JPH05155978A - 高純度エポキシ樹脂の製造法 - Google Patents

高純度エポキシ樹脂の製造法

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JPH05155978A
JPH05155978A JP3348528A JP34852891A JPH05155978A JP H05155978 A JPH05155978 A JP H05155978A JP 3348528 A JP3348528 A JP 3348528A JP 34852891 A JP34852891 A JP 34852891A JP H05155978 A JPH05155978 A JP H05155978A
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博美 森田
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健一 溝口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高純度なエポキシ樹脂の工業的価値のある製造
法を提供すること。 【構成】ノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有す
る化合物とエピクロルヒドリンを、固形アルカリ金属水
酸化物を用い、非プロトン性極性溶媒の存在下に反応さ
せ、反応終了後、エピクロルヒドリンと非プロトン性極
性溶媒を140℃以下の温度で減圧下に留去し、次いで
副生アルカリ塩の存在下に樹脂をアルカリ金属水酸化物
で処理して高純度のエポキシ樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い信頼性の要求され
る電気・電子部品の分野、特に電子部品封止剤、積層板
等の材料として有用な高純度エポキシ樹脂の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にエポキシ樹脂は、耐熱性、接着
性、耐薬品性、電気特性、機械特性等に優れている為、
接着剤、塗料、電気絶縁材料などに幅広く用いられてい
る。
【0003】一方、近年の電子材料の発展に伴うICの
高集積化は、特に封止剤に対してより一層の高純度を要
求している。即ち、高集積化による配線の微細化により
配線の腐食が起き易くなる為、その原因となる腐食性イ
オン、とりわけ加水分解性塩素量を極力抑えたエポキシ
樹脂の製造法が望まれている。
【0004】これらの製造法に関して、多数の方法が提
案されているが、いずれも加水分解性塩素量の低減には
限界があり、又、工業的に実施しようとする場合問題点
が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、加
水分解性塩素量を低減し、なおかつ工業的な価値が大き
い高純度エポキシ樹脂の製造法を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の目
的を達成すべくいかにして高純度エポキシ樹脂を製造す
るか検討した結果、フェノール性水酸基を有する化合物
をエピハロヒドリンでエポキシ化する際に、固形のアル
カリ金属水酸化物を用い、非プロトン性極性溶媒を存在
させ、反応後エピハロヒドリンと非プロトン性極性溶媒
を特定の条件下で一気に除去し、残留樹脂のアルカリ金
属水酸化物による処理を、有機溶媒中で副生アルカリ塩
の存在下に行なうことにより、加水分解性塩素量が著し
く低減した高純度エポキシ樹脂が得られ、かつ、この方
法によれば溶媒のリサイクル使用が容易となり工業的価
値の優れた方法であることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】即ち、本発明は、 (1)フェノール水酸基を有する化合物とエピハロヒド
リンを、固形のアルカリ金属水酸化物を用いて、非プロ
トン性極性溶媒の存在下に反応させ、得られたエポキシ
樹脂を含有する溶液から、減圧下、140℃以下の温度
で、エピハロヒドリンおよび非プロトン性極性溶媒を同
時に除去し、残留樹脂を有機溶媒中で副性アルカリ塩の
存在下、アルカリ金属水酸化物で処理することを特徴と
する高純度エポキシ樹脂の製造法、
【0008】(2)フェノール性水酸基を有する化合物
とエピハロヒドリンとの反応を0〜80℃の温度で行な
う上記(1)に記載のエポキシ樹脂の製造法、
【0009】(3)フェノール性水酸基を有する化合物
とエピハロヒドリンを反応させる際、アルカリ金属水酸
化物として固形の水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カ
リウムを用い、アルカリ金属水酸化物の使用量がフェノ
ール性水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基1当
量に対して、0.9〜1.1モルである上記(1)又は
(2)に記載のエポキシ樹脂の製造法、
【0010】(4)エピハロヒドリンがエピクロルヒド
リンであり、フェノール性水酸基を有する化合物のフェ
ノール性水酸基1当量に対してエピクロルヒドリンを2
〜10モル使用する。上記(1)、(2)又は(3)に
記載のエポキシ樹脂の製造法、
【0011】(5)非プロトン性極性溶媒がジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンから選ばれる溶媒であり、これ
をフェノール性水酸基を有する化合物100重量部に対
して30〜300重量部使用する上記(1)、(2)、
(3)又は(4)に記載のエポキシ樹脂の製造法、
【0012】(6)フェノール性水酸基を有する化合物
がフェノール類化合物とアルデヒド化合物の縮合物、ビ
スフェノール類又はビフェノール類である上記(1)、
(2)、(3)、(4)又は(5)に記載のエポキシ樹
脂の製造法、に関する。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。フェノー
ル性水酸基を有する化合物は特に限定されず、種々のも
のが使用できる。例えば、フェノール類化合物とアルデ
ヒド化合物の縮合物、ビスフェノール類、ビフェノール
類等が挙げられる。
【0014】フェノール類化合物とアルデヒド化合物の
縮合物としては、例えば、クレゾールノボラック樹脂、
フェノールノボラック樹脂などのような、フェノール類
化合物とホルムアルデヒドの脱水縮合物(ノボラック樹
脂)がその一例として挙げられる。
【0015】例えば、フェノール類化合物としてフェノ
ール、又は、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタ
クレゾール、t−ブチルフェノール、フェニルフェノー
ル、ノニルフェノールなどの一置換フェノール類、又
は、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフ
ェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−t−ブチ
ル−5−メチルフェノールなどの二置換フェノール、又
は、2,3,5−トリメチルフェノールなどの三置換フ
ェノール、又は、1−ナフトール、2−ナフトール、1
−メチル−2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトー
ルなどのナフトール類を用い、これの一種あるいは二種
以上とホルムアルデヒドを脱水縮合して得られる縮合物
(ノボラック樹脂)が挙げられる。
【0016】又、ホルムアルデヒドの代りに、アルデヒ
ド化合物としてベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズア
ルデヒド、テレフタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒ
ド類を使用し、これを前述のフェノール類化合物と脱水
縮合して得られる縮合物であってもよい。
【0017】さらに、ホルムアルデヒトの代りにアクロ
レイン、クロトンアルデヒドなどの不飽和二重結合を有
するアルデヒド類、あるいは、グリオキザール、グルタ
ルアルデヒトなどのアルデヒド基を複数有するアルデヒ
ド類を使用し、これを前述のフェノール類化合物と脱水
縮合して得られる縮合物であってもよい。
【0018】ビスフェノール類としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールFなどが、ビフェノール類として
は、4−4′ビフェノール、4,4′−ビスヒドロキシ
−3,3′,5′,5−テトラメチルビフェニルなどが
挙げられる。
【0019】このような、フェノール性水酸基を有する
化合物をエポキシ化するために用いるエピハロヒドリン
としては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等
が挙げられ、エピハロヒドリンは、フェノール性水酸基
を有する化合物のフェノール性水酸基1当量に対して2
〜10モル使用するのが好ましく、特に3〜6モル用い
るのが好ましい。エピハロヒドリンの量が少なすぎると
ゲルが発生しやすくなり、又、多すぎる工業的に不利と
なる。
【0020】又、非プロトン性極性溶媒としては、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらは
フェノール性水酸基を有する化合物100重量部に対し
て30〜300重量部使用するのが好ましい。非プロト
ン性極性溶媒の使用量が少なすぎると加水分解性塩素量
の低減において顕著な効果を達成しにくくなり、又、多
すぎると工業的意味から容積効率の低下をきたし不利で
ある。
【0021】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
ハロヒドリンを反応させる際に用いる固形のアルカリ金
属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等が挙げられ、これらは一種のみを又はそれらを組合せ
て使用することができ、固形のアルカリ金属水酸化物
は、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール性
水酸基1当量に対して0.9〜1.1モル用いるのが特
に好ましい。
【0022】フェノール性水酸基を有する化合物をエピ
ハロヒドリンと反応させる際の反応温度は0〜80℃が
好ましく、反応は常圧で実施できる。この反応温度は、
反応時間と加水分解性塩素量の低減という目的に鑑み、
20〜70℃であることが特に好ましい。反応時間は3
〜7時間で十分である。
【0023】反応終了後、エポキシ樹脂を含有する溶液
から、減圧下に140℃以下、好ましくは135℃以下
の温度でエピハロヒドリン及び非プロトン性極性溶媒を
同時に蒸留等により除去することにより、残留樹脂と副
生アルカリ塩が残留物としてけ得られる。
【0024】このようにして得られた残留樹脂と副生ア
ルカリ塩を含む残留物にメチルイソブチルケトン、トル
エン、キシレン等の有機溶媒を加え、残留樹脂を溶解
し、これにアルカリ金属水酸化物を添加し好ましくは5
0〜80℃の温度で好ましくは1〜3時間処理する。
【0025】この際用いるアルカリ金属酸化物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、
これらは固形の状態で又は水溶液の状態で添加すること
ができ、その使用量はフェノール性水酸基を有する化合
物のフェノール性水酸基1当量に対して好ましくは0.
01〜0.2モルである。
【0026】このようにしてアルカリ金属水酸化物で処
理して得た混合物から、必要により副生アルカリ塩を分
離した後、水洗により副生アルカリ塩及び/又はアルカ
リ金属水酸化物を除去する。この水洗は、分離した水相
が中性になるまで繰り返す。その後、有機溶媒を減圧下
に除去することにより、加水分解性塩素量が極めて少な
い高純度エポキシ樹脂が得られる。
【0027】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
ハロヒドリンとの反応を常圧で可能ならしめる本発明の
重要な点は、該反応の際に使用するアルカリ金属水酸化
物が固形であることである。
【0028】従来提案されている製造法においては、ア
ルカリ金属水酸化物を水溶液の形で使用し、共沸脱水し
ながら反応系内の水分がある範囲(たとえば0.5〜3
%)になるよう温度と圧力を調整している。
【0029】しかるに、本発明の方法である固形のアル
カリ金属水酸化物を使用し、非プロトン性極性溶媒の存
在下で該反応を行なう方法においては、これら水分の調
整、それにともなう温度、圧力の管理を全く必要とせず
に反応を進行させる事ができる。
【0030】しかも、反応終了後、本発明の重要な点で
ある非プロトン性極性溶媒を減圧下、140℃以下の温
度で蒸留等によりエピハロヒドリンと共に同時に除去、
回収し、さらに、残留した副生アルカリ塩の存在下で、
有機溶媒中で残留樹脂をアルカリ金属水酸化物により処
理することによって、驚くべき事に、従来の共沸脱水に
より水分を調整する方法よりも、さらに加水分解性塩素
量の著しい低減が実現できる。
【0031】このように、本発明においては、固形のア
ルカリ金属水酸化物を使用し、非プロトン性極性溶媒の
存在下で反応を進め、その後特定の処理を行なうが、こ
れら一連の操作の相乗効果によって、予期し得なかった
驚くべき効果をもたらす。
【0032】このような効果をもたらす一連の操作のひ
とつに非プロトン性極性溶媒をエピハロヒドリンと共に
除去する際の温度を140℃以下、好ましくは135℃
以下とする点がある。このように温度を細かく規定する
のは、以下の理由による。即ち、従来、非プロトン性極
性溶媒の除去は水洗によって実施されていた。
【0033】本発明者らは、非プロトン性極性溶媒を通
常の蒸留によって回収することを検討したが、得られる
エポキシ樹脂の加水分解性塩素量の低減は実現できなか
った。しかるに,その後の詳細な検討の結果、この蒸留
による回収の際、非プロトン性極性溶媒とエピハロヒド
リンを同時に、減圧下140℃以下の温度で除去するこ
とにより、得られるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量
の低減が可能となり、又、非プロトン性極性溶媒の蒸留
による回収が可能となり、そのため、工業的に非プロト
ン性極性溶媒の再使用が容易となる。
【0034】又、本発明においては、残留樹脂を残留し
た副生アルカリ塩の存在下でアルカリ金属水酸化物と再
度接触させることにより、加水分解性塩素量が一段と低
減される。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0036】合成例1 温度計、攪拌器、冷却管を付けたガラス容器にp−t−
ブチルフェノール150g(1モル)、35%ホルマリ
ン水溶液60g(0.7モル)及びパラトルエンスルホ
ン酸1gを仕込み窒素を吹きこみながら80℃で2時
間、更に100℃で2時間反応させた。
【0037】冷却後メチルイソブチルケトン300mlを
加え洗滌水が中性になるまで水洗した。有機相から減圧
下に未反応原料及び溶媒を除去し、p−t−ブチルフェ
ノールのノボラック樹脂(A−1)123gを得た。得
られた樹脂(A−1)の水酸基当量は162g/eq、軟化
点115℃であった。
【0038】合成例2 合成例1と同様の容器に、フェノール235g(2.5
モル)、アクロレイン22g(0.4モル)、水30g
及びパラトルエンスルホン酸1gを仕込み60℃で5時
間、更に100℃で2時間反応させた。冷却後合成例1
と同様の操作を実施して樹脂(A−2)115gを得
た。得られた樹脂(A−2)の水酸基当量は106g/e
q、軟化点は105℃であった。
【0039】合成例3 合成例1と同様の容器にフェノール235g(2.5モ
ル)、テレフタルアルデヒド40g(0.3モル)及び
パラトルエンスルホン酸1gを仕込み、100℃で3時
間、更に130℃で2時間反応させた。冷却後、合成例
1と同様の操作を実施して樹脂(A−3)120gを得
た。得られた樹脂(A−3)の水酸基当量は117g/
eq、軟化点は150℃であった。
【0040】合成例4 合成例1と同様の容器にフェノール235g(2.5モ
ル)、グリオキザール17g(0.3モル)及びパラト
ルエンスルホン酸1gを仕込み、100℃で3時間、更
に130℃で2時間反応させた。冷却後、合成例1と同
様の操作を実施して樹脂(A−4)97gを得た。得ら
れた樹脂(A−4)の水酸基当量は98g/eq、軟化点は
135℃であった。
【0041】合成例5 合成例1と同様の容器にフェノール235g(2.5モ
ル)、サリチルアルデヒド49g(0.4モル)及びパ
ラトルエンスルホン酸1gを仕込み、80℃で3時間、
100℃で2時間反応させた。冷却後、合成例1と同様
の操作を実施して樹脂(A−5)97gを得た。得られ
た樹脂(A−5)の水酸基当量は97g/eq、軟化点は1
30℃であった。
【0042】実施例1〜11 合成例1〜5で得られた樹脂(A−1)〜(A−5)
(いずれもフェノール性水酸基を有する化合物)又はオ
ルソクレゾールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、水
酸基当量120g/eq、軟化点95℃)、ビスフェノール
A(水酸基当量114g/eq、軟化点155℃)、ビスフ
ェノールF(水酸基当量100g/eq、軟化点162
℃)、フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)
製、ミレックスXL−225;水酸基当量180g/eq、
軟化点85℃)、ビフェノール化合物(本州化学工業
(株)製、3,3′,5,5′−テトラメチルビフェノ
ール、水酸基当量121g/eq、軟化点222℃)をそれ
ぞれ使用し表1に示す量と種類のフェノール性水酸基を
有する化合物、ジメチルスルホキシド及びエピクロルヒ
ドリンを温度計、攪拌器、冷却管の付いたガラス容器に
仕込み、窒素を吹込みながら溶解した。
【0043】溶解後、固形の水酸化ナトリウム(苛性ソ
ーダ)を表1に示す量で2時間かけて添加した。この際
の反応温度(反応温度A)は表1に示す通りであり、苛
性ソーダ添加終了後、更に表1に示す反応温度(反応温
度B)で2時間維持し、反応を終了させた。反応終了
後、容器を表1に示す温度に加熱し、表1に示す圧力に
達するまで過剰のエピクロルヒドリン及びジメチルスル
ホキシドを同時に減圧回収した。
【0044】この後、残った残留樹脂及び副生アルカリ
塩中に、メチルイソブチルケトンを表1に示す量仕込み
樹脂分を溶解した。樹脂分を溶解後、副生アルカリ塩の
存在下、いづれの場合も、20%苛性ソーダ水溶液20
gを添加し、70℃で2時間反応した。反応後、分液ロ
ートを使用して、副生アルカリ塩及び過剰のアルカリ金
属水酸化物を水洗除去し、更に水相が中性を示すまで水
洗をくり返した。
【0045】水洗後、減圧下でメチルイソブチルケトン
を留去して、それぞれ表1に示す量のエポキシ樹脂(B
−)〜(B−11)を得た。これらの樹脂(B−1)〜
(B−11)について以下の方法によりフリー塩素量、
加水分解性塩素量、全塩素量、エポキシ当量、軟化点を
求めた。
【0046】(フリー塩素量)約10gの試料(エポキ
シ樹脂)を200ミリリットルのビーカーに精秤し、1
00ミリリットルのアセトンで溶解し、更に、蒸留水2
ミリリットルと氷酢酸1ミリリットルを加え、硝酸銀水
溶液にて電位差滴定を行い定量した。
【0047】(加水分解性塩素量)約0.5gの試料
(エポキシ樹脂)を100ミリリットルの共栓付きフラ
スコに精秤し、ジオキサン30ミリリットルで溶解す
る。溶解後、1N−KOHエタノール溶液5ミリリット
ルを加え、30分間煮沸還流する。その後、この溶液を
完全に200ミリリットルのビーカーに移し、80%濃
度のアセトン水溶液100ミリリットルを加え、更に濃
硝酸2ミリリットルを加えて硝酸銀水溶液にて電位差滴
定を行い定量した。
【0048】(全塩素量)約1gの試料(エポキシ樹
脂)を100ミリリットルの共栓付きフラスコに精秤
し、n−ブチルカルビトール25ミリリットルを加え、
加熱溶解する。溶解後、1N−KOHプロピレングリコ
ール溶液25ミリリットルを加え、10分間加熱還流す
る。その後、この溶液を完全に200ミリリットルのビ
ーカーに移し、氷酢酸50ミリリットルを加えて硝酸銀
水溶液にて電位差滴定を行い定量した。
【0049】(エポキシ当量)JIS K7236に準
じて測定した。 (軟化点)JIS K2425環球法により測定した。
これらの結果を表1に示す。
【0050】比較例1 実施例6と同一のオルソクレゾールノボラック樹脂12
0gを使用し、表1に示す量のジメチルスルホキシド及
びエピクロルヒドリンを用いて、実施例6と同様の操作
を実施して反応を終了させた後、水洗によりジメチルス
ルホキシドと副生塩を除去し、表1の条件で過剰のエピ
クロルヒドリンを留去回収した以外は、実施例1と同様
の操作を実施してエポキシ樹脂(C−1)161gを得
た。樹脂(C−1)について、実施例1〜11と同様の
評価方法により評価した。結果を表1に示す。
【0051】比較例2〜3 実施例5〜6において、ジメチルスルホキシド及び過剰
のエピクロルヒドリンを表1に示す条件即ち、145
℃、10mmHgで回収した以外は実施例5〜6と同様の操
作を実施してエポキシ樹脂(C−2)136g、(C−
3)153gを得た。これらの評価結果を表1に示す。
【0052】比較例4 実施例6と同一のオルソクレゾールノボラック樹脂12
0gを温度計、攪拌器、滴下ロート及び生成水分離装置
のついたガラス容器に仕込み、エピクロルヒドリン50
9g(5.5モル)を添加し、窒素を吹込みながら溶解
した。
【0053】溶解後、反応温度50℃(反応温度A)、
圧力50〜100mmHgの条件下、48%苛性ソーダ水溶
液85gを2時間かけて滴下した。その後、更に70℃
(反応温度B)で2時間反応させた。この間、生成水及
び苛性ソーダ水溶液の水をエピクロヒドリンとの共沸に
より連続的に反応系外に除去し、系内の水分を1.7%
に調整した。
【0054】ついで容器を表1に示す温度に加熱し、表
1に示す圧力に達するまで過剰の未反応エピクロルヒド
リンを回収した後、再びメチルイソブチルケトン500
ml(400g)を加え再溶解した。得られたメチルイソ
ブチルケトン溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液20
gを加え反応温度70℃で2時間反応した。反応終了
後、水で水層が中性を示すまで洗浄をくり返した。つい
で、メチルイソブチルケトン相からメチルイソブチルケ
トンを減圧下に除去し、エポキシ樹脂(C−4)160
gを得た。評価結果を表1に示す。
【0055】 表1(1) 実 施 例 1 2 3 4 5 フェノール性水酸基を 有する化合物 A−1 A−2 A−3 A−4 A−5 上記化合物の使用量(g) 162 106 117 98 97 エピクロルヒドリン使用 509 同 左 同 左 同 左 同 左 量(g) DMSO使用量(g) 100 同 左 同 左 同 左 同 左 固形苛性ソーダ(g) 41 同 左 同 左 同 左 同 左 反応温度A(℃) 50 同 左 同 左 同 左 同 左 反応温度B(℃) 70 同 左 同 左 同 左 同 左 回収条件 温度(℃) 135 140 135 同 左 同 左 圧力(mmHg) 7 7 7 同 左 同 左 MIBK使用量(g) 400 同 左 同 左 同 左 同 左 エポキシ樹脂 B−1 B−2 B−3 B−4 B−5 エポキシ樹脂生成量(g) 195 147 152 140 135 フリー塩素量(ppm) 1 1 1 1 1 加水分解性塩素量(ppm) 320 310 315 320 305 全塩素量(ppm) 530 510 520 540 500 エポキシ当量(g/eq) 243 182 192 173 172 軟化点(℃) 79 55 82 85 53
【0056】 表1(2) 実 施 例 6 7 8 9 10 フェノール性水酸基を 有する化合物 OCN 同 左 BFA BFF PAA 上記化合物の使用量(g) 120 120 114 100 180 エピクロルヒドリン使用 509 同 左 同 左 同 左 同 左 量(g) DMSO使用量(g) 100 200 100 同 左 同 左 固形苛性ソーダ(g) 41 同 左 同 左 同 左 同 左 反応温度A(℃) 50 同 左 同 左 同 左 同 左 反応温度B(℃) 70 同 左 同 左 同 左 同 左 回収条件 温度(℃) 135 同 左 140 同 左 135 圧力(mmHg) 7 同 左 7 同 左 7 MIBK使用量(g) 400 同 左 同 左 同 左 同 左 エポキシ樹脂 B−6 B−7 B−8 B−9 B−10 エポキシ樹脂生成量(g) 156 155 152 140 210 フリー塩素量(ppm) 1 1 1 1 1 加水分解性塩素量(ppm) 310 205 250 240 280 全塩素量(ppm) 520 340 410 405 470 エポキシ当量(g/eq) 194 195 182 166 265 軟化点(℃) 67 68 液 状 液 状 58
【0057】 表1(3) 実施例 比 較 例 11 1 2 3 4 フェノール性水酸基を 有する化合物 BP OCN A−5 OCN OCN 上記化合物の使用量(g) 121 120 97 120 120 エピクロルヒドリン使用 509 同 左 同 左 同 左 同 左 量(g) DMSO使用量(g) 100 同 左 同 左 同 左 ── 固形苛性ソーダ(g) 41 同 左 同 左 同 左 水溶液 反応温度A(℃) 50 同 左 同 左 同 左 同 左 反応温度B(℃) 70 同 左 同 左 同 左 同 左 回収条件 温度(℃) 135 同 左 145 同 左 135 圧力(mmHg) 7 同 左 10 同 左 7 MIBK使用量(g) 400 同 左 同 左 同 左 同 左 エポキシ樹脂 B−11 C−1 C−2 C−3 C−4 エポキシ樹脂生成量(g) 158 161 136 153 160 フリー塩素量(ppm) 1 2 1 2 1 加水分解性塩素量(ppm) 205 430 550 570 650 全塩素量(ppm) 310 730 930 960 1200 エポキシ当量(g/eq) 195 200 175 200 199 軟化点(℃) 68 58 70 67
【0058】DMSO:ジメチルスルホキシド MIBK:メチルイソブチルケトン OCN :オルソクレゾールノボラック樹脂 BFA :ビスフェノールA BFF :ビスフェノールF PAA :フェノールアラルキル樹脂 BP :ビフェノール化合物
【0059】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂の製造法によれば
信頼性の高い高純度なエポキシ樹脂が得られ、しかも、
高価な非プロトン性極性溶媒を容易に回収再使用できる
ことから工業的にも極めて有利であり、価値が大であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
    ハロヒドリンを、固形のアルカリ金属水酸化物を用い
    て、非プロトン性極性溶媒の存在下に反応させ、得られ
    たエポキシ樹脂を含有する溶液から、減圧下、140℃
    以下の温度で、エピハロヒドリンおよび非プロトン性極
    性溶媒を同時に除去し、残留樹脂を有機溶媒中で副生ア
    ルカリ塩の存在下、アルカリ金属水酸化物で処理するこ
    とを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
    ハロヒドリンとの反応を0〜80℃の温度で行なう請求
    項1に記載のエポキシ樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】フェノール性水酸基を有する化合物とエピ
    ハロヒドリンを反応させる際、アルカリ金属水酸化物と
    して固形の水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム
    を用い、アルカリ金属水酸化物の使用量がフェノール性
    水酸基を有する化合物のフェノール性水酸基1当量に対
    して0.9〜1.1モルである請求項1又は2に記載の
    エポキシ樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】エピハロヒドリンがエピクロルヒドリンで
    あり、フェノール性水酸基を有する化合物のフェノール
    性水酸基1当量に対して、エピクロルヒドリンを2〜1
    0モル使用する請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂
    の製造法。
  5. 【請求項5】非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキ
    シド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−
    イミダゾリジノンから選ばれる溶媒であり、これをフェ
    ノール性水酸基を有する化合物100重量部に対して3
    0〜300重量部使用する請求項1、2、3又は4に記
    載のエポキシ樹脂の製造法。
  6. 【請求項6】フェノール性水酸基を有する化合物がフェ
    ノール類化合物とアルデヒド化合物の縮合物、ビスフェ
    ノール類又はビフェノール類である請求項1、2、3、
    4又は5に記載のエポキシ樹脂の製造法。
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