JP7301321B2 - ポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を使用したナノメカニカルセンサ用感応膜、この感応膜を有するナノメカニカルセンサ、この感応膜のナノメカニカルセンサへの塗布方法、及びこのナノメカニカルセンサの感応膜の再生方法 - Google Patents

ポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を使用したナノメカニカルセンサ用感応膜、この感応膜を有するナノメカニカルセンサ、この感応膜のナノメカニカルセンサへの塗布方法、及びこのナノメカニカルセンサの感応膜の再生方法 Download PDF

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Description

本発明はポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)(poly(2,6-diphenyl-p-phenylene oxide))を使用したナノメカニカルセンサ用感応膜及びこの感応膜を有するナノメカニカルセンサに関する。本発明はまた、この感応膜のナノメカニカルセンサへの塗布方法にも関する。本発明は更に、このようなナノメカニカルセンサの感応膜の再生方法にも関する。
近年、クロマトグラフィーその他の大型で高価な測定装置とは異なる原理に従って動作し、それよりもはるかに小型で簡単に分析を行うことができるナノメカニカルセンサが急速に発展している。ナノメカニカルセンサは気相や液相中に存在する測定対象の物質や物質群を選択的に吸着する感応膜を有し、この吸着によってセンサ中に引き起こされる各種の物理的パラメータの変化から分析を行うセンサであり、小型で簡単な構造であるにもかかわらず比較的高感度であること、また感応膜を適宜選択することにより広範な測定対象物質に対応することができる。
本願発明者はナノメカニカルセンサのうちでも受容体層に物質が吸着することによる受容体層の表面応力の変化を検出する表面応力センサに着目した。表面応力センサとしては長く伸びた薄板の一端だけを固定したカンチレバーの表面に塗布された受容体層の表面応力変化によりカンチレバーに生じる撓みを検出するカンチレバー式のものが通常使用されていた。これに対して、本願発明者はカンチレバーではなく円形、正方形などの膜の周囲の複数個所を当該膜よりも幅の狭い支持部材で周囲の基材に固定した構造を有し、膜に与えられた表面応力をこの支持部材に集中させてこの応力変化を検出することにより、カンチレバー型に比べて感度が大幅に向上するとともに機械的な外乱等の影響を受けにくい膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor、MSS)を発明した。なお、MSSの具体的な構造、作製方法、動作、特性等については既によく知られている事項なので本願では具体的に説明しないが、必要に応じて特許文献1、非特許文献2等を参照されたい。
表面応力センサなどのナノメカニカルセンサにおいては、検出対象としたい化学物質は非常に多様である。また、これに限定する訳ではないが、ニオイの実態は多数の化学物質がある比率で混合されているガスに対する嗅覚器官の反応であると考えられるので、ニオイセンサをナノメカニカルセンサによって実現するためにはこのような多数の化学物質の混合物を同定する必要がある。単一の化学物質であろうと、多数の化学物質の混合物であろうと、その識別や同定のためには、単に大きな応答性を有するだけではなく、化学物質毎の応答性の異なる多くの種類の感応膜材料を用意し、測定対象に応じてある1種類の材料で作製した感応膜を使用したナノメカニカルセンサの出力、あるいは複数種類の材料のそれぞれで作製した感応膜を使用した複数のナノメカニカルセンサの出力の組み合わせを解析する。したがって、測定対象の多数の化学物質に対するユニークな応答性を有する多数の感応膜材料が求められる。
また、分析対象の試料が気体の形で与えられる場合、試料ガスには水蒸気が含まれることが多い。とりわけ、人間などの動物の呼気には飽和状態あるいはそれに近い濃度の水蒸気が含まれる。また、工場などの排気等を試料ガスとする場合でも大量の水蒸気を含む物が多い。したがって、多量の水蒸気を含む試料ガスを測定しても微量成分の検出への影響が少なくなるように、低吸湿性であってしかも高感度でユニークな応答性を有する感応膜材料も求められる。
本発明は、感応膜材料としては従来使用されていなかったポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を採用することにより、水蒸気に対する感度が低くまたアセトンに対しては高感度を示すなどの特徴を有するナノメカニカルセンサ用感応膜を提供し、この種の感応膜の多様性をさらに広げることを課題とする。
本発明の一側面によれば、後述する式(1)で表されるポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を含むナノメカニカルセンサ用感応膜が提供される。
ここで、前記ナノメカニカルセンサは表面応力センサであってよい。
本発明の他の側面によれば、後述する式(1)で表されるポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を含む感応膜を有するナノメカニカルセンサが提供される。
ここで、前記ナノメカニカルセンサとして表面応力センサを使用してよい。
本発明の更に他の側面によれば、前記何れかのナノメカニカルセンサの感応膜を200℃~400℃に昇温するステップを含む、ナノメカニカルセンサの感応膜の再生方法が提供される。
本発明のなお更に他の側面によれば、後述する式(1)で表されるポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を含む材料を溶媒に溶解した溶液をナノメカニカルセンサに塗布する、ナノメカニカルセンサへの感応膜塗布方法が提供される。
ここで、前記ナノメカニカルセンサへの塗布はインクジェット法によって行ってよい。
また、前記溶媒はトリクロロエチレンであってよい。
また、感応膜塗布中の前記ナノメカニカルセンサの温度を感応膜中のポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)が結晶性となる温度に維持してよい。
また、感応膜塗布中の前記ナノメカニカルセンサの温度を感応膜中のポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)がアモルファス状となる温度に維持してよい。
本発明により、水蒸気に対しては小さな応答しか示さない一方で、それ以外のガスの一部に対しては大きな応答を示すナノメカニカルセンサ用感応膜及びこの感応膜を使用したナノメカニカルセンサが与えられる。また、本発明の感応膜はその中に蓄積されてパージガスを流すだけでは容易に除去できない成分を高い温度で加熱することにより容易にしかも感応膜に損傷を与えることなく除去することで、ナノメカニカルセンサ用感応膜の再生を行うことができる。また、本発明の感応膜は、所定の材料を溶媒に溶解した溶液をナノメカニカルセンサに塗布する簡便な手法により、ナノメカニカルセンサ用感応膜を作製することができる。
Tenax TA (20/35、35/60、60/80、80/100)を使用し、基板温度を20℃として作製した受容体を有するMSSに、試料ガスとしてのアセトン、トルエン、エタノール、水及びn-ヘプタンの5種類の溶媒の蒸気の一つとパージガスとしての乾燥窒素ガスとを交互に切り替えて測定した出力信号の時間変化のグラフ。 Tenax TA (20/35、35/60、60/80、80/100)を使用し、基板温度を50℃として作製した受容体を有するMSSに、試料ガスとしてのアセトン、トルエン、エタノール、水及びn-ヘプタンの5種類の溶媒の蒸気の一つとパージガスとしての乾燥窒素ガスとを交互に切り替えて測定した出力信号の時間変化のグラフ。 Tenax TA (20/35、35/60、60/80、80/100)を使用し、基板温度を80℃として作製した受容体を有するMSSに、試料ガスとしてのアセトン、トルエン、エタノール、水及びn-ヘプタンの5種類の溶媒の蒸気の一つとパージガスとしての乾燥窒素ガスとを交互に切り替えて測定した出力信号の時間変化のグラフ。 図1に示した各溶媒蒸気に対する出力信号の振幅の最大値を溶媒ごとに求めた結果を示すグラフ。 図2に示した各溶媒蒸気に対する出力信号の振幅の最大値を溶媒ごとに求めた結果を示すグラフ。 図3に示した各溶媒蒸気に対する出力信号の振幅の最大値を溶媒ごとに求めた結果を示すグラフ。
以下ではナノメカニカルセンサの代表例として表面応力センサを取り上げて説明し、具体的な表面応力センサの形式としては膜型表面応力センサ(MSS)を例に挙げるが、センサをこれに限定する意図はないことに注意されたい。
ポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)(poly(2,6-diphenyl-p-phenylene oxide))は下記式(1)で表される化学構造を有し、「テナックス」あるいは「Tenax」(登録商標)という名称でも知られる材料であり、クロマトグラフィー用カラム材料や水、空気中に微量存在する物質の吸着や濃縮のためにも使用されている。以下ではポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)をTenaxと表記する。また、Tenaxはその純度や添加物により数種類のものが市販されており、Tenaxの後ろにサフィックスを付加してTenax TAやTenax GR(Tenax GRはTenax重合時に23%のグラファイトカーボンを配合したもの)などと呼ばれている(例えば、非特許文献1の1. Introduction中の先頭段落)。本願では特に明記したり、あるいは文脈上明らかであったりする場合を除き、「Tenax」と呼ぶことでこのようなものをすべて包含することに注意されたい。
Figure 0007301321000001
式(1)中、nは1以上の任意の整数であり、数千から数万といった高い重合度のものも当然含まれる。また、nの範囲は好ましくは35以上、かつ10000以下である。より好ましくは、非特許文献1の241ページ冒頭付近にモル質量が0.5~1×10g/molである事例が紹介されている。ここで、Tenaxのモノマーのモル質量は274.4g/molであるので、非特許文献1の事例ではその重合度nは1800~3700の範囲となる。
また、Tenaxは各種の粒度分布のものが提供されているが、粒度の範囲は例えばTenax TA 20/35等と言うようにメッシュで表記される。本願でも実施例などにおいて具体的なTenaxに言及する際にはこの表記を採用する。
Tenaxの吸着特性については例えば非特許文献1を参照されたい。このように、この材料はクロマトグラフィーや物質の濃縮の分野で使用されることからもわかるように大きな吸着能力を有するが、大きな吸着能力が必ずしも表面応力センサが検出できる物理パラメータたる表面応力の大きな変化をもたらすわけではない。
更には、周知のようにTenaxは大きな吸着能力を有しているが、濃縮のために使用されることからもわかるように、物質を一旦吸着すると容易にはそれを脱着せず、そのためTenaxを加熱することによって吸着されている物質を脱着するという操作が通常採用される。一方、表面応力センサによりガス等の検出を行う場合には、検出の対象となる成分を含んでいるかもしれない試料ガスと窒素ガス等の不活性ガス(パージガスと呼ばれる)とを交互に周期的に表面応力センサに供給することにより、同センサ上の感応膜への上記成分の吸着と脱着を繰り返し、これによる表面応力センサからの周期的な出力信号を解析する。つまり、表面応力センサ用の感応膜材料は単に所望成分を良く吸着するだけではなく、パージガスの供給によって吸着された成分を容易に脱着させることができる能力が求められる。このような容易脱着性は、一つの測定のための周期的な動作の間だけではなく、過去の測定の履歴が新たに行う測定の際の出力信号に対して与える影響をできるだけ小さくすることにより、測定の再現性・安定性向上、センサの取扱いの容易化、測定スループットの向上、センサ(感応膜)の長寿命化等を実現したいという、この種のセンサに通常求められる特性の面からも重要である。したがって、濃縮用に使用される材料は一般的には表面応力センサ用感応膜の材料としては適していないと考えられてきた。Tenaxについても、本願発明者の知る限り、表面応力センサの感応膜材料として使用されることはなかった。
これに対して本願発明者はTenaxを表面応力センサの感応膜材料として使用し、実施例に示すように各種のガスに対する応答性を測定してみたところ、驚くべきことに、少なくとも実施例で測定対象の試料として使用したような、表面応力センサの特性の確認のために典型的に採用される各種の成分に対して、単に試料ガス供給相中の吸着の際に大きな出力信号が得られるだけではなく、パージガス供給相においては、本願発明者が従来から感応膜材料として使用してきたポリマー類と比較して大きく異なることのない脱着特性を示すことが判明した。つまり、パージガス供給相の時間を大きく延長しなくても、パージガス供給相(実施例では10秒間)中では試料ガス供給相(実施例では同じく10秒間)中で増大した出力信号強度が当該相の開始時点の出力信号強度に近い値に復帰する、すなわち出力信号の変化が階段状というよりは鋸刃状となることがわかった。また、感度の面でも、従来から使用してきた一般的なポリマーと同等以上の高感度が得られるとともに、多くの種類の試料ガスに大量に存在し、これによって測定結果の不安定性や微量成分をマスキングすることよる感度低下という悪影響を引き起こすことの多い水(水蒸気)に対しては極めて低い検出出力しかもたらさないことが確認された。本願発明者は上記知見に基づいて、Tenaxを使用することによって、感度が高く、しかも水による上記悪影響が抑制された表面応力センサ用の新規な感応膜及びこのような感応膜を使用した新規な表面応力センサを発明するに至った。
Tenaxを使用した感応膜はアセトンに対して特に高い感度を有するが、エタノールに対して比較的高い感度を有する。このように、Tenaxを使用した感応膜は極性のガス分子に応答するが、その一方でトルエンなどの無極性分子に対してもある程度の応答性を示す。また、Tenaxは濃縮用途に使用されることからもわかるように吸着量が多いため、高濃度の試料を与えても簡単には飽和せず、したがってダイナミックレンジの大きなセンサを実現できる。また、Tenaxは耐熱性が高いので(400℃程度までの高温に耐える)、脱着しにくい成分を大量に吸蔵させた場合には、感応膜に大きな損傷を与えることなしで加熱による感応膜中の吸蔵成分のパージ(追い出し)を行うことが可能である。従来から使用されてきた材料を使用した感応膜においてもパージガスを流しただけでは簡単に脱着できない成分が蓄積するために感応膜の応答特性が変化してしまうことがあったが、本発明ではTenaxの耐熱性を利用することで、加熱により感応膜を容易に再生することができる。実施例としては示さないが、Tenaxを使用した感応膜を有するMSSを200℃及び300℃まで昇温して感応膜の再生を行ったところ、200℃で再生処理を行った感応膜が最も大きな応答性を示した。300℃で再生処理を行った場合でもやや応答性が低下したが、それでも十分良好な特性を示した。上述のようにTenaxは400℃までの高温に耐える、すなわち大きな不可逆変化を起こさないので、Tenax感応膜を有するMSSの再生処理においては400℃まで昇温させて良いということができる。これに対して一般的なポリマーの場合、融点は概ね100℃~200℃程度であるため、200℃~400℃という高温域では感応膜の再生を行うことはできない。
Tenax感応膜を作製する方法としては例えばTenaxはTCE(trichloroethylene、トリクロロエチレン)等の溶媒に溶解した状態でインクジェット法によって表面応力センサに塗布することができる。ここで、表面応力センサ上のインクジェット塗布表面部分(以下では簡単のため基板と称する)の温度により、Tenaxの特性が大きく変化する。すなわち、基板温度が20℃程度の場合には感応膜を形成するTenaxは結晶性となり、吸着量が低めとなるが、100℃程度になるとTenaxはアモルファス状となって、吸着量が増大することが知られている(例えば非特許文献1の3.1. Tenax TA physical characteristics末尾)。この性質を利用して、同じTenaxを使用しても、感応膜形成過程での基板温度を制御することによって感応膜特性をある程度制御することが可能となる。
また、上で述べたようにTenaxを溶媒に溶解してインクジェット法で表面応力センサ上に塗布するなどの、広く使用されていて特徴・特性などがよく知られており、またそのための機材が容易に入手できる手法によって感応膜として使用できる薄膜を形成することができるため、Tenax感応膜は既存の手法、知見、機材等を利用して容易に作製することができる。例えば、Tenax感応膜の作製に用いることができる塗布方法としては、上述したインクジェット法のほかに、スーパーインクジェット(super inkjet)法、スピンコート法、プラズマ化学気相成長などを含む各種蒸着法、電気メッキ法、ディスペンサ法、ディップ法、ロールコーター法、スリットコーター法、スプレー法、各種の動的あるいは静的コーティング法などが挙げられる。更に、塗布により薄膜化されたTenaxは原料として使用したTenax粒子が持っていた多孔性を良く維持することが知られているので、感応膜に多孔性を与えるための処理方法を新たに開発したり、また既存の方法があるとしてもそのための処理を別途行う必要はない。
なお、以下の実施例ではTenaxの市販品中で現在最も純度の高いTenax TAを使用して感応膜を作製した。しかし、種類や量の異なる不純物を含むTenax、あるいはTenaxに他の物質を混合して感応膜を作製しても、その特性は基本的にはTenaxとそのような不純物や混合された物質(以下、両者を混合物質と総称する)の特性が重畳されたものとなる(例えば、混合物質が吸着しやすいガスに対する感度が向上した感応膜となる等)。あるいは、他の物質と混合することによって、「重畳」でイメージされる特性とは異なる、非線形で元の混合物質自体の特性からは予測困難な特性が生じる場合もある。したがって、本願発明は、Tenaxだけで構成された感応膜ではなく、Tenaxだけでなく他の混合物質も含む材料で構成された感応膜も包含することに注意しなければならない。
実施例ではTenaxとして4種類の粒度分布のTenax TA、すなわちTenax TA 20/35、Tenax TA 35/60、Tenax TA 60/80、及びTenax TA 80/100(何れもジーエルサイエンス株式会社より入手)を使用した。これらのTenaxを夫々TCE中に1g/Lの濃度で溶解し、この溶液をMSSの表面応力を検知する表面、つまり上で定義した基板上にインクジェット方式の塗布装置を使用して、溶液の液滴を300発滴下することにより塗布した。この時、基板温度を20℃、50℃及び80℃の3通りに変化させた。
このようにして準備した都合12種類のTenax感応膜を有するMSS(つまり、TCEに溶解したTenax TAの粒度分布が4種類、基板温度が3種類の組み合わせによる12種類の感応膜)を使用して、試料ガスとしてのアセトン、トルエン、エタノール、水及びn-ヘプタンの5種類の溶媒の蒸気の一つとパージガスとしての乾燥窒素ガス(水蒸気を含まない窒素ガス)とを夫々流量100sccmで10秒ごとに切り替えるという周期を繰り返し、これにより引き起こされる感応膜の表面応力変化に応じたMSSの出力信号の変化を記録した。ここで試料ガス及びパージガスの温度はいずれも25℃とし、またこれらガスがMSSに印加されるまでこの温度が維持されるように測定系の温度も25℃に調節した。その測定結果を図1~図3に示す。なお、このようにしてMSSに供給された試料ガス中の溶媒蒸気の濃度は溶媒の蒸気圧によって異なる。溶媒蒸気は乾燥窒素ガスを溶媒中に吹き込むことにより得たが、溶媒の蒸気圧から換算したそれぞれの溶媒蒸気の濃度は以下の通りとなる:
・アセトン:220000ppm
・トルエン:38000ppm
・エタノール:86000ppm
・水:31000ppm
・n-ヘプタン:59000ppm
本実施例では、これらの飽和状態の溶媒蒸気をそのまま使用したのではなく、乾燥窒素ガスによって一定の割合で希釈したものを試料ガスとしてMSSに与えて測定を行った。
図1~図3はそれぞれ基板温度を20℃、50℃及び80℃として感応膜を形成したMSSからの出力信号を示す。すなわち、図1の上部に「感応膜作製条件: 300ショット, 20℃」との記載があるが、これは感応膜として、インクジェット方式の塗布装置を使用して、温度が20℃に維持されたMSSの検知表面にTenax TAのTCE溶液の液滴を300発滴下することにより形成したTenax感応膜付きMSSを使用した場合の、各溶媒蒸気に対するMSSの出力信号のグラフであることを示している。他の図の同種の記載についても同様である。
なお、このような測定を行った測定系の構成は、上述したように試料ガスとパージガスとを交互に切り替えてこれに応答するセンサからの出力を測定するという、従来から一般的に使用されてきた測定系の構成と同じ周知なものであるため、これ以上説明しない。
なお、周知のようにこの種のセンサの信号系は直流回路となるため、出力信号にはほとんどの場合直流オフセットが存在する。出力信号に直流オフセットが残ったままでは出力信号同士を比較しにくいため、本実施例の出力信号は何れも、周知の手法により直流オフセットを除去した後の信号を示していることに注意されたい。具体的には、測定開始前に一定時間パージを行ったサンプルガス導入直前の時点の出力信号の値をオフセット値とした。
本実施例ではさらに、各溶媒蒸気に対する出力信号の振幅の最大値を溶媒ごとに求めた。これらの結果を図4~図6に示す。
試料ガスとパージガスとの交互切替に対するTenax感応膜の応答、すなわちこの感応膜を有するMSSからの出力信号を示す図1~図3から、出力信号は試料ガスとパージガスとの交互切替えに応答して増減することがわかる。これは、Tenax感応膜が試料ガス中の溶媒蒸気を吸着してほとんどそのまま保持し続けるのではなく、溶媒蒸気を含む雰囲気にある期間中はこれを吸着する一方、溶媒蒸気を含まない雰囲気中、すなわちパージガスが与えられている間は感応膜中に吸着されている溶媒が比較的短時間(実施例では10秒間)のうちに脱着されてパージガス中に放出されるという、感応膜に求められるサイクル動作が行われることを示している。Tenax感応膜がこのようなサイクル動作を行うという特性は、Tenaxの大きな吸着能力と相俟って、Tenaxが表面応力センサ等のナノメカニカルセンサの感応膜材料として好適なものである可能性を示す。
また、図1~図6から直ちにわかるように、感応膜としてTenaxを使用したMSSの出力を見るとアセトンやエタノール(特にアセトン)については大きな出力が得られたが、これらに比べて水に対する出力は非常に小さいことがわかる。これはTenaxの超疎水性が反映されたものであると考えられる。水に対する相対感度がこのように非常に小さいことを利用して、Tenax感応膜を単独で使用することで試料ガス中の水蒸気の影響を受けにくいアセトンやエタノール等の検出や定量を行ったり、あるいは他の材料を使用した感応膜を有するMSSと共に使用し、これら複数のMSSからの出力を組み合わせて各種の信号処理や機械学習、人工知能などを利用した後処理を行うことで、水蒸気の影響をできるだけ排除したりする等の各種の有利な測定が可能となる。
本実施例ではTenax溶液からTenax感応膜を作製する際の基板温度や原料のTenaxの粒径を変化させた複数種類のTenax感応膜を使用して測定を行った。図1~図6に示されるように、基板温度や粒径により試料間の相対感度や出力信号波形が変化することが判る。これから、同じTenaxを使用しても感応膜の作製条件により感応膜の特性をある程度制御できることがわかる。
また、すでに触れたように、Tenax感応膜はアセトンに対して特に大きな出力を与える。これを利用して、試料ガス中の水蒸気の存在の影響を抑制した低濃度アセトン測定を、複雑な測定装置や後処理を使用せずに、あるいは使用しても最小限にとどめた態様で簡単に実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば水蒸気に対する感度が非常に低いナノメカニカルセンサが与えられるため、水蒸気を含有する試料ガスの分析等に当たって有用であるなど、産業上広く利用されることが期待される。
国際公開2011/148774
Bassam Alfeeli, Vaibhav Jain, Richard K. Johnson, Frederick L. Beyer, James R. Heflin, and Masoud Agah. Microchemical Journal 98 (2011) 240-245. G. Yoshikawa, T. Akiyama, F. Loizeau, K. Shiba, S. Gautsch, T. Nakayama, P. Vettiger, N. Rooij and M. Aono. Sensors, 2012, 12, 15873-15887.

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を含む感応膜を有するナノメカニカルセンサを使用し、吸着物質を脱着させるための加熱を伴わない一定の温度条件下で、かつ、測定対象の物質を含む雰囲気とパージ用の雰囲気とが切り替わる条件で、前記ナノメカニカルセンサの出力に基づいて測定を行う、ナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
    Figure 0007301321000002
    (式(1)中、nは1以上の整数を示す。)
  2. 前記測定は前記測定対象の物質を含む雰囲気にある期間及び前記パージ用の雰囲気にある期間の両方の期間中の前記ナノメカニカルセンサの出力に基づいて行う、請求項に記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  3. 前記測定を行った前記ナノメカニカルセンサの感応膜を200℃~400℃に昇温するステップを行って前記感応膜中の吸蔵成分の追い出しを行った後、再び前記測定を行う、請求項1または2に記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  4. 前記ナノメカニカルセンサの感応膜は、前記式(1)で表されるポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)を含む材料を溶媒に溶解した溶液をナノメカニカルセンサに塗布することにより作製されたものである、請求項1~3の何れかに記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  5. 前記ナノメカニカルセンサへの塗布はインクジェット法によって行われたものである、請求項4に記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  6. 前記溶媒はトリクロロエチレンである、請求項4または5に記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法
  7. 前記溶液のナノメカニカルセンサへの塗布は、ナノメカニカルセンサの温度を感応膜中のポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)が結晶性となる温度に維持して行われたものである、請求項4から6の何れかに記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  8. 前記溶液のナノメカニカルセンサへの塗布は、ナノメカニカルセンサの温度を感応膜中のポリ(2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシド)がアモルファス状となる温度に維持して行われたものである、請求項4から6の何れかに記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
  9. 前記ナノメカニカルセンサとして表面応力センサを使用する、請求項1から8の何れかに記載のナノメカニカルセンサを使用した測定対象の物質の測定方法。
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