JP2017218592A - 香気成分の捕集方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される好ましい香りの香気成分を、効率よく捕集する方法を提供する。【解決手段】植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させ、次いで吸着剤に吸着した香気成分を溶媒で溶出することを特徴とする、香気成分の捕集方法。【選択図】なし

Description

本発明は、植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を捕集する方法に関する。
コーヒー豆、茶葉、ゴマ等の植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後には、良好な香りが放出されることから、それらを有効活用することが行われている。例えば、コーヒー豆では、焙煎後粉砕したコーヒー豆に水蒸気を吹き付けることでコーヒーフレーバー成分を共沸させ、それを冷却して凝集することにより、コーヒーフレーバー成分を得る方法が開示されている(特許文献1)。
焙煎後に粉砕したコーヒー豆が放出する香気成分を捕集する方法としては、焙煎コーヒー豆を粉砕機で粉砕した際に放出される香気成分を、溶媒中に導入してアロマ溶液を調製し、それを加熱することにより蒸散する香気成分を凝縮させて、濃縮アロマ溶液を得る方法が開示されている(特許文献2)。
特開平2−203750号公報 特開2004−159583号公報
特許文献1に記載の方法では、淹れたてのコーヒーが醸し出す香気成分である、揮発性の高い香気成分が十分に捕集できないという課題があった。また、特許文献2に記載の方法では、コーヒー豆を粉砕した際に発生する香気成分を溶媒中に導入する際に、その香気成分の多くが溶媒に捕集されず溶媒から放出されるため、得られた濃縮アロマ溶液の香りが十分満足できるものではなく、濃縮アロマ溶液の収率が低いという課題があった。
本発明の目的は、植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される好ましい香りの香気成分を、効率良く捕集する方法を提供することである。
本発明者は、上記の従来技術が有する課題を解決するべく鋭意検討したところ、以下の本発明に想到した。
項1.植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させ、次いで吸着剤に吸着した香気成分を溶媒で溶出することを特徴とする、香気成分の捕集方法。
項2.植物性材料が、種子類又は茶類である、項1に記載の香気成分の捕集方法。
項3.吸着剤が、シリカゲル、ゼオライト及び活性炭からなる群から選ばれる1種以上である、項1又は2に記載の香気成分の捕集方法。
項4.溶媒が、水、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、アセトン、エチルメチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、ジクロロメタン及び食用油脂からなる群から選ばれる1種以上である、項1〜3のいずれか1項に記載の香気成分の捕集方法。
項5.項1〜4のいずれか1項に記載の香気成分の捕集方法によって得られた香気成分を含有する香料組成物。
本発明の香気成分の捕集方法を用いることにより、植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される好ましい香りの香気成分を、効率良く捕集することができる。
植物性材料から放出される香気成分を捕集する装置の概略図。
植物性材料としては、焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に、香りを放出するものが挙げられる。植物性材料の具体例としては、種子類、茶類等が挙げられる。種子類としては、例えば、コーヒー豆(ブラジル産、コロンビア産、タンザニア産、エチオピア産等のアラビカ種、ロブスタ種等)、カカオ豆(フォラステロ種、クリオロ種、トリニタリオ種等)、ゴマ、バニラ豆、大豆、小豆、インゲンマメ、ソラマメ、トウモロコシ、ピーナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ペカンナッツ、ピスタチオ、マカデミアナッツ、クルミ、クリ等が挙げられる。茶類としては、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze)の芽、葉、茎等から得られる生葉、製茶された不発酵茶、半発酵茶、発酵茶等が挙げられる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、てん茶等の蒸し製の不発酵茶や、嬉野茶、青柳茶、ジャスミン茶等の不発酵茶が挙げられる。半発酵茶としては、例えば、包種茶、鉄観音茶、ウーロン茶等が挙げられる。発酵茶としては、例えば、紅茶、プーアール茶、阿波番茶、碁石茶等が挙げられる。
植物性材料の焙煎方法に特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、植物性材料がコーヒー豆の場合、生豆をコーヒーロースターに投入し、コーヒーロースターを回転させながら、下方からガスバーナー等で加熱する方法が挙げられる。コーヒー豆の焙煎の程度は、通常飲用に供される程度の焙煎であればいかなる範囲内でもよいが、例えば、L値が14.5〜30になるように焙煎するのが好ましい。L値はコーヒー豆の焙煎の程度を表す指標であり、焙煎したコーヒー豆の粉砕物の明度を色差計で測定した値である。コーヒー豆の焙煎が深いほどL値は低くなり、焙煎が浅いほどL値は高くなる。
植物性材料の粉砕方法に特に制限はなく、常法により行うことができる。例えば、コーヒー豆の場合、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等の粉砕装置を用いて粉砕する方法が挙げられる。粉砕されたコーヒー豆の平均粒径は、好ましくは0.001〜5mmであり、より好ましくは0.01〜2.5mmである。
本発明の香気成分の捕集方法においては、植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させる。また、植物性材料としては、既に粉砕した植物性材料を用いて、それの焙煎時又は焙煎後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させてもよく、既に焙煎した植物性材料を用いて、それの粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させてもよい。良好な香りの香気成分が高い収率で得られやすいという観点から好ましいのは、既に焙煎した植物性材料を用いて、それの粉砕時に放出される香気成分を吸着剤に吸着させる方法である。
植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分は、キャリアガスと共に吸着剤に搬送することにより、香気成分を吸着剤に効率的に吸着できる。キャリアガスとしては、水蒸気、空気、不活性ガス(窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等)等が挙げられる。水蒸気では植物性材料に熱を加えることにもなり、香りの変性が懸念されるが、空気、不活性ガスでは常温のガスを用いることができるためより好ましい。キャリアガスは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
吸着剤としては、植物性材料から放出されるガスを吸着できるものであれば特に制限はなく、例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、シリカゲルである。吸着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、吸着剤に吸着した香気成分を溶出できるものであれば特に制限はなく、水系溶媒、非水系溶媒が挙げられる。水系溶媒としては、水、低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、低級ケトン(アセトン、エチルメチルケトン等)等が挙げられる。非水系溶媒としては、炭化水素(ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等)、エーテル(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル等)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン等)、食用油脂等が挙げられる。溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。溶媒のうち好ましいのは、水、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、アセトン、エチルメチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、ジクロロメタン及び食用油脂からなる群から選ばれる1種以上である。
吸着剤に吸着した香気成分を溶媒で溶出する方法については特に制限はなく、例えば、香気成分が吸着した吸着剤を上記の溶媒に浸漬する方法が挙げられる。浸漬時間は、好ましくは30分間〜24時間である。吸着剤を溶媒に浸漬した後、ろ過、デカンテーション等の方法で吸着剤を分離することにより、香気成分が溶媒に溶解した溶液(以下、「香気成分溶液」という)を得ることができる。吸着剤に吸着した香気成分を溶媒に効率的に溶出させるためには、香気成分が吸着した吸着剤を粉砕してもよい。また、香気成分が吸着した吸着剤をカラム状に円筒缶へ投入し、先に記載の溶媒を通液して香気成分を溶出させることもできる。
本発明の、植物性材料の粉砕時に放出される香気成分の捕集方法について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、植物性材料の粉砕時に放出される香気成分を捕集する装置の概略図である。図1に示すように、植物性材料1は、ミル装置2に備えられた粉砕ミル部3によって粉砕され、植物性材料粉砕物4になる。植物性材料1は、予め焙煎したもの、焙煎していないもののいずれであってもよい。植物性材料粉砕物4は、密閉容器5内に投入される。
植物性材料粉砕物4から放出される香気成分は、香気成分出口6から出て、配管7を経由してスポンジフィルター8に導入される。香気成分は、上記のキャリアガスと共にスポンジフィルター8に導入してもよい。スポンジフィルター8では、香気成分と共に搬送された植物性材料粉砕物4が除去される。
スポンジフィルター8を通過した香気成分は、配管7を経由して吸着剤10が充填された香気成分吸着缶9に導入され、吸着剤10に吸着される。
植物性材料1からは、香気成分以外の揮発性成分も放出されるが、吸着剤10に吸着されない揮発性成分は、送ガスポンプ11により、配管7を経由して系外に排出される。
次に、本発明の香気成分の捕集方法によって得られた、香気成分を含有する香料組成物について説明する。
本発明の項5の香料組成物は、香気成分を含有する。その香気成分は、本発明の香気成分の捕集方法で得られたものであり、項5には、香気成分の製造方法が記載されている(項5は、いわゆるプロダクト・バイ・プロセスで発明を特定している)。本発明の香料組成物は、上記の従来技術によって得られた香気成分と比較して、香りが良好である。しかしながら、本発明の香料組成物と上記の従来技術によって得られた香気成分との対比において、組成又は特性における相違点を特定しようとしたが、現時点ではできていない。つまり、本発明の香料組成物に関しては、当該物をその組成又は特性により直接特定することが不可能であるという事情が存在する。したがって、本願請求項5は、「発明が明確であること」という要件に適合するといえる。
本発明の香料組成物としては、本発明の香気成分の捕集方法によって得られた香気成分溶液をそのまま用いてもよいが、香気成分溶液に含まれる溶媒を除去することができる。香気成分溶液から溶媒を除去する方法としては、香気成分溶液を加熱する方法が挙げられる。香気成分溶液の加熱温度に特に制限はなく、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよい。香気成分溶液を加熱する際の雰囲気は、常圧下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、香気成分の濃縮効率の観点から、常圧下又は減圧下が好ましい。また、香気成分溶液に含まれる溶媒を除去した場合には、香気成分に、除去した溶媒とは別の溶媒を加えて香気成分溶液としてもよい。
本発明の香料組成物は、飲料や食品に、好ましい香りを付与することができる。飲料や食品の具体例としては、コーヒー飲料、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、ハ−ブティ−等の嗜好飲料類;コ−ラ飲料、果汁入炭酸飲料、乳類入炭酸飲料等の炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポ−ツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料、ヨーグルト飲料等の食系飲料類;チュ−ハイ、カクテルドリンク、ビール、発泡酒、果実酒、薬味酒等のアルコ−ル飲料類;バタ−、チ−ズ、ホイップクリーム、ミルク、脱脂粉乳、ヨ−グルト等の乳原料;アイスクリ−ム、ラクトアイス、氷菓、ヨ−グルト、プリン、ゼリ−等のデザ−ト類;キャラメル、キャンディ−、錠菓、ホットケーキ、クラッカ−、ビスケット、クッキ−、パイ、チョコレ−ト、スナック等の菓子類;パン、ス−プ、ホワイトソース、各種インスタント食品等の一般食品類;等が挙げられる。
本発明の香料組成物は、飲料や食品以外にも、例えば、台所用洗剤,漂白剤等のトイレタリー製品;消臭剤・芳香剤等のエアケア製品;口腔用組成物;フレグランス製品,基礎化粧品,仕上げ化粧品,頭髪化粧品,日焼け化粧品,薬用化粧品等の香粧品;ヘアケア製品;石鹸等のスキンケア製品;身体洗浄剤等のボディケア製品;浴用剤;衣料用洗浄剤;衣料用柔軟仕上げ剤;エアゾール剤;日用・雑貨品;医薬部外品又は医薬品等に使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
コーヒーミル((株)エフ・エム・エル製、「CM−450」)の粉砕豆排出口に、粉砕豆が入るよう10L密閉容器を設置した。10L容器上部に香気成分出口を設けた。香気成分出口の先に、コーヒー豆粉砕時に発生する微粉が吸着剤に混入することを防ぐために、スポンジフィルターを取り付けた。香気成分吸着缶には、吸着剤としてシリカゲル(富士シリシア化学(株)製、「CARiACT Q−3」)50gを充填したカラムを設置した(図1参照)。
焙煎したコーヒー豆(コロンビア豆、L値=23)3kgをコーヒーミルホッパーへ投入し、ダイアルを粗めに合わせて、粉砕を開始した。粉砕開始と同時に、0.075m/分の流量で送ガスポンプを稼動して空気を通風し、香気成分を吸着剤に吸着させた。コーヒー豆の粉砕開始から7分間経過したところで、コーヒー豆の粉砕は終了した。コーヒー豆の粉砕終了後も、引き続き香気成分を吸着剤に吸着させ、コーヒー豆の粉砕開始から40分間、香気成分を吸着剤に吸着させた。香気成分が吸着した吸着剤を取り出し、吸着剤をオスタライザーブレンダーミキサーにて15秒間粉砕した。
粉砕した吸着剤に60質量%のエタノール水溶液を50g投入し、攪拌混合した。16時間静置後、濾紙で濾過して吸着剤を除去し、さらに吸着剤を60質量%のエタノール水溶液90gで洗い、本発明の香料組成物A100gを得た。
[実施例2]
実施例1において、吸着剤を合成ゼオライト(東ソー(株)製、「A−4、球状」)50gに変更した以外は実施例1と同様にして、香料組成物B100gを得た。
[実施例3]
実施例1において、吸着剤を活性炭(和光純薬工業(株)製、「顆粒状」)50gに変更した以外は実施例1と同様にして、香料組成物C100gを得た。
下記の処方に基づいて調製したコーヒー飲料99.95質量部に、実施例1〜3で得られた香料組成物A〜Cをそれぞれ0.05質量部添加して混合し、そのコーヒー飲料の香りに関して、よく訓練された7名の評価員により、トップの広がり、原料豆の香り、コーヒー豆粉砕時の香り、ナチュラルな呈味について官能評価をした。
<コーヒー飲料の処方>
コーヒー抽出液(Brix2.2°) 45.50質量部
炭酸水素ナトリウム 0.08質量部
イオン交換水 54.37質量部
合計 99.95質量部

コーヒー抽出液は、中粗挽きコーヒー豆(ブラジルサントスNo.2、L値=20)1gに85℃の湯10gを注いで抽出したものを用いた。
[評価方法]
香り、呈味の官能評価は、1点から10点までの10段階の評価点を用いて実施した。具体的には、それぞれの評価項目について、香料組成物A〜Cを含まないコーヒー飲料(無添加区)の評価点を5点とし、これを基準として、7名の評価員の評価点を合計し、その平均点で評価した。平均点が5点より高いほど、好ましい香り、好ましい呈味が強いことを示す。平均点が5点より低いほど、好ましくない香り、好ましくない呈味が強いことを示す。評価結果を表1に示す。
上記表1から明らかなように、本発明の香料組成物は、トップの広がり、原料豆の香り、コーヒー豆粉砕時の香りがいずれも強く感じられ、また呈味としてもナチュラル感に溢れている結果が素直に表現されており、淹れたてのコーヒーのような嗜好性に富む良好なコーヒーフレーバーであった。
[実施例4]
コーヒーミル((株)エフ・エム・エル製、「CM−450」)の粉砕ゴマ排出口に、粉砕ゴマが入るよう10L密閉容器を設置した。10L容器上部に香気成分出口を設けた。香気成分出口の先に、ゴマ豆粉砕時に発生する微粉が吸着剤に混入することを防ぐために、スポンジフィルターを取り付けた。香気成分吸着缶には、吸着剤としてシリカゲル(富士シリシア化学(株)製、「CARiACT Q−3」)50gを充填したカラムを設置した(図1参照)。
焙煎ゴマ(九鬼産業(株))3kgをコーヒーミルホッパーへ投入し、ダイアルを細めに合わせて、粉砕を開始した。粉砕開始と同時に、0.075m/分の流量で送ガスポンプを稼動して空気を通風し、香気成分を吸着剤に吸着させた。ゴマの粉砕開始から6分間経過したところで、ゴマの粉砕は終了した。ゴマの粉砕終了後も、引き続き香気成分を吸着剤に吸着させ、ゴマの粉砕開始から40分間、香気成分を吸着剤に吸着させた。香気成分が吸着した吸着剤を取り出し、吸着剤をオスタライザーブレンダーミキサーにて15秒間粉砕した。
粉砕した吸着剤に60質量%のエタノール水溶液を50g投入し、攪拌混合した。16時間静置後、濾紙で濾過して吸着剤を除去し、さらに吸着剤を60質量%のエタノール水溶液90gで洗い、香料組成物D100gを得た。
下記の処方に基づいて市販のゴマドレッシング(キユーピー(株)製)99.9質量部と、実施例4で得られた香料組成物D0.1質量部とを混合し、その香りに関して、よく訓練された7名の評価員により、トップの広がり、ゴマの香り、ゴマ粉砕時の香り、ナチュラルな呈味について官能評価をした。
[評価方法]
香り、呈味の官能評価は、1点から10点までの10段階の評価点を用いて実施した。具体的には、それぞれの評価項目について、香料組成物Dを含まない市販のゴマドレッシング(無添加区)の評価点を5点とし、これを基準として、7名の評価員の評価点を合計し、その平均点で評価した。平均点が5点より高いほど、好ましい香り、好ましい呈味が強いことを示す。平均点が5点より低いほど、好ましくない香り、好ましくない呈味が強いことを示す。評価結果を表1に示す。
上記表2から明らかなように、本発明の香料組成物は、トップの広がり、ゴマの香り、ゴマ粉砕時の香りがいずれも強く感じられ、また呈味としてもナチュラル感に溢れている結果が素直に表現されており、擦りたてのゴマのような嗜好性に富む良好なゴマフレーバーであった。
1 植物性材料
2 ミル装置
3 粉砕ミル部
4 植物性材料粉砕物
5 密閉容器
6 香気成分出口
7 配管
8 スポンジフィルター
9 香気成分吸着缶
10 吸着剤
11 送ガスポンプ

Claims (5)

  1. 植物性材料の焙煎時、焙煎後、粉砕時又は粉砕後に放出される香気成分を吸着剤に吸着させ、次いで吸着剤に吸着した香気成分を溶媒で溶出することを特徴とする、香気成分の捕集方法。
  2. 植物性材料が、種子類又は茶類である、請求項1に記載の香気成分の捕集方法。
  3. 吸着剤が、シリカゲル、ゼオライト及び活性炭からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の香気成分の捕集方法。
  4. 溶媒が、水、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、アセトン、エチルメチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、ジクロロメタン及び食用油脂からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香気成分の捕集方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の香気成分の捕集方法によって得られた香気成分を含有する香料組成物。
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