JP2017214346A - 抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カチオン性基含有共重合体を含む抗菌剤であって、該共重合体は、カチオン性基含有単量体由来の構造単位と疎水性単量体由来の構造単位とを有し、該カチオン性基含有単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であり、重量平均分子量が4000〜100万であり、該疎水性単量体は、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であることを特徴とするカチオン性基含有共重合体を含む抗菌剤。
【選択図】なし
Description
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明における抗菌剤とは抗菌性能を有する剤のことをいう。抗菌性能とは、殺菌(微生物を殺す)、静菌(微生物の繁殖を抑える)、滅菌、消毒、制菌、除菌、防腐、防カビ等の性能を有することをいい、対象となる微生物は、細菌、真菌である。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147〜154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm3)1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2 (cal/cm3)1/2
上記疎水性単量体としては、溶解性パラメータが15以下のものの中でも、炭素数が2以上のアルキル基を有するものが好ましい。疎水性単量体が、炭素数2以上のアルキル基を有することにより、微生物の細胞膜との親和性が増し、抗菌性がより向上する。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(1);
上記炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。より好ましくは1〜16であり、更に好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜8であり、最も好ましくは2〜8である。
上記炭化水素基の炭素数が1〜20であれば、重合体の水溶性、粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。上記炭化水素基の炭素数が1〜12であれば、重合体の製造が容易となり、さらに、抗菌性に加えて安全性にも優れるものとなる。さらに上記炭化水素基の炭素数が2〜8であれば、重合体の製造が容易であるだけでなく、安全性に優れ、かつ細菌の細胞膜との親和性が増し、抗菌性がより向上するものとなる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
すなわち上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)が好ましい。
上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーは、溶解性パラメータが15以下であって、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基のいずれかの官能基を有しているものであればよく、(メタ)アクリル酸エステル構造を有しているものであっても、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーに分類するものとする。
本発明において、疎水性単量体として、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーとを共重合することにより、得られる共重合体の水溶性が向上し、また、塩やpHによる共重合体の析出、抗菌性の低下等の影響をより充分に緩和することができるため、幅広いpH領域において共重合体を使用することができ、弱酸性のものが多い化粧品や、中性から弱アルカリ領域のものが多い洗剤等の種々の用途に好適に用いることができる。
上記カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するモノマーとしては、上述の不飽和モノカルボン酸類;水酸基含有(メタ)アクリレート;アルキルビニルエーテル類;炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物;炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物等が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドの炭素数は、2〜16であることが好ましく、より好ましくは、2〜12であり、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくは2〜4であり、最も好ましくは2〜3である。上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
上記アルキレンオキシドの平均付加モル数は、1〜100であることが好ましい。より好ましくは、1〜80であり、更に好ましくは、1〜70であり、特に好ましくは、1〜50である。
上記炭素数2〜20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、イソプレノールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
上記炭素数2〜8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1〜20のアルコールとの付加反応物としては1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オールが好ましい。
上記炭化水素基は、鎖状構造であっても、環構造を有していてもよいが、鎖状構造であることが好ましい。炭化水素基が鎖状構造である場合、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記炭化水素基の炭素数としては、1〜10が好ましく、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜5であり、最も好ましくは1〜2である。
上記R3及びR4のうち少なくともいずれか一方は、炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましく、R3及びR4の両方が炭素数1〜12の炭化水素基であることがより好ましい。すなわち、第1〜3級アミノ基の中でも、第3級アミノ基が好ましい。
上記炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基であることが好ましい。
R5〜R7の炭素数としては、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜7であり、特に好ましくは1〜5である。
R5〜R7の炭化水素基としては、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
上記式(3)におけるY−は、有機酸のイオンが好ましい。
上記式(4)におけるY−は、ハロゲン化物イオン、硫酸アルキルイオンが好ましい。
上記R8、R9は、水素原子であることが好ましい。
上記式(6)におけるmは、1〜8であることが好ましく、より好ましくは1〜5である。
上記式(8)におけるkは、1〜8であることが好ましく、より好ましくは1〜5である。
炭素数1〜24の(ジ)アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が好ましい。
炭素数1〜24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1〜24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体は上記式(5−1)〜(5−3)におけるR10が、メチル基であり、Xが、上記式(6)で表される構造であることが好ましい。
上記4級化剤としては、特に制限されるものではないが、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル硫酸等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
また、粘度を調整する観点から溶解性パラメータの値にかかわらずエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体が含まれていてもよい。エチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール、1,4−ブタンジオール等のポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;上記ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;上記ポリオールの2置換以上の水酸基とアリルアルコール、ビニルアルコール等の不飽和アルコールとのエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
抗菌性を向上させる観点から、本発明の共重合体はその他の単量体として重合性金属塩を共重合していてもよい。重合性金属塩としてはアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、α―アリルオキシアクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の重金属塩が挙げられる。
本発明のカチオン性基含有共重合体は、カチオン性基含有単量体が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、カチオン性基含有単量体由来の構造単位の割合は、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であることが好ましい。すなわち、上記カチオン性基含有単量体が、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物であり、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であるカチオン性基含有共重合体も本発明の1つである。
上記割合としてより好ましくは40〜99.9質量%であり、更に好ましくは45〜99.9質量%であり、一層好ましくは50〜99.9質量%であり、特に好ましくは55〜99.9質量%であり、最も好ましくは60〜99.9質量%である。
一方、カチオン性基含有単量体が第4級アンモニウム塩の場合、カチオン性基含有単量体由来の構造単位の割合は、全構造単位100質量%に対して51〜99.9質量%であることが好ましい。すなわち、カチオン性基含有単量体が、第4級アンモニウム塩基含有単量体であり、第4級アンモニウム塩基含有単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して51〜99.9質量%であるカチオン性基含有共重合体もまた本発明の1つである。上記割合としてより好ましくは51〜95質量%であり、更に好ましくは53〜90質量%であり、特に好ましくは55〜85質量%であり、最も好ましくは60〜80質量%である。
上記カチオン性基含有単量体が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、疎水性単量体由来の構造単位の割合は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、疎水性単量体由来の構造単位を0.01〜64質量%で有することが好ましい。より好ましくは0.01〜60質量%であり、更に好ましくは0.01〜55質量%であり、一層好ましくは0.01〜50質量%であり、特に好ましくは0.01〜45質量%であり、最も好ましくは0.01〜40質量%である。
上記カチオン性基含有単量体が第4級アンモニウム塩の場合、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、疎水性単量体由来の構造単位を0.01〜49質量%の割合で有することが好ましい。より好ましくは5〜49質量%であり、更に好ましくは10〜47質量%であり、特に好ましくは15〜45質量%であり、最も好ましくは20〜40質量%である。
上記重量平均分子量として好ましくは4000〜80万であり、より好ましくは5000〜60万であり、更に好ましくは6000〜40万であり、一層好ましくは7000〜20万であり、更に一層好ましくは7000〜10万であり、特に好ましくは7000〜8万である。カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の共重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。本発明の共重合体は、単独で優れた抗菌性を発揮するため、上述の特許文献1の2種以上のポリマーブレンドの抗菌剤を製造する場合のような混練作業が不要であり、本発明の共重合体を製造することで、ポリマーブレンドの抗菌剤に比べてより少ない工程で抗菌性に優れた共重合体を得ることができる。また、上記疎水性単量体としての(メタ)アクリル酸エステルは、上述の特許文献2に記載の抗菌剤の原料として用いられるポリオキシエチレン基又はポリオキシプロピレン基を末端に有する単量体よりも重合性が良好であるため、これらの単量体を使用することで、残存モノマー量の少ない共重合体をより高い収率で得ることができる。更に、これらの単量体を使用する場合には、有機溶媒を使用せずに重合反応を行うことも可能であり、上述の非特許文献1のような、目的とするポリマーを得るまでの工程が多く、また非常に高価な溶媒を必要する方法を用いることなく共重合体を製造することも可能である。
上記カチオン性基含有単量体が第1〜3アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、第1〜3アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の割合は、全単量体成分100質量%に対して36〜99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは40〜99.9質量%であり、更に好ましくは45〜99.9質量%であり、一層好ましくは50〜99.9質量%であり、特に好ましくは55〜99.9質量%であり、最も好ましくは60〜99.9質量%である。
一方、カチオン性基含有単量体が第4級アンモニウム塩の場合、カチオン性基含有単量体由来の構造単位の割合は、全単量体成分100質量%に対して51〜99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは51〜95質量%であり、更に好ましくは53〜90質量%であり、特に好ましくは55〜85質量%であり、最も好ましくは60〜80質量%である。
上記カチオン性基含有単量体が第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物の場合、疎水性単量体の割合は、全単量体成分100質量%に対して0.01〜64質量%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜60質量%であり、更に好ましくは0.01〜55質量%であり、一層好ましくは0.01〜50質量%であり、特に好ましくは0.01〜45質量%であり、最も好ましくは0.01〜40質量%である。
上記カチオン性基含有単量体が第4級アンモニウム塩の場合、疎水性単量体の割合は、全単量体成分100質量%に対して0.01〜49質量%であることが好ましい。より好ましくは5〜49質量%であり、更に好ましくは10〜47質量%であり、特に好ましくは15〜45質量%であり、最も好ましくは20〜40質量%である。
カチオン性基含有単量体の中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。
カチオン性基含有単量体の4級化剤としては、上述のとおりである。
上記多価アルコール溶媒と水とを併用する場合、水100質量%に対する多価アルコール溶媒の割合は、0〜200質量%であることが好ましい。
本発明の共重合体の製造方法は、必要に応じて、任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤などを用いることができる。
得られたポリマーは水に任意に溶解するもの、もしくは任意に分散するものどちらでもよいが、水に任意に溶解するものが特に好ましい。
なお、本発明において、「重合時間」とは単量体の滴下前の加熱撹拌を行っている時間、単量体を添加している時間及び単量体の滴下後の熟成時間を表す。
上記その他の成分としては、抗菌剤の抗菌性能を阻害するものでない限り特に制限されないが、例えば、アルカリ調整剤、アニオン界面活性剤、相溶化剤や安定化剤等の添加剤等が挙げられる。
また、本発明の抗菌剤は、抗菌性を向上させる観点から、更に金属塩や金属酸化物、金属水酸化物などを含んでいてもよい。金属塩又は酸化物、金属水酸化物における金属としては、銅や、亜鉛、銀等の重金属が好ましい。
上記その他の成分の含有量は、抗菌剤の抗菌性能を阻害しなければ、特に制限されないが、上記共重合体100質量%に対して、0〜20質量%であることが好ましい。
カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 EcoSEC HLC−8320GPC
検出器:示差屈折率計(RI)検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel α−M、α−2500
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min
注入量:20μL(試料濃度0.4wt%の溶離液調製溶液)
検量線:ジーエルサイエンス社製 ポリエチレングリコール
GPCソフト:東ソー社製 EcoSEC−WS
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸Na/アセトニトリル=50/50(v/v)
抗菌剤を含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、抗菌剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の抗菌剤を含有する培地をポリスチレン製96穴プレートに50μLずつ添加した。次に、18時間ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、NBRC−12732)のコロニーをバターフィールド緩衝液に懸濁し、10×108個/mL程度の菌液を調製した。調製した菌液をミューラーヒントン培地中で10×106個/mL程度まで希釈し、上記で調製した希釈系列に対して50μLずつ添加した。35℃にて20時間静置後、菌が生育していない培地中の最小の抗菌剤濃度(ppm)を最小発育阻止濃度(MIC)として決定した。菌の生育の有無は、目視にて濁度が上昇しているかによって判断した。
評価結果は次の4段階を基準とした。
◎◎:50ppm未満
◎:50ppm以上100ppm未満
○:100ppm以上500ppm未満
×:500ppm以上
抗菌剤を含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、抗菌剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の抗菌剤を含有する培地をポリスチレン製96穴(ウェル)プレートに50μLずつ添加した。次に、18時間〜24時間、ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972)のコロニーを35℃に保温したミューラーヒントン培地に懸濁し、35℃で2〜6時間振盪し濁りが目視できるまで培養した。こうして調製した培養液をミューラーヒントン培地中で10×108個/ml程度まで希釈し、バターフィールド緩衝液でさらに100倍に希釈した。得られた菌液の菌濃度をプレート希釈法で決定し、次いで、菌液を上記で調製した抗菌剤希釈系列に対して50μlずつ添加し、35℃にて24時間静置した。それぞれのウェルのうち生育の見られないものから10μl取り、バターフィールド緩衝液で10倍に希釈して2枚ずつプレーティングし、生菌数を測定した。こうして初期の菌液の生菌数と抗菌剤中で24時間処理後の生菌数を測定し、初期の生菌数と比較して処理後の菌数が99.9%以上減少していた抗菌剤の最小添加濃度(ppm)を最小殺菌濃度(MBC)として決定した。
評価結果は次の4段階を基準とした。
◎◎:50ppm未満
◎:50ppm以上100ppm未満
○:100ppm以上500ppm未満
×:500ppm以上
抗菌剤を含む水溶液をミューラーヒントン培地中で2倍ずつ順次希釈していき、抗菌剤含有培地の希釈系列を調製した。その後、各濃度の抗菌剤を含有する培地をポリスチレン製96穴(ウェル)プレートに50μlずつ添加した。次に、18時間〜24時間、ミューラーヒントン寒天培地上で生育させた大腸菌(Escherichia coli、NBRC−3972)のコロニーを35℃に保温したミューラーヒントン培地に懸濁し、35℃で2〜6時間振盪し濁りが目視できるまで培養した。こうして調製した培養液をミューラーヒントン培地中で10×108個/ml程度まで希釈し、得られた菌液の菌濃度をプレート希釈法で決定した。この10×108個/ml程度の菌液をポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製)と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)をそれぞれ200ppmずつ含有するミューラーヒントン培地でさらに100倍に希釈した。次いで、この希釈菌液を上記で調製した抗菌剤希釈系列に対して50μlずつ添加し、35℃にて24時間静置した。このとき、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムと直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムはそれぞれ終濃度100ppmとなった。培養後のそれぞれのウェルのうち生育の見られないものから10μl取り、バターフィールド緩衝液で10倍に希釈して2枚ずつプレーティングし、生菌数を測定した。こうして初期の菌液の生菌数と抗菌剤中で24時間処理後の生菌数を測定し、初期の生菌数と比較して処理後の菌数が99.9%以上減少していた抗菌剤の最小添加濃度(ppm)を最小殺菌濃度(MBC)として決定した。
評価結果は次の3段階を基準とした。
◎:500ppm未満
○:500ppm以上1000ppm未満
×:1000ppm以上
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水45.0gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)(和光純薬工業(株)製、以下DAMと称す)39.3g、酢酸14.3g及びメタクリル酸メチル(以下MMAと称す。溶解性パラメータ:9.92)6.54gからなるモノマー溶液1;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、以下V−50と称す)10%水溶液44gからなる開始剤水溶液;DAM19.6g及び酢酸7.13gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体1を得た。
得られた共重合体の固形分は40.6%、pHは6.84、重量平均分子量は10000であった。
開始剤溶液の10%V−50を22gに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体2を得た。
得られた共重合体の固形分は37.3%、pHは6.7、重量平均分子量は21500であった。
モノマー溶液1のMMAをメタクリル酸エチル(以下EMAと称す。溶解性パラメータ:9.71)に、開始剤溶液の10%V−50を43.2gに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体3を得た。
得られた共重合体の固形分は40.2%、pHは6.86、重量平均分子量は10000であった。
開始剤溶液の10%V−50を21.6gに変更したこと以外は合成例3と同様にして重合を行い、共重合体4を得た。
得られた共重合体の固形分は39.7%、pHは6.75、重量平均分子量は15800であった。
開始剤溶液をV−50の5%水溶液21.6gに変更したこと以外は合成例3と同様にして重合を行い、共重合体5を得た。
得られた共重合体の固形分は39%、pHは6.83、重量平均分子量は28800であった。
モノマー溶液1をDAM37.1g、酢酸13.5g及びMMA9.8gからなるものに、開始剤溶液をV−50の15%水溶液60.3gに、モノマー溶液2をDAM18.5g及び酢酸6.7gからなるものに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体6を得た。
得られた共重合体の固形分は40.1%、pHは6.74、重量平均分子量は5700であった。
開始剤溶液をV−50の5%水溶液21gに変更したこと以外は合成例6と同様にして重合を行い、共重合体7を得た。
得られた共重合体の固形分は39.4%、pHは6.76、重量平均分子量は28700であった。
初期仕込みの純水を65.0gに、モノマー溶液1をDAM30.2g、酢酸11.0g及びアルコキシポリエチレングリコールメタクリレート(アントックスLMA−10 日本乳化剤社製)(以下LMA−10と称す)(溶解度パラメータ:9.21)5.0gからなるものに、開始剤溶液をV−50の10%水溶液14.8gに、モノマー溶液2をDAM15.1g及び酢酸5.5gからなるものに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合を行い、共重合体8を得た。
得られた共重合体の固形分は28.3%、pHは6.52、重量平均分子量は16000であった。
疎水性モノマーをブチルアクリレート(以下BAと称す)(溶解度パラメータ:9.75)としたこと以外は合成例2と同様にして重合を行い、共重合体9を得た。
得られた共重合体の固形分は37.5%、pHは6.54、重量平均分子量は16800であった。
モノマー溶液1及び2におけるN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DAM)をジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAM)に変更したこと以外は合成例4と同様にして重合を行い、共重合体10を得た。
得られた共重合体の固形分は38.9%、pHは6.49、重量平均分子量は17300であった。
開始剤溶液をV−50の2.5%水溶液21gに変更したこと以外は合成例7と同様にして重合を行い、共重合体11を得た。
得られた共重合体の固形分は38.2%、pHは6.64、重量平均分子量は52400であった。
モノマー溶液1におけるMMAをEMAに、開始剤溶液をV−50の2.5%水溶液21.6gに変更したこと以外は合成例11と同様にして重合を行い、共重合体12を得た。
得られた共重合体の固形分は40.9%、pHは6.82、重量平均分子量は69900であった。
開始剤溶液をV−50の2.5%水溶液21.3gに変更したこと以外は合成例9と同様にして重合を行い、共重合体13を得た。
得られた共重合体の固形分は38.1%、pHは6.57、重量平均分子量は52500であった。
モノマー溶液1及び2におけるエチルメタクリレート(EMA)をブチルアクリレート(BA)に変更したこと以外は合成例10と同様にして重合を行い、共重合体14を得た。
得られた共重合体の固形分は37.2%、pHは6.53、重量平均分子量は31000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール(以下PGと称す。)24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM48.3g、酢酸17.5g及びアクリル酸ブチル18.1gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液30.1gからなる開始剤水溶液;DAM24.12g及び酢酸8.77gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、モノマー溶液1と開始剤水溶液は同時に滴下を開始し、モノマー溶液1は120分間、開始剤水溶液を210分間滴下した。モノマー溶液2はモノマー溶液1滴下終了後から60分間に渡って滴下した。
全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体15を得た。
得られた共重合体の固形分は37.9%、重量平均分子量は28200であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水65.0g、プロピレングリコール(以下PGと称す。)24gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM67.9g、BA13.6g、酢酸26gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液26.9gからなる開始剤水溶液;イソプレノールにエチレンオキシドが10モル付加したモノマー(以下IPN10と称す。固形分80%)11.3gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下時間は、モノマー溶液1は180分、モノマー溶液2は90分、開始剤溶液は210分とした。その他の重合方法は合成例15と同様にして重合し、共重合体16を得た。
得られた共重合体の固形分は37.3%、重量平均分子量は38100であった。
セパラブルフラスコにプロピレングリコールを80g仕込み、モノマー溶液1としてDAMを68.9g、BAを7.65gとし、開始剤溶液を5%V−50水溶液26.9gとし、モノマー溶液2は使用しなかったこと以外は合成例14と同様にして重合を行い、共重合体17を得た。
得られた共重合体の固形分は38.7%、重量平均分子量は53400であった。
セパラブルフラスコに脱イオン水18.1g、プロピレングリコール56.1gを仕込み、モノマー溶液1としてジメチルアミノエチルメタクリレート 四級化物(以下DQ−100、共栄社化学社製)を54.3g計量し、脱イオン水31.7gで溶解させたものを用いた。開始剤水溶液をV−50の5%水溶液29.5gとし、モノマー溶液2としてBA36.2gとしたこと以外は合成例17と同様にして重合を行い、共重合体18を得た。
得られた共重合体の固形分は34.4%、重量平均分子量は11300であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、プロピレングリコール92gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、モノマー溶液1としてDAM72g、酢酸27.5g;開始剤溶液として5%V−50水溶液27.8g;モノマー溶液2として2−エチルへキシルアクリレート(以下2EHAと称す。)(溶解度パラメータ:9.22)18gを用い、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間は、モノマー溶液1及び2は180分、開始剤溶液は210分とした。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体19を得た。
得られた共重合体の固形分は35%、重量平均分子量は20500であった。
モノマー溶液1及び2におけるエチルメタクリレート(EMA)を2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)に変更したこと以外は合成例10と同様にして共重合体20を得た。得られた共重合体の固形分は33.5%、重量平均分子量は13700であった。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製4つ口フラスコに、n−ブチルアルコール:370.0gと、ペレット状の水酸化ナトリウム:4.27gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。):57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。この溶液を1000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに、20質量%塩化ナトリウム水溶液:200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、よく振り混ぜた後、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体1−アリルオキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール(以下PABと称す。)(溶解度パラメータ:11.0)を得た。
セパラブルフラスコに脱イオン水45g、プロピレングリコール25gを仕込み、モノマー溶液1をDAM72g、酢酸27.5gとし、開始剤溶液を2.5%V−50水溶液55.4gとし、モノマー溶液2を上記PAB18gに変更したこと以外は合成例16と同様の方法で重合を行い、共重合体21を得た。得られた共重合体の固形分は35%、重量平均分子量は19600であった。
モノマー溶液2としてブチルメタクリレート(以下BMAと称す。)(溶解度パラメータ:9.22)18gを用いたこと以外は合成例19と同様にして重合を行い、共重合体22を得た。得られた共重合体の固形分は36.5%、重量平均分子量は27400であった。
モノマー溶液1をジメチルアミノプロピルアクリルアミド(以下DMAPAAと称す。)81.5g、酢酸29.8g、水47.7gからなるものに、モノマー溶液2をEMA9.06gからなるものに、開始剤溶液を5%V−50水溶液30.7gからなるものとし、モノマー溶液の滴下時間を重合開始から180分としたこと以外は合成例1と同様にして共重合体23を得た。得られた共重合体の固形分は38.8%、重量平均分子量は47400であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水50g、プロピレングリコール22gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM63g、酢酸24.1g及びBA22.5gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液31.9gからなる開始剤水溶液;18%アクリル酸(以下AAと称す。)水溶液25.6gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体24を得た。
得られた共重合体24の固形分は34.9%、pHは6.15、重量平均分子量は49500であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水14g、プロピレングリコール39gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル(以下t−BDAMとも称す)32g、酢酸10.4g、水42.4gからなるモノマー溶液1;V−50の2.5%水溶液23.5gからなる開始剤水溶液;アクリル酸ブチル8gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体25を得た。
得られた共重合体25の固形分は21.7%、pHは6.03、重量平均分子量は21600であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水14g、プロピレングリコール39gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(大阪ソーダ社製、固形分65.2%)110.4gからなるモノマー溶液1;V−50の5%水溶液29.3gからなる開始剤水溶液;アクリル酸ブチル18gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下開始時間に関して、モノマー溶液1、2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体26を得た。
得られた共重合体26の固形分は39%、pHは5.6、重量平均分子量は5100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール70gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM78.3g、EMA13.5gからなるモノマー溶液1:V−50の7%水溶液21.9gからなる開始剤水溶液、18.3%アクリル酸水溶液14.7gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1および2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。
全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。純水50gを追加し、共重合体27を得た。
得られた共重合体27の固形分は35.2%、pHは9.0、重量平均分子量は30500であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール60gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAM)81g、V−50 5%水溶液28.1gからなるモノマー溶液1:開始剤水溶液、42.4%アクリル酸水溶液21.3gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。前滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。純水60gを追加し、共重合体28を得た。
得られた共重合体の固形分は32.9%、pHは8.8、重量平均分子量は22100であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3−ブタンジオール70gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM78.3g、EMA9gからなるモノマー溶液1:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、以下V−65とも称す)8%エタノール溶液17.2gからなる開始剤溶液、100%アクリル酸水溶液2.7gからなるモノマー溶液2をそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。
滴下開始時間に関して、モノマー溶液1および2は180分間、開始剤水溶液およびモノマー溶液2は210分間滴下した。
全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。1,3―BG50gを追加し、共重合体29を得た。
得られた共重合体の固形分は36.8%、pHは8.4、重量平均分子量は34500であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水59gを仕込み、攪拌下、90℃に昇温した。次いで攪拌下、90℃一定状態の重合反応系中にDAM62.9g、10%V−50水溶液64.1g及び酢酸22.8gをそれぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、DAMを120分間、V−50水溶液を150分間、酢酸を120分間とした。また、滴下開始時間に関して、各滴下液はすべて同時に滴下を開始した。滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結させ、比較共重合体1を得た。
得られた共重合体の固形分は32.1%、pHは6.73、重量平均分子量5000であった。
初期仕込みを純水25g、15%V−50水溶液146.7g及び酢酸14.3gに、モノマー溶液1をDAM39.3g、酢酸14.3g及びMMA6.5gからなるものに、開始剤溶液を15%V−50水溶液146.7gに、モノマー溶液2をDAM19.6g及び酢酸7.1gからなるものに変更したこと以外は合成例1と同様にして重合し、比較共重合体2を得た。
得られた共重合体の固形分は31.8%、pHは6.48、重量平均分子量3800であった。
合成例1〜29及び比較合成例1、2で得られた共重合体についてMIC及びアニオン界面活性剤存在又は非存在下でのMBCを評価し、評価結果を表1及び2に示した。なお、表1及び2中、Ecは大腸菌を表し、Saは黄色ブドウ球菌を表す。また、表1及び2中、「−」は、未測定を表す。
Claims (6)
- カチオン性基含有共重合体を含む抗菌剤であって、
該共重合体は、カチオン性基含有単量体由来の構造単位と疎水性単量体由来の構造単位とを有し、
該カチオン性基含有単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であり、
重量平均分子量が4000〜100万であり、
該疎水性単量体は、単独重合体の溶解性パラメータが15以下であることを特徴とするカチオン性基含有共重合体を含む抗菌剤。 - 前記カチオン性基含有単量体は、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物であり、第1〜3級アミノ基含有単量体及び/又はこれらの酸による中和物由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して36〜99.9質量%であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌剤。
- 前記カチオン性基含有単量体は、第4級アンモニウム塩基含有単量体であり、第4級アンモニウム塩基含有単量体由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して51〜99.9質量%であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌剤。
- 前記カチオン性基含有共重合体は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、前記疎水性単量体由来の構造単位を0.01〜64質量%の割合で有することを特徴とする請求項2に記載の抗菌剤。
- 前記カチオン性基含有共重合体は、共重合体を形成する構造単位の総量100質量%に対して、前記疎水性単量体由来の構造単位を0.01〜49質量%の割合で有することを特徴とする請求項3に記載の抗菌剤。
- 前記疎水性単量体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌剤。
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