JP2022180982A - 容器詰めアルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柑橘の味に悪影響を与えることなく、柑橘香味の劣化臭を抑制することができる技術を提供すること。【解決手段】シトロネラールを含有する、柑橘香味の容器詰めアルコール飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰めアルコール飲料及びその製造方法に関し、特に、柑橘香味の容器詰めアルコール飲料及びその製造方法に関する。
酎ハイ及びカクテルテイスト飲料等に代表される容器詰めアルコール飲料が知られている。容器詰めアルコール飲料は、典型的には、アルコールに甘味料、酸味料、及び果実の香味等を加えて調製された嗜好性飲料である。
容器詰めアルコール飲料として、柑橘類の果汁、柑橘類のエキス、又は柑橘系の香味を有する香料を添加することにより、柑橘系果実の香味を付与したアルコール飲料がある。このような柑橘香味の飲料は、柑橘系果実特有の香気や、さわやかな酸味が多くの人に好まれて人気がある。
容器詰めアルコール飲料では、通常、製造の際に加熱殺菌処理が行われる。柑橘香味のアルコール飲料の場合、加熱殺菌処理により、柑橘特有の香味成分(例えばシトラール、リモネン等)が減少したり、異臭味を持つ他の成分に変化し、柑橘特有のフレッシュな好ましい香味が維持できない場合がある。すなわち、柑橘特有の香味成分が劣化する場合がある。このような劣化は、保存による経時変化によっても生じる場合がある。
柑橘特有の香味成分の劣化を防止する技術として、例えば、特許文献1(特開2008-280539号公報)には、アシタバ、アボカド、オオバコ、半発酵茶葉、エビスグサおよびサンザシからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒抽出物を含有することを特徴とするシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭生成抑制剤が開示されている。
また、特許文献2(特開2001-061461号公報)には、エリオシトリンまたはエリオシトリン含有物が、シトラールの分解に対して抑制効果を示すことが記載されている。
また、特許文献3(特開2018-184600号公報)には、カリン抽出物などの特定の植物抽出物を含むシトラール分解抑制剤が開示されている。
特開2008-280539号公報 特開2001-061461号公報 特開2018-184600号公報
特許文献1~3に記載されるように、シトラール等の柑橘特有の香気成分の劣化を防ぐために、特定の成分を使用する技術は、公知である。しかし、そのような成分を使用すると、添加した成分自体が、飲料の味に影響を与える可能性がある。
従って、本発明の課題は、柑橘の味に悪影響を与えることなく、柑橘香味の劣化を抑制することができる技術を提供することにある。
本発明者らは、シトロネラールに、柑橘香味の劣化臭を抑制する作用があることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、具体的には、以下の事項を提供する。
[1]シトロネラールを含有する、柑橘香味の容器詰めアルコール飲料。
[2]シトロネラールの含有量が30~3000ppbである、[1]に記載の容器詰めアルコール飲料。
[3]クエン酸に換算した酸度が0.20g/100ml以上である、[1]又は[2]に記載の容器詰めアルコール飲料。
[4]柑橘類果汁を含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
[5]山椒浸漬蒸留酒を含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
[6]シトロネラールの少なくとも一部が前記山椒浸漬蒸留酒由来である、[5]に記載の容器詰めアルコール飲料。
[7]アルコール含量が0.5v/v%以上、9v/v%以下である、[1]から[6]のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
[8]甘味度が1.0以上、7.0以下である、[1]から[7]のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
[9]炭酸飲料である、[1]から[8]のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
[10]柑橘香味のアルコール飲料に、シトロネラールを30~3000ppb含有させる工程を含むことを特徴とする、容器詰めアルコール飲料の製造方法。
[11]柑橘香味のアルコール飲料に、シトロネラールを30~3000ppb含有させる工程を含むことを特徴とする、容器詰めアルコール飲料の香味改善方法。
本発明によれば、柑橘香味に悪影響を与えることなく、柑橘香味の劣化臭を抑制することができる技術が提供される。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。本実施形態に係る飲料は、シトロネラールを含有する、柑橘香味の容器詰めアルコール飲料である。
(柑橘香味)
本明細書において、「柑橘香味」の飲料とは、何らかの手段で柑橘香味が付与された飲料を意味する。柑橘香味を付与するための手段は、特に限定されない。例えば、柑橘果汁及び柑橘香料(シトラスフレーバー)等を使用することにより、柑橘香味が付与される。
具体的には、柑橘香味の飲料として、シトラール及び/又はリモネンを含む飲料が挙げられる。
飲料中のシトラールの含有量は、例えば1~1000ppm、好ましくは1~100ppm、より好ましくは3~30ppmである。
飲料中のリモネンの含有量は、例えば0.1~100ppm、好ましくは0.1~50ppm、より好ましくは0.3~10ppmである。
柑橘果汁を使用する場合であっても、柑橘果汁の使用量はさほど多くないことが好ましい。柑橘果汁の使用量は、ストレート換算で、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
柑橘としては、例えば、オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、及びかぼす等を挙げることができ、好ましくは香酸柑橘である。香酸柑橘とは、強い酸味と特徴的な香り、特有の爽快感を有し、通常生食されずに主として風味付け、酸味付けのための調味料として用いられる柑橘であり、レモン、ライム、ゆず、すだち、及びかぼす等があげられる。
(シトロネラール)
シトロネラールは、柑橘香味の劣化臭を抑制するために使用されている。シトロネラールの化学名は、「3,7-dimethyloct-6-en-1-al」である。シトロネラールには、d-体とl-体の光学活性体が存在する。本実施形態における「シトロネラール」には、いずれの光学活性体も包含される。
シトロネラールには、果皮感(果実の果皮を剥いたときに感じるような爽やかでフレッシュな印象を与える香味感)を付与する作用もある。シトロネラールを使用することにより、柑橘香味の劣化臭を抑制することができるとともに、果皮感を付与することができ、良好な柑橘香味を有する飲料を得ることができる。
シトロネラールの含有量は、例えば30~3000ppb、好ましくは30~1000ppb、より好ましくは30~500ppb、更に好ましくは50~200ppbである。このような範囲であれば、柑橘香味の劣化臭を十分に抑制することができる。また、果皮感を十分に付与することができる。更に、シトロネラール自体の味が飲料に影響を与え難い。
シトロネラールは、例えば、ハープ、スパイス等の植物の精油(シトロネラ精油、レモンバーム精油、及び山椒の精油等)を減圧分留し、精製工程等を経て得ることができる。あるいは、シトロネラールは、ハープ、スパイス等の植物の浸漬蒸留酒を使用することにより、飲料に含有させることができる。「植物の浸漬蒸留酒」とは、植物をアルコール含有液に浸漬させ、得られた浸漬液を蒸留することにより得られる蒸留酒である。
(山椒浸漬蒸留酒)
好ましい一態様において、飲料は、山椒浸漬蒸留酒を含有する。すなわち、シトロネラールの少なくとも一部が、山椒浸漬蒸留酒に由来する。山椒浸漬蒸留酒中のシトロネラールの含有量は、例えば10~100ppm、好ましくは30~80ppmである。
アルコール飲料中の山椒浸漬蒸留酒の量は、例えば0.01~3.0ml/L、好ましくは0.03~0.5ml/Lである。
山椒浸漬蒸留酒は、例えば、次の方法により調製することができる。
まず、山椒をアルコール含有液に浸漬する。山椒として、その実や茎、葉等を用いることができるが、実を乾燥させた山椒粒が好んで用いられる
山椒の使用量は、アルコール含有液1000mLに対して例えば1~100g、好ましくは5~40gである。アルコール含有液としては、アルコール度数が例えば25vol%以上、好ましくは25~95vol%のものを使用することができる。山椒の浸漬時間は、例えば5~48時間、好ましくは12~30時間である。
次に、得られた山椒の浸漬液を蒸留する。蒸留は減圧蒸留であっても常圧蒸溜であってもよい。蒸留時の温度は、例えば、70℃以下、好ましくは50℃以下である。
以上により、シトロネラールを含有する山椒浸漬蒸留酒を得ることができる。
(シトロネラールの分析方法)
シトロネラールの含有量は、以下の方法により、測定することができる。
試料を超純水で適当な倍率に希釈する。1mLの希釈試料に200μLの内部標準(10ppm リナロール-d5)を添加した後に、超純水で50倍希釈する。希釈した試料の香気成分をTwisterに吸着(40℃、2時間)させ、GC-MS分析を行い、内部標準法により定量を行う。
[GC条件]
・装置:昇温気化型注入口(CIS4,Gerstel社製)、加熱脱着ユニット(TDU,Gerstel社製)、GC Systerm(7890B,Agilent Technologies社製)、Mass Selective Detector(5977,Agilent Technologies社製)
・LTMカラム(1st:DB-WAX,20m×0.18mm;0.3μm、2nd:DB-5,10m×0.18mm;0.4μm,Agilent Technologies社製)
・TDU:20℃(1min)-(720℃/min)-250℃(3min)
・CIS4:-50℃(1.5min)-(12℃/sec)-240℃(45min)
・スプリット比:30:1
・注入口圧:508.28kPa
・ベント圧:314.11kPa
・1stカラム温度:40℃(3min)-(5℃/min)-180℃(0min)
・2ndカラム温度:40℃(31min)-(5℃/min)-180℃(0min)
・MSD:SCAN mode,m/z 29-230,20Hz,EI
・定量イオン:シトロネラール(m/z154)
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数(エタノール濃度)は、例えば0.5v/v%以上、9v/v%以下、好ましくは3.0~7.5v/v%である。
アルコール源は、特に限定されるものではない。好ましくは、本実施形態に係る飲料は、アルコール源として蒸留酒を含む。飲料に含まれる全アルコールのうち、例えば50vol%以上、好ましくは70vol%以上、より好ましくは90vol%以上が蒸留酒由来である。蒸留酒としては、例えば、連続蒸溜式焼酎、原料用アルコール、醸造用アルコール、及びスピリッツなどが好ましく用いられる。
(炭酸ガス圧)
本実施形態に係るアルコール飲料は、好ましくは、炭酸飲料である。炭酸飲料の炭酸ガス圧は、例えば1.5~3.5ガスボリューム、好ましくは1.7~3.0ガスボリュームである。
尚、「ガスボリューム」とは、標準状態における容器詰炭酸アルコール飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比をいう(単位として、GVを使用する)。実際には、標準状態(1気圧、25℃)において、1Lの液体に1Lの炭酸ガスが溶存している場合に1GVガスボリュームという。「ガスボリューム」は、炭酸アルコール飲料試料を標準状態(1気圧、25℃)として安定させた後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値として得ることができる。
(甘味料)
好ましくは、アルコール飲料は、甘味料を含有する。甘味料としては、例えば、糖類及び高甘味度甘味料が挙げられる。糖類とは、単糖類及び二糖類を意味する。単糖類としては、ぶどう糖、果糖、及び果糖ぶどう糖液糖などが挙げられる。二糖類としては、蔗糖、麦芽糖、乳糖、及び異性化乳糖などが挙げられる。高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、及びステビア甘味料などが挙げられる。
甘味料は、アルコール飲料の甘味度が1.0以上、7.0以下となるような量で使用されていることが好ましい。アルコール飲料の甘味度は、より好ましくは、2.0~5.0である。
なお、「アルコール飲料の甘味度」とは、ショ糖の甘味を基準として甘さの度合いを示すパラメータであり、対象となる飲料と同等の甘さを有するショ糖水溶液のショ糖濃度(質量%)を表す。例えば、甘味度が「2」であることは、対象となる飲料が2質量%ショ糖水溶液と同等の甘さを有することを意味する。
飲料の甘味度は、飲料に含まれる甘味料の種類と含有量とに基づいて計算することができる。飲料中にショ糖以外の甘味料が含まれる場合には、使用した甘味料の濃度に、その甘味料の甘味度を乗じることにより、飲料の甘味度を計算することができる。甘味度の値としては、例えば、「甘味料の総覧、精糖工業会、1990年5月発行、p17~18」、及び、「飲料用語事典、株式会社ビバリッジジャパン社、平成11年6月25日発行、資11、4-2、甘味料の分類、甘味度による分類 欄」等に記載された「甘味度」の値を用いることができる。同一の甘味料についての値が複数の文献に記載されている場合には、「甘味料の総覧」に記載の値が優先して採用される。これら文献記載の甘味度が数値範囲を有する場合には、中央値が、甘味度として採用される。
代表的な甘味料の甘味度は、以下の通りである。
果糖:1.35
ブドウ糖:0.65
55%果糖ブドウ糖液糖:1
アセスルファムカリウム:200
スクラロース:600
(酸味料)
好ましくは、アルコール飲料は、酸味料を含有する。酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
好ましくは、アルコール飲料におけるクエン酸に換算した酸度は、0.20g/100ml以上である。クエン酸に換算した酸度は、より好ましくは0.25~0.50g/100ml、更に好ましくは0.30~0.50g/100mlである。特に酸度が0.20g/100ml以上である場合、柑橘香味由来の劣化臭が多く発生するため、シトロネラールによる劣化臭マスキング効果が顕著にあらわれる。
尚、クエン酸に換算した酸度は、例えば、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号)の8頁、総酸(遊離酸)にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。詳細には、酸度は、以下の方法により測定できる。
試料1~50mlを正確に量りとり、水で適宜希釈する。これを、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pHメーターで8.2を終点とし、下記の式により算出する。
(数式1):酸度(%)=A×f×100/W×0.0064
A:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液による滴定量(ml)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
W:試料重量(g)
なお、数式1中、「0.0064」は、「0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mlに相当する無水クエン酸の重量(g)」である。
(その他)
アルコール飲料は、必要に応じて、上記以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分として、例えば、劣化臭生成抑制剤、劣化臭消臭剤、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、安定化剤、及び乳化剤等を挙げることができる。
アルコール飲料は、容器詰め飲料である。容器としては特に限定されるものではなく、例えば、金属性の缶、ガラス製のビン、及びプラスチックボトルなどが挙げられる。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、柑橘香味のアルコール飲料に、シトロネラールを30~3000ppb含有させる工程を含むものであればよく、特に限定されない。例えば、アルコール源となる蒸留酒に、シトラスフレーバーや柑橘果汁等の柑橘香味を付与する成分と、シトロネラールと、必要に応じてその他の成分とを添加し、必要に応じて加水する。更に、必要に応じてカーボネーションを行い、得られた液を容器に充填し、密封する。更に、必要に応じて、加熱殺菌を行う。これにより、アルコール飲料を得ることができる。
なお、シトロネラールは、単品として添加されてもよいし、山椒浸漬蒸留酒等のようにシトロネラールを含有する原料を添加することにより、飲料に含有されてもよい。
以下に、本発明をより具体的に説明するため、本発明者らによって行われた実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されて解釈されるべきものではない。
(試験1)シトロネラールを添加した、柑橘香味アルコール飲料の官能評価結果
表1に示す処方にて、醸造用アルコール(エタノール濃度95v/v%)、55%果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、およびシトラスフレーバーを混合し、ベース液を調製した。ベース液のアルコール度数(エタノール濃度)は、5.1v/v%であった。クエン酸換算の酸度は、0.30g/100mlであった。甘味度は、4.0であった。炭酸ガス圧は、2.3ガスボリューム(GV)であった。
シトラスフレーバーとしては、リモネンを3355ppm、シトラールを36222ppm含有するものを用いた。すなわち、ベース液中のリモネン含有量は、約1ppmであった。ベース液中のシトラールの含有量は、約11ppmであった。
調製したベース液に対して、シトロネラールを異なる量で添加し、サンプル1-1~1-7に係る飲料を得た。表2に、サンプル1-1~1-7の組成を示す。尚、サンプル1-1は、ベース液そのものである。
調製した飲料について、官能評価を行った。官能評価は、5名の訓練されたパネリストにより、柑橘由来の劣化臭味、好ましい果皮感、及び柑橘香味の総合評価について行った。具体的には、下記の通りの基準により、評価した。
「柑橘由来の劣化臭味」
各サンプルを65℃で3日保存した後の香味を評価した。尚、シトロネラール未添加のサンプル1-1を対照(評点0)とした。
+3点:対照よりかなり強い
+2点:対照より強い
+1点:対照よりやや強い
0点:対照と同程度
-1点:対照よりやや弱い
-2点:対照より弱い
-3点:対照よりかなり弱い
「好ましい果皮感」
サンプル1-1を対照として、以下の基準で評価した。
+3点:対照よりかなり強い
+2点:対照より強い
+1点:対照よりやや強い
0点:対照と同程度
-1点:対照よりやや弱い
-2点:対照より弱い
-3点:対照よりかなり弱い
「柑橘香味の総合評価」
サンプル1-1を対照として、以下の基準で評価した。
+3点:対象よりかなり良い
+2点:対象より良い
+1点:対象よりやや良い
0点:対象と同程度
-1点:対象よりやや悪い
-2点:対象より悪い
-3点:対象よりかなり悪い
結果をコメントともに表2に示す。表2に示されるように、サンプル1-1よりも、サンプル1-2~1-7の方が、柑橘由来の劣化臭味が弱く、好ましい果皮感が強かった。これにより、シトロネラールに、柑橘由来の劣化臭味をマスキングし、好ましい果皮感を強める効果があることが確認された。シトロネラールの添加量が10000ppb(10ppm)であるサンプル1-7においては、シトロネラール由来のスパイシーな香りが強くなり、柑橘香味の総合評価が低下した。これに対して、シトロネラールの含有量が30~3000ppbの範囲にあるサンプル1-2~サンプル1-6においては、サンプル1-7とは異なり、シトロネラール自体の味による影響も少なく、良好な総合評価が得られていた。
(試験2)山椒の検討
山椒40gを2000mLの45%アルコールに一昼夜浸漬し、山椒アルコール抽出液(A)を得た。
また、得られた山椒アルコール抽出液(A)を蒸留することで、山椒浸漬蒸留酒(B)を得た。
試験1で使用したベース液に、山椒アルコール抽出液(A)、及び山椒浸漬蒸留酒(B)をそれぞれ0.1v/v%添加し、香味を確認した。
その結果、山椒アルコール抽出液(A)の使用時には、山椒特有の刺激味と香りが付与され、柑橘感が損なわれていた。
一方で、山椒浸漬蒸留酒(B)を添加した場合は、山椒の香味はあまり感じられず、柑橘のフレッシュな香味が強く感じられて嗜好性が向上した。
すなわち、柑橘香味を有するアルコール飲料に、山椒浸漬蒸留酒を添加することにより、山椒の刺激臭や香味をあまり感じさせることなく、柑橘香味の嗜好性を高められることがわかった。
(試験3)山椒浸漬蒸留酒を使用した柑橘香味アルコール飲料の検討
試験2で得られた知見を利用して、山椒浸漬蒸留酒の使用量について検討した。
試験2で得られた山椒浸漬蒸留酒(B)は、シトロネラールを53ppmの濃度で含有していた。そこで、ベース液に対して、異なる量で山椒浸漬蒸留酒(B)を添加し、サンプル2-1~2-6に係る飲料を得た。表3に、サンプル2-1~2-6の組成を示す。尚、サンプル2-1は、ベース液そのものである。
そして、準備したサンプル2-1~2-6について、試験1と同様の基準により、官能評価試験を実施した。
表3に、官能評価の結果を得られたコメントとともに示す。
サンプル2-1に比べて、サンプル2-2~2-6においては、柑橘由来の劣化臭味が弱く、好ましい果皮感が強まっていた。また、総合評価についても、サンプル2-1よりもサンプル2-2~2-6の方が高かった。
Figure 2022180982000001

Figure 2022180982000002
Figure 2022180982000003

Claims (11)

  1. シトロネラールを含有する、柑橘香味の容器詰めアルコール飲料。
  2. シトロネラールの含有量が30~3000ppbである、請求項1に記載の容器詰めアルコール飲料。
  3. クエン酸に換算した酸度が0.20g/100ml以上である、請求項1又は2に記載の容器詰めアルコール飲料。
  4. 柑橘類果汁を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
  5. 山椒浸漬蒸留酒を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
  6. シトロネラールの少なくとも一部が前記山椒浸漬蒸留酒由来である、請求項5に記載の容器詰めアルコール飲料。
  7. アルコール含量が0.5v/v%以上、9v/v%以下である、請求項1から6のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
  8. 甘味度が1.0以上、7.0以下である、請求項1から7のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
  9. 炭酸飲料である、請求項1から8のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
  10. 柑橘香味のアルコール飲料に、シトロネラールを30~3000ppb含有させる工程を含むことを特徴とする、容器詰めアルコール飲料の製造方法。
  11. 柑橘香味のアルコール飲料に、シトロネラールを30~3000ppb含有させる工程を含むことを特徴とする、容器詰めアルコール飲料の香味改善方法。
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