JP6487458B2 - 弾性波素子、フィルタ素子および通信装置 - Google Patents

弾性波素子、フィルタ素子および通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、弾性波素子、フィルタ素子および通信装置に関するものである。
近年、移動体端末等の通信装置において、アンテナから送信・受信される信号をフィルタリングする分波器に弾性波素子が用いられている。弾性波素子は、圧電基板と、圧電基板の主面に形成された励振電極によって構成されている。弾性波素子は、励振電極と圧電基板との関係で電気信号と弾性表面波とを相互に変換することができる特性を利用するものである。
分波器は、複数の弾性波素子を用いることによって、例えば、受信フィルタおよび送信フィルタを構成している(特開2007−214902号公報等を参照)。分波器は、複数の弾性波素子を組み合わせることにより、受信帯域と送信帯域の通過帯域が設定される。
このような分波器において、耐電力を高めることが課題の一つとなっている。
そこで、本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い耐電力を有する弾性波素子、フィルタ素子および通信装置を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る弾性波素子は、第1主面を備える圧電基板と、前記第1主面に配置された、複数の電極指を有する励振電極とを有し、前記電極指は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記第1主面から離れた第1の高さにおける幅が、最も前記第1主面の側に位置する第2の高さにおける幅よりも広い。
本発明の一実施形態に係るフィルタ素子は、上述に記載の弾性波素子と、前記圧電基板上に配置された、少なくとも1つの共振子とがラダー型に接続されている。
本発明の一実施形態に係る通信装置は、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された上述のフィルタ素子と、該フィルタ素子に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
本発明の弾性波素子、フィルタ素子および通信装置によれば、耐電力を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る弾性波素子の構成を示す平面図である。 図1の弾性波素子において、(a),(b)はそれぞれIc−Ic線で切断した断面の要部拡大図である。 IDT電極の一部を拡大した模式的な拡大断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、IDT電極の電極指の変形例を示す要部拡大断面図である。 IDT電極の電極指の変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る通信装置を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に係る分波器を説明する回路図である。 実施例および比較例にかかる弾性波素子の電極形状を示す概略図である。 実施例および比較例にかかる弾性波素子の電気機械結合係数をシミュレーションした結果を示す線図である。 実施例および比較例にかかる弾性波素子の平均伝搬損失をシミュレーションした結果を示す線図である。 IDT電極の電極指の変形例を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る弾性波素子、フィルタ素子および通信装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
弾性波素子は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
<弾性波素子の構成の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性波素子の構成を示す平面図である。この例では、弾性波のうち弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を用いた、SAW素子1の構成を示す。図2(a)は図1のIc−Ic線における要部拡大断面図であり、図2(b)は、図2(a)のIDT電極3をさらに拡大した図である。SAW素子1は、図1に示すように、圧電基板2、圧電基板2の上面(第1主面)2Aに設けられた励振(IDT:Interdigital Transducer)電極3および反射器4を有している。
圧電基板2は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)結晶またはタンタル酸リチウム(LiTaO)結晶からなる圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。具体的には、例えば、圧電基板2は、36°〜48°Y−XカットのLiTaO基板によって構成されている。圧電基板2の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板2の厚み(z方向)は、0.2mm以上0.5mm以下である。
IDT電極3は、図1に示すように、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを有している。なお、以下の説明では、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを単に櫛歯電極30といい、これらを区別しないことがある。
櫛歯電極30は、図1に示すように、互いに対向する2本のバスバー31と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32とを有している。そして、1対の櫛歯電極30は、第1電極指32aと第2電極指32bとが、弾性波の伝搬方向に互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
また、櫛歯電極30は、それぞれの電極指32と対向するダミー電極指33を有している。第1ダミー電極指33aは、第1バスバー31aから第2電極指32bに向かって延びている。第2ダミー電極指33bは、第2バスバー31bから第1電極指32aに向かって延びている。なお、ダミー電極指33を配置しなくてもよい。
バスバー31は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。従って、バスバー31の互いに対向する側の縁部は直線状である。複数の電極指32は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。
IDT電極3を構成する一対の櫛歯電極30の複数の電極指32は、ピッチPt1となるように設定されている。ピッチPt1は、例えば、共振させたい周波数での弾性波の波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λ(2×Pt1)は、例えば、1.5μm以上6μm以下である。IDT電極3は、ほとんどの複数の電極指32がピッチPt1となるように配置することにより、複数の電極指32が一定の周期となるような配置となるため、弾性波を効率よく発生させることができる。
ここでピッチPt1は、伝搬方向において、第1電極指32aの中心から、当該第1電極指32aに隣接する第2電極指32bの中心までの間隔を指すものである。各電極指32は、弾性波の伝搬方向における幅w1が、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。電極指32の幅w1は、例えば、ピッチPt1に対して0.3倍以上0.7倍以下である。
このように電極指32を配置することで、複数の電極指32に直交する方向に伝搬する弾性波が発生する。従って、圧電基板2の結晶方位を考慮したうえで、2本のバスバー31は、弾性波を伝搬させたい方向に交差する方向において互いに対向するように配置される。複数の電極指32は、弾性波を伝搬させたい方向に対して直交する方向に延びるように形成される。なお、弾性波の伝搬方向は複数の電極指32の向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、弾性波の伝搬方向を基準として、複数の電極指32の向き等を説明することがある。
各電極指32(第1電極指32a,第2電極指32b)の本数は片側あたり50〜350本である。
複数の電極指32の長さ(バスバーから先端までの長さ)は、例えば、概ね同じに設定される。対向する電極指32同士の噛み合う長さ(交差幅)は10〜300μmである。なお、各電極指32の長さや交差幅を変えてもよく、例えば伝搬方向に進むにつれて長くしたり、短くなるようにしたりしてもよい。具体的には、各電極指32の長さを伝搬方向に対して変化させることにより、アポダイズ型のIDT電極3を構成してもよく、この場合、横モードのスプリアスを低減させたり、耐電力性を向上させたりすることができる。
IDT電極3は、例えば、金属の導電層15によって構成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極3は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極3の各種寸法は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。IDT電極3の厚みS(z方向)は、例えば、50nm以上600nm以下である。
IDT電極3は、圧電基板2の上面2Aに直接配置されていてもよいし、別の部材からなる下地層を介して圧電基板2の上面2Aに配置されていてもよい。別の部材は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。下地層を介してIDT電極3を圧電基板2の上面2Aに配置する場合は、別の部材の厚みはIDT電極3の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極3の厚みの5%の厚み)に設定される。
また、IDT電極3を構成する電極指32上には、SAW素子1の温度特性を向上させるために、質量付加膜を積層してもよい。質量付加膜としては、例えばSiO等を用いることができる。
IDT電極3は、電圧が印加されると、圧電基板2の上面2A付近においてx方向に伝搬する弾性波を励起する。励起された弾性波は、電極指32の非配置領域(隣接する電極指32間の長尺状の領域)との境界において反射する。そして、電極指32のピッチPt1を半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指32によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、1ポート共振子として機能する。
反射器4は、弾性波の伝搬方向においてIDT電極3を挟むように配置されている。反射器4は、概ねスリット状に形成されている。すなわち、反射器4は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する反射器バスバー41と、これらバスバー41間において弾性波の伝搬方向に直交する方向に延びる複数の反射電極指42とを有している。反射器バスバー41は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に平行に配置されている。
複数の反射電極指42は、IDT電極3で励起される弾性波を反射させるピッチPt2に配置されている。ピッチPt2は、IDT電極3のピッチPt1を弾性波の波長λの半波長に設定した場合、ピッチPt1と同じ程度に設定すればよい。波長λ(2×Pt2)は、例えば、1.5μm以上6μm以下である。ここでピッチPt2は、伝搬方向において、反射電極指42の中心から、隣接する反射電極指42の中心までの間隔を指すものである。
また、複数の反射電極指42は、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。反射電極指42の幅w2は、例えば、電極指32の幅w1と概ね同等に設定することができる。反射器4は、例えば、IDT電極3と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極3と同等の厚みに形成されている。
反射器4は、IDT電極3に対して間隔Gを空けて配置されている。ここで間隔Gは、IDT電極32の反射器4側の端部に位置する電極指32の中心から反射器4のIDT電極32側の端部に位置する反射電極指42の中心までの間隔を指すものである。間隔Gは、通常、IDT電極3の電極指32のピッチPt1(またはPt2)と同じとなるように設定されている。
保護層5は、図2に示すように、IDT電極3および反射器4上を覆うように、圧電基板2上に設けられている。具体的には、保護層5は、IDT電極3および反射器4の表面を覆うとともに、圧電基板2の上面2AのうちIDT電極3および反射器4から露出する部分を覆っている。保護層5の厚みは、例えば、1nm以上800nm以下である。
保護層5は、絶縁性を有する材料からなり、腐食等から保護することに寄与する。好適には、保護層5は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiOなどの材料によって形成されており、これによって弾性波素子1の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることもできる。
また、耐湿性を向上させるために、保護層5としてSiNxなどの材料によって形成してもよい。
本実施形態のSAW素子1において、IDT電極3の電極指32の断面視における幅が、第1の位置(第1の高さ)D1において第2の位置(第2の高さ)D2よりも広くなっている。ここで、第1の位置D1と第2の位置D2とは、上面2Aに直交する方向(z方向)における、上面2Aからの高さを示すものである。そして、第1の位置D1は、圧電基板2の上面2Aから離れた位置であり、第2の位置D2は、電極指32の下面の位置に相当し、最も上面2Aに近い位置である。言い換えると、上面2Aと平行な面における断面が、圧電基板2の上面2Aに近づくと狭くなる領域を有するものとなる。さらに言い換えると、電極指32は、圧電基板2との接合部付近において内側に窪む領域を有するものとなる。
電極指32をこのような断面形状とすることにより、圧電基板2との接触面積を小さくすることができ、その結果、弾性波による振動の影響を小さくすることができる。すなわち、電極指32が受ける振動を小さくすることにより、SAW素子1の耐電力性を高めることができる。
ここで、電極指32は、積層体ではなく、一つの材料系で構成された一層で構成されている。この場合には、複数の層を積層した際に生じる界面における応力集中,それに伴う剥離、破断等が発生する虞がないため、高い信頼性を備えるSAW素子1を提供することができる。ここで、1つの材料系とは単一元素を意味するものではない。例えば、AlにCuを添加したもの等も含む。
特に、図3に示すように、電極指32が、厚み方向において連続する1つの結晶粒32cで構成される場合には、さらに信頼性を高めることができる。
また、第1の位置D1から第2の位置D2に向けて電極指32の幅が連続的に小さくなっている場合には、不連続部がないので応力の集中を抑制し、さらに信頼性を高めることができる。
さらに、電極指32の幅が第2の位置D2における幅で一定の場合には、単に電極指32の幅が狭くなったものとなり伝搬損失が大きくなってしまう虞がある。しかしながら、本実施形態によれば、電極指32の幅を、第2の位置D2よりも上方で第2の位置D2における幅よりも大きくしている。これにより、同じ断面積(同じ体積)の矩形状の電極指と比較して、電気機械接合係数を小さくして、急峻度を高めることができる。また、このような構成により、SAW素子1の伝搬損失を小さくすることができる。
なお、電極指32の体積を確保する点と、保護層5のカバレッジを良好に保つ点とに考慮して、第1の位置D1は電極指32の厚みの半分以下としてもよい。
(SAW素子の変形例1)
図1〜3に示す例では、断面視して、電極指32の上面から、第1の位置D1までは一様な幅となっている例を用いて説明したが、一様でなくてもよい。特に、電極指32の幅が、図4に示すように、第1の位置D1における幅よりも小さいような、第1の位置D1を挟んで第2の位置D2と反対側に位置する第3の位置(第3の高さ)D3を有するように形成されていてもよい。
このような構成とすることで、電極指32の重心を上下方向(z方向)に変更することができる。
その結果、電極指32の電気機械結合係数を調整することができる。また、伝搬損失を小さくすることができる。特に、図4に示すように第1の位置D1を、電極指32の厚みの半分よりも、圧電基板2の上面2A側に位置するように設けることで、電極指32の重心を下方に移動させることができ、さらに電気機械結合係数を小さくすることができ、伝搬損失を小さくすることができる。
ここで、上述の構成を、図4に示す拡幅部32dを設けることで実現してもよい。
電極指32のうち、上面2Aから最も離れた面(上面2A側の面と反対側の面)の端部を第1端部321とし、第2の位置D2における端部を第2端部322とする。そして、断面視で、第1端部321と第2端部322とを結ぶ仮想線L1よりも外側に位置する部分を拡幅部32dとする。このような拡幅部32dは、圧電基板2の上面2Aから離れた第1の位置D1を中心とする高さ位置に設けられている。拡幅部32dは電極指32全体の一部であって、その割合は全体の半分以下としてもよい。すなわち、拡幅部32dのz方向における厚みは、電極指32全体の厚みの半分以下となっている。
さらに詳述すると、拡幅部32dの厚みは、例えば、IDT電極3の厚みSに対して18%以下としてもよい。IDT電極3の電極指32は、弾性波が伝搬する方向における太さ、厚みにより励振させる弾性波の特性が変化する。前述の値を18%以下とすることで、拡幅部32dによる励振させる弾性波の特性への影響を抑制することができる。
なお、図4に示す例では、拡幅部32dの上端はIDT電極3(電極指32)の上面よりも圧電基板2の上面2A側に配置させている。すなわち、圧電基板2の上面2Aから離れており、電極指32の幅が、第1の位置D1における幅よりも小さいような、第1の位置D1を挟んで第2の位置D2と反対側に位置する第3の位置D3を有する。
このような拡幅部32dを設けることにより、電極指32の電気機械結合係数を調整する機能を高め、伝搬損失を小さくすることができる。特に、図4(a)に示すように拡幅部32dを、電極指32の厚みの半分よりも、圧電基板2の上面2A側に位置するように設けることで、電極指32の重心を下方に移動させることができ、さらに電気機械結合係数を小さくすることができ、伝搬損失を小さくすることができる。
ここで、電極指32の重心を断面形状が矩形状のものの場合に比べて、上面2A側に移動させることで、伝搬損失を小さくできることから、拡幅部32dのうち、最も仮想線L1からの突出幅が大きい高さ位置を、電極指32の厚みの半分よりも下側に位置させることが好ましい。なお、「突出幅」は、上面2Aと平行な面方向における幅である。すなわち、x方向,y方向へ延びる幅である。
このような拡幅部32dは、図4(a)に示すように、矩形上であってもよいし、図4(b)に示すように、側面が曲面となるようにしてもよい。後者の場合には、応力の集中する部分をなくして信頼性を高めることができるとともに、電極指32上に保護層5を形成するときにカバレッジよく形成することができる。拡幅部32dの仮想線L1からの突出する幅は、例えば、電極指32の、上面2a側の面または反対側の面の幅w1に対して、1〜6%程度が好ましい。突出幅をこのような値とすることで、拡幅部32dよりも下側(上面2A)側に位置する窪み部の側面を覆うような保護膜5を形成することができる。
(SAW素子の変形例2)
図1〜4に示す例では、IDT電極3の電極指32が圧電基板2の上面2Aに直接配置されている例を用いて説明したが、図5に示すように、圧電基板2の上面2Aと電極指32との間に下地層6を備えてもいてもよい。下地層6は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。下地層6を介してIDT電極3を圧電基板2の上面2Aに配置する場合は、このIDT電極3と別の部材からなる下地層6の厚みはIDT電極3の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極3の厚みの5%の厚み)に設定される。
このような下地層6を設けることにより、IDT電極3と圧電基板2との密着性を高めることができる。特に、下地層6を電極指32の下面側の面積よりも広い面積とし、下地層6の上面の内側に電極指32の下面を配置させてもよい。言い換えると、断面視して、下地層6は、電極指32と接する幅よりも圧電基板2と接する幅を広くしてもよい。このような構成とする場合には、電極指32下面の全面において密着性を向上させることができる。
さらに、下地層6をTiで形成してもよい。Tiは高融点金属であるため、SAW素子1を製造および実装するためのプロセス中の加熱工程や、SAW素子1の動作中の発熱によっても特性変化することがないので信頼性の高いSAW素子1を提供することができる。また、TiはAlまたはAl合金よりも、弾性波による振動や繰り返し応力に耐える機械強度が高いため、下地層6の接触面積を大きくすることにより、IDT電極3への振動の影響を軽減することができ、SAW素子1の耐電力性を向上することができる。さらに、圧電基板2の上面2AにTiからなる下地層6を配置することにより、その上に形成されるAlまたはAl合金を<111>方向に優先配向させることができる。これにより、IDT電極3において、拡散経路となる結晶粒内および結晶粒界の欠陥を減らすことができ、信頼性および耐電力性を高めることができる。
なお、下地層6を備える場合には、第1の位置D1,第2の位置D2,第3の位置D3は、下地層6の上面を基準に高さ位置を定義するものとする。
(SAW素子の変形例3)
図1〜5に示す例では、電極指32の上面と下面との幅が略同一の場合を例に説明した。この場合には、第3の位置D3における電極指32の幅が、第2の位置D2における幅に比べ大きいか、略同一となる。これに対し、図11に示すように、第3の位置D3における電極指32の幅が、第2の位置D2における幅に比べて小さくなるようにしてもよい。図11において、電極指の上面の端部から上面2Aに垂直におとした垂線L2を2点鎖線で示している。
図11に示す例では、電極指32の上面の幅が下面(第2の位置D2における面)の幅よりも小さくなっている。このような構成とすることで、より、電極指32の重心を下方に調整することができるので、ロスの少ないSAW素子1を提供することができる。なおこの例では、側面が曲面となっている例を用いたが、上面から第1の位置D1までテーパー状となっていてもよい。
このような形状とすることで、圧電基板2との接触面積を小さくして耐電力を高める構成と、第1の位置D1において圧電基板2との接触面積よりも大きい断面積となることでロスを小さくする構成と、重心を上面側に位置させることでロスを小さく、かつ、電気機械結合係数を調整する構成とを同時に実現することができる。
以上のような実施形態および変形例で示したSAW素子1において、電極指32を所望の断面形状にするためには、形成時にフォトマスク等を用いて所望の形状に製膜したり、製膜後にドライエッチング等で所望の形状に加工したりすればよい。具体的には、例えば、圧電基板2の上面2Aに金属の導電層15を成膜し、フォトレジストを用いて所望のパターンを形成した後、ドライエッチングにより不要な箇所の導電層15を除去する。ドライエッチングの選択比、すなわち、フォトレジストのエッチング速度と導電層15のエッチング速度の比を調整することにより、電極指32の断面形状をコントロールすることができる。
また、電極指32を、長手方向に直交する面における断面において、上述のような断面形状にしてもよい。このような構成とすることで、特に弾性波の伝搬方向において耐電力性を高めることができる。また、IDT電極3の電極指32のみでなく、反射器4の反射器電極指42も同様の断面形状としてもよい。電極指32の断面形状を、拡幅部32d近傍においてテーパー形状としてもよい。
さらに、第1の位置D1を上面2Aから100Å以上離れた位置としてもよい。一般的に結晶性の高い膜を製膜する際に、製膜を開始する面(下地面)から100Åの範囲は緻密な膜となり、かつ下地面との結合が強固となる。このため、下地面から100Åの高さ位置までを、振動を直接受ける窪む領域とすることで、より耐電力を高めることができる。
また、第2の位置D2における電極指32の幅が、電極指32の上面における幅に比べて小さい場合には、電極指32の上面における幅で一定の矩形状の電極を想定したときに、その想定形状からはみ出す部分(拡幅部)に相当する面積と、想定形状の内側に位置する部分(窪む領域)に相当する面積とが略同一となるように第1の位置D1等を調整すればよい。
同様に、電極指32の上面における幅で一定の矩形状の電極を想定したときに、その想定形状からはみ出す部分(拡幅部)を、電極指32の厚みの半分よりも下側にすることで、電極指32の重心を下方に調整することができるので、ロスを小さくすることができる。
また、上述の例では弾性波素子の基板が圧電基板のみで構成された場合を例に説明したが、薄い圧電基板とそれに貼り合わされた支持基板とで基板を構成してもよい。このような例として、圧電基板に比べて線膨張係数の小さいSi基板やサファイア基板を支持基板として用いればよい。
<フィルタ素子および通信装置>
図6は、本発明の実施形態に係る通信装置101の要部を示すブロック図である。通信装置101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器7は、通信装置101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信装置101において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC103によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器7に入力される。分波器7は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号に変換して送信する。
通信装置101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器7に入力される。分波器7は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC103によって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。
送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る分波器7の構成を示す回路図である。分波器7は、図6において通信装置101に使用されている分波器である。分波器7は、送信フィルタ11および/または受信フィルタ12を構成するフィルタ素子を有している。送信フィルタ11および/または受信フィルタ12を構成するフィルタ素子は、SAW素子1と、圧電基板2上に配置された共振子で構成されている。
SAW素子1は、例えば、図6に示した分波器7における送信フィルタ11のラダー型フィルタ回路の一部を構成するSAW素子である。送信フィルタ11は、図7に示すように、圧電基板2と、圧電基板2上に形成された直列共振子S1〜S3および並列共振子P1〜P3を有する。
分波器7は、アンテナ端子8と、送信端子9と、受信端子10と、アンテナ端子8と送信端子9との間に配置された送信フィルタ11と、アンテナ端子8と受信端子10との間に配置された受信フィルタ12とから主に構成されている。
送信端子9には増幅器107からの送信信号TSが入力され、送信端子9に入力された送信信号TSは、送信フィルタ11において送信用の通過帯域以外の不要成分が除去されてアンテナ端子8に出力される。また、アンテナ端子8にはアンテナ109から受信信号RSが入力され、受信フィルタ12において受信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて受信端子10に出力される。
送信フィルタ11は、例えば、複数の共振子がラダー型に接続された、ラダー型SAWフィルタによって構成されている。具体的に送信フィルタ11は、その入力側と出力側との間において直列に接続された3個の直列共振子S1、S2、S3と、直列共振子同士を接続するための配線である直列腕と基準電位部Gndとの間に設けられた3個の並列共振子P1、P2、P3とを有する。すなわち、送信フィルタ11は3段構成のラダー型フィルタである。ただし、送信フィルタ11においてラダー型フィルタの段数は任意である。
並列共振子P1、P2、P3と基準電位部Gndとの間には、インダクタLが設けられている。このインダクタLのインダクタンスを所定の大きさに設定することによって、送信信号の通過周波数の帯域外に減衰極を形成して帯域外減衰を大きくしている。複数の直列共振子S1、S2、S3および複数の並列共振子P1、P2、P3は、それぞれSAW素子1のようなSAW共振子からなる。
受信フィルタ12は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子18とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは、2重モードを含むものとする。多重モード型SAWフィルタ17は、平衡−不平衡変換機能を有しており、受信フィルタ12は平衡信号が出力される2つの受信端子10に接続されている。受信フィルタ12は多重モード型SAWフィルタ17によって構成されるものに限られず、ラダー型フィルタによって構成してもよいし、平衡−不平衡変換機能を有していないフィルタであってもよい。
送信フィルタ11、受信フィルタ12およびアンテナ端子8の接続点とグランド電位部Gとの間には、インダクタなどからなるインピーダンスマッチング用の回路を挿入してもよい。
本実施形態のSAW素子を、直列共振子S1〜S3のいずれか、または、並列共振子P1〜P3のいずれかに使用してもよい。本実施形態のSAW素子1を用いることより、耐電力性に優れたSAW素子1とすることができる。特に、SAW素子1を並列共振子P1〜P3の少なくとも1つに用いることにより、フィルタの耐電力性を高めることができる。また、ラダー型の送信フィルタ11を構成する全ての共振子を本実施形態のSAW素子としてもよい。
本実施形態および変形例のSAW素子1のように、電極指32の断面形状を変化させた場合の効果を確認するために、SAW素子のモデルを設定しシミュレーションを実施して評価を行なった。モデルのSAW素子の基本構成は以下の通りである。
[圧電基板2]
材料:42°YカットX伝搬LiTaO基板
[IDT電極3]
材料:Al−Cu合金
(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層6がある。)
厚さ(Al−Cu合金層):154nm
IDT電極3の電極指32:
(本数)200本
(ピッチPt1)1.06μm
(デューティー:w1/Pt1)0.5
(交差幅W)20λ (λ=2×Pt1)
[反射器4]
材料:Al−Cu合金
(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層がある)
厚さ(Al−Cu合金層):154nm
反射電極指42の本数:30本
反射電極指42のピッチPt2:1.06μm
反射電極指42の交差幅:20λ (λ=2×Pt1)
IDT電極3との間隔G:Pt1
[保護層5]
材料:SiO
厚さ:15nm
このような基本構成のSAW素子において、電極指32の断面形状を、図8に示すモデル1〜7の形状とした。具体的には、モデル1は断面形状が矩形状である従来構成であり、モデル2は圧電基板2の上面2A側で幅が小さい領域を有する構成であり、モデル3〜7は拡幅部32dを有する構成である。モデル3〜モデル7は拡幅部32dが設けられる高さ位置が異なり、モデル3が最も圧電基板2の上面2Aに近い位置に設けてられており、モデル4〜モデル7にかけて徐々に上面2Aとの距離が大きくなるように高さ位置を変化させている。なお、モデル2では電極指32の幅w1に対して5.4%へこませて計算を行い、モデル3〜7では6.1%膨らませて計算を行った。
実施例であるモデル2〜7は、同じ断面積の電極指を構成する場合に必要となる圧電基板2側の幅を小さくしているので、比較例であるモデル1の構成に比べ耐電力性を高めることができる。
さらに、各モデルについて電気機械結合係数をシミュレーションした結果を図9に示す。図9において横軸はモデルの別を、縦軸には電気機械結合係数(単位:−)を示している。
図9からも明らかなように、従来構成のモデル1に比べ、実施例にかかる構成であるモデル2〜7は、電気機械結合係数が小さくなっている。このことから、モデル2〜7はモデル1に比べ、急峻度を高め、共振点と反共振点との間隔を小さくすることができることを確認した。
さらに、共振点と反共振点とにおけるそれぞれの伝搬損失(ロス)の平均(平均伝搬損失)を確認した結果を図10に示す。図10において、横軸はモデルの別を、縦軸は平均伝搬損失(単位:db/λ)を示している。
図10に示す通り、拡幅部32dを設けた場合には、比較例(モデル1)に比べて伝搬損失を小さくすることができる。特に、拡幅部32dが圧電基板2の上面2Aに近い場合(モデル3)には平均伝搬損失を特に小さくすることができる。ラダー型フィルタでは、共振点および反共振点双方の伝搬損失がフィルタ特性に関与する。このことから、拡幅部32dを設けたSAW素子1は平均伝搬損失が小さいので、ラダー型フィルタを構成する場合に適したものとなる。
なお、拡幅部32dを備えていないモデル2の構成においては、平均伝搬損失はモデル1に比べて大きくなっているが、共振点における伝搬損失はモデル1〜7のうち最も小さかった。このため、共振点における伝搬損失を低減したい場合に有効な構成であることが分かった。電極指の形状がモデル1のように矩形状である場合には、一般的にΔf(共振点と反共振点との間隔)を狭くし、かつ、伝搬損失を小さくしようとすると、耐電力性は低くなる傾向があった。これに対して、電極指32の断面形状をモデル2〜7のような形状とすることで、Δfを小さくし、かつ、伝搬損失を小さくし、かつ、耐電力性を高めることができるものとなる。
なお、モデル8として拡幅部32dが圧電基板2の上面2Aと下地層6を介して接する構成について同様にシミュレーションを行なった。このようなモデル8では、圧電基板2の上面2A側で幅が小さい領域を有さない構成である。この場合には、モデル1と比較して共振点、反共振点双方において、伝搬損失の改善は認められなかった。以上より、伝搬損失を低減するためには、圧電基板2の上面2A側で幅が小さい領域を備えることが必要であることが確認できた。
1 弾性波素子(SAW素子)、2 圧電基板、 2A 上面、3 励振(IDT)電極、 30 櫛歯電極(第1櫛歯電極30a、第2櫛歯電極30b)、 31 バスバー(第1バスバー31a、第2バスバー31b)、 32 電極指(第1電極指32a、第2電極指32b)、 33 ダミー電極指(第1ダミー電極指33a、第2ダミー電極指33b)、4 反射器、 41 反射器バスバー、42 反射電極指、5 保護層、7 分波器、8 アンテナ端子、9 送信端子、10 受信端子、11 送信フィルタ、12 受信フィルタ、15 導電層、17 多重モード型SAWフィルタ、18 補助共振子、101 通信装置、103 RF−IC、105 バンドパスフィルタ、107 増幅器、109 アンテナ、111 増幅器、113 バンドパスフィルタ、S1〜S3 直列共振子
P1〜P3 並列共振子

Claims (10)

  1. 第1主面を備える圧電基板と、
    前記第1主面に配置された、複数の電極指を有する励振電極とを有し、
    前記電極指は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記第1主面から離れた第1の高さにおける幅が、最も前記第1主面の側に位置する第2の高さにおける幅よりも広く、前記第1の高さを挟んで前記第2の高さと反対側に位置する第3の高さにおける幅が、前記第1の高さにおける幅よりも小さくなっている、弾性波素子。
  2. 前記電極指は、前記第3の高さにおける幅が、前記第2の高さにおける幅よりも小さくなっている、請求項に記載の弾性波素子。
  3. 前記第1主面と前記電極指との間に導電性を有する下地層を備え、
    該下地層は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記電極指に接する幅よりも前記圧電基板に接する幅が広い、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 第1主面を備える圧電基板と、
    前記第1主面に配置された、複数の電極指を有する励振電極と、
    前記第1主面と前記電極指との間に導電性を有する下地層
    を有し、
    前記電極指は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記第1主面から離れた第1の高さにおける幅が、最も前記第1主面の側に位置する第2の高さにおける幅よりも広く、
    前記下地層は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記電極指に接する幅よりも前記圧電基板に接する幅が広い、性波素子。
  5. 第1主面を備える圧電基板と、
    前記第1主面に配置された、複数の電極指を有する励振電極とを有し、
    前記電極指は、前記第1主面に直交する方向に断面視して、前記第1主面から離れた第1の高さにおける幅が、最も前記第1主面の側に位置する第2の高さにおける幅よりも広く
    前記電極指のうち最も前記第1主面の側から離れた面の端を第1端部として、
    前記電極指は、断面視で、前記第1端部から前記第2の高さにおける端である第2端部までを直線でつなぐ仮想線よりも外側に位置する拡幅部を有し、
    該拡幅部は、前記電極指の厚みの半分よりも小さい厚みである、性波素子。
  6. 前記電極指は、断面視して、前記第1の高さから前記第2の高さに向かうにつれて幅が小さくなっている、請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波素子。
  7. 前記電極指の材料は、1つの材料系である、請求項1乃至6に記載の弾性波素子。
  8. 前記電極指は、側面が、前記第1の高さから前記第2の高さにかけて曲面となっている、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の弾性波素子と、前記圧電基板上に配置された少なくとも1つの共振子とがラダー型に接続されているフィルタ素子。
  10. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項9に記載のフィルタ素子と、
    該フィルタ素子に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信装置。
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