JP6676283B2 - コーヒー飲料、及びロブ臭の低減方法 - Google Patents

コーヒー飲料、及びロブ臭の低減方法 Download PDF

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本発明は、コーヒー飲料、及びロブ臭の低減方法に関する。
コーヒー飲料に用いられるコーヒー豆の品種は、主に、ブラジルやコロンビアなどで生産されるアラビカ種と、ベトナムやインドネシアなどで生産されるロブスタ種(カネフォラ種)に大別される。
アラビカ種は、ロブスタ種よりも粒径が大きいとともに、雑味が少なく味と香りの点で高く評価されていることから、コーヒーショップや喫茶店で提供されるレギュラーコーヒー等に用いられることが多い。
一方、ロブスタ種は、比較的安価で市場に流通しているとともに、容易に入手が可能なことから、缶コーヒー等に用いられることが多く、また、味、香り、苦味等の後口が全般的に強いことから、アイスコーヒー等に用いられることも多い。
加えて、このロブスタ種は、アラビカ種とブレンドすることにより特徴のあるコーヒー飲料として提供されている場合もある。
しかしながら、ロブスタ種は、当該品種に特有の「ロブ臭」という独特の臭みを有しており、このロブ臭を低減する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、コーヒー生豆を表面研磨した後に、焙煎過程において水を散布するコーヒー豆の製造工程において、得た焙煎コーヒー豆を粉砕する際に、極粗挽きを行って豆内部の内部シルバースキンを粗挽き豆から遊離させ、そのシルバースキンを微粉粒とともに吸引除去した後に、さらに所定の基本粒度まで粉砕することでロブ臭と称する独特の風味を軽減するロブスタ種コーヒー挽き豆の改質方法が開示されている。
また、特許文献2には、香味が高い煎り上がりコーヒー豆を製造する方法であって、コーヒー生豆を適度に表面研磨することで生豆表面に付着したシルバースキンを取り除き、研磨後のコーヒー生豆を焙煎するとともに、水道水から不純物を除いた還元水の散布によってコーヒー豆をクエンチングすることにより、コーヒー豆から焙煎熱を直ちに放散させ、且つ還元水をコーヒー豆の内部に浸透させる焙煎コーヒー豆の製造方法が開示されている。
特開2013−220073号公報 特開2005−159号公報
特許文献1、2に開示された技術は、ロブ臭の低減効果を得るためには、コーヒー生豆に対する加工処理や焙煎処理について、所定の条件に特定する必要がある。つまり、特許文献1、2に開示された技術によると、コーヒー生豆からコーヒー豆の抽出液を得るまでの処理の条件を所定の条件となるように制御しなければならない。
よって、特許文献1、2に開示されているような処理を施していない一般的なコーヒー豆(コーヒー豆の抽出液)を用いた場合であっても、ロブスタ種に特有の「ロブ臭」という独特の臭みを低減することが可能な技術を検討する余地が存在する。
そこで、本発明は、ロブ臭という独特の臭みが低減されたコーヒー飲料、及びロブ臭低減方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)コーヒー豆の抽出液と、オレンジの香気を呈する物質と、を含有し、前記コーヒー豆は、ロブスタ種のコーヒー豆を含み、酸度は、0.075w/v%以下であり、前記オレンジの香気を呈する物質は、オレンジフレーバーでり、前記オレンジフレーバーの含有量は、0.01w/v%以上であることを特徴とするコーヒー飲料。
)コーヒー飲料のロブ臭の低減方法であって、コーヒー豆の抽出液に、オレンジの香気を呈する物質を含有させ、前記コーヒー豆は、ロブスタ種のコーヒー豆を含み、前記オレンジの香気を呈する物質は、オレンジフレーバーでり、前記オレンジフレーバーの含有量は、0.01w/v%以上であることを特徴とするロブ臭の低減方法。
)前記コーヒー飲料の酸度は、0.075w/v%以下であることを特徴とする前記2に記載のロブ臭の低減方法。
本発明に係るコーヒー飲料によると、オレンジの香気を呈する物質を含有していることから、この物質が発するオレンジの香気が、ロブ臭という独特の臭みを低減させ、香味の点で優れたコーヒー飲料とすることができる。
また、本発明に係るロブ臭の低減方法によると、オレンジの香気を呈する物質を含有させることから、この物質が発するオレンジの香気が、コーヒー飲料のロブ臭という独特の臭みを低減させ、コーヒー飲料の香味を優れたものに改善することができる。
本発明の実施形態に係るコーヒー飲料の製造方法の内容を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係るコーヒー飲料、及びロブ臭の低減方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
[コーヒー飲料]
本実施形態に係るコーヒー飲料は、コーヒー豆の抽出液と、オレンジの香気を呈する物質と、を含有し、コーヒー豆は、ロブスタ種のコーヒー豆を含んでいる。
(コーヒー豆の抽出液)
本実施形態に係るコーヒー飲料は、コーヒー豆の抽出液を含有する。
ここで、コーヒー豆の抽出液とは、コーヒー豆から抽出した成分を含む液体であり、焙煎後のコーヒー豆から抽出して得られた液体だけでなく、抽出により得られた液体を濃縮した濃縮液、抽出により得られた液体を希釈した希釈液、抽出により得られた液体を乾燥し粉末状としたもの(インスタントコーヒー)の溶解液、これらを混合した液体も含まれる。
使用するコーヒー豆は、ロブスタ種(カネフォラ種)のコーヒー豆を含んでいる。
ロブスタ種のコーヒー豆は、主にベトナムやインドネシアなどで生産されているが、産地は特に限定されない。
なお、使用するコーヒー豆は、ロブスタ種以外のコーヒー豆を含んでいてもよい。例えば、アラビカ種、リベリカ種、アラビカ種とロブスタ種の交雑種といった品種のコーヒー豆が挙げられる。
(オレンジの香気を呈する物質)
本実施形態に係るコーヒー飲料は、オレンジの香気を呈する物質を含有する。このオレンジの香気を呈する物質が、ロブスタ種に特有の「ロブ臭」という独特の香りを低減する効果を発揮する。
ここで、オレンジの香気を呈する物質とは、オレンジ様の香りを発する物質であり、例えば、オレンジフレーバー(香料)、オレンジ果汁、オレンジ濃縮果汁、オレンジの果肉、オレンジの果皮(ピール)、及びオレンジのピューレ、並びに、これらのうちの少なくとも1つを含んだオレンジソース、オレンジシロップ、及びオレンジジュレ等である。
なお、オレンジフレーバーについては、オレンジ由来の物質から製造されたものであってもよいし、オレンジ由来の物質を含まないものであってもよい。
オレンジの香気を呈する物質がオレンジフレーバー(香料)の場合、オレンジフレーバーの含有量は、0.01w/v%以上であるのが好ましく、0.02w/v%以上であるのがより好ましい。オレンジフレーバーの含有量が所定値以上であることにより、ロブ臭を低減するという効果を確実なものとすることができる。なお、オレンジフレーバーの含有量の上限については、特に限定されないが、オレンジの香りが強すぎることによって、コーヒー飲料の香味のバランスが崩れてしまうといった事態を回避するため、0.10w/v%以下とすればよい。
なお、オレンジフレーバー(一般に市販されているもの:例えば、長谷川香料社製長谷川オレンジ、長岡香料社製オレンジフレーバー、高砂香料社製タカサゴオレンジ、三栄源エフ・エフ・アイ社製三栄源オレンジ、長谷川香料社製長谷川オイル(オレンジ)など)を使用する場合、前記した含有量とすればよい。ただし、独自に製造したようなオレンジソース等を使用する場合、0.01w/v%以上の含有量のオレンジフレーバーに相当する量(同等のオレンジの香気を発する量)を含有させるのが好ましい。例えば、オレンジの香気を呈する物質を1000倍希釈した場合に飲用するとオレンジの風味を感じ、10000倍希釈した場合に飲用するとオレンジの風味をほとんど感じないものを基準(0.01w/v%以上の含有量が必要)とした場合、10000倍希釈した場合に飲用するとオレンジの風味を感じ、100000倍希釈した場合に飲用するとオレンジの風味をほとんど感じないものについては、0.001w/v%以上の含有量でよいこととなる。
(コーヒー飲料の酸度)
コーヒー飲料は、酸度が0.075w/v%以下であることが好ましく、0.065w/v%以下であることがより好ましい。コーヒー飲料の酸度が所定値以下であることにより、オレンジの香気との組み合わせによって、酸味が立ち過ぎ、香味の評価が低下してしまうといった事態を回避することができる。
なお、コーヒー飲料の酸度の値は、コーヒー豆の抽出液の影響が大きく、コーヒー豆の抽出液の酸度とほぼ同じ値を示す。そして、コーヒー豆の抽出液の酸度は、使用するコーヒー豆におけるアラビカ種のコーヒー豆の割合を多くすると上がってしまうという傾向があるため、酸度を下げるためには、ロブスタ種のコーヒー豆の割合を多くすればよい。
そして、この酸度とは、クエン酸換算の酸度であり、中和滴定法(果実飲料の日本農林規格第25条)により測定することができる。
(その他)
本実施形態に係るコーヒー飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲でコーヒー飲料として通常配合される乳製品、油脂類、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、栄養補助剤、ポリフェノール類、アミノ酸類、酸化防止剤、香料など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。乳製品としては、例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、生クリーム、濃縮乳などを用いることができる。油脂類としては、例えば、植物性油脂、動物性油脂などを用いることができる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、マリーゴールド色素、カロテン色素、アントシアニン色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。甘味料としては、例えば、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどを用いることができる。栄養補助剤としては、例えば、ビタミン類、ミネラル類などを用いることができる。ポリフェノール類としては、例えば、エリオシトリン、カテキンなどを用いることができる。アミノ酸類としては、例えば、バリン、ロイシン、イソシロシンなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。
また、その他配合可能な添加剤としては、豆乳、ココア、茶類なども用いることができる。
さらに、本実施形態に係るコーヒー飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲でアルコール(蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカなどの各種スピリッツ、原料用アルコールなどを1種又は2種以上を組み合わせたもの)を添加して、アルコール入りコーヒー飲料としてもよい。
そして、前記したコーヒー豆の抽出液、オレンジの香気を呈する物質、添加剤、アルコールは、製造したものを使用してもよいし、一般に市販されているものを使用してもよい。
本実施形態に係るコーヒー飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るコーヒー飲料によれば、オレンジの香気を呈する物質を含有していることから、この物質が発するオレンジの香気が、ロブ臭という独特の臭みを低減させ、香味の点で優れたコーヒー飲料とすることができる。
[コーヒー飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るコーヒー飲料の製造方法について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るコーヒー飲料の製造方法は、抽出液製造工程S1と、混合工程S2と、後処理工程S3と、を含む。
(抽出液製造工程)
抽出液製造工程S1では、コーヒー豆の抽出液を製造する。
詳細には、コーヒー生豆に焙煎処理を施し、焙煎後のコーヒー豆に粉砕処理を施し、粉砕したコーヒー豆に抽出処理を施すことにより、コーヒー豆の抽出液を製造する。
焙煎処理について、直火焙煎、熱風焙煎、遠赤外線焙煎、マイクロ波焙煎、炭火焙煎等といった従来公知の方法、及び条件で行うことができる。また、粉砕処理や抽出処理についても、従来公知の方法、及び条件で行うことができる。
なお、コーヒー豆の抽出液について、一般に市販されているものを使用する場合は、抽出液製造工程S1を省略すればよい。
(混合工程)
混合工程S2では、混合タンクに、コーヒー豆の抽出液、オレンジの香気を呈する物質、添加剤などを適宜添加し溶解・混合して混合後液を製造する。
なお、複数のコーヒー豆を使用する場合は、抽出液製造工程S1において、まとめて抽出液を製造してもよいが、別々に抽出液を製造(又は準備)し、この混合工程S2において複数の抽出液を混合してもよい。
この混合工程S2では、複数のコーヒー豆の抽出液を混合する場合は、コーヒー飲料の酸度が0.075w/v%以下となるように混合するのが好ましく、0.065w/v%以下であることがより好ましい。
また、オレンジの香気を呈する物質としてオレンジフレーバー(香料)を用いる場合は、オレンジフレーバーの含有量が、0.01w/v%以上となるように混合するのが好ましく、0.02w/v%以上であるのがより好ましい。
(後処理工程)
そして、後処理工程S3では、混合後液のpH調整、混合後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、混合後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、容器への充填、加熱殺菌、冷却などの処理を必要に応じて選択的に行う。なお、殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で行えばよい。その代表例として、レトルト殺菌、超高温短時間殺菌(UHT殺菌)が挙げられる。また、充填する容器が、例えば、金属缶の場合、混合後液を容器に充填後、加熱殺菌することができる。一方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度に冷却して容器に充填する等の方法を採用すればよい。
なお、抽出液製造工程S1にて行われる各処理は、コーヒー飲料を製造するために一般的に用いられる設備にて行うことができ、混合工程S2及び後処理工程S3にて行われる各処理は、Ready To Drink(RTD)飲料などを製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るコーヒー飲料の製造方法によれば、混合工程において、オレンジの香気を呈する物質を含有させることから、ロブ臭という独特の臭みが低減し、香味の点で優れたコーヒー飲料を製造することができる。
[ロブ臭の低減方法]
次に、本実施形態に係るロブ臭の低減方法について説明する。
本実施形態に係るロブ臭の低減方法は、コーヒー豆の抽出液に、オレンジの香りを呈する物質を含有させるという方法である。なお、コーヒー豆には、ロブスタ種のコーヒー豆が含まれる。
そして、本実施形態に係るロブ臭の低減方法は、オレンジの香気を呈する物質が、オレンジフレーバーの場合、最終製品中における含有量が0.01w/v%以上となるようにオレンジフレーバーを含有させるのが好ましく、0.02w/v%以上がさらに好ましい。
また、本実施形態に係るロブ臭の低減方法は、コーヒー飲料の酸度が、0.075w/v%以下であることが好ましく、0.065w/v%以下がさらに好ましい。
なお、オレンジの香気を呈する物質の添加の前後において、コーヒー飲料の酸度の値は大きく変化しないことから、本実施形態に係るロブ臭の低減方法は、使用するコーヒー豆の抽出液の酸度が、0.075w/v%以下であることが好ましく、0.065w/v%以下がさらに好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るロブ臭の低減方法によれば、オレンジの香気を呈する物質を含有させることから、この物質が発するオレンジの香気が、コーヒー飲料のロブ臭という独特の臭みを低減させ、コーヒー飲料の香味を優れたものに改善することができる。
なお、本発明の実施形態に係るコーヒー飲料、その製造方法、及びロブ臭の低減方法において、明示していない特性や条件については、従来公知のものであればよく、前記特性や条件によって得られる効果を奏する限りにおいて、限定されないことは言うまでもない。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明に係るコーヒー飲料、及びロブ臭の低減方法について説明する。
まず、実施例1では、様々な果実の香気を呈する物質の中で、ロブ臭の低減効果を発揮するものを明確にする。
[サンプルの準備]
表1に示したコーヒー豆を所定の粗さにコーヒーミルにより粉砕(丸広産業社製 Nice Cut Mill KH−100 中びき(ダイアル3))し、粉砕後の粉砕豆40gと、95℃の湯500gとをビーカーに投入した。投入してから1分後に撹拌し、撹拌してから2分後、全量を市販のペーパーフィルターに投入し、全量ドリップを行った。そして、このコーヒー豆の抽出液に、表1に示した果実の香気を呈する物質を所定量添加し、混合することによって、サンプル(コーヒー飲料)を準備した。
なお、表中の「焙煎の程度」については、4が最も深煎りの焙煎であることを示し、1が最も浅煎りの焙煎であることを示している。
[酸度の測定]
各サンプルについて、コーヒー豆の抽出液の状態において、中和滴定法(果実飲料の日本農林規格第25条)によって抽出液の酸度(クエン酸換算の酸度)を測定した。そして、表では、クエン酸換算の酸度を、単に「酸度」とした。
なお、実施例では、コーヒー豆の抽出液の酸度を測定したが、各サンプルに添加したオレンジフレーバー等の果実の香気を呈する物質は微量であり、ほとんど酸度に影響を与えなかった。よって、サンプル(コーヒー飲料)全体の酸度は、コーヒー豆の抽出液と同等の酸度となった。
[試験内容:実施例1]
前記の方法により準備した各サンプルについて、訓練された専門のパネル4名が下記評価基準に則って4段階で各々評価を行い、最終的な評価をパネル間でディスカッションして決定した。
(ロブ臭の低減効果:評価基準)
ロブ臭の低減効果については、「果実の香気を呈する物質」を添加・混合する前のサンプルと後のサンプルとを飲み比べて評価を行った。
◎:ロブ臭が非常に軽減された。
〇:ロブ臭が軽減された。
△:ロブ臭がわずかに軽減された。
×:ロブ臭が軽減されなかった(変化がなかった)。
(総合評価:評価基準)
総合評価については、「果実の香気を呈する物質」を添加・混合した後のサンプルに対して評価を行った。
◎:コーヒー飲料として非常に好ましい香味であった。
〇:コーヒー飲料として好ましい香味であった。
△:コーヒー飲料として許容できる香味であった。
×:コーヒー飲料として不適な香味であった。
Figure 0006676283
[試験結果の検討:実施例1]
サンプル1〜3は、果実の香気を呈する物質として、オレンジフレーバーやオレンジソースを使用していたことから、このオレンジの香気がロブ臭を低減させていた。また、サンプル1〜3は、オレンジの香気がコーヒー飲料としての香味を邪魔することなく、全体として好ましい(又は非常に好ましい)香味となった。
サンプル4は、果実の香気を呈する物質として、レモンフレーバーを使用しており、ロブ臭の低減効果は確認できたものの、レモンの香味が強く、コーヒー飲料としてやや不適な香味となった。
サンプル5、6は、アップルフレーバーやストロベリーフレーバーを使用したが、ロブ臭の低減効果はほとんど確認できず、さらに、コーヒー飲料として不適な香味となった。
なお、サンプル7、8は、参考にアラビカ種のコーヒー豆を使用した場合であり、ロブ臭が存在しないため、オレンジフレーバーを使用しても、当然、ロブ臭の低減効果は確認できなかった。
以上のとおり、実施例1の試験結果から、果実の香気を呈する物質として、オレンジフレーバーやオレンジソースといった「オレンジの香気を呈する物質」を使用することにより、ロブ臭の低減効果が得られることがわかった。
次に、実施例2では、オレンジフレーバーの添加量、コーヒー飲料の酸度が、各効果(特に、ロブ臭の低減効果)に与える影響を確認する。
[サンプルの準備]
表2、3に示したコーヒー豆を所定の粗さにコーヒーミルにより粉砕(丸広産業社製 Nice Cut Mill KH−100 中びき(ダイアル3))し、粉砕後の粉砕豆40gと、95℃の湯500gとをビーカーに投入した。投入してから1分後に撹拌し、撹拌してから2分後、全量を市販のペーパーフィルターに投入し、全量ドリップを行った。そして、このコーヒー豆の抽出液に、表2、3に示したオレンジフレーバーを所定量添加し、混合することによって、サンプル(コーヒー飲料)を準備した。
[酸度の測定]
各サンプルの抽出液の酸度は、実施例1と同じ方法で測定した。
[Brixの測定]
各サンプルの抽出液のBrix(Bx.)については、デジタル屈折計(RX−5000:ATAGO社製)を用いて測定した。
[試験内容:実施例2]
前記の方法により準備した各サンプルについて、訓練された専門のパネル4名が下記評価基準に則って3、4段階で各々評価を行い、最終的な評価をパネル間でディスカッションして決定した。
(ロブ臭の低減効果:評価基準)
ロブ臭の低減効果については、「オレンジフレーバー」を添加・混合する前のサンプルと後のサンプルとを飲み比べて評価を行った。
◎:ロブ臭が非常に軽減された。
〇:ロブ臭が軽減された。
△:ロブ臭がわずかに軽減された。
×:ロブ臭が軽減されなかった(変化がなかった)。
(酸味変化の評価:評価基準)
酸味変化の評価については、「オレンジフレーバー」を添加・混合する前のサンプルと後のサンプルとを飲み比べて評価を行った。
〇:コーヒー飲料として好適な酸味になった。
△:コーヒー飲料として許容できる酸味になった。
×:コーヒー飲料として不適な酸味になった。
(総合評価:評価基準)
総合評価については、「オレンジフレーバー」を添加・混合した後のサンプルに対して評価を行った。
◎:コーヒー飲料として非常に好ましい香味であった。
〇:コーヒー飲料として好ましい香味であった。
△:コーヒー飲料として許容できる香味であった。
×:コーヒー飲料として不適な香味であった。
Figure 0006676283
Figure 0006676283
[試験結果の検討:実施例2]
サンプル9〜14は、オレンジフレーバーを添加していたことから、ロブ臭の低減効果を確認することができた。特に、サンプル9〜11、13、14は、オレンジフレーバーの添加量が所定値以上であったことから、優れたロブ臭の低減効果を確認することができた。なお、サンプル12は、オレンジフレーバーの添加量が少なかったことから、ロブ臭の低減効果が若干弱かった。
また、サンプル10とサンプル11は、オレンジフレーバーについて種類(A、B)が異なるものを使用したが、ロブ臭の低減効果の評価、酸味変化の評価、総合評価のいずれの評価も同じであった。よって、オレンジフレーバーの種類は、ほとんど評価に影響を与えない、言い換えると、オレンジフレーバーを用いるのであれば、種類に関係なく、所望の効果を得られることがわかった。
サンプル15〜19は、オレンジフレーバーを添加していたことから、ロブ臭の低減効果を確認することができた。特に、サンプル15〜18は、コーヒー飲料の酸度(コーヒー豆の抽出液の酸度)が所定値以下であったことから、酸味変化の評価や総合評価も優れたものとなった。
なお、サンプル19は、アラビカ種のコーヒー豆の使用比率が高く、コーヒー飲料の酸度(コーヒー豆の抽出液の酸度)が高かったため、酸味が立ち過ぎて、味がバラバラとなり、酸味変化の評価や総合評価が良くなかった。
サンプル20〜30は、ロブスタ種のコーヒー豆の使用比率が0%であったことから、ロブ臭が存在しないため、オレンジフレーバーを使用しても、当然、ロブ臭の低減効果は確認できなかった。
なお、サンプル27〜30のように、アラビカ種のコーヒー豆を使用した場合であっても、コーヒー飲料の酸度(コーヒー豆の抽出液の酸度)が所定値を超えると、オレンジフレーバーの添加により総合評価が悪くなってしまうことがわかった。
以上のとおり、実施例2の試験結果から、オレンジフレーバーの添加量が所定値以上であることにより、優れたロブ臭の低減効果を得られることがわかった。
また、実施例2の試験結果から、コーヒー飲料の酸度(コーヒー豆の抽出液の酸度)の酸度が所定値以下であることにより、オレンジフレーバーを添加する場合において、酸味変化の評価や総合評価が優れたものとなることがわかった。
S1 抽出液製造工程
S2 混合工程
S3 後処理工程

Claims (3)

  1. コーヒー豆の抽出液と、オレンジの香気を呈する物質と、を含有し、
    前記コーヒー豆は、ロブスタ種のコーヒー豆を含み、
    酸度は、0.075w/v%以下であり、
    前記オレンジの香気を呈する物質は、オレンジフレーバーでり、
    前記オレンジフレーバーの含有量は、0.01w/v%以上であることを特徴とするコーヒー飲料。
  2. コーヒー飲料のロブ臭の低減方法であって、
    コーヒー豆の抽出液に、オレンジの香気を呈する物質を含有させ、
    前記コーヒー豆は、ロブスタ種のコーヒー豆を含み、
    前記オレンジの香気を呈する物質は、オレンジフレーバーでり、
    前記オレンジフレーバーの含有量は、0.01w/v%以上であることを特徴とするロブ臭の低減方法。
  3. 前記コーヒー飲料の酸度は、0.075w/v%以下であることを特徴とする請求項2に記載のロブ臭の低減方法。
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