JP2002328078A - 香気採取装置 - Google Patents

香気採取装置

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JP2002328078A
JP2002328078A JP2002024456A JP2002024456A JP2002328078A JP 2002328078 A JP2002328078 A JP 2002328078A JP 2002024456 A JP2002024456 A JP 2002024456A JP 2002024456 A JP2002024456 A JP 2002024456A JP 2002328078 A JP2002328078 A JP 2002328078A
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JP2002024456A
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Yoshihiro Hasegawa
義博 長谷川
Shoji Saito
省治 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を複雑にすることなく、低揮発性成分か
ら高揮発性成分に至る広範囲の成分を高精度に採取し、
草花等の香気の全成分分析において高い定量性を得るこ
とができるようにすること。 【解決手段】 吸着法(吸着管4)とキャニスター法
(キャニスター6)とを組み合わせ、互いに補間し合っ
て低揮発性成分から高揮発性成分に至る広範囲の成分を
高精度に採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、香気採取装置、
香気採取方法、香気分析方法および再現香気取得方法に
関する。特に、香料開発のために、森の香り、草花の香
り、果実の香りなど、自然界に存在するものの香りを化
学的に再現するための、香気採取装置、香気採取方法、
香気分析方法および再現香気取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人間が嗅覚で感じる草花等の香りは、草
花等から発散するヘッドスペースガス中に含まれる揮発
性成分による。従って、ヘッドスペースガス中の香気成
分を採取し、これを質量分析装置等によって正しく定性
的かつ定量的に分析できれば、人間が嗅覚で感じる香り
と殆ど同じ香りを化学的に再現することができる。即
ち、前記により合目的で有効な香料開発を行うことがで
きる。
【0003】特開平7−308370号公報は、ヘッド
スペースガスより香気成分を採取し、この分析結果に基
づいて香料を再現する技術を示す。より詳細には、前記
文献はは、ヘッドスペースガスより香気を採取する方法
として、担体吸着法等を用いることを示す。
【0004】また特開2000−53992号公報は、
草花等の香気を採取する方法として、加湿空気又は加湿
不活性ガスを試料に接触させ、加湿空気、加湿不活性ガ
スに香気成分を包含せしめた後に、加湿空気、加湿不活
性ガスを冷却して凝縮水と共に香気成分を採取する技術
(アクアスペース法)を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】担体吸着法による香気
採取は、活性炭等の吸着剤にヘッドスペースガス中の香
気成分を吸着させるものであり、低〜中揮発性成分の採
取性はよいが、高揮発性成分の採取性がよくない。この
ため、草花等の香気の全成分分析において、高い定量性
を得ることができない。
【0006】アクアスペース法による香気採取は、担体
吸着法による香気採取の欠点の解消を期待できるが、空
気等を加湿する加湿手段や加湿度を所定値に保つための
制御手段等が必要になり、構造が複雑になる。
【0007】本発明は、上述の如き問題点を解消するた
めになされたもので、構造を複雑にすることなく、低揮
発性成分から高揮発性成分に至る広範囲の成分を高精度
に採取し、草花等の香気の成分分析において高い定量性
を得ることができる香気採取装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明の香気採取装置は、好ましくは、吸着層
を有する吸着器と、前記吸着器と連通接続された減圧密
閉容器とを有する。
【0009】この発明による香気採取装置は、好ましく
は、前記減圧密閉容器の入口部に、前記減圧密閉容器に
吸引されるヘッドスペースガスの流量を調整する流量計
量手段を有する。
【0010】前記香気採取装置によれば、吸着器によっ
て低〜中揮発性成分を良好に吸着採取し、吸着器では採
取できなかった高揮発性成分は減圧密閉容器によって採
取することができ、低揮発性成分から高揮発性成分に至
る広範囲の成分を高精度に採取できる。
【0011】また、この発明の香気採取方法は、好まし
くは、吸着層を有する吸着器と、前記吸着器と連通接続
された減圧密閉容器とを用い、前記減圧密閉容器を負圧
源として、ヘッドスペースガス中の香気成分を採取す
る。
【0012】前記香気分析方法は、好ましくは、前記減
圧密閉容器を負圧源として、前記試料容器内のヘッドス
ペースガスを前記吸着器の吸着層を通して減圧密閉容器
に吸引し、前記吸着器の吸着層に吸着した成分と、前記
減圧密閉容器に吸引されたヘッドスペースガスの成分を
各々分析する。
【0013】また、前記香気分析方法は、好ましくは、
プログラムされたコンピュータによって香気データの分
析を行う方法であって、不純物成分のデータベースを記
憶手段に格納し、分析装置によって分析された香気対象
物の成分分析のデータリストを入力し、入力した成分分
析のデータリストと前記データベースとをコンピュータ
処理によって比較し、一致成分を不純物成分とし、前記
成分分析のデータリストから該当する不純物成分のデー
タをコンピュータ処理によって削除し、不純物成分のデ
ータを除去した香気成分のデータリストを出力する。
【0014】前記香気分析方法は、好ましくは、入力す
る成分分析のデータリストとして、上述の発明による香
気採取方法によって採取され、分析装置によって分析さ
れた成分のデータリストを入力することができる。
【0015】前記香気分析方法によれば、不純物成分の
データベースを使用してコンピュータによるデータ処理
によって、成分分析のデータリストより不純物成分のデ
ータを除去した香料成分のデータリストを効率よく得る
ことができる。
【0016】また、この発明による再現香気取得方法
は、好ましくは、プログラムされたコンピュータによっ
て再現香気のためのデータを取得する方法であって、各
香気成分の蒸気圧値のデータベースを記憶手段に格納
し、再現香気対象物の香気成分のデータリストを入力
し、入力したデータリスト中の各香気成分の、全体量に
対する含有比率を演算算出し、各香気成分の蒸気圧値を
前記記憶手段のデータベースより取得し、算出された各
香気成分の含有比率を各香気成分の蒸気圧値に応じて補
正演算し、各香気成分の再現香気処方値を出力する。
【0017】前記再現香気取得方法は、前記香気分析方
法によって分析された香気成分のデータリストを入力す
ることができる。
【0018】前記再現香気取得方法によれば、各香気成
分の蒸気圧値のデータベースを使用し、コンピュータに
よるデータ処理によって、香気成分の再現香気処方値の
リストを効率よく取得できる。又、上述の発明による香
気採取方法、香気分析方法との組み合わせにより、確立
した一連の手法で、高精度な香気の再現情報を効率よく
得ることができる。
【0019】この発明の香料製造方法は、好ましくは、
前記香気分析方法又は香気解析方法により分析された香
気成分のデータに基づいて、当該成分を実質的に有する
香料を製造する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に添付図を参照してこの発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】図1はこの発明による香気採取装置の一つ
の実施の形態を示している。香気採取装置は、ヘッドス
ペースガス採取方式のものである。より詳細にはこの装
置は、レモン、草花等の自然界の香気採取対象としての
試料Tを収容する深蓋形状の試料容器1と、導管2によ
って試料容器1と連通接続され、吸着剤による吸着層3
を有する吸着管4と、吸着器4と導管5によって連通接
続された捕集管或いは捕集容器(又は減圧容器或いは減
圧密閉容器)としてのキャニスター6と、を含む。
【0022】吸着管4は、内部に吸着剤による通気構造
の吸着層3を有する。吸着管4で使用される吸着剤(捕
集剤)は、粒状の活性炭、2,6−diphenyl−
p−phenylene oxide構造の耐熱性樹脂
製のTeneax TA(ジーエルサイエンス株式会社
製)等を含む。
【0023】キャニスター6は、入口部にストッパ弁7
を有するステンレス鋼製の密閉容器から成る。通常、前
記容器の内壁は、フェーズドシリカ薄膜等でコーティン
グされることにより、不活性化される。そして前記容器
内部は減圧化して使用される。
【0024】キャニスター6のストッパ弁7と導管5と
の間には、負圧レギュレータ8が接続されている。負圧
レギュレータ8は、無電源型の流量計量手段であり、流
量制御部9と、圧力計10とを有する。真空引きされた
キャニスター6と大気圧との差圧によって、ヘッドスペ
ースガス(大気)が、一定流量でキャニスター6内に流
入する。レモン、草花等の香気採取では、負圧レギュレ
ータ8による調整流量は、30ml/min程度の低流
量であることが好ましい。この低流量化によって吸着管
4及びキャニスター6における香気成分採取量が増加す
る。
【0025】香気採取の際には、図1に示されているよ
うに、各機器を導管で接続し、香気採取対象としての試
料Tを試料容器1内に入れ、負圧レギュレータ8の流量
計量値を適正値にした後に、ストッパ弁7を開く。
【0026】ストッパ弁7が開かれると、キャニスター
6が負圧源と成り、試料容器1内のヘッドスペースガス
が、導管2、吸着管4の吸着層3、導管5を通り、負圧
レギュレータ8によって流量計量されつつ、キャニスタ
ー6内に吸引される。
【0027】これにより、ヘッドスペースガスの成分、
特に、低〜中揮発性成分が吸着管4に吸着採集され、残
りのヘッドスペースガスがキャニスター6内に吸引貯蔵
される。
【0028】このヘッドスペースガスの真空引きは、負
圧力ポンプ等を必要とする事なく、無電源で行われる。
したがって、森の中等の屋外でも、電源機器を必要とす
ることなく香気採取を簡易に行うことができる。また静
粛性に優れ、騒音無く香気採取を行うことができる。
【0029】キャニスター6によるヘッドスペースガス
の真空引きが完了すると、キャニスター6のストッパ弁
7を閉じ、各機器の導管接続を分解する。しかる後、分
析室等において、吸着管4は、図2(A)に示されてい
るように、加熱脱離装置(TDS)11、キャピラリカ
ラム12を介して質量分析機(MS)13に接続され
る。
【0030】また、キャニスター6は、図2(B)に示
されているように、クライオフォーカス(再凝縮器)1
4、キャピラリカラム15を介して質量分析機(MS)
16に接続され、ストッパ弁7が開放される。なお、質
量分析機13と質量分析機16は、付け替えにより、同
じものであってよい。
【0031】図3(A)は、吸着管4への吸着採集物の
成分を質量分析機13によって定性、定量分析した結果
の一例(TIC(Total Ion Chromatogram)クロマトグ
ラム)を示す。同様に、図3(B)は、キャニスター6
に採集されたヘッドスペースガスの成分を質量分析機1
6によって定性、定量分析した結果の一例(TIC(To
tal Ion Chromatogram)クロマトグラム)を示す。
【0032】なお図3(A)、図3(B)は、試料Tを
レモンとした場合のTIC(TotalIon Chromatogram)
クロマトグラムを示す。図示の通り、吸着管4では、低
〜中揮発性成分の採取が良好に行われ、キャニスター6
では、高揮発性成分の採取が良好に行われる。
【0033】つぎに、前記成分分析結果に基づいて香気
分析をし、再現香気を取得する方法を図4〜図9を参照
して説明する。
【0034】図4は香気分析および再現香気取得を行う
ためのコンピュータシステムを示す。
【0035】同図に示すように、このコンピュータシス
テムは、香気分析および再現香気取得を行うためにプロ
グラムされたコンピュータ100と、不純物データベー
スを格納した記憶部110と、蒸気圧データベースを格
納した記憶部111と、を有する。
【0036】コンピュータ100は、質量分析機13、
16によって行われた定性、定量分析のデータリスト
(以下、成分分析のデータリスト又は成分データリスト
又は成分データ又は成分リストと云う。)を入力するデ
ータ入力部101と、香気データ分析部102と、香気
の再現処方作成部103と、データ出力部104と、を
有する。香気データ分析部102と香気の再現処方作成
処理部103はコンピュータ100がプログラムを実行
することにより、ソフトウェアによって具現化され得
る。
【0037】図5は、データ入力部101から入力され
る、キャニスター法による成分データリスト(成分リス
ト)201を示す。図示の通り、この成分リスト201
は、各成分ごとに、保持時間203、ピーク面積20
5、成分比率(%)207、CAS(Chemical
Abstracts Service)番号209、
検出成分名211のデータを含む。
【0038】同様に図6は、データ入力部101から入
力される、吸着法による成分リスト301を示す。図示
の通り、この成分リスト301は、各成分ごとに、保持
時間303、ピーク面積305、成分比率(%)30
7、CAS(ChemicalAbstracts S
ervice)番号309、検出成分名311のデータ
を含む。
【0039】記憶部110の不純物データベースは、香
気採取対象の試料Tに含まれると予測される不純物成分
或いは、香気採取過程において混入すると予測される不
純物成分の成分名をCAS番号を検索キーとして記憶す
る。従って、このデータベースは、CAS番号を検索キ
ーとして検索することができる。なお不純物データベー
スは、各種の香気データ分析において共通であることが
できる。
【0040】図7は、前記不純物データベースの一例を
示す。
【0041】同図に示すように、不純物データベースに
記憶され或いは登録される不純物成分は、アルキルベン
ゼン類、トルエン、キシレン、ベンゼン、炭化水素、ペ
ンタン、ヘキサン等の大気汚染物質、ジクロロメタン、
アセトン、トリクロロメタン等の有機溶剤、スチレン、
2-エチルヘキサノール、BHT等の可塑剤、添加剤、
ジブチルフタライド、ジオクチルフタレート等の環境ホ
ルモン関係、シリコン化合物、炭化水素等の分析機器由
来物質等を含む。
【0042】香気データ分析部102は、データベース
マネージメントによる条件検索により、データ入力部1
01から入力された成分データリストのCAS番号と、
記憶部110からの不純物データベースのCAS番号と
を比較する。そしてCAS番号が一致する成分(比較一
致成分)を不純物成分とし、成分分析のデータリストか
ら削除し、残りの香気成分のデータリストを香気の再現
処方作成処理部103へ出力する。
【0043】図5に於ける成分リスト215は、キャニ
スター法による成分分析のデータリスト201から不純
物成分(IMPURUTY)のデータを除去した香気成
分のデータリストを示す。また図6に於ける成分リスト
315は、吸着法による成分分析のデータリスト301
から不純物成分(IMPURUTY)のデータを除去し
た香気成分のデータリストを示す。
【0044】記憶部111の蒸気圧データベースは、C
AS番号を検索キーとして各香気成分毎に蒸気圧値を記
憶する。従って、このデータベースは、前記不純物デー
タベースと同様に、CAS番号を検索キーとして検索す
ることができる。
【0045】香気の再現処方作成部103は、香気デー
タ解析部102から図5又は図6に示されている香気成
分のデータリスト215,315を受信し、この二つの
データリストを合成或いは合算する。
【0046】図8は、前記合成された香気成分リストの
一例401を示す。特に欄403は、各成分の合算値を
示す。
【0047】香再現処方作成部103はまた、各香気成
分値403の全体成分値に対する含有比率405を演算
する。
【0048】再現処方作成処理部103は又、前記香気
成分リスト401にリストアップされている香気成分の
蒸気圧値407をCAS番号検索によって記憶部111
の蒸気圧データベースから取得(入力)する。
【0049】再現処方作成部103は更に、各香気成分
の含有比率405を各香気成分の蒸気圧値407で除し
て、図9に示す補正値409(=百分率/蒸気圧)を計
算する。
【0050】更に再現処方作成処理部103は、前記補
正値を規格化(1000分率化)して香料作成の為の処
方量411を計算する。なおこの再現香気処方量は、R
aoultの法則により下式により算出される。
【0051】
【数1】
【0052】再び図4を参照するに、データ出力部10
4は、図9に示すような、各香気成分についての処方量
を含むデータリストを出力する。このデータ出力は、モ
ニタ出力、プリンタ出力、ファイル出力を含むことが出
来る。これにより、各香気成分の処方量に基づいて各香
気成分を合成することが出来る。即ち、人間が嗅覚で感
じる香りと殆ど同じ香りを化学的に再現することができ
る。
【0053】以上の説明から理解される如く、この実施
形態の香気採取装置によれば、構造を複雑にすることな
く、低揮発性成分から高揮発性成分に至る広範囲の成分
を高精度に採取することができる。
【0054】より詳細には、この実施形態の香気採取装
置方法および香気採取方法においては、吸着器によって
低〜中揮発性成分を良好に吸着採取し、吸着器では採取
できなかった高揮発性成分はキャニスターの如き減圧密
閉容器によって採取する。従って、この実施形態によれ
ば、吸着法とキャニスター法とを補間的に使用すること
により、低揮発性成分から高揮発性成分に至る広範囲の
香気成分を高精度で採取できる。従ってまた、この実施
形態によれば、草花等の自然香気の全成分を高精度で定
量分析することができる。
【0055】また、この実施形態による香気分析方法に
おいては、コンピュータによるデータ処理によって、成
分分析のデータリストから不純物成分を除去し、香料成
分のデータリストを生成する。従って、不純物成分のデ
ータを除去した香料成分のデータリストを効率よく得る
ことができる。
【0056】また、この実施形態による再現香気取得方
法においては、各香気成分の蒸気圧値のデータベースを
使用すると共に、コンピュータによるデータ処理によっ
て、香気成分の再現香気処方値のリストを効率よく取得
できる。従って、この再現香気取得方法によれば、上述
の香気採取方法及び香気分析方法との組み合わせによ
り、確立した一連の手法で、高精度な香気の再現情報を
効率よく得ることができる。また、これにより、自然界
に存在する植物等による香気を再現する香料を容易に製
造することが出来る。
【0057】この発明の他の実施形態は、前記香気分析
方法又は香気解析方法により分析された香気成分のデー
タに基づいて、当該香気成分を発生する香料を製造する
香料製造方法にある。より詳細には、この製造方法で
は、前記処方量411に基づいて各香料成分を処方し香
料を製造する。
【0058】この実施形態によれば、自然界に存在する
ものの香りを容易に化学的に再現することができる。換
言すれば、自然の香りに近い香気組成を容易に再現する
ことが出来る。即ち、この方法によれば、自然環境の香
りを容易に具現化することが出来る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、低揮発性成分から高揮発性成分に至る広範囲の香気
成分を良い精度で採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明による香気採取装置の一つの
実施の形態を示す。
【図2】図2(A)は、吸着法によって成分分析を行う
システム構成を示す。図2(B)は、キャニスターによ
って成分分析を行うシステム構成を示す。
【図3】図3(A)は、吸着法による成分分析の結果を
示すTICクロマトグラムを示す。図3(B)は、キャ
ニスターによる成分分析の結果を示すTICクロマトグ
ラムを示す。
【図4】図4は、香気分析および再現香気取得を行うた
めのコンピュータシステムのブロック図である。
【図5】図5(A)は、キャニスター法による成分分析
のデータリストを示す。図5(B)は、前記データリス
トから不純物成分のデータを除去した香気成分のデータ
リストを示す。
【図6】図6は、吸着法による成分分析のデータリスト
及び、前記データリストから不純物成分のデータを除去
した香気成分のデータリストを示す。
【図7】図7は、不純物データベースのデータ構成例を
示す。
【図8】図8は、蒸気圧データを入力した香気成分のデ
ータリストを示す。
【図9】図9は、香気成分について処方量が記述された
出力リストを示す。
【符号の説明】
1 試料容器 4 吸着管 6 キャニスター 8 負圧レギュレータ 11 加熱脱離装置 12 キャピラリカラム 13 質量分析機 14 クライオフォーカス 15 キャピラリカラム 16 質量分析機 100 コンピュータ 102 香気データ解析部 103 香気再現処方作成部 110 不純物データベース記憶部 111 蒸気圧データベース記憶部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドスペースガス中の香気成分を採取
    する香気採取装置であって、吸着層を有する吸着器と、
    前記吸着器と連通接続された減圧密閉容器とを有する香
    気採取装置。
  2. 【請求項2】 吸着層を有する吸着器と、前記吸着器と
    連通接続された減圧密閉容器とを用い、前記減圧密閉容
    器を負圧源として、ヘッドスペースガス中の香気成分を
    採取する香気採取方法。
  3. 【請求項3】 吸着層を有する吸着器と、前記吸着器と
    連通接続された減圧密閉容器とを用い、前記減圧密閉容
    器を負圧源として、ヘッドスペースガスを吸引し、前記
    吸着器の吸着層に吸着した成分と、前記減圧密閉容器に
    吸引されたヘッドスペースガスの成分を各々分析する香
    気分析方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の香気分析方法で得られた吸着
    層に吸着した成分の分析結果と、前記減圧密閉容器に吸
    引されたヘッドスペースガスの成分分析結果と、を合成
    してヘッドスペースガスの成分を計算する香気分析方
    法。
  5. 【請求項5】 コンピュータによって香気データの分析
    を行う方法であって、 不純物成分のデータベースを記憶手段に格納し、 分析装置によって分析された香気対象物の成分分析のデ
    ータリストを入力し、 入力した成分分析のデータリストと前記データベースと
    をコンピュータ処理によって比較し、 一致成分を不純物成分とし、前記成分分析のデータリス
    トより該当する不純物成分のデータをコンピュータ処理
    によって削除し、 不純物成分のデータを除去した香気成分のデータリスト
    を出力すること、 を特徴とする香気分析方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の香気採取装置により採取
    され、又は請求項2の方法により採取され、且つ、請求
    項3の香気分析方法或いは請求項4の香気解析方法で分
    析された成分のデータリストを入力する請求項5の香気
    分析方法。
  7. 【請求項7】 プログラムされたコンピュータによって
    再現香気のためのデータを取得する方法であって、 各香気成分の蒸気圧値のデータベースを記憶手段に格納
    し、 再現香気対象物の香気成分のデータリストを入力し、 入力したデータリストの香気成分各々の全体成分に対す
    る含有比率を演算算出し、 各香気成分の蒸気圧値を前記記憶手段のデータベースよ
    り取得し、算出された各香気成分の含有比率を各香気成
    分の蒸気圧値に応じて補正演算し、各香気成分の再現香
    気処方値を出力すること、 を特徴とする再現香気取得方法。
  8. 【請求項8】 請求項3の香気分析方法又は請求項4の
    香気解析方法により分析された香気成分のデータリスト
    を入力する請求項7の再現香気取得方法。
  9. 【請求項9】 請求項4から8の何れかの香気分析方法
    又は香気解析方法により分析された香気成分のデータに
    基づいて、当該成分を実質的に有する香料を製造する香
    料製造方法。
  10. 【請求項10】 不純物成分のデータベースを格納する
    記憶装置(110)と、分析装置によって分析された香
    気対象物の成分データを入力する入力装置(110)
    と、 入力された成分データと前記データベースとを比較し、
    一致成分を不純物成分として、前記成分データから除去
    する不純物成分除去モジュール(102)と、 を有する香気分析装置。
JP2002024456A 2001-03-02 2002-01-31 香気採取装置 Pending JP2002328078A (ja)

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