JP5007855B2 - 新規な電荷輸送材料及びこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は新規な電荷輸送材料及びこれを用いた電子写真感光体に関するものである。
従来、電子写真感光体の光導電材料として、一般にセレン、セレン・テルル、三セレン化二砒素、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン等の無機材料が使用されているが、これらの感光体は、実用上可撓性に乏しく、熱や機械的衝撃に鋭敏であり、製造コストが高い、毒性があるなどの欠点がある。近年、これらの欠点を排除した有機材料を利用した電子写真感光体が提案され、実用に供されている。有機系の光導電性材料としては、特に光導電体を電荷輸送材料と電荷発生材料に機能分離した形態が盛んに研究、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。この方式においては、キャリア(キャリアとは電荷を示す。以下同様)の発生効率の大きい物質を電荷発生材料として用い、かつ電荷輸送能力の高い物質を電荷輸送材料として組み合わせることによって高感度の電子写真感光体が得られる可能性がある。
このうち電荷輸送材料に要求されることは、電界印加下で光照射により電荷発生材料において発生したキャリアを効率よく受け取り、感光体層内を速く移動させ、表面電位を速やかに消滅させることである。キャリアの単位電界当たりに移動する速さをキャリア移動度と呼ぶ。キャリア移動度が高いということはキャリアが電荷輸送層内を速く移動するということである。このキャリア移動度は電荷輸送物質固有のものであり、したがって、高いキャリア移動度を達成するためにはキャリア移動度の高い材料を使用する必要があるが、未だ、十分なレベルに達しているとは言えないのが現状である。
また、電荷輸送材料を結着剤ポリマーとともに有機溶剤に溶解させ塗布して用いる場合に、塗膜において結晶の析出やピンホールの生成のない均質な有機薄膜を形成する必要がある。これは得られた薄膜に高電界を印加するために微結晶やピンホールが生成したところで絶縁破壊が起きたり、ノイズの原因となるからである。さらに、電荷発生物質および電荷輸送物質の両者の特性が良くても、電荷発生物質から電荷輸送物質へのキャリア注入、即ち、電荷発生層から電荷輸送層へのキャリアの注入が効率よく行われることが重要である。この電荷の注入は電荷発生物質(または電荷発生層)と電荷輸送物質(または電荷輸送層)の界面の特性によるものであって各種物質間で一様でない。以上のように電荷輸送材料には種々の条件が要求されるため、いろいろな特性を有する電荷輸送材料の開発が行われ、これらを用いた電子写真感光体が実用化されている。
例えば、特許文献2には下記一般式(A)で表されるトリアリールアミンダイマー誘導体が開示され、電子写真感光体に応用されている。
(式(A)中、Xは、メチル基または塩素原子である。)
また、例えば、特許文献3及び特許文献4には、下記一般式(B)、(C)で表されるm−ジアミノベンゼン誘導体の電子写真感光体への応用が記載されている。
(式(B)中、R1、R2、R3、R4、R5はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、それぞれフェニル基に置換、または置換し得る限り何個置換しても良く、またすべての置換基は同一でも、それぞれ互いに異なっていても良い。)
(式(C)中、Arはフェニル基以外の非縮合もしくは縮合多環式炭化水素、R1、R2、R3及びR4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アミノ基またはメチレンジオキシ基を表し、夫々同一でも異なっていても良い。)
また、下記一般式(D)で表されるテトラフェニル-1,3-ブタジエン誘導体や、テトラフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(E)の電子写真感光体への応用例が特許文献5及び特許文献6に記載されている。
(式(D)中、R1はジ低級アルキルアミノ基を示し、R2は水素原子またはジ低級アルキルアミノ基を示す。)
(式(E)中、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4はそれぞれ置換基を有しても良いアリール基を示し、Ar1〜Ar4の少なくとも一つは置換基として置換アミノ基を有するアリール基である。nは0または1を示す。)
さらに、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10及び特許文献11などにあるように、ヒドラゾン誘導体の電子写真感光体への応用も数多く報告されている。
米国特許第3791826号 特公昭58−32372号 特開平1−142642号 特開平5−88389号 特公平7−21646号 特公平5−19701号 特公昭55−42380号 特開昭57−101844号 特開昭54−150128号 特開昭60−340999号 特開昭61−23154号
しかしながら、報告されている多くの化合物は電荷発生層と電荷輸送層とを組み合わせて感光層とした場合、実用上必要とされる感光体の諸特性、条件を満足するものは少ない。つまり、製膜化した後に結晶が析出したり、たとえ製膜化できたとしても暗時に十分な表面電位を保持できない、光を照射した後に十分に表面電位を減衰することが出来ない(低感度、高残留電位)など、様々な欠点を有している。
従って本発明の目的は、使用する電荷輸送材料が高い移動度を有し、感光層とした時に膜が安定で、高感度、低残留電位を達成できる実用に耐えうる電子写真感光体を供することを目的とする。
このような現状において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、ブタジエン骨格とトリフェニルアミン骨格とを同時に有する化合物を電荷輸送材料として含有する電子写真感光体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、導電性支持体に少なくとも電荷発生剤と電荷輸送剤と結着剤ポリマーを有する感光層を形成した電子写真感光体において、該感光層中に電荷輸送材料として次の一般式(1)
(式(1)中、Rは炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基又は下記の基(Z)、
(基(Z)中、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Ar、Arは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n2は0または1の整数を表す)
を表し、Ar、Ar、Ar及びArは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n1は0または1の整数を表す)
で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
本発明の新規な電荷輸送材料を用いた電子写真感光体は、感光層とした時に膜が安定で、高感度、低残留電位を達成できる工業的に優れたものである。
本発明の一般式(1)で表される電荷輸送材料中のR、R、R及びRで表される炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基及びt−ブチル基が挙げられる。また、一般式(1)で表される電荷輸送材料中のR、R及びRで表される置換基を有しても良い芳香族基としては、フェニル基、o―トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ハロゲン置換フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。また、一般式(1)におけるRで表される炭素数1から4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。また、一般式(1)におけるAr、Ar、Ar、Ar、Ar及びArは、同一または異なっても良い置換基を有しても良い芳香族基を表わし、置換基を有しても良い芳香族基としては、フェニル基、o―トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ハロゲン置換フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
以下の表1に本発明の例示化合物を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない
一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)とする。)は例えば、下記のスキーム1に示すルートA又はルートBなどの方法で合成することができる。
ルートA:アニリン誘導体(2)とカルボニル化合物(3)をパラジウムを触媒とするアリールアミノ化反応により、アニリン誘導体のアミノ基をモノ置換して(4)とした後、さらにカルボニル化合物(5)とモノ置換体(4)とを同様にパラジウム触媒を用いてアリールアミノ化して(6)へ導く。R=Rの時は、2倍量のカルボニル化合物(3)を用いて、一段階で(6)へ導く。引き続き、3,3´−ジアリールアリルマグネシウムクロリド(7a; Y=MgCl)を反応させて得られるアルコール体を、酸触媒で脱水することにより(8)を得ることができる。また、3,3´−ジアリールアリル亜燐酸ジエチル(7b; Y=P(O)(OEt)2)を用いて、塩基存在下、化合物(6)と縮合して(8)としても良い。この(8)と3,3´−ジアリールアリルマグネシウムクロリドまたは3,3´−ジアリールアリル亜燐酸ジエチルを同様に反応させて目的の化合物(1)(n=1)を合成できる。また、(8)に(10)を作用させてn=0の場合の化合物(1)を合成することができる。
ルートB:ルートAとは逆に、カルボニル化合物(3)及び(5)をオレフィン化合物(11)及び(12)に変換した後に、アニリン誘導体(2)とステップワイズにパラジウム触媒を用いてアリールアミノ化することにより、目的の化合物(1)を合成することができる。尚、(11)=(12)の場合は、2倍量のオレフィン化合物を用いて、アニリン誘導体(2)と反応させることにより一段階で目的の化合物(1)を合成することが可能である。
<スキーム1>
(スキーム1中、Xはハロゲン原子を表し、YはMgClまたは、P(O)(OEt)2を表す。R、R、R、Ar、Ar、Ar、Ar及びn1は前記と同じ意味を表す。)
本発明の電子写真感光体は具体的には、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した電子写真感光体の電荷輸送材料として化合物(1)を用いる。また、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生剤及び電荷輸送剤として化合物(1)を含有する単層を設けたものでも良い。化合物(1)を電荷輸送材料として用いた電荷輸送層は、化合物(1)をそのまま導電性支持体または電荷発生層に蒸着させるか、化合物(1)と結着剤ポリマーとを適当な溶剤に溶解させた溶液を導電性支持体または、電荷発生層に塗布し、乾燥することにより形成される。一方、電荷発生剤および化合物(1)を含有する単層型電子写真感光体は、電荷発生剤および化合物(1)等を結着剤ポリマーとともに適当な溶剤に溶解または分散させた溶液を導電性支持体に塗布し、乾燥させることにより形成される。尚、単層型感光体中には必要に応じて電子輸送材料を含有させても良い。
ここに結着剤ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレンあるいはこれらの共重合体を挙げることができる。また、このような絶縁性ポリマーの他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニレン等の有機光導電性ポリマーも使用できる。
これらの結着剤ポリマーの中で特にポリカーボネートが好適である。好適に使用できるポリカーボネートとしては、下記構造式で示されるビスフェノールA型のポリカーボネート(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンEシリーズ)、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンZシリーズ)、または、特開平4-179961号公報に開示されているビスフェノールA,ビスフェノールZ,ビフェノールカーボネートを構造単位として含有する共重合ポリカーボネートがある。
ビフェノール共重合カーボネートの具体例として、例えば、下記構造式(I)で示されるビスフェノールA/ビフェノール型ポリカーボネート樹脂(ここでn/n+m=0.1〜0.9が好ましい)、具体的には式(J)で示される0.85のものが挙げられる。
(式(F)、(G)、(H)、(I)及び(J)中、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は環状に結合しても良い。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を示し、nおよびmは上記の繰り返し単位のモル数を表している。)
また、上述したポリカーボネートの他にも特開平6-214412号公報に開示されている、繰り返し単位が下記構造式で表されるポリカーボネート(K)を使用することが出来る。
さらに、特開平6-222581号公報に開示されている繰り返し単位が下記構造式(L)で表されるポリカーボネートも使用することが出来る。
(式(L)中、R29、R30、R31は同一でも異なってもいても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を示す。)
さらに特開平5−88398号公報、特開平11-65136号公報に示されている下記一般式(M)及び(N)で表されるシロキサンユニットを導入した高分子結着剤も好適に使用することができる。
(式(M)中、m、n、o、pは繰り返し単位を表す整数である。)
(式(N)中、a、b、c、d、nは繰り返し単位を表す整数である。)
これらの結着剤ポリマーと化合物(1)との配合割合は、結着剤ポリマー100重量部当たり電荷輸送材料を10〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部、さらに好ましくは40〜200重量部添加することができる。
用いる溶剤としては、特に限定されないが、有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を単独で、またはこれらの混合溶媒として用いることが出来る。
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属や合金の箔ないし板をシート状またはドラム状にしたものが使用され、あるいはこれらの金属をプラスティックのフィルムや円筒等に真空蒸着、電解メッキしたもの、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性化合物の層をガラス、紙、あるいはプラスティックフィルム等の支持体に塗布もしくは蒸着によって設けられたものものが用いられる。
塗布は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法等のコーティングを用いて行うことが出来る。乾燥は、室温における乾燥の後、加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は30〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲で無風または送風下で行うことが好ましい。
さらに、本発明における感光体には電荷輸送材料として化合物(1)の他に必要に応じて他の電荷輸送材料及び種々の添加剤を含有させて用いることが出来る。他の電荷輸送材料としては、例えば特公昭55-42380号、特開昭60‐340999号、特開昭61-23154号等に記載されている下記一般式(O)で示されるヒドラゾン化合物、特公昭58-32372号等に記載されている下記一般式(P)で示されるトリフェニルアミンダイマー、米国特許第3873312号等記載の下記一般式(Q)で示されるジスチリル化合物、その他にテトラフェニルブタジエン系化合物、トリフェニルメタン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(式(O)中、R41、R42は同一または異なっても良い低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基を示し、R43、R44は同一または異なっても良く、置換基を有しても良い低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いヘテロ環基を示し、R43とR44がそれぞれ結合して環を形成しても良い。R45は水素原子、低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアラルキル基、低級アルコキシ基、またはハロゲン原子を示す。R45とR41またはR45とR42とがそれぞれ結合して環を形成しても良い。)
(式(P)中、R51〜R62は同一または異なっても良く水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、またハロゲン原子を示す。)
(式(Q)中、R71〜R74は同一または異なっても良く、低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基を示し、Ar1、Ar2、Ar3は同一または異なっても良く、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子の中から一つ以上選ばれる基を有しても良いフェニレン基を示す。)
種々の添加剤としては、例えば、ビフェニレン系化合物(例えば特開平6‐332206号公報に開示されたもの)、m-ターフェニル、ジブチルフタレート等の可塑剤、シリコーンオイル、グラフト型シリコーンポリマー、各種フルオロカーボン類等の表面潤滑剤、ジシアノビニル化合物、カルバゾール誘導体等の電位安定剤、2,6-ジ-tert‐ブチル-4-メチルフェノール等のモノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化、4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のアミン系酸化防止剤、サリチル酸系酸化防止剤、トコフェノール等を挙げることが出来る。
本発明の感光体が積層型感光体の場合、得られる電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。上述のようにして得られる電荷輸送層は、電荷発生層と電気的に接続されることにより、電界の存在下で電荷発生層から注入されたキャリアを受け取ると共に、これらのキャリアを感光層の表面まで輸送する機能を有する。この際、この電荷輸送層は電荷発生層の上に積層されていても良く、また、その下に積層されていても良いが、電荷発生層の上に積層されていることが望ましい。このように作製した感光層上に、必要に応じて保護層を塗布、形成することが出来る。また、導電性支持体と感光層との間にバリアー機能と接着機能を有する下引き層を設けることも出来る。下引き層を形成する材料としては、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ガゼイン、エチレン-アクリル酸共重合体、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。下引き層の膜厚は0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmが適当である。
電荷発生層としては、セレン、セレン-テルル、アモルファスシリコン等の無機の電荷発生材料、ピリリウム塩系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム塩系染料、チアシアニン系染料、キノシアニン系染料等のカチオン染料、スクアリウム塩系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環系キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、アゾ顔料、ピロロピロール系顔料等の有機電荷発生物質から選ばれた材料を単独ないしは組み合わせて用い、蒸着層あるいは塗布層として用いることが出来る。上述のような有機電荷発生物質の中で特に好ましくはChem. Rev., 1993, 93, p.449-486に記載された有機電荷発生物質が挙げられる。具体的にはフタロシアニン系顔料が好ましい。
ここで特にフタロシアニン系顔料としては、アルコキシチタニウムフタロシアニン(Ti(OR)2Pc)、オキソチタニウムフタロシアニン(TiOPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、無金属フタロシアニン(H2Pc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(HOGaPc)、バナジルフタロシアニン(VOPc)、クロロインジウムフタロシアニン(ClInPc)が挙げられる。さらに詳しくはTiOPcとしては、α型- TiOPc、β型- TiOPc、γ型- TiOPc、m型- TiOPc、Y型- TiOPc、A型- TiOPc、B型- TiOPc、TiOPcアモルファスが挙げられ、H2Pcとしてはα型- H2Pc、β型- H2Pc、τ型- H2Pc、x型- H2Pcが挙げられる。
アゾ顔料もまた好ましい。アゾ顔料としてはモノアゾ化合物、ビスアゾ化合物及びトリスアゾ化合物が挙げられるが、具体的には、次の構造式で示されるアゾ化合物が好ましい。
さらに、次の構造式(V)で示されるぺリレン系化合物また、例えば構造式(W)で示される多環キノン系化合物も好ましい。
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
これらのもの以外でも、光を吸収し高い効率で電荷を発生する材料であれば、いずれの材料でも使用することができる。
以上のようにして本発明の化合物(1)を含有した電子写真感光体を得ることが出来る。
また、本発明化合物(1)は優れた正孔輸送能を有するため、有機エレクトロルミネッセンス素子用の正孔輸送材料としても有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、合成例中において用いる測定機器及び測定条件を以下に示す。
1H-NMR 機器;ブルッカ―社製、DRX-500型装置(500MHz)
内部標準物質;テトラメチルシラン
MASS 機器;日立 M-80B(株式会社日立製作所製)
融点(mp) 機器;微量融点測定器(柳本製作所製)
<実施例1>
例示化合物1の合成
1−1.ジケトン体(6a)の合成
500mLの四つ口フラスコにアニリン10.0g(1.0eq)、p−クロロベンゾフェノン51.18g (2.2eq)、ナトリウム−t−ブトキシド24.77g(2.4eq)を仕込み、トルエン200gを入れた。別の3方コック付きナスフラスコに酢酸パラジウム0.2411g(1.0mol%)、下記式で表されるホスフィン化合物1.0g(3.0mol%)を計り取り、テトラヒドロフラン20gを入れ、攪拌溶解後、先の500mlフラスコに注入した。窒素気流下、加熱し80℃で16時間攪拌した。混合物を室温に冷やし、温水200ml、トルエン500gを加え、攪拌、セライト上をろ過した。静置分液して、有機層をさらに温水200mlで洗浄、濃縮後、トルエンとヘプタン混合溶媒から再結晶して、32.18gのジケトン(6a)が得られた。
収率66.1%、mp 140〜141℃
MS(Direct); 455(M+2), 454(M+),453, 377, 376, 348, 242, 105, 77
1H-NMR(CDCl3); 7.17 (d, J=8.8Hz, 4H), 7.22 (t, J=8.6Hz, 3H), 7.39 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.48 (t, J=7.4Hz, 4H), 7.57 (t, J=7.4Hz, 2H), 7.75〜7.81 (m, 8H).
1−2.例示化合物1の合成
300mlの四つ口反応フラスコに、マグネシウム1.18g(2.2eq)、THF2g、トルエン10gを計り取り、ヨウ素と臭化エチルを少量投入して攪拌、加熱した。反応開始を確認後、3,3-ジフェニルアリルクロリドのトルエン溶液(26.2%、40.42g、2.1eq)とジケトン(6a) 10g(1eq)をTHF50g、トルエン50gに溶かした混合溶液を滴下ロートから6時間掛けて滴下した(反応温度35〜40℃)。その後、一時間攪拌しトルエン50gを加え、5%硫酸水76.2g中へ20℃以下で反応混合液を滴下した。30分攪拌、静置分液後、さらに水洗、ソーダ灰中和、水洗を行った。生成物のトルエン溶液にパラトルエンスルホン酸一水和物0.15gを65℃、減圧下(210〜220mmHg)でトルエン還流脱水反応を45分間行った。反応後、加水洗浄、ソーダ灰水中和、水洗後、トルエン減圧回収した。濃縮物にトルエン130gを加え加熱溶解し、n−ヘプタン130gを加え徐々に冷却し、氷水冷却しながら3時間攪拌して結晶を出し、乾燥させると9.3gの例示化合物1が得られた。
収率52.4%、mp 275〜283℃
MS(Direct); 808(M+2),807(M+1), 806, 805, 729, 728, 615, 614, 561, 279, 278, 203, 167, 91.
1H-NMR(CDCl3); 6.74 (d, J=2.7Hz, 4H), 6.88 (d, J=8.9Hz, 4H), 6.97〜7.02 (m, 5H), 7.04〜7.08 (m, 2H), 7.12〜7.24 (m, 12H), 7.29〜7.38 (m, 12H), 7.38〜7.44 (m, 8H).
<実施例2>
例示化合物3の合成
2−1.ジケトン(6b)の合成
実施例1、1−1.のアニリンの替わりにo-エチルアニリンを用いた以外は同様に反応を行った。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1.5:5)で行い、91.1%でアメ状のジケトン(6b)を得た。
MS(Direct); 483(M+2), 482(M+), 481, 466, 405, 404, 376, 360, 347, 300, 256, 194, 105, 77.
1H-NMR(CDCl3); 1.09 (t, J=7.6Hz, 3H), 2.43 (q, J=7.6Hz, 2H), 7.10 (d, J=8.9Hz, 4H), 7.18 (d, J=7.6Hz, 1H), 7.28〜7.39 (m, 3H), 7.47 (t, J=7.8Hz, 4H), 7.56 (t, J=7.4Hz, 2H), 7,74〜7.79 (m, 8H).
2−2.例示化合物3の合成
実施例1、1−2.のジケトン(6a)の替わりにジケトン(6b)を用いた以外は同様に反応を行い、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製、その後、トルエンとへキサンとの混合溶媒で再結晶して31.3%の収率で例示化合物3が得られた。
mp145〜148℃
MS(Direct); 836(M+2), 835(M+),834, 833, 757, 756, 666, 642, 488, 416, 370, 294, 279, 265, 203, 167, 165, 92, 65.
1H-NMR(CDCl3); 1.00〜1.08 (m,3H), 2.30〜2.38 (m, 2H), 6.69〜6.78 (m,4H), 6.79〜6.89 (m, 4H), 6.95〜7.05 (m, 4H), 7.05〜7.08 (m, 1H), 7.11〜7.15 (m, 4H), 7.15〜7.25 (m, 11H), 7.27〜7.31 (m, 7H), 7.32〜7.36 (m, 4H), 7.37〜7.42 (m, 7H).
<実施例3>
例示化合物4の合成
3−1.ジケトン(6c)の合成
実施例1、1−1.のアニリンの替わりにm-トルイジンを用いた以外は同様に反応を行った。得られた粗ジケトンをトルエンとヘプタンとの混合溶媒で2回再結晶し精製した。収率59.1%で目的のジケトン(6c)を得た。
mp125〜126℃
MS(Direct); 469(M+2), 468(M+), 467, 391, 390, 362, 257, 105.
1H-NMR(CDCl3); 2.35 (s, 3H), 6.90〜7.06 (m, 3H), 7.16 (d, J=8.8Hz, 4H), 7.25〜7.29 (m,1H), 7.48 (t, J=8.0Hz, 4H), 7.58 (t, J=7.4Hz, 2H), 7,74〜7.81 (m, 8H).
3−2.例示化合物4の合成
実施例1、1−2.のジケトン(6a)の替わりにジケトン(6c)を用いた以外は同様に反応を行い、粗生成物を得た。このものをヘプタンから再結晶し、さらにトルエンから再結晶して例示化合物4が得られた。
収率33.5%、mp278〜280℃
MS(Direct); 822(M+2), 821(M+), 820, 819, 774, 773, 743, 742,653, 654, 628, 576, 575, 550, 474, 461, 409, 384, 358, , 281, 280, 279, 278, 253, 203, 193, 167, 115, 91, 65.
355.
1H-NMR(CDCl3); 2.25, 2.29, 2.38 s, 3H), 6.69〜6.80 (m, 4H), 6.82〜6.90 (m, 6H), 6.95〜7.10 (m, 4H), 7.03〜7.11 (m, 2H), 7.12〜7.25 (m, 11H), 7.29〜7.38 (m, 12H), 7.38〜7.44 (m, 7H).
<実施例4>
例示化合物6の合成
4−1.ジケトン(6d)の合成
実施例1、1−1.のアニリンの替わりにp−エチルアニリンを用いた以外は同様に反応を行った。得られた粗ジケトンをアセトンとヘプタンとの混合溶媒で再結晶し精製した。収率54.1%で目的のジケトン(6d)を得た。
mp109〜110℃
MS(Direct); 483(M+2), 482(M+), 481, 466, 404, 105, 77.
1H-NMR(CDCl3); 1.28 (t, J=7.6Hz, 3H), 2.70 (q, J=7.6Hz, 2H), 7.11〜7.18 (m, 6H), 7.22 (d, J=8.5Hz, 2H), 7.48 (t, J=8.0Hz, 4H), 7.57 (t, J=7.42Hz, 2H), 7.74〜7.81 (m, 8H).
4−2.例示化合物6の合成
実施例1、1−2.のジケトン(6a)の替わりにジケトン(6d)を用いた以外は同様に反応を行い、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製した後、トルエンとへキサンとの混合溶媒から再結晶し例示化合物6が得られた。
収率69.3%、mp140〜144℃
MS(Direct); 836(M+2), 835(M+),834, 833, 757, 756, 666, 642, 590, 589, 476, 416, 369, 279, 265, 203, 167, 165, 91.
1H-NMR(CDCl3); 1.20〜1.30 (m, 3H), 2.58〜2.70 (m, 2H), 6.68〜6.79 (m, 3H), 6.85〜6.92 (m, 2H), 6.94〜7.00 (m, 2H), 7.03〜7.11 (m, 4H), 7.15〜7.27 (m, 22H), 7.29〜7.37 (m, 8H), 7.38〜7.44 (m,5H).
<実施例5>
例示化合物11の合成
実施例1、1−2.のジケトン(6a)の替わりにジケトン(6d)を、さらに3,3−ジフェニルアリルクロリドの換わりに3,3−ジ−p−トリルアリルクロリドを用いた以外は同様に反応を行い、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製した後、トルエンとへキサンとの混合溶媒から再結晶し例示化合物11が得られた。
収率46.2%、mp223〜226℃
MS(Direct); 892(M+2), 891(M+), 890, 889, 794, 694, 670, 603, 445, 441, 440, 414, 383, 335, 333, 293, 243, 232, 195, 180, 91.
1H-NMR(CDCl3); 1.09〜1.30 (m, 3H), 2.27〜2.35 (m, 6H), 2.37〜2.43 (m, 6H), 2.57〜2.70 (m, 2H), 6.63〜6.89 (m, 4H), 6.94〜7.26 (m, 34H), 7.28〜7.42 (m, 4H).
<応用例1>
ブチラール樹脂(積水化学工業(株)ポリビニルブチラールBL-1)1重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、α型-オキシチタニルフタロシアニン(α-TiOPc、山陽色素株式会社製)1重量部を加え、ガラスビーズと共に5時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥し(100℃、2時間)、電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を静電記録試験装置EPA-8200型(川口電機製作所製)を用いてスタティック方式により測定した。即ち、感光体を-6kvのコロナ放電を行って帯電せしめ、表面電位V0(単位は-V)を測定し、これを暗所で5秒間保持した(表面電位Vi(単位は-V))後、ハロゲンランプにより照度5ルックスの光を照射し、表面電位Viを半減させるのに必要な半減露光量E1/2(ルック・秒)、表面電位を1/6にする露光量E1/6(ルック・秒)、続いて照度5ルックスの光を10秒間照射後の表面残留電位VR10(-V)を求めた。この結果を表2に示す。
<応用例2>
例示化合物3の替わりに、例示化合物6を用いた以外は応用例1と同様にして感光体を作製し、電子写真特性を測定した。その結果を表2に示す。
<応用例3>
ブチラール樹脂(積水化学工業(株)ポリビニルブチラールBL-1)1重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、β型-オキシチタニルフタロシアニン(β-TiOPc、山陽色素株式会社製)1重量部を加え、ガラスビーズと共に5時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥し(100℃、2時間)、電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表3に示す。
<応用例4>
応用例3と同様にして、β型-オキシチタニルフタロシアニンを用いて電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物6を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表3に示す。
<比較例1>
応用例3と同様にして、β型-オキシチタニルフタロシアニンを用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物1を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の電子写真感光体は比較化合物1を用いた電子写真感光体よりも感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。
<応用例5>
ブチラール樹脂(積水化学工業(株)ポリビニルブチラールBL-1)1重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、特開昭63-20365号公報に従って製造された結晶性オキシチタニルフタロシアニン(TiOPc結晶)1重量部を加え、ガラスビーズと共に5時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥し(100℃、2時間)、電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表4に示す。
<応用例6>
応用例4と同様にして、結晶性オキシチタニルフタロシアニン(TiOPc結晶)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物6を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表4に示す。
<比較例2>
応用例4と同様にして、結晶性オキシチタニルフタロシアニン(TiOPc結晶)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物2を1重量部とポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、本発明の電子写真感光体は比較化合物2を用いた電子写真感光体よりも感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。
<応用例7>
ブチラール樹脂(積水化学工業(株)ポリビニルブチラールBL-1)1重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、x型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)1重量部を加え、ガラスビーズと共に5時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥し(100℃、2時間)、電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表5に示す。
<応用例8>
応用例7と同様にして、x型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物6を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表5に示す。
<比較例3>
応用例7と同様にして、x型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表5に示す。
<比較例4>
応用例7と同様にして、x型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物1を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表5に示す。
<比較例5>
応用例7と同様にして、x型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物2を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表5に示す。
表5から明らかなように、本発明の電子写真感光体は比較化合物1、2、3を用いた電子写真感光体よりも感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。
<応用例9>
ブチラール樹脂(積水化学工業(株)ポリビニルブチラールBL-1)1重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、τ型無金属フタロシアニン(τ-H2Pc)1重量部を加え、ガラスビーズと共に5時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥し(100℃、2時間)、電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物3を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表6に示す。
<応用例10>
応用例9と同様にして、τ型無金属フタロシアニン(τ-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、例示化合物6を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表6に示す。
<比較例6>
応用例9と同様にして、τ型無金属フタロシアニン(τ-H2Pc)を用いて電荷発生層を形成した。
一方、比較化合物4を1重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、パンライトTS-2020)1重量部を1,2-ジクロロエタン8重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の電子写真特性を応用例1と同様に測定した。その結果を表6に示す。
表6から明らかなように、本発明の電子写真感光体は比較化合物4を用いた電子写真感光体よりも感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。
本発明の電荷輸送材料を用いた電子写真感光体は、感光層とした時に膜が安定で、高感度、低残留電位を達成できる工業的に優れたものである。

Claims (4)

  1. 次の一般式(1)

    (式(1)中、Rは炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基又は下記の基(Z)、

    (基(Z)中、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Ar、Arは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n2は0または1の整数を表す)
    を表し、Ar、Ar、Ar及びArは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n1は0または1の整数を表す)
    で表される電荷輸送材料。
  2. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型電子写真感光体において、請求項1記載の一般式(1)で表される電荷輸送材料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 導電性支持体上に電荷発生材料及び電荷輸送材料を含む単層型電子写真感光体において、請求項1記載の一般式(1)で表される電荷輸送材料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  4. 次の一般式(1)で表される化合物。

    (式(1)中、Rは炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基又は下記の基(Z)、

    (基(Z)中、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基または置換基を有しても良い芳香族基を表し、Ar、Arは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n2は0または1の整数を表す)
    を表し、Ar、Ar、Ar及びArは同一または異なっても良く、置換基を有しても良い芳香族基を表し、n1は0または1の整数を表す)

    以上
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