JP2024017582A - アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法 - Google Patents

アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レモン感と余韻感とが増強したアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るアルコール飲料は、酸度が0.25w/v%以上のアルコール飲料であって、テルピネン-4-オールの含有量が2.0ppm以上である。本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、酸度を0.25w/v%以上とし、テルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含む。本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、酸度が0.25w/v%以上であるアルコール飲料のレモン感と余韻感とを増強する香味向上方法であって、前記アルコール飲料のテルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法に関する。
アルコールを含有するアルコール飲料については、これまでにも、飲料の香味に着目した様々な発明が創出されている。
例えば、特許文献1には、容器詰め炭酸飲料であって、前記飲料の炭酸ガス圧が1.9~5.0kgf/cmであり、前記飲料のpHが3.5以上5.0未満であり、前記飲料のアルコール含有量が1~16v/v%であり、前記飲料のナトリウム含有量が60~600mg/100mLであり、前記飲料の酸度(クエン酸換算)が0.41g/100mL以上であり、そして前記飲料のナトリウム含有量に対するカリウム含有量の重量比(K/Na)が0.001~0.1である炭酸飲料が開示されている。
特開2022-046633号公報
特許文献1に係る発明は、酸度が0.41g/100mL以上の酸度のアルコール飲料であって、炭酸の刺激を軽減することを目的とした発明である。
一方、本発明者らは、酸度が所定値以上であるアルコール飲料について、リアルなレモンの香味が感じられる飲料、言い換えると、レモン感(厳密には、レモンの果皮感)が増強した飲料を創出したいと考えた。
また、酸度が所定値以上であるアルコール飲料(酸味を特徴としたアルコール飲料)は、爽快感やスッキリ感は発揮できるものの、後味における余韻が乏しいことから、本発明者らは、余韻の点において改善の余地があると考えた。
つまり、本発明者らは、酸度が所定値以上であるアルコール飲料について、レモン感を増強させ、かつ、余韻感も増強させることができれば、これまでにない香味特徴を呈するアルコール飲料を提供できるのではないかと考えた。
そこで、本発明は、レモン感と余韻感とが増強したアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)酸度が0.25w/v%以上のアルコール飲料であって、テルピネン-4-オールの含有量が2.0ppm以上であるアルコール飲料。
(2)ノナナールを含有する前記1に記載のアルコール飲料。
(3)エキス分が2.0w/v%以上である前記1又は前記2に記載のアルコール飲料。
(4)レモンテイスト飲料である前記1から前記3のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(5)アルコール飲料の製造方法であって、酸度を0.25w/v%以上とし、テルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
(6)酸度が0.25w/v%以上であるアルコール飲料のレモン感と余韻感とを増強する香味向上方法であって、前記アルコール飲料のテルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
本発明に係るアルコール飲料は、レモン感と余韻感とが増強している。
本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、レモン感と余韻感とが増強したアルコール飲料を製造することができる。
本発明に係るアルコール飲料の香味向上方法は、酸度が所定値以上のアルコール飲料について、レモン感と余韻感とを増強することができる。
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[アルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、酸度が所定値以上のアルコール飲料であって、テルピネン-4-オールの含有量が所定値以上の飲料である。また、本実施形態に係るアルコール飲料は、ノナナールを含有していてもよい。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、例えば、チューハイテイスト飲料が挙げられる。そして、このチューハイテイスト飲料とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
そして、本実施形態に係るアルコール飲料は、レモン感を増強させることから、レモンテイスト飲料(レモンの香味を呈するように香味設計された飲料)に適用するのが好ましい。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
(テルピネン-4-オール)
テルピネン-4-オール(Terpinen-4-ol)とは、化学式C1018Oで表されるモノテルペンアルコールの一種である。
そして、本発明者らは、劣化臭を呈する物質として知られているテルピネン-4-オールを、酸度が所定値以上のアルコール飲料に含有させることによって、驚くべきことに「レモン感」を増強させるだけでなく、「余韻感」をも増強させることを見出した。
また、本発明者らは、テルピネン-4-オールによって、アルコール飲料の「爽快感」、「渋味、雑味」も増強できることを見出した。
テルピネン-4-オールの含有量は、2.0ppm以上が好ましく、2.2ppm以上、2.3ppm以上、2.4ppm以上、2.5ppm以上、2.6ppm以上、2.7ppm以上、2.8ppm以上、2.9ppm以上がより好ましい。テルピネン-4-オールの含有量が所定値以上であることによって、アルコール飲料のレモン感、余韻感を増強させるとともに、爽快感、渋味、雑味も増強させることができる。
テルピネン-4-オールの含有量は、20.0ppm以下が好ましく、15.0ppm以下、12.0ppm以下、10.0ppm以下、7.0ppm以下、5.0ppm以下がより好ましい。テルピネン-4-オールの含有量が所定値以下であることによって、劣化臭が強くなって総合評価(香味の評価)が低下してしまうといった事態を回避することができる。
なお、本明細書において、「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
(ノナナール)
ノナナール(nonanal)とは、化学式C18Oで表されるアルデヒドの一種であり、ペラルゴンアルデヒドとも呼ばれる。
そして、本発明者らは、テルピネン-4-オールを含有するアルコール飲料に、ノナナールを含有させることによって、テルピネン-4-オールが発揮する各効果(レモン感の増強効果、余韻感の増強効果、爽快感の増強効果、渋味、雑味の増強効果)を更に強めることができることを見出した。
ノナナールの含有量は、0.01ppm以上が好ましく、0.04ppm以上、0.05ppm以上、0.08ppm以上、0.10ppm以上、0.15ppm以上、0.20ppm以上、0.23ppm以上、0.25ppm以上がより好ましい。ノナナールの含有量が所定値以上であることによって、テルピネン-4-オールが発揮させる各効果(レモン感の増強効果、余韻感の増強効果、爽快感の増強効果、渋味、雑味の増強効果)を更に強めることができる。
ノナナールの含有量は、5.00ppm以下が好ましく、3.00ppm以下、2.00ppm以下、1.20ppm以下、1.00ppm以下、0.70ppm以下、0.50ppm以下、0.33ppm以下、0.30ppm以下、0.28ppm以下、0.27ppm以下がより好ましい。ノナナールの含有量が所定値以下であることによって、薬品感が強くなって総合評価(香味の評価)が低下してしまうといった事態を回避することができる。
アルコール飲料のテルピネン-4-オール、又は、ノナナールの含有量は、例えば、以下に記載の方法によって測定することができる。
具体的に、あらかじめNaClを添加したサンプルに2倍量のジクロロメタンと、内部標準液を添加し、15分間振とうして抽出する(添加する内部標準成分はテルピネン-4-オール、又は、ノナナールと挙動が似ている成分を選択し、特に安定同位体でラベルした成分を用いることが好ましい)。遠心して2層に分離した後、有機溶媒相を回収して硫酸ナトリウムで脱水し、そのままもしくは適宜濃縮したものをGC/MSにより分析する。
例えば、以下のような条件で分析できる。
・分析機器:8890 GC、5977B MSD(Agilent Technologies)
・カラム:InertCap(登録商標)Pure‐WAX、30m(長さ)×0.25mm(内径)、0.25μm(膜厚)(GLサイエンス)
・注入量 1μL
・線速度:37cm/sec
・キャリアガス:ヘリウム
・注入口温度:250℃
・注入モード:スプリットレス
・オーブン温度:40℃(3分)→5℃/分→250℃(5分)
・MS検出器:SIMモード
上述の溶媒抽出-GC-MS法においては、試料にテルピネン-4-オール、又は、ノナナールの標準液を別途添加して作成した検量線を使用する標準添加法により定量することが好ましい。また、夾雑物質の影響を受ける場合は、カラムの種類や長さ、オーブンの温度プログラムからなる群より選択される1以上の条件を適宜変更すること、及び/又は、GC/MS/MS又は2次元GC/MSを使用することが好ましい。
(酸度)
本実施形態に係るアルコール飲料の酸度(クエン酸換算の酸度)は、以下のとおりである。
酸度は、0.25w/v%以上であり、0.30w/v%以上、0.35w/v%以上、0.40w/v%以上、0.45w/v%以上、0.50w/v%以上が好ましい。酸度が所定値以上であることによって、前記したテルピネン-4-オールに基づく各効果(特に、レモン感の増強効果)をしっかりと発揮させることができる。
酸度は、3.00w/v%以下が好ましく、2.00w/v%以下、1.00w/v%以下、0.70w/v%以下、0.60w/v%以下がより好ましい。酸度が所定値以下であることによって、アルコール飲料としての香味のバランスをより良くすることができる。
なお、本明細書における酸度(クエン酸換算の酸度:クエン酸相当量として換算した酸度の値)は、果実飲料の日本農林規格(令和元年6月27日農林水産省告示第475号)に定められた方法で求めることができる。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「重量(g)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すればよい。
また、酸度は、後記の酸味料などの含有量によって調整することができる。
(エキス分)
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分は、以下のとおりである。
エキス分は、2.0w/v%以上が好ましく、2.3w/v%以上、2.5w/v%以上、3.0w/v%以上、4.0w/v%以上、5.0w/v%以上、6.0w/v%以上、6.3w/v%以上がより好ましい。エキス分が所定値以上であることによって、前記したテルピネン-4-オールに基づく各効果(特に、レモン感の増強効果、余韻感の増強効果)をよりしっかりと発揮させることができる。
エキス分は、20.0w/v%以下が好ましく、17.0w/v%以下、15.0w/v%以下、12.0w/v%以下、10.0w/v%以下がより好ましい。エキス分が所定値以下であることによって、アルコール飲料としての香味のバランスをより良くすることができる。
なお、アルコール飲料のエキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出した値、すなわち、温度15℃において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数(g/100cm)に基づいて測定することができる。
そして、アルコール飲料のエキス分は、後記の甘味料などの含有量によって調整することができる。
(エキス分/酸度)
本実施形態に係るアルコール飲料のエキス分と酸度は、前記した数値範囲内となっていればよいが、「エキス分(w/v%)/酸度(w/v%)」は、以下のとおりである。
エキス分/酸度は、例えば、1.00以上が好ましく、1.50以上、1.81以上、3.00以上、4.00以上、4.72以上、6.00以上、8.00以上、10.00以上、11.89以上がより好ましい。また、エキス分/酸度は、30.00以下が好ましく、28.30以下、25.00以下、20.00以下、18.87以下がより好ましい。
(甘味度)
本実施形態に係るアルコール飲料は、前記したエキス分の数値範囲を満たす代わりに、飲料の甘味度(ショ糖換算)が以下のようになっていてもよい。
甘味度(ショ糖換算)は、1.7以上が好ましく、2.0以上、2.3以上、3.0以上、4.3以上、5.6以上、7.0以上、7.4以上がより好ましい。甘味度が所定値以上であることによって、前記したテルピネン-4-オールに基づく各効果(特に、レモン感の増強効果、余韻感の増強効果)をしっかりと発揮させることができる。
甘味度(ショ糖換算)は、25.7以下が好ましく、21.7以下、19.0以下、15.0以下、12.3以下がより好ましい。甘味度が所定値以下であることによって、アルコール飲料としての香味のバランスをより良くすることができる。
甘味料は、例えば、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖といった異性化液糖や、果糖(フルクトース)、ブドウ糖(グルコース)、ガラクトースといった単糖類、ショ糖(スクロース)、マルトース、ラクトースといった二糖類、アセスルファムK、ネオテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームといった高甘味度甘味料、さらには、オリゴ糖、糖アルコールなどが含まれる。なお、果糖ブドウ糖液糖とは、「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖」(JAS0208:2019)に規定されているとおりであって、果糖含有率が50%以上90%未満のものである。
飲料の「甘味度(ショ糖換算)」とは、飲料の甘味の強さを表す指標である。
具体的には、飲料の甘味度(ショ糖換算)は、「飲料における甘味料の含有量(w/v%)」に対して「ショ糖の甘味度(100)」と「甘味料の甘味度/ショ糖の甘味度(100)」を乗じることにより算出したパーセント値を数値として表せばよい。例えば、マルトースを1.0w/v%含有する飲料の場合、「1.0w/v%」に対して「100」(=ショ糖の甘味度)と「33/100」(=マルトースの甘味度/ショ糖の甘味度)を乗じて得られた33w/v%を数値として表した「0.33」がショ糖換算の甘味度となる。
なお、各甘味料の甘味度については、例えば、果糖ブドウ糖液糖:100、ブドウ糖果糖液糖:80、果糖:150、ブドウ糖:75、ラクトース:16、ガラクトース:32、マルトース:33、ショ糖:100、アセスルファムK:20000、スクラロース:60000、ネオテーム:1000000、サッカリンナトリウム:50000、ステビア:25000という値を用いればよい。また、オリゴ糖の甘味度については、フラクトオリゴ糖:45、ガラクトオリゴ糖:20、キシロオリゴ糖:45、乳果オリゴ糖:60、ラフィノース:20、イソマルトオリゴ糖:30、大豆オリゴ糖:70という値を用い、糖アルコールの甘味度については、ソルビトール:65、マンニトール:60、マルチトール:85、キシリトール:60、還元パラチノース:45、エリスリトール:75という値を用いればよい。また、飲料中の甘味料の含有量については、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定することができる。
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有している。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム等のスピリッツ、及び、原料用アルコール等)、リキュール類、焼酎等、さらには清酒、果実酒、ビール等の醸造酒を使用することができ、これらの中でも、特に、蒸留酒であるウォッカ、原料用アルコールのうちの1種以上が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数は、1v/v%以上であるのが好ましく、3v/v%以上、4v/v%以上、5v/v%以上であるのがより好ましい。また、アルコール度数は、12v/v%以下であるのが好ましく、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下であるのがより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計・ガスクロマトグラフ分析法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性のもの、つまり、炭酸飲料であるのが好ましい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧(全圧)が0.049MPa以上であることをいい、0.10MPa以上が好ましく、0.15MPa以上、0.19MPa以上がより好ましく、また、1.00MPa以下が好ましく、0.50MPa以下、0.30MPa以下、0.25MPa以下がより好ましい。
なお、本実施形態に係る飲料の20℃におけるガス圧(全圧)は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)「8-3ガス圧」に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよいし、当然、含有しなくてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係るアルコール飲料は、仮に、チューハイテイスト飲料とする場合、フルーツフレーバー(フルーツ様の香りを付与するフレーバー)、果汁(果実を搾った汁)、果実エキス(果実又は果汁から水やアルコールなどを用いて当該果実の有効成分を抽出した抽出物)を含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
果汁の由来となる果実(および、果実フレーバーや果実エキスの果実種)は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃、さくらんぼ(黄桃)等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、アップル、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
なお、本発明の各効果は、フレーバー・果汁・果実エキスの香味タイプや香味の強弱から大きな影響は受けず、少なくとも、当該各効果が消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは前記のとおり多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。
本実施形態に係るアルコール飲料が果汁を含有する場合、果汁の含有量は、例えば、1%以上、2%以上、3%以上であり、10%以下、8%以下、5%以下である。
なお、果汁の含有量は、「含有量(果汁率換算)%(詳細には、w/w%)」=「飲料100g中への果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」/100g×100により算出することができる。ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、例えば、酸度が9%のレモン果汁を用いた場合、果実飲料の日本農林規格(令和元年6月27日農林水産省告示第475号)の別表4によるとレモンの基準酸度は4.5%であるから、このレモン果汁は、2倍濃縮のレモン果汁となる。
(容器詰めアルコール飲料)
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、レモン感と余韻感とが増強している。
また、本実施形態に係るアルコール飲料は、爽快感が増強するとともに、渋味、雑味も増強している。
[アルコール飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、テルピネン-4-オール、ノナナール、酸味料、甘味料、アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、テルピネン-4-オールなどの含有量や酸度などの指標が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料(Ready To Drink)などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、レモン感と余韻感とが増強したアルコール飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法によると、爽快感が増強するとともに、渋味、雑味も増強したアルコール飲料を製造することができる。
[アルコール飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法は、酸度が所定値以上のアルコール飲料について、レモン感と余韻感とを増強する香味向上方法であって、テルピネン-4-オールの含有量を所定値以上とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、アルコール飲料のレモン感と余韻感とを増強させることができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、アルコール飲料の爽快感を増強させるとともに、渋味、雑味も増強させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表1~3の各サンプルは、表に示す量となるように、ウォッカ、テルピネン-4-オール、ノナナール、甘味料(果糖ブドウ糖液糖、ショ糖)、酸味料(クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム)、ビタミンC、ルチン香料、炭酸水、純水を適宜配合してサンプルを準備した。
なお、表1~3の各サンプルの酸味料、ビタミンC、ルチン香料については、それぞれ、各サンプル間で同じ含有量とし、表1~3の各サンプルのエキス分は、果糖ブドウ糖液糖によって調整した。そして、表3のサンプル3-2のみ、レモン果汁を含有させた。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が下記評価基準に則って「レモン感」、「爽快感」、「渋味、雑味」、「余韻感」、「総合評価」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
(レモン感:評価基準)
レモン感の評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「レモン感が弱い」場合を1点、「レモン感が強い」場合を5点と評価した。そして、レモン感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「レモン感」とは、具体的には、レモンの果皮感であって、アルコール飲料に適合するような果皮の苦味を備えたレモン様の香味である。
(爽快感:評価基準)
爽快感の評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「爽快感が弱い」場合を1点、「爽快感が強い」場合を5点と評価した。そして、爽快感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「爽快感」とは、ハーバルなグリーン感であって、ハーブや青みの有るレモンが呈するような爽やかな緑を想起させる香味である。
(渋味、雑味:評価基準)
渋味、雑味の評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「渋味と雑味が弱い」場合を1点、「渋味と雑味が強い」場合を5点と評価した。そして、渋味、雑味については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「渋味、雑味」とは、アルコール飲料においてリアルなレモン様の香味とするために必要となる渋味や雑味であって、本発明においては、ポジティブな香味特性として判断している。
(余韻感:評価基準)
余韻感の評価は、サンプル1-1の1点を基準とし、「余韻感が弱い」場合を1点、「余韻感が強い」場合を5点と評価した。そして、余韻感については、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「余韻感」とは、アルコール飲料を飲んだ後に口腔内に残る後引きのある香味であって、この香味を強く、長く感じるほど、余韻感の点数が高くなる。
(総合評価:評価基準)
総合評価については、基準点を設けず、「飲料としての総合評価が悪い」場合を1点、「飲料としての総合評価が良い」場合を5点と評価した。
ここで、「飲料としての総合評価」は、アルコール飲料としての香味のバランスで評価しており、例えば、特定成分に基づく香味が強く感じられることで香味のバランスが崩れている場合は、悪いとの評価となる。
表に、各サンプルの含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。そして、表に示す各成分の数値および指標は、最終製品における含有量および指標である。
なお、表の酸度は、クエン酸換算値であり、甘味度は、ショ糖換算値であり、果汁(レモン果汁)の含有量は、果汁率換算値であり、ガス圧は、20℃におけるガス圧(全圧)である。
Figure 2024017582000001
Figure 2024017582000002
Figure 2024017582000003
(結果の検討)
表1は、テルピネン-4-オールの含有量を変化させた結果を示す。
表1のサンプル1-1~1-7の結果から、テルピネン-4-オールを所定値以上含有させることによって、「レモン感」の点数が上昇し(2点以上となり)、「余韻感」の点数が上昇する(2.5点以上となる)ことが確認できた。
また、テルピネン-4-オールを所定値以上含有させることによって、「爽快感」の点数が上昇し(2点以上となり)、「渋味、雑味」の点数が上昇する(2点以上となる)ことも確認できた。
ただ、テルピネン-4-オールの含有量が多過ぎると、劣化臭が感じられることから、総合評価の点数が低下してしまうことも確認できた。
表2は、テルピネン-4-オールの含有量を固定し、ノナナールの含有量を変化させた結果を示す。
表2のサンプル2-1~2-7の結果から、ノナナールの含有量を増加させるにしたがって、「レモン感」、「余韻感」、「爽快感」、「渋味、雑味」の点数が徐々に上昇することが確認できた。
この表2の結果から、ノナナールによって、テルピネン-4-オールが発揮する各効果(レモン感の増強効果、余韻感の増強効果、爽快感の増強効果、渋味、雑味の増強効果)を強めることが確認できた。
表3のサンプル3-1、3-2は、果汁の有無を変化させた結果を示す。
果汁を含有させたサンプル3-2は、果汁を含有させていないサンプル3-1よりも「レモン感」が強くなった。
しかしながら、「余韻感」、「爽快感」、「渋味、雑味」については、サンプル3-1とサンプル3-2との間で大きな差は確認できなかった。つまり、「余韻感」、「爽快感」、「渋味、雑味」に関する効果は、果汁に起因するものではなく、本発明で着目しているテルピネン-4-オールやノナナールによって発揮される効果であることが確認できた。
表3のサンプル4-1~4-5は、エキス分を変化させた結果を示す。
表3のサンプル4-1~4-5の結果から、エキス分が多くなるほど(エキス分/酸度が大きくなるほど、また、甘味度が大きくなるほど)、「レモン感」、「余韻感」、「爽快感」、「渋味、雑味」の点数が高くなり、特に「レモン感」と「余韻感」の点数が顕著に上昇することが確認できた。

Claims (6)

  1. 酸度が0.25w/v%以上のアルコール飲料であって、
    テルピネン-4-オールの含有量が2.0ppm以上であるアルコール飲料。
  2. ノナナールを含有する請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. エキス分が2.0w/v%以上である請求項1又は請求項2に記載のアルコール飲料。
  4. レモンテイスト飲料である請求項1又は請求項2に記載のアルコール飲料。
  5. アルコール飲料の製造方法であって、
    酸度を0.25w/v%以上とし、テルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
  6. 酸度が0.25w/v%以上であるアルコール飲料のレモン感と余韻感とを増強する香味向上方法であって、
    前記アルコール飲料のテルピネン-4-オールの含有量を2.0ppm以上とする工程を含むアルコール飲料の香味向上方法。
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