第7実施例では吹出口切替ダン
パ150として1枚のフィルムダンパを用いていたが、
本第14実施例では、各吹出口72に至る経路上に、そ
れぞれ吹出口切替ダンパ200a,200b,200
c,200dが配置されている。
【0082】これら吹出口切替ダンパ200a,200
b,200c,200dは、それぞれの回度を調節する
ことで、各吹出口72からの吹出風量を調節することが
可能である。次に、第15実施例を図26及び図27を
参照して説明する。第7実施例と同じ部分には同じ番号
を付して詳しい説明を省略する。上記第7実施例では筒
状蒸発器178と吹出口72の間に吹出口切替ダンパ1
50が配置されていたが、本第13実施例では、遠心フ
ァン174と筒状蒸発器178との間に配置されてい
る。従って、遠心ファン174より吹き出された空気
は、吹出口切替ダンパ150の開口部(図示せず)を通
過した後、筒状蒸発器178に至り、筒状蒸発器178
で冷却されて各吹出口72から吹き出される。
【0083】尚、上述のすべての実施例は自動車用の空
調装置として本発明を用いた場合の例であったが、本発
明は自動車用に限定されるものではなく、他の座席の空
調に用いることが可能である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の座席用空
調装置によれば、着座している着座員の周辺のみを集中
的に空調することができ、また、空調空気短絡用開閉部
を開ければ、短い経路で再度導風ダクトに回収し循環さ
せることで、例えば冷房開始時におけるクールダウンが
早く行える等、所望温度までの達成時間の短縮及び必要
冷房能力の低減を図ることができ、省動力化を達成でき
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座席用空調装置を自動車用空調装置と
して用いた第1実施例を示す模式的断面図である。
【図2】第2実施例を示す模式的断面図である。
【図3】第3実施例を示す模式的断面図である。
【図4】第3実施例におけるダンパ開閉制御処理を示す
フローチャートである。
【図5】第4実施例を示す模式的断面図である。
【図6】第4実施例におけるダンパ開閉制御処理を示す
フローチャートである。
【図7】第5実施例を示す模式的断面図である。
【図8】第5実施例におけるダンパ開閉制御処理を示す
フローチャートである。
【図9】第6実施例を示す模式的断面図である。
【図10】第6実施例におけるダンパ開閉制御処理の前
半を示すフローチャートである。
【図11】第6実施例におけるダンパ開閉制御処理の後
半を示すフローチャートである。
【図12】第7実施例における第3ダクト内部を図示す
る上面図である。
【図13】図12の模式的A−A断面図である。
【図14】第7実施例の車両への搭載例を示す上面図で
ある。
【図15】第8実施例の第3ダクト内部を図示する上面
図である。
【図16】第9実施例の模式的断面図である。
【図17】第10実施例の第3ダクト内部を図示する上
面図である。
【図18】第10実施例の模式的断面図である。
【図19】第11実施例の第3ダクト内部を図示する上
面図である。
【図20】第11実施例の模式的断面図である。
【図21】第12実施例の第3ダクト内部を図示する上
面図である。
【図22】図21の模式的B−B断面図である。
【図23】第13実施例の概略構成図である。
【図24】第14実施例の第3ダクト内部を図示する上
面図である。
【図25】図24の模式的C−C断面図である。
【図26】第15実施例の第3ダクト内部を図示する上
面図である。
【図27】第15実施例の模式的断面図である。
【符号の説明】
t…吹出温度、 t11…第1検出温度、 t
12…第2検出温度、to…設定温度、 1…
短絡用吸込ダクト、3,3a,3b…短絡用吸込口、
5,150…吸込口切替ダンパ、10…コントロー
ラ、 31…連通切替ダンパ、 60…吸込口、6
2…第1ダクト、 66…第2ダクト、 7
0…第3ダクト、72…吹出口、 74…ブロワーフ
ァン、 78,78a,78b…蒸発器、174…遠心
ファン、 178…筒状蒸発器、 184…軸流フ
ァン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大須賀 正彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席周囲空間の空気を導入し、一端側に
    形成された吹出口より前記周囲空間に向けて空気を吹き
    出すための導風ダクトと、 この導風ダクト内に配設され、導入された導入空気と熱
    交換することにより、この導入空気を冷却または加熱す
    る熱交換器とを備え、 前記吹出口を着座員が着座する着座部近傍に配設し、前
    記周囲空間に空調空気を吹き出すと共に、この周囲空間
    を介して前記吹出口と対向する位置に、吸い込んだ空気
    の少なくとも一部を前記熱交換器へ導風可能な吸込口を
    配設した座席用空調装置であって、 前記熱交換器を、前記導風ダクト内の前記吹出口近傍に
    配設すると共に、前記熱交換器の上流側において開閉可
    能な空調空気短絡用開閉部を前記導風ダクトに形成し、 前記吹出口より吹き出された空調空気が、該短絡用開閉
    部から吸い込まれることによって、前記吸込口から吸い
    込まれるよりも短い経路で再度導風ダクトに回収される
    ようにしたことを特徴とする座席用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記吹出口の対向位置に配置される前記
    吸込口を、前記導風ダクトの他端側に形成し、前記吸込
    口より吸い込まれた空気が全て前記熱交換器へ導風され
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の座席用空
    調装置。
  3. 【請求項3】 前記熱交換器を筒状に形成すると共に、
    該筒状熱交換器の周囲に複数の吹出口を略放射状に設け
    たことを特徴とする請求項1または2記載の座席用空調
    装置。
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