JP2005260833A - 弾性表面波共振子及び弾性表面波フィルタ - Google Patents

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知久 小村
Norio Taniguchi
典生 谷口
Takeshi Nakao
武志 中尾
Michio Kadota
道雄 門田
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Abstract

【課題】 反射係数を高めるためにAlよりも重い金属材料からなる電極を用いた場合であっても、共振周波数−反共振周波数間の周波数間隔Δfを小さくすることがき、従ってラダー型フィルタなどに共振子として用いた場合にフィルタ特性の急峻性を高めることを可能とする弾性表面波共振子を提供する。
【解決手段】 圧電性基板2上に、Alよりも重い金属材料からなるIDT電極3及び反射器4,5が形成されており、圧電性基板2上においてIDT電極3に電気的に接続されており、かつ互いに並列に接続された第1,第2の容量素子6,7が設けられており、第1,第2の容量素子6,7が、それぞれ、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する櫛形電極により構成されている、弾性表面波共振子1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、共振子や帯域フィルタとして用いられる弾性表面波共振子及び弾性表面波フィルタに関し、より詳細には、圧電性基板上に弾性表面波共振子を構成するためのIDT電極が形成されており、該IDT電極に櫛形電極からなる容量素子が圧電性基板上において接続されている弾性表面波共振子及び弾性表面波フィルタに関する。
従来、例えば携帯電話機などの通信装置の帯域フィルタとして、複数の弾性表面波共振子を接続してなる弾性表面波フィルタが広く用いられている。
この種の弾性表面波フィルタに用いられる弾性表面波共振子の一例が下記の特許文献1に開示されている。図10に示すように、特許文献1に記載の弾性表面波共振子101は、矩形板状のLiTaO3基板102を有する。LiTaO3基板102上に、共振子として動作させるためのIDT電極103が形成されている。IDT電極103に並列に櫛形電極からなる容量素子104が接続されている。
一般に、弾性表面波共振子の共振周波数と反共振周波数との間隔Δfは、圧電定数により決定されるため、同じ圧電基板を用いて周波数間隔Δfを容易に調整することはできなかった。これに対して、弾性表面波共振子101では、容量素子104の接続により周波数間隔Δfを小さくすることが可能とされている。
他方、下記の特許文献2には、このような容量素子が接続された複数の弾性表面波共振子を用いて構成されたラダー型フィルタが開示されている。図11は、特許文献2に記載のラダー型フィルタを説明するための各回路図である。
ラダー型フィルタ111では、入力端と出力端とを結ぶ直列腕に2つの直列腕共振子S1,S2が接続されている。そして、直列腕共振子S1,S2間の接続点と基準電位との間を結ぶ並列腕に並列腕共振子P1が接続されている。また、直列腕共振子S2と出力端との間の接続点と基準電位との間に配置されている並列腕に並列腕共振子P2が接続されている。特許文献2では、上記直列腕共振子S1と、並列腕共振子P1に並列に容量素子Cd1及びCd2を接続した構造が開示されている。ここでは、各直列腕共振子S1,S2及び並列腕共振子P1,P2は弾性表面波共振子により構成されている。そして、直列腕共振子S1及び並列腕共振子P1に容量素子Cd1,Cd2を接続することにより、周波数間隔Δfが小さくされ、それによってフィルタ特性の急峻性が高められるとされている。
他方、下記の特許文献3には、LiTaO3基板上にCuを主成分とするIDT電極が形成されている弾性表面波装置が開示されている。ここでは、周波数温度特性を改善するために、CuからなるIDT電極を被覆するようにSiO2膜が形成されている。
特開平5−220074号公報 特開平8−65089号公報 特願2001−400737号
特許文献1には、弾性表面波共振子においてIDT電極に対して容量素子を接続することにより周波数間隔Δfを小さくすることができることが示されており、特許文献2には、このような弾性表面波共振子を用いたラダー型フィルタにより、フィルタ特性の急峻性を高め得ることが示されている。
他方、弾性表面波装置において、電極材料として、Alよりも重い金属、例えばCuなどを用いた場合、電極の反射係数を高めることができ、周波数特性を改善することができることが知られている。
特許文献1や特許文献2に記載の弾性表面波共振子、すなわち圧電性基板上に櫛形電極からなる容量素子が形成されている弾性表面波素子において、櫛形電極がAlからなる場合には、電極膜厚を厚くすることができる。そのため、電極の抵抗値が小さくなり、容量のコンダクタンスが小さくされ得る。しかしながら、櫛形電極をCuなどのAlよりも重い金属を用いて構成した場合には、電極の膜厚が非常に薄くなり、電極の抵抗値が大きくなり、容量のコンダクタンスが大きくならざるを得なかった。そのため、容量素子が接続されている弾性表面波共振子を含む弾性表面波フィルタでは、容量素子の接続により周波数間隔Δfを小さくすることができたとしても、通過帯域高域側近傍における挿入損失が劣化し、通過帯域高域側におけるフィルタ特性の急峻性が劣化するという問題があった。
すなわち、Cuのような重い金属からなる電極を形成した場合には、容量素子を接続したことによる効果が充分に得られず、コンダクタンスの増大によりフィルタ特性の急峻性が劣化するという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、電極の反射係数を高め、良好な周波数特性を得ることを可能とする重い金属材料、すなわちAlよりも重い金属材料を用いて電極を形成したとしても、容量素子の接続により周波数間隔Δfを小さくし得るだけでなく、容量素子におけるコンダクタンスの増大を抑制することができ、従ってフィルタ特性の急峻性を効果的に高め得る弾性表面波共振子及び弾性表面波フィルタを提供することにある。
本発明によれば、圧電性基板と、前記圧電性基板上に形成されており、かつAlよりも重い金属材料からなるIDT電極と、前記IDT電極の表面波伝搬方向両側に配置された反射器と、前記圧電性基板上に形成されており、かつ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する櫛形電極からなる複数の容量素子とを備え、前記複数の容量素子が、互いに並列に接続されており、かつ、該複数の容量素子が前記IDT電極に電気的に接続されていることを特徴とする、弾性表面波共振子が提供される。
本発明に係る弾性表面波共振子のある特定の局面では、前記複数の容量素子が、前記IDT電極の表面波伝搬方向両側に分散されて配置されている。
本発明に係る弾性表面波共振子の他の特定の局面では、前記IDT電極を被覆するように形成された絶縁膜がさらに備えられている。
本発明に係る弾性表面波共振子では、好ましくは、Alよりも重い金属材料としてCuが用いられる。
本発明に係る弾性表面波共振子のさらに別の特定の局面では、前記容量素子を構成している櫛形電極が、前記IDT電極を構成している金属材料と同一金属材料により構成されている。
本発明に係る弾性表面波共振子のさらに別の特定の局面では、前記櫛形電極からなる容量素子の電極指の延びる方向が、前記弾性表面波共振子における表面波伝搬方向に対して平行な方向とされている。
本発明に係る弾性表面波フィルタは、少なくとも1つの直列腕共振子と、少なくとも1つの並列腕共振子とを有するラダー型回路構成を有し、前記直列腕共振子及び並列腕共振子が弾性表面波共振子により構成されている弾性表面波フィルタであって、前記直列腕共振子のうち、少なくとも1つの直列腕共振子が本発明に従って構成された弾性表面波共振子により構成されている、弾性表面波フィルタである。
本発明に係る弾性表面波フィルタのある特定の局面では、上記直列腕共振子として用いられている本発明に従って構成された弾性表面波共振子の共振周波数と、櫛形電極からなる容量素子のコンダクタンスピークとが一致しないように該弾性表面波共振子が構成されている。
本発明に係る弾性表面波共振子では、圧電性基板上にAlよりも重い金属材料を用いてIDT電極及び反射器及び櫛形電極からなる容量素子が形成されている。Alよりも重い金属材料により電極が形成されているため、反射係数が高められ、良好な周波数特性が得られる。加えて、上記容量素子がIDT電極に並列に接続されており、従って周波数間隔Δfを小さくすることができる。従って、この弾性表面波共振子を用いて構成された弾性表面波フィルタにおいて、上記周波数間隔Δfを小さくしたことによってフィルタ特性の急峻性を高めることができる。
さらに、Alよりも重い金属材料により電極が形成されているものの、上記容量電極が複数の容量電極に分割されているため、容量電極における抵抗が容量素子のコンダクタンス成分を小さくすることが可能とされている。従って、コンダクタンスが小さくなるとこによっても、本発明に係る弾性表面波共振子を用いて構成された弾性表面波フィルタにおけるフィルタ特性の急峻性を改善することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、Alよりも重い金属材料を形成して反射係数を高めた場合に問題となる容量素子のコンダクタンスの増大が、上記容量素子が複数の容量素子に分割されていることにより形成され、それによってフィルタ特性の急峻性が効果的に高められる。
上記櫛形電極からなる容量素子が、IDT電極の表面波伝搬方向両側に分散されて配置されている場合には、配線抵抗を小さくすることができる。また、IDT電極を覆うように絶縁膜が形成されている場合には、該絶縁膜によりIDT電極を保護することができる。また、絶縁膜として、周波数温度特性を改善する絶縁性材料からなる絶縁膜を形成した場合には、弾性表面波共振子の周波数温度特性を改善することができる。例えば、LiTaO3基板などのように、負の周波数温度係数を有する圧電性基板を用いた場合には、正の周波数温度係数を有するSiO2などからなる絶縁膜を形成することにより、温度特性を効果的に改善することができる。
Alよりも重い金属材料としてCuを用いた場合には、SiO2を被覆する際、良好なカバレッジーを形成することができる。
櫛形電極からなる容量素子が、IDT電極を構成する金属材料と同一材料からなる場合には、電極容量素子をIDT電極と同一工程において同一プロセスによって形成することができる。
櫛形電極からなる容量素子の電極指の伸びる方向が表面波伝搬方向に対して平行な方向とされている場合には、表面波が容量素子に伝搬してきたとしても、容量素子部分における圧電効果による特性の劣化が生じ難い。
複数の弾性表面波共振子が梯子型回路構成を有するように接続されている弾性表面波フィルタにおいて、直列腕共振子の少なくとも1つが本発明の弾性表面波共振子で構成されている場合には、本発明に従って、フィルタ特性の急峻性が効果的に高められた弾性表面波フィルタを提供することができる。
また、上記直列腕共振子の少なくとも1つとして用いられた本発明に係る弾性表面波共振子の共振周波数と、櫛形電極からなる容量素子のコンダクタンスピークが一致しないようにされている場合には、コンダクタンスによる急峻性劣化を抑えることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波共振子の平面図である。
弾性表面波共振子1は、36°YカットX伝搬のLiTaO3基板からなる圧電性基板2を有する。圧電性基板2上に、図1に示されている電極構造がCuを用いて構成されている。この電極構造は、表面波伝搬方向中央に配置されたIDT電極3と、IDT3の表面波伝搬方向両側に配置された第1,第2の反射器4,5と、第1,第2の容量素子6,7とを有する。
IDT電極3は、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する。また、反射器4,5は、複数本の電極指を有し、該複数本の電極指の両端が短絡されている。
容量素子6,7は、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する櫛形電極により構成されている。
容量素子6,7は互いに並列に接続されており、かつ容量素子6,7の各一端がIDT3の一方の電位に接続されるバスバー3aに、各他端が他方のバスバー3bに電気的に接続されている。
本実施形態では、容量素子6,7における電極指の延びる方向は、弾性表面波共振子1における表面波伝搬方向と平行な方向とされている。すなわち、容量素子6,7の電極指の延びる方向は、IDT電極3における電極指の延びる方向と直交されている。
また、図1(a)では省略されているが、図1(b)に部分切欠断面正面図で示すように、上記電極構造を被覆するように圧電性基板2上にSiO2膜からなる絶縁膜8が形成されている。
本実施形態の弾性表面波共振子1では、上記第1,第2の容量素子6,7が、それぞれ櫛形電極からなり、かつ互いに並列に接続されており、かつIDT3に電気的に接続されているため、上記電極構造をAlよりも重いCuを用いて構成した場合であっても、同様に容量素子におけるコンダクタンスの増大を抑制することができ、共振周波数と反共振周波数との周波数間隔Δfを小さくすることができる。よって、本実施形態の弾性表面波共振子1を用いて、ラダー型回路構成のフィルタなどを構成した場合、フィルタ特性の急峻性を効果的に高めることができる。これを、図2〜図5を参照して説明する。
上記実施形態の弾性表面波共振子を以下の仕様で形成した。
IDT電極3:電極指の対数=200、電極指交叉幅=35.5μm、電極指ピッチで定められる波長λ=2.03μm。なお、IDT電極3は、正規型のIDT電極により構成した。
反射器4,5:電極指の本数=20、波長λR=2.03μm。
容量素子6,7における隣接する電極指ピッチで定められる波長λcは8μm、電極指交叉幅は200μmとした。また、上記電極構造は、全て弾性表面波共振子と同じ厚みのCu膜を用いて形成した。
このようにして作製された本実施形態の弾性表面波共振子1のインピーダンス特性及び位相特性を図2に破線で示す。また、比較のために、上記容量素子6,7が接続されていないことを除いては同様に構成された弾性表面波共振子のインピーダンス特性及び位相特性を図2に実線で示す。
図3は、図2の横軸の周波数を規格化周波数に変更した相当のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。なお、この規格化周波数では、共振周波数を1.0として図2の横軸を規格化することにより得られたものである。
図4は、上記実施形態及び比較のために用意した弾性表面波共振子のインピーダンス特性を示すスミスチャート図である。
図2〜図4から明らかなように、本実施形態の弾性表面波共振子では、互いに並列に接続されており、かつそれぞれが櫛形電極からなる容量素子6,7がIDT3に接続されているため、周波数間隔Δfが小さくされ得る。また、容量素子6,7を接続しても、共振周波数は変動しないことがわかる。
上記実施形態の弾性表面波共振子1を直列腕共振子として用い、ラダー型フィルタを作製した。なお、並列腕共振子を構成している弾性表面波共振子の仕様は以下の通りとした。
IDT電極3:電極指交叉幅=32.3μm、電極指の対数=入力側180,出力側120、λ=2.08μm。
反射器:電極の本数=20、波長λR=2.08μm
なお、並列腕共振子として用意した弾性表面波共振子においても、電極は直列腕共振子と同じ厚みのCu膜により形成した。
3個の直列腕共振子と、2個の並列腕共振子を接続して図9に示す回路構成のラダー型フィルタを作製した。このラダー型フィルタの周波数特性を図5に示す。比較のために、容量素子が接続されていないことを除いては同様とされた弾性表面波共振子を用い、相当のラダー型フィルタを作製した。比較のために作製したラダー型フィルタの周波数特性を図5に破線で示す。
図5から明らかなように、本実施形態の弾性表面波共振子を用いて構成されたラダー型フィルタでは、比較のために用意されたラダー型フィルタに比べてフィルタ特性の急峻性を効果的に高め得ることがわかる。
もっとも、上記実施形態の弾性表面波共振子では、反共振周波数におけるインピーダンスレベルが低下する傾向がある。従って、周波数間隔Δfが小さい良好な共振特性が得られたとしても、上記反共振周波数付近におけるインピーダンスレベルの劣化により、通過帯域高域側付近の挿入損失が悪化し、通過帯域高域側の急峻性が劣化するおそれがある。
このような特性の劣化の主たる原因は、容量素子6,7が有するコンダクタンスGである。そこで、本願発明者は、櫛形電極からなる容量素子におけるコンダクタンス成分と形状との関係を調べた。図6は、上記櫛形電極からなる容量素子6において、静電容量を一定とし、波長λcを変更した場合のコンダクタンス成分の変化を示す図である。なお、図6の実線Aは、波長λcを横軸の周波数に従って変化させた場合の結果を示し、実線Bは、(λc/2)を横軸の周波数に従って変化させた場合の結果を示す。
一般に、コンダクタンスの値は小さい方が好ましいとされている。図6から明らかなように、コンダクタンスは周波数特性をもち、容量素子の波長λcを小さくすることによりコンダクタンス値を小さくし得ることがわかる。
上記実施形態の弾性表面波共振子を弾性表面波フィルタの共振子として用いる場合、使用周波数帯域付近において、上記容量素子の有するコンダクタンスが小さく、かつ変化量も小さいことが望ましい。
また、図1に示した弾性表面波共振子1においては、第1の容量素子6と、第2の容量素子7とが、IDT3の表面波伝搬方向両側に分散して配置されている。この場合、容量素子6,7の櫛形電極の形状が異なると、静電容量が同じであっても、コンダクタンスは変化する。また、図6に示したように櫛形電極からなる容量素子では、波長、すなわち電極指ピッチにより、スプリアスが生じる周波数が変化する。従って、弾性表面波フィルタとして利用される周波数帯域に応じて、櫛形電極からなる容量素子6,7の電極指ピッチすなわち波長λcを適切に選択することが望ましい。
図7は、櫛形電極からなる容量素子6,7において、静電容量の値を一定としたまま、電極指交叉幅及び電極指の対数を変化させた場合のコンダクタンスG/Cの変化を示す図である。なお、図7の実線Cは、電極指の対数が16と少なく、電極指交叉幅が300μmと多くされている場合の結果を、実線Dは、電極指の対数が24と中位であり、電極指の交叉幅が200μmと中位とされており、実線Eは、電極指の対数が40と多くされており、電極指交叉幅が120μmと少なくされている場合の各結果を示す図である。
図7から明らかなように、電極指交叉幅より電極指の対数を変化させた場合、コンダクタンスの周波数依存性が変化するが、鋭い応答が発生する周波数は、LiTaO3基板の材料定数により決定されるため同じである。従って、図7の結果から明らかなように、電極指交叉幅及び電極指の対数を変更してコンダクタンスが抑制された静電容量を得るには、電極指の対数を多くし、電極指交叉幅を狭くすることが望ましいことがわかる。
また、前述した図6に示したように、1ポート型弾性表面波共振子に並列に接続されている容量素子6,7においては、櫛形電極の電極指ピッチによってスプリアス発生周波数が変動する。従って、電極指ピッチを変更することにより、弾性表面波フィルタの使用周波数付近においてコンダクタンス値が大きいレスポンス、あるいは周波数に対してコンダクタンス依存性が大きく変動するレスポンスが発生しないように容量素子6,7を形成し得ることがわかる。
コンダクタンス値は一般に抵抗分に置き換えられるため、容量素子6,7以外の引き回し配線電極などの抵抗分は小さくすればよい。
上記のように、1ポート型弾性表面波共振子1では、IDTに並列に接続されている容量素子6,7の電極指交叉幅及び電極指の対数を変更し、抵抗分が小さくなるように最適化することにより、さらに、櫛形形状により得られる静電容量が有するコンダクタンス特性において、電極指ピッチを変更することにより大きなスプリアスが発生する周波数を移動させることができる。従って、この周波数が弾性表面波フィルタの使用周波数帯域に含まれないように構成することにより、弾性表面波共振子1を用いてフィルタ特性の急峻性に優れたラダー型フィルタを提供することができる。
また、櫛形形状の容量素子6,7が備えられている1ポート形弾性表面波共振子1において、上記容量素子6,7の抵抗分を小さくすることによってコンダクタンス成分を抑制することができる。従って、IDT3の表面波伝搬方向一方側にのみ容量素子6,7を接続した場合に比べて、図1に示したように容量素子6,7をIDTの表面波伝搬方向両側に分散して配置することにより、配線抵抗を小さくすることができ、望ましい。
また、櫛形電極からなる容量素子6,7が互いに並列に接続されている構成において、該容量素子6,7の電極指の延びる方向を表面波伝搬方向と平行とすることにより、圧電性基板2上における電極構造のレイアウトの自由度を高めることができる。さらに、IDT電極3で励振された表面波が反射器4,5を越えて容量素子6,7側に漏洩したとしても、該漏洩してきた表面波による影響も小さくすることができる。
図8は、上記仕様の容量素子6単体のコンダクタンス特性G/Cを示す図である。図8から明らかなように、上記弾性表面波共振子1を、並列腕共振子及び直列腕共振子として構成されたラダー型フィルタにおいて、直列腕共振子として用いられる弾性表面波共振子1のIDT電極3の電極周期で決定される波長をλsaw、容量素子6の櫛形電極からなる容量素子におけるコンダクタンスピークの周波数を弾性表面波共振子の中心周波数で除算して得られた値をλとした場合、比X=λc/λsawが図8に示すコンダクタンスピークと一致しない周波数位置の範囲に設定すればよい。具体的には、図8に示すコンダクタンスピークの裾野に位置する点線で示す周波数の位置でコンダクタンスピークを除く範囲に設定すればよい。このように設定することにより、コンダクタンス値を効果的に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、温度特性を改善するために、SiO2からなる絶縁膜が温度特性改善膜として形成されていたが、他の絶縁性材料、例えばSiNなどにより絶縁膜が構成されてもよく、該絶縁膜はTa25などの圧電体により構成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、弾性表面波共振子1は、ラダー型フィルタの直列腕共振子または並列腕共振子として用いられた場合につき説明したが、本発明に係る弾性表面波共振子は、複数の弾性表面波共振子を接続してなる他の形式の帯域フィルタ、例えばラチス型フィルタなどにも用いることができる。
また、Alよりも重い金属材料としてはCuに限定されず、Ta、W、Agなどの様々な金属材料を用いることができる。加えて、これらの金属を主体とする主電極層の上面及び/または下面に、他の金属材料からなる電極層が積層されていてもよい。
なお、本発明の実施例においては、容量素子を2分割した実施例しか記載していないが、当然のことながら、容量素子を3個以上に分割してもよく、容量素子を2分割したときと同様の効果を得ることができる。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波共振子の絶縁膜が形成される前の平面図及び該弾性表面波共振子の部分切欠正面断面図。 本実施形態の弾性表面波共振子及び比較のために用意された弾性表面波共振子のインピーダンス特性及び位相特性を示す図。 図2に示したインピーダンス特性及び位相特性を、横軸を規格化周波数に変更して示した図。 本実施形態及び比較のために用意した各弾性表面波共振子のインピーダンス特性を示すスミスチャート図。 実施形態及び比較のために用意した弾性表面波共振子を用いて構成された各ラダー型フィルタの周波数特性を示す図。 容量素子の波長によるコンダクタンス値の変化を示す図。 容量素子における電極指の対数及び交叉幅を変化させた場合のインダクタンス値の波長依存性を示す図。 実施形態に用いられている容量素子単体のインダクタンス値の周波数依存性を示す図。 本発明が適用されるラダー型フィルタの回路図。 従来の弾性表面波共振子の一例を示す平面図。 従来の弾性表面波共振子を用いて構成されたラダー型フィルタを説明するための各回路図。
符号の説明
1…弾性表面波共振子
2…圧電性基板
3…IDT電極
3a,3b…バスバー
4,5…反射器
6,7…容量素子
8…絶縁膜

Claims (8)

  1. 圧電性基板と、
    前記圧電性基板上に形成されており、かつAlよりも重い金属材料からなるIDT電極と、
    前記IDT電極の表面波伝搬方向両側に配置された反射器と、
    前記圧電性基板上に形成されており、かつ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する櫛形電極からなる複数の容量素子とを備え、
    前記複数の容量素子が、互いに並列に接続されており、かつ、該複数の容量素子が前記IDT電極に電気的に接続されていることを特徴とする、弾性表面波共振子。
  2. 前記複数の容量素子が、前記IDT電極の表面波伝搬方向両側に分散されて配置されている、請求項1に記載の弾性表面波共振子。
  3. 前記IDT電極を被覆するように形成された絶縁膜をさらに備える、請求項1または2に記載の弾性表面波共振子。
  4. 前記Alよりも重い金属材料かCuである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子。
  5. 前記容量素子を構成している櫛形電極が、前記IDT電極を構成している金属材料と同一金属材料により構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子。
  6. 前記櫛形電極からなる容量素子の電極指の延びる方向が、前記弾性表面波共振子における表面波伝搬方向に対して平行な方向とされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子。
  7. 少なくとも1つの直列腕共振子と、少なくとも1つの並列腕共振子とを有するラダー型回路構成を有し、前記直列腕共振子及び並列腕共振子が弾性表面波共振子により構成されている弾性表面波フィルタであって、
    前記直列腕共振子のうち、少なくとも1つの直列腕共振子が請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子により構成されている、弾性表面波フィルタ。
  8. 前記直列腕共振子として用いられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子における共振周波数と、前記櫛形電極からなる容量素子のコンダクタンスピークとが一致しないように前記弾性表面波共振子及び容量素子が構成されている、請求項7に記載の弾性表面波フィルタ。
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