JP2019180064A - 弾性波フィルタ、分波器および通信装置 - Google Patents

弾性波フィルタ、分波器および通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタ特性を向上させることができる弾性波フィルタを提供する。【解決手段】SAWフィルタ1は、支持基板31と、支持基板31上に位置している圧電体層33と、圧電体層33上に位置している複数のIDT電極27とを有している。複数のIDT電極27は、ラダー型フィルタの直列共振子17および並列共振子19を構成している。各IDT電極27において、一方の櫛歯電極35の複数の電極指39と、他方の櫛歯電極35の複数の電極指39とは、それぞれの先端を結ぶ第1仮想線VL1および第2仮想線VL2との間で互いに噛み合っている。直列共振子17の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、伝搬方向に対して一方側へ傾斜している。並列共振子19の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、伝搬方向に対して他方側へ傾斜している。【選択図】図1

Description

本開示は、電気信号をフィルタリングする弾性波フィルタ、当該弾性波フィルタを含む分波器および通信装置に関する。弾性波は、例えば、SAW(Surface Acoustic Wave)である。
複数の弾性波共振子をラダー型に接続することによって構成された弾性波フィルタが知られている(例えば特許文献1及び2)。具体的には、ラダー型の弾性波フィルタは、信号を通過させる直列共振子(弾性波共振子)と、信号に含まれる不要成分を基準電位へ逃がす並列共振子(弾性波共振子)とを有している。直列共振子および並列共振子は、それぞれ、圧電体層(圧電基板)上に位置するIDT(Interdigital Transducer)電極を含んで構成されている。
IDT電極は、互いに噛み合う1対の櫛歯電極からなる。すなわち、IDT電極は、互いに対向している1対のバスバーと、1対のバスバーの一方から他方へ互いに並列に延びている複数の第1電極指と、1対のバスバーの他方から一方へ互いに並列に延びている複数の第2電極指とを有している。複数の第1電極指の先端を結ぶ第1仮想線と、複数の第2電極指の先端を結ぶ第2仮想線との間の領域は、複数の第1電極指および複数の第2電極指が互いに交差する(互いに噛み合う)交差領域となっている。また、複数の第1電極指および複数の第2電極指に直交する方向は、弾性波の伝搬方向となる。
弾性波共振子は、典型的には、交差領域(第1仮想線および第2仮想線)が弾性波の伝搬方向に平行に延びるように形成される。ただし、交差領域を伝搬方向に対して傾斜させることによって、共振子および/またはフィルタとしての特性が向上する場合があることが知られている。特許文献1では、伝搬方向に対して互いに逆側へ傾斜している直列共振子および並列共振子が開示されている。特許文献2では、高音速部材と、その上に積層された圧電膜と、その上に設けられ、伝搬方向に対する傾斜角が互いに異なる直列共振子および並列共振子とが開示されている。
国際公開第2012/140831号 国際公開第2016/208236号
フィルタ特性を向上させることができる弾性波フィルタ、分波器および通信装置が提供されることが望まれる。
本開示の一態様に係る弾性波フィルタは、支持基板と、前記支持基板上に位置している圧電体層と、前記圧電体層上に位置しており、ラダー型フィルタの直列共振子を構成している直列IDT電極と、前記圧電体層上に位置しており、前記ラダー型フィルタの並列共振子を構成している並列IDT電極と、を有しており、前記圧電体層の平面視において、前記直列IDT電極および前記並列IDT電極それぞれは、所定の伝搬方向に交差する方向において互いに対向している第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ、互いに並列に前記伝搬方向に直交する方向に延びている複数の第1電極指と、前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ、互いに並列に前記伝搬方向に直交する方向に延びている複数の第2電極指と、を有しており、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とは、前記複数の第1電極指の先端を結ぶ第1仮想線と、前記複数の第2電極指の先端を結ぶ第2仮想線との間で互いに噛み合っており、前記直列IDT電極の前記第1仮想線および前記第2仮想線は、前記伝搬方向に対して一方側へ傾斜しており、前記並列IDT電極の前記第1仮想線および前記第2仮想線は、前記伝搬方向に対して他方側へ傾斜している。
一例において、前記圧電体層の厚さは、前記直列IDT電極における前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指のピッチの2倍以下である。
一例において、前記圧電体層の厚さは、7.5μm以下である。
一例において、前記直列IDT電極および前記並列IDT電極それぞれにおいて、前記第1仮想線および前記第2仮想線それぞれの前記伝搬方向に対する傾斜角の絶対値は、2°以上9°以下である。
一例において、前記直列IDT電極の前記第1仮想線、前記直列IDT電極の前記第2仮想線、前記並列IDT電極の前記第1仮想線および前記並列IDT電極の前記第2仮想線の、前記伝搬方向に対する傾斜角の絶対値は互いに同一である。
一例において、前記圧電体層は、30°以上60°以下回転YカットX伝搬のLiTaOの単結晶からなり、前記直列IDT電極の前記第1仮想線及び前記第2仮想線は、平面視において伝搬方向に対して左回りの方向に傾斜しており、前記並列IDT電極の前記第1仮想線及び前記第2仮想線は、平面視において伝搬方向に対して右回りの方向に傾斜している。
本開示の一態様に係る分波器は、アンテナ端子と、前記アンテナ端子に接続されている送信フィルタと、前記アンテナ端子に接続されている受信フィルタと、を有しており、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタの少なくとも一方は、上記弾性波フィルタによって構成されている。
本開示の一態様に係る通信装置は、上記の弾性波フィルタと、前記弾性波フィルタに接続されているアンテナと、前記弾性波フィルタに接続されているIC(Integrated Circuit)と、を有している。
上記の構成によれば、フィルタ特性を向上させることができる。
実施形態に係るSAWフィルタの要部構成を示す模式図である。 図2(a)は図1のSAWフィルタの直列共振子の要部構成を示す模式的な平面図であり、図2(b)は図1のSAWフィルタの並列共振子の要部構成を示す模式的な平面図である。 図2(a)のIII−III線における断面図である。 図4(a)、図4(b)および図4(c)は比較例および実施例に係るSAWフィルタの特性を示す図である。 図5(a)および図5(b)は実施例に係るSAW共振子の特性を示す図である。 図6(a)、図6(b)および図6(c)は実施例に係るSAWフィルタ内の互いに異なる位置に配される3つの直列共振子の特性の例を示す図であり、図6(d)、図6(e)および図6(f)は図6(a)、図6(b)および図6(c)の領域VId、VIeおよびVIfの拡大図である。 図7(a)、図7(b)および図7(c)は実施例に係るSAWフィルタ内の互いに異なる位置に配される3つの並列共振子の特性の例を示す図であり、図7(d)、図7(e)および図7(f)は図7(a)、図7(b)および図7(c)の領域VIId、VIIeおよびVIIfの拡大図である。 図1のSAWフィルタの利用例としての分波器を模式的に示す図である。 図8の分波器の利用例としての通信装置の要部の構成を示すブロック図である。
(SAWフィルタの構成)
図1は、SAWフィルタ1の要部構成を示す模式図である。なお、図1等の図面には、D1軸、D2軸およびD3軸からなる直交座標系を付している。D1軸は、後述する圧電体層に沿って伝搬するSAWの伝搬方向に平行になるように定義され、D2軸は、圧電体層に平行かつD1軸に直交するように定義され、D3軸は、圧電体層に直交するように定義されている。
SAWフィルタ1は、複合基板11と、複合基板11の主面11a上に配置された導体パターンとを有している。ただし、図1において、導体パターンは、回路図のように模式的に示されている。複合基板11の平面視における大きさは、主面11a上に構成される回路に応じて適宜に設定されてよい。一例を挙げると、複合基板11の1辺の長さは0.5mm以上3mm以下である。
SAWフィルタ1は、例えば、入力端子3Iに入力された電気信号をフィルタリングして出力端子3Oへ出力するフィルタとして構成されている。フィルタリングの際、信号に含まれる不要成分は、基準電位部5へ逃がされる。入力端子3Iおよび出力端子3Oは、例えば、複合基板11の主面11a上に設けられたパッドによって構成されている。基準電位部5は、例えば、主面11a上に設けられたパッドおよび当該パッドに接続されている導体パターンによって構成されている。
また、SAWフィルタ1は、例えば、いわゆるラダー型共振子フィルタによって構成されている。ラダー型共振子フィルタは、入力端子3Iと出力端子3Oとを接続している直列腕7と、直列腕7の複数位置と基準電位部5とを互いに並列に接続している複数の並列腕9とを有している。なお、並列腕9は、1つのみとされてもよい。直列腕7及び並列腕9は、複合基板11の主面11a上に構成されている。
直列腕7は、例えば、入力端子3Iと出力端子3Oとの間で互いに直列に接続されている複数の直列共振子部13を有している。なお、直列共振子部13は、1つのみとされてもよい。各並列腕9は、いずれかの直列共振子部13の入力側(入力端子3I側)または出力側(出力端子3O側)と基準電位部5とを接続している並列共振子部15を有している。複数の並列腕9(並列共振子部15)は、直列腕7に対して電気的に互いに異なる位置(直列共振子部13に対する相対関係が互いに異なる位置)に接続されている。
なお、本実施形態の説明において、直列腕7(別の観点では1以上の直列共振子部13)および並列腕9(別の観点では1以上の並列共振子部15)がラダー型に接続されているという場合、上記のように、入力端子3Iと出力端子3Oとの間に直列腕7(別の観点では1つの直列共振子部13または直列に接続された複数の直列共振子部13)が接続され、1以上の直列共振子部13の入力側または出力側と基準電位部5との間に1以上の並列腕9(別の観点では1以上の並列共振子部15)とが接続されている状態を指す。
直列共振子部13の数および並列共振子部15の数は、適宜に設定されてよく、図1に示す数は一例に過ぎない。図示の例では、最も入力端子3I側の直列共振子部13の入力側の位置には並列共振子部15が接続されていないが、当該位置に並列共振子部15が接続されていてもよい。同様に、最も出力端子3O側の直列共振子部13の出力側の位置には並列共振子部15が接続されていないが、当該位置に並列共振子部15が接続されていてもよい。複数の並列共振子部15は、互いに短絡されていない複数の基準電位部5(例えば基準電位端子)に個別に(1対1で)接続されていてもよいし、その全部又は一部が、同一の基準電位部5または互いに短絡されている複数の基準電位部5に接続されていてもよい。
各直列共振子部13は、例えば、図示の例のように、互いに直列に接続されている複数の直列共振子17を含んでいる。別の観点では、直列共振子部13は、複数の直列共振子17に分割されている。なお、特に図示しないが、複数の直列共振子部13の一部又は全部の各々は、1つの直列共振子17のみを含んでいてもよい。直列共振子部13は、複数の直列共振子17に分割されて構成されていることによって、分圧が印加されることになり、耐電力性が向上する。1つの直列共振子部13が含む直列共振子17の数は、適宜に設定されてよい。
同様に、各並列共振子部15は、1つの並列共振子19によって構成されていてもよいし、互いに直列に接続された複数の並列共振子19によって構成されていてもよい。図示の例では、3つの並列共振子部15のうち1つのみ、複数(図示の例では2つ)の並列共振子19を含んでいる。1つの並列共振子部15が含む並列共振子19の数は、適宜に設定されてよい。
なお、直列腕7内で、直列に接続されている複数の直列共振子17が設けられている場合において、各直列共振子17が、単体で直列共振子部13を構成しているのか否かは、例えば、並列腕9との接続位置を基準に特定してよい。例えば、互いに直列に接続されている2つの直列共振子17間に並列腕9が接続されていなければ、その2つの直列共振子17は、共に1つの直列共振子部13を構成しているとみなされてよい。
直列共振子部13および並列共振子部15のそれぞれのインピーダンスの周波数特性においては、インピーダンスが極小値となる共振点と、インピーダンスが極大値となる反共振点が現れる。共振点および反共振点が現れる周波数を共振周波数(fsr、fpr)および反共振周波数(fsa、fpa)とする。直列共振子部13および並列共振子部15のそれぞれにおいて、例えば、反共振周波数は共振周波数よりも高い。
複数の直列共振子部13は、基本的に、共振周波数fsrが互いに同等とされるとともに、反共振周波数fsaが互いに同等とされている。複数の並列共振子部15は、基本的に、共振周波数fprが互いに同等とされるとともに、反共振周波数fpaが互いに同等とされている。直列共振子部13および並列共振子部15は、直列共振子部13の共振周波数fsrと並列共振子部15の反共振周波数fpaとが概ね一致するように共振周波数および反共振周波数が設定される。これにより、SAWフィルタ1は、並列共振子部15の共振周波数fprから直列共振子部13の反共振周波数fsaまでの周波数範囲(減衰域)よりも若干狭い範囲を通過帯域とするフィルタとして機能する。
SAWフィルタ1は、上述した構成の他、抵抗体、キャパシタおよび/またはインダクタを適宜に有していてよい。図1では、直列共振子部13に並列に接続されているキャパシタ21が例示されている。このようなキャパシタ21を設けることによって、例えば、直列共振子部13における共振周波数と反共振周波数との周波数差Δfを小さくし、急峻なフィルタ特性を実現することができる。なお、このようなキャパシタ21および/またはインダクタを含んで直列共振子部13または並列共振子部15が定義されてもよい。
(共振子の構成)
図2(a)は、直列共振子17の要部構成を示す模式的な平面図である。図2(b)は、並列共振子19の要部構成を示す模式的な平面図である。図3は、図2(a)のIII−III線における断面図である。
直列共振子17及び並列共振子19は、その構成に共通点が多い。そこで、以下の説明では、便宜上、これらを区別せずにSAW共振子23と総称することがある。
SAW共振子23は、例えば、いわゆる1ポートSAW共振子によって構成されており、紙面両側に模式的に図示された2つの配線25の一方から電気信号が入力されると所定の周波数において共振を生じ、その共振を生じた信号を2つの配線25の他方へ出力する。
SAW共振子23は、例えば、既述の複合基板11と、複合基板11の主面11aに設けられたIDT電極27と、IDT電極27の両側に位置する1対の反射器29とを含んでいる。
なお、上記のように、SAW共振子23は、厳密には、複合基板11(特に後述する圧電体層33)を含んで構成されている。ただし、図1に示したように、複合基板11は、複数のSAW共振子23によって共用されている。従って、便宜上、本開示の説明では、IDT電極27および1対の反射器29のみがSAW共振子23を構成しているかのように表現することがある。
また、特に図示しないが、圧電体層33の上面は、IDT電極27および反射器29の上から、SiOまたはSi等からなる保護膜によって覆われていてもよい。保護膜は、単にIDT電極27等の腐食を抑制するためのものであってもよいし、温度補償に寄与するものであってもよい。また、保護膜が設けられる場合等において、IDT電極27および反射器29の上面または下面には、SAWの反射係数を向上させるために、絶縁体または金属からなる付加膜が設けられてもよい。
(複合基板の構成)
複合基板11は、例えば、支持基板31と、支持基板31上に重なっている圧電体層33とを有している。複合基板11の主面11aは、圧電体層33の主面によって構成されている。
圧電体層33は、例えば、圧電性を有する単結晶によって構成されている。単結晶は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO。以下、「LT」と略すことがある。)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)または水晶(SiO)からなる。カット角は適宜なものとされてよい。例えば、タンタル酸リチウムであれば、30°以上60°以下回転YカットX伝搬、または40°以上55°以下回転YカットX伝搬となるカット角が採用されてよい。確認的に記載すると、このカット角では、X軸回りにY軸からZ軸へ30°以上60°以下(または40°以上55°以下)の角度で回転したY′軸に主面11aが直交する。
圧電体層33の厚さt(図3)は、例えば、一定である。厚さtは、圧電体単体で基板が構成される場合等に比較して薄くされている。例えば、厚さtは、後述する電極指のピッチをp(図3)として、0.1p以上3p以下、または0.5p以上2p以下である。一般的に、SAWを利用したフィルタ1が適用されるこのような厚さは、例えば、700MHz以上の周波数帯では、例えば、厚さtは、0.1μm以上8μm以下、または0.5μm以上5μm以下である。
支持基板31は、例えば、圧電体層33の材料よりも熱膨張係数が小さい材料によって形成されている。これによって、SAW共振子23の電気特性の温度変化を補償することができる。このような材料としては、例えば、シリコン等の半導体、サファイア等の単結晶および酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックを挙げることができる。なお、支持基板31は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層されて構成されていてもよい。
支持基板31の厚みは、例えば、一定であり、厚さの具体的な値は、SAWフィルタ1に要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。ただし、支持基板31の厚みは、温度補償が好適に行われたり、圧電体層33の強度を補強したりできるように、圧電体層33の厚みよりも厚くされている。一例として、支持基板31の厚みは100μm以上300μm以下である。
なお、圧電体層33の広さと、支持基板31の広さとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい(支持基板31が圧電体層33よりも広くてもよい。)。なお、後者の場合、複合基板11上の導体パターンの一部(例えば入力端子3I、出力端子3Oおよび/または基準電位部5を構成する端子)は、圧電体層33上ではなく、支持基板31上に設けられていてもよい。
圧電体層33および支持基板31は、直接的に重なっていてもよいし、中間層(不図示)を介して間接的に重なっていてもよい。
直接的に重なる場合、例えば、圧電体層33となる圧電基板の下面と、支持基板31の上面とをプラズマまたは中性子線などで活性化処理し、両面を直接的に貼り合わせてよい。また、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の薄膜形成法によって、圧電体層33となる圧電材料を支持基板31上に成膜してもよい。
中間層が設けられる場合、中間層は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。有機材料としては、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiO,Si,AlN等が挙げられる。また、複数の異なる材料からなる薄層を積層させた積層体を中間層としてもよい。中間層は、圧電体層33となる圧電基板と支持基板31とを接着する接着層を含んでもよいし、薄膜形成法で形成される圧電体層33の下地となるだけであってもよい。また、中間層は、音響的に何らかの効果を奏する層として(例えば反射率を高くする層として)構成されていてもよい。
(IDT電極および反射器を構成する導体層)
IDT電極27および反射器29は、圧電体層33上に設けられた層状導体によって構成されている。IDT電極27を構成する層状導体と、反射器29を構成する層状導体とは、例えば、平面形状を除いて、互いに同一の構成である。層状導体の材料は、例えば、Al等の金属である。層状導体は、複数の金属層から構成されていてもよい。層状導体の厚さは、SAW共振子23に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。一例として、層状導体の厚さは50nm〜600nmである。
(IDT電極の基本構成)
IDT電極27は、1対の櫛歯電極35を含んでいる。各櫛歯電極35は、例えば、バスバー37と、バスバー37から互いに並列に延びる複数の電極指39と、複数の電極指39間においてバスバー37から突出するダミー電極41とを含んでいる。1対の櫛歯電極35は、複数の電極指39が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
バスバー37は、例えば、概略、一定の幅で直線状に延びている。そして、1対のバスバー37は、SAWの伝搬方向(D1軸方向)に交差する方向において互いに対向している。1対のバスバー37の互いに対向する縁部は、例えば、互いに平行な直線状である。なお、1対のバスバー37は、例えば、幅が変化したりしてもよい。
各電極指39は、例えば、概略、一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(D2軸方向)に直線状に延びている。一方の櫛歯電極35の複数の電極指39と他方の櫛歯電極35の複数の電極指39とは、SAWの伝搬方向(D1軸方向)において、基本的には交互に配置されている。複数の電極指39のピッチpは、IDT電極27内において基本的に一定である。なお、ピッチpは、例えば、互いに隣り合う2本の電極指39の中心間距離であり、また、当該距離は、伝搬方向に平行な距離である。
電極指39の本数、長さおよび幅等は、SAW共振子23に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。図2(a)等は模式図であることから、電極指39の本数は少なく示されている。IDT電極27は、IDT電極27の一部に狭ピッチ部または広ピッチ部を有するものであってもよいし、いわゆる間引きがなされた部分を有するものであってもよい。間引きは、例えば、1対の櫛歯電極35の電極指39が交互に一定のピッチで配置されている構成を基準として、電極指39を1本以上の適宜な数で無くしたり、1本の電極指39の幅を2本以上の適宜な数の電極指39の配列長さに亘る幅としたりすることである。
なお、本開示において、単にピッチpというとき、狭ピッチ部、広ピッチ部および/または間引き部分のような特異部分を除いた大部分(例えば全ピッチの8割以上)のピッチをいうものとする。また、特異部分を除いても、または特異部分が設けられていない場合であっても、ピッチが一定でない場合がある。例えば、IDT電極27をD1軸方向において複数に分割した領域間で互いにピッチが異なっていたり、IDT電極27全体または大部分に亘って、微小な差異で、および/または緩やかにピッチが変化していたりすることがある。このような場合は、単にピッチpという場合、例えば、特異部分を除いたピッチpの平均値をいうものとする。
一方の櫛歯電極35の複数の電極指39の先端を結んだ第1仮想線VL1と、他方の櫛歯電極35の複数の電極指39の先端を結んだ第2仮想線VL2とで挟まれた領域は、1対の櫛歯電極35の電極指39が互いに噛み合う(互いに交差する)交差領域CRとなっている。第1仮想線VL1および第2仮想線VL2(以下、両者を区別せずに、単に「仮想線VL」ということがある。)は、例えば、互いに平行な直線であり(交差領域CRの幅は一定であり)、また、1対のバスバー37の互いに対向する縁部に平行である。別の観点では、図示の例では、複数の電極指39の長さは互いに同一である。
ダミー電極41は、例えば、概略、一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(D2軸方向)に突出している。その幅は、例えば電極指39の幅と同等である。また、複数のダミー電極41は、複数の電極指39と同等のピッチで配列されており、一方の櫛歯電極35のダミー電極41の先端は、他方の櫛歯電極35の電極指39の先端とギャップを介して対向している。各櫛歯電極35において、複数のダミー電極41の先端を結ぶ仮想線(不図示)は、例えば、仮想線VLに対して平行な直線状である。なお、IDT電極27は、ダミー電極41を含まないものであってもよい。
(反射器の構成)
1対の反射器29は、SAWの伝搬方向(D1軸方向)においてIDT電極27の両側に位置している。各反射器29は、例えば、電気的に浮遊状態とされてもよいし、基準電位が付与されてもよい。各反射器29は、例えば、格子状に形成されている。すなわち、反射器29は、互いに対向する1対の反射器バスバー43と、1対の反射器バスバー43間において延びる複数のストリップ電極45とを含んでいる。複数のストリップ電極45のピッチ、および互いに隣接する電極指39とストリップ電極45とのピッチは、例えば、複数の電極指39のピッチと概ね同等である。
IDT電極27によって圧電体層33の上面に電圧が印加されることによって圧電体層33の上面をD1軸方向に伝搬するSAWが励振され、ピッチpを半波長とするSAWの定在波が立つ。この定在波により生じた信号は、IDT電極27によって取り出される。このようにして、SAW共振子23における共振が利用される。SAW共振子23の共振周波数は、定在波(ピッチpを半波長とするSAW)の周波数と概ね同等となる。反共振周波数は、共振周波数と容量比とによって決定され、容量比は、主として圧電体層33によって規定され、電極指39の本数、交差幅または膜厚等によって調整される。
(SAW共振子の傾斜)
SAW共振子23は、第1仮想線VL1及び第2仮想線VL2がSAWの伝搬方向(D1軸方向。電極指39に直交する方向)に対して同一側へ傾斜している。換言すれば、交差領域CRは、伝搬方向に対して傾斜する方向に延びている。その傾斜角θの大きさは適宜に設定されてよく、例えば、1°以上20°以下、または2°以上9°以下である。
また、直列共振子17および並列共振子19は、SAWの伝搬方向に対して、互いに逆側に傾斜している。直列共振子17の傾斜角θおよび並列共振子19の傾斜角θの絶対値は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
ここで、圧電体層33として30°以上60°以下回転YカットX伝搬のLTを例に取る。この場合、X軸は、電極指39に直交するD1軸に平行である。D1軸の正方向がX軸の正方向に一致するように右手系の直交座標系D1−D2−D3の向きを定義すると、Y軸はD2−D3平面内で+D2側かつ+D3側へ延び、Z軸はD2−D3平面内で−D2側かつ+D3側へ延びる。そして、矢印aw1で示すように、直列共振子17においては、仮想線VLは、例えば、平面視において左回りの方向(+方向とする。)へ傾斜している。一方、矢印aw2で示すように、並列共振子19においては、仮想線VLは、例えば、平面視において右回りの方向(−方向とする。)へ傾斜している。
言い換えると、直列共振子17は、X軸の正方向に対して、圧電結晶軸のうちZ軸をD2−D3平面内に投影した成分の負方向に傾いており、並列共振子19は、X軸の正方向に対して、圧電結晶軸のうちZ軸をD2−D3平面内に投影した成分の正方向に傾いている。
図1において、直列共振子17および並列共振子19を示す平行四辺形の傾斜は、IDT電極27の伝搬方向に対する傾斜を模式的に示している。この図に示すように、例えば、全ての直列共振子17及び並列共振子19が上記のように傾斜していてよい。
ただし、一部の直列共振子17のみ、および/または一部の並列共振子19のみが傾斜していても構わない。また、1つの直列共振子部13内で、全ての直列共振子17が傾斜していてもよいし、一部の直列共振子17が傾斜していてもよい。同様に、1つの並列共振子部15内で、全ての並列共振子19が傾斜していていもよいし、一部の並列共振子19が傾斜していてもよい。
上記のように一部のみが傾斜している場合、互いに逆側に傾斜する直列共振子17および並列共振子19は、例えば、他の直列共振子部13を介さずに互いに接続されるものであってもよいし、そうでなくてもよいし、共に同一の直列共振子部13を構成する他の直列共振子17および/または共に同一の並列共振子部15を構成する他の並列共振子19を介さずに接続されるものであってもよいし、そうでなくてもよい。
上記のように、図示の例では、バスバー37の内側の縁部、およびダミー電極41の先端を結んだ仮想線は、仮想線VLに平行である。すなわち、これらも隣接する仮想線VLと同じ向きおよび傾斜角θで傾斜している。ただし、図示の例とは異なり、これらは、仮想線VLと平行でなくてもよい。例えば、D1軸方向に平行であってもよい。
図2(a)および図2(b)において、1対の反射器バスバー43の互いに対向する縁部は、伝搬方向に対して平行となっている。ただし、図示の例とは異なり、当該縁部は、仮想線VLに対して平行とされてもよい。また、縁部だけでなく、反射器バスバー43の全体として、仮想線VLおよびバスバー37に対して平行とされてよく、また、反射器バスバー43とバスバー37とは概ね同一線上に位置してもよい。
なお、上記のようにIDT電極27だけでなく、反射器29も傾斜している場合において、複合基板11は、平面視において、仮想線VLに平行な2辺と、仮想線VLに直交する2辺とを有する矩形とされてもよい。このような場合、例えば、複合基板11の側面と、バスバー37および反射器バスバー43との間に無駄なスペースが生じるおそれを低減できる。
(実施例)
比較例および実施例のSAWフィルタについて、そのフィルタ特性をシミュレーション計算によって求めた。このシミュレーション計算は実測した共振子の特性を利用したものである。その結果の一例を示す。
実施例において、圧電体層33は、42°回転YカットX伝搬LTとし、その厚さは、1.0μm(電極指39のピッチpと概ね同等)とした。支持基板31は、サファイアとした。通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のバンド25の送信帯域(1850MHz〜1915MHz)とした。傾斜角θの絶対値は、直列共振子17および並列共振子19のいずれも6°とした。比較例は、実施例において、直列共振子17及び並列共振子19のいずれも傾斜角θを+6°としたもの(比較例1)と、いずれも傾斜角θを−6°としたもの(比較例2)との2種とした。
図4(a)〜図4(c)は、シミュレーション結果を示す図である。これらの図において、横軸は、周波数を示し、縦軸は、透過特性を示している。図4(b)は、上述の通過帯域(1850MHz〜1915MHz)を含む周波数範囲で透過特性を示している。図4(a)は、図4(b)の領域IVaの拡大図である。図4(c)は、図4(b)の領域IVcの拡大図である。これらの図において、線LE1、LC1およびLC2は、それぞれ、実施例、第1比較例および第2比較例の透過特性を示している。
図4(a)に示すように、通過帯域の低周波側の境界付近においては、第2比較例(線LC2)は、他の例に比較して、通過帯域内の透過特性が低下している。すなわち、いわゆる肩特性が劣化している。なお、図4(a)において、線LE1(実施例)と線LC1(第1比較例)とは殆ど重なっているが、わずかに実施例の透過特性が高い。一方、図4(b)に示すように、通過帯域の高周波側の境界付近においては、低周波側の境界付近とは逆に、第1比較例(線LC1)の通過帯域内の透過特性が他の例の通過帯域内の透過特性よりも低下している。なお、図4(a)において、線LE1(実施例)と線LC2(第2比較例)とはやや重なっているが、実施例の透過特性が高い。
このように、直列共振子17および並列共振子19を伝搬方向に対して互いに逆側に傾斜させることによって、直列共振子17および並列共振子19を共に+方向へ傾斜させた第1比較例、および共に−方向へ傾斜させた第2比較例のいずれと比較しても、肩特性の向上効果が得られる。
(圧電体層の厚さの影響)
以下では、上記の実施例の効果について補足説明を行う。
図5(a)および図5(b)は、SAW共振子23の特性を示す図である。この特性は、実測によって得られている。これらの図において、横軸は周波数を示している。縦軸はインピーダンスの位相を示している。SAW共振子23において、インピーダンスの位相は、共振周波数と反共振周波数との間においては、90°に近いほど特性が良く、その外側においては、−90°に近いほど特性が良い。
図5(a)は、第1分析例に係るSAW共振子23の特性を示しており、図5(b)は、第2分析例に係るSAW共振子23の特性を示している。第1分析例では、圧電体層33は、厚さtが19.8μmの46.3°回転YカットX伝搬LTとされている。また、支持基板31の材料はシリコンとされている。一方、第2分析例では、圧電体層33は、厚さtが1.0μmの42°回転YカットX伝搬LTとされている。また、支持基板31の材料はサファイアとされている。他の条件は、第1分析例と第2分析例とで同様である。
第1分析例および第2分析例のいずれにおいても、傾斜角θを+6°としたSAW共振子23と、傾斜角θを−6°としたSAW共振子23についてシミュレーション計算を行い、図5(a)および図5(b)にプロットしている。
図5(a)の第1分析例においては、傾斜角θが+6°の場合の結果と、傾斜角θが−6°の場合の結果とは略一致している。一方、図5(b)の第2分析例においては、傾斜角θが+6°の場合の結果(線L1Pで示す)と、傾斜角θが−6°の場合の結果(線L1Nで示す)とは一致していない。具体的には、共振周波数側(低周波側)においては、−6°の特性が相対的に良くなっている(ロスが少ない。)。また、反共振周波数側(高周波側)においては、+6°の結果と−6°の結果とは略一致しているが、わずかに+6°の特性が相対的に良くなっている。
以上のように、圧電体層33の厚さが比較的薄いことにより、傾斜角θの正負が互いに逆のSAW共振子23の特性が互いに異なるものとなりやすいことがわかる。そして、この相違に起因して、直列共振子17および並列共振子19の傾斜を互いに逆にすることにより、フィルタ特性の向上の効果が得られることがわかる。
(位相の裾野の影響)
図6(a)〜図6(c)は、同一のSAWフィルタ1内の互いに異なる位置に配される3つの直列共振子17の特性の例を示す図である。これらの図において、横軸及び縦軸は、その具体的な範囲を除いては、図5(a)および図5(b)と同様である。また、図6(d)〜図6(f)は、図6(a)〜図6(c)の領域VId〜領域VIfの拡大図である。
各図(各直列共振子17)において、傾斜角θが+6°の場合と、傾斜角θが−6°の場合とを想定して、その特性についてシミュレーション計算を行った。このシミュレーション計算は実測した共振子の特性を利用したものである。図6(d)〜図6(f)において、線L2P、L3PおよびL4Pは、傾斜角θが+6°の場合の結果を示し、線L2N、L3NおよびL4Nは、傾斜角θが−6°の場合の結果を示している。
これらの図に示されているように、共振周波数付近(1850MHz付近)においては、傾斜角θが+6°である場合の方が、インピーダンスの位相が急峻に0°に近づき、特性が良い(ロスが小さい)。
図7(a)〜図7(c)は、同一のSAWフィルタ1内の互いに異なる位置に配される3つの並列共振子19の特性の例を示す図である。これらの図において、横軸及び縦軸は、その具体的な範囲を除いては、図5(a)および図5(b)と同様である。また、図7(d)〜図7(f)は、図7(a)〜図7(c)の領域VIId、VIIeおよびVIIfの拡大図である。
各図(各並列共振子19)において、傾斜角θが+6°の場合と、傾斜角θが−6°の場合とを想定して、その特性についてシミュレーション計算を行った。このシミュレーション計算は実測した共振子の特性を利用したものである。図7(d)〜図7(f)において、線L5P、L6PおよびL7Pは、傾斜角θが+6°の場合の結果を示し、線L5N、L6NおよびL7Nは、傾斜角θが−6°の場合の結果を示している。
これらの図に示されているように、反共振周波数付近(1915MHz付近)においては、共振周波数付近とは逆に、傾斜角θが−6°である場合の方が、インピーダンスの位相が急峻に0に近づき、特性が良い(ロスが小さい)。
纏めると、SAW共振子23は、傾斜角θが+6°の場合は、共振周波数付近における特性が相対的に良く、逆に、傾斜角θが−6°の場合は、反共振周波数付近における特性が相対的に良い。一方、直列共振子17は、共振周波数が通過帯域内に設定され、並列共振子19は、反共振周波数が通過帯域内に設定される。このようなことから、直列共振子17の傾斜角θを正とし、並列共振子19の傾斜角θを負とした態様の方が、その逆の態様に比較して特性が向上する。
(弾性波装置の利用例:分波器)
図8は、SAWフィルタ1の利用例としての分波器101(例えばデュプレクサ)の構成を模式的に示す回路図である。この図の紙面左上に示された符号から理解されるように、この図では、櫛歯電極35が二叉のフォーク形状によって模式的に示され、反射器29は両端が屈曲した1本の線で表わされている。また、この図では、図1に比較して、直列共振子17および並列共振子19の数は減らされている。直列共振子17および並列共振子19それぞれは、単体で直列共振子部13または並列共振子部15を構成するものとして図示されている。また、SAW共振子23の傾斜の図示は省略されている。
分波器101は、例えば、送信端子105からの送信信号をフィルタリングしてアンテナ端子103へ出力する送信フィルタ109と、アンテナ端子103からの受信信号をフィルタリングして1対の受信端子107に出力する受信フィルタ111とを有している。
送信フィルタ109は、例えば、実施形態のSAWフィルタ1によって構成されている。送信端子105は、入力端子3Iまたは当該入力端子3Iに接続されている端子である。アンテナ端子103は、出力端子3Oまたは当該出力端子3Oに接続されている端子である。
受信フィルタ111は、例えば、SAW共振子23と、多重モード型フィルタ(ダブルモード型フィルタを含むものとする。)113とを含んで構成されている。多重モード型フィルタ113は、弾性波の伝搬方向に配列された複数(図示の例では3つ)のIDT電極27と、その両側に配置された1対の反射器29とを有している。なお、受信フィルタ111を構成するSAW共振子23および多重モード型フィルタ113は、例えば、同一の複合基板11(圧電体層33)に設けられている。
なお、送信フィルタ109および受信フィルタ111は、同一の複合基板11に設けられていてもよいし、互いに異なる複合基板11に設けられていてもよい。図8は、あくまで分波器101の構成の一例であり、例えば、受信フィルタ111が送信フィルタ109と同様にラダー型フィルタによって構成されるなどしてもよい。また、受信フィルタ111および送信フィルタ109の双方が実施形態に係るSAWフィルタ1(直列共振子17と並列共振子19とが互いに逆側に傾斜したラダー型フィルタ)によって構成されていてもよいし、図示とは逆に、受信フィルタ111のみが実施形態に係るSAWフィルタ1によって構成されていてもよい。分波器101は、デュプレクサに限定されず、3以上のフィルタを含んだマルチプレクサ(例えばトリプレクサまたはクアッドプレクサ)であってもよい。
(弾性波装置の利用例:通信装置)
図9は、SAWフィルタ1(別の観点では分波器101)の利用例としての通信装置151の要部を示すブロック図である。通信装置151は、電波を利用した無線通信を行うものであり、分波器101を含んでいる。
通信装置151において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC(Radio Frequency Integrated Circuit)153によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数を有する高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ155によって送信用の通過帯以外の不要成分が除去され、増幅器157によって増幅されて分波器101(送信端子105)に入力される。そして、分波器101(送信フィルタ109)は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯以外の不要成分を除去し、その除去後の送信信号TSをアンテナ端子103からアンテナ159に出力する。アンテナ159は、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号(電波)に変換して送信する。
また、通信装置151において、アンテナ159によって受信された無線信号(電波)は、アンテナ159によって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器101(アンテナ端子103)に入力される。分波器101(受信フィルタ111)は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯以外の不要成分を除去して受信端子107から増幅器161へ出力する。出力された受信信号RSは、増幅器161によって増幅され、バンドパスフィルタ163によって受信用の通過帯以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC153によって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。
なお、送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯は、適宜に設定されてよく、公知の各種の規格に従ってよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。回路方式は、ダイレクトコンバージョン方式を例示したが、それ以外の適宜なものとされてよく、例えば、ダブルスーパーヘテロダイン方式であってもよい。また、図9は、要部のみを模式的に示すものであり、適宜な位置にローパスフィルタやアイソレータ等が追加されてもよいし、また、増幅器等の位置が変更されてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、SAWフィルタ1は、支持基板31と、支持基板31上に位置している圧電体層33と、圧電体層33上に位置している複数のIDT電極27とを有している。複数のIDT電極27の少なくとも1つは、ラダー型フィルタの直列共振子17を構成している。また、複数のIDT電極27の他の少なくとも1つは、ラダー型フィルタの並列共振子19を構成している。各IDT電極27において、一方の櫛歯電極35の複数の電極指39と、他方の櫛歯電極35の複数の電極指39とは、それぞれの先端を結ぶ第1仮想線VL1および第2仮想線VL2との間で互いに噛み合っている。直列共振子17の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、伝搬方向に対して一方側(実施形態では+方向)へ傾斜している。並列共振子19の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、伝搬方向に対して他方側(実施形態では−方向)へ傾斜している。
従って、例えば、伝搬方向に対する傾斜の向きが逆であることによる、直列共振子17と並列共振子19との間の特性の相違を利用して、フィルタ特性を向上させることが可能となる。傾斜角θの正負に起因する共振子特性の相違は、圧電体層33が薄いほど現れやすい。一方、支持基板31上に形成される圧電体層33は、通常、単体で基板を構成する圧電基板に比較して薄い。従って、支持基板31上の圧電体層33と、互いに逆側に傾斜した直列共振子17および並列共振子19との組み合わせによって、上記のフィルタ特性を向上させることが可能になる効果を得ることができる。より具体的には、通過帯域の低周波側および通過帯域の高周波側それぞれの透過特性の変化を急峻にして、ロスを少なくすることができる。すなわち、肩特性が向上する。
また、本実施形態では、圧電体層33の厚さは、例えば、直列共振子17の複数の電極指39のピッチpの2倍以下とされてよい。また、当該厚さは、7.5μm以下とされてよい。
支持基板31上に設けられた圧電体層33を用いる場合、圧電体層33内におけるバルク波の減衰および/または散乱がなされにくい。その結果、バルク波スプリアスが現れやすい。しかし、圧電体層33の厚さが上記のような範囲であると、最も低次のバルク波スプリアスであってもその周波数が直列共振子17の共振周波数よりも高くなりやすい。その結果、SAWフィルタ1の通過特性が更に向上する。また、圧電体層33が薄いことから、上述した互いに逆側へ傾斜している直列共振子17および並列共振子19の特性の相違が現れやすい。
また、本実施形態では、直列共振子17および並列共振子19それぞれにおいて、第1仮想線VL1および第2仮想線VL2それぞれの傾斜角θの絶対値は、2°以上9°以下とされてよい。
傾斜角θが2°以上であれば、横モードスプリアスを低減するという傾斜角θの本来の効果が確保される。また、傾斜角θが9°以下であれば、挿入損失が低減される。すなわち、傾斜角θが上記の範囲であれば、トレードオフの関係にあるスプリアスの低減と挿入損失の低減とをバランスさせることができる。
また、本実施形態では、直列共振子17の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2、ならびに並列共振子19の第1仮想線VL1および第2仮想線VL2の、(4つの)傾斜角θの絶対値は互いに同一とされてよい。
すなわち、直列共振子17および並列共振子19の傾斜は、正負のみが異なっていてもよい。この場合、角度の絶対値に依存する特性については直列共振子17および並列共振子19で共通に特性を向上させることができる。また、例えば、傾斜の正負の相違によって正負が逆の歪信号が生じて互いに相殺されることが期待され、このような場合に、角度の絶対値が互いに同一であれば、歪信号の相殺が容易化される。
なお、以上の実施形態において、SAWフィルタ1は弾性波フィルタの一例である。1対の櫛歯電極35の一方におけるバスバー37および電極指39は、第1バスバーおよび第1電極指の一例であり、1対の櫛歯電極35の他方におけるバスバー37および電極指39は、第2バスバーおよび第2電極指の一例である。直列共振子17のIDT電極27は直列IDT電極の一例であり、並列共振子19のIDT電極27は並列IDT電極の一例である。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、弾性波は、SAWに限定されず、例えば、バルク波または弾性境界波(ただしSAWの一種と捉えられてよい。)であってもよい。各IDT電極において、第1仮想線および第2仮想線は、互いに平行な直線でなくてもよい。例えば、両者は、伝搬方向に対する傾斜角が互いに異なる直線であってもよいし、少なくとも一方が曲線状であってもよい。
また、中間層を備える場合には、圧電体層と中間層とを合わせて2p以下の厚さとなるようにしてもよい。その場合にはIDT電極の傾斜方向による差異を顕著にすることができる。
1…SAWフィルタ(弾性波フィルタ)、17…直列共振子、19…並列共振子、31…支持基板、33…圧電体層、27…IDT電極(直列IDT電極、並列IDT電極)、37…バスバー(第1バスバー、第2バスバー)、39…電極指(第1電極指、第2電極指)、第VL1…第1仮想線、第VL2…第2仮想線。

Claims (8)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に位置している圧電体層と、
    前記圧電体層上に位置しており、ラダー型フィルタの直列共振子を構成している直列IDT電極と、
    前記圧電体層上に位置しており、前記ラダー型フィルタの並列共振子を構成している並列IDT電極と、
    を有しており、
    前記圧電体層の平面視において、前記直列IDT電極および前記並列IDT電極それぞれは、
    所定の伝搬方向に交差する方向において互いに対向している第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ、互いに並列に前記伝搬方向に直交する方向に延びている複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ、互いに並列に前記伝搬方向に直交する方向に延びている複数の第2電極指と、を有しており、
    前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とは、前記複数の第1電極指の先端を結ぶ第1仮想線と、前記複数の第2電極指の先端を結ぶ第2仮想線との間で互いに噛み合っており、
    前記直列IDT電極の前記第1仮想線および前記第2仮想線は、前記伝搬方向に対して一方側へ傾斜しており、
    前記並列IDT電極の前記第1仮想線および前記第2仮想線は、前記伝搬方向に対して他方側へ傾斜している
    弾性波フィルタ。
  2. 前記圧電体層の厚さは、前記直列IDT電極における前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指のピッチの2倍以下である
    請求項1に記載の弾性波フィルタ。
  3. 前記圧電体層の厚さは、7.5μm以下である
    請求項1または2に記載の弾性波フィルタ。
  4. 前記直列IDT電極および前記並列IDT電極それぞれにおいて、前記第1仮想線および前記第2仮想線それぞれの前記伝搬方向に対する傾斜角の絶対値は、2°以上9°以下である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ。
  5. 前記直列IDT電極の前記第1仮想線、前記直列IDT電極の前記第2仮想線、前記並列IDT電極の前記第1仮想線および前記並列IDT電極の前記第2仮想線の、前記伝搬方向に対する傾斜角の絶対値は互いに同一である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ。
  6. 前記圧電体層は、30°以上60°以下回転YカットX伝搬のLiTaOの単結晶からなり、
    前記直列IDT電極の前記第1仮想線及び前記第2仮想線は、平面視において伝搬方向に対して左回りの方向に傾斜しており、
    前記並列IDT電極の前記第1仮想線及び前記第2仮想線は、平面視において伝搬方向に対して右回りの方向に傾斜している
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ。
  7. アンテナ端子と、
    前記アンテナ端子に接続されている送信フィルタと、
    前記アンテナ端子に接続されている受信フィルタと、
    を有しており、
    前記送信フィルタおよび前記受信フィルタの少なくとも一方は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波フィルタによって構成されている
    分波器。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波フィルタと、
    前記弾性波フィルタに接続されているアンテナと、
    前記弾性波フィルタに接続されているICと、
    を有している通信装置。
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