JP2017200230A - 弾性波素子、分波器および通信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】歪波の影響を抑制できる弾性波素子、分波器および通信モジュールを提供する。
【解決手段】弾性波素子51は、基板53と、基板53の上面53aに位置し、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを備えたIDT55と、基板53の上面53aに位置し、第1櫛歯電極59Aに電気的に接続された第1対向電極71Aと、第2櫛歯電極59Bに電気的に接続された第2対向電極71Bとを有し、IDT55に並列接続された容量素子69と、を備える。容量素子69は、第1対向電極71Aから第2対向電極71Bへ向かう方向が、第1櫛歯電極59Aから第2櫛歯電極59Bへ向かう方向と異なるように配置されている。
【選択図】図3
【解決手段】弾性波素子51は、基板53と、基板53の上面53aに位置し、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを備えたIDT55と、基板53の上面53aに位置し、第1櫛歯電極59Aに電気的に接続された第1対向電極71Aと、第2櫛歯電極59Bに電気的に接続された第2対向電極71Bとを有し、IDT55に並列接続された容量素子69と、を備える。容量素子69は、第1対向電極71Aから第2対向電極71Bへ向かう方向が、第1櫛歯電極59Aから第2櫛歯電極59Bへ向かう方向と異なるように配置されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子等の弾性波素子、分波器および通信モジュールに関する。
圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)とを有する弾性波素子が知られている。このような弾性波素子は、例えば、分波器の送信フィルタ、受信フィルタなどに利用されている。
弾性波素子において、素子の非線形性によって発生する電気的な歪波によって電気特性が低下することがある。例えば、弾性波素子を用いた分波器においては、送信帯域および受信帯域の帯域外の妨害波と、送信波とが混合されて、受信帯域内に含まれる歪波が生じる。この歪波は相互変調歪(IMD:Inter-Modulation Distortion)と呼ばれ、無線装置の通信品質(SN比)を低下させる原因の一つとなっている。この他、送信波の整数倍の周波数を持つ高調波歪が発生し、これが他の無線装置の通信を妨害するといった問題が生じる可能性もある。
そこで歪波によるSN比の低下を抑制するために、分波器を構成するラダー型フィルタの直列共振子または並列共振子を静電容量を変えずに分割する方法が知られている(例えば、特許文献1)。これは直列共振子または並列共振子を分割することによって、その共振子に印加される電圧を分散させて歪波を抑制するものである。
なお、歪波を抑制する技術に係る文献ではないが、特許文献2では、圧電基板の主面上に設けられ、IDTに並列に接続された容量素子を開示している。
しかしながら、静電容量を変えずに共振子を分割すると分割前に比べて、共振子が大型化し、ひいては弾性波素子が大型化してしまう。
従って、歪波の影響を抑制できる弾性波素子、分波器および通信モジュールが提供されることが望ましい。
本発明の一態様に係る弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置し、第1櫛歯電極および第2櫛歯電極を備えたIDT電極と、前記圧電基板の上面に位置し、前記第1櫛歯電極に電気的に接続された第1対向電極と、前記第2櫛歯電極に電気的に接続された第2対向電極とを備え、前記IDT電極に並列接続された容量素子と、を備え、該容量素子は、前記第1対向電極から前記第2対向電極へ向かう方向が、前記第1櫛歯電極から前記第2櫛歯電極へ向かう方向と異なるように配置されている。
本発明の一態様に係る分波器は、アンテナ端子と、該アンテナ端子に電気的に接続された送信フィルタと、前記アンテナ端子に電気的に接続された受信フィルタと、を備え、前記送信フィルタは請求項1〜16のいずれかに記載の弾性波素子とを備える。
本発明の一態様に係る通信モジュールは、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された請求項17または18に記載の分波器と、該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
上記の構成によれば、歪波の影響を抑制できる。
以下、本発明の実施形態に係るSAW素子および分波器について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同一または類似する構成については、既に説明された実施形態と同一の符号を付し、説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
(通信モジュール)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る分波器1(デュプレクサ)の利用例(通信モジュール101)の要部を示すブロック図である。通信モジュール101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器1は、通信モジュール101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
(通信モジュール)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る分波器1(デュプレクサ)の利用例(通信モジュール101)の要部を示すブロック図である。通信モジュール101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器1は、通信モジュール101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信モジュール101において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC103によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器1に入力される。そして、分波器1は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号(電波)に変換して送信する。
また、通信モジュール101において、アンテナ109によって受信された無線信号(電波)は、アンテナ109によって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器1に入力される。分波器1は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC103によって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。
なお、送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。回路方式は、図1では、ダイレクトコンバージョン方式を例示したが、それ以外の適宜なものとされてよく、例えば、ダブルスーパーヘテロダイン方式であってもよい。また、図1は、要部のみを模式的に示すものであり、適宜な位置にローパスフィルタやアイソレータ等が追加されてもよいし、また、増幅器等の位置が変更されてもよい。
(分波器)
図2は、分波器1の構成を示す回路図である。
図2は、分波器1の構成を示す回路図である。
分波器1は、増幅器107からの送信信号TSが入力される送信端子3と、送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去して出力する送信フィルタ5と、送信フィルタ5からの信号が入力されるアンテナ端子7とを有している。アンテナ端子7は、アンテナ109に接続される。
また、分波器1は、アンテナ109からアンテナ端子7を介して入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して出力する受信フィルタ9と、受信フィルタ9からの信号が入力される受信端子11とを有している。受信端子11は、増幅器111に接続される。
送信フィルタ5は、例えば、ラダー型SAWフィルタによって構成されている。すなわち、送信フィルタ5は、その入力側と出力側との間において直列に接続された1以上(本実施形態では3)の第1直列共振子15A−1〜第3直列共振子15A−3と、その直列のラインと基準電位部との間に設けられた1以上(本実施形態では2)の並列共振子15Bとを有している。なお、以下では、第1直列共振子15A−1〜第3直列共振子15A−3を単に「直列共振子15A」といい、これらを区別しないことがあり、また、直列共振子15Aおよび並列共振子15Bを単に「共振子15」といい、これらを区別しないことがある。
第1直列共振子15A−1は、送信フィルタ5においてアンテナ端子7に最も近い共振子15である。また、送信フィルタ5、受信フィルタ9とアンテナ端子7の間には、インピーダンスマッチング用の回路が挿入されてもよい。
受信フィルタ9は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子15C(単に「共振子15」ということがある。)とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは、2重モードを含むものとする。
(SAW素子)
図3は、第1直列共振子15A−1を構成するSAW素子51の構成を示す平面図である。
図3は、第1直列共振子15A−1を構成するSAW素子51の構成を示す平面図である。
なお、SAW素子51は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側(図3の紙面手前側)を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
SAW素子51は、例えば、1ポートSAW共振子として構成されており、基板53と、基板53の上面53aに設けられたIDT55および反射器57とを有している。なお、SAW素子51は、上記の他、IDT55および反射器57の上面に配置される付加膜、IDT55および反射器57と基板53との間に介在する接着層、基板53の上面53aをIDT55および反射器57(または付加膜)の上から覆う保護層等を有していてもよい。また、図3では、IDT55に信号の入出力を行うための配線は図示が省略されている。
基板53は、圧電基板によって構成されている。例えば、基板53は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。より好適には、基板53は、40°±10°Y−XカットのLiTaO3基板、128°±10°Y−XカットのLiNbO3基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO3基板によって構成されている。その他、水晶(SiO2)単結晶なども使用できる。基板53の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。
IDT55は、基板53の上面53aに形成された導電パターン(導電層)によって構成されており、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを有している。なお、以下では、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを単に櫛歯電極59といい、これらを区別しないことがある。また、第1櫛歯電極59Aに係る構成等については、「第1バスバー61A」等のように、「第1」および「A」を付すことがあり、第2櫛歯電極59Bに係る構成等については、「第2バスバー61B」等のように、「第2」および「B」を付すことがあり、また、「第1」、「第2」、「A」、および「B」を省略することがある。
各櫛歯電極59は、互いに対向する2本のバスバー61と、各バスバー61から他のバスバー61側へ延びる複数の電極指63と、複数の電極指63の間において各バスバー61から他のバスバー61側へ延びる複数のダミー電極65と、を有している。そして、1対の櫛歯電極59は、複数の電極指63が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
なお、SAWの伝搬方向は複数の電極指63の向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、SAWの伝搬方向を基準として、複数の電極指63の向き等を説明することがある。
バスバー61は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(x方向)に直線状に延びる長尺状に形成されている。そして、1対のバスバー61は、SAWの伝搬方向に交差(本実施形態では直交)する方向(y方向)において対向している。また、1対のバスバー61は、例えば、互いに平行であり、一対のバスバー61間の距離は、SAWの伝搬方向において一定である。
複数の電極指63は、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向(x方向)に概ね一定の間隔で配列されている。1対の櫛歯電極59の複数の電極指63は、そのピッチp(例えば電極指63の中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λは、例えば、1.5μm〜6μmである。
複数の電極指63の長さ(先端の位置)は、例えば、互いに同等とされている。また、複数の電極指63の幅wは、例えば、互いに同等とされている。なお、これらの寸法は、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、幅wは、複数の電極指63のピッチpに対して0.4p〜0.7pである。
複数のダミー電極65は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に直線状に延びる長尺状に形成されており、複数の電極指63間の中央に配置されている(複数の電極指63と同等のピッチで配列されている)。そして、一方の櫛歯電極59のダミー電極65の先端は、他方の櫛歯電極59の電極指63の先端とギャップ67(第1ギャップ67A、第2ギャップ67B)を介して対向している。ダミー電極65の幅(x方向)は、例えば、電極指63の幅wと同等である。複数のダミー電極65の長さ(y方向)は、例えば、互いに同等である。
複数のギャップ67の数は、複数の電極指63の本数と同数である。また、複数のギャップ67の幅wは、複数の電極指63の幅および複数のダミー電極65の幅と同等であり、また、ギャップ67同士で互いに同等である。複数のギャップ67の長さd(y方向の大きさ。以下、ギャップの長さを「ギャップ長」と称することがある。)は、ギャップ67同士で互いに同一である。ギャップ長dは、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、ギャップ長dは、0.1λ〜0.6λである。
IDT55は、例えば、金属によって形成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT55は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT55の厚みは適宜に設定されてよい。
IDT55によって基板53に電圧が印加されると、基板53の上面53a付近において上面53aに沿ってx方向に伝搬するSAWが誘起される。また、SAWは、電極指63によって反射される。そして、電極指63のピッチpを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指63によって取り出される。このようにして、SAW素子51は、共振子もしくはフィルタとして機能する。
反射器57は、基板53の上面53aに形成された導電パターン(導電層)によって構成されており、平面視において格子状に形成されている。すなわち、反射器57は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する1対のバスバー(符号省略)およびこれらバスバー間においてSAWの伝搬方向に直交する方向(y)に延びる複数の電極指(符号省略)とを有している。反射器57の複数の電極指は、IDT55の複数の電極指63と概ね同等のピッチで配列されている。
(歪波を抑制するための構成)
SAW素子51は、上記の基本的な構成に加え、歪波がSN比に及ぼす影響を抑制するために、容量素子69を有している。
SAW素子51は、上記の基本的な構成に加え、歪波がSN比に及ぼす影響を抑制するために、容量素子69を有している。
容量素子69は、基板53の上面53aに形成された導電パターン(導電層)によって構成されており、いわゆるギャップ型のコンデンサである。具体的には、容量素子69は、互いに対向する第1対向電極71Aおよび第2対向電極71Bを有している。対向電極71は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(x方向)に直線状に延びる長尺状に形成され、SAWの伝搬方向に直交する方向において第3ギャップ73を介して対向している。
第1対向電極71Aは、第1櫛歯電極59Aに接続され、第2対向電極71Bは、第2櫛歯電極59Bに接続されている。一方、第1対向電極71Aから第2対向電極71Bへの方向は、第1櫛歯電極59Aから第2櫛歯電極59Bへの方向(第1電極指63Aから第1ギャップ67Aを経由して第2ダミー電極65Bへ向かう方向および第1ダミー電極65Aから第2ギャップ67Bを経由して第2電極指63Bへ向かう方向)とは逆になっている。
第3ギャップ73のギャップ長Dおよび幅Lは、以下の(1)式を満たすように設定されている。
L/D2=(w×n)/d2 (1)
ここで、dおよびwは、既に説明したように、ギャップ67の長さおよび幅であり、nは、1対の櫛歯電極59におけるギャップ67の個数(第1ギャップ67Aの個数および第2ギャップ67Bの個数の総和)である。
ここで、dおよびwは、既に説明したように、ギャップ67の長さおよび幅であり、nは、1対の櫛歯電極59におけるギャップ67の個数(第1ギャップ67Aの個数および第2ギャップ67Bの個数の総和)である。
より具体的には、本実施形態では、ギャップ長Dおよび幅Lは、以下の(2)式および(3)式を満たすように設定されることによって、上記の(1)式を満たしている。
D=d (2)
L=w×n (3)
なお、図3では、容量素子69は、IDT55および反射器57に対してy方向の負側に位置しているが、y方向の正側、x方向の正側もしくは負側など、IDT55および反射器57に対して適宜な位置に設けられてよい。
L=w×n (3)
なお、図3では、容量素子69は、IDT55および反射器57に対してy方向の負側に位置しているが、y方向の正側、x方向の正側もしくは負側など、IDT55および反射器57に対して適宜な位置に設けられてよい。
(その他の共振子等の構成)
図2では、IDT55および反射器57を模式的に示している。
図2では、IDT55および反射器57を模式的に示している。
第1直列共振子15A−1以外の直列共振子15A、並列共振子15Bおよび補助共振子15Cの構成は、これらの共振子15において容量素子69が設けられていない点を除いて、第1直列共振子15A−1(SAW素子51)と概ね同様である。なお、これらの共振子15においても、第1直列共振子15A−1と同様に、容量素子69が設けられてもよい。
多重モード型SAWフィルタ17は、図2において模式的に示すように、例えば、縦結合型のものであり、SAWの伝搬方向において配列された複数(本実施形態では3つ)のIDT55と、その両側に配置された反射器57とを有している。また、多重モード型SAWフィルタ17は、例えば、入力された不平衡信号を平衡信号に変換して出力する不平衡入力−平衡出力型のものである。
複数の共振子15および多重モード型SAWフィルタ17は、例えば、一の基板53の上面53aに共に設けられ、SAWの伝搬方向は互いに同一である。なお、図2は、回路図であることから、SAWの伝搬方向を統一せずに共振子15等が図示されている。
図4は、分波器1の作用を説明する図である。この図において、横軸は周波数fを示し、縦軸は、信号強度を示している。
送信信号TS(線St)および受信信号RS(線Sr)は、それぞれ、送信周波数帯TxBおよび受信周波数帯RxBに含まれる所定の周波数において信号強度が高い信号である。ここで、これらの帯域外において妨害信号(線N0)が発生したとする。この妨害信号自体は、受信フィルタ9によって減衰され、RF−IC103によって受信されない。しかし、妨害信号と送信信号TSとが混合されて歪信号(線N1)が生じることがある。そして、その歪信号の周波数が受信信号RSの周波数と同等であると、歪信号は受信フィルタ9によって減衰されず、RF−IC103によって受信される。
歪信号は、基板53における圧電特性の非線形性に起因して生じている。具体的には、以下のとおりである。
圧電体における変形S(機械的な歪)および電場Eが比較的小さい場合においては、圧電特性は線形であり、圧電基本式は、以下の(4)式によって表される。
T=cS−eE (4)
ここで、Tは応力、cは弾性定数、eは圧電定数である。
ここで、Tは応力、cは弾性定数、eは圧電定数である。
しかし、変形Sおよび電場Eが大きいときには、応力Tに対して変形量(S)が飽和することなどから、圧電基本式は、以下の(5)式によって示すように非線形になる。
T=cS+c2S2+c3S3…−eE−e2E2−e3E3… (5)
ここで、c2S2+c3S3…および−e2E2−e3E3…が非線形項である。
ここで、c2S2+c3S3…および−e2E2−e3E3…が非線形項である。
電場Eとして、E1sin(ω1t)+E2sin(ω2t)が圧電体に入力されたとすると、圧電特性が線形の場合における(4)式は以下の(6)式のようになる。なお、簡単のために、変形Sの効果は省略する。
T=−eE1sin(ω1t)−eE2sin(ω2t) (6)
この(6)式によって示されるように、圧電体においては、それぞれの周波数(ω1、ω2)に対応した応力が発生する。
この(6)式によって示されるように、圧電体においては、それぞれの周波数(ω1、ω2)に対応した応力が発生する。
一方、圧電特性が非線形の場合における(5)式は以下の(7)式のようになる。なお、簡単のために変形Sの効果は省略し、また、2次の非線形項までを示す。
T=−eE1sin(ω1t)−eE2sin(ω2t)
−e2(E1 2sin2(ω1t)
+2E1E2sin(ω1t)sin(ω2t)
+E2 2sin2(ω2t)) (7)
上記の(7)式中のE1E2sin(ω1t)sin(ω2t)は、以下の(8)式のように書き換えられる。
−e2(E1 2sin2(ω1t)
+2E1E2sin(ω1t)sin(ω2t)
+E2 2sin2(ω2t)) (7)
上記の(7)式中のE1E2sin(ω1t)sin(ω2t)は、以下の(8)式のように書き換えられる。
E1E2sin(ω1t)sin(ω2t)
=−E1E2(cos((ω1+ω2)t)−cos((ω1−ω2)t))/2
(8)
この(8)式から理解されるように、圧電特性が非線形の場合においては、ω1およびω2それぞれとは異なるω1+ω2の周波数に対応した応力が発生する。従って、送信信号TSの角周波数をω1、妨害信号の角周波数をω2とすると、角周波数がω1+ω2の歪信号が生じることになる。
=−E1E2(cos((ω1+ω2)t)−cos((ω1−ω2)t))/2
(8)
この(8)式から理解されるように、圧電特性が非線形の場合においては、ω1およびω2それぞれとは異なるω1+ω2の周波数に対応した応力が発生する。従って、送信信号TSの角周波数をω1、妨害信号の角周波数をω2とすると、角周波数がω1+ω2の歪信号が生じることになる。
このような非線形性に起因する歪信号は、主としてギャップ67に起因して生じる。具体的には以下のとおりである。
第1電極指63Aは、その両側の第2電極指63Bに関して、一方の第2電極指63Bへの方向(結晶方位に対する方向)と、他方の第2電極指63Bへの方向(結晶方位に対する方向)とは互いに逆になっている。一方、2次の歪信号の電流の方向は、結晶方位によって決定される。従って、第1電極指63Aには、その両側から互いに正負が逆の2次の歪信号が入力され、これらは相殺される。第2電極指63Bに着目した場合についても同様である。このため、第1電極指63Aと第2電極指63Bの交差領域で発生する歪信号は全体的に相殺されて小さくなる。
一方、第1電極指63Aから第2ダミー電極65Bへの方向(結晶方位に対する方向)、ならびに、第1ダミー電極65Aから第2電極指63Bへの方向(結晶方位に対する方向)は、全ての第1電極指63Aおよび第1ダミー電極65Aについて、互いに同一である。従って、ギャップ67において生じ、第1櫛歯電極59Aに入力される歪信号は、正負が互いに同一であり、互いに打ち消されない。第2櫛歯電極59Bに着目した場合も同様である。
また、LiTaO3基板やLiNbO3基板では、結晶のc軸方向の誘電率の非線形性が大きいため、図6のx方向の電場によって発生する歪信号に比べ、y方向の電場によって発生する歪信号は大きくなる。このことも、圧電体の非線形性に起因する歪信号が、主としてギャップ67に起因して生じる原因になっている。
そして、容量素子69は、このギャップ67において生じた歪信号を打ち消す作用を生じる。すなわち、第1対向電極71Aから第2対向電極71Bへの方向(結晶方位に対する方向)は、第1櫛歯電極59Aから複数のギャップ67を経由して第2櫛歯電極59Bへ向かう方向(結晶方位に対する方向)とは逆になっていることから、互いに接続された第1櫛歯電極59Aおよび第1対向電極71Aは、互いに正負が逆の歪信号が入力され、歪信号は打ち消される。第2櫛歯電極59Bおよび第2対向電極71Bについても同様である。これによって、受信信号RSは、SN比が向上する。
特に、(2)式および(3)式が満たされることによって、複数のギャップ67において生じる歪信号と、第3ギャップ73において生じる歪信号との大きさが互いに同等となり、歪信号を効果的に打ち消すことができる。
なお、2次の歪信号は、電界の2乗に比例して大きくなるから、(2)式および(3)式が満たされないまでも、(1)式が満たされるのであれば、2次の歪信号を相殺することができ、ひいては、歪信号全体を大幅に打ち消すことができる。
分波器1において、送信信号TSの強度は受信信号RSの強度よりも高いことから、主として、受信信号RSが、送信信号TSと妨害信号とによって生じる歪信号の影響を受ける。また、送信信号TSと妨害信号とによって生じる歪信号は、アンテナ109に最も近いSAW素子である第1直列共振子15A−1において生じやすい。
従って、容量素子69を第1直列共振子15A−1に設けることによって、効率的に歪信号がSN比に及ぼす影響を抑制できる。特に、容量素子69を第1直列共振子15A−1のみに設けることによって、不必要に寄生容量が大きくなることを抑制できる。
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態に係るSAW素子251を示す、図3と同様の平面図である。
図5は、第2の実施形態に係るSAW素子251を示す、図3と同様の平面図である。
SAW素子251は、第1の実施形態のSAW素子51と同様に、例えば、第1直列共振子15A−1を構成するものである。SAW素子251は、容量素子269(第3ギャップ273)のギャップ長Dおよび幅Lの設定のみが、第1の実施形態のSAW素子51と異なっている。具体的には、以下のとおりである。
容量素子269のギャップ長Dおよび幅Lは、第1の実施形態と同様に、(1)式を満たすように設定されている。ただし、容量素子269のギャップ長Dおよび幅Lは、(2)式および(3)式に変えて、以下の(9)式および(10)式を満たすように設定されている。
D<d (9)
L<w×n (10)
例えば、D=d/2、L=(w×n)/4のとき、(1)、(9)および(10)式を満たす。
L<w×n (10)
例えば、D=d/2、L=(w×n)/4のとき、(1)、(9)および(10)式を満たす。
第2の実施形態においても、第1櫛歯電極59Aに接続された第1対向電極271Aから第2櫛歯電極59Bに接続された第2対向電極271Bへの方向(結晶方位に対する方向)が、複数のギャップ67における第1櫛歯電極59Aから第2櫛歯電極59Bへの方向(結晶方位に対する方向)とは逆になっており、且つ、(1)式が満たされることから、第1の実施形態と同様に、歪信号が打ち消される効果が奏される。
また、(1)式が満たされつつ、(9)式および(10)式が満たされるようにすると、容量素子269は、第1の実施形態の容量素子69に対して、Dが1/k倍され、Lが1/k2倍されることになる(k>1)。このとき、容量素子269の容量は、容量素子69の1/k倍となる。従って、第2の実施形態は、第1の実施形態に比較して、寄生容量を小さくすることができ、例えば、フィルタの通過周波数帯域を広帯域にすることができる。また、容量素子269は、第1の実施形態の容量素子69に比較して小型化されるから、SAW素子251の小型化もしくは容量素子269の基板53上における配置の自由度の向上が図られる。
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態のSAW素子351を示す、図3と同様の平面図である。
図6は、第3の実施形態のSAW素子351を示す、図3と同様の平面図である。
SAW素子351のIDT355は、いわゆるアポダイズが施されたものであり、複数の電極指363の長さは、SAWの伝搬方向の位置に応じて変化している。また、IDT355は、ダミー電極が設けられないものであり、一方の櫛歯電極359の複数の電極指363の先端は、他方の櫛歯電極359のバスバー61と、ギャップ367を介して対向している。
複数のギャップ367は、IDT355にアポダイズが施されていること、および、ダミー電極が設けられていないことによって、そのギャップ長diがSAWの伝搬方向の位置に応じて変化している。なお、複数のギャップ367の幅wは、互いに同一である。
SAW素子351は、第1および第2の実施形態のSAW素子と同様に、第1対向電極371Aおよび第2対向電極371Bからなる容量素子369を有している。なお、第3の実施形態において、第2バスバー61Bの一部は、第2対向電極371Bに兼用されている。すなわち、第2バスバー61Bと第2対向電極371Bとが一体化されている。なお、第1バスバー61Aと第1対向電極371Aとが一体化されて、その第1対向電極371Aに対向するようにして第2対向電極371Bを配置するようにしてもよい。
容量素子369においては、第1および第2の実施形態のSAW素子と同様に、第1櫛歯電極359Aに接続された第1対向電極371Aから第2櫛歯電極359Bに接続された第2対向電極371Bへの方向(結晶方位に対する方向)は、複数のギャップ367における第1櫛歯電極359Aから第2櫛歯電極359Bへの方向(結晶方位に対する方向)とは逆になっている。
容量素子369(第3ギャップ373)のギャップ長Dおよび幅Lは、複数のギャップ367のギャップ長diが互いに同一でないことに対応して(1)式を一般化した以下の(11)式を満たすように設定されている。
ここで、wiおよびdiは、IDT355の一方端から順に数えてi番目(1≦i≦n)のギャップ367の幅および長さを示し、(11)式の右辺は、wi/di 2の総和である。なお、本実施形態では、wiは互いに同一のwである。
複数のギャップ367の長さdiは一定でないから、容量素子369は、(2)式を満たすことはできず、ひいては、(2)式および(3)式の双方を満たすことはできない。ただし、容量素子369は、下記(12)式を満たすことによって、(2)式および(3)式が満たされるときの容量と同等の容量を有するものであってよい。
もしくは、容量素子369は、寄生容量が(12)式が満たされるときよりも小さくなるようにギャップ長Dおよび幅Lが設定されてよい。すなわち、下記(13)式が満たされてもよい。
なお、既に述べたように、2次の歪信号は電界の2乗に比例する。従って、本実施形態のようにダミー電極が設けられておらず、diが比較的大きい(Σ(wi/di 2)が比較的小さい)場合においては、歪信号は小さい。換言すれば、歪信号を打ち消す容量素子は、第1および第2の実施形態のように、ダミー電極が設けられている場合において特に有効に機能する。
<第4の実施形態>
図7(a)は、第4の実施形態のSAW素子の構成を模式的に示す回路図である。
図7(a)は、第4の実施形態のSAW素子の構成を模式的に示す回路図である。
このSAW素子においては、並列接続された複数(図7(a)では2つ)の容量素子469が設けられている。換言すれば、第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態の容量素子が分割されている。各容量素子469において、一方の対向電極から他方の対向電極への方向が、一方の対向電極に接続された櫛歯電極59から他方の対向電極に接続された櫛歯電極59への方向とは逆方向とされていることは、第1〜第3の実施形態と同様である。
そして、複数の容量素子469は、容量素子が複数であることに対応して(1)式を(11)式よりも一般化した下記の(14)式を満たすように構成されている。
ここで、mは容量素子469の第3ギャップ473の合計個数(図7では2個)であり、DjおよびWjは、j番目(2≦j≦m)の容量素子469の第3ギャップの長さおよび幅であり、(14)式の左辺は、Wj/Dj 2の総和である。
なお、複数の容量素子469は、容量素子469が複数であることに対応して(2)式および(3)式を一般化した下記の(15)式および(16)式を満たしてよい。
全てのjについて、Dj=d (15)
または、複数の容量素子469は、容量素子469が複数であることに対応して(13)式を一般化した下記の(17)式を満たしてよい。
また、複数の容量素子469は、(17)式に加えて、容量素子469が複数であることに対応して(9)式および(10)式を一般化した下記の(18)式および(19)式を満たしてもよい。
全てのj、iについて、Dj<di (18)
第4の実施形態によれば、第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。また、容量素子469を分散配置できるから、基板53上のレイアウトの自由度が向上することが期待される。
<第5の実施形態>
図7(b)は、第5の実施形態のSAW素子の構成を模式的に示す回路図である。
図7(b)は、第5の実施形態のSAW素子の構成を模式的に示す回路図である。
このSAW素子においては、直列接続された複数(図7(b)では2つ)の共振子15に対して1つの容量素子569が設けられている。別の観点では、第5の実施形態では、第1〜第3の実施形態の共振子15が分割されている。容量素子569において、一方の対向電極から他方の対向電極への方向が、一方の対向電極に(直接にまたは他の共振子15を介して)接続された櫛歯電極59から他方の対向電極に(他の共振子15を介してまたは直接に)接続された櫛歯電極59への方向とは逆方向とされていることは、第1〜第3の実施形態と同様である。
第5の実施形態によれば、第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。また、共振子15が分割されていることによって歪信号が低減され、その上さらに容量素子569による歪信号が低減されることになるから、歪信号の低減がより好適になされる。
<第6の実施形態>
図8は、第6の実施形態のSAW素子651の構成を示す、図3と同様の平面図である。
図8は、第6の実施形態のSAW素子651の構成を示す、図3と同様の平面図である。
SAW素子651は、第4の実施形態のSAW素子と同様に、複数(図8では2つ)の容量素子669を有している。複数の容量素子669は、第4の実施形態の複数の容量素子469と同様に、(14)式等を満たしている。容量素子669の第2対向電極671Bは、第3の実施形態と同様に、IDT55の第2バスバー61Bと一体化されている。
SAW素子651は、IDT55の第1櫛歯電極59Aと第1対向電極671Aとの接続に反射器57を利用している。すなわち、第1櫛歯電極59Aの第1バスバー61Aと反射器57のy方向正側のバスバーとは接続されており、第1対向電極671Aと反射器57のy方向負側のバスバーとは接続されている。
第6の実施形態によれば、第1〜第5の実施形態と同様の効果が得られる。また、反射器57をIDT55と容量素子669とを接続するための配線の一部として利用していることから、配線に必要なスペースを節約することができ、SAW素子の小型化が図られる。
<第7の実施形態>
図9は、第7の実施形態の分波器701の一部の構成を示す平面図である。
図9は、第7の実施形態の分波器701の一部の構成を示す平面図である。
分波器701においては、容量素子769とIDT55とが、IDT55間を接続する配線、または、IDT55と端子とを接続する配線を利用して接続されている。具体的には、例えば、以下のとおりである。
分波器701は、ラダー型フィルタを構成する直列共振子15Aおよび並列共振子15Bを有している。各共振子15は、他の実施形態と同様に、SAW素子からなり、IDT55と、反射器57とを有している。
分波器701は、直列共振子15Aに信号を入力するための入力側信号配線81と、直列共振子15Aからの信号を出力端子87に出力するための出力側信号配線83と、基準電位が付与されるグランド端子89に接続されたグランド配線85とを有している。入力側信号配線81は、不図示の入力端子または図示した直列共振子15A以外の直列共振子15Aから延びている。
並列共振子15Bは、第1櫛歯電極59Aが出力側信号配線83に接続され、第2櫛歯電極59Bがグランド配線85に接続されている。並列共振子15Bは、不要な信号成分をグランド端子89に逃がす役割を担っている。図2の形態と異なり、図9の分波器では並列共振子15Bが最も電気的にアンテナ端子に近いところに配置されているため、この並列共振子15Bで発生する歪信号も大きくなりやすい。このため、並列共振子15Bで発生する歪信号を低減することは、分波器全体の歪信号出力を低減させるために重要である。
容量素子769は、例えば、2個所に設けられている。容量素子769は、出力側信号配線83から延びる第1対向電極771Aと、グランド配線85から延びる第2対向電極771Bとを有している。
従って、第1対向電極771Aは、出力側信号配線83を介して並列共振子15Bの第1櫛歯電極59Aに接続され、第2対向電極771Bは、グランド配線85を介して並列共振子15Bの第2櫛歯電極59Bに接続されている。
第1対向電極771Aから第2対向電極771Bへ向かう方向は、並列共振子15Bにおける第1櫛歯電極59Aから第2櫛歯電極59Bへ向かう方向と逆方向である。また、容量素子769は、第4の実施形態等と同様に、(14)式等を満たす。
第7の実施形態によれば、第1〜第6の実施形態と同様の効果が得られる。また、IDT55間の配線、または、IDT55と端子とを接続する配線を櫛歯電極59と対向電極771とを接続するための配線として利用していることから、配線に必要なスペースを節約することができ、SAW素子の小型化が図られる。
<第8の実施形態>
図10は、第8の実施形態のSAW素子851の構成を示す、図3と同様の平面図である。
図10は、第8の実施形態のSAW素子851の構成を示す、図3と同様の平面図である。
SAW素子851は、反射器857を容量素子として利用している。具体的には、以下のとおりである。
反射器857は、第1対向電極871Aおよび第2対向電極871Bを有する。第1対向電極871Aは、第3バスバー891Aと、第3バスバー891Aから延びる複数の第3電極指893とを有している。第2対向電極871Bは、第4バスバー891Bと、第4バスバー891Bから延びる複数の第4電極指895とを有している。
第3バスバー891Aおよび第4バスバー891Bは、それぞれSAWの伝搬方向に延びて、長尺状に形成されている。第3バスバー891Aおよび第4バスバー891Bは互いに対向して配置されている。第3バスバー891Aおよび第4バスバー891Bは例えば互いに平行であり、両者の間の距離はSAWの伝搬方向において一定である。
複数の第3電極指893は、概ね一定の幅で第3バスバー891Aから第4バスバー891Bへ向かって直線状に延びている。複数の第3電極指893は、SAWの伝搬方向(x方向)に沿って一定のピッチPで配列されている。複数の第3電極指893のピッチPは、例えば、IDT55の電極指63のピッチpと同等である。
第3電極指893の長さは、例えば、複数の第3電極指893において互いに同一であり、IDT55の電極指63の長さと同等である。また第3電極指893の幅Wは、例えば、複数の第3電極指893において互いに同一であり、IDT55の電極指63の幅wと同等である。
複数の第3電極指893は、互いに接続されていることから同電位となる。同電位となる複数の第3電極指893同士が、互いに隣り合って配列されていることによって、IDT55からx方向に沿って漏れ出たSAWをIDT55側へ反射させることができる。すなわち、反射器57はSAWを反射させる機能を有する。
第4電極指895は、その長さが第3電極指893の長さよりも短くされており、例えば、IDT55のダミー電極65と同じ長さである。第4電極指895の本数、幅、ピッチ等は、例えば、第3電極指893と同じである。
SAW素子851における反射器857は、SAWを反射させる機能のほか、SAW素子851に生じ得る歪波がSN比に及ぼす影響を抑制する機能を有するように構成されている。
そのための構成として、まず、反射器857は、第1対向電極871Aから第2対向電極871Bに向かう方向が、第1バスバー61Aから第2バスバー61Bに向かう方向とは逆になっている。すなわち、図10において、第1対向電極871Aから第2対向電極871Bに向かう方向が+y方向であるのに対して、第1バスバー61Aから第2バスバー61Bに向かう方向は−y方向となっている。
このように配置された第1対向電極871Aは、第1櫛歯電極59Aに電気的に接続され、第2対向電極871Bは、第2櫛歯電極59Bに電気的に接続されている。具体的には、第1対向電極871Aの第3バスバー891Aと第1櫛歯電極59Aの第1バスバー61Aとが、圧電基板53の上面53aに形成された接続配線897を介して接続されている。第2対向電極871Bの第4バスバー891Bと第2櫛歯電極59Bの第2バスバー61Bとが、IDT55の両端に位置する第2電極指63Bを介して接続されている。
また、第3電極指893は、その先端が第2対向電極871B(SAW素子851では、第4電極指895)との間に第3ギャップ873を有するように形成されている。第3ギャップ873の幅は、第3電極指893の幅Wと同一である。
第3ギャップ873のギャップ長Dおよび幅Wは、上述の(14)式を満たすように設定されている。
ここで、mは2以上の整数であり、一対の反射器857に設けられた第3ギャップ873の合計数である。また、DjおよびWjはj番目の第3ギャップ873のギャップ長およびギャップ幅である。
なお、j番目の第3ギャップ873とは、一対の反射器857の第3ギャップ873全体を通しての通し番号におけるj番目の第3ギャップ873であるとし、一対の反射器857全体の中で左端または右端に位置する第3ギャップ873を1番目(j=1)として順次数えていくものとする。
SAW素子851では、ギャップ長Dおよびギャップ幅Wは、例えば、上述の(15)式および(16)式を満たすように設定されることによって、上記の(14)式を満たしている。
なお、第1の実施形態と同様に、第1直列共振子15A−1以外の直列共振子15A、並列共振子15Bおよび補助共振子15Cの構成は、歪波の低減のための構成を有さない従来のものと同様でよい。なお、これらの共振子15においても、第1直列共振子15A−1と同様の反射器857が設けられてもよい。
(14)式が満たされることによって、第1〜第7の実施形態と同様に、歪波低減の効果が奏される。また、本実施形態では、反射器857を容量素子として利用していることから、容量素子を配置するためのスペースが節約される。
またSAW素子851において、第3ギャップ873は第1電極指63Aと第2電極指63Bとの交差領域をx方向に沿って延長した領域Tcから外れた場所に位置している。第3ギャップ873を領域Tcから外れた領域に配置することによって、反射器857のSAWを反射させる機能の劣化を抑制することができる。
図11は第8の実施形態に係るSAW素子851の変形例を示す平面図である。図10に示したSAW素子851では反射器857の第2対向電極871Bが第4電極指895を有しており、第3電極指893は、この第4電極指895の先端との間に第3ギャップ873を有するようにその先端が位置していたが、図11の変形例では第4電極指895は設けられていない。すなわち、図11に示す変形例では、図10において複数の第4電極指895が共通に接続されていた第4バスバー891Bに対して第3ギャップ873を有するように第3電極指893の先端が位置している。
図12は第8の実施形態に係るSAW素子851の別の変形例を示す平面図である。図12に示す変形例では、SAWの伝搬方向(x方向)に沿って第3ギャップ873を見ていったときに、第3ギャップ873の位置がy方向にずれている。換言すれば、第3電極指893の先端および第4電極指895の先端の位置がx方向に見ていったときにy方向においてずれた位置にあり、第3電極指893の長さおよび第4電極指895の長さが異なっている。
<第9の実施形態>
図13は、第9の実施形態に係るSAW素子951を示す、図3と同様の平面図である。
図13は、第9の実施形態に係るSAW素子951を示す、図3と同様の平面図である。
SAW素子951は、反射器957における第3ギャップ973のギャップ長Dおよびギャップ数(ギャップ幅Wの合計)のみが、第9の実施形態のSAW素子851と異なっている。具体的には、以下のとおりである。
第3ギャップ923のギャップ長Dおよびギャップ数は、第8の実施形態と同様に、(14)式を満たすように設定されている。ただし、第3ギャップ223のギャップ長Dおよびギャップ数は、(15)式および(16)式に変えて、既述の(18)式および(19)式を満たすように設定されている。
ただし、SAW素子951においては、各第3ギャップ973のギャップ長Djが等しく(Dj=一定)、各第1および第2ギャップのギャップ長diが等しい(di=一定)ものとする。
第9の実施形態においても、第1バスバー61Aから第2バスバー61Bに向かう方向が、第3ギャップ973における第3電極指893から第2対向電極871Bへの方向とは逆になっており、且つ、(14)式が満たされることから、第8の実施形態と同様に、歪信号が打ち消される効果が奏される。
また、(14)式が満たされつつ、(18)式および(19)式が満たされることから、第2の実施形態において述べたように、寄生容量を小さくすることができ、例えば、フィルタの通過周波数帯域を広帯域にすることができる。また、反射器957は、第1の実施形態の反射器857に比較して小型化されるから、SAW素子951の小型化もしくは反射器957の基板53上における配置の自由度の向上が図られる。
<容量素子に関する好適な数値範囲>
上述した実施形態においては、容量素子は、(1)式、(11)式または(14)式を満たした。すなわち、これらの式において、左辺の値と右辺の値とは一致した。しかし、左辺の値と右辺の値とが完全に一致しなくても、これらの値が近ければ、歪信号の相殺の効果は奏される。そこで、以下では、これらの式の左辺の値(L/D2等)の好適な範囲を検討する。
上述した実施形態においては、容量素子は、(1)式、(11)式または(14)式を満たした。すなわち、これらの式において、左辺の値と右辺の値とは一致した。しかし、左辺の値と右辺の値とが完全に一致しなくても、これらの値が近ければ、歪信号の相殺の効果は奏される。そこで、以下では、これらの式の左辺の値(L/D2等)の好適な範囲を検討する。
第1または第2の実施形態のSAW素子と同様の構成(ダミー電極有り、アポタイズ無し、容量素子1つ)を有するSAW素子に所定のパワーの信号を入力したときに生じる歪波信号のパワーをシミュレーションによって計算した。シミュレーションの条件は、以下のとおりである。
圧電基板:
材料:LiTaO3
カット角:42°Yカット X伝搬
IDT:
材料:Al−Cu
電極指:
本数(n):140本(70対)
ピッチ(p):2.3μm(λ=4.6um)
ギャップ長さ(d):0.75μm
幅(w):1.15μm
交差幅:20λ(図10のTc参照)
共振周波数:850MHz付近
容量素子:
ギャップ長さ(D):D=d
幅(L):0≦L/L0≦2 (L0=Σwi=w×n)
入力信号:
パワー:22dBm
周波数:950MHz
計算対象:2次高調波(1900MHz)のパワー
上記のように、容量素子のギャップ長さDは電極指のギャップ長さdと同一とした。また、容量素子の幅Lは、L0によって割って正規化し、0以上2以下の範囲で変化させた。なお、(11)式が満たされるのは、L/L0=1のときである。
材料:LiTaO3
カット角:42°Yカット X伝搬
IDT:
材料:Al−Cu
電極指:
本数(n):140本(70対)
ピッチ(p):2.3μm(λ=4.6um)
ギャップ長さ(d):0.75μm
幅(w):1.15μm
交差幅:20λ(図10のTc参照)
共振周波数:850MHz付近
容量素子:
ギャップ長さ(D):D=d
幅(L):0≦L/L0≦2 (L0=Σwi=w×n)
入力信号:
パワー:22dBm
周波数:950MHz
計算対象:2次高調波(1900MHz)のパワー
上記のように、容量素子のギャップ長さDは電極指のギャップ長さdと同一とした。また、容量素子の幅Lは、L0によって割って正規化し、0以上2以下の範囲で変化させた。なお、(11)式が満たされるのは、L/L0=1のときである。
上記の条件のIDTにおいては、共振周波数である850MHz付近の入力信号に対しては機械的な振動が大きくなり、この機械的振動に伴う歪信号(式(5)の変形Sの非線形性に起因する歪信号)が大きく発生してしまう。このため、(8)式等によって示した電場に基づく歪信号は、950MHzの入力信号によって測定した方が誤差の少ない測定が行える。そこで、950MHzの入力信号によって生じる2次高調波(1900MHz)のパワーを歪波のパワーとして算出した。なお、実際の分波器におけるIMDでは、送信波は共振周波数近傍であるが、妨害波は共振周波数から大きく外れているので、妨害波に伴う機械的な振動は小さくなる。このため、機械的振動に伴う歪信号は小さくなり、電場に基づく歪信号が相対的に大きくなる。
図14は、計算結果を示す図である。横軸はL/L0を示し、縦軸は、2次高調波(H2)のパワーを示している。
この図に示されるように、(11)式が満たされるL/L0=1のときにおいて、2次高調波のパワーが最も小さくなっている。また、L/L0が0よりも多少なりとも大きくなれば、また、L/L0が2よりも多少なりとも小さくなれば、L/L0=0(容量素子無し)の場合に比較して、2次高調波のパワーは低減されている。
従って、L/D2の好ましい範囲として、下記の(20)式が導き出される。
また、容量素子が複数であることに対応して(11)式をより一般化した(14)式も、(11)式と同様の理論に基づくから、(20)式と同様にして、下記の(21)式が導き出される。
背景技術において述べたように、1つのIDTに代えて、当該1つのIDTと同等の合成容量を有する、直列に接続された2つのIDTが設けられることがある。この場合、各IDTに印加される電圧は1/2となる。一方、2次高調波の歪電流の強度は電圧の自乗に比例するから、各IDTでの2次高調波の信号強度は1/4に低減される。IDTが2つになっていることを考慮すると、合計の2次高調波の信号強度は1/2となる。すなわち、直列に接続された2つのIDTから発生する2次高調波のパワーは、IDTを分割しない場合のパワーから6dBm下がる。図14の線Lsは、この6dBmの低減効果が得られたときのパワーを示している。
容量素子を設けることによって、IDTを分割した場合と同等以上の効果(6dBm以上の低減効果)を得る観点からは、L/L0は、2次高調波のパワーが線Lsよりも小さい値となる範囲、すなわち、0.45〜1.45の範囲であることが好ましい。従って、下記(22)式および(23)式が導き出される。
実際にSAW素子を作製し、歪低減効果について調べた。具体的には、複数組の比較例および実施例のSAW素子に信号を入力し、その結果発生した2次高調波(H2)をスペクトラムアナライザーによって測定した。
複数組の比較例および実施例に共通する条件を以下に示す。
IDTの共振周波数:850MHz付近
入力信号:
パワー:22dBm
周波数:750−950MHz
2次高調波(測定対象)の周波数:1500−1900MHz
(比較例1、実施例1〜3)
比較例1および実施例1〜3の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。
入力信号:
パワー:22dBm
周波数:750−950MHz
2次高調波(測定対象)の周波数:1500−1900MHz
(比較例1、実施例1〜3)
比較例1および実施例1〜3の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。
容量素子は、図5と同様に、1つのみ設け、反射器に対してIDTとは反対側に位置させた。容量素子のギャップ長さDは、電極指のギャップ長さdと同一とした。容量素子の幅Lは、以下の値とした。
比較例1:L=0
実施例1:L=80.9μm
実施例2:L=161.7μm
実施例3:L=323.4μm
なお、L0=w×n=1.15×140=161である。すなわち、実施例1のL=80.9μmはL/L0=0.5に対応し、実施例2の161.7μmはL/L0=1.0に対応し、実施例3の323.4μmはL/L0=2.0に対応している。
実施例1:L=80.9μm
実施例2:L=161.7μm
実施例3:L=323.4μm
なお、L0=w×n=1.15×140=161である。すなわち、実施例1のL=80.9μmはL/L0=0.5に対応し、実施例2の161.7μmはL/L0=1.0に対応し、実施例3の323.4μmはL/L0=2.0に対応している。
図15(a)は、測定結果を示す図であり、横軸は入力信号の周波数を示し、縦軸はその入力信号に基づく2次高調波のパワーを示している。前記したように、共振周波数である850MHz付近の入力信号に対しては、機械的な振動に伴う歪信号が大きく発生しており、2次高調波のパワーはピークとなっている。(8)式等によって示した電場に基づく歪信号は、機械的な共振とは無関係に発生するため明確なピークは持たず、全周波数にわたってほぼ一定のバックグラウンドとなっている。ただし、共振周波数付近では共振子のインピーダンスが小さくなり、共振子の両端子間の電圧が小さくなるため、電場に基づく歪信号も小さくなる。これらの影響を考慮し、共振周波数から十分離れた950MHz付近の入力周波数に対する歪信号を、電場に基づく歪信号と見なした。
950MHz付近においては、実施例1〜3のいずれも比較例1に比較して2次高調波のパワーが下がっている。従って、容量素子を設けることによって歪波が低減されることが確認されるとともに、(20)式および(21)式の妥当性が確認された。また、850MHz付近のピーク値はほぼ変わらない結果となっている。これも、本発明の共振子では機械的な振動に伴う歪信号の低減効果はないことから、妥当な結果となっている。
(比較例2、実施例4および5)
比較例2および実施例4および5の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。ただし、電極指の本数は、160本とした。
比較例2および実施例4および5の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。ただし、電極指の本数は、160本とした。
容量素子は、図8と同様に、2つ設け、反射器をIDTと容量素子とを接続する配線として利用するとともに、IDTのバスバーを対向電極に兼用させた。容量素子のギャップ長さDは、電極指のギャップ長さdと同一とした。容量素子の幅Lは、以下の値とした。
比較例2:L=0
実施例4:L=92.4μm
実施例5:L=184.8μm
なお、L0=w×n=1.15×160=184である。すなわち、実施例4のL=92.4μmはL/L0=0.5に対応し、実施例5の184.8μmはL/L0=1.0に対応している。
実施例4:L=92.4μm
実施例5:L=184.8μm
なお、L0=w×n=1.15×160=184である。すなわち、実施例4のL=92.4μmはL/L0=0.5に対応し、実施例5の184.8μmはL/L0=1.0に対応している。
図15(b)は、測定結果を示す、図15(a)と同様の図である。950MHz付近においては、実施例4および5のいずれも比較例2に比較して2次高調波のパワーが下がっている。従って、容量素子を設けることによって歪波が低減されることが確認されるとともに、(20)式および(21)式の妥当性が確認された。
(比較例2、実施例6〜8)
比較例2および実施例6〜8の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。ただし、電極指の本数は、160本とした。比較例2は、実施例4および5と比較された比較例2と同一のものである。
比較例2および実施例6〜8の圧電基板およびIDTの条件は、概ね、上述したシミュレーション計算の条件と同一である。ただし、電極指の本数は、160本とした。比較例2は、実施例4および5と比較された比較例2と同一のものである。
容量素子は、図10と同様に、一対の反射器によって構成した。反射器の電極指のギャップ長さDおよび幅Wは、IDTの電極指のギャップ長さdおよび幅wと同一とした。反射器の電極指の本数は、以下のようにした。
比較例2:0本
実施例6:30本×2
実施例7:55本×2
実施例8:80本×2
なお、W=w、n=160であるから、実施例6の30本×2はL/L0=0.38に対応し、実施例7の55本×2はL/L0=0.69に対応し、実施例8の60本×2はL/L0=1.0に対応している。
実施例6:30本×2
実施例7:55本×2
実施例8:80本×2
なお、W=w、n=160であるから、実施例6の30本×2はL/L0=0.38に対応し、実施例7の55本×2はL/L0=0.69に対応し、実施例8の60本×2はL/L0=1.0に対応している。
図15(c)は、測定結果を示す、図15(a)と同様の図である。950MHz付近においては、実施例6〜9のいずれも比較例2に比較して2次高調波のパワーが下がっている。従って、容量素子を設けることによって歪波が低減されることが確認されるとともに、(20)式および(21)式の妥当性が確認された。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
弾性波素子は、(狭義の)SAW素子に限定されない。例えば、弾性波素子は、いわゆる弾性境界波素子(ただし、広義のSAW素子に含まれる。)であってもよい。
IDTの形状は、図示したものに限定されない。例えば、IDTは、アポダイズが施されず、且つ、ダミー電極が設けられないものであってもよいし、アポダイズが施され、ダミー電極が設けられるものであってもよい。また、IDTは、バスバーが傾斜もしくは屈曲するものであってもよいし、バスバーの弾性波の伝搬方向に直交する方向(y方向)の大きさが変化する(バスバーの電極指側の縁部のy方向の位置が変化する)ものであってもよい。また、IDTは、電極指のピッチが狭くなる部分が設けられたり、一の櫛歯電極から延びる2以上の電極指が、他方の櫛歯電極から延びる電極指を挟まずに隣接する部分が設けられたりしてもよい。また、電極指またはダミー電極は、その先端の角部が面取りされていてもよいし、ダミー電極は、その先端の幅(x方向)が大きくされていてもよい。
なお、Σ(wi/di 2)は、1/di 2の幅方向(x方向)への積分と等価であるものとする。従って、電極指の先端の角部が面取りされたり、ダミー電極のない櫛歯電極においてバスバーが斜めに形成されたりすることなどによって、各ギャップ(67等)の長さが幅方向(x方向)において一定でない場合においても、Σ(wi/di 2)は、積分を利用することによって適用可能である。積分に代えて、近似的な代表値を用いてΣ(wi/di 2)が算出されてもよい。容量素子のギャップおよび他の式についても同様である。
容量素子は、いわゆるギャップ型のものに限定されない。例えば、容量素子は、IDTと同様に、互いに噛み合う第3櫛歯電極および第4櫛歯電極を有するものであってもよい。この場合、第3櫛歯電極および第4櫛歯電極は、例えば、IDTと同様に、弾性波の伝搬方向に電極指が延びるように配置され、第1櫛歯電極に接続された第3櫛歯電極から、第2櫛歯電極に接続された第4櫛歯電極への方向が、第1櫛歯電極から第2櫛歯電極への方向とは逆方向とされる。第3櫛歯電極および第4櫛歯電極において、歪波の打ち消しに寄与するのは、容量素子の複数の電極指の先端のギャップ(67に相当)である。従って、第3櫛歯電極および第4櫛歯電極は、ギャップ毎に容量素子が設けられ、互いに並列接続されたものと捉えることができ、ギャップのDjおよびWjは、図7(a)に示した第4の実施形態と同様に設定されてよい。
なお、第3櫛歯電極および第4櫛歯電極は、電極指の側方におけるギャップ(x方向における電極指間のギャップ)においても容量を有している。従って、ギャップ型の容量素子に比較して容量が大きい。このような第3櫛歯電極および第4櫛歯電極は、例えば、通過帯域の調整に用いる付加容量素子として兼用できる。なお、ギャップ型の容量素子も、通過帯域の調整に利用されてもよい。
IDTと容量素子とは適宜に接続されてよい。例えば、容量素子は、バスバーではなく、電極指と接続されていてもよい。
なお、容量素子は、IDT毎に設けられるのではなく、複数のIDTに対して共通に設けられ、複数のIDTに対して(11)式または(14)式等を満たしてもよい。ただし、IDT毎に歪波のスペクトルは異なることから、実施形態において示したように、IDT毎に容量素子が設けられ、(11)式または(14)式等が満たされることが好ましい。ただし、前述した、1つの共振子を同じ大きさの2つの共振子に直列分割した場合などは、各共振子が同じ特性を持つため、容量素子を複数のIDTに対して共通に設けることが、スペース削減などの面で有効である。
また、容量素子は、IDTが設けられた圧電基板とは別の圧電基板に設けられてもよい。この場合であっても、容量素子とIDTとで結晶方位が逆になればよい。例えば、分波器において、送信側フィルターチップと受信側フィルターチップが別個の圧電基板上に設けられている場合は、送信側フィルターで発生する歪信号を、受信側フィルターに設けた容量素子で低減することも可能である。ただし、この場合、両者を接続する接続線の抵抗等の影響を考慮する必要があることから、実施形態において示したように、IDTおよび容量素子は同一の基板に設けられることが好ましい。
なお、式(1)〜(3)、(9)〜(19)は理想的な場合に満たされる式であり、実際には櫛歯電極の製造ばらつき、圧電基板のばらつき、あるいは測定誤差などによって、若干の範囲でずれる場合がある。その場合でも、本発明の趣旨に沿って容量素子のDj、Wjを調整することにより、歪波の影響を抑制できる。例えば、(14)式において上記製造ばらつきなども考慮すると、下記(24)式が満たされていれば、2次歪によって発生する信号のパワーを10dB程度下げることができ、実用上十分な低歪化の効果が得られる。
51…SAW素子(弾性波素子)、53…圧電基板、53a…上面、55…IDT、59A…第1櫛歯電極、59B…第2櫛歯電極、61A…第1バスバー、61B…第2バスバー、63A…第1電極指、63B…第2電極指、67A…第1ギャップ、67B…第2ギャップ、69…容量素子、71A…第1対向電極、71B…第2対向電極。
Claims (19)
- 圧電基板と、
該圧電基板の上面に位置し、第1櫛歯電極および第2櫛歯電極を備えたIDT電極と、
前記圧電基板の上面に位置し、前記第1櫛歯電極に電気的に接続された第1対向電極と、前記第2櫛歯電極に電気的に接続された第2対向電極とを備え、前記IDT電極に並列接続された容量素子と、を備え、
該容量素子は、前記第1対向電極から前記第2対向電極へ向かう方向が、前記第1櫛歯電極から前記第2櫛歯電極へ向かう方向と異なるように配置されている弾性波素子。 - 前記容量素子は、前記第1対向電極から前記第2対向電極へ向かう方向が、前記第1櫛歯電極から前記第2櫛歯電極へ向かう方向と逆である請求項1に記載の弾性波素子。
- 前記容量素子を複数備えている請求項1または2に記載の弾性波素子。
- 前記IDT電極を挟むように前記圧電基板の上面に位置する一対の反射器をさらに有し、前記第1対向電極は、前記反射器を介して前記第1櫛歯電極と電気的に接続されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性波素子。
- 前記第1櫛歯電極は、第1バスバーと、該第1バスバーから延びる複数の第1電極指と、を備え、
前記第2櫛歯電極は、第2バスバーと、該第2バスバーから延びる複数の第2電極指と、を備え、
前記第1櫛歯電極および前記第2櫛歯電極は、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とが互いに噛み合っており、
前記第1電極指は、その延びる方向において先端が第1ギャップを介して第2櫛歯電極と対向し、
前記第2電極指は、その延びる方向において先端が第2ギャップを介して第1櫛歯電極と対向し、
前記容量素子は、前記第1対向電極および前記第2対向電極の間に第3ギャップが位置しており、
前記第1ギャップおよび前記第2ギャップの合計数をn(n≧2)、前記第1ギャップおよび前記第2ギャップのうち前記IDT電極の一方端から順に数えてi番目の第1ギャップおよび第2ギャップの長さおよび幅をそれぞれdi、wi(1≦i≦n)としたときに、前記第3ギャップの長さDおよび幅Lが、下記の(A)式を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の弾性波素子。
- 前記第1櫛歯電極は、前記複数の第1電極指間において前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延び、その先端が前記複数の第2電極指の先端と前記第2ギャップを介して対向する複数の第1ダミー電極指をさらに備え、
前記第2櫛歯電極は、前記複数の第2電極指間において前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、その先端が前記複数の第1電極指の先端と前記第1ギャップを介して対向する複数の第2ダミー電極指をさらに備える請求項5〜7のいずれかに記載の弾性波素子。 - 前記第1バスバーと前記第1対向電極とが一体化されている請求項1〜8のいずれかに記載の弾性波素子。
- 前記第1櫛歯電極は、第1バスバーと、該第1バスバーから延びる複数の第1電極指と、を備え、
前記第2櫛歯電極は、第2バスバーと、該第2バスバーから延びる複数の第2電極指と、を備え、
前記第1櫛歯電極および前記第2櫛歯電極は、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とが互いに噛み合っており、
前記第1電極指は、その延びる方向において先端が第1ギャップを介して第2櫛歯電極と対向し、
前記第2電極指は、その延びる方向において先端が第2ギャップを介して第1櫛歯電極と対向し、
前記容量素子は、前記第1対向電極および前記第2対向電極の間に第3ギャップが位置しており、
前記第1ギャップおよび前記第2ギャップの合計数をn(n≧2)、前記第1ギャップおよび前記第2ギャップのうち前記IDT電極の一方端から順に数えてi番目の第1ギャップおよび第2ギャップの長さおよび幅をそれぞれdi、wi(1≦i≦n)とし、
前記第3ギャップの合計値をm(m≧2)、j番目の前記第3ギャップの長さおよび幅をそれぞれDj、Wj(1≦j≦m)としたときに、
前記容量素子が下記の(D)式を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の弾性波素子。
- 前記容量素子を複数備え、該複数の容量素子は前記IDT電極を挟むように位置しており、
前記第1対向電極および前記第2対向電極の一方の電極は、前記第1対向電極および前記第2対向電極の他方の電極側に向かって延び、その延びる方向において先端が第3ギャップを介して前記他方の電極と対向する複数の第3電極指を備える請求項1または2に記載の弾性波素子。 - 前記第3ギャップを複数備えており、
該複数の第3ギャップは前記IDT電極から離れるにつれて前記第1対向電極側に近づくように配置されている請求項11に記載の弾性波素子。 - 前記第1櫛歯電極は、第1バスバーと、該第1バスバーから延びる複数の第1電極指と、を備え、
前記第2櫛歯電極は、第2バスバーと、該第2バスバーから延びる複数の第2電極指と、を備え、
前記第1櫛歯電極および前記第2櫛歯電極は、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とが互いに噛み合っており、
前記第1電極指は、その延びる方向において先端が第1ギャップを介して第2櫛歯電極と対向し、
前記第2電極指は、その延びる方向において先端が第2ギャップを介して第1櫛歯電極と対向し、
前記第1ギャップおよび前記第2ギャップの合計数をn(n≧2)、前記第1ギャップおよび前記第2ギャップのうち前記IDT電極の一方端から順に数えてi番目の第1ギャップおよび第2ギャップの長さおよび幅をそれぞれdi、wi(1≦i≦n)とし、
前記第3ギャップの合計値をm(m≧2)、j番目の前記第3ギャップの長さおよび幅をそれぞれDj、Wj(1≦j≦m)としたときに、
前記反射器が下記の(D)式を満たす請求項11または12に記載の弾性波素子。
- 前記第3ギャップは、前記第1電極指と前記第2電極指との交差領域を弾性波の伝搬方向に沿って延長した延長領域から外れた領域に位置している請求項13に記載の弾性波素子。
- 前記第2櫛歯電極は、基準電位となるように設定されている請求項1〜14のいずれかに記載の弾性波素子。
- 前記圧電基板は、LiTaO3基板またはLiNbO3基板である請求項1〜16のいずれかに記載の弾性波素子。
- アンテナ端子と、
該アンテナ端子に電気的に接続された送信フィルタと、
前記アンテナ端子に電気的に接続された受信フィルタと、を備え、
前記送信フィルタは請求項1〜16のいずれかに記載の弾性波素子とを備える分波器。 - 前記送信フィルタは前記IDT電極を備える共振子を複数備え、
前記弾性波素子は前記共振子に対して前記アンテナ端子側に位置している請求項17に記載の分波器。 - アンテナと、
該アンテナに電気的に接続された請求項17または18に記載の分波器と、
該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信モジュール。
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