JP2017503040A - 蒸留されたエポキシノボラック樹脂 - Google Patents
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Abstract
a)平均官能性度が2.5よりも大きいオリゴマーを含有し、450ppm未満の加水分解性塩素含量である出発物質のエポキシノボラック樹脂を、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で連続蒸発装置を用いて分離して、95重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションであって第一の蒸気フラクションの質量が出発物質のエポキシノボラック樹脂の5〜20重量%の範囲である第一の蒸気フラクションと、出発物質のエポキシノボラック樹脂の2官能性成分の重量%と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションと、を生成すること;b)第一のボトムフラクションを回収すること;及びc)第一の蒸気フラクションの95重量%〜99.95重量%を50℃〜200℃の範囲の温度で凝縮して、少なくとも95重量%の2官能性成分を有し、総塩素含量が900ppmである第一の部分的に凝縮された蒸気フラクション生成物と、ハロゲン化不純物を含有する非凝縮蒸気生成物と、を生成すること;を含む連続工程が開示される。
Description
本開示の実施形態は、エポキシノボラック樹脂に関し、特には低減された塩素量の蒸留されたエポキシノボラック樹脂に関する。
エレクトロニクス産業において、パッケージング及び実装の用途のためにハロゲンフリーの材料を使用する動きが広まっている。ハロゲンフリー材料は、国際電気標準会議(IEC)規格(IEC 61249−2−21)によって、900ppm未満の塩素、900ppm未満の臭素、並びに、1500m未満の総量の塩素及び臭素を含む材料として定義される。この動きは、環境規制が制定されたことと、より環境に対応したマイクロエレクトロニクスデバイスへの消費者の需要が高まっていることに応えるものである。イオン性の不純物の存在が腐食に関連した不具合を促進させることが示されたことから、ハロゲンを低減させることはこれら市場の原動力であるだけでなく、信頼性を向上させる。
電子パッケージング及び実装の用途のために使用される材料の多くは、有機バインダーとしてエポキシ樹脂を含んでいる。従来のビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)樹脂と、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(DGEBF)樹脂は、1800ppmより多い総塩素分を含んでおり、配合物の総ハロゲン含量に大きく寄与している。したがって、ハロゲンフリーの仕様を満たすために、そして処方の自由度を高めるために、塩素含量が低減されたエポキシ樹脂の需要が高まっている。
エポキシノボラック樹脂及びその調製方法はよく知られている。これらの樹脂は、典型的には幅広いオリゴマー分布(または官能性度)を有しており、それらの対応する特性は、平均官能性度及びオリゴマー分布幅に依存する。特定の平均官能性度を有するエポキシノボラック樹脂を調製するために、フェノール性ヒドロキシル基に対して様々な比率でアルデヒドを含む化合物が用いられる。DGEBF樹脂(官能性度=2)を高純度で調製するためには、多くの場合、1:10またはそれより高いホルムアルデヒド対フェノールの比率が使用されるが、これは反応器の稼働率を低くすることになり、また大過剰のフェノールを大量に回収する必要を生じさせることになる。
したがって、低塩素含量の高純度2官能性樹脂を調製するための方法が望まれるであろう。
本発明は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(DGEBF)樹脂の、特には低塩素DGEBF樹脂の調製方法に関する。本発明は、連続的な蒸発/凝縮工程を利用して、平均官能性度が3.0〜4.0であるエポキシノボラック樹脂から、塩素量が低減されたDGEBF樹脂を製造する。出発物質であるエポキシノボラック樹脂をその2官能性成分(DGEBF)とより大きいオリゴマー成分とに分離するために、薄膜蒸発装置が使用される。蒸留によって塩素分のほとんども、より大きいオリゴマーの蒸留フラクションに分配されることから、このようにして得られるDGEBF樹脂は、出発物質よりも低い塩素含量である。また、最終的なDGEBF樹脂中の塩素含量をさらに低減させるために、軽沸点のハロゲン化不純物をこの工程の任意の場所で除去することもできる。
本発明の1つの幅広い実施形態では、a)平均官能性度が2.5よりも大きいオリゴマーを含有し、450ppm未満の加水分解性塩素含量である出発物質のエポキシノボラック樹脂を、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第一の連続蒸発装置を用いて分離して、95重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションであって第一の蒸気フラクションの質量が出発物質のエポキシノボラック樹脂の5〜20重量%の範囲である第一の蒸気フラクションと、出発物質のエポキシノボラック樹脂の2官能性成分の重量%と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションとを生成すること、b)第一のボトムフラクションを回収すること、及びc)第一の蒸気フラクションの95重量%〜99.95重量%を50℃〜200℃の範囲の温度で凝縮して、少なくとも95重量%の2官能性成分を有し、総塩素含量が900ppm未満である第一の部分凝縮蒸気フラクション生成物と、ハロゲン化不純物を含有する非凝縮蒸気生成物とを生成すること、を含む、またはこれらからなる、またはこれらから本質的になる、連続工程が開示される。
本発明の別の実施形態では、a)平均官能性度が2.5よりも大きいオリゴマーを含有し、450ppm未満の加水分解性塩素含量である出発物質のエポキシノボラック樹脂を、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第一の連続蒸発装置を用いて分離して、95重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションであって第一の蒸気フラクションの質量が出発物質のエポキシノボラック樹脂の質量の5〜20重量%の範囲である第一の蒸気フラクションと、出発物質のエポキシノボラック樹脂と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションとを生成すること、b)第一のボトムフラクションを回収すること、c)第一の蒸気フラクションを0℃〜150℃の範囲の温度で凝縮して第一の凝縮蒸気フラクションを生成すること、d)第一の凝縮蒸気フラクションを、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の範囲の絶対圧で第二の連続蒸発装置を用いて分離して、工程c)の第一の凝縮蒸気フラクションの質量の0.05〜5重量%の範囲の質量を有するハロゲン化不純物を含有する第二の蒸気フラクションと、少なくとも95重量%の2官能性成分を有し、総塩素含量が900ppmである第二のボトムフラクション生成物とを生成すること、及びe)第二のボトムフラクションを回収すること、を含む、またはこれらからなる、またはこれらから本質的になる、連続工程が開示される。
様々な実施形態では、出発物質はエポキシノボラック樹脂である。ある実施形態では、出発物質はエポキシフェノールノボラックオリゴマーを含む。エポキシフェノールノボラックの例としてはエポキシフェノールノボラック(EPN)及びビスフェノールFエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。また、これには例えばビスフェノールAエポキシ樹脂などの他のエポキシ樹脂が含まれていてもよい。
エポキシフェノールノボラックの一般構造は下記式(I)で示される。
式I
式I
出発物質であるエポキシノボラック樹脂は、2.1より大きい平均官能性度のオリゴマーを含む。様々な他の実施形態では、平均官能性度は2.5〜5.0であり、好ましくは3.0〜4.0であり、最も好ましくは3.5〜4.0である。更に、出発物質であるエポキシノボラック樹脂の加水分解性塩素含量は450ppm未満、好ましくは350ppm未満、最も好ましくは250ppm未満である。用語「塩素」には存在しうるあらゆるイオン性塩化物も含まれる。出発物質であるエポキシノボラック樹脂の加水分解性塩素成分は、例えば苛性アルカリを用いた後処理などの任意の従来の手段によって低減することができる。また、出発物質であるエポキシノボラック樹脂の総塩素含量は1800ppm未満、好ましくは1650ppm未満、最も好ましくは1500ppm未満である。
図1は蒸発/凝縮システム10を表している。ある実施形態では、出発物質であるエポキシノボラック樹脂は導管20を介して任意的なヒーター22と接触してもよく、また任意選択的には導管24を介して脱ガス装置26と接触することもできる。任意的なプレヒーターは、50℃〜200℃の範囲の温度、0.1〜50mmHgの絶対圧で運転することができる。任意的な脱ガス装置は、150℃〜250℃の範囲の温度、0.1〜20mmHgの絶対圧で運転することができる。脱ガス装置は、蒸発工程における圧力上昇及び圧力変動を防ぐために、溶存ガス及び非凝縮性物を除去する目的で使用することができる。更にある実施形態では、脱ガス装置は、出発物質であるエポキシノボラック樹脂からハロゲン化軽沸成分を取り除いて最終製品中の塩素分を低減するために使用することもできる。これらハロゲン化軽沸成分には、例えばエピクロロヒドリンの副生成物誘導体などの非芳香族不純物が含まれる。
出発物質であるエポキシノボラック樹脂は、その後、導管28を介して150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第一の連続蒸発装置30と接触して、95重量%より多い2官能性成分を有し、出発物質であるエポキシノボラック樹脂の1〜20重量%の、別の実施形態では5〜20重量%の、更に別の実施形態では10〜15重量%の範囲の質量であるエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションと、出発物質であるエポキシノボラック樹脂の2官能性成分の重量%と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションとを生成する。第一のボトムフラクションは導管32を介して回収される。第一の蒸気フラクションはその後、導管34を介して50℃〜200℃の温度範囲でパーシャルコンデンサー36と接触して、少なくとも95重量%の2官能性成分を有し総塩素含量が900ppm未満である第一の凝縮蒸気フラクション(これは導管40を介して回収される)と、ハロゲン化非芳香族性不純物を含有する非凝縮蒸気生成物(これは導管38を介して回収される)とを生成する。ある実施形態では、パーシャルコンデンサーは、対応する蒸発装置交換面積の0.1〜0.9、好ましくは0.1〜0.5の範囲の交換面積を有する。パーシャルコンデンサーは、好ましくは高真空運転中に圧力低下が小さくなるように設計されるべきである。ある実施形態では、95重量%〜99.95重量%の第一の蒸気フラクションがパーシャルコンデンサー36中で凝縮される。
図2に示されているシステム100に描かれている更に別の実施形態では、回収された第一のボトムフラクションは、導管32を介して150℃〜300℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で連続蒸発装置62と接触して、75重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する蒸気フラクションと、5重量%未満の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有するボトムフラクションとを生成する。この低2官能性材料は、複合材料及び積層体の高Tg材料として利用することができ、この工程の低塩素DGEBFの同時生成物とみなすことができる。ボトムフラクションは導管66を介して回収される。その後、蒸気フラクションは導管64を介してコンデンサー68と接触して少なくとも75重量%の2官能性成分を含む凝縮生成物を生成し、これは導管70を介して回収される。
図1には、システム50として別の実施形態が描かれている。この実施形態では、第一の蒸気フラクション34は0℃〜150℃の温度範囲でトータルコンデンサー52と接触して、第一の凝縮蒸気フラクション54を生成する。これは、その後150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第二の連続蒸発装置56と接触して、第一の凝縮蒸気フラクションの質量の0.05〜5重量%の範囲の質量を有するハロゲン化非芳香族不純物を含む第二の蒸気フラクション58と、少なくとも95重量%の2官能性成分を有し総塩素含量が900ppm未満であるボトムフラクションとを生成し、ボトムフラクションは導管60を介して回収される。システム50の別の実施形態は図2のシステム150に描かれている。この実施形態では、回収された第一のボトムフラクションは、導管32を介して150℃〜300℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で連続蒸発装置62と接触して、75重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する蒸気フラクションと、5重量%未満の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有するボトムフラクションとを生成する。この低2官能性材料は、複合材料及び積層体の高Tg材料として利用することができ、この工程の低塩素DGEBFの同時生成物とみなすことができる。ボトムフラクションは導管66を介して回収される。その後、蒸気フラクションは導管64を介してコンデンサー68と接触して少なくとも75重量%の2官能性成分を含む凝縮生成物を生成し、これは導管70を介して回収される。
様々な実施形態では、任意選択的には、いずれの蒸発装置と接触させる前にも供給物をヒーター及び/または脱ガス装置と接触させることができる。ある実施形態では、1つまたはそれ以上の連続蒸発装置は、薄膜蒸発装置などの短い滞留時間かつ小さい圧力降下の装置で構成することができる。更に、蒸発装置は、ワイプドフィルム蒸発装置、流下膜式蒸発装置、またはショートパス蒸発装置などのように、蒸発装置とコンデンサーとから構成することができる。
得られる生成物は、電気積層板、エレクトロニクス、コーティング、及び複合体の用途で使用することができる。
実施例1〜11
フェノール対ホルムアルデヒドの比率が2.2:1で製造されたエポキシノボラックを、官能性度3.6のオリゴマー分布であり2官能性成分が22.2%である供給物として使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、Pope Scientificからの、0.03m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が4:1である2”のユニットであった。圧力は、130rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーを100℃に設定して塔頂流を部分的に凝縮した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するために電気ヒーターを用いた。示されているように、総塩素量が900ppm未満のDGEBFを製造するためには450ppm未満の加水分解性塩素であるエポキシノボラック樹脂が必要とされる。また、分配されたフラクションが増加するにつれて総塩素量が増加するため、供給物中の2官能性材料の全てが回収できるわけではない。
実施例12〜16
フェノール対ホルムアルデヒドの比率が2.2:1で製造されたエポキシノボラックを、官能性度3.6のオリゴマー分布であり2官能性成分が22.2%である供給物として使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、0.2m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が1:1である6”のユニットであった。圧力は、300rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーは50℃に設定した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するためにホットオイルジャケット付きのシステムを用いた。部分凝縮なしで見られるように、軽沸点含塩素不純物のためDGEBFの総塩素含量は高いままである。しかし、これは塩素量を減らすための第二の蒸発工程を行ことによって改善することができる。最適な分配比は総塩素含量を最小にするために存在する。
実施例17〜21
DGEBFをさらに精製するための第二の蒸留工程用の出発供給材料として、実施例12からの材料を使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、0.2m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が1:1である6”のユニットであった。圧力は、300rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーは50℃に設定した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するためにホットオイルジャケット付きのシステムを用いた。示されているように、高純度のDGEBFが得られるに伴い、総塩素含量が減少した。しかし、軽沸点の含塩素不純物は存在したままであり、ここでも軽沸分を除去することによって改善することができる。最適な分配比はここでも総塩素含量を最小にするために存在する。
実施例22
塔頂フラクションとして軽不純物の1.5%を除去するために、実施例20からの材料を更に処理した。塩素量は200ppm低下した。
フェノール対ホルムアルデヒドの比率が2.2:1で製造されたエポキシノボラックを、官能性度3.6のオリゴマー分布であり2官能性成分が22.2%である供給物として使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、Pope Scientificからの、0.03m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が4:1である2”のユニットであった。圧力は、130rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーを100℃に設定して塔頂流を部分的に凝縮した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するために電気ヒーターを用いた。示されているように、総塩素量が900ppm未満のDGEBFを製造するためには450ppm未満の加水分解性塩素であるエポキシノボラック樹脂が必要とされる。また、分配されたフラクションが増加するにつれて総塩素量が増加するため、供給物中の2官能性材料の全てが回収できるわけではない。
実施例12〜16
フェノール対ホルムアルデヒドの比率が2.2:1で製造されたエポキシノボラックを、官能性度3.6のオリゴマー分布であり2官能性成分が22.2%である供給物として使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、0.2m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が1:1である6”のユニットであった。圧力は、300rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーは50℃に設定した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するためにホットオイルジャケット付きのシステムを用いた。部分凝縮なしで見られるように、軽沸点含塩素不純物のためDGEBFの総塩素含量は高いままである。しかし、これは塩素量を減らすための第二の蒸発工程を行ことによって改善することができる。最適な分配比は総塩素含量を最小にするために存在する。
実施例17〜21
DGEBFをさらに精製するための第二の蒸留工程用の出発供給材料として、実施例12からの材料を使用した。使用したショートパスワイプドフィルム蒸発装置は、0.2m2の熱交換面積を有し加熱対冷却の交換面積が1:1である6”のユニットであった。圧力は、300rpmで1mmHgに設定した。コールドフィンガーコンデンサーは50℃に設定した。望ましい塔頂分配比にショートパスを加熱するためにホットオイルジャケット付きのシステムを用いた。示されているように、高純度のDGEBFが得られるに伴い、総塩素含量が減少した。しかし、軽沸点の含塩素不純物は存在したままであり、ここでも軽沸分を除去することによって改善することができる。最適な分配比はここでも総塩素含量を最小にするために存在する。
実施例22
塔頂フラクションとして軽不純物の1.5%を除去するために、実施例20からの材料を更に処理した。塩素量は200ppm低下した。
供給物及びフラクションの組成は塩素含量と共に下の表1に示されている。
分析方法
塩素定量
液体エポキシ樹脂の加水分解性塩素含量は、ASTM D1726(試験法B)に従って測定した。総塩素含量は、滴定に基づく手法を使用して測定した。この手法は、標準ASTM D4301法と統計的に等価な結果を与えることが示されている。
塩素定量
液体エポキシ樹脂の加水分解性塩素含量は、ASTM D1726(試験法B)に従って測定した。総塩素含量は、滴定に基づく手法を使用して測定した。この手法は、標準ASTM D4301法と統計的に等価な結果を与えることが示されている。
滴定法の最初の段階には、丸底フラスコ中で、50mLのジメチルホルムアミド(DMF)と1NのKOHエタノール溶液5mLとの中に1gの樹脂を溶解させることが含まれる。その後、フラスコを水冷コンデンサーに取り付け、試料が沸騰し始めるまで加熱し、次いで5分還流させる。フラスコを冷却した後、コンデンサーを約20mLのアセトンで洗い、中身を使い捨てビーカーに移す。ブロモクレゾールグリーン指示薬を用いて、溶液が青色から黄色に変化するまで1:1のHNO3/H2O溶液を滴加して溶液を中和する。滴定は、銀電極と、滴定剤としての0.0025NのAgNO3との組み合わせを用いた自動滴定装置を使用して行われる。
官能性度
官能性度は、屈折率検出器と粘度検出器とRALLS(直角レーザー光散乱検出器)とが含まれるTDA302検出器アレイを備えた、Viscotek GP Maxを使用するGPCによって決定した。分離は、2PLgel 3um mixed E、300×7.5mmの分析カラムを用いて行った。250ppmのBHTで抑制されたテトラヒドロフラン(THF)を移動相として使用した。試料を移動相に溶解させ(1%)、濾過した。装置はViscotek 115Kポリスチレン標準を用いて校正した。
官能性度は、屈折率検出器と粘度検出器とRALLS(直角レーザー光散乱検出器)とが含まれるTDA302検出器アレイを備えた、Viscotek GP Maxを使用するGPCによって決定した。分離は、2PLgel 3um mixed E、300×7.5mmの分析カラムを用いて行った。250ppmのBHTで抑制されたテトラヒドロフラン(THF)を移動相として使用した。試料を移動相に溶解させ(1%)、濾過した。装置はViscotek 115Kポリスチレン標準を用いて校正した。
Claims (3)
- a)平均官能性度が2.5よりも大きいオリゴマーを含有し、450ppm未満の加水分解性塩素含量である出発物質のエポキシノボラック樹脂を、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第一の連続蒸発装置を用いて分離して、
i)95重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションであって前記第一の蒸気フラクションの質量が前記出発物質のエポキシノボラック樹脂の5〜20重量%の範囲である第一の蒸気フラクションと、
ii)前記出発物質のエポキシノボラック樹脂の2官能性成分の重量%と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションと、
を生成すること;
b)前記第一のボトムフラクションを回収すること;及び
c)前記第一の蒸気フラクションの95重量%〜99.95重量%を50℃〜200℃の範囲の温度で凝縮して、
i)少なくとも95重量%の2官能性成分を有し、総塩素含量が900ppmである第一の部分的に凝縮された蒸気フラクション生成物と、
ii)ハロゲン化不純物を含有する非凝縮蒸気生成物と、
を生成すること;
を含む、連続工程。 - a)平均官能性度が2.5よりも大きいオリゴマーを含有し、450ppm未満の加水分解性塩素含量である出発物質のエポキシノボラック樹脂を、150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第一の連続蒸発装置を用いて分離して、
i)95重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一の蒸気フラクションであって前記第一の蒸気フラクションの質量が前記出発物質のエポキシノボラック樹脂の5〜20重量%の範囲である第一の蒸気フラクションと、
ii)前記出発物質のエポキシノボラック樹脂と比較して少ない重量%の2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第一のボトムフラクションと、
を生成すること;
b)前記第一のボトムフラクションを回収すること;
c)前記第一の蒸気フラクションを0℃〜150℃の範囲の温度で凝縮して第一の凝縮蒸気フラクションを生成すること;
d)前記第一の凝縮蒸気フラクションを150℃〜250℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第二の連続蒸発装置を用いて分離して、
i)工程c)の前記第一の凝縮蒸気フラクションの質量の0.05〜5重量%の範囲の質量であるハロゲン化不純物を含有する第二の蒸気フラクションと、
ii)少なくとも95重量%の2官能性成分を有し、総塩素含量が900ppm未満である第二のボトムフラクション生成物と、
を生成すること;及び
e)前記第二のボトムフラクションを回収すること;
を含む、連続工程。 - b1)工程b)の前記第一のボトムフラクションを150℃〜300℃の範囲の気化温度、0.05〜1mmHg絶対条件の絶対圧で第三の蒸発装置を用いて分離して、
i)75重量%より多い2官能性成分を有するエポキシノボラック樹脂を含有する第三の蒸気フラクションであって、前記第一のボトムフラクションの5重量%〜20重量%の範囲の質量を有する第三の蒸気フラクションと、
ii)2官能性成分が5重量%未満であるエポキシノボラック樹脂を含有する第三のボトムフラクション生成物と、
を生成すること;
b2)工程b1(i)の前記第三の蒸気フラクションを0℃〜150℃の範囲の温度で凝縮して少なくとも75重量%の2官能性成分を含有する第二の凝縮生成物を生成すること;及び
b3)前記第三のボトムフラクション生成物を回収すること;
を更に含む、請求項1又は2に記載の工程。
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