JP2017212968A - 自然なアルコール感が付与された飲料、およびその製造方法 - Google Patents

自然なアルコール感が付与された飲料、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然なアルコール感が付与または増強された飲料の提供。【解決手段】コハク酸および乳酸を含有する飲料であって、コハク酸の濃度が0.001〜0.03w/v%であり、乳酸の濃度が0.01〜0.3w/v%である、飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール飲料の飲用感(以下「アルコール感」ともいう)が付与または増強された飲料およびその製造方法に関する。
清涼飲料およびアルコール飲料の市場において、アルコール感を付与または増強した非アルコール飲料またはアルコール度数10%未満の低アルコール飲料商品が数多く出されている。
このような商品を製造するための技術として、様々な技術が報告されている。例えば、特許文献1には、非アルコール飲料にアルコール感を付与するための技術が開示されており、その具体的手段として、飲料中の酸味付与物質(酒石酸、乳酸、酢酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、フィチン酸、グルコン酸、イタコン酸、α−ケトグルタル酸など)の濃度を所定の範囲内に調整し、さらに、苦味付与物質(クワシン、ナリンジン、カフェイン、イソα酸など)の濃度を所定の範囲内に調整することが記載されている。しかし、この方法では苦味が付与されるため、香味バランスを崩しやすい。
さらに、このような飲料の風味を改善するための様々な技術が報告されている。例えば、特許文献2には、ビール風味飲料における風味改善技術が開示されており、その具体的手段として、有機酸などの酸味料を飲料に添加することが記載されている。しかし、特許文献2には、酸味料以外にも、天然香料類、エステル類、アルコール類、アルデヒド類など、多種多様な材料が添加物として記載されており、また、それらの具体例として膨大な数の物質が記載されているため、どの物質を添加すればどの程度の効果が得られるのかを理解することは難しい。
特許文献3には、ワイン様の風味が改善・向上されたノンアルコールまたは低アルコールのワイン風味飲料が開示されており、そのような風味を付与するための具体的手段として、グルコン酸濃度と酒石酸濃度の比率を所定の範囲内に調整し、さらに、これら2成分と、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸および酢酸との総濃度を所定の範囲内に調整することが記載されている。
しかし、市場に流通している飲料は、ワインや日本酒に比べて自然なアルコール感が不足し、苦さや消毒液様の臭いなど、不快なアルコールの要素が感じられる香味となっていることが多い。特に、柑橘系飲料において、自然なアルコール感と果汁感および後口のすっきりさが両立した香味品質は実現できていないといえる。また、近年の健康志向の高まりの中でアルコール摂取量を自己管理する消費者が増加していることからも、低アルコールまたはノンアルコールでありながら自然なアルコール感を感じる飲料の需要は高まっている。
特開2011−254731号公報 特開2015−27309号公報 特開2013−255490号公報
本発明者らは、アルコール飲料におけるコハク酸および乳酸の濃度をそれぞれ所定の範囲内に調整することにより、自然なアルコール感を増強できることを見出した。さらに、本発明者らは、非アルコール飲料におけるコハク酸および乳酸の濃度をそれぞれ所定の範囲内に調整することにより、非アルコール飲料に自然なアルコール感を付与できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
従って、本発明は、自然なアルコール感が付与または増強された飲料とその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)コハク酸および乳酸を含有する飲料であって、コハク酸の濃度が0.001〜0.03w/v%であり、乳酸の濃度が0.01〜0.3w/v%である、飲料。
(2)コハク酸の濃度が0.003〜0.01w/v%である、(1)の飲料。
(3)乳酸の濃度が0.03〜0.1w/v%である、(1)の飲料。
(4)コハク酸濃度と乳酸濃度の比(コハク酸濃度:乳酸濃度)が1:3〜1:30である、(1)〜(3)のいずれかの飲料。
(5)アルコール濃度が0.0〜9.9v/v%である、(1)〜(4)のいずれかの飲料。
(6)コハク酸および乳酸を含有する飲料を製造する方法であって、飲料中のコハク酸の濃度を0.001〜0.03w/v%に調整し、乳酸の濃度を0.01〜0.3w/v%に調整することを含んでなる、方法。
(7)飲料にアルコール感を付与または増強する方法であって、飲料中のコハク酸の濃度を0.001〜0.03w/v%に調整し、乳酸の濃度を0.01〜0.3w/v%に調整することを含んでなる、方法。
本発明によれば、アルコール飲料の飲用感が付与または増強された飲料とその製造方法が提供される。本発明の飲料は非アルコール飲料であってもよく、この場合には、本発明の飲料は、非アルコール飲料であるにもかかわらず、アルコール飲料の飲用感が感じられる。特に、本発明によれば、飲料において、不自然な苦味や消毒液様の香りを伴わない自然なアルコール感を付与または増強することが可能である。さらに、本発明を柑橘系飲料に適用すると、アルコール感、果汁感および後口のすっきり感のバランスがとれた好ましい香味を有する柑橘系飲料を得ることが可能となる。
発明の具体的説明
本発明において「アルコール飲料」とは、酒税法上アルコール飲料とみなされる、アルコール度数1度以上の飲料を意味する。
本発明において「非アルコール飲料」とは、酒税法上アルコール飲料とみなされない、アルコール度数1度未満の飲料を意味する。「非アルコール飲料」のうち、アルコールが全く含まれない、すなわち、アルコール含量が0v/v%である飲料については特に「完全無アルコール飲料」と表現することができる。本発明における非アルコール飲料としては、例えば、チューハイ様飲料、カクテル様飲料、ワイン様飲料や、その他アルコール飲料との代替性がある飲料が挙げられる。
本発明において「アルコール感」とは、アルコール飲料の飲用時に感じるアルコール特有の味の厚み等が口中に広がり、味わい、発酵感、バーニング感などを感じる状態をいう。また、アルコール感の「増強」とは、その飲料を飲んだときに、実際のアルコール濃度よりも高いアルコール濃度を有する飲料を飲んだときのアルコール感を感じることをいう。さらに、アルコール感の「付与」とは、非アルコール飲料を飲んだときに、アルコール飲料を飲んだときのアルコール感を感じることをいう。
本明細書において「果汁感」とは、果汁の味わいと香りを意味し、香料などにより付与される果汁の香りをも含む。本明細書において「後口のすっきり感」とは、その飲料を飲んだ後に雑味が残らない状態をいう。
本発明の飲料は、コハク酸と乳酸をそれぞれ所定の濃度で含有し、これにより、不自然な苦味や消毒液様の香りを伴わない自然なアルコール感が付与または増強される。このような飲料は、飲料中のコハク酸および乳酸の濃度を調整することにより製造することができる。コハク酸および乳酸の濃度調整は、これらを添加することにより行ってもよいし、あるいは、コハク酸または乳酸を含有する原料を配合すること、またはその配合量を増減させることによって行ってもよい。
本発明の飲料中のコハク酸濃度は、0.001〜0.03w/v%、好ましくは0.003〜0.01w/v%となるように調整される。また、本発明の飲料中の乳酸濃度は、0.01〜0.3w/v%、好ましくは0.03〜0.1w/v%となるように調整される。
本発明の飲料中のコハク酸および乳酸の濃度は、BCOJビール分析法-2003 8.24.2キャピラリー電気泳動法により測定することができる。その際に、より正確な濃度測定のためには、既知の濃度を有する幾つかの対照サンプルの測定値に基づいて作成した検量線を用いることが望ましい。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の飲料におけるコハク酸濃度(w/v%)と乳酸濃度(w/v%)の比(コハク酸濃度:乳酸濃度)は1:3〜1:30とされ、より好ましくは1:5〜1:10とされる。
本発明の飲料(最終製品)のアルコール濃度は、0.0〜9.9v/v%とすることができる。また、アルコール感の増強が望まれる飲料は、一般的には実際のアルコール濃度が低い飲料である。よって、本発明の飲料(最終製品)のアルコール濃度は、好ましくは0.0〜6.9v/v%、さらに好ましくは0.0〜3.9v/v%とすることができる。アルコール濃度の調整は、食品としての安全性が確認されたエタノール含有材料の添加によって行うことができる。エタノール含有材料としては、原料用アルコールや蒸留酒(スピリッツ)を用いることができ、好ましい蒸留酒の例としては、ウオッカ、焼酎、テキーラ、ラム等が挙げられる。
本発明の飲料は、アルコール飲料であっても、非アルコール飲料であってもよい。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の飲料は柑橘風味飲料とされる。ここで「柑橘風味飲料」とは、飲用したときに柑橘類の風味を感じる飲料を意味する。柑橘風味飲料は、柑橘系フレーバーや柑橘系果汁などの柑橘系香味成分を添加することによって得ることができる。好ましい柑橘類の例としては、例えば、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、マンダリン、シークヮーサー、イヨカン、ブンダン、キンカン、ベルガモット、ライム、ユズ、スダチ、カボス等が挙げられる。
本発明の飲料は、飲料の製造に用いられる他の成分を含んでもよい。このような他の成分としては、例えば、甘味料(例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、異性化液糖、糖アルコール、高甘味度甘味料等)、酸味料(例えば、酒石酸、リン酸、フィチン酸、イタコン酸、フマル酸、グルコン酸、アジピン酸、酢酸、またはそれらの塩類等)、色素、食品添加剤(例えば、起泡・泡持ち向上剤、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤など)等を適宜添加することができ、さらには、アルコール感の付与・増強効果の妨げとならない限りにおいてフレーバリング(例えば、香料)を加えることもできる。
本発明の飲料は、二酸化炭素を圧入したもの、すなわち、炭酸飲料とすることができる。炭酸ガス圧は、好みに応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜0.4MPa(20℃におけるガス圧)の範囲で調整することができる。
本発明の飲料は、pHを、例えば、アルコール飲料におけるアルコール感を明確に確認できる範囲として、2.0〜4.0、好ましくは2.3〜4.0に調整することができる。飲料のpHは市販のpHメーターを使用して容易に測定することができる。
本発明の飲料は、好ましくは容器詰飲料として提供される。本発明の飲料に使用される容器は、飲料の充填に通常使用される容器であればよく、例えば、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、紙容器、瓶、パウチ容器等が挙げられるが、好ましくは金属缶・樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル)、または瓶とされる。
本発明の一つの実施態様によれば、本発明の飲料は、自然なアルコール感を感じつつ果汁感、後口のすっきり感のある柑橘系アルコール飲料とされ、この飲料は、炭酸ガス圧0.1〜0.4MPa(20℃におけるガス圧)の炭酸ガスを含み、アルコール濃度が0〜9v/v%であり、かつpHが2.3〜4.0である、果汁0.0〜50.0w/w%(果汁を含まない場合には、柑橘系の香料を含む)の柑橘系飲料であって、飲料中にコハク酸を0.001%〜0.03w/v%の濃度で含み、かつ乳酸を0.01w/v%〜0.3w/v%の濃度で含み、コハク酸濃度と乳酸濃度の比(コハク酸濃度:乳酸濃度)は1:3〜1:30とされる。
さらに、本発明の一つの実施態様によれば、本発明の飲料は、コハク酸と乳酸の濃度調整以外は、通常の飲料の製造方法に従って製造することができる。例えば、まず、タンク中において、アルコールを含有した水溶液に、糖または甘味料、および香料と共に酸味料を加えて香味を調整する。次いで、香味を整えた水溶液に炭酸ガスを加えて、炭酸ガス含有飲料を製造することができる。本発明の飲料は、このような製造過程のいずれかの段階で、乳酸もしくは乳酸を含む材料およびコハク酸もしくはコハク酸を含む材料を適宜加えることによって製造することができる。また、本発明の飲料を柑橘風味飲料とする場合には、上記の製造過程のいずれかの段階で柑橘系果汁または柑橘系香料を添加すればよい。
本発明の他の態様によれば、飲料にアルコール感を付与または増強する方法であって、飲料中のコハク酸の濃度を0.001〜0.03w/v%に調整し、乳酸の濃度を0.01〜0.3w/v%に調整することを含んでなる方法が提供される。
以下の実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:酸味料のアルコール感増強効果の評価
(1)飲料サンプルの調製
アルコール、糖類および香料(レモン香料)を含有する水溶液に、クエン酸(最終濃度0.1w/v%)、乳酸(最終濃度0.2w/v%)、およびコハク酸(最終濃度0.1w/v%)を様々な組み合わせで添加し、その水溶液に炭酸ガス0.20MPa(20℃)を付加することにより、サンプル1−1〜1−4を得た。アルコール濃度は6v/v%となるようにした。また、糖類の濃度は6.0w/v%、香料の濃度は0.10w/v%とした。サンプルのpHは2.5〜3.8であった。対照サンプルとして、酸味料を添加しないサンプルも用意した。
(2)サンプルの評価
上記(1)で調製された各サンプルを、官能評価試験に供した。官能評価試験では、良く訓練され、ビール、チューハイおよびカクテル系飲料の評価に熟練したパネル4名により、アルコール感(発酵感およびバーニング感)について9段階の強度で官能評価を行なった(1:弱く感じる〜9:強く感じる)。
官能評価試験の結果は以下の通りであった。
Figure 2017212968
表1から、コハク酸と乳酸の組合せにより、不自然な苦味や消毒液様の香りを伴わない自然なアルコール感が増強されることが示された。
実施例2:コハク酸および乳酸の様々な濃度におけるアルコール感増強効果の評価
(1)飲料サンプルの調製
アルコール、糖類、酸味料(クエン酸)および香料(レモン香料)を含有する水溶液に、レモン果汁(最終濃度2.7w/v%)、乳酸(最終濃度0.01〜0.5w/v%)、およびコハク酸(最終濃度0.001〜0.05w/v%)を添加し、その水溶液に炭酸ガス0.20MPa(20℃)を付加することにより、サンプル2−1〜2−5を得た。アルコール濃度は6v/v%となるようにした。また、糖類の濃度は4.0w/v%、酸味料の濃度は0.30w/v%、香料の濃度は0.15w/v%とした。サンプルのpHは2.5〜3.8であった。対照サンプルとして、乳酸およびコハク酸のいずれも添加しないサンプル(アルコール濃度は6v/v%および9v/v%)も用意した。
(2)サンプルの評価
上記(1)で調製された各サンプルを、官能評価試験に供した。官能評価試験では、良く訓練され、ビール、チューハイおよびカクテル系飲料の評価に熟練したパネル4名により、アルコール感(発酵感およびバーニング感)、果汁感および後口すっきり感の各項目について9段階の強度で官能評価を行なった(1:弱く感じる〜9:強く感じる)。
官能評価試験の結果は以下の通りであった。
Figure 2017212968
表2から、コハク酸を0.001〜0.03w/v%の濃度範囲で、乳酸を0.01〜0.3w/v%の濃度範囲で添加したサンプルにおいて、自然なアルコール感が増強されることが示された。さらに、表2から、レモン風味などの柑橘風味飲料では、上記の濃度範囲において果汁感および後口すっきり感が維持されることが示された。さらに、表2から、コハク酸濃度は0.003〜0.01w/v%の範囲が好ましく、乳酸濃度は0.03〜0.1w/v%の範囲が好ましいことが示された。
実施例3:コハク酸および乳酸の様々な濃度比におけるアルコール感増強効果の評価
(1)飲料サンプルの調製
アルコール、糖類、酸味料(クエン酸)および香料(レモン香料)を含有する水溶液に、レモン果汁(最終濃度2.7w/v%)、乳酸(最終濃度0.01〜0.5w/v%)、およびコハク酸(最終濃度0.01w/v%)を添加し、その水溶液に炭酸ガス0.20MPa(20℃)を付加することにより、サンプル3−1〜3−6を得た。アルコール濃度は6v/v%となるようにした。また、糖類の濃度は4.0w/v%、酸味料の濃度は0.3w/v%、香料の濃度は0.15w/v%とした。サンプルのpHは2.5〜3.8であった。対照サンプルとして、乳酸およびコハク酸のいずれも添加しないサンプルも用意した。
(2)サンプルの評価
上記(1)で調製された各サンプルを、官能評価試験に供した。官能評価試験では、良く訓練され、ビール、チューハイおよびカクテル系飲料の評価に熟練したパネル4名により、アルコール感(発酵感およびバーニング感)、果汁感および後口すっきり感の各項目について9段階の強度で官能評価を行なった(1:弱く感じる〜9:強く感じる)。
官能評価試験の結果は以下の通りであった。
Figure 2017212968
表3から、飲料のアルコール感、果汁感および後口すっきり感の観点から、コハク酸と乳酸の濃度比(w/v%で表される濃度の比率)は1:3〜1:30であることが好ましく、1:5〜1:10であることがさらに好ましいものと考えられた。
実施例4:様々なアルコール濃度におけるコハク酸および乳酸のアルコール感増強効果の確認
(1)飲料サンプルの調製
アルコール、糖類、酸味料(クエン酸)および香料(レモン香料)を含有する水溶液に、レモン果汁(最終濃度2.7w/v%)、乳酸(最終濃度0.1w/v%)、およびコハク酸(最終濃度0.01w/v%)を添加し、その水溶液に炭酸ガス0.20MPa(20℃)を付加することにより、サンプル4−2〜4−4を得た。アルコール濃度は3〜9v/v%となるようにした。また、アルコールを含有しないサンプルも用意した(サンプル4−1)。糖類の濃度は4.0w/v%、酸味料の濃度は0.3w/v%、香料の濃度は0.15w/v%とした。サンプルのpHは2.5〜3.8であった。対照サンプルとして、乳酸およびコハク酸のいずれも添加しないサンプルも用意した。
(2)サンプルの評価
上記(1)で調製された各サンプルを、官能評価試験に供した。官能評価試験では、良く訓練され、ビール、チューハイおよびカクテル系飲料の評価に熟練したパネル4名により、アルコール感(発酵感およびバーニング感)、果汁感および後口すっきり感の各項目について9段階の強度で官能評価を行なった(1:弱く感じる〜9:強く感じる)。
官能評価試験の結果は以下の通りであった。
Figure 2017212968
表4から、コハク酸と乳酸によるアルコール感の増強効果は、0〜9v/v%のどのアルコール度数においても確認できることが示された。また、どのサンプルにおいても果汁感および後口すっきり感は維持されることが示された。

Claims (7)

  1. コハク酸および乳酸を含有する飲料であって、コハク酸の濃度が0.001〜0.03w/v%であり、乳酸の濃度が0.01〜0.3w/v%である、飲料。
  2. コハク酸の濃度が0.003〜0.01w/v%である、請求項1に記載の飲料。
  3. 乳酸の濃度が0.03〜0.1w/v%である、請求項1に記載の飲料。
  4. コハク酸濃度と乳酸濃度の比(コハク酸濃度:乳酸濃度)が1:3〜1:30である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. アルコール濃度が0.0〜9.0v/v%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料。
  6. コハク酸および乳酸を含有する飲料を製造する方法であって、飲料中のコハク酸の濃度を0.001〜0.03w/v%に調整し、乳酸の濃度を0.01〜0.3w/v%に調整することを含んでなる、方法。
  7. 飲料にアルコール感を付与または増強する方法であって、飲料中のコハク酸の濃度を0.001〜0.03w/v%に調整し、乳酸の濃度を0.01〜0.3w/v%に調整することを含んでなる、方法。
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