JP2019211522A - 電荷輸送層用塗布液及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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晃洋 丸山
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晴信 大垣
達也 山合
Tatsuya Yamaai
達也 山合
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Abstract

【課題】電子写真感光体の製造に用いた場合に、繰り返し使用時の電気特性に優れ、繰り返し使用後の力画像が良好な電子写真感光体を得られる電荷輸送層用塗布液、及び、係る電荷輸送層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供すること。【解決手段】式(1)で示される電荷輸送物質と、安息香酸メチルとを含有することを特徴とする電荷輸送用塗布液。【化1】【選択図】 なし

Description

本発明は電荷輸送層用塗布液及び電子写真感光体の製造方法に関する。
近年、様々な有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。特に電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる層にそれぞれ分担させた機能分離型の電子写真感光体は、それぞれの材料を広い範囲から選択することができ、所望の性能を有する電子写真感光体を比較的容易に作製し得ることから多くの研究がなされており、実用に供されているものも多い。
この機能分離型の電子写真感光体は、通常、固体状の有機化合物を有機溶媒で溶解した塗布液を、各種塗布方式を用い、支持体上に順次塗布し、乾燥することにより製造される。
電子写真プロセスにおいて、近年、電子写真装置の小型化、印刷可能枚数、及び印刷速度の増加が望まれている。これに対応して電子写真感光体は、より高い電気特性を有すること、またより良好な画像が出力できる性能を有することが強く望まれてきている。
感光層の全膜厚に対する電荷輸送層の占める割合が大きく、電子写真感光体の電気特性や画像性能への影響も大きくなる。
従って、電荷輸送層の性能を高めるとともに、電荷輸送層用塗布液を塗布し良好な塗膜を形成させることが非常に重要になる。
特許文献1には、電荷輸送層用塗布液に溶剤としてシクロペンチルメチルエーテルと、シクロペンチルメチルエーテルよりもSP値が高い非プロトン性溶媒が記載されている。
特許文献2には、特定の電荷輸送物質と芳香族炭化水素溶剤、及び沸点の高い溶剤を使用した電子写真感光体の製造方法が記載されている。
特開2017−37160号公報 特開2014−160238号公報
電子写真感光体のさらなる電気特性向上を図るために、一般的な電荷輸送物質を用い、従来溶剤を用いた電荷輸送層塗布液を塗布した電子写真感光体において、繰り返し使用時の電気特性向上、繰り返し使用後に出力画像の良化させることを試みた。
したがって、本発明の目的は、電子写真感光体の製造に用いた場合に、繰り返し使用時の電気特性に優れ、繰り返し使用後の力画像が良好な電子写真感光体を得られる電荷輸送層用塗布液、及び、係る電荷輸送層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる電化輸送層用塗布液は、式(1)で示される電荷輸送物質と、安息香酸メチルとを含有することを特徴とする。
本発明によれば、電子写真感光体の製造に用いた場合に、繰り返し使用時の電気特性に優れ、繰り返し使用後の力画像が良好な電子写真感光体を得られる電荷輸送層用塗布液、及び、係る電荷輸送層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置の概略構成を示す図である。
本発明は、式(1)で示される電荷輸送物質、及び、安息香酸メチルを含有することを特徴とする電荷輸送用塗布液である。また、前記電荷輸送層塗布液の塗膜を乾燥させて電荷輸送層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
係る構成により、繰り返し使用時の電気特性に優れ、繰り返し使用後にでも良好な出力画像が得られる理由は明確になっていないが、式(1)の電荷輸送物質の電気特性が良好であること、安息香酸メチルを用いることで樹脂、電荷輸送物質の溶解性が向上したことで、塗膜形成時の欠陥が減少したことが、要因ではないかと推測される。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。以下、各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、バリア機能と接着機能が高まる。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
この下引き層の樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、メラミン樹脂樹脂、フェノール樹脂樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。また、重合性官能基を有する樹脂と、重合性官能基を有するモノマーとを架橋させた構造を持った樹脂であってもよい。
また、下引き層は、光学特性や電気的特性を高めるために、樹脂以外に有機化合物や、無機化合物を含有してもよい。無機化合物としては、例えば金属や酸化物や塩が挙げられる。金属としては、例えば金、銀、アルミ等が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。酸化物としては、例えば酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。塩としては、例えば硫酸バリウムが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。これら無機化合物は、粒子状態で膜中に存在していても良く、表面が処理されていても良い。有機化合物としては、例えば電子輸送化合物や導電性高分子が挙げられる。導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
電子輸送物質は、重合性官能基を有し、それらの官能基と反応可能な官能基を有する樹脂と架橋しても良い。重合性官能基としては、例えばヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基等が挙げられるが、それらに限定される訳では無い。これら有機化合物は、粒子状態で膜中に存在していても良く、表面が処理されていても良い。
電荷発生層で発生した電荷が滞留しないようにするため、下引き層は、この中でも電子輸送物質を含有することが好ましい。係る構成により、電荷発生層で発生した電荷のうち、電子を支持体にまで輸送することができるので、電荷輸送層の電荷輸送能が向上しても電荷発生層中での電荷の失活、トラップの増加を抑制できる。よって、初期の電気特性及び繰り返し使用時における電気特性が向上する。
その他、成膜性を向上させるための、レべリング剤、造膜助剤、可塑剤、増粘剤等の各種添加剤を添加しても良い。
下引き層は、上記材料を含有する下引き層用塗布液を調製後、支持体又は導電層上に塗布後、風乾や加熱等により得られる。
塗布液を作成する際の溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。
また、電荷輸送物質は複数の種類を共に含有させてもよい。以下、電荷輸送物質の具体例を示す。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、一般式(PC−I)で示される構造を有する樹脂が挙げられる。
(一般式(PC−I)において、X101は、単結合又は2価の基を表す。R101〜R104は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(PC−I)で示される構造の具体例を以下に示す。
ポリエステル樹脂としては、一般式(PE−II)及び一般式(PE−III)で示される構造を有する樹脂が挙げられる。
(一般式(PE−II)において、X201は、単結合又は2価の基を表す。R201〜R208は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
(一般式(PE−III)において、X301は、2価の基を表す。)
一般式(PE−II)で示される構造の具体例を以下に示す。
一般式(PE−III)で示される構造の具体例を以下に示す。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂の共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などの何れの形態であってもよいが、ランダム共重合が高い応答性を得る点で特に好ましい。
電荷輸送層は、結着樹脂として、上記ポリエステル樹脂以外にも、その他の樹脂を用いてもよい。ポリカーボネート樹脂、シロキサン樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、複数種類をブレンドしても、共重合させてもよい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、電荷輸送層を形成するための塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましい。
<保護層>
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジを電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(導電層用塗布液1の調製例)
リン(P)がドープされている酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒径230nm)207部、フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業製)144部、及び、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対し
て15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)を分散液に添加し、また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
(導電層用塗布液2の調製例)
酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径230nm)214部、フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業製)132部、及び、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)を分散液に添加し、また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
(導電層用塗布液3の調製例)
酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている硫酸バリウム(BaSO4)粒子(平均一次粒子径180nm)159部、酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径300nm)40部、フェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業製)132部、及び、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、
分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)を分散液に添加し、また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
(導電層用塗布液4の調製例)
酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:50nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、有機ケイ素化合物0.75部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化亜鉛粒子M1を得た。有機ケイ素化合物は、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業製)を用いた。
酸化チタン粒子(テイカ製、JR−405)100部をトルエン500部と攪拌混合し、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.75部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理された酸化チタン粒子N1を得た。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:BM−1,積水化学工業製)15部、及びブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)30部を、メチルエチルケトン70部と1−ブタノール70部の混合溶媒に溶解させた。この液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子M1を100部、前記表面処理された酸化チタン粒子N1を12部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業製)1部を加え、これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで、回転数2000rpm、分散処理時間:3時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散した。
この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中に、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業社製、SSX−103)を7部、シリコーンオイルSH28PA(東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部を加えて攪拌し、導電層用塗布液を調製した。
(下引き層層用塗布液1の調製例)
N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30、ナガセケムテックス製)4.5部及び共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部を、メタノール65部とn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して下引き層用塗布液を調整した。
(下引き層層用塗布液2の調製例)
電子輸送物質(ETM−1)4部、イソシアネート化合物(商品名:デュラネートSBN−70D、旭化成ケミカルズ製)5.5部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックKS−5Z、積水化学工業製)0.3部、及び触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品製)0.05部を、テトラヒドロフラン50部と1−メトキシ−2−プロパノール50部の混合溶媒に溶解して下引き層用塗布液を調製した。
(下引き層層用塗布液3の調製例)
電子輸送物質(ETM−2)を3.36部、ポリオレフィン樹脂としてスチレン−アクリル樹脂(商品名:UC−3920、東亞合成製)0.35部、イソシアネート化合物(商品名:SBB−70P、旭化成製)6.40部を、1−メトキシ−2−プロパノール50部とテトラヒドロフラン50部の混合溶媒に溶解した。この溶液にイソプロピルアルコールに分散されたシリカスラリー(製品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)1.8部加え、1時間撹拌した。その後、ADVANTEC製のフィルター(製品名:PF020)を用いて加圧ろ過し、下引き層用塗布液を調製した。
(電荷発生層用塗布液1の調製例)
特開2014−160238に記載の方法を参照し、CuKα特性X線回折のブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン10部及びポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)5部及びシクロヘキサノン250部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散した後にエチルアセテート250部を加えて電荷発生層用塗布液1を調製した。
(電荷発生層用塗布液2の調製例)
特開2003−262968に記載の方法を参照し、CuKα特性X線回折のブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン4部及びポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後にエチルアセテート100部を加えて電荷発生層用塗布液2を調製した。
[ポリカーボネート樹脂の製造例]
<ポリカーボネート樹脂(1)>
5質量%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン(東京化成工業製)を53.0g(0.196mol)と、ハイドロサルファイト0.1gを溶解した。これにメチレンクロライド500mlを加えて攪拌しつつ、15℃に保ちながら、次いでホスゲン60gを60分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(東京化成工業製)1gを加えて攪拌して、反応液を乳化させた。乳化後0.3mlのトリエチルアミンを加え、23℃にて1時間攪拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、110℃、24時間乾燥して、式(PC−I−6)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂(1)を得た。
<ポリカーボネート樹脂(2)、(3)、(4)>
ポリカーボネート樹脂(1)の製造例において、使用する原料のモル量を変更して、表1に示すような一般式(I)で示される構造のモル比率を有するポリカーボネート樹脂(2)を得た。
[ポリエステル樹脂の製造例]
<ポリエステル樹脂(3)>
下記式(C−1)で示されるジカルボン酸ハライド59g
をジクロロメタンに溶解させ、酸ハロゲン化物溶液を調製した。また、別途、下記式(C−2)で示されるジオール24.2g、
下記式(C−3)で示されるジオール27g
を10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、ジオール化合物溶液を調製した。
次に、上記酸ハロゲン化物溶液を上記ジオール化合物溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
重合反応中に重合調整剤として、p−ターシャルブチルフェノールを加えた。その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。
洗浄後、ジクロロメタン溶液を攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させてポリエステル樹脂A72.3gを得た。
得られたポリエステル樹脂Aは、式(PE−III)で示される構造のなかで、式(III−3)で示される構造を100モル%有し、式(PE−II)で示される構造のなかで、式(PE−II−12)で示される構造を50モル%、式(PE−II−16)で示される構造を50モル%有するポリエステル樹脂であった。また、得られたポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量は100,000であった。
<ポリエステル樹脂(1)、(2)>
ポリエステル樹脂(3)の製造例において、使用する原料のモル量を変更して、表2に示すような構造のモル比率を有するポリエステル樹脂(1)〜(2)を得た。
(電荷輸送層用塗布液1の調製例)
式(CTM−1)で示される化合物5部、式(CTM−3)で示される化合物5部をオルトキシレン30部及び安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させた。次に、ポリカーボネート樹脂製造例で合成したポリカーボネート樹脂(1)4部、ポリカーボネート樹脂(3)5部、下記式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)1部、添加剤1として櫛形シリコーン(商品名:アロンGS101、東亞合成化学工業製)0.6部、添加剤2として酸化防止剤(商品名:Sumilizer−GS、住友化学製)1部、及びジメトキシメタン40部を上記分散液に加え、電荷輸送層用塗布液1を調製した。
(式(S−1)中、a:bは[ ]内の構造のモル比率を示し、9:1である。cは( )内の構造の繰り返し数の平均値を示し、c=20である。)
(電荷輸送層用塗布液2の調製例)
式(CTM−1)で示される化合物5部、式(CTM−3)で示される化合物5部をオルトキシレン40部及び安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させた。ポリカーボネート樹脂製造例で合成したポリカーボネート樹脂(2)7部、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000、表3中でS−2と表記)3部、添加剤1として櫛形シリコーン(商品名:アロンGS101、東亞合成化学工業製)0.2部、及びジメトキシメタン40部を上記分散液に加え、電荷輸送層用塗布液2を調製した。
(電荷輸送層用塗布液3の調製例)
式(CTM−1)で示される化合物5部、式(CTM−3)で示される化合物5部をオルトキシレン40部及び安息香酸メチル10部の混合溶液に溶解させた。ポリカーボネート樹脂製造例で合成したポリカーボネート樹脂(2)9部、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000、表3中でS−2と表記)1部、添加剤1として下記式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.04部、及びジメトキシメタン50部を上記分散液に加え、電荷輸送層用塗布液3を調製した。
(電荷輸送層用塗布液4〜25の調製例)
電荷輸送物質、ポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂、添加剤、及び、溶剤を表3のように変更した以外は電荷輸送層用塗布液1の製造例と同様に電荷輸送層用塗布液を製造した。
<塗布液保存性の評価>
電荷輸送層用塗布液の保存性について、0℃/10%RH環境下にそれぞれ1か月間保存し、保管開始から1か月での塗布液の状態変化(ゲル化状態)を確認し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
A:ゲル化発生なし
B:部分的にゲル化発生
C:全体的にゲル化発生
(電子写真感光体1の製造例)
押し出し工程及び引き抜き工程を含む製造方法により製造された、長さ257mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
常温常湿(23℃/50%RH)環境下で、導電層用塗布液1を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間170℃で乾燥及び熱硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、下引き層用塗布液1を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が2.0μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生層用塗布液1を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送層用塗布液1を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間125℃で乾燥させることによって、膜厚が16.0μmの電荷輸送層を形成した。
(電子写真感光体2〜23の製造例)
電子写真感光体の製造の際に用いた導電層用塗布液、導電層の膜厚、下引層用塗布液、下引き層の膜厚、電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液を表4に示すようにした以外は、電子写真感光体1の製造例と同様の操作で、電子写真感光体2〜23を製造した。
製造例に従って製造された電子写真感光体の膜厚を、レーザー干渉膜厚計を用いて評価した。干渉膜厚計には、株式会社キーエンス社製のSI−T80Uを使用し、回転させてた電子写真感光体に対し、長手方向にプローブを走査しながら、感光体表面をらせん状に測定した。ことのときの周方向の位置については、円筒状の感光体の側面をエンコーダでモニターすることにより基準位置を検知し、得られた周方向の情報を、長手方向に繋ぎ合わせることで、面方向の膜厚分布を得た。得られた膜分布測定した後、画像評価をおこなった。
[評価]
<電子写真感光体の通紙耐久試験による画像濃度の評価>
通紙耐久試験用の電子写真感光体1〜23を、それぞれ、キヤノン製のレーザービームプリンター(商品名:LBP7200C)に装着して、低温低湿(15℃/10%RH)環境下にて通紙耐久試験を行った。通紙耐久試験では、印字率2%の文字画像をレター紙に2枚ずつ出力するごとに一度停止する間欠モードでプリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。そして、通紙耐久試験開始時ならびに5000枚画像出力終了後に、各1枚の画像評価用のサンプル(印字濃度100%のベタ画像)を出力し、画像濃度が得られているかを以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
A:濃度薄が確認されず
B:やや濃度薄が確認される
C:濃度薄発生
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (2)

  1. 式(1)で示される電荷輸送物質と、安息香酸メチルとを含有することを特徴とする電荷輸送用塗布液。
  2. 前記電荷輸送層塗布液の塗膜を乾燥させて電荷輸送層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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