JPWO2016190216A1 - 弾性波装置および通信装置 - Google Patents

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Abstract

弾性波素子からなる複数の直列共振子S1〜S4および複数の並列共振子P1〜P4であって、それぞれがラダー型に接続されたフィルタを構成している複数の直列共振子S1〜S4および複数の並列共振子P1〜P4と、複数の直列共振子S1〜S4の少なくとも1つに並列接続された第1容量部C1と、複数の並列共振子P1〜P4の少なくとも1つに直列接続された第2容量部C2と、を備える弾性波装置1である。通過帯域におけるロスを抑制しつつ、通過帯域外の減衰特性を良好にすることができる。

Description

本発明は、弾性波装置および通信装置に関するものである。
近年、移動体端末等の通信装置において、アンテナから送信・受信される信号をフィルタリングする弾性波装置に弾性波素子が用いられている。弾性波素子は、圧電基板と、圧電基板の主面に形成された励振電極によって構成されている。弾性波素子は、励振電極と圧電基板との関係で電気信号と弾性表面波とを相互に変換することができる特性を利用するものである。
特開平5−183380号公報には、複数の弾性波素子をラダー型に接続してなる弾性波装置が開示されている。
本開示の一実施形態に係る弾性波装置は、弾性波素子からなる複数の直列共振子および複数の並列共振子と、第1容量部と、第2容量部と、を含む。前記複数の直列共振子および前記複数の並列共振子は、それぞれがラダー型に接続されてフィルタを構成している。そして、前記複数の直列共振子の少なくとも1つに並列接続された第1容量部を備える。また、前記複数の並列共振子の少なくとも1つに直列接続された第2容量部を備えるものである。
本開示の一実施形態に係る通信装置は、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された上述の弾性波装置と、該弾性波装置に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
本開示の一実施形態に係る弾性波装置の回路図である。 弾性波装置を構成する弾性波素子の平面図である。 図2の弾性波素子において、III−III線で切断した断面の要部拡大図である。 図4(a)は、本開示の弾性波装置の効果を検証する説明図であり、図4(b)は、本開示の弾性波装置の効果を検証する説明図であり、図4(c)は、本開示の弾性波装置の効果を検証する図である。 第1容量部C1の平面図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置を説明する概略図である。 本開示の一実施形態に係る弾性波装置を用いた分波器を説明する回路図である。 図8(a)は、実施例1の弾性波装置の回路図である。図8(b)は、比較例1の弾性波装置の回路図である。 図9(a)は実施例および比較例に係る弾性波装置のフィルタ特性のシミュレーション結果を示す線図であり、図9(b)は図9(a)の要部拡大図である。 比較例2の弾性波装置の回路図である。 実施例および比較例に係る弾性波装置のフィルタ特性のシミュレーション結果を示す線図である。
以下、本開示の一実施形態に係る弾性波装置および通信装置について、図面を参照して説明する。 弾性波装置は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。なお、直交座標系xyzは、弾性波装置の形状に基づいて定義されているものであり、圧電基板の結晶軸を指すものではない。
<弾性波装置>
ラダー型フィルタを構成する弾性波装置1について説明する。弾性波装置1を用いることにより、送信信号の通過周波数の帯域外において減衰を大きくすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置1の構成を示す回路図である。図1に示す通り、弾性波装置1は、圧電基板2(不図示)と、複数の直列共振子S1〜S4と、複数の並列共振子P1〜P4とを備える。直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P4は、入力部Iと出力部Oとの間に配線20によりラダー型に接続されている。具体的には、配線20は、直列共振子S1〜S4を直列に接続する直列腕20sと、並列共振子P1〜P4を直列腕20sと基準電位Gndとの間に接続する並列腕20pとを有する。このように複数の直列共振子S1〜S4と、複数の並列共振子P1〜P4とを接続することでラダー型のフィルタを構成している。
また、弾性波装置1は、直列共振子S1〜S4の少なくとも1つに並列に接続された第1容量部C1と、並列共振子P1〜P4の少なくとも1つに並列に接続された第2容量部C2とを備える。第1容量部C1は全ての直列共振子に,第2容量部C2は全ての並列共振子にそれぞれ接続されていてもよいが、この例では、直列共振子S1〜S3それぞれに第1容量部C1(C1a〜C1c)が並列接続されおり、並列共振子P1〜P3のそれぞれに第2容量部C2(C2a〜C2c)が直列に接続されている。
直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P3のそれぞれは弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子で構成される。
図2は、例えば、直列共振子S1を構成する模式的なSAW素子の平面図であり、図3は図2のIII−III線における要部拡大断面図である。SAW素子は、図2に示すように、圧電基板2の上面2Aに設けられたIDT(Interdigital Transducer)電極3および反射器4を有している。
圧電基板2は、ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO)結晶またはタンタル酸リチウム(LT:LiTaO)結晶からなる圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。具体的には、例えば、圧電基板2は、36°〜48°Y−XカットのLiTaO基板によって構成されている。圧電基板2の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板2の厚み(z方向)は、0.2mm以上0.5mm以下である。
IDT電極3は、図2に示すように、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを有している。なお、以下の説明では、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを単に櫛歯電極30といい、これらを区別しないことがある。
櫛歯電極30は、図2に示すように、互いに対向する2本のバスバー31(第1バスバー31a,第2バスバー31b)と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32とを有している。電極指32は、第1バスバー31aに電気的に接続される第1電極指32aと、第2バスバー31bに電気的に接続される第2電極指32bとを有する。そして、1対の櫛歯電極30は、第1電極指32aと第2電極指32bとが、弾性波の伝搬方向に互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
なお、櫛歯電極30と同様に、バスバー31,電極指32についても、第1バスバー31a,第2バスバー31bを区別しない場合や、第1電極指32a,第2電極指32bを区別しない場合には、「第1」,「第2」,「a」,「b」を省略することがある。
また、櫛歯電極30は、それぞれの電極指32と対向するダミー電極指33を有している。第1ダミー電極指33aは、第1バスバー31aから第2電極指32bに向かって延びている。第2ダミー電極指33bは、第2バスバー31bから第1電極指32aに向かって延びている。なお、ダミー電極指33を配置しなくてもよい。
バスバー31は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。従って、バスバー31の互いに対向する側の縁部は直線状である。複数の電極指32は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。
IDT電極3を構成する一対の櫛歯電極30の複数の電極指32は、図3に示すように、ピッチPt1となるように設定されている。ピッチPt1は、例えば、共振させたい周波数での弾性波の波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λ(すなわち、2×Pt1)は、例えば、1.5μm以上6μm以下である。IDT電極3は、ほとんどの複数の電極指32がピッチPt1となるように配置することにより、複数の電極指32が一定の周期となるような配置となるため、弾性波を効率よく発生させることができる。
ここでピッチPt1は、伝搬方向において、第1電極指32aの中心から、当該第1電極指32aに隣接する第2電極指32bの中心までの間隔を指すものである。各電極指32は、弾性波の伝搬方向における幅w1が、SAW素子に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。電極指32の幅w1は、例えば、ピッチPt1に対して0.3倍以上0.7倍以下である。
このように電極指32を配置することで、複数の電極指32に直交する方向に伝搬する弾性波が発生する。従って、圧電基板2の結晶方位を考慮したうえで、2本のバスバー31は、弾性波を伝搬させたい方向に交差する方向において互いに対向するように配置される。複数の電極指32は、弾性波を伝搬させたい方向に対して直交する方向に延びるように形成される。なお、弾性波の伝搬方向は複数の電極指32の向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、弾性波の伝搬方向を基準として、複数の電極指32の向き等を説明することがある。
各電極指32(第1電極指32a,第2電極指32b)の本数は片側あたり20〜350本である。
複数の電極指32の長さ(バスバーから先端までの長さ)は、例えば、概ね同じに設定される。対向する電極指32同士の噛み合う長さ(交差幅)は10〜300μmである。なお、各電極指32の長さや交差幅を変えてもよく、例えば伝搬方向に進むにつれて長くしたり、短くなるようにしたりしてもよい。具体的には、各電極指32の長さを伝搬方向に対して変化させることにより、アポダイズ型のIDT電極3を構成してもよく、この場合、横モードのスプリアスを低減させたり、耐電力性を向上させたりすることができる。
IDT電極3は、例えば、金属の導電層15によって構成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極3は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極3の各種寸法は、SAW素子に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。IDT電極3の厚みs(z方向)は、例えば、50nm以上600nm以下である。
IDT電極3は、圧電基板2の上面2Aに直接配置されていてもよいし、別の部材からなる下地層を介して圧電基板2の上面2Aに配置されていてもよい。別の部材は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。下地層を介してIDT電極3を圧電基板2の上面2Aに配置する場合は、別の部材の厚みはIDT電極3の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極3の厚みの1〜10%の厚み)に設定される。
また、IDT電極3を構成する電極指32上には、SAW素子の温度特性を向上させるために、質量付加膜を積層してもよい。質量付加膜としては、例えばSiO等を用いることができる。
IDT電極3は、電圧が印加されると、圧電基板2の上面2A付近においてx方向に伝搬する弾性波を励起する。励起された弾性波は、電極指32の非配置領域(隣接する電極指32間の長尺状の領域)との境界において反射する。そして、電極指32のピッチPt1を半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指32によって取り出される。このようにして、SAW素子は、1ポート共振子として機能する。
反射器4は、弾性波の伝搬方向においてIDT電極3を挟むように配置されている。反射器4は、概ねスリット状に形成されている。すなわち、反射器4は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する反射器バスバー41と、これらバスバー41間において弾性波の伝搬方向に直交する方向に延びる複数の反射電極指42とを有している。反射器バスバー41は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に平行に配置されている。
複数の反射電極指42は、IDT電極3で励起される弾性波を反射させるピッチPt2に配置されている。ピッチPt2は、IDT電極3のピッチPt1を弾性波の波長λの半波長に設定した場合、ピッチPt1と同じ程度に設定すればよい。波長λ(すなわち、2×Pt2)は、例えば、1.5μm以上6μm以下である。ここでピッチPt2は、伝搬方向において、反射電極指42の中心から、隣接する反射電極指42の中心までの間隔を指すものである。
また、複数の反射電極指42は、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。反射電極指42の幅w2は、例えば、電極指32の幅w1と概ね同等に設定することができる。反射器4は、例えば、IDT電極3と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極3と同等の厚みに形成されている。
反射器4は、IDT電極3に対して間隔Gを空けて配置されている。ここで間隔Gは、IDT電極32の反射器4側の端部に位置する電極指32の中心から反射器4のIDT電極32側の端部に位置する反射電極指42の中心までの間隔を指すものである。間隔Gは、通常、IDT電極3の電極指32のピッチPt1(またはPt2)と同じとなるように設定されている。
保護層5は、図3に示すように、IDT電極3および反射器4上を覆うように、圧電基板2上に設けられている。具体的には、保護層5は、IDT電極3および反射器4の表面を覆うとともに、圧電基板2の上面2AのうちIDT電極3および反射器4から露出する部分を覆っている。保護層5の厚みは、例えば、1nm以上800nm以下である。
保護層5は、絶縁性を有する材料からなり、腐食等から保護することに寄与する。好適には、保護層5は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiOなどの材料によって形成されており、これによってSAW素子の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることもできる。
図2,図3に示す例は、直列共振子S1を例に説明したが、他の直列共振子S2〜S4,並列共振子P1〜P4も、電極指32の本数、ピッチ等の設計を適宜調整の上、同様の構成とすることができる。
このような直列共振子S1〜S4は、この例では第1容量部C1が並列に接続された第1直列共振子Sxと、接続されない第2直列共振子Syとに分かれる。同様に、並列共振子P1〜P4は、この例では第2容量部C2が直列に接続される第1並列共振子Pxと、接続されない第2並列共振子Pyとに分かれる。第1容量部C1,第2容量部C2は、所望の容量を形成できれば特にその形状は制限されない。
このような第1容量部C1および第2容量部C2を備えることによる効果を図4を用いて説明する。まず、図4(a)に直列共振子に並列に容量を付加した場合のインピーダンス特性を実線で、容量を付加しない場合の共振子特性を破線で示す。図4(a)からも明らかなように、反共振周波数が低周波側にシフトするが、共振周波数および共振周波数における抵抗(共振抵抗Z0)は変化しないことが確認できる。なお反共振周波数のシフト量は容量の大きさで決まる。
次に、図4(b)に並列共振子に直列に容量を付加した場合のインピーダンス特性を実線で、容量を付加しない場合の特性を破線で、並列に容量を付加した場合の共振子特性を点線で示す。図4(b)からも明らかなように、容量を付加することで共振周波数が高周波側にシフトする。さらに、容量を並列に付加した場合には反共振周波数における抵抗(反共振抵抗Za)が悪化するが、直列に付加する場合には悪化しないことも確認できた。なお共振周波数のシフト量は容量の大きさで決まる。
さらに、直列共振子および並列共振子をラダー型に接続した場合のフィルタ特性を図4(c)に示す。図4(c)において、直列共振子に並列に容量を付加し、並列共振子に直列に容量を付加した場合の特性を実線で、直列共振子および並列共振子のいずれにも容量を付加しない場合の特性を破線で、直列共振子および並列共振子の双方に並列で容量を付加した場合の特性を点線で示している。
この図からも明らかなように、フィルタの直列共振子に並列に容量を付加することで、通過帯高域側の急峻度の高いフィルタ特性が得られる。フィルタの並列共振子に直列で容量を付加することで、通過帯低域側の急峻度の高いフィルタ特性が得られる。さらに、通過帯域のロス特性は直列共振子のZ0と並列共振子のZaで決まるので、フィルタの直列共振子に並列に容量を付加し、並列共振子に直列で容量を付加することで、ロスの低いフィルタ特性が得られる。すなわち、本実施形態のように、容量を付加することにより、フィルタの急峻度を高めることができ、さらに、直列共振子と並列共振子とで容量の接続方法を変えることで、フィルタのロスを低減することができる。
なお、直列共振子に直列に容量を付加した場合には、図4(b)から推測されるように、通過帯高域側の急峻度の高いフィルタ特性えることができる一方で、本開示の弾性波装置に比べてフィルタの通過帯域内のロスが増加する。
以上より、本実施形態のように、第1容量部C1,第2容量部C2を設けることで、弾性波装置1のフィルタ特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1容量部C1が接続されない第2直列共振子Syを備える。これにより、第2直列共振子Syは、Zaを悪化させる第1容量部C1を備えないので、Za特性が第1直列共振子Sxよりも優れたものとなる。また反共振周波数が、第1容量部C1を接続したときより高周波側に移動する。そのため、通過帯域より高域側の減衰量も改善したフィルタ特性を得ることができる。通過帯域からどの程度離れた周波数位置の減衰量を改善するかは、第1直列共振子SxのΔf(共振周波数と反共振周波数との差)と、第2並列共振子SyのΔfと差分に依存する。すなわち、第1容量部C1の大きさ等にも依存するが、概ね数10MHz程度である。
さらに、第2容量部C2が接続されない第2並列共振子Pyを備える。これにより、第2並列共振子Pyは、Z0を悪化させる第2容量部C2を備えないので、Z0特性が第1並列共振子Pyよりも優れたものとなる。また共振周波数が第2容量部C2を接続したときより低周波側に移動する。そのため、通過帯域より低域側の減衰量も改善したフィルタ特性を得ることができる。通過帯域からどの程度離れた周波数位置の減衰量を改善するかは、第1容量部および直列共振子Sの場合と同様であり、概ね数10MHz程度である。
そして、このような第2直列共振子Sy,第2並列共振子Pyをともに備えることにより、通過帯域直近の高域、定低域側の減衰と、通過帯域より数10MHz離れた帯域の両方を改善できる、特性の優れたフィルタを提供することができる。
さらに、本実施形態では、複数の直列共振子S1〜S4のうち最も出力端子O側に近い直列共振子を、第2直列共振子Syとし、複数の並列共振子P1〜P4のうち最も出力端子O側に近い並列共振子を第2並列共振子Pyとしている。このような構成により、出力端子Oをアンテナに接続する場合には、アンテナとのインピーダンス整合をとりつつフィルタ特性を高めることができるものとなる。
なお、本実施形態では、第2容量部C2は、並列腕20pのうち、直列腕20sと並列共振子との間に接続されているが、並列腕20pのうち、並列共振子と基準電位部Gndとの間に接続しても構わない。第2容量部C2は並列共振子よりもサイズが小さくなることが多いため、小型化の観点からは本実施形態のように直列腕20p側に配置するとよい。
また、各容量部C1a〜C1cは同じ容量でもよいし、互いに異ならせてもよい。容量部C2a〜C2cも同様である。
(他の実施形態1)
図1に示す例では、並列共振子P1〜P4の個々の共振周波数については特に限定しておらず、同一であっても、互いに異ならせてもよいが、互いに異ならせた上で、第1並列共振子Pxの共振周波数は、第2並列共振子Pyの共振周波数に比べて高くさせてもよい。言い換えると、複数の並列共振子P1〜P4のうち、共振周波数の高い共振子に第2容量部C2を接続してもよい。
この場合には、第1並列共振子Pxと第2容量部C2とにより、通過帯域の低周波数側近傍の減衰特性を向上させることができる。また、第2並列共振子Pyにより、反共振抵抗Zaの悪化を低減し、通過帯域の低周波数側のうち少し離れた周波数帯の減衰特性を向上させることができる。また、このような第1並列共振子Pxと第2並列共振子Pyとを備えることにより、通過帯域の低周波数側の広範囲において減衰特性の優れた弾性波装置1を提供することができる。
なお、第1並列共振子Pxと第2並列共振子Pyとの共振周波数差は設計と目標特性とにより変わるが、上限は△f(共振周波数と反共振周波数の差)であり、36〜50°YカットLTウェハを使用している場合には、20〜40MHzである。
(他の実施形態2)
図1に示す例では、第1容量部C1と第2容量部C2との容量の大きさの比較は特に言及しておらず、同一であっても互いに異ならせてもよいが、互いに異ならせた上で、第2容量部C2の方が第1容量部C1よりも容量を大きくしてもよい。
通過帯域外の高周波数側の急峻性を向上させるためには、直列共振子SのΔfを小さくさせる必要があり、第1容量部C1の容量を大きくする必要があるが、減衰量は直列共振子Sと並列共振子Pの容量比でも決定されるため、第1容量部C1と第1直列共振子Sxの合成容量は第1容量部C1を接続前とほぼ同等にする必要がある。第1容量部C1と第1直列共振子Sxは並列接続のため、容量をほぼ同等にするには第1容量部C1の容量は小さく設計した方がよい。
同様に、通過帯域外の低周波数側の急峻性を向上させるためには、並列共振子のΔfを小さくさせる必要があり、第2容量部C2の容量を小さくする必要があるが、減衰量は直列共振子と並列共振子の容量比でも決定されるため、第2容量部C2と第1並列共振子Pxの合成容量は第2容量部C2の接続前とほぼ同等にする必要がある。第2容量部C2と第1並列共振子Pxは直列接続のため、容量をほぼ同等にするにはC2は大きく設計した方がよい。このため、第2容量部C2を第1容量部C1に比べ容量を大きくすることで、通過帯域外の高周波数側および低周波数側共に減衰特性を向上させることができる。
具体的には、第1容量部C1の容量を0.1〜5pF程度に、第2容量部C2の容量を1〜10pF程度にすればよい。
(他の実施形態3)
図1に示す例では、第1容量部C1と第2容量部C2との構成に限定はなく、誘電体膜を1対の電極で挟む積層型でも、圧電基板2の主面上にて対向する1対の電極を形成してもよいが、図5に示すように、複数の電極指62(第1電極指62a、第2電極指62b)を備える一対の櫛歯電極60(第1櫛歯電極60a、第2櫛歯電極60b)で構成してもよい。第1電極指62aはバスバー61(第1バスバー61a)に共通に接続され、第2電極指62bはバスバー61第2バスバー61bに共通に接続されている。
このように構成することで、小さい面積で大きな容量を形成することができるので、弾性波装置1を小型化することができる。特に、電極指62のピッチ(電極周期)を直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P4の電極指32のピッチに比べて小さくしたり、電極指62の幅を小さくしてDutyを大きくしたりしてもよい。このような構成とするこ
とで、第1および第2容量部C1,C2が所望の容量を得るために要する領域の面積を小さくでき、その結果、弾性波装置1を小型にすることができる。
なお、複数の電極指62(第1電極指62a、第2電極指62b)が繰り返し配列される方向はSAWの伝搬方向(圧電基板2のX軸)と略同一(略平行)としてもよい。その場合には、第1および第2容量部C1,C2の共振特性をフィルタ特性の調整に用いることができる。ここで、複数の電極指62が繰り返し配列される方向(D1)がSAWの伝搬方向(圧電基板2のX軸)と「略同一」とは、D1とX軸との為す角が0°の場合に限定されず、多少傾いている場合も含むものとする。具体的には15°以下も含むものとする。
例えば、第1電極指62a、第2電極指62bとの配列により生じる共振周波数が弾性波装置1のフィルタの通過帯域外となるように電極指の設計を行なってもよい。このように第1容量部C1および第2容量部C2の共振周波数を通過帯域外とすることで、フィルタの通過特性を設計通りのものとすることができる。また、通過帯域外において減衰させたい周波数帯がある場合には、容量部C1,C2の共振特性で減衰極を作ることもできる。
特に、第1直列共振子Sxおよび第2直列共振子Sy、および/または、第1並列共振子Pxおよび第2並列共振子Pyを備える場合には、これらの共振子で通過帯域の近傍の減衰特性を高め、容量部C1,C2により通過帯域から離れた周波数帯の減衰特性を高めることができる。例えば、容量部C1,C2の共振周波数を直列共振子Sまたは並列共振子Pの共振周波数の2倍程度となるようにすれば、2f帯の減衰特性を高めることができる。
さらに、電極指62のピッチ(電極周期)を直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P4の電極指32のピッチに比べて小さくすることで、第1および第2容量部C1,C2の共振周波数が通過帯域外の高周波側に位置するようにしてもよい。この場合には、フィルタの通過特性に影響を与えることを抑制しつつ、フィルタの通過帯域外の高周波数側における減衰特性を向上させることができる。
また、第1容量部C1の電極指62のピッチを第2容量部C2の電極指62のピッチに比べて小さくして、第1容量部C1による共振周波数と第2容量部C2による反共振周波数とを略一致させるようにする場合には、容量部C1、C2で発生する共振および反共振特性で帯域阻止フィルタを構成することができる。その結果、この帯域阻止フィルタにより信号通過が阻止されるため、通過帯域の阻止帯域の減衰特性を向上させることができる。
なお、この場合には、容量部C1,C2共に、その電極指62のピッチは、直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P4の電極指32のピッチに比べて小さいか、大きいものとし、フィルタの通過帯域外のうち同じ側に共振周波数および反共振周波数を位置させてもよい。
なお、複数の電極指62(第1電極指62a、第2電極指62b)が繰り返し配列される方向がSAWの伝搬方向(圧電基板2のX軸)と異なる場合には、第1および第2容量部C1,C2による振動を抑制することができる。その結果、電極指62を狭いピッチで配列しても、マイグレーション等による第1電極指62a、第2電極指62b間の短絡を抑制することができ、信頼性の高い弾性波装置1を提供することができる。
(その他の実施形態)
本開示は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上述の例では弾性波装置1として弾性表面波(SAW)を用いた場合を例に説明したが、弾性境界波を用いてもよいし、圧電薄膜共振器(FBAR)を用いてもよい。
直列共振子S1〜S4,並列共振子P1〜P4の一部は分割共振子としてもよい。その場合には、分割した共振子にそれぞれについて第1容量部C1を並列につけると、個々の共振子に最適な容量値を付けることができるため好ましい。
さらに、上述の例では、第1容量素子C1,第2容量素子C2がそれぞれ複数ある場合を例に説明したが、それぞれ1つでもよい。また、複数ある場合には、個々に容量を異ならせてもよい。
また、圧電基板2を薄層化して、他方主面にSi基板やサファイア基板,水晶等の線膨脹係数が小さい材料を貼り合わせた複合基板としてもよい。その場合には、温度変化による特性変化を抑制することができる。同様に、IDT電極3をSiOの厚膜等により埋め込む形状としてもよい。この場合にも温度変化による特性変化を抑制することができる。
また、上述の各実施形態は互いに組み合わせることができる。
また、入力部Iと出力部Oとはあくまでも信号の入出力が行われるポートを示すものであり、出力部Oにから信号が入力されたり、入力部Iから信号が出力されたりしてもよい。
<通信装置>
図6は、本開示の実施形態に係る通信装置101の要部を示すブロック図である。通信装置101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器7は、通信装置101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信装置101において、送信すべき情報を含む送信情報信号(TIS:Transmitting Information Signal)は、RF−IC(Radio Frequency−Integrated Circuit)103によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号(TS:Transmitting Signal)とされる。TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器7に入力される。分波器7は、入力されたTSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(TS)を無線信号に変換して送信する。
通信装置101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号、RS:Receiving Signal)に変換されて分波器7に入力される。分波器7は、入力されたRSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力されたRSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、RSは、RF−IC103によって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号(RIS:Receiving Information Signal)とされる。
TISおよびRISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。
<分波器>
図7は、本開示の一実施形態に係る弾性波装置1を用いた分波器7の構成を示す回路図である。分波器7は、図6において通信装置101に使用されている分波器である。分波器7は、送信フィルタ11および/または受信フィルタ12を構成する弾性波装置を有している。送信フィルタ11および/または受信フィルタ12を構成する弾性波装置は、圧電基板2上に配置された共振子で構成されている。
弾性波装置1は、例えば、図7に示した分波器7における送信フィルタ11である。送信フィルタ11は複数のSAW共振子でラダー型フィルタ回路を構成している。送信フィルタ11は、図7に示すように、圧電基板2(不図示)と、圧電基板2上に形成された直列共振子S1〜S3および並列共振子P1〜P3を有する。なお、第1容量部C1および第2容量部C2の記載は省略しているが、例えば送信端子9に近い側の直列共振子S1や並列共振子P1に容量素子C1,C2を設けた。
分波器7は、アンテナ端子8と、送信端子9と、受信端子10と、アンテナ端子8と送信端子9との間に配置された送信フィルタ11と、アンテナ端子8と受信端子10との間に配置された受信フィルタ12とから主に構成されている。
送信フィルタ11に弾性波素子1を用いる場合には、弾性波素子1の入力部Iが送信端子9に電気的に接続され、出力部Oがアンテナ端子8に電気的に接続される。
送信端子9には増幅器107からのTSが入力され、送信端子9に入力されたTSは、送信フィルタ11において送信用の通過帯域以外の不要成分が除去されてアンテナ端子8に出力される。また、アンテナ端子8にはアンテナ109からRSが入力され、受信フィルタ12において受信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて受信端子10に出力される。
送信フィルタ11は、この例では、ラダー型SAWフィルタによって構成されている。具体的に送信フィルタ11は、その入力側と出力側との間において直列に接続された3個の直列共振子S1、S2、S3と、直列共振子同士を接続するための配線である直列腕と基準電位部Gndとの間に設けられた3個の並列共振子P1、P2、P3とを有する。すなわち、送信フィルタ11は3段構成のラダー型フィルタである。ただし、送信フィルタ11においてラダー型フィルタの段数は任意である。
並列共振子P1、P2、P3と基準電位部Gndとの間には、インダクタLが設けられている。このインダクタLのインダクタンスを所定の大きさに設定することによって、送信信号の通過周波数の帯域外に減衰極を形成して帯域外減衰を大きくしている。複数の直列共振子S1、S2、S3および複数の並列共振子P1、P2、P3は、それぞれSAW共振子からなる。
受信フィルタ12は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子18とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは、2重モードを含むものとする。多重モード型SAWフィルタ17は、平衡−不平衡変換機能を有しており、受信フィルタ12は平衡信号が出力される2つの受信端子10に接続されている。受信フィルタ12は多重モード型SAWフィルタ17によって構成されるものに限られず、ラダー型フィルタによって構成してもよいし、平衡−不平衡変換機能を有していないフィルタであってもよい。
送信フィルタ11、受信フィルタ12およびアンテナ端子8の接続点とグランド電位部Gとの間には、インダクタなどからなるインピーダンスマッチング用の回路を挿入してもよい。
このように、弾性波装置1を分波器7に用いた通信装置101によれば、通過帯域外の減衰特性に優れ、かつ、通過帯域のロスが小さいため、TSとRSとのアイソレーション特性に優れ、かつロスの少ないものとなり、高い通話品質を実現することができる。また受信フィルタ12と送信フィルタ11との通過帯域が互いに近接している場合であっても、通過帯域外の減衰特性に優れた弾性波装置1を用いることで、アイソレーション特性の優れた通信装置101を提供することができる。
送信フィルタ11の通過帯域が受信フィルタ12の通過帯域に比べ高周波側に位置する場合がある。ここで、弾性波装置1は並列共振子Pに直列に第2容量部C2を接続することで、通過帯域の低周波数側の減衰特性を良好にするものである。このため、弾性波装置1を送信フィルタ11に用いることで、低周波数側に位置する受信フィルタ12とのアイソレーション特性を改善することができる。
また、送信フィルタ11の低周波数側に他の通信帯域がある場合も、本弾性波装置1を用いることが好ましい。
本実施形態の弾性波装置1の効果を確認するために、弾性波装置1のモデルを設定しシミュレーションを実施して評価を行なった。モデルのSAW素子の基本構成は以下の通りである。
[圧電基板2]
材料:46°YカットX伝搬LiTaO基板
[IDT電極3]
材料:Al−Cu合金
(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層がある。)
厚さ(Al−Cu合金層):460nm
IDT電極3の電極指32:
(デューティー:w1/Pt1)0.5
(交差幅W)10〜30λ (λ=2×Pt1)
(電極本数)120〜200本
(電極ピッチ)2.4〜2.6μm
[反射器4]
材料:Al−Cu合金
(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層がある)
厚さ(Al−Cu合金層):460nm
反射電極指42の本数:20本
反射電極指42のピッチPt2:2.4〜2.6μm
[保護層5]
材料:SiO
厚さ:15nm
このような基本構成のSAW素子を用いて、実施例1として、図8(a)に示すに4つの直列共振子S1〜S4と4つの並列共振子P1〜P4をラダー型に接続した弾性波装置を形成した。なお、直列共振子S1は2つに分割した直列分割共振子とした。第1容量部C1,第2容量部C2の容量及び構成は下記の通りとした。
[C1,C2の基本構成]
材料:Al−Cu合金
(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層がある。)
厚さ(Al−Cu合金層):460nm
電極指62:
(デューティー:w1/Pt1)0.6
(交差幅W)10〜30λ
(電極本数)50〜200本
(電極ピッチ)1.4〜1.6μm
設計容量:C1 1〜2pF程度
C2 2〜4pF程度
これに対して、比較例1として、図8(b)に示すような、並列共振子P1,P2をすべてに並列に容量を接続したものについても準備した。容量の大きさはそれぞれのフィルタ特性を最適化するように設定した。
このような実施例1の弾性波装置と比較例1の弾性波装置のフィルタ特性を図9に示した。図9において、横軸は周波数、縦軸は減衰量を示し、破線で比較例1に係る弾性波装置の特性を、実線で実施例1に係る弾性波装置の特性を示している。図9(b)は、図9(a)の要部拡大図である。
この図からも明らかなように、直列共振子に並列に容量を、並列共振子に直列に容量を付加することで、通過帯域の外側の低周波数側領域において減衰量を多くすることができることが確認できた。特に矢印Aで示すように急峻性を高めるとともに、矢印Bで示すように通過帯域から離れた領域においても減衰特性が優れていることを確認できた。
さらに、実施例1の比較例に比べ、通過帯域のロスが少なくなっていることが確認できた。
次に実施例2、比較例2として、実施例1,比較例1に比べて狭帯域の弾性波装置のモデルを設定しシミュレーションを実施して評価を行なった。モデルのSAW素子の基本構成、容量部C1,C2の基本構成は実施例1と同様である。
実施例2の弾性波装置の回路図は図8(a)に示す構成と同じであり、実施例1とが容量の大きさを異ならせた。図10に比較例2の弾性波装置の回路図を示した。図10に示すように、実施例2、比較例2ともに、直列共振子S1〜S4と並列共振子P1〜P4とを備え、直列共振子S4には容量を接続していない。比較例2は並列共振子P1〜P4に並列に容量を接続している。
なお、実施例2と比較例2とで、容量を接続する並列共振子Pの数が異なるが、これは、所望の帯域幅を得た状態でそれぞれのフィルタ特性を最適化するように設定したためである。
図11に、実施例2の弾性波装置と比較例2の弾性波装置のフィルタ特性を示した。図11において、横軸は周波数、縦軸は減衰量を示し、破線で比較例2に係る弾性波装置の特性を、実線で実施例2に係る弾性波装置の特性を示している。
図11からも明らかなように、実施例2の通過帯域内のロスが比較例2に比べて少なくなっていることが分かった。このことから、特に狭い通過帯域幅のフィルタを実現するときには、本開示の構成によりロスを改善できることが確認できた。
1 弾性波装置(SAW装置)、101 通信装置、103 RF−IC、109 アンテナ、S1〜S4 直列共振子、Sx 第1直列共振子、Sy 第2直列共振子、P1〜P4 並列共振子、Px 第1並列共振子、Py 第2並列共振子、C1 第1容量部、C2 第2容量部

Claims (11)

  1. 弾性波素子からなる複数の直列共振子および複数の並列共振子であって、それぞれがラダー型に接続されたフィルタを構成している複数の直列共振子および複数の並列共振子と、
    前記複数の直列共振子の少なくとも1つに並列接続された第1容量部と、
    前記複数の並列共振子の少なくとも1つに直列接続された第2容量部と、を備える、弾性波装置。
  2. 前記複数の直列共振子は、前記第1容量部が並列に接続された第1直列共振子と、前記第1容量部が接続されない第2直列共振子とを含み、
    前記複数の並列共振子は、前記第2容量部が直列に接続された第1並列共振子と、前記第2容量部が接続されない第2並列共振子とを含む、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記第1並列共振子は、前記第2並列共振子に比べ、共振周波数が高い、請求項2に記載の弾性波装置。
  4. 前記複数の直列共振子および前記複数の並列共振子は、アンテナ端子と送信端子との間にラダー型に接続されており、
    前記第2直列共振子は、前記複数の直列共振子のうち最もアンテナ端子側に配置され、
    前記第2並列共振子は、前記複数の並列共振子のうち最もアンテナ端子側に配置されている、請求項2または3に記載の弾性波装置。
  5. 前記第1容量部の容量は、前記第2容量部の容量に比べて小さい、請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性波装置。
  6. 前記第1容量部および前記第2容量部は、複数の電極指からなる1対の櫛歯状電極である、請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波装置。
  7. 前記第1容量部および前記第2容量部は、前記複数の電極指の配列方向が、前記複数の直列共振子および前記複数の並列共振子の弾性波の伝搬方向と略平行であり、
    前記第1容量部および前記第2容量部の共振周波数は前記フィルタの通過帯域外である、請求項6に記載の弾性波装置。
  8. 前記第1容量部および前記第2容量部の共振周波数は、前記フィルタの通過帯域よりも高い、請求項7に記載の弾性波装置。
  9. 前記第1容量部の共振周波数と前記第2容量部の反共振周波数とを略一致させた請求項7に記載の弾性波装置。
  10. 前記第1容量部および前記第2容量部は、前記複数の電極指の配列方向が、前記複数の直列共振子および前記複数の並列共振子の弾性波の伝搬方向と異なる、請求項6に記載の弾性波装置。
  11. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の弾性波装置と、
    該弾性波装置に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信装置。
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