JP2017215584A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐久性と応答性を高いレベルで両立し、ゴースト現象が抑制された電子写真感光体を提供する。【解決手段】 電荷輸送物質及び特定の分岐鎖を含む構造を有する特定のポリエステル樹脂を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。【選択図】 なし

Description

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真プロセスにおいて、近年、記録速度の高速化や高画質への要望が高まっている。これに対応して、電子写真感光体にも更なる応答性の向上と、ゴースト現象などの画質を低下させる原因の改善が望まれている。電子写真感光体の応答性を高める方法として、高い電荷移動度を有する電荷輸送物質を電荷輸送層に用いる方法が知られている(特許文献1)。
更に、電荷輸送層が表面層である場合には、電気的・機械的外力に対する耐久性も要求される。そこで、優れた機械強度を有するポリエステル樹脂を用いた表面層を有する感光体を用いる方法が検討されている(特許文献2及び3)。特許文献2には、分岐鎖構造を持つポリエステル樹脂を表面層に用いた電子写真感光体が開示されている。特許文献3には、ジフェニルエーテルジカルボン酸を有するポリエステル樹脂を表面層に用いた電子写真感光体が開示されている。何れの電子写真感光体も耐久性が改善することが記載されている。
特開2008−74714号公報 特許第4246621号公報 特開2006−53549号公報
しかしながら、本発明者らの検討では、上述した特許文献2や特許文献3に記載の従来のポリエステル樹脂を用いた電子写真感光体は、耐久性は改善しているものの、応答性の向上効果及びゴースト現象の抑制効果は近年求められるレベルには達していなかった。
したがって、本発明の目的は、耐久性と応答性を高いレベルで両立し、ゴースト現象が抑制された電子写真感光体を提供することにある。更に、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有する表面層を有し、該ポリエステル樹脂が、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有し、

(一般式(I)において、Xは、2価の基を表す。)

(一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキレン基又は2価のシクロアルキレン基を示す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。)
該一般式(I)で示される構造が、式(I−1)で示される構造を有し、
該一般式(II)で示される構造が、一般式(II−1)で示される構造を有することを特徴とする。
(一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22は、メチル基、エチル基を表す。R23は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
また、本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、上述の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、耐久性と応答性を高いレベルで両立し、ゴースト現象が抑制された電子写真感光体、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能である。
プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電荷移動度評価における電子写真感光体表面の電位推移を示す図である。 実施例で用いたゴースト現象評価用の画像を示す図である。 図3中における「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を示す図である。
本発明は、電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体である。そして、該ポリエステル樹脂が、式(I−1)で示される構造を有する一般式(I)で示される構造と、一般式(II−1)で示される構造を有する一般式(II)で示される構造と、を有することを特徴とする。
一般式(I)において、Xは2価の基を示す。2価の基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基(−Ph−O−Ph−)が挙げられる。
一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキレン基又は2価のシクロアルキレン基を示す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。
一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22は、メチル基、エチル基を表す。R23は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。
尚、一般式(I)で示される構造はジカルボン酸化合物に由来する構造であり、一般式(II)で示される構造はビスフェノール化合物(2個のヒドロキシフェニル基を有する化合物)に由来する構造である。これらの構造は、それぞれ由来する化合物同士が反応することによりエステル結合を形成し、以下のような構造単位となっている。
電荷輸送物質を含有する表面層に、上記のポリエステル樹脂を用いた場合に、耐久性と応答性を高いレベルで両立し、ゴースト現象が抑制される理由について、本発明者らは以下のように推測している。
高い耐久性を得るためには、フェニレン基のようなスタッキング性、剛直性が高い材料を表面層に用いることが良いと考えていた。しかしながら、スタッキング性、剛直性の高い構造のみでは、電荷輸送物質を用いた際に樹脂のスタッキング性と剛直性によって、電荷輸送物質の動きが抑制されていたのではないかと推測している。
そこで、樹脂鎖中に一般式(II−1)で表わされるような嵩高い分岐鎖構造を導入することで電荷移動度向上を試みたが、分岐鎖構造を導入するだけでは、目的である高い耐久性と応答性を両立することができなかった。
本願において、同一樹脂鎖中に式(I−1)で示される構造及び一般式(II−1)で示される構造を導入することで、嵩高さを有する部位、剛直性及びフレキシブル性を
両立させた構造を有する樹脂になり、耐久性と応答性を高いレベルで両立することが出来たと考えている。また、ゴースト現象が抑制されたことに関しては、電荷移動度の向上だけではなく、電荷滞留が抑制されていることが考えられる。
(I−1)で表わされる構造は、剛直性の高いベンゼン環がエーテル基を介して結合しているジフェニルエーテル構造により、高いフレキシブル性を有していると考えられる。
本発明のポリエステル樹脂は、一般式(I)で示される構造として式(I−1)で示される構造を有することで本発明の効果が得られる。さらには、前記一般式(I)で示される構造に占める、前記式(I−1)で示される構造の割合が、一般式(I)中、30モル%以上であると、電子写真感光体の応答性を示す指標である電荷移動度が高くなるため好ましい。
また、ポリエステル樹脂が更に、式(I−1)で示される構造以外の一般式(I)で示される構造を有してもよい。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などのカルボン酸に由来する構造が挙げられる。具体的には、以下に上げる構造例等があげられる。
中でも、式(I−2)で表わされるテレフタル酸構造と共重合させることが、電荷移動度を高く保つ点で好ましい。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などの何れの形態であってもよい。
以下、一般式(II−1)で示される構造の具体例を以下に示す。
中でも式(II−1−1)で示される構造が高い耐久性と電荷移動度を両立し、ゴースト現象を抑制させる点で好ましい。
ポリエステル樹脂中の、前記一般式(II)で示される構造に対する、前記一般式(II−1)で示される構造の割合が、30モル%以上であることが高い電荷移動度を得る点で好ましい。更には、40モル%以上であること、80モル%以下であることが、高い耐久性と電荷移動度を両立し、ゴースト現象を抑制させる点で好ましい。
また、ポリエステル樹脂が、一般式(II)で示される構造として、更に、一般式(II−2)で示される構造を有することが好ましい。即ち、一般式(II)で示される構造として、一般式(II−1)で示される構造と、一般式(II−2)で示される構造とを有することが好ましい。
一般式(II−2)において、R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。Yは、単結合、酸素原子、2価のアルキレン基又は2価のシクロアルキレン基を示す。
一般式(II−2)で示される構造の具体例を以下に示す。
本発明においては、一般式(II−2)において、Yが単結合であることが好ましい。即ち、式(II−2−15)、(II−2−16)、(II−2−17)、(II−2−18)で示される構造を有することが高い耐久性を得る点で好ましい。特には、式(II−2−17)の構造を有することが、耐久性と応答性を高いレベルで両立し、ゴースト現象が抑制する点で好ましい。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などの何れの形態であってもよいが、ランダム共重合が高い応答性を得る点で特に好ましい。
また、ポリエステル樹脂中の、一般式(II)で示される構造に対する、一般式(II−1)で示される構造の割合が、30モル%以上60モル%以下であり、かつ、式(II−2−16)で示される構造の割合が、30モル%以上60モル%以下であることがより好ましい。係る条件を満足することで、電荷移動度と耐久性を特に高いレベルで両立することができる。
表面層は、結着樹脂として、上記ポリエステル樹脂以外にも、その他の樹脂を用いてもよい。ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、複数種類をブレンドしても、共重合させてもよい。その他の樹脂を用いる場合は、全ての結着樹脂の全質量に対する、本発明におけるポリエステル樹脂の質量が、50質量%以上であることが好ましい。
結着樹脂の重量平均分子量は、60,000以上200,000以下が好ましく、80,000以上150,000以下がより好ましい。このとき、樹脂の重量平均分子量は、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質を含有する表面層を有する。更に、支持体や、感光層を有することが好ましい。電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。本発明においては、(1)積層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する表面層が電荷輸送層となり、(2)単層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する表面層が感光層となる。以下、各層について説明する。
電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は支持体を有することが好ましい。支持体は、導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金などの金属又は合金で形成される支持体や、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上に、アルミニウム、クロム、銀、金などの金属の薄膜;酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性材料の薄膜;銀ナノワイヤーを加えた導電性インクの薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の形状としては円筒状、ベルト状、フィルム状などが挙げられる。
<導電層>
本発明において、支持体の上に導電層を設けてもよい。導電層の平均膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、金属酸化物粒子や結着樹脂を含有することが好ましい。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛、鉛白、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの粒子が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズの粒子が好ましい。金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、局所的な導電路が形成されることによる黒点の発生を抑制するために、30〜450nmであることが好ましく、30〜250nmであることがより好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。
導電層は、導電層用塗布液を調製し、これを支持体に塗布することで形成することができる。導電層用塗布液は、金属酸化物粒子や結着樹脂と共に、溶剤を含有することが好ましい。係る溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で金属酸化物粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。また、金属酸化物粒子の分散性を向上させるために、金属酸化物粒子の表面をシランカップリング剤などで処理してもよい。更に、導電層の抵抗を制御するために、金属酸化物粒子に別の金属又は金属酸化物をドープしてもよい。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、バリア機能と接着機能が高まる。下引き層の平均膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.05μm以上7μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上2μm以下であることが特に好ましい。
電荷発生層で発生した電荷が滞留しないようにするため、下引き層は、電子輸送物質と、結着樹脂を含有することが好ましい。係る構成により、電荷発生層で発生した電荷のうち、電子を支持体にまで輸送することができるので、電荷輸送層の電荷輸送能が向上しても電荷発生層中での電荷の失活、トラップの増加を抑制できる。よって、初期の電気特性及び繰り返し使用時における電気特性が向上する。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、ナフチルイミド化合物、ペリレンイミド化合物が挙げられる。電子輸送物質は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基などの重合性官能基を有することが好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。また、アセタール樹脂やアルキッド樹脂の如き重合性官能基を有する熱可塑性樹脂と、イソシアネート化合物の如き重合性官能基を有するモノマーとを熱重合(硬化)させた架橋構造を持ったポリマーであってもよい。
下引き層は、結着樹脂を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで得られる。
<感光層>
(1)積層型感光層
積層型感光層である場合、電子写真感光体は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質と、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有するポリエステル樹脂を含有する電荷輸送層とを有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層の平均膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、0.05μm以上1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることが特に好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、フタロシアニン顔料、ビスベンズイミダゾール誘導体が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料又はフタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンの如きビニル化合物の重合体及び共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、特に、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質及び結着樹脂を溶剤に混合させることによって調製された電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、又はトリフェニルアミンが挙げられる。また、電荷輸送物質としては、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物又はベンジジン化合物が、繰り返し使用時の電位安定性点で好ましい。また、電荷輸送物質は複数の種類を共に含有させてもよい。以下、電荷輸送物質の具体例を示す。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、20質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送層を形成するための塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
(2)単層型感光層
単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質と、電荷輸送物質と、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有するポリエステル樹脂を含有する。感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に混合して調製された感光層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送物質及び結着樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
表面層の上に、本発明の効果を奏する範囲で、保護層を有してもよい。保護層は、導電性粒子又は電荷輸送物質と、結着樹脂と、を含有することが好ましい。更に、保護層には、潤滑剤などの添加剤を含有してもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよい。尚、その場合、保護層には、別途、導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)により硬化させてなる硬化性樹脂であってもよい。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正又は負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光(画像露光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されて電子写真感光体1にトナー像を形成する。次いで、電子写真感光体1の表面のトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。電子写真感光体1の表面のトナー像は、中間転写体を介して転写材(紙など)へ転写しても良い。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されてトナー像が定着されることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
トナー像の転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)が電子写真感光体1の表面から除去される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーの如き接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターの如き電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<ポリエステル樹脂の合成>
(合成例1:ポリエステル樹脂Aの合成)
下記式で示されるジカルボン酸ハライド42.2g
をジクロロメタンに溶解させ、酸ハロゲン化物溶液を調製した。また、別途、下記式で示されるジオール38.7g
を10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、ジオール化合物溶液を調製した。
次に、上記酸ハロゲン化物溶液を上記ジオール化合物溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。重合反応中に重合調整剤として、p−ターシャルブチルフェノールを加えた。その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。洗浄後、ジクロロメタン溶液を攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させてポリエステル樹脂A65.8gを得た。得られたポリエステル樹脂Aは、式(I−1)で示される構造と、式(II−1−1)で示される構造を有するポリエステル樹脂であった。また、得られたポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は120,000であった。
(合成例2〜22)
(合成例1)と同様にして、表1に示すポリエステル樹脂B〜P、CE−1〜CE−5を製造した。
表1において、樹脂の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を示す。
表面層中のポリエステル樹脂に含有される構造の比率は、一般的な分析手法で解析可能である。また、表面層中の全樹脂の全質量に対する本発明のポリエステル樹脂の含有率は、一般的な分析手法で解析可能である。以下に、分析手法の例を示す。
まず、電子写真感光体の表面層を溶剤で溶解させる。その後、サイズ排除クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーなどの各組成成分を分離回収可能な分取装置で、表面層に含有される種々の材料を分取する。分取されたポリエステル樹脂を核磁気共鳴スペクトル分析や質量分析をおこない、構造の繰り返し数やモル比率を算出する。
あるいは、アルカリ存在下などで加水分解させ、カルボン酸部分とビスフェノール部分に分解する。得られたビスフェノール部分に対し、核磁気共鳴スペクトル分析や質量分析をおこない、構造の繰り返し数やモル比率を算出する。
<電子写真感光体の製造>
(実施例1)
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、
・金属酸化物粒子として酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子 214部
・結着材料としてフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー) 132部
(商品名:プライオーフェンJ−325、DIC製、樹脂固形分:60質量%)
・溶剤として1−メトキシ−2−プロパノール 98部
を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子:トスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、平均粒径2μm)を分散液に添加した。このときのシリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるようにした。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル:SH28PA(東レ・ダウコーニング製)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を前記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥、熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6−ナイロン樹脂:トレジンEF−30T(ナガセケムテックス製)15部と共重合ナイロン樹脂:アミランCM8000(東レ製)5部をメタノール220部と1−ブタノール110部の混合溶剤に溶解し下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間温度100℃で乾燥することによって、膜厚0.65μmの下引き層を形成した。
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)2部をシクロヘキサノン100部に溶解させた。この溶液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部を加えた。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、式(CTM−7)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、及び合成例1で合成したポリエステル樹脂(A)10部を、ジメトキシメタン33部及びシクロペンタノン49部の混合溶液に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を130℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層(表面層)を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を製造した。
次に製造した電子写真感光体の評価について説明する。
(実施例2〜31)
実施例1において、ポリエステル樹脂及び電荷輸送物質を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例32)
実施例1において、下引き層を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を製造した。電荷輸送物質として、下記式で示される化合物8.5部、
ブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ製)15部、樹脂として、ポリビニルアルコール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業製)0.97部、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(商品名:ヘキサン酸亜鉛(II)、三津和化学薬品製)0.15部とを、1−メトキシ−2−プロパノール88部とテトラヒドロフラン88部の混合溶媒に溶解し、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間170℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、導電層上に膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
(比較例1〜10)
実施例1において、ポリエステル樹脂及び電荷輸送物質を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(比較例11)
実施例1において、ポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(CE−2)5部、ポリエステル樹脂(CE−3)5部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。
[評価]
<電荷移動度の評価>
電荷移動度は、湾曲NESAガラスを用いた直接電圧印加方式の電子写真感光体測定装置を用いて測定した。
具体的には、まず、暗所にて、NESAガラスに電子写真感光体の表面を密着させた。その後、NESAガラスに電圧を印加し、電子写真感光体の表面の電位が所定の電位(Vd:−700V)になるように電子写真感光体を帯電した。帯電を0.5秒保持した後、NESAガラスに印加している電圧を切り、直後に露光を行った。露光量は、露光後0.1秒後の表面電位(Vl)が−500Vになるように調節した。
この評価における電子写真感光体表面の電位推移を図2に示す。図2のグラフから、露光直後の電位推移が直線である時間を算出し、電荷輸送時間Tとした。この電荷輸送時間Tと、電荷輸送層の膜厚d、測定の最初に設定したVdを用いて、電荷移動度μ(cm/Vs)は式“μ=d/(Vd・T)”にて算出される。
<耐久性の評価>
評価装置としては、ヒューレットパッカード社製レーザープリンター(Color LaseJet Enterprise M552改造機)(毎分33枚機)を使用した。評価は温度15℃、湿度10%RH環境下で行った。A4サイズの普通紙を用いて1枚画像出力を行うごとに1度停止する間欠モードにて画像出力を行い、5,000枚の画像出力後、電子写真感光体中央部の表面の初期からの電荷輸送層の膜厚の減少量について評価を行った。その際の膜厚の測定は、フィッシャー製膜厚測定機フィッシャーMMS渦電流法プローブEAW3.3で行った。尚、電荷輸送層の膜厚の減少量は、5,000枚の画像出力後の膜厚の減少量を1,000枚あたりに換算した値で評価する。
<ゴースト現象抑制効果の評価>
上記、レーザープリンターの除電光を発光させないように設定し、ブラック色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをブラックのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。
評価は温度23℃、湿度50%RH環境下で行った。まず、A4サイズの普通紙で、5,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行い、その後、ベタ白画像1枚、ゴースト現象評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト現象評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト現象評価用画像は、図3に示すように、画像の先頭部に「白画像」中に四角の「ベタ画像」を出した後、図4に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作成したものである。なお、図3中、「ゴースト」部は、「ベタ画像」に起因するゴースト現象が出現し得る部分である。
ゴースト現象の評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite製)で、1枚のゴースト現象評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト現象評価用画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出し、マクベス濃度差を評価した。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
101 支持体
102 下引き層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層

Claims (6)

  1. 電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体において、
    該ポリエステル樹脂が、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有し、

    (一般式(I)において、Xは、2価の基を表す。)

    (一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキレン基又は2価のシクロアルキレン基を示す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。)
    該一般式(I)で示される構造が、式(I−1)で示される構造を有し、

    該一般式(II)で示される構造が、一般式(II−1)で示される構造を有することを特徴とする電子写真感光体。

    (一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22は、メチル基、エチル基を表す。R23は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
  2. 前記ポリエステル樹脂中の、前記一般式(II)で示される構造に対する、前記一般式(II−1)で示される構造の割合が、30モル%以上である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ポリエステル樹脂が、前記一般式(II)で示される構造として、更に、一般式(II−2)で示される構造を有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。

    (一般式(II−2)において、R31〜R34は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。Yは、単結合、酸素原子、2価のアルキレン基又は2価のシクロアルキレン基を示す。)
  4. 前記一般式(II−2)において、Yが単結合である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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