JP2021048810A - 炭酸アルコール飲料及び炭酸アルコール飲料の香味及び飲み味を改善する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール由来の苦味、辛味、又は刺激性が抑制又は改善され、かつ、アルコール飲料(お酒)特有の香味や飲み味が付与された炭酸アルコール飲料の提供。【解決手段】炭酸アルコール飲料であって、イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを含んでなり、イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10〜2000ppbである、炭酸アルコール飲料。炭酸のガス圧は2.8GV以上であり、アルコールの含有量が6v/v%以上であることが好ましい。又、食用アルコールが醸造アルコールを含んでなり、醸造アルコール由来のアルコール分が、炭酸アルコール飲料全体のアルコール分に対して50%以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸アルコール飲料、特に、飲用アルコール由来の不快な苦味、辛味又は刺激感を抑制し又は改善し、アルコール飲料(お酒)本来の香味及び飲み味を付与、又は向上させた炭酸アルコール飲料、及び炭酸アルコール飲料の香味及び飲み味を改善する方法に関する。
炭酸アルコール飲料、例えば、焼酎ハイボール(酎ハイ)、炭酸カクテル飲料等の容器詰め炭酸アルコール飲料は、近年、喉越しの爽快さ、並びに、食事への相性の良さが重視される傾向があり、それに伴って、炭酸含有量が高く、アルコール濃度が高めで、他方、甘味が少ないといったものが主流になってきている。(容器詰め)炭酸アルコール飲料に用いられる飲用アルコールとしては、風味にクセがなく、安価である等の理由から、主として醸造アルコールが使用されている。
ところが、炭酸アルコール飲料において、飲用アルコール濃度を高めた場合、飲用時に飲用アルコール由来の不快な、苦味、辛味、及び鼻や喉への刺激感等を感じ易いことがある。この飲用アルコール由来の不快な、苦味、辛味、及び刺激感は、炭酸ガス圧が高い場合又は甘味が少ない場合に、より強く感じられる。また、飲用アルコールとして、醸造用アルコールを使用した場合にも、この不快な、苦味、辛味及び刺激感を強く感じる傾向がある。
他方、炭酸アルコール飲料は、消費者の嗜好に合致させるために、アルコール飲料(お酒)本来の、まろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等の固有の香味及び飲み味(風味、味わい、及び香り等)を実現することが要求される。
しかし、炭酸アルコール飲料に広く使用される醸造アルコールは、それ自体に固有の風味及び香味を殆ど有しないことから、炭酸アルコール飲料にアルコール(お酒)本来の香味及び飲み味を十分に付与することができないことがあった。特に、甘味が少なく、炭酸ガス圧が高く、及び/又はアルコール濃度が高い炭酸アルコール飲料では、アルコール飲料(お酒)本来の飲み味、特有の香味を十分に発揮させることが困難であった。
これに対して、特開2002−253199号公報(特許文献1)にあっては、アルコール飲料に酵母抽出物を添加することによって、アルコール由来の苦味、刺激及び喉への焼き付き感を改善させた炭酸アルコール飲料が提案されている。また、特開2016−036318号公報(特許文献2)にあっては、アルコール飲料にマンギュリンを添加することにより、アルコール由来の苦味及び刺激感を低減させたアルコール飲料が提案されている。さらには、特開2016−123290号公報(特許文献3)にあっては、アルコール飲料にヒアルロン酸を含有させることにより、アルコール刺激を抑制し、香味改善を行ったアルコール飲料が提案されている。
しかしながら、特許文献1乃至3で提案されている特定成分を炭酸アルコール飲料に添加してみたところ、確かに、アルコール由来の苦味及び刺激感を少なからず改善させることができたものの、アルコール飲料(お酒)本来の飲み味、特有の香味を十分に達成できるものではなかった。
特開2002−253199号公報 特開2016−036318号公報 特開2016−123290号公報
従って、今尚、飲用アルコール由来の苦味、辛味、又は刺激感を抑制し又は改善し、かつ、アルコール飲料(お酒)特有の、まろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等の香味及び飲み味を実現した、炭酸アルコール飲料の開発が要求されている。
よって、本発明者は、アルコール由来の苦味、辛味及び刺激性を抑制し又は改善し、かつ、アルコール飲料(お酒)本来の香味や飲み味を向上し改善するという両者の特質を高い次元で相乗的に両立させた炭酸アルコール飲料を開発すべきものと認識に至った。本発明は、係る認識に基づいてなされたものである。
〔本発明の一態様〕
本発明は、以下に例示する一態様により、本発明における課題を解決することができる。
〔1〕 炭酸アルコール飲料であって、
イソバレルアルデヒドと、
食用アルコールと、
炭酸とを含んでなり、
前記イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下であることを特徴とする、炭酸アルコール飲料。
〔2〕 前記炭酸のガス圧が2.8GV以上である、〔1〕に記載の炭酸アルコール飲料。
〔3〕 アルコールの含有量が6v/v%以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の炭酸アルコール飲料。
〔4〕 前記食用アルコールが醸造アルコールを含んでなり、
前記醸造アルコール由来のアルコール分が、前記炭酸アルコール飲料全体のアルコール分に対して50%以上である、〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
〔5〕 甘味度が5.0以下である、〔1〕〜〔4〕の何れか1項に記載の炭酸アルコール飲料。
〔6〕 容器詰め炭酸アルコール飲料であって、
〔1〕〜〔5〕の何れか一項に記載の炭酸アルコール飲料と、
容器とにより構成されてなる、容器詰め炭酸アルコール飲料。
〔7〕 炭酸アルコール飲料の製造方法であって、
イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、製造方法。
〔8〕 炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味を改善する方法であって、
イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善方法。
〔11〕 炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善剤であって、
イソバレルアルデヒドを含んでなり、
前記イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下である、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善剤。
本発明によれば、特定量のイソバレルアルデヒドを含有させることにより、炭酸アルコール飲料、特に、(高)炭酸(高)アルコール飲料において、アルコール由来の苦味、辛味、及び刺激性を抑制し又は改善し、並びに、アルコール飲料(お酒)特有の、まろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等の固有の香味及び飲み味の両方を相乗的に実現することができる。本発明は、上記固有の効果を発揮する炭酸アルコール飲料及びその製造方法並びに炭酸アルコール飲料の風味及び香味改善方法を提供することができる。
〔定 義〕
(イソバレルアルデヒド)
「イソバレルアルデヒド」は、構造式〔(CH32CHCH2CHO〕であり、分子量は86.13である。「イソバレルアルデヒド」は、バレルアルデヒドの構造異性体であって、下記化学式(1)で表される鎖状有機化合物であり、イソ吉草酸アルデヒド、3−メチルブタナール、3−メチルブチルアルデヒド等の別名を有する。「イソバレルアルデヒド」は、無色透明の液体であり、長期保存された日本酒に発生する不快臭の主要成分としても知られている。
Figure 2021048810
(食用アルコール、醸造アルコール)
食用アルコールは、食品衛生法などで定められた、飲食用のアルコール(エタノール)を言う。また、醸造アルコールとは、食用アルコールに属し、米、サツマイモ、トウモロコシ等のでんぷん質物、又は糖蜜等の含糖質物を原料として発酵させ、連続式蒸留機で蒸留したアルコールを言う。
(アルコール飲料)
「アルコール飲料」は、酒税法で「アルコール分一度以上の飲料」と定義されており、食品衛生法でも食品として扱われ、当該法律の適用を受けるものである。「アルコール飲料」としては、醸造酒、蒸留酒、その他の酒類、又はこれらの一種又は二種以上の混合酒が含まれる。なお、酒税法に定義されている通り、「アルコール分」とは、温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。「アルコール度数」とは、アルコール飲料に対するエタノールの体積濃度を百分率(%)で表した割合である。
(純アルコール換算)
「純アルコール換算」とは、アルコール飲料(1l:「リットル」)に含まれる特定成分(mg)の濃度(mg/l)=ppm)を、このアルコール飲料のアルコール度数(v/v%)で割って、アルコール度数(v/v%)当たりの数値に換算したものをいう。例えば、特定のアルコール飲料〔アルコール度数が10(v/v%)〕に、特定の香気成分が50ppmで含まれていた場合、特定の香気成分の含有量は、純アルコール換算で、〔50ppm÷(10÷100)〕=500ppmとなる。
(ガスボリューム)
「ガスボリューム」とは、標準状態における容器詰炭酸アルコール飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比をいう(単位として、GVを使用する)。実際には、標準状態(1気圧、25℃)において、1lの液体に1lの炭酸ガスが溶存している場合に1GVガスボリュームという。「ガスボリューム」は、炭酸アルコール飲料試料を標準状態(1気圧、25℃)として安定させた後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値として得ることができる。
(甘味度)
「甘味度」とは、スクロースを標準物質とし、特定濃度のスクロースと同等の甘味強度を示す濃度の比率又は他の同一条件で求めたスクロースの閾値との比率によって判定される数値である。具体的には、特定濃度のスクロースの甘味度を「1」とした際、同一の測定条件において、測定対象物質の甘味度の値として表すことができ、例えば、同一の甘味であれば、測定対象物質の甘味度は「1」と表すことができる。具体的には、物質Aが、甘味度が「10」という場合は、特定濃度のスクロースと、その1/10濃度の物質Aの甘味度が同等ということである。「甘味度」は、精糖工業会発行「甘味料の総覧」(1990年5月発行)及び株式会社光琳発行「高甘味度甘味料スクラロースのすべて」(2003年5月発行)に記載されている値を採用する。
〔炭酸アルコール飲料〕
本発明の一態様として、炭酸アルコール飲料であって、特定含有量のイソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを必須成分として含有してなる、炭酸アルコール飲料を提案する。
(イソバレルアルデヒド)
炭酸アルコール飲料は、特定量のイソバレルアルデヒドを含んでなる。イソバレルアルデヒドを特定量で含有することにより、アルコール由来の苦味、辛味、及び刺激性を抑制し、改善し又は低減し、並びに、アルコール飲料(お酒)特有の、まろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等の固有の香味及び飲み味との両方を相乗的に高い次元において実現することができる。また、アルコール由来の苦味、辛味、及び刺激味を抑制し、改善し又は低減することにより、炭酸アルコール飲料に、甘さ、コク、及び重厚感を付与することが可能となる。その結果、高次元において、アルコール由来の不快な苦味、辛味、及び刺激性を抑制し、改善し又は低減させ、かつ、アルコール(お酒)本来の香味及び飲み味を実現させた、炭酸アルコール飲料を提供することが可能となる。
〈含有量〉
炭酸アルコール飲料中、イソバレルアルデヒドの含有量は、下限値として、純アルコール換算で10ppb以上であり、好ましくは、20ppb以上であり、上限値として、純アルコール換算で、2000ppb以下であり、より好ましくは1000ppb以下である。
イソバレルアルデヒドの含有量が上記範囲内にあることにより、アルコール由来の苦味、辛味、及び刺激感を抑制し、改善し、及び、アルコール飲料(お酒)特有の、まろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等の固有の香味及び飲み味との両方を相乗的に高い次元において実現することができる。
イソバレルアルデヒドは、これを有意量含有した植物等又は当該植物等からの抽出物、化学合成物が好ましくは利用される。また、イソバレルアルデヒドは、食品化学的に許容される手法によって化学合成されたものであってよい。抽出又は化学合成は、食品衛生法によって許容される方法で行なう。
(食用アルコール)
炭酸アルコール飲料に使用する食用アルコールは、その種類を問わないが、その一部又は全部を醸造アルコールとするのが好ましい。醸造アルコール由来のアルコール分は、前記炭酸アルコール飲料中のアルコール分全体に対して、好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上である。
〈アルコール含有量〉
炭酸アルコール飲料は、好ましくは、アルコール含有量が、炭酸アルコール飲料全量に対して、下限値が4v/v%以上であり、好ましくは6v/v%以上であり、上限値は20v/v%以下であり、好ましくは10v/v%以下である。アルコール度数が上記範囲内にあることによって、特定含有量のイソバレルアルデヒドを添加することによる効果をより発揮させることが可能となる。
(炭酸(水))
炭酸(水)は、飲料業界で一般に製造されるものを使用することができる。炭酸(水)は、一般に、炭酸飽和という手法で、炭酸アルコール飲料に、必要に応じて室温以下に冷却し、炭酸ガスを加圧することにより製造することが可能である。本発明にあっては、アルコール飲料を調整した後に、当該炭酸飽和という手法によって炭酸アルコール飲料としてもよい。また、炭酸(水)は、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)を飲料水に溶解して炭酸水として調製し使用してもよい。また、この調製した炭酸水を上記炭酸飽和に更に施してもよい。
〈ガスボリューム:GV〉
炭酸アルコール飲料におけるガスボリュームは、適宜規定することが可能であるが、下限値は2.8GV以上であり、好ましくは3.0GV以上であり、より好ましくは3.2GV以上であり、上限値は4.5GV以下であり、好ましくは4.0GV以下とすることができる。ガスボリュームが上記範囲内にあることによって、特定含有量のイソバレルアルデヒドを添加することによる効果をより発揮させることが可能となる。
(任意成分)
炭酸アルコール飲料は、必要に応じて、任意成分を含んでなるものであってよい。任意成分として、色素、野菜汁、果汁、エキス、香料、甘味料、酸味料、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、旨み成分、食物繊維、安定化剤、乳化剤を含有することが可能である。これらは、厚生労働省、消費者庁等において定められたガイドライン及び関連法規(食品衛生法等)に規定されたものを用いる。
〈甘味度〉
炭酸アルコール飲料における甘味度は、5.0以下であり、好ましくは、3.0以下、より好ましくは1.0以下である。甘味度が上記範囲内にあることによって、特定含有量のイソバレルアルデヒドを添加することによる効果をより発揮させることが可能となる。
〈野菜汁又は果汁:無含有〉
本発明の炭酸アルコール飲料は、野菜汁又は果汁を含んでもよい、好ましくは野菜汁又は果汁を含まないものがよい。
〈酸味料〉
酸味料の具体例としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸(三)ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸及びこれらの塩(カリウム塩、ナトリウム塩)が挙げられる。酸味料は、pH調整剤としても使用可能である。
(炭酸アルコール飲料の物性)
〈pH〉
炭酸アルコール飲料のpHは、2.0以上、好ましくは2.5以上であり、5.0以下、好ましくは4.0以下である。透明飲料のpHを上記範囲内にあることにより、炭酸アルコール飲料の飲みやすさ、甘味を付与すると共に、炭酸アルコール飲料に対して長期間の保存安定性、防黴性又は防菌性を付与することが可能となる。pH値は、例えば、JIS Z 8802:2011に準じて測定することができ、また、pH値は、pH測定器(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製 TTT−510)によって測定されてよい。
〔容器詰め炭酸アルコール飲料〕
本発明の一態様として、容器詰め炭酸アルコール飲料であって、
本発明による上記炭酸アルコール飲料と、
容器とにより構成されてなる、容器詰め炭酸アルコール飲料を提案することが可能である。
容器詰めすることにより、上記した本発明による効果をより高度に実現することが可能となり、並びに、炭酸アルコール飲料の提供利便性、流通利便性、保存性、品質劣化防止を図ることが可能となる。
容器は、内容物が漏洩しない材料であれば、ビニール、プラスチック、ガラス、金属、紙、木又は皮等で、様々な形状で形成された容器に詰めることができる。より好ましい態様によれば、容器の内外に、光、熱、酸素、紫外線等を遮断するための素材(たとえば、着色又は機能性フィルム、金属箔)を備えたものであってよい。本発明にあっては、PETボトル又はスチール缶等に本発明による炭酸アルコール飲料を充填したものとして実現することが可能である。
〔炭酸アルコール飲料の製造方法〕
本発明の一態様として、本発明による炭酸アルコール飲料を製造する方法であって、
イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、炭酸アルコール飲料の製造方法を提案する。
〔炭酸アルコール飲料の飲み味及び香味の改善方法〕
本発明の一態様として、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味を改善する方法であって、
イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善方法を提案する。
〔炭酸アルコール飲料用の飲み味、香味改善剤〕
本発明の一態様として、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味であって、
イソバレルアルデヒドを含んでなり、
前記イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下である、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善剤を提案する。
本発明による炭酸アルコール飲料の製造方法、飲み味及び香味改善方法、飲み味及び香味改善剤にあっては、原料〔イソバレルアルデヒド、飲用アルコール(エタノール)、炭酸(水)〕等については、本発明による〔炭酸アルコール飲料〕の項で説明したのと同様であってよい。また、これらの本発明による態様もまた、本発明による効果を高い次元において達成することができるものである。
以下の実施例により、本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記実施例に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施例は、本発明の実施態様の一例を示すものであるが、これら実施例により当業者は本発明の全ての範囲について容易に実施することができること当然に理解するものである。
〔調整及び評価試験1〕
(イソバレルアルデヒド添加した高炭酸アルコール飲料の官能評価試験)
(表1)に示す処方のアルコール飲料ベース液1〔対照例(比較例1)〕に、0〜500ppbのイソバレルアルデヒドを添加し、炭酸ガス圧を2.8ガスボリュームになるようにガス添加した飲料サンプルを作成して、4名の訓練されたパネリストにより、下記の方法で官能評価した。結果を〔表2〕に示す。
Figure 2021048810
1.評価試験内容
(試験1)アルコール由来の苦味を1〜5点で評価、
(試験2)アルコール由来の刺激感を1〜5点で評価
(試験3)お酒らしいまろやかな飲み味を1〜5点で評価
(試験4)お酒らしい戻り香のふくよかさを1〜5点で評価
(試験5)炭酸アルコール飲料としての味覚の総合的な良さを1〜5点で評価
2.評価基準
(1) 対照例(比較例1)を(評点3)とし、(試験1)〜(試験4)については、以下の5段階で評価し、4人の平均値を評価点とした。
5点:対象より強い
4点:対象よりやや強い
3点:対象と同程度
2点:対象よりやや弱い
1点:対象より弱い
(2) (試験5)については、以下の5段階で評価し、4人の平均値を評価点とした。
5点:対象より良い
4点:対象よりやや良い
3点:対象と同程度
2点:対象よりやや悪い
1点:対象より悪い
Figure 2021048810
(評価結果1)
上記〔表2〕の通り、本発明による実施例1〜5は、対照例と比較し、試験1から試験4のいずれの評価もより優れている(すなわちアルコール由来の苦味、刺激感が低下し、お酒らしい飲み味、香味が高まる)結果となった。
比較例2は、刺激臭、ムレ臭、エグ味を強く感じ、炭酸アルコール飲料として不向きなものと判断された。
〔調整及び評価試験2〕
(甘味度が異なる場合の官能評価結果)
(表3)の飲料ベース液2(表1のベース液から果糖ブドウ糖液糖を除いたもの)に、イソバレルアルデヒドを10ppb及び、果糖ブドウ糖液糖を濃度を変えて添加し、炭酸ガス圧を2.8ガスボリュームになるようにガス添加した飲料サンプルを作製した。上記サンプルにつき、試験1で作製した対照例1(イソバレルアルデヒド非含有、果糖ブドウ糖液糖10g/1000ml含有)を対照(官能試験評点3.0)として、試験1と同様の方法で官能試験を実施した。結果を(表4)に示す。
Figure 2021048810
Figure 2021048810
(評価結果2)
上記〔表4〕の通り、甘味度が5.0以下で、イソバレルアルデヒドを添加(10ppb)した場合には、添加しない場合と比較して、アルコール由来の不快な苦味、刺激感が軽減されるとともに、お酒らしいまろやかな味感、ふくよかな戻り香が高まり、飲料としての総合評価が高まった。
果糖ぶどう糖液糖で甘味度が10.0に調整された比較例4は、イソバレルアルデヒドを添加(10ppb)しても、甘重さが目立ち、飲料としてのバランスが悪かった。
〔総合評価〕
上記試験結果により、炭酸アルコール飲料に、イソバレルアルデヒドを特定量で含有することにより、アルコール由来の苦味、辛味、及び刺激感を抑制し、且つまろやかな風味、ふくよかな香味(特に、ふくよかな戻り香)、コク感、旨味、熟成感等のアルコール飲料(お酒)本来の飲み味の両方を相乗的に高い次元において実現することができることが理解された。
また上記イソバレルアルデヒドの添加効果は、従来、お酒本来の香味及び飲み味を十分に付与することが難しかった甘味度の低い炭酸アルコール飲料で特に顕著であった。

Claims (9)

  1. 炭酸アルコール飲料であって、
    イソバレルアルデヒドと、
    食用アルコールと、
    炭酸とを含んでなり、
    前記イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下であることを特徴とする、炭酸アルコール飲料。
  2. 前記炭酸のガス圧が2.8GV以上である、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  3. アルコールの含有量が、6v/v%以上である、請求項1又は2に記載の炭酸アルコール飲料。
  4. 前記食用アルコールが醸造アルコールを含んでなり、
    前記醸造アルコール由来のアルコール分が、前記炭酸アルコール飲料全体のアルコール分に対して50%以上である、請求項1〜3の何れか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
  5. 甘味度が5.0以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
  6. 容器詰め炭酸アルコール飲料であって、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の炭酸アルコール飲料と、
    容器とにより構成されてなる、容器詰め炭酸アルコール飲料。
  7. 炭酸アルコール飲料の製造方法であって、
    イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
    前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
    前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、製造方法。
  8. 炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味を改善する方法であって、
    イソバレルアルデヒドと、食用アルコールと、炭酸とを用意し、
    前記イソバレルアルデヒドと、前記食用アルコールと、前記炭酸とを混合し、
    前記イソバレルアルデヒドの含有量を純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下としてなることを含んでなる、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善方法。
  9. 炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善剤であって、
    イソバレルアルデヒドを含んでなり、
    前記イソバレルアルデヒドの含有量が純アルコール換算で10ppb以上2000ppb以下である、炭酸アルコール飲料用の飲み味及び香味改善剤。
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