JP2017204653A - チップ抵抗器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に抵抗体膜を形成する工程と、前記抵抗体膜のシート抵抗を測定する工程と、前記抵抗体膜のシート抵抗を測定した後に、前記抵抗体膜上に配線膜を形成する工程と、前記配線膜および前記抵抗体膜をエッチングによってパターニングすることによって、複数の抵抗体、および前記複数の抵抗体をそれぞれ切り離し可能な複数のヒューズを形成するエッチング工程と、前記複数の抵抗体の全抵抗値を測定する工程と、前記測定された全抵抗値に基づいて、前記複数のヒューズのなかから切断すべきヒューズを選択する工程と、前記選択されたヒューズを切断する工程とを含むことを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法である。
【選択図】図33
Description
また、チップ抵抗器の他の従来例が、特許文献2に開示されている。開示されたチップ抵抗器は、金属製のチップ状の抵抗体の下面に、一対の電極が空隙を介して離間して設けられた構成である。このチップ抵抗器では、抵抗値の合わせ込み等はできない。
請求項3記載の発明は、異なる膜厚の前記抵抗体膜を有する複数種類のチップ抵抗器を同一生産ラインで製造することを特徴とする、請求項1または2に記載のチップ抵抗器の製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記基板が境界領域によって区分された複数のチップ抵抗器領域を有しており、前記エッチング工程よりも後に、前記境界領域に沿って前記基板を切断することにより、チップ抵抗器を個片化する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法である。
請求項7記載の発明は、前記抵抗体膜のシート抵抗値の測定は、探針プローブを用いた探針法により行われることを特徴とする、請求項1記載のチップ抵抗器の製造方法である。
請求項9記載の発明は、前記抵抗体膜の上に積層された前記配線膜と、前記ヒューズとは同一レイヤーに形成された同一材料の金属膜で形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法である。
請求項11記載の発明は、前記抵抗体膜を形成する前に、前記基板の表面に絶縁膜を形成する工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法である。
広い抵抗値範囲を実現するには、一律の膜厚の抵抗体膜では対応できない。そこで、請求項3記載の発明によれば、必要な抵抗値範囲を複数(たとえば3個)に分け、3種類の膜厚の抵抗体膜を形成する。抵抗体膜形成後にシート抵抗を測定することで、目標膜厚になっていることを確認する。その結果、共通ラインでの他品種少量生産に適し、いずれの膜厚も正確に実現できる。
請求項5記載の発明によれば、基板上の複数のチップ抵抗器のため抵抗膜が形成された状態において、その抵抗膜のシート抵抗測定が行われる。たとえば、基板がいわゆるウエハの状態でシート抵抗測定がおこなわれるので、複数のチップ抵抗器の抵抗値管理を一括して行え、製造効率が良い。
請求項7記載の発明によれば、抵抗体膜のシート抵抗値をこの段階で測定することにより、シート抵抗値を確認して、後のフォトリソグラフィプロセスで所望の形状にされる抵抗配線の抵抗値の安定化を実現できる。
請求項9記載の発明によれば、製造が容易で、比較的少ないプロセスにより簡単に複数種類の金属膜(導体膜)を一度に形成することができる。
請求項11記載の発明によれば、抵抗体膜を基板から電気的に分離でき、抵抗体膜による抵抗値を正確に設定できる。
(1)第1参考例に係る発明の課題および目的
従来のチップ抵抗器は、レーザトリミングによって抵抗値が目標値になるように合わせ込まれるため、幅広い抵抗値に対応することができない。
さらに、チップ抵抗器は形状寸法精度を向上させなければ、基板実装時の搬送エラー等のトラブルを招き易いため、形状寸法精度の向上および微細加工精度の向上がチップ抵抗器の製造上における重要な課題であった。
第1参考例に係る発明の他の目的は、小型で正確な抵抗値を有するチップ抵抗器の製造方法を提供することである。
(2)第1参考例に係る発明の特徴
たとえば、第1参考例に係る発明の特徴は、以下のA1〜A13である。
(A1)複数のチップ抵抗器領域を有する基板上に抵抗体膜を形成する工程と、前記抵体膜の表面に接するように配線膜を形成する工程と、フォトリソグラフィによって、前記配線膜の上に第1レジストパターンを形成する工程と、前記第1レジストパターンをマスクとして、前記配線膜および前記抵抗体膜をライン状パターンとなるようにエッチングすることによって、各前記チップ抵抗器領域において、ライン状の前記抵抗体膜と前記抵抗体膜上に積層されたライン状の前記配線膜との積層構造からなる積層構造ラインを形成する第1エッチング工程と、フォトリソグラフィによって、前記第1エッチング工程の後に、前記積層構造ラインの前記配線膜の上に第2レジストパターンを形成する工程と、前記第2レジストパターンをマスクとして前記積層構造ラインにおける前記抵抗体膜の上の前記配線膜を部分的に複数箇所エッチングすることにより、前記基板上に、前記積層構造ラインと同一パターンの抵抗体膜ラインのライン方向に所定の間隔をあけて積層された前記配線膜と、前記配線膜が除去されて前記配線膜が積層されていない所定の間隔部分の前記抵抗体膜ラインからなる複数の抵抗体とを形成する第2エッチング工程とを含む、チップ抵抗器の製造方法。
(A2)前記第1レジストパターンが、前記複数の抵抗体を形成すべき抵抗体領域と、外部接続用のパッド領域と、前記抵抗体領域と前記パッド領域との間のヒューズ領域とが前記第1エッチング工程によって形成されるレジストパターンであり、前記第1エッチング工程によって、前記ヒューズ領域に、前記複数の抵抗体を抵抗回路網に電気的に取り込み、または、抵抗回路網から電気的に分離するために切断可能な複数のヒューズが形成される、A1に記載のチップ抵抗器の製造方法。
特に、フォトリソグラフィによって抵抗回路パターンを形成するため、微細で正確なパターン形成を行うことができる。
(A3)前記第1レジストパターンが、一対の前記パッド領域を含み、前記第2エッチング工程よりも後に、前記一対のパッド領域間の電気抵抗を測定する工程と、前記測定された電気抵抗に基づいて前記複数のヒューズのなかから切断すべきヒューズを選択する工程と、前記選択されたヒューズを切断するヒューズ切断工程とをさらに含む、A2に記載のチップ抵抗器の製造方法。
また、同一設計による多種類の抵抗値への対応が可能なチップ抵抗器を製造することができる。
(A4)前記ヒューズ切断工程の前に、前記複数のヒューズを覆うカバー膜を形成する工程をさらに含む、A3に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A5)前記ヒューズ切断工程の後に、前記配線膜を覆う保護膜を形成する工程と、フォトリソグラフィを利用して、前記保護膜に前記パッド領域の一部を露出させるパッド開口を形成する工程とをさらに含む、A3またはA4に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A6)前記パッド開口内に外部接続電極をめっき成長させる工程をさらに含む、A5に記載のチップ抵抗器の製造方法。
A6記載の発明によれば、外部接続電極を良好に作れるチップ抵抗器の製造方法を提供できる。
(A7)前記保護膜を形成する工程が、前記配線膜を覆うパッシベーション膜をCVD(化学的気相成長)法によって形成する工程を含む、A5またはA6に記載のチップ抵抗器の製造方法。
しかも、チップ抵抗器の小型化、高精度化および高信頼性を図れる製造方法とすることができる。
(A8)前記保護膜を形成する工程が、前記パッシベーション膜上に感光性樹脂の塗布膜を形成する工程を含み、前記パッド開口を形成する工程が、前記塗布膜を前記パッド開口に対応した露光パターンで露光する工程と、露光後の前記塗布膜を現像する工程と、現像された前記塗布膜をマスクとして前記パッシベーション膜をエッチングして開口する工程とを含む、A7に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A9)前記基板上に前記複数のチップ抵抗器領域の境界領域に対応した第3レジストパターンをフォトリソグラフィによって形成する工程と、前記第3レジストパターンをマスクとしたエッチングによって、前記基板の前記境界領域に前記基板の表面から所定深さの溝を形成する第3エッチング工程と、前記基板の裏面を前記溝に到達するまで研削して、前記基板を複数のチップ抵抗器に分割する工程とをさらに含む、A1〜A8のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A10)前記抵抗体膜を形成する前に、前記基板の表面に絶縁膜を形成する工程をさらに含む、A1〜A9のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A11)前記基板上に抵抗体膜を形成した後、形成した抵抗体膜のシート抵抗値を測定する工程をさらに含む、A1〜A10のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A12)前記抵抗体膜のシート抵抗値の測定は、探針プローブを用いた探針法により行われる、A11記載のチップ抵抗器の製造方法。
(A13)前記シート抵抗値を測定する工程は、測定されたシート抵抗値に基づき抵抗体膜の膜厚を計算する工程を含む、A11またはA12記載のチップ抵抗器の製造方法。
(3)第1参考例に係る発明の実施形態 以下には、第1参考例の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(A)を参照して、第1参考例の一実施形態に係るチップ抵抗器10は、基板11上に形成された第1接続電極12と、第2接続電極13と、抵抗回路網14とを備えている。基板11は、平面視略長方形状の直方体形状で、一例として、長辺方向の長さL=0.3mm、短辺方向の幅W=0.15mm、厚みT=0.1mm程度の大きさの微少なチップである。基板11は、平面視で角が面取りされた角ラウンド形状であってもよい。
基板11上において、第1接続電極12は基板11の一方短辺111に沿って設けられた短辺111方向に長手の矩形電極である。第2接続電極13は、基板11上の他方短辺112に沿って設けられた短辺112方向に長手の矩形電極である。抵抗回路網14は、基板11上の第1接続電極12と第2接続電極13とで挟まれた中央領域(回路形成面または素子形成面)に設けられている。そして、抵抗回路網14の一端側は第1接続電極12に電気的に接続されており、抵抗回路網14の他端側は第2接続電極13に電気的に接続されている。これら第1接続電極12、第2接続電極13および抵抗回路網14は、後述するように、基板11上に、たとえば半導体製造プロセスを用いて設けられたものである。したがって、基板11としては、シリコン基板(シリコンウエハ)等の半導体基板(半導体ウエハ)を用いることができる。換言すれば、半導体装置を製造するための装置、設備を使用してディスクリートなチップ抵抗器10を製造することができる。特に、後述するフォトリソグラフィプロセスを用いることにより、微細で正確なレイアウトパターンの抵抗回路網14を形成することができる。なお、基板11は、ガラス基板、セラミック基板、絶縁基板等の他の種類の基板であってもよい。
図2を参照して、チップ抵抗器10は、基板上面の一方短辺111に長辺が沿うように配置された平面視略矩形をした第1接続電極12と、基板上面の他方短辺112に長辺が沿うように配置された平面視略矩形をした第2接続電極13と、第1接続電極12および第2接続電極13間の平面視矩形の領域に設けられた抵抗回路網14とを含んでいる。
図3A、図3Bおよび図3Cを参照して、単位抵抗体Rの構成について説明をする。
基板としての基板11の上面には絶縁層(SiO2)19が形成され、絶縁層19上に抵抗体膜20が配置されている。抵抗体膜20は、TiN、TiONまたはTiSiONにより形成される。この抵抗体膜20は、第1接続電極12と第2接続電極13との間を平行に直線状に延びる複数本の抵抗体膜(以下「抵抗体膜ライン」という)とされており、抵抗体膜ライン20は、ライン方向に所定の位置で切断されている場合がある。抵抗体膜ライン20上には、導体膜片21としてのアルミニウム膜が積層されている。各導体膜片21は、抵抗体膜ライン20上に、ライン方向に一定間隔Rを開けて積層されている。
図3Bおよび図3Cに示す図解的な断面図において、参照番号11は基板、19は絶縁層としての二酸化シリコンSiO2層、20は絶縁層19上に形成されたTiN、TiONまたはTiSiONの抵抗体膜、21はアルミニウム(Al)の配線膜、22は保護膜としてのSiN膜、23は保護層としてのポリイミド層を示している。
この実施形態では、基板11上に形成された抵抗回路網14に含まれる単位抵抗体Rは、抵抗体膜ライン20と、抵抗体膜ライン20上に、ライン方向に一定間隔をあけて積層された複数の導体膜片21とを含み、導体膜片21が積層されていない一定間隔R部分の抵抗体膜ライン20が、1個の単位抵抗体Rを構成している。単位抵抗体Rを構成している抵抗体膜ライン20は、その形状および大きさが全て等しい。よって、基板上に作り込んだ同形同大の抵抗体膜は、ほぼ同値になるという特性に基づき、基板11上にマトリックス状に配列された多数個の単位抵抗体Rは、等しい抵抗値を有している。
図5(A)は、図2に示すチップ抵抗器10の平面図の一部分を拡大して描いたヒューズ膜Fを含む領域の部分拡大平面図であり、図5(B)は、図5(A)のB−Bに沿う断面構造を示す図である。
図6を参照して、第1接続電極12には、抵抗回路網14に含まれる基準抵抗回路R8の一端が接続されている。基準抵抗回路R8は、8個の単位抵抗体Rの直列接続からなり、その他端はヒューズ膜F1に接続されている。
接続用導体膜C2とヒューズ膜F4とには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F4と接続用導体膜C5とには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路体R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F7および接続用導体膜C9には、8個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R8の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C9およびヒューズ膜F10には、4個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R4の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C12およびヒューズ膜F13には、1個の単位抵抗体Rからなる抵抗回路体R1の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F13および接続用導体膜C15には、2個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F16および接続用導体膜C18には、8個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/8の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C18およびヒューズ膜F19には、16個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/16の一端および他端が接続されている。
複数のヒューズ膜Fおよび接続用導体膜Cは、それぞれ、ヒューズ膜F1、接続用導体膜C2、ヒューズ膜F3、ヒューズ膜F4、接続用導体膜C5、ヒューズ膜F6、ヒューズ膜F7、接続用導体膜C8、接続用導体膜C9、ヒューズ膜F10、ヒューズ膜F11、接続用導体膜C12、ヒューズ膜F13、ヒューズ膜F14、接続用導体膜C15、ヒューズ膜F16、ヒューズ膜F17、接続用導体膜C18、ヒューズ膜F19、ヒューズ膜F20、接続用導体膜C21、接続用導体膜C22が、直線状に配置されて直列に接続されている。各ヒューズ膜Fが溶断されると、ヒューズ膜Fに隣接接続された接続用導体膜Cとの間の電気的接続が遮断される構成である。
チップ抵抗器30が、前述したチップ抵抗器10と異なるところは、抵抗回路網14における単位抵抗体Rの接続態様である。
図9は、図8に示す抵抗回路網における複数種類の抵抗回路の接続態様と、それらを接続するヒューズ膜Fの配列関係ならびにヒューズ膜Fに接続された複数種類の抵抗回路の接続関係を図解的に示す図である。
ヒューズ膜F1と接続用導体膜Cとには、128個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R128の一端および他端が接続されている。
抵抗膜F6と接続用導体膜Cとには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F7と接続用導体膜Cとには、16個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R16の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F9と接続用導体膜Cとには、4個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R4の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F10と接続用導体膜Cとには、2個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F12と接続用導体膜Cとには、2個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F13と接続用導体膜Cとには、4個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/4の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F17、F18、F19、F20、F21は電気的に接続されており、これらヒューズ膜F17〜F21と接続用導体膜Cとには、16個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/16の一端および他端が接続されている。
かかる構成であるから、抵抗回路の一端が接続されたいずれかのヒューズ膜Fが溶断されると、そのヒューズ膜Fに一端が接続された抵抗回路は、抵抗回路網14から電気的に切り離される。
そこで、電流を分散させるために、図10に示す電気回路を、図11(A)に示す電気回路構成となるように、抵抗回路網の接続構造を変更してもよい。すなわち、基準抵抗回路R/16を無くし、かつ、並列接続される抵抗回路は、最小の抵抗値をrとし、抵抗値rの抵抗単位体R1を複数組並列に接続した構成140を含む回路に変えるのである。
図12は、第1参考例のさらに他の実施形態に係るチップ抵抗器に備えられる抵抗回路網14の回路構成を電気回路図で示した図である。図12に示す抵抗回路網14の特徴は、複数種類の抵抗回路の直列接続と、複数種類の抵抗回路の並列接続とが直列に接続された回路構成となっていることである。
一方、並列接続された複数種類の抵抗回路には、それぞれ、直列にヒューズ膜Fが接続されている。従って、ヒューズ膜Fを溶断することにより、ヒューズ膜Fが直列に接続されている抵抗回路を、抵抗回路の並列接続から電気的に切り離すことができる。
また、より精度良く抵抗値を設定する場合は、要求抵抗値に近い直列接続側抵抗回路のヒューズ膜を予めカットしておけば、細かな抵抗値の調整を並列接続側の抵抗回路のヒューズ膜を溶断することにより行うことができ、所望の抵抗値への合わせ込みの精度が上がる。
図13に示す抵抗回路網14も、ヒューズ膜Fで短絡された複数種類の抵抗回路の直列接続と、ヒューズ膜Fが直列接続された複数種類の抵抗回路の並列接続とが直列に接続された回路構成となっている。
たとえば、前述したチップ抵抗器10(図1、図2参照)や、チップ抵抗器30(図8参照)では、抵抗回路を構成する抵抗体膜ライン20と導体膜片21の関係を平面視で表わすと、図14(A)に示す構成になっている。すなわち、図14(A)に示すように、所定間隔Rの領域の抵抗体膜ライン20部分が、一定の抵抗値rの単位抵抗体Rを形成している。そして単位抵抗体Rの両側には導体膜片21が積層され、当該導体膜片21で抵抗体膜ライン20が短絡されている。
ところで、たとえば図1、図2に示すチップ抵抗器10において、抵抗回路網14の配置領域を拡げることなく、抵抗回路網14の抵抗値を高めて、チップ抵抗器10の高抵抗化を図りたいといった要望がある。
図14(B)を参照して、抵抗体膜ライン20は、幅1.5μmで直線状に延びるライン状の抵抗体膜ライン20を含む。そして、抵抗体膜ライン20において、所定間隔R′の抵抗体膜ライン20部分が、一定の抵抗値r′の単位抵抗体R′を形成している。単位抵抗体R′の長さは、たとえば17μmにする。こうすれば、単位抵抗体R′の抵抗値r′は、図14(A)に示す単位抵抗体Rに比べて、ほぼ2倍のr′=160Ωの単位抵抗体とすることができる。
ステップS1:まず、基板11(実際には個々のチップ抵抗器10に切り分けられる前のウエハ(図17参照))が所定の処理室に配置され、その表面に、たとえば熱酸化法によって、絶縁層19としての二酸化シリコン(SiO2)層が形成される。
ステップS3:そして、絶縁層19の表面全域に形成された抵抗体膜20の抵抗値が測定される。この測定は、たとえば四探針プローブを用いた四探針法により行われる。抵抗体膜20のシート抵抗値をこの段階で測定して確認しておくことにより、後のフォトリソグラフィプロセスで所望の形状にされる抵抗配線の抵抗値の安定化を実現できる。また、測定されたシート抵抗値に基づいて、抵抗体膜20の膜厚が計算されてもよい。膜厚は、次のチップ抵抗器のための製造プロセスの調整、改良に利用でき、次のチップ抵抗器の製造プロセスで膜厚を制御し、所望のシート抵抗値を得るのに役立つ。
ステップS5:次に、フォトリソグラフィプロセスを用い、配線膜21の表面に、抵抗回路網14の平面視の構成(導体膜Cおよびヒューズ膜Fを含むレイアウトパターン)に対応したレジストパターンが形成される(第1レジストパターンの形成)。
ステップS7:再び、フォトリソグラフィプロセスを用いて、第2レジストパターンが形成される。ステップS7で形成される第2レジストパターンは、抵抗体膜20上に積層された配線膜21を選択的に除去して、単位抵抗体R(図2で細いドットを付して示す領域)を形成するためのパターンである。
ステップS9:この段階で、基板表面に形成された抵抗回路網14の抵抗値(回路網14全体の抵抗値)が測定される。この測定は、たとえばマルチプローブピンを図2に示す第1接続電極12とつながる側の抵抗回路網14の端部と、第2接続電極13につながる側のヒューズ膜および抵抗回路網14の端部とに接触させて測定する。この測定により、製造された抵抗回路網14の初期状態における良否が判定できる。
ステップS14:この樹脂膜23に対して、前記第1接続電極12、第2接続電極13の開口に対応した領域に対する露光工程、およびその後の現像工程を行うことによって、フォトリソグラフィによる樹脂膜のパターニングを行うことができる。これにより、樹脂膜23に第1接続電極12および第2接続電極13のためのパッド開口が形成される。
ステップS16:次に、第1接続電極12および第2接続電極13を形成すべき位置に貫通孔を有するポリイミド膜23をマスクとしてパッシベーション膜22のエッチングが行われる。それによって、配線膜21を第1接続電極12の領域および第2接続電極13の領域において露出させるパッド開口が形成される。パッシベーション膜22のエッチングは、反応性イオンエッチング(RIE)によって行われてもよい。
ステップS18:2つのパッド開口内に、たとえば無電解めっき法によって、外部接続電極としての第1接続電極12および第2接続電極13を成長させる。
ステップS21:そして、たとえば図17(A)に示すように、表面に保護テープ100が貼着される。
ステップS23:そして、図17(C)に示すように、裏面側にキャリアテープ(熱発泡シート)200が貼られて、個々のチップ抵抗器に分離された多数個のチップ抵抗器10は、キャリアテープ200上に配列された状態で保持される。一方で、表面に貼着された保護テープは取り除かれる(図17(D))。
第1参考例は、以上説明した実施形態の製造方法に限定されるものではなく、前記(2)第1参考例に係る発明の特徴に記載された事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。たとえば、各特徴A1〜A13で特定されていない製造の工程を変更したり、割愛したり、追加したものも、第1参考例の範囲に含まれる。
図19(A)は、本発明の一実施形態に係るチップ抵抗器310の外観構成を示す図解的な斜視図であり、図19(B)は、チップ抵抗器310が基板上に実装された状態を示す側面図である。
基板311上において、第1接続電極312は基板311の一方短辺411に沿って設けられた短辺411方向に長手の矩形電極である。第2接続電極313は、基板311上の他方短辺412に沿って設けられた短辺412方向に長手の矩形電極である。抵抗回路網314は、基板311上の第1接続電極312と第2接続電極313とで挟まれた中央領域(回路形成面または素子形成面)に設けられている。そして、抵抗回路網314の一端側は第1接続電極312に電気的に接続されており、抵抗回路網314の他端側は第2接続電極313に電気的に接続されている。これら第1接続電極312、第2接続電極313および抵抗回路網314は、たとえば一例として、基板311上に微細加工プロセスを用いて設けることができる。特に、後述するフォトリソグラフィプロセスを用いることにより、微細で正確なレイアウトパターンの抵抗回路網314を形成することができる。
図20を参照して、チップ抵抗器310は、基板311上面の一方短辺411に長辺が沿うように配置された平面視略矩形をした第1接続電極312と、基板311上面の他方短辺412に長辺が沿うように配置された平面視略矩形をした第2接続電極313と、第1接続電極312および第2接続電極313間の平面視矩形の領域に設けられた抵抗回路網314とを含んでいる。
図21A、図21Bおよび図21Cを参照して、単位抵抗体Rの構成について説明をする。
図21Bおよび図21Cに示す図解的な断面図において、参照番号311は基板、319は絶縁層としての二酸化シリコンSiO2層、320は絶縁層319上に形成されたTiN、TiONまたはTiSiONの抵抗体膜、321はアルミニウム(Al)の配線膜、322は保護膜としてのSiN膜、323は保護層としてのポリイミド層を示している。
この実施形態では、基板上311に形成された抵抗回路網314に含まれる単位抵抗体Rは、抵抗体膜ライン320と、抵抗体膜ライン320上に、ライン方向に一定間隔をあけて積層された複数の導体膜片321とを含み、導体膜片321が積層されていない一定間隔R部分の抵抗体膜ライン320が、1個の単位抵抗体Rを構成している。単位抵抗体Rを構成している抵抗体膜ライン320は、その形状および大きさが全て等しい。よって、基板上に作り込んだ同形同大の抵抗体膜は、ほぼ同値になるという特性に基づき、基板311上にマトリックス状に配列された多数個の単位抵抗体Rは、等しい抵抗値を有している。
図23(A)は、図20に示すチップ抵抗器310の平面図の一部分を拡大して描いたヒューズ膜Fを含む領域の部分拡大平面図であり、図23(B)は、図23(A)のB−Bに沿う断面構造を示す図である。
図24を参照して、第1接続電極312には、抵抗回路網314に含まれる基準抵抗回路R8の一端が接続されている。基準抵抗回路R8は、8個の単位抵抗体Rの直列接続からなり、その他端はヒューズ膜F1に接続されている。
接続用導体膜C2とヒューズ膜F4とには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F4と接続用導体膜C5とには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路体R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F7および接続用導体膜C9には、8個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R8の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C9およびヒューズ膜F10には、4個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R4の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C12およびヒューズ膜F13には、1個の単位抵抗体Rからなる抵抗回路体R1の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F13および接続用導体膜C15には、2個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F16および接続用導体膜C18には、8個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/8の一端および他端が接続されている。
接続用導体膜C18およびヒューズ膜F19には、16個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/16の一端および他端が接続されている。
複数のヒューズ膜Fおよび接続用導体膜Cは、それぞれ、ヒューズ膜F1、接続用導体膜C2、ヒューズ膜F3、ヒューズ膜F4、接続用導体膜C5、ヒューズ膜F6、ヒューズ膜F7、接続用導体膜C8、接続用導体膜C9、ヒューズ膜F10、ヒューズ膜F11、接続用導体膜C12、ヒューズ膜F13、ヒューズ膜F14、接続用導体膜C15、ヒューズ膜F16、ヒューズ膜F17、接続用導体膜C18、ヒューズ膜F19、ヒューズ膜F20、接続用導体膜C21、接続用導体膜C22が、直線状に配置されて直列に接続されている。各ヒューズ膜Fが溶断されると、ヒューズ膜Fに隣接接続された接続用導体膜Cとの間の電気的接続が遮断される構成である。
チップ抵抗器330が、前述したチップ抵抗器310と異なるところは、抵抗回路網314における単位抵抗体Rの接続態様である。
図27は、図26に示す抵抗回路網における複数種類の抵抗回路の接続態様と、それらを接続するヒューズ膜Fの配列関係ならびにヒューズ膜Fに接続された複数種類の抵抗回路の接続関係を図解的に示す図である。
ヒューズ膜F1と接続用導体膜Cとには、128個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R128の一端および他端が接続されている。
抵抗膜F6と接続用導体膜Cとには、32個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R32の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F7と接続用導体膜Cとには、16個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R16の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F9と接続用導体膜Cとには、4個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R4の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F10と接続用導体膜Cとには、2個の単位抵抗体Rの直列接続からなる抵抗回路R2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F12と接続用導体膜Cとには、2個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/2の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F13と接続用導体膜Cとには、4個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/4の一端および他端が接続されている。
ヒューズ膜F17、F18、F19、F20、F21は電気的に接続されており、これらヒューズ膜F17〜F21と接続用導体膜Cとには、16個の単位抵抗体Rの並列接続からなる抵抗回路R/16の一端および他端が接続されている。
かかる構成であるから、抵抗回路の一端が接続されたいずれかのヒューズ膜Fが溶断されると、そのヒューズ膜Fに一端が接続された抵抗回路は、抵抗回路網314から電気的に切り離される。
そこで、電流を分散させるために、図28に示す電気回路を、図29(A)に示す電気回路構成となるように、抵抗回路網の接続構造を変更してもよい。すなわち、基準抵抗回路R/16を無くし、かつ、並列接続される抵抗回路は、最小の抵抗値をrとし、抵抗値rの抵抗単位体R1を複数組並列に接続した構成440を含む回路に変えるのである。
図30は、本発明のさらに他の実施形態に係るチップ抵抗器に備えられる抵抗回路網314の回路構成を電気回路図で示した図である。図30に示す抵抗回路網314の特徴は、複数種類の抵抗回路の直列接続と、複数種類の抵抗回路の並列接続とが直列に接続された回路構成となっていることである。
一方、並列接続された複数種類の抵抗回路には、それぞれ、直列にヒューズ膜Fが接続されている。従って、ヒューズ膜Fを溶断することにより、ヒューズ膜Fが直列に接続されている抵抗回路を、抵抗回路の並列接続から電気的に切り離すことができる。
また、より精度良く抵抗値を設定する場合は、要求抵抗値に近い直列接続側抵抗回路のヒューズ膜を予めカットしておけば、細かな抵抗値の調整を並列接続側の抵抗回路のヒューズ膜を溶断することにより行うことができ、所望の抵抗値への合わせ込みの精度が上がる。
図31に示す抵抗回路網314も、ヒューズ膜Fで短絡された複数種類の抵抗回路の直列接続と、ヒューズ膜Fが直列接続された複数種類の抵抗回路の並列接続とが直列に接続された回路構成となっている。
たとえば、前述したチップ抵抗器310(図19、図20参照)や、チップ抵抗器330(図26参照)では、抵抗回路を構成する抵抗体膜ライン320と導体膜片321の関係を平面視で表わすと、図32(A)に示す構成になっている。すなわち、図32(A)に示すように、所定間隔Rの領域の抵抗体膜ライン320部分が、一定の抵抗値rの単位抵抗体Rを形成している。そして単位抵抗体Rの両側には導体膜片321が積層され、当該導体膜片321で抵抗体膜ライン320が短絡されている。
ところで、たとえば図19、図20に示すチップ抵抗器310において、抵抗回路網314の配置領域を拡げることなく、抵抗回路網314の抵抗値を高めて、チップ抵抗器310の高抵抗化を図りたいといった要望がある。
図32(B)を参照して、抵抗体膜ライン320は、幅1.5μmで直線状に延びるライン状の抵抗体膜ライン320を含む。そして、抵抗体膜ライン320において、所定間隔R′の抵抗体膜ライン320部分が、一定の抵抗値r′の単位抵抗体R′を形成している。単位抵抗体R′の長さは、たとえば17μmにする。こうすれば、単位抵抗体R′の抵抗値r′は、図32(A)に示す単位抵抗体Rに比べて、ほぼ2倍のr′=160Ωの単位抵抗体とすることができる。
ステップS1:まず、基板311(実際には個々のチップ抵抗器310に切り分けられる前のウエハ(図35参照))が所定の処理室に配置され、その表面に、たとえば熱酸化法によって、絶縁層319としての二酸化シリコン(SiO2)層が形成される。
ステップS3:そして、絶縁層319の表面全域に形成された抵抗体膜320の抵抗値が測定される。この測定は、たとえば四探針プローブを用いた四探針法により行われる。抵抗体膜320のシート抵抗値をこの段階で測定して確認しておくことにより、後のフォトリソグラフィプロセスで所望の形状にされる抵抗配線の抵抗値の安定化を実現できる。また、測定されたシート抵抗値に基づいて、抵抗体膜320の膜厚が計算されてもよい。膜厚は、次のチップ抵抗器のための製造プロセスの調整、改良に利用でき、次のチップ抵抗器の製造プロセスで膜厚を制御し、所望のシート抵抗値を得るのに役立つ。
ステップS5:次に、フォトリソグラフィプロセスを用い、配線膜321の表面に、抵抗回路網314の平面視の構成(導体膜Cおよびヒューズ膜Fを含むレイアウトパターン)に対応したレジストパターンが形成される(第1レジストパターンの形成)。
ステップS7:再び、フォトリソグラフィプロセスを用いて、第2レジストパターンが形成される。ステップS7で形成される第2レジストパターンは、抵抗体膜320上に積層された配線膜321を選択的に除去して、単位抵抗体R(図20で細いドットを付して示す領域)を形成するためのパターンである。
ステップS9:この段階で、基板311表面に形成された抵抗回路網314の抵抗値(回路網314全体の抵抗値)が測定される。この測定は、たとえばマルチプローブピンを図20に示す第1接続電極312とつながる側の抵抗回路網314の端部と、第2接続電極313につながる側のヒューズ膜および抵抗回路網314の端部とに接触させて測定する。この測定により、製造された抵抗回路網314の初期状態における良否が判定できる。
ステップS14:この樹脂膜323に対して、前記第1接続電極312、第2接続電極313の開口に対応した領域に対する露光工程、およびその後の現像工程を行うことによって、フォトリソグラフィによる樹脂膜のパターニングを行うことができる。これにより、樹脂膜323に第1接続電極312および第2接続電極313のためのパッド開口が形成される。
ステップS16:次に、第1接続電極312および第2接続電極313を形成すべき位置に貫通孔を有するポリイミド膜323をマスクとしてパッシベーション膜322のエッチングが行われる。それによって、配線膜321を第1接続電極312の領域および第2接続電極313の領域において露出させるパッド開口が形成される。パッシベーション膜322のエッチングは、反応性イオンエッチング(RIE)によって行われてもよい。
ステップS18:2つのパッド開口内に、たとえば無電解めっき法によって、外部接続電極としての第1接続電極312および第2接続電極313を成長させる。
ステップS21:そして、たとえば図35(A)に示すように、表面に保護テープ400が貼着される。
ステップS23:そして、図35(C)に示すように、裏面側にキャリアテープ(熱発泡シート)500が貼られて、個々のチップ抵抗器に分離された多数個のチップ抵抗器310は、キャリアテープ500上に配列された状態で保持される。一方で、表面に貼着された保護テープは取り除かれる(図35(D))。
図37は、本発明の製造方法により製造されたチップ抵抗器が用いられる電子機器の一例であるスマートフォンの外観を示す斜視図である。スマートフォン501は、扁平な直方体形状の筐体502の内部に電子部品を収納して構成されている。筐体502は表側および裏側に長方形状の一対の主面を有しており、その一対の主面が4つの側面で結合されている。筐体502の一つの主面には、液晶パネルや有機ELパネル等で構成された表示パネル503の表示面が露出している。表示パネル503の表示面は、タッチパネルを構成しており、使用者に対する入力インターフェースを提供している。
ワンセグTV受信IC513は、ワンセグ放送(携帯機器を受信対象とする地上デジタルテレビ放送)の電波を受信するための受信機を構成する電子回路を内蔵している。ワンセグTV受信IC513の近傍には、複数のチップインダクタ521と、複数のチップ抵抗器522とが配置されている。ワンセグTV受信IC513、チップインダクタ521およびチップ抵抗器522は、ワンセグ放送受信回路523を構成している。チップインダクタ521およびチップ抵抗器522は、正確に合わせ込まれたインダクタンスおよび抵抗をそれぞれ有し、ワンセグ放送受信回路523に高精度な回路定数を与える。
FMチューナIC515は、その近傍において配線基板511に実装された複数のチップ抵抗器524および複数のチップインダクタ525とともに、FM放送受信回路526を構成している。チップ抵抗器524およびチップインダクタ525は、正確に合わせ込まれた抵抗値およびインダクタンスをそれぞれ有し、FM放送受信回路526に高精度な回路定数を与える。
フラッシュメモリ517は、オペレーティングシステムプログラム、スマートフォン501の内部で生成されたデータ、通信機能によって外部から取得したデータおよびプログラムなどを記録するための記憶装置である。
電源IC519の近くには、複数のチップキャパシタ530および複数のチップダイオード531が配線基板511の実装面に実装されている。電源IC519は、チップキャパシタ530およびチップダイオード531とともに、電源回路532を構成している。
また、スマートフォン501の位置情報が必要とされるときには、マイクロコンピュータ518は、GPS受信IC514が出力する位置情報を取得し、その位置情報を用いた演算処理を実行する。
フラッシュメモリ517は、通信によって取得したデータの記憶や、マイクロコンピュータ518の演算や、タッチパネルからの入力によって作成されたデータを記憶するために用いられる。マイクロコンピュータ518は、必要に応じて、フラッシュメモリ517に対してデータを書き込み、またフラッシュメモリ517からデータを読み出す。
本発明は、以上説明した実施形態の製造方法に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。たとえば、請求項で特定されていない製造の工程を変更したり、割愛したり、追加したものも、本発明の範囲に含まれる。
311 基板
312 第1接続電極(外部接続電極)
313 第2接続電極(外部接続電極)
314 抵抗回路網
320 抵抗体膜(抵抗体膜ライン)
321 導体膜(配線膜)
F ヒューズ膜
C 接続用導体膜
Claims (11)
- 基板上に抵抗体膜を形成する工程と、
前記抵抗体膜のシート抵抗を測定する工程と、
前記抵抗体膜のシート抵抗を測定した後に、前記抵抗体膜上に配線膜を形成する工程と、
前記配線膜および前記抵抗体膜をエッチングによってパターニングすることによって、複数の抵抗体、および前記複数の抵抗体をそれぞれ切り離し可能な複数のヒューズを形成するエッチング工程と、
前記複数の抵抗体の全抵抗値を測定する工程と、
前記測定された全抵抗値に基づいて、前記複数のヒューズのなかから切断すべきヒューズを選択する工程と、
前記選択されたヒューズを切断する工程とを含むことを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。 - 前記エッチング工程の前に、前記配線膜のシート抵抗を測定する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 異なる膜厚の前記抵抗体膜を有する複数種類のチップ抵抗器を同一生産ラインで製造することを特徴とする、請求項1または2に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記エッチング工程が、前記配線膜および前記抵抗体膜を同一マスクでエッチングする第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程の後に、前記抵抗体膜上の前記配線膜を部分的にエッチングする第2エッチング工程とを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記基板が境界領域によって区分された複数のチップ抵抗器領域を有しており、前記エッチング工程よりも後に、前記境界領域に沿って前記基板を切断することにより、チップ抵抗器を個片化する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記チップ抵抗器を個片化する工程は、前記基板の前記境界領域に前記基板の表面から所定深さの溝を形成するエッチング工程と、前記基板の裏面を前記溝に到達するまで研削して、前記基板を複数のチップ抵抗器に分割する工程とをさらに含む、請求項5に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗体膜のシート抵抗値の測定は、探針プローブを用いた探針法により行われることを特徴とする、請求項1に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記シート抵抗値を測定する工程は、測定されたシート抵抗値に基づき抵抗体膜の膜厚を計算する工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗体膜の上に積層された前記配線膜と、前記ヒューズとは同一レイヤーに形成された同一材料の金属膜で形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗体膜は、TiN、TiONまたはTiSiONで形成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗体膜を形成する前に、前記基板の表面に絶縁膜を形成する工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のチップ抵抗器の製造方法。
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