JP2004361093A - 香気成分の吸着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の吸着材と容積はほぼ等しく、かつその吸着量を増加しうる吸着材、その製造方法及び該吸着材を使用した香気成分の分析方法の提供。
【解決手段】棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆することを特徴とする香気成分の吸着材、その製造方法、及び該吸着材を仕様した香気成分の分析方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微量に存在する香気成分の分析に適した吸着材、その製造方法及び該吸着材を使用した香気成分の分析方法に関する。さらに詳しくは、容器内ヘッドスペースの成分を、バランスを維持したまま効率的に採取できる吸着材、その製造方法及び該吸着材を使用した香気成分の分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来試料を注入した容器内の気相成分、例えば香料とその香気成分を分析する方法としては、いわゆるダイナミック法とスタティック法とが知られている。図6に示すように、ダイナミック法に使用される装置は、通常次のような構成になっている。試料を注入した容器1を所定温度のウォ−タバス2内に設置し、試料中あるいはウォ−タバス2の底部に撹拌子3を設け試料を必要に応じ撹拌できるようにする。図中記号9は撹拌機である。容器1の頂部には水冷管4を介して吸着剤を充填したカラム5を設置する。容器1には、窒素ガスのような不活性ガス注入口6を設ける。不活性ガスを容器中に吹き込み、不活性ガスと共に気相成分を冷却管を経て吸着剤を充填したカラムに通気し、気相成分をカラム中に採取し、採取された気相成分を分析する方法である。不活性ガスの吹き込みにより気相成分を強制的にカラム側に移動させようとするため、試料中の低沸点分を本来ヘッドスペース中に存在していた気相成分よりも多く検出しがちであるという欠点をこの方法は有している。
【0003】
スタティック法の中では、例えばガスタイトシリンジで直接ヘッドスペース気相をサンプリングしてガスクロマトグラフに注入してヘッドスペース気相成分を分析する方法、また例えばヘッドスペース気相中に吸着剤を塗布したファイバを曝して気相成分を吸着剤に吸着し、ガスクロマトグラフに注入して気相成分を分析するソリッドフェーズミクロエキストラクション法(SPME法;特許文献1)がよく知られている。このSPME法に使用される装置は、通常次のような構成になっている。ウォ−タバス内に設置された試料を注入した容器のヘッドスペース内に吸着剤を塗布したファイバを挿入し、気相成分を吸着させる。このファイバはシリンジの中空ニードル内に収納されるようになっている。吸着後、ファイバをニードル内に収納し、ニードルをガスクロマトグラフに連結して吸着された成分を分析する方法である。この方法では、気相成分をそのままのバランスを維持して測定することが可能である。しかしファイバがニードル内に収納できるようにしているため、ファイバを細いものとせざるを得ない。このため、吸着量が少なく、このため多種類にわたる香気成分の分析には不十分な量となることが多い。ガスタイトシリンジを使用する香気成分の分析方法においても、各香気成分のサンプリング量が不足し、十分満足し得る分析結果を得られない場合が多い。
【0004】
本発明者らは、上記問題を解決するため、試料を注入した容器中ヘッドスペースの気相成分を、そのバランスをくずすことなく、分析できる方法及びその装置を提案した(特許文献2)。この方法について、本発明者らはその後検討を続けた結果、従来提案されてきた吸着剤を塗布した吸着材では、ヘッドスペース内の各香気成分の吸着量が不十分な場合があることを見出した。
【0005】
【特許文献1】
特表平5−506715号公報
【特許文献2】
特開2001−221785号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の吸着材と容積はほぼ等しく、かつその吸着量を増加しうる吸着材、その製造方法及び該吸着材を使用した香気成分の分析方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆することを特徴とする香気成分の吸着材を提供する。さらに本発明は、炭素系吸着剤の水及び/又は親水性有機溶媒の懸濁液に棒材を浸漬した後乾燥して第1の被覆層を形成し、ついで第2の吸着剤を含有する溶液に浸漬した後乾燥する第1及び第2の被覆層を有することを特徴とする香気成分の吸着材の製造方法を提供する。
【0008】
本発明はさらに、下記工程a〜dからなるヘッドスペース成分の分析方法において、吸着材が、棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆することを特徴とする香気成分の吸着材であることを特徴とする香気成分の分析方法を提供する。
【0009】
a. 試料を注入した密閉容器のヘッドスペースに吸着剤を塗布した吸着材を装入する工程、
b. ヘッドスペース中の成分を吸着した吸着材を密閉容器から取り出し、少なくとも上部側に加熱手段を備えたU字管の一端から該U字管に装入する工程、
c. 吸着材を装着したU字管の少なくとも下部部分を冷媒中に浸漬した後、U字管を加熱し、吸着材に吸着された成分を脱着し、脱着した成分をU字管の底部に蓄積する工程、
d. 冷媒中から取り出したU字管の他端側をガスクロマトグラフの試料注入口に連結し、不活性ガスの送入により脱着した成分を分析する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着材は、棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆したものである。棒材としては、ガラス棒、ステンレス棒のような金属棒のみならず、ファイバを束ねたものであってもよい。例えば溶融シリカファイバ、グラファイトファイバ、固体ポリマー材料から作られたファイバ、金属材料から作られたファイバ等から形成される。棒材の長さ、直径は、使用目的に応じ適宜の寸法が採用される。棒材の表面形状としては、表面平滑なものであってもよいが、螺旋形状の溝、あるいは表面に適宜の凹凸を設けたものが好ましい。棒材の長さ、直径が使用目的により制限される中で、表面積を増加により吸着材の被覆量を増加し、あるいは吸着材の棒材への付着強度を増加することができるからである。
【0011】
第1の吸着剤層に使用される吸着剤としては、炭素系吸着剤が使用される。炭素系吸着剤としては、煤、グラファイトカーボン、活性炭などが例示される。これらを2種以上適宜の比率で混合して使用することもできる。最も好ましい吸着剤としてはグラファイトカーボンと活性炭の混合重量比約9:1の吸着剤が挙げられる。使用方法にもよるが、これらの通常平均粒子径は0.5から10μm、好ましくは平均粒子径1〜2μmのものが使用される。第1の吸着剤層上に被覆される第2の吸着剤層に使用される吸着剤としては、2、6−ジフェニル−p−フェニレンオキサイド(商品名テナックス、ジーエルサイエンス社製)やアクリル樹脂が例示される。炭素系吸着材層上に第2の吸着剤層を設けることによる香気成分吸着特性の改良が生ずる理由については、必ずしも明瞭ではない。おそらく、第2の吸着剤層に微小な貫通孔があり、該貫通孔を通じて、炭素系吸着剤層と第2の吸着剤層とがあいまって吸着特性を改良しているものと推定される。
【0012】
次に吸着材の製造方法について説明する。炭素系吸着剤層は、棒材を溶質濃度5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の炭素系吸着剤の懸濁液に浸漬する。浸漬時間は数秒〜数分でよく、浸漬後乾燥する。炭素系吸着剤の溶媒としては、水及び/又は親水性有機溶媒が使用される。親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトンなどであり、これらを2種以上混合して使用してもよい。最も好ましい水と親水性有機溶媒との配合重量比としては、水/エタノール/アセトン=15/70/15あるいは水/プロパノール/アセトン=15/70/15が例示される。第2の吸着剤層としては、テナックスが最も好ましく使用される。テナックスとしては粒度60〜80メッシュのものが好ましい。このテナックスを溶質濃度0.5〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の溶液とし、この溶液中に炭素系吸着剤層を設けた棒材を通常数秒〜数分浸漬した後乾燥して製造する。テナックスの溶媒としてはクロル系溶媒、例えばジクロルメタン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどが例示される。
【0013】
本発明の吸着材を使用した最も好ましい香気成分の分析方法について次に説明する。図1は、本発明の吸着材に気相成分を吸着させるときの装置の一例を示す。ウォ−タバス2内に設置した、試料を注入した容器1のヘッドスペースに吸着材11を挿入し、気相成分を吸着剤層に吸着させる。試料は撹拌子3により必要に応じ撹拌してもよい。気相成分を吸着した吸着材11を、U字管に装入する。
【0014】
U字管を含む本発明の分析装置を図2及び図3に示す。U字管15には吸着された気相成分を脱着するための加熱手段16が設けられている。加熱手段16は、ニクロム線を適宜の間隔でU字管に巻き付けたものであってもよい。U字管の吸着材11装入側の端部には、U字管内部を外気と遮断し、かつ吸着材を滑動自在とすることができる開閉部材14を介して吸着材11の支持管13が設置されている。開閉部材14としては所謂ボールバルブを使用するのが好ましい。ボールバルブ14を開いた状態にしておいて、支持管13、U字管15内に吸着材11を装入する。吸着材11の頂部には、ハンドル17を設け、吸着材11の装入完了時に支持管13の内部を外気と遮断できるようにするのが好ましい。U字管15の開閉部材14近傍に不活性ガス注入口18を設ける。U字管15の他端部側には、U字管15内部と連通したガスクロマトグラフ連結部材19を設ける。
【0015】
吸着材11を装入したU字管15の下部を冷媒槽20内に設置する。冷媒としては、液体窒素、液体酸素等気相成分に応じ適宜の冷媒を選択使用する。冷媒槽20内に設置後、加熱手段16により加熱し、気相成分を吸着剤槽から脱着させる。脱着した気相成分は、冷媒により冷却され、U字管底部に蓄積する。吸着剤槽からの脱着促進、U字管底部側への移動促進のために、不活性ガス注入口18から不活性ガスを注入してもよい。不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等適宜のガスを選択使用する。
【0016】
気相成分の脱着後、図3に示すように、吸着材11を開閉部材14よりも上部に引き上げ、開閉部材例えばボールバルブを閉状態とし、ついで冷媒槽20から取り出す。U字管15の他端に設けたガスクロマトグラフ連結部材19をガスクロマトグラフに連結し、不活性ガス注入口18から不活性ガスを注入して、気相成分をガスクロマトグラフに送入し、気相成分を分析する。
【0017】
【実施例】
(吸着材の作成)
実施例1 (グラファイトカーボン+活性炭/テナックス:2層コーティング)
グラファイトカーボン22.5g及び活性炭0.225gを、水15.0g、エタノール70.0g及びアセトン15.0gの混合溶液に懸濁した懸濁液を入れたガラスビンに吸着材(金属棒、直径12mm、長さ90mm)を20秒間浸漬した後、乾燥し、吸着剤層(内層)を設けた吸着材を作成した。この吸着材をテナックス0.6gをジクロルメタン18.0mlに溶解させた溶液に20秒浸漬した後、乾燥し、2層コーティングした吸着材を作成した(吸着材A)。
【0018】
実施例2 (煤/テナックス:2層コーティング)
煤2.5gを水2.0g、エタノール6.0g及びアセトン2.0gの混合溶媒に懸濁した懸濁液を入れたガラスビンに、吸着材(金属棒、直径1.2mm、長さ90mm)を20秒浸漬した後、乾燥し、吸着剤層を設けた吸着材を作成した。この吸着材を、テナックス0.6gをジクロルメタン18.0mlに溶解させた溶液に20秒浸漬した後、乾燥し、2層コーティングした吸着材を作成した(吸着材B)。
【0019】
比較例1
吸着材(金属棒、直径1.2mm、長さ90mm)を、テナックス0.6gをジクロルメタン18.0mlに溶解させた溶液に20秒浸漬した後、乾燥し、1層コーティングした吸着材を作成した(吸着材C)。
【0020】
実施例3 (吸着材Aを使用したスタティック法による香気分析)
粉砕した焙煎コーヒー豆(商品名:コロンビアL−24)について、図1に示す装置を使用し、ヘッドスペース中の気相成分(香気)を、吸着材Aを使用して捕集し、図2及び図3に示した装置で吸着成分を脱着した後、該吸着成分をガスクロマトグラフを用いて分析した。分析条件を以下に示す
気相成分捕集条件
試料量:10.0g
試料温度:30℃
捕集時間:30分間
吸着剤:グラファイトカーボン+活性炭(内層)/テナックス(外層)
吸脱着方法
吸着材11を図2に示すようにU字管に装着し、ボールバルブ14により支持管13側とU字管側とを遮断した後、不活性ガス注入口18からヘリウムガスを送りながらヒーターを220℃に加熱し、吸着材に吸着された気相成分を冷媒槽20で冷却されたU字管底部に蓄積した。その後、吸着材11を図3に示す位置に移動し、同じくボールバルブ14により支持管側とU字管側とを遮断した後、冷媒槽20を外し、ついでヘリウムガスを送って気相成分をガスクロマトグラフに注入した。
ガスクロマトグラフ条件
ガスクロマトグラフ:Shimadzu GC−14A((株)島津製作所製)
カラム:TC−WAX 025MMI.D.×60m
カラム温度:70℃〜220℃(3℃/分上昇)
検出器:FID。
【0021】
比較例2(ダイナミック法による香気分析)
粉砕した焙煎コーヒー豆(商品名:コロンビアL−24)について、図6に示す装置を使用し、ダイナミック法により、ヘッドスペース中の気相成分(香気)を捕集し、捕集成分をガスクロマトグラフを用いて分析した。捕集中水冷管には通水しなかった。分析条件を以下に示す。
気相成分捕集条件
試料量:1.0g
試料温度:30℃
窒素ガス流量:50ml/min.
捕集時間:1分間
吸着剤:テナックス
ガスクロマトグラフ条件
実施例3と同じ。
【0022】
比較例3 (溶剤抽出法による香気分析)
粉砕した焙煎コーヒー豆(商品名:コロンビアL−24)をジクロルメタンで抽出し、得られた抽出液から常圧下ジクロルメタンを留去して香気濃縮物を調製し、ガスクロマトグラフを用いて分析した。ガスクロマトグラフの分析条件は実施例3と同じである。
【0023】
(香気成分の分析結果)
実施例3、比較例2及び比較例3で分析したガスクロマトグラフの結果を図4に示す。本発明の吸着材を使用する方法で分析した焙煎コーヒー豆の香気成分は、比較例2及び比較例3の方法に比較して、中、高沸点成分まで分析できていた。
【0024】
実施例4 (吸着材Bを使用したスタティック法による香気分析)
下記に示す標準調合香料(各成分を同量づつ混合)を使用して、吸着材Bを使用し、図1に示す方法でヘッドスペース中の気相成分(香気)を捕集し、さらに吸着した成分を図2及び図3に示す装置を用いて吸着成分を脱着した後、ガスクロマトグラフにより分析した。分析条件を以下に示す。
気相成分捕集条件
試料量:10.0g
試料温度:30℃
捕集時間:30分間
吸着剤:煤(内層)/テナックス(外層)
吸脱着方法
実施例3と同じ
ガスクロマトグラフ条件
実施例3と同じ。
【0025】
標準調合試料
Figure 2004361093
【0026】
比較例4 (吸着材Cを使用したスタティック法による香気分析)
吸着材Bに代えて吸着材Cを使用した以外は実施例4と同様に操作してガスクロマトグラフにより分析した。
【0027】
(香気成分の分析結果)
標準調合香料を直接ガスクロマトグラフで分析した結果を対照例として、実施例4及び比較例4で分析した結果を図5に示す。実施例4で分析した調合香料の香気成分は、比較例4の分析結果に比して、各種の官能基を有する化合物についてバランス良く分析できていた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の吸着材に比し香気成分の吸着特性に優れ、香気成分をバランス良く採集できる吸着材が提供される。さらに本発明によれば、ヘッドスペース中の気相成分を、バランスを崩すことなく採集分析できる香気成分の分析方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される気相成分吸着を示す説明図である。
【図2】吸着材吸着成分の吸脱着機構を示す説明図である。
【図3】脱着成分のガスクロマトグラフ送入機構を示す説明図である。
【図4】実施例2、比較例2、3のガスクロマトグラムを示す図面である。
【図5】実施例4、比較例4のガスクロマトグラムを示す図面である。
【図6】ダイナミック法による気相成分の吸着機構を示す説明図である。
【符号の説明】
1 容器
11 吸着材
12 吸着剤層
13 支持管
14 開閉部材
15 U字管
16 加熱手段
17 ハンドル
18 不活性ガス注入口
19 ガスクロマトグラフ連結口
20 冷媒槽

Claims (8)

  1. 棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆することを特徴とする香気成分の吸着材。
  2. 棒材が、金属棒材又はファイバの集束棒材であることを特徴とする請求項1記載の香気成分の吸着材。
  3. ファイバの集束棒材が、金属材料、無機材料又は有機材料のファイバから形成されていることを特徴とする請求項2記載の香気成分の吸着材。
  4. 棒材が、螺旋形状の溝を側面に有することを特徴とする請求項1記載の香気成分の吸着材。
  5. 炭素系吸着剤が、グラファイトカーボン、活性炭及び煤からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の香気成分の吸着材。
  6. 第2の吸着剤が、2、6−ジフェニル−p−フェニレンオキサイド又はアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の香気成分の吸着材。
  7. 炭素系吸着剤の水及び/又は親水性有機溶媒の懸濁液に棒材を浸漬した後乾燥して第1の被覆層を形成し、ついで第2の吸着剤を含有する溶液に浸漬した後乾燥する第1及び第2の被覆層を有することを特徴とする香気成分の吸着材の製造方法。
  8. 下記工程a〜dからなるヘッドスペース成分の分析方法において、吸着材が、棒材を炭素系吸着剤で被覆し、ついで該被膜を第2の吸着剤で被覆したものであることを特徴とする香気成分の吸着材、
    a. 試料を注入した密閉容器のヘッドスペースに吸着剤を被覆した吸着材を装入する工程、
    b. ヘッドスペース中の成分を吸着した吸着材を密閉容器から取り出し、少なくとも上部側に加熱手段を備えたU字管の一端から該U字管に装入する工程、
    c. 吸着材を装着したU字管の少なくとも下部部分を冷媒中に浸漬した後、U字管を加熱し、吸着材に吸着された成分を脱着し、脱着した成分をU字管の底部に蓄積する工程、
    d. 冷媒中から取り出したU字管の他端側をガスクロマトグラフの試料注入口に連結し、不活性ガスの送入により脱着した成分を分析する工程。
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