JP7290414B2 - 柑橘風味アルコール飲料 - Google Patents

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本発明は柑橘風味アルコール飲料に関する。
飲料市場で販売されているアルコール飲料の中には、柑橘系果実の風味を有するアルコール飲料(以下、「柑橘風味アルコール飲料」ともいう)がある。新鮮な果実感を有する柑橘風味アルコール飲料は、高い人気を有しており、柑橘系果実の特徴である酸味由来の爽快な飲み口や刺激感が、広く好まれている。
一方、最近、飲料市場では低甘味のすっきりした風味が好まれる傾向にある。甘味を抑えた果実風味アルコール飲料としては、例えば特許文献1に記載のアルコール飲料が提案されている。
特開2017-225404号公報
本発明は、飲んだときに感じられる果実味の厚みが増強された、低甘味(具体的には、甘味料に由来する甘味度(以下、単に「甘味度」ともいう)が3.0未満)の柑橘風味アルコール飲料を提供することを目的とする。
上述のとおり、飲料市場では、低甘味のすっきりした風味が好まれる傾向にある。そこで、本発明者は甘味度3.0未満の柑橘風味アルコール飲料の開発を試みたところ、該柑橘風味アルコール飲料においては柑橘系果実の風味の厚み(以下、単に「果実味の厚み」ともいう)が損なわれており、飲んだときに単調で水っぽく感じられることを確認した。
なお、本明細書において、柑橘系果実の風味の厚みとは、飲料を飲んだときに感じられる柑橘系果実の味に由来する風味の濃厚さ、及び口内から鼻に抜ける柑橘系果実の香気に由来する風味の濃厚さをいう。柑橘系果実の風味の厚みが増強されるとは、柑橘系果実の味の強さ、及び/または、柑橘系果実の香気の強さが増強されることを意味し、それにより柑橘系果実を思わせる風味をより強く感じることができる。
本発明者は、この知見に基づき鋭意検討した結果、乳酸を含有させることで低甘味の柑橘風味アルコール飲料における果実味の厚みを増強できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料であって、乳酸を含む柑橘風味アルコール飲料。
[2] 前記乳酸の濃度が25~750ppmである[1]に記載の柑橘風味アルコール飲料。
[3] 前記甘味度を前記柑橘風味アルコール飲料の酸度で除して得られる比(甘味度/酸度)が、5.0~7.5である[1]または[2]に記載の柑橘風味アルコール飲料。
[4] pHが3.0~4.0である[1]~[3]のいずれか一つに記載の柑橘風味アルコール飲料。
[5] アルコールの含有量が3体積%以上である[1]~[4]のいずれか一つに記載の柑橘風味アルコール飲料。
[6] 柑橘系果実の果汁を含む[1]~[5]のいずれか一つに記載の柑橘風味アルコール飲料。
[7] 果汁含有率が10%未満である[6]に記載の柑橘風味アルコール飲料。
[8] 前記果汁がレモン果汁である[6]または[7]に記載の柑橘風味アルコール飲料。
[9] 甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料の製造方法であって、乳酸を含有させることを含む、柑橘風味アルコール飲料の製造方法。
[10] 甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料において、乳酸を含有させることを含む、柑橘系果実の風味の厚みを増強する方法。
本発明によれば、果実味の厚みが増強された、低甘味の柑橘風味アルコール飲料を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態は、甘味料に由来する甘味度(以下、単に「甘味度」ともいう)が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料に関し、乳酸を含有する。
本明細書において、アルコール飲料とは、エタノールなどのアルコールを含有する飲料をいう。本実施形態の柑橘風味アルコール飲料において、アルコールの含有量は、特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。一方で、本発明の構成を適用することで、範囲外にある場合に適用したときと比較して果実味の厚みをより増強することができるため、柑橘風味アルコール飲料100体積%に対して、1体積%以上とすることが好ましく、3体積%以上であることがより好ましく、4体積%以上であることがさらにより好ましい。また、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料における飲み易さの観点から、アルコールの含有量の上限値は、11体積%未満とすることが好ましい。
アルコール飲料は通常、水にアルコール源となる酒(ベース酒)が配合されて製造される。ベース酒は特に限定されないが、例えば蒸留酒を挙げることができる。蒸留酒としては、ジン、ウィスキー、ウォッカ、焼酎、及び原料用アルコール等が例示でき、例えばこれらのうち1種または2種以上を本実施形態の柑橘風味アルコール飲料に含有することができる。
また、柑橘系果実の風味を有するアルコール飲料とは、飲用した際に、柑橘系果実を連想できる風味(味及び香り)を有するアルコール飲料をいう。柑橘系果実としては、例えば、オレンジや、グレープフルーツや、レモン、ライム、シークァーサー、ダイダイ、ユズ、カボス、スダチ、シトロン、ブッシュカンなどの香酸柑橘類や、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、スウィーティー、デコポンなどの雑柑類や、イヨカン、タンカンなどのタンゴール類や、セミノールなどのタンゼロ類や、ブンタンや、ミカンや、キンカンが挙げられる。
柑橘系果実の風味を有するアルコール飲料の具体例としては、例えば、柑橘系果実の果汁を含有したアルコール飲料が挙げられる。ここで、果汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいい、当該液体成分を濃縮したものや、これらの希釈還元物も含まれる概念である。アルコール飲料に含有され得る果汁としては、例えば上述した柑橘系果実から選択される少なくとも一つ以上の果汁を挙げることができる。このうち、レモン果汁を用いることが、本発明の構成を適用することで果実味の厚みをより増強することができるため、好ましい。
本実施形態のアルコール飲料に果汁を含有する場合、果汁含有率は当業者が適宜設定でき、特に限定されない。一方で、本発明の構成を適用することで果実味の厚みをより増強することができるため、果汁含有率は10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましく、3%未満であることがさらに好ましい。また、無果汁(果汁を含まない)であってもよい。
なお、果汁含有率とは、果実等の食用部分を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない搾汁(ストレート果汁)のBrix値または酸度を100%としたときの相対濃度である。また、Brix値は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。Brix値の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。また、酸度は、100g中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。果汁含有率をBrix値または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果物の種類ごとに定められている。例えば、グレープフルーツはBrix値に基づいて算出され、レモンは酸度に基づいて算出される。果汁含有率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
また、本実施形態の柑橘系果実の風味を有するアルコール飲料としては、柑橘系果実の風味が感じられるものであれば、柑橘系果実の果汁を含有しない、いわゆる無果汁の飲料であってもよい。例えば、柑橘系果実に特徴的な香りを再現した香料を含有するアルコール飲料や、柑橘系果実に特徴的な香気成分を含有する柑橘系果実の抽出物を含むアルコール飲料などでもよい。柑橘系果実の抽出物を含むアルコール飲料としては、具体的には、例えば、柑橘系果実をアルコールに浸漬して得た浸漬酒などが挙げられる。
さらに、柑橘系果実の風味を有するアルコール飲料は、上述したものの他、上述した柑橘系果実の果汁、柑橘系果実の抽出物、香料のうち2つ以上の成分が含有されるアルコール飲料であってもよい。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、甘味料に由来する甘味度が3.0未満である。なお、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は甘味が添加されないで構成されていてもよい(すなわち、本実施形態は甘味料に由来する甘味度が0以上3.0未満の柑橘風味アルコール飲料に関する)。
甘味度は、甘味の強さを示す尺度である。本明細書において、甘味度は、1.0w/v%のショ糖水溶液の甘味を基準とした(1.0w/v%のショ糖水溶液の甘味1.0w/v%のショ糖水溶液を1とした)ときの甘味の相対比をいう。例えば、甘味度2.5は、2.5w/v%のショ糖水溶液の甘味に相当する。例えば、ショ糖の甘味度を100とした場合、アセスルファムカリウムの甘味度は20000、スクラロースの甘味度は60000とみなされる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料において、甘味料に由来する甘味度とは、甘味料に由来する柑橘風味アルコール飲料の甘味度をいい、甘味料以外の成分(例えば、果汁)に含有される甘味成分に由来する柑橘風味アルコール飲料の甘味度は除外して算出される。甘味料に由来する甘味度は、甘味料の種類ごとに、柑橘風味アルコール飲料の甘味度を求め、甘味料の種類ごとに求めた柑橘風味アルコール飲料の甘味度を総計することにより算出することができる。なお、アルコール飲料に含有される甘味料が1種類である場合には、その甘味料に由来するアルコール飲料の甘味度が、甘味料に由来する甘味度となる。
種類Xの甘味料に由来する柑橘風味アルコール飲料の甘味度αは、種類Xの甘味料の濃度βを、ショ糖の甘味度δに対する種類Xの甘味料の甘味度γの相対比(つまり、γ/δ)に基づいて、ショ糖相当の濃度(w/v%)に換算することによって求めることができる。ショ糖の甘味度δに対する種類Xの甘味料の甘味度γの相対比(γ/δ)は、例えば、公知の文献(例えば、精糖工業会「甘味料の総覧」)に記載される甘味度に基づき、予め求めることができる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料に含有され得る甘味料としては、例えば、異性化糖、ブドウ糖、果糖、砂糖、麦芽糖、乳糖などの糖類や、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコールや、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース、リボースなどの高甘味度甘味料を挙げることができ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、甘味料の含有量は、柑橘風味アルコール飲料の甘味度が3.0未満となる量であればよく、含有する甘味料の甘味度に応じて適宜設定される。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、乳酸を含有する。乳酸は、α-ヒドロキシプロピオン酸とも呼ばれ、ヒドロキシ酸の一種である。本実施形態の柑橘風味アルコール飲料に乳酸が含有されることにより、果実味の厚みが増強される。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料において、乳酸の濃度は、特に限定されないが、25~750ppmであることが好ましく、25~400ppmであることがより好ましい。乳酸の濃度が25~750ppmである場合、範囲外にある場合と比較して、果実味の厚みがさらに増強される。また、乳酸の濃度が25~750ppmである場合には、範囲外にある場合と比較して、フレッシュな果実感や後口残りの良さについてもさらに向上する。
なお、本明細書において、フレッシュな果実感とは、飲料を飲んだときに摘果直後の果実に特有の香気及び味が想起される感覚をいう。フレッシュな果実感が向上すると、飲んだときに摘果直後の果実の香気及び味をより強くイメージすることができる。また、後口残り(後キレ)の良さとは、飲用後の後味がスッとなくなるような感覚であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味等を含む呈味が飲用後に後引きなく消失されていく感覚をいう。後口残りの良さが向上すると、後味がよりは速くなくなり、口内に違和感が残らず、すっきりとした爽やかさが感じられる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料に含有される乳酸の濃度は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、例えば、株式会社 島津製作所社製 有機酸分析システムを用いて測定することができる。
また、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料において、甘味度を酸度で除して得られる比(甘味度/酸度)は、特に限定されるものではないが、5.0~7.5であることが好ましく、5.5~7.0がより好ましい。甘味度/酸度の値が5.0~7.5である場合、範囲外にある場合と比較して、果実味の厚みをさらに増強することができるとともに、フレッシュな果実感、後口残りの良さもさらに高めることができる。
上述のとおりアルコール飲料の酸度は、アルコール飲料100g中に含まれる有機酸をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)であり、公知の方法、装置を用いて測定できる。具体的な測定方法としては、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、より具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)を用いることができる。よって、甘味度/酸度の値も、例えば、甘味料や有機酸の種類や含有量を変更すること等により、当業者が適宜調整できる。
なお、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料の酸度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1~0.6とすることができる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料には、上述した柑橘風味に係わる果汁等の成分、甘味度に係わる甘味料、および乳酸に加えて、本発明の課題を解決できる範囲で必要に応じて他の成分を含有することができる。他の成分としては、例えば、水の他、酸味料、香料、ビタミン、着色料、酸化防止剤、乳化剤、保存料、食塩、調味料、エキス類、pH調整剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム)、品質安定化剤、増粘剤などがあげられる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料において、pHは、特に限定されるものではないが、本発明の構成を適用することでより果実味の厚みを増強することができるため、3.0~4.0が好ましく、3.2~3.8がより好ましく、3.2~3.6がさらにより好ましく、3.4~3.6が特に好ましい。
また、柑橘系果実中の主要な香気成分であるシトラールは、果実の新鮮な香りを付与するための重要な成分であるが、酸性条件下では酸触媒反応により環化または酸化反応を起こし、分解されやすい。すなわち、柑橘風味アルコール飲料において、柑橘系果実の風味が損なわれないようにするためには、シトラールがより安定となるようにpHを高め(例えば、pH3.4以上)に調整することが望ましい。しかしながら、柑橘風味アルコール飲料のpHを高くするために、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤を添加した場合、pH調整剤そのものが有するエグ味や雑味が付与され、調製される飲料の味質に影響を及ぼすことがある。一方、乳酸を含有した本実施形態の柑橘風味アルコール飲料においては、従来よりも高めのpH値に調整するためにpH調整剤を添加した場合であっても、後口残りの良さや、果実味の厚みや、フレッシュな果実感が損なわれにくい。そのため、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、長期保存したとしても、香気成分の劣化(分解)を抑制でき、優れた柑橘系果実の風味を有することができる。
また、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、炭酸ガスを含むようにしてもよい。炭酸ガスを含む場合のガス圧については特に限定されず当業者が適宜設定できるが、刺激感を付与する観点からは、ガス圧が2.0~4.0ガスボリュームであることが好ましい。なお、ガスボリュームとは、1気圧、20℃における飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比をいう。ガスボリュームの値は、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値として得ることができる。
本実施形態の柑橘風味アルコール飲料の具体的な一例としては、アルコール、原料水、柑橘風味に係わる成分(例えばレモン果汁やレモン香料など)、甘味料、乳酸、その他の成分を混合して得られる飲料を挙げることができる。例えば、この柑橘風味アルコール飲料を製造する場合には、予め、甘味度が3.0となる量及び種類の甘味料を用意しておく。そして、蒸留酒等のアルコールに原料水を加えて希釈し、次いで、予め用意した甘味料、柑橘風味に係わる成分、乳酸、その他の成分を添加することで、本実施形態の柑橘風味アルコール飲料を製造できる。
柑橘風味アルコール飲料の製造において、成分を添加する順序などは特に限定されず、当業者が適宜設定できる。上記の原料水は、水自体のほか、含有されるその他の成分の溶液等であってもよい。また、柑橘風味アルコール飲料に添加される各成分は、それらを単独で添加してもよく、予め混合した混合物として添加してもよい。
また、炭酸ガス入りの飲料とする場合、上記希釈工程において原料水として炭酸ガスを含有する水(炭酸水)を用いる方法のほか、容器に充填する前に所定のガスボリュームになるようにカーボネーションを行うようにしてもよい。
製造された本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、例えば、容器に封入された容器詰飲料とすることができる。容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
以上、本実施形態によれば、果実味の厚みが増強された柑橘風味アルコール飲料を提供することができる。本実施形態の柑橘風味アルコール飲料は、低甘味であるにも関わらず増強された果実味の厚みを有するため、嗜好性のより高い飲料の提供に寄与することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
ベース液にそれぞれ異なる濃度のクエン酸(無水)、乳酸、クエン酸ナトリウムを添加し、表1に記載の計13種のサンプル(比較例1及び実施例1~12の柑橘風味アルコール飲料)を作成した。
なお、ベース液の組成は、95.3%原料用アルコール(94.5ml/L)、レモン果汁(3.0%)、アセスルファムK(95ppm)、スクラロース(10ppm)、及びレモン香料(0.1%)とした。また、比較例1及び実施例1~11のサンプルでは、アルコール濃度を9.2%(v/v)、ガスボリュームを2.9vol、甘味度を2.5、pHを3.4とした。実施例12のサンプルについてはpHを3.6とし、pH以外は比較例1及び実施例1~11のサンプルと同様にした。
Figure 0007290414000001
<試験例1>
比較例1及び実施例1~6のサンプルを用い、訓練されたパネリスト3名による官能評価を実施した。
各評価用語に対する評価尺度は以下の5段階とした。
5:強い
4:やや強い
3:どちらでもない
2:やや弱い
1:弱い
本評価の実施に先立ち、パネリスト間での評価用語に対する認識と各評点の強弱(尺度)に対する認識を統一させた。すなわち、比較例1の評点がいずれも「3:どちらでもない」となるよう統一させた。
なお、後述する表2~4において、評価結果の数値は、各パネリストの評点の平均値を示す。また、甘味度/酸度は、甘味料に由来する各サンプルの甘味度(2.5)を、JAS規格の酸度測定法で定められた方法により測定した各サンプルの酸度でそれぞれ除すことにより算出した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007290414000002
表2に示すように、実施例1~6は、乳酸を含有しない比較例1と比較し、果実味の厚みについての評点が高かった。この結果から、実施例1~6では、果実味の厚みが増強されていることが理解できる。加えて、実施例1~5については、後口残りの良さや、フレッシュな果実感についての評点が、比較例1よりも高かった。
<試験例2>
比較例1及び実施例7~11のサンプルを用い、訓練されたパネリスト3名による官能評価を実施した。なお、評価尺度は試験例1と同様であり、パネリスト間での評価用語及び各評点の認識の統一を試験例1と同様に行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0007290414000003
表3に示すように、実施例7~11についても、比較例1と比較し、果実味の厚みについての評点が高く、実施例7~11は比較例1に対し、果実味の厚みが増強されていることが理解できる。また、実施例7~11は、比較例1と比較し、後口残りの良さや、フレッシュな果実感についての評点も高かった。
<試験例3>
比較例1及び実施例9、12のサンプルを用い、訓練されたパネリスト3名による官能評価を実施した。なお、評価尺度は試験例1と同様であり、パネリスト間での評価用語及び各評点の認識の統一を試験例1と同様に行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0007290414000004
表4に示すように、実施例9、12についても、比較例1と比較し、果実味の厚みについての評点が高く、実施例9、12は、比較例1に対し、果実味の厚みが増強されていることが理解できる。また、実施例9、12は、比較例1と比較し、後口残りの良さや、フレッシュな果実感についての評価結果も高かった。実施例12は、実施例9よりもpHが高く設定されているが、このようにpHを高く設定しても、果実味の厚みが増強されるとともに、後口残りの良さや、フレッシュな果実感が向上することが確認された。

Claims (11)

  1. クエン酸を含み、甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料であって、乳酸をさらに含み、前記乳酸の濃度が25~750ppmである柑橘風味アルコール飲料(リンゴ酸の含有量が0.2g/L以上である柑橘風味アルコール飲料を除く)。
  2. 前記甘味度を前記柑橘風味アルコール飲料の酸度で除して得られる比(甘味度/酸度)が、5.0~7.5である請求項1に記載の柑橘風味アルコール飲料。
  3. pHが3.0~4.0である請求項1または2に記載の柑橘風味アルコール飲料。
  4. アルコールの含有量が3体積%以上である請求項1~3のいずれか一つに記載の柑橘風味アルコール飲料。
  5. 柑橘系果実の果汁を含む請求項1~4のいずれか一つに記載の柑橘風味アルコール飲料。
  6. 果汁含有率が10%未満である請求項5に記載の柑橘風味アルコール飲料。
  7. 前記果汁がレモン果汁である請求項5または6に記載の柑橘風味アルコール飲料。
  8. クエン酸を含み、甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料(リンゴ酸の含有量が0.2g/L以上である柑橘風味アルコール飲料を除く)の製造方法であって、乳酸を含有させることを含み、前記乳酸の濃度が25~750ppmである、柑橘風味アルコール飲料の製造方法。
  9. クエン酸を含み、甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料(リンゴ酸の含有量が0.2g/L以上である柑橘風味アルコール飲料を除く)において、乳酸を含有させることを含み、前記乳酸の濃度が25~750ppmである、柑橘系果実の風味の厚みを増強する方法。
  10. クエン酸を含み、甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料であって、乳酸をさらに含み、pHが3.0~4.0である柑橘風味アルコール飲料(リンゴ酸の含有量が0.2g/L以上である柑橘風味アルコール飲料を除く)。
  11. 甘味料に由来する甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料であって、乳酸と、柑橘系果実の果汁とを含み、果汁含有率が10%未満である柑橘風味アルコール飲料(リンゴ酸の含有量が0.2g/L以上である柑橘風味アルコール飲料を除く)。
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