JP2017186165A - 移動式クレーンのカウンタウエイト組立補助装置 - Google Patents

移動式クレーンのカウンタウエイト組立補助装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カウンタウエイトの組立順の誤りを防止できる移動式クレーンのカウンタウエイト組立補助装置を提供する。【解決手段】カウンタウエイト組立補助装置は、少なくとも一つの単位ウエイトを含むカウンタウエイトを所定の積載領域に組み立てる作業を補助するカウンタウエイト組立補助装置であって、単位ウエイトの組合せパターンと、組合せパターンに含まれる各単位ウエイトの組立順とを記憶する記憶部と、組合せパターンを表示装置に表示させるとともに、表示された組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイトのうち移動すべき単位ウエイトを、組立順に従って提示する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、移動式クレーンのカウンタウエイト組立補助装置に関する。さらに詳しくは、移動式クレーンの車体フレーム上でカウンタウエイトを組み立てる際に作業員の補助をするためのカウンタウエイト組立補助装置に関する。
大型の移動式クレーンにおいては、ブームに加わる荷重との釣り合いを取り安定性を向上するために、旋回台の後部にカウンタウエイトが装着される。一般に、大型の移動式クレーンは、カウンタウエイトを装着したままでは公道走行時の重量制限を超過してしまう。そのため、カウンタウエイトはトラックで別送され、作業現場で移動式クレーンに装着される。
また、移動式クレーンに装着されるカウンタウエイトの重量を調整するためや、カウンタウエイトの搬送時に寸法や重量を制限内に納めるために、複数の単位ウエイトを積み重ねる形式のカウンタウエイトが知られている(例えば、特許文献1)。
この種の移動式クレーンにカウンタウエイトを装着するには、まず、各単位ウエイトを自己のクレーン装置で吊り下げて車体フレーム上の積載領域に降ろし、複数の単位ウエイトを積み重ねてカウンタウエイトを組み立てる。つぎに、旋回台を旋回させて旋回台の後部を車体フレーム上のカウンタウエイトに対応する位置に配置する。つづいて、旋回台の後部に設けられた着脱装置でカウンタウエイトを旋回台の後部に装着する。
一般に、カウンタウエイトは組立順が定められており、その順に従って単位ウエイトを積み重ねる必要がある。そのため、作業員は組立順を記憶しておくか、マニュアルを確認しながらカウンタウエイトの組立作業を行う必要がある。仮に、誤った単位ウエイトを吊り下げてしまった場合には、作業のやり直しが生じ、作業効率が悪くなる。
特開2012−116642号公報
本発明の目的は、カウンタウエイトの組立順の誤りを防止できる移動式クレーンのカウンタウエイト組立補助装置を提供することである。
本発明に係るカウンタウエイト組立補助装置は、
少なくとも一つの単位ウエイトを含むカウンタウエイトを所定の積載領域に組み立てる作業を補助するカウンタウエイト組立補助装置であって、
前記単位ウエイトの組合せパターンと、前記組合せパターンに含まれる各単位ウエイトの組立順とを記憶する記憶部と、
前記組合せパターンを表示装置に表示させるとともに、表示された前記組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された前記組合せパターンに含まれる前記単位ウエイトのうち移動すべき前記単位ウエイトを、前記組立順に従って提示する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイトのうち移動すべき単位ウエイトが、組立順に従って提示されるので、カウンタウエイトの組立順の誤りを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置のブロック図である。 第1実施形態におけるカウンタウエイトデータのデータ構造を示す図である。 第1実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置の処理のフローチャートである。 組合せ選択画面の画面イメージである。 指示画面の画面イメージである。 警報画面の画面イメージである。 本発明の第2実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置のブロック図である。 第2実施形態におけるカウンタウエイトデータのデータ構造を示す図である。 第2実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置の処理のフローチャートである。 カウンタウエイトの組立作業中の移動式クレーンの側面図である。 カウンタウエイトの組立作業中の移動式クレーンの平面図である。 カウンタウエイトの装着作業中の移動式クレーンの側面図である。 カウンタウエイトの組合せの説明図である。 カウンタウエイトの分解斜視図である。 単位ウエイトの平面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置Aは、例えば図10に示す移動式クレーンCに設けられる。なお、本実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Aは、図10に示す移動式クレーンCに限定されず、種々のクレーンに設けることができる。
(移動式クレーンC)
まず、移動式クレーンCの基本的構造を説明する。
移動式クレーンCは走行車体11を有する。走行車体11には走行のための車輪や、クレーン作業中の安定を確保するためのアウトリガが設けられている。走行車体11を構成する車体フレーム11fの上面には、前方にエンジンルーム12が設けられている。
車体フレーム11fの上面には、後方に旋回台13が搭載されている。旋回台13は油圧モータなどにより車体フレーム11fに対して水平面内で360°旋回できるようになっている。旋回台13には運転室14や、ウインチ(図示略)その他の設備が設けられている。
旋回台13にはブーム15が起伏自在に取付けられている。ブーム15の基端部はピンで旋回台13に枢支されている。ブーム15と旋回台13との間には起伏シリンダが取付けられている。起伏シリンダを伸長させるとブーム15が起立し、起伏シリンダを収縮させるとブーム15が倒伏する。ブーム15はテレスコピック状に構成されており、伸縮シリンダにより伸縮動作する。
ブーム15の先端からはフック16を備えたワイヤロープが吊り下げられている。ワイヤロープはブーム15に沿って旋回台13に導かれてウインチで巻き取られている。ウインチによるフック16の上げ下げと、ブーム15の伸縮、起伏、旋回を組み合わせることにより、立体空間内での荷揚げと荷降ろしが可能となっている。
本明細書において、「クレーン装置」とは、ブーム15、フック16、旋回台13、ワイヤロープ、ウインチなどで構成され、荷揚げと荷降ろしを行うための装置をいう。クレーン装置は、運転室14内の作業員により操作される。また、「クレーン作業」とは、クレーン装置を動作させることにより、対象物を目標位置まで移動させる作業であり、カウンタウエイトWの組立作業を含む。
移動式クレーンCは旋回台13の後部にカウンタウエイトWを装着できるように構成されている。カウンタウエイトWは複数の単位ウエイトを組み合わせて構成される。
車体フレーム11fの上面にはエンジンルーム12と旋回台13との間に積載領域が確保されている。この積載領域はカウンタウエイトWを組み立てる際にカウンタウエイトWを一時的に積載するために用いられる。
移動式クレーンCにカウンタウエイトWを装着するには以下の作業が行われる。
図10に示すように、作業員は、単位ウエイトを自己のクレーン装置で吊り下げて車体フレーム11f上の積載領域に降ろす。作業員は、これを繰り返して複数の単位ウエイトを積み重ねてカウンタウエイトWを組み立てる。そうすると、図11に示すように、完成したカウンタウエイトWが積載領域に載せられた状態となる。
つぎに、図12に示すように、作業員は、旋回台13を旋回させて、旋回台13の後部を車体フレーム11f上のカウンタウエイトWに対応する位置に配置する。つづいて、作業員は、旋回台13の後部に設けられた着脱装置を動作させて、カウンタウエイトWを旋回台13の後部に装着する。
(カウンタウエイトW)
つぎに、カウンタウエイトWを説明する。図13は、カウンタウエイトWの組合せを示す説明図である。図14は、カウンタウエイトWの斜視図である。図14は、単位ウエイト21〜27の平面図(水平投影図形)である。
図13〜図15に示すように、カウンタウエイトWは第1〜第7単位ウエイト21〜27の一部又は全部を組み合わせて構成されている。第1〜第7単位ウエイト21〜27はそれぞれ形状や重量が異なる。例えば、第1〜第7単位ウエイト21〜27の重量は、それぞれ2.7t、3.4t、8.9t、10.0t、3.1t、6.1t、6.1tである。以下、第1〜第7単位ウエイト21〜27の種類を区別しない場合、これらを「単位ウエイト20」と称する。
単位ウエイト20の組合せとして第1〜第5組合せがある。第1〜第5組合せのカウンタウエイトWはそれぞれ重量が異なる。例えば、第1、第2単位ウエイト21、22を組み合わせた第1組合せのカウンタウエイトWの重量は6.1tである。第1〜第3単位ウエイト21〜23を組み合わせた第2組合せのカウンタウエイトWの重量は15.0tである。第1〜第4単位ウエイト21〜24を組み合わせた第3組合せのカウンタウエイトWの重量は25.0tである。第1〜第5単位ウエイト21〜25を組み合わせた第4組合せのカウンタウエイトWの重量は28.1tである。第1〜第7単位ウエイト21〜27を組み合わせた第5組合せのカウンタウエイトWの重量は40.3tである。
単位ウエイト20の組合せは、クレーン作業に必要とされるカウンタウエイトWの重量により選択され、必要に応じて変更される。例えば、カウンタウエイトWを装着していない状態から特定の組合せのカウンタウエイトWを装着する場合がある。逆に、装着されている特定の組合せのカウンタウエイトWを取り外す場合がある。また、特定の組合せのカウンタウエイトWから重量の重い組合せのカウンタウエイトWに変更する場合がある。さらに、特定の組合せのカウンタウエイトWから重量の軽い組合せのカウンタウエイトWに変更する場合がある。
作業員は、上記のいずれの場合においても、車体フレーム11f上で単位ウエイト20の取り付け又は取り外しを行い、目的の組合せのカウンタウエイトWを組み立てた後に、カウンタウエイトWを旋回台13の後部に装着する。
(カウンタウエイト組立補助装置A)
つぎに、カウンタウエイト組立補助装置Aの構成を説明する。
図1に示すように、カウンタウエイト組立補助装置Aは、荷重検出器31と、カウンタウエイト検出器32と、制御装置33と、表示装置34と、入力装置35と、記憶部361とを備えている。
荷重検出器31は、フック16に吊り下げられた吊荷の重量を検出する検出器である。荷重検出器31の構成は特に限定されないが、ブーム15の起伏シリンダに設けられたロードセルによりブーム15に作用するモーメントを検出し、モーメントと作業半径とから吊荷の重量を求める構成が挙げられる。
カウンタウエイト検出器32は、旋回台13に装着されているカウンタウエイトWの重量又は単位ウエイト20の組合せを検出する検出器である。カウンタウエイト検出器32の構成は特に限定されないが、例えばカウンタウエイトWの重量をロードセルなどで検出する構成や、各単位ウエイト20の着脱状態を検出し、単位ウエイト20の組合せを判別する構成が挙げられる。
以上の検出器31、32の検出値は、制御装置33に入力されている。制御装置33は、CPUやメモリなどで構成された車載コンピュータであり、後述の処理を行う機能を有する。
制御装置33は、単位ウエイト20の組合せパターンを表示装置34に表示させるとともに、表示された組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイト20のうち移動すべき単位ウエイト20を、組立順に従って提示する。また、制御装置33は、荷重検出器31によって検出された移動中の単位ウエイト20の重量と、移動すべき単位ウエイト20に対応付けられた重量とが相違する場合に、警報装置に警報動作を行わせる。
表示装置34は液晶ディプレイなどであり、運転室14内に設けられている。後述のごとく制御装置33の処理により表示装置34に画面表示が行われる。作業員は、表示装置34の表示内容を確認しながらクレーン操作を行う。なお、本実施形態の表示装置34は、特許請求の範囲に記載の「表示装置」と「警報装置」とを兼ねている。
入力装置35は制御装置33に対して入力操作を行うためのスイッチやレバーなどであり、運転室14内に設けられている。作業員が入力装置35を用いて入力操作を行うことで、制御装置33に指示を与えることができる。表示装置34と入力装置35とを一体化したタッチパネルを採用してもよい。
記憶部361には、カウンタウエイトデータ36が記憶されている。
図2に示すように、カウンタウエイトデータ36はテーブル形式のデータであり、単位ウエイト、組立順、重量の各カラムから構成されている。すなわち、記憶部361には、それぞれの単位ウエイト20の組立順及び重量が記憶されている。
「組立順」はカウンタウエイトWを組み立てる際の順番である。一般に、カウンタウエイトWは下層の単位ウエイト20から順番に組み立てられる(図13参照)。「重量」は各単位ウエイト20の重量である。
(処理)
つぎに、カウンタウエイトWの組立作業の手順とともに、カウンタウエイト組立補助装置Aの処理を説明する。
カウンタウエイトWの組立作業に際し、作業員は、ブーム15を全縮するか、カウンタウエイトWの組立作業に必要十分な長さにする。一般に、カウンタウエイトWの組立作業中は、作業員はブーム15を伸縮する操作を行わない。ここでは、カウンタウエイトWの組立作業中のブーム長さは一定であるものとして説明する。
図3に示すように、まず、制御装置33は、単位ウエイト20の組合せパターンを示す組合せ選択画面を表示装置34に表示させる(ステップS11)。図4に示すように、組合せ選択画面には、単位ウエイト20の組合せパターンである第1〜第5組合せが、カウンタウエイトWの重量として表示されている。本実施形態では、0.0t(カウンタウエイトWなし)、6.1t(第1組合せ)、15.0t(第2組合せ)、25.0t(第3組合せ)、28.1t(第4組合せ)、40.3t(第5組合せ)が表示されている。
図4に示す様に、組合せ選択画面には、「現在のカウンタウエイト重量」が表示されてもよい。ここで、「現在のカウンタウエイト重量」とは、カウンタウエイトWの組立作業を行う直前に旋回台13に装着されていたカウンタウエイトWの重量である。
図4に示す画面イメージでは、表示が0.0tとなっており、カウンタウエイトWが装着されていないことを示している。カウンタウエイトWの組立作業を行う直前に旋回台13にカウンタウエイトWが装着されていた場合には、そのカウンタウエイトWの重量が「現在のカウンタウエイト重量」として表示される。
旋回台13に装着されているカウンタウエイトWを取り外す場合や、重量を増減させる場合には、作業員は、旋回台13の後部がカウンタウエイトWの積載領域に位置するように旋回台13を旋回させる。作業員は、カウンタウエイトWを積載領域に降ろした後に、単位ウエイト20の取り付け又は取り外しを行う。そのため、ステップS11の段階では、旋回台13に装着されていたカウンタウエイトWが積載領域に降ろされている場合がある。そこで、制御装置33はカウンタウエイトWの組立作業を行う直前のカウンタウエイト検出器32の検出値を記憶しておき、その検出値を「現在のカウンタウエイト重量」とする。
つぎに、作業員は、入力装置35を用いて、組合せ選択画面に表示された単位ウエイト20の組合せパターンの中から、所望の組合せパターンを選択する(ステップS12)。図4に示す画面イメージでは、40.3t(第5組合せ)が選択されている。選択された組合せパターン(図4では第5組合せ)は、例えば、組合せ選択画面においてハイライト表示される。
つぎに、制御装置33は、現在の単位ウエイト20の組合せとカウンタウエイトデータ36に記憶された組立順とから、今回移動させる単位ウエイト20、すなわち移動すべき単位ウエイト20を特定する(ステップS13)。ここで、「移動させる」とは、カウンタウエイトWの重量を増加させる場合には単位ウエイト20を仮置き位置から積載位置まで移動させること(単位ウエイト20の取り付け)を意味し、カウンタウエイトWの重量を減少させる場合には単位ウエイト20を積載位置から仮置き位置まで移動させること(単位ウエイト20の取り外し)を意味する。
「現在の単位ウエイト20の組合せ」とは、現在積載領域に載せられている単位ウエイト20の組合せを意味する。後述のごとく、ステップS13からステップS18の処理は、一つの単位ウエイト20を移動させるごとに繰り返し行われる。したがって、「現在の単位ウエイト20の組合せ」はステップS13の処理回数により変化する。
ステップS13の初回の処理において、「現在の単位ウエイト20の組合せ」はカウンタウエイト検出器32から取得できる。より詳細には、制御装置33は、カウンタウエイトWの組立作業を行う直前のカウンタウエイト検出器32の検出値を記憶しておき、その検出値から「現在の単位ウエイト20の組合せ」を特定する。例えば、カウンタウエイト検出器32の検出値が「6.1t」を示す場合、「第1組合せ」が現在の単位ウエイト20の組合せとなる。
ステップS13の2回目以降の処理において、「現在の単位ウエイト20の組合せ」は、前回の取り付け又は取り外し処理の直前の単位ウエイト20の組合せに、前回取り付けた単位ウエイト20を加えた組合せ、又は直前の単位ウエイト20の組合せから前回取り外した単位ウエイト20を除いた組合せとする。
「今回移動させる単位ウエイト20」は、「現在の単位ウエイト20の組合せ」と「組立順」とから特定される。単位ウエイト20を取り付ける場合には、カウンタウエイトデータ36から現在の組合せを構成する単位ウエイト20の「組立順」のうち最大の組立順を取得し、それより1つ大きい組立順の単位ウエイト20を特定し、それを「今回移動させる単位ウエイト20」とする。単位ウエイト20を取り外す場合には、カウンタウエイトデータ36から現在の組合せを構成する単位ウエイト20のうち「組立順」が最大の単位ウエイト20を特定し、それを「今回移動させる単位ウエイト20」とする。
例えば、カウンタウエイトWを装着していない状態から第5組合せのカウンタウエイトWを組み立てる場合、最初に移動させる単位ウエイト20は、組立順が「1」である第1単位ウエイト21である。その後、制御装置33は、現在の組合せを構成する単位ウエイト20(第1単位ウエイト21)の組立順のうち最大の組立順「1」を取得し、それより組立順が1つ大きい単位ウエイト20(第2単位ウエイト22)を特定し、それを「今回移動させる単位ウエイト20」として提示する(図5参照)。作業員が、提示された単位ウエイト20の移動作業を行うことにより、移動すべき単位ウエイト20が確実に移動される。同様に、組立順に従って特定された「今回移動させる単位ウエイト20」が提示され、第2〜第7単位ウエイト22〜27が順に移動される。
つぎに、制御装置33は、指示画面を表示装置34に表示させる(ステップS14)。図5に示すように、指示画面には、「指定CW」の欄に「今回移動させる単位ウエイト20」の識別子が表示されている。ここで、「識別子」は単位ウエイト20の種類を識別できれば特に限定されず、単位ウエイト20の重量、種類名、又は図形などが用いられる。図5に示す画面イメージでは、識別子として単位ウエイト20の重量が用いられている。単位ウエイト20の重量はカウンタウエイトデータ36から取得できる。
このように、制御装置33は、移動すべき単位ウエイト20を作業員に対して提示する。作業員は、提示された単位ウエイト20の移動作業を行えばよいので、カウンタウエイトWの組立順を間違えることがなくなる。
なお、指示画面には、目標起伏角、目標旋回角、現在起伏角及び現在旋回角も表示されている。目標起伏角は、今回移動させる単位ウエイト20を、対応する目標積載位置に配置したときのブーム15の起伏角である。目標旋回角は、今回移動させる単位ウエイト20を、対応する目標積載位置に配置したときのブーム15の旋回角である。現在起伏角は、ブーム15の現在の起伏角である。現在旋回角は、ブーム15の現在の旋回角である。単位ウエイト20をフック16に吊り下げ、ブーム15の起伏角を目標起伏角に一致させ、ブーム15の旋回角を目標旋回角に一致させたときに、単位ウエイト20が目標積載位置に配置される。
また、指示画面には、単位ウエイト20の目標位置図形41と現在位置図形42とが表示されている。目標位置図形41は、目標積載位置に配置された単位ウエイト20、すなわち移動対象である単位ウエイト20の移動先を示す。現在位置図形42は、現在位置の単位ウエイト20を示す。
作業員は、表示装置34に表示された指示画面を確認しながら、単位ウエイト20の取り付け又は取り外しを行う。具体的には、作業員は指示画面の「指定CW」の欄の表示から、今回移動させる単位ウエイト20の種類を確認する。そして、作業員は指定された単位ウエイト20の玉掛けを行い、その単位ウエイト20を吊り上げる。
このように、表示装置34に今回移動させる単位ウエイト20の識別子が表示されるので、作業員は指定された単位ウエイト20の作業を行えばよく、カウンタウエイトWの組立順を間違えることがない。
作業員は、指示画面に表示された目標起伏角、目標旋回角、現在起伏角及び現在旋回角を確認しつつ、単位ウエイト20を積載位置まで移動させる。ここで、作業員は現在起伏角を目標起伏角に一致させ、現在旋回角を目標旋回角に一致させるようにクレーン操作をする。
作業員は、指示画面に表示された目標位置図形41と現在位置図形42とを確認しつつ、単位ウエイト20を目標積載位置まで移動させてもよい。ここで、作業員は、現在位置図形42を目標位置図形41に一致させるようにクレーン操作をする。
単位ウエイト20を吊り上げた状態で、制御装置33は、荷重検出器31から吊荷の重量を取得する(ステップS15)。また、制御装置33は、カウンタウエイトデータ36から今回移動させる単位ウエイト20の重量を取得する。
制御装置33は、吊荷の重量と今回移動させる単位ウエイト20の重量とが一致するか否かを判断する(ステップS16)。これにより、フック16に吊り下げられた吊荷が今回移動させる単位ウエイト20であるのか、異なる単位ウエイト20であるのかを判断する。ここで、吊荷の重量と単位ウエイト20の重量とが厳密に一致する必要はない。単位ウエイト20の種類を判別できる程度に一致していればよい。
吊荷の重量と今回移動させる単位ウエイト20の重量とが一致する場合(ステップS16で“Yes”)、制御装置33は特に処理を行わない。表示装置34には指示画面が表示されたままである。作業員は、指示画面を確認しながら、クレーン操作を行う。
吊荷の重量と今回移動させる単位ウエイト20の重量とが相違する場合(ステップS16で“No”)、制御装置33は、警報装置として機能する表示装置34に警報画面を表示させる(ステップS17)。図6に示すように、警報画面には誤った単位ウエイト20を吊り下げている旨が表示されている。なお、特許請求の範囲に記載の「警報装置に警報動作を行わせる」には、表示装置34に警報画面を表示させる態様も含まれる。
表示装置34に警報画面が表示された場合、作業員は、吊り下げた単位ウエイト20を元の位置に戻し、正しい単位ウエイト20を吊り下げる作業を行う。このように、誤った単位ウエイト20を吊り下げると、組立順間違いの警報が発せられるので、カウンタウエイトWの組立順の誤りを防止できる。しかも、誤った単位ウエイト20を吊り下げたときに組立順間違いに気づくことができるので、作業のやり直しが少なく、作業効率の悪化を抑制できる。
単位ウエイト20の取り付け又は取り外しを行った後、作業員は入力装置35を用いて、次の単位ウエイト20の作業に移ったことを入力する(ステップS18)。そうすると、制御装置33の処理はステップS13に戻る。ステップS13では、次の組立順の単位ウエイト20が特定され、作業員に対して提示される(図5参照)。すなわち、移動中の単位ウエイト20の移動作業が終了した後、次に移動すべき単位ウエイト20が識別可能に表示される。なお、単位ウエイト20の移動作業が完了したか否かの判断は、作業員による入力装置35からの入力でなく、例えば荷重検出器31による検出荷重の変化に基づいて行われてもよい。また例えば、単位ウエイト20の移動作業が完了したか否かの判断は、積載位置に組み立てられたカウンタウエイトWの総重量に基づいて行われてもよい。
制御装置33は、ステップS13からステップS18までの処理を、一つの単位ウエイト20を移動させるごとに、繰り返し行う。カウンタウエイトWの組み立てが完了したら、制御装置33は処理を終了する。
その後、図12に示すように、旋回台13を旋回させて旋回台13の後部を車体フレーム11f上のカウンタウエイトWに対応する位置に配置させる。そして、旋回台13の後部に設けられた着脱装置でカウンタウエイトWを旋回台13の後部に装着する。
以上では、主にカウンタウエイトWを装着していない状態からカウンタウエイトWを組み立てる場合を説明したが、カウンタウエイト組立補助装置Aは、装着していたカウンタウエイトWを取り外して解体する場合にも用いることができる。
この場合、ステップS12において、作業員は、例えば0.0t(カウンタウエイトWなし)を選択する。ステップS13では、制御装置33は、カウンタウエイトWを構成する単位ウエイト20の中から取り外す単位ウエイト20を特定し、提示する。
特定の組合せのカウンタウエイトWから重量の重い組合せのカウンタウエイトWに変更する場合や、特定の組合せのカウンタウエイトWから重量の軽い組合せのカウンタウエイトWに変更する場合にもカウンタウエイト組立補助装置Aを用いることができる。
この場合、ステップS12では、作業員は変更後の組合せを選択する。現在の組合せはカウンタウエイト検出器32から取得される。なお、現在の組合せと変更後の組合せとを作業員が入力するよう構成してもよい。この場合には、カウンタウエイト検出器32を含まない構成としてもよい。
このように、第1実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Aは、少なくとも一つの単位ウエイト20を含むカウンタウエイトWを所定の積載領域に組み立てる作業を補助するカウンタウエイト組立補助装置である。カウンタウエイト組立補助装置Aは、単位ウエイト20の組合せパターンと、組合せパターンに含まれる各単位ウエイト20の組立順とを記憶する記憶部361と、組合せパターンを表示装置34に表示させるとともに、表示された組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイト20のうち移動すべき単位ウエイト20を、組立順に従って提示する制御装置33(制御部)と、を備える。
さらに、カウンタウエイト組立補助装置Aは、吊荷の重量を検出する荷重検出器31を備える。カウンタウエイト組立補助装置Aにおいて、記憶部361は、単位ウエイト20ごとの重量を記憶しており、制御装置33(制御部)は、荷重検出器31によって検出された移動中の単位ウエイト20の重量と、移動すべき単位ウエイト20に対応付けられた重量とが相違する場合に、表示装置34(警報装置)に警報動作を行わせる。
カウンタウエイト組立補助装置Aによれば、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイト20のうち移動すべき単位ウエイト20が、組立順に従って提示されるので、カウンタウエイトWの組立順の誤りを防止することができる。つまり、作業員は、提示された単位ウエイト20の移動作業を行えばよく、カウンタウエイトWの組立順を間違えることがない。
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係るカウンタウエイト組立補助装置Bを説明する。
第1実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Aは重量に基づき単位ウエイト20の正誤を判断したが、本実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Bは、単位カウンタウエイト20の形状に基づき、移動すべき単位ウエイト20の正誤を判断する。
図7に示すように、カウンタウエイト組立補助装置Bは、カメラ37と、カウンタウエイト検出器32と、制御装置33と、表示装置34と、入力装置35と、記憶部381とを備えている。カウンタウエイト検出器32、制御装置33、表示装置34、入力装置35の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
カメラ37は、フック16に吊り下げられた吊荷を撮影するためのものである。例えば、カメラ37は、ブーム15の先端部に、常に鉛直下向きを撮影するように設けられる。この場合、カメラ37は、吊荷の平面視の画像を撮影する。なお、カメラ37の配置位置は、吊荷を撮影できれば特に限定されない。
第2実施形態では、制御装置33は、カメラ37によって撮像された移動中の単位ウエイト20の形状を示す画像と、移動すべき単位ウエイト20に対応付けられた画像とが相違する場合に、警報装置に警報動作を行わせる。
記憶部381には、カウンタウエイトデータ38が記憶されている。
図8に示すように、カウンタウエイトデータ38はテーブル形式のデータであり、単位ウエイト、組立順、形状の各カラムから構成されている。すなわち、記憶部381には、それぞれの単位ウエイト20の組立順及び形状が記憶されている。
「組立順」はカウンタウエイトWを組み立てる際の順番である。「形状」は各単位ウエイト20の形状を示すデータであり、例えば、移動中の単位ウエイト20の形状と移動すべき単位ウエイト20に対応付けられた形状とが一致するか否かを判定するためのテンプレートである。
(処理)
つぎに、カウンタウエイト組立補助装置Bの処理を説明する。
図9に示すように、カウンタウエイト組立補助装置Bの処理は、第1実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Aの処理(図3参照)において、重量取得処理(ステップS15)に代えて吊荷形状認識処理(ステップS25)を行い、重量一致判断処理(ステップS16)に代えて形状一致判断処理(ステップS26)を行うものである。その余の処理は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
ステップS25では、制御装置33は、カメラ37から吊荷(単位カウンタウエイト20)を含む画像を取得し、その画像を画像処理して吊荷の形状を認識する。ここで、制御装置33は、吊荷の形状をカウンタウエイトデータ38に記憶された「形状」と比較可能な態様で認識する。また、制御装置33は、カウンタウエイトデータ38から今回移動させる単位ウエイト20(移動すべき単位ウエイト20)に対応付けられた形状を取得する。
ステップS26では、制御装置33は、吊荷の形状と今回移動させる単位ウエイト20の形状とが一致するか否かを判断する。吊荷の形状と今回移動させる単位ウエイト20の形状とが一致する場合(ステップS26で“Yes”)、制御装置33は特に処理を行わない。表示装置34には指示画面が表示されたままである。作業員は、指示画面を確認しながら、クレーン操作を行う。吊荷の形状と今回移動させる単位ウエイト20の形状とが相違する場合(ステップS26で“No”)、制御装置33は、警報装置として機能する表示装置34に警報画面を表示させる(ステップS17)。
このように、第2実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Bは、少なくとも一つの単位ウエイト20を含むカウンタウエイトWを所定の積載領域に組み立てる作業を補助するカウンタウエイト組立補助装置である。カウンタウエイト組立補助装置Bは、単位ウエイト20の組合せパターンと、組合せパターンに含まれる各単位ウエイト20の組立順とを記憶する記憶部381と、組合せパターンを表示装置34に表示させるとともに、表示された組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイト20のうち移動すべき単位ウエイト20を、組立順に従って提示する制御装置33(制御部)と、を備える。
さらに、カウンタウエイト組立補助装置Bは、吊荷を撮像するカメラを備える。カウンタウエイト組立補助装置Bにおいて、記憶部381は、単位ウエイト20ごとの形状を記憶しており、制御装置33(制御部)は、カメラ37による撮像画像から検出された移動中の単位ウエイト20の形状と、移動すべき単位ウエイト20に対応付けられた形状とが相違する場合に、表示装置34(警報装置)に警報動作を行わせる。
カウンタウエイト組立補助装置Bによれば、第1実施形態のカウンタウエイト組立補助装置Aと同様の効果が得られる。すなわち、カウンタウエイト組立補助装置Bによれば、選択された組合せパターンに含まれる単位ウエイト20のうち移動すべき単位ウエイト20が、組立順に従って提示されるので、カウンタウエイトWの組立順の誤りを防止することができる。つまり、作業員は、提示された単位ウエイト20の移動作業を行えばよく、カウンタウエイトWの組立順を間違えることがない。
また、本実施形態においても、誤った単位ウエイト20を吊り下げると組立順間違いの警報が発せられるので、カウンタウエイトWの組立順の誤りを防止できる。しかも、誤った単位ウエイト20を吊り下げたときに組立順間違いに気づくことができるので、作業のやり直しが少なく、作業効率の悪化を抑制できる。
〔その他の実施形態〕
警報装置を表示装置34とは別の部材としてもよい。警報装置として、音声、光などで組立順間違いを警報できる装置を採用できる。
C 移動式クレーン
W カウンタウエイト
A、B カウンタウエイト組立補助装置
31 荷重検出器
32 カウンタウエイト検出器
33 制御装置
34 表示装置
35 入力装置
36、38 カウンタウエイトデータ
37 カメラ
361、381 記憶部

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの単位ウエイトを含むカウンタウエイトを所定の積載領域に組み立てる作業を補助するカウンタウエイト組立補助装置であって、
    前記単位ウエイトの組合せパターンと、前記組合せパターンに含まれる各単位ウエイトの組立順とを記憶する記憶部と、
    前記組合せパターンを表示装置に表示させるとともに、表示された前記組合せパターンに対する作業員の指定を選択的に受け付け、選択された前記組合せパターンに含まれる前記単位ウエイトのうち移動すべき前記単位ウエイトを、前記組立順に従って提示する制御部と、を備えることを特徴とするカウンタウエイト組立補助装置。
  2. 前記制御部は、移動中の前記単位ウエイトの移動作業が終了した後、次に移動すべき前記単位ウエイトを前記表示装置に識別可能に表示させることを特徴とする請求項1に記載のカウンタウエイト組立補助装置。
  3. 吊荷の重量を検出する荷重検出器をさらに備え、
    前記記憶部は、前記単位ウエイトごとの重量を記憶しており、
    前記制御部は、前記荷重検出器によって検出された移動中の前記単位ウエイトの重量と、前記移動すべき単位ウエイトに対応付けられた重量とが相違する場合に、警報装置に警報動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載のカウンタウエイト組立補助装置。
  4. 吊荷を撮像するカメラをさらに備え、
    前記記憶部は、前記単位ウエイトごとの形状を示す画像を記憶しており、
    前記制御部は、前記カメラによる撮像画像から検出された移動中の前記単位ウエイトの形状と、前記移動すべき単位ウエイトに対応付けられた形状とが相違する場合に、警報装置に警報動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載のカウンタウエイト組立補助装置。
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