JP2015112033A - コーヒー飲料とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コーヒー抽出液にパーム油、パーム核油、及びヤシ油からなる群より選択される少なくとも1種の植物油を加え、さらにコーヒーオイル、コーヒーフレーバーおよび微粉砕コーヒーを含む容器詰めされている容器詰めされているコーヒー飲料、該コーヒー飲料の製造方法およびエスプレッソ感増強方法。
【選択図】なし
Description
〔1〕コーヒー抽出液と、植物油(但し、コーヒーオイルを除く)と、を含むコーヒー飲料:
〔2〕前記植物油が、パーム油、パーム核油、及びヤシ油からなる群より選択される少なくとも1種、2種、又は3種の植物油である請求項1に記載のコーヒー飲料:
〔3〕前記植物油が、コーヒー飲料全量に対し0.3重量%以下である請求項1又は2に記載のコーヒー飲料:
〔4〕さらにコーヒーオイルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー飲料:
〔5〕さらにコーヒーフレーバーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー飲料:
〔6〕さらに微粉砕コーヒーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー飲料:
〔7〕飲料は容器詰めされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーヒー飲料:
〔8〕コーヒー抽出液を乳化する工程と、
前記乳化したコーヒー抽出液に植物油(但し、コーヒーオイルを除く)を混合する工程と、
を含むコーヒー飲料の製造方法:
〔9〕コーヒー飲料に、植物油(但し、コーヒーオイルを除く)を加える工程を含む、コーヒー飲料のエスプレッソ感増強方法:
〔10〕前記植物油が、パーム油、パーム核油、及びヤシ油からなる群より選択される少なくとも1種、2種、又は3種の植物油である請求項9に記載のコーヒー飲料のエスプレッソ増強方法:
〔11〕前記植物油を、コーヒー飲料全量に対し0.3重量%以下の量で加える、請求項9又は10に記載のコーヒー飲料のエスプレッソ感増強方法:
に、関する。
また、本発明によれば、コーヒー抽出液に安定な植物油を加えるので、コーヒーオイルを用いる場合に比較して、酸化による風味への影響を減らし、エスプレッソに良く似た風味を持続させることができる。さらに、コーヒーオイルに比べて植物油は安価であるので、より安く消費者にエスプレッソに良く似た風味を有するコーヒー飲料を提供することができる。
また、本明細書においてドリップコーヒーとは、ドリップ式によって抽出されたコーヒー飲料を示す。
また、本明細書においてエスプレッソとは、エスプレッソ式によって抽出されたコーヒー飲料を示す。
本明細書においてエスプレッソらしさとは、エスプレッソがもたらす味、香り、感触等を総合した感覚を意味し、ある飲料がエスプレッソらしいという場合、その飲料の当該感覚がエスプレッソにより良く似ていることを意味する。
エスプレッソらしさの指標として、例えば、コク、苦味、甘味や酸味(アシディティ)のバランスが取れていること、ボディー感(こく、厚み)があること、芳醇な味わいを有すること、味が濃いこと、渋みがほとんどないこと、フルーティ、チョコレート、あるいはスパイシーなどと表現される芳香が口いっぱいに広がること、飲みほした後も心地よい香りと余韻が続くこと、まろやかさのあるとろっとした液体であること、などが挙げられる。
本明細書において、上記指標の少なくとも1つ以上、2つ以上、3つ以上、又は4つ以上についてドリップコーヒーよりエスプレッソにより良く似ていると感じられる場合に、エスプレッソらしいという。
植物油は1種類のみ用いてもよいし、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上の組み合わせは特に限定されないが、例えば、パーム油とパーム核油、パーム油とヤシ油、又はパーム核油とヤシ油、の組み合わせであってもよいし、パーム油、パーム核油及びヤシ油の組み合わせであってもよい。
2種類以上の植物油を組み合わせる場合、各植物油の配合比率は、当業者が適宜決定することができる。例えば、組み合わせた結果得られる植物油混合物に含まれるカプリル酸とカプリン酸の比率を指標として、各植物油の比率を決めてもよい。この場合、組み合わせた結果得られる植物油混合物に含まれるカプリル酸とカプリン酸の比率が、約55:45、約60:40、約65:35、約70:30、約75:25、約80:20、約85:15、約90:10、約95:5、約98:2となるように植物油を配合してもよい。
酸化による飲料の劣化を防ぐために、飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、2価不飽和脂肪酸の含有量が多い油を選択してもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、炭酸入りにすることができ、当技術分野で既知の任意の適切な方法によって、二酸化炭素を添加することができる。
また、本発明に係るコーヒー飲料の製造方法の別の一態様は、コーヒー抽出液を作る工程と、植物油を乳化する工程と、乳化した植物油をコーヒー抽出液に混合する工程と、を含む。なお、コーヒー抽出液を作る工程と、植物油を乳化する工程の前後は問わない。
また、本発明に係るコーヒー飲料の製造方法の一態様は、当該乳化したコーヒー抽出液に、さらにコーヒーフレーバー、香料、コーヒーオイル又は微粉砕コーヒーを混合する工程を含んでもよい。なお、当該乳化したコーヒー抽出液に植物油を混合する工程と、当該乳化したコーヒー抽出液に、さらにコーヒーフレーバー、香料、コーヒーオイル又は微粉砕コーヒーを混合する工程の前後は問わない。
グアテマラSHB粉末200gに対し、95℃2Lの湯でカリタ社製27cmのペーパーにてドリップ式で約800gのコーヒー抽出液を回収した。乳化剤、重曹をコーヒー抽出液に混合し、終濃度2.0Bxとなるよう調整した。該試料を200kg/cm2の加圧下で乳化処理を行った後、植物油を終濃度0.15重量%となるように添加した。植物油としては、パーム油、パーム核油及びヤシ油の混合物を用い、パーム油、パーム核油及びヤシ油の混合物におけるカプリル酸とカプリン酸の比率が約75:25になるように配合したものを用いた。レトルト対応缶に密封充填し、115℃10分間殺菌処理を行った。殺菌処理から約1ヵ月後の飲料を被験飲料とし、官能試験に供した(表1、植物油添加区)。
実施例1と同様に乳化処理を行った後、実施例1の植物油を終濃度0.15重量%となるように、更にコーヒーフレーバーを終濃度0.025重量%となるように添加し、レトルト対応缶に密封充填し、115℃10分間殺菌処理を行った。殺菌処理から約1ヵ月後の飲料を被験飲料とし、官能試験に供した(表1、植物油+香料添加区)。
使用豆グアテマラSHB6g、抽出機NESPRESSO D290を用い、官能試験直前に抽出し、得られた抽出液約45gを被験飲料とした(表1、エスプレッソ抽出)。
グアテマラSHB粉末200gに対し、95℃2Lの湯でカリタ社製27cmのペーパーにてドリップ式で約800gのコーヒー抽出液を回収した。乳化剤、重曹をコーヒー抽出液に混合し、終濃度2.0Bxとなるよう調整した。該試料を200kg/cm2の加圧下で乳化処理を行った後、レトルト対応缶に密封充填し、その後115℃10分間殺菌処理を行った。殺菌処理から約1ヵ月後の飲料を被験飲料とし、官能試験に供した(表1、ドリップ抽出)。
実施例1と同様に乳化処理を行った後、コーヒーオイルを終濃度0.15重量%となるように添加し、レトルト対応缶に密封充填し、その後115℃10分間殺菌処理を行った。殺菌処理から約1ヵ月後の飲料を被験飲料とし、官能試験に供した(表1、コーヒーオイル添加)。
それぞれの飲料について5人のコーヒーインストラクター有資格者により官能評価を行った(表1)。コーヒーインストラクターとは全日本コーヒー商工組合連合会が開催する検定の合格者が認定される名称である。
Claims (11)
- コーヒー抽出液と、植物油(但し、コーヒーオイルを除く)と、を含むコーヒー飲料。
- 前記植物油が、パーム油、パーム核油、及びヤシ油からなる群より選択される少なくとも1種、2種、又は3種の植物油である請求項1に記載のコーヒー飲料。
- 前記植物油が、コーヒー飲料全量に対し0.3重量%以下である請求項1又は2に記載のコーヒー飲料。
- さらにコーヒーオイルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- さらにコーヒーフレーバーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- さらに微粉砕コーヒーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- 飲料は容器詰めされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
- コーヒー抽出液を乳化する工程と、
前記乳化したコーヒー抽出液に植物油(但し、コーヒーオイルを除く)を混合する工程と、
を含むコーヒー飲料の製造方法。 - コーヒー飲料に、植物油(但し、コーヒーオイルを除く)を加える工程を含む、コーヒー飲料のエスプレッソ感増強方法。
- 前記植物油が、パーム油、パーム核油、及びヤシ油からなる群より選択される少なくとも1種、2種、又は3種の植物油である請求項9に記載のコーヒー飲料のエスプレッソ増強方法。
- 前記植物油を、コーヒー飲料全量に対し0.3重量%以下の量で加える、請求項9又は10に記載のコーヒー飲料のエスプレッソ感増強方法。
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