JP2017184656A - 発泡性清酒の製造方法 - Google Patents
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従来の発泡性清酒の製造方法として、清酒に炭酸ガスを吹き込む方法、密閉型耐圧醪タンクで後醗酵させる方法及び瓶内二次醗酵させる方法(所謂シャンパン製法)が知られている。
しかし、特許文献3に示す方法は、所謂シャンパン製法であり、瓶内の滓を瓶口部に集積させるため、瓶口部を下にして、瓶底を回転させて揺さぶる搖動工程が必要であり、手間と時間を要し、有利な方法とは言えないものであった。
即ち、本発明は次の発泡性清酒の製造方法を提供するものである。
本発明方法は、まず、通常の清酒の製造方法に従って、清酒と懸濁清酒を得る。
すなわち、米、水及び米麹を原材料とし、上槽により得られた日本酒度が−60〜−40及び酸度が4〜6の範囲である清酒と、酵母を含み醗酵活性のある醪を粗漉して得られた懸濁清酒とを得る。
仕込みの段階では、乳酸を水に対し、0.2〜1.0質量%、好ましくは0.4〜0.5質量%添加してもよい。また、培養酵母を白米に対し、0.2〜1.0質量%、好ましくは0.4〜0.8質量%添加してもよい。
清澄液と濁り液の混合比率(体積)は30:1〜45:1とする。この範囲より、清澄液が多いと炭酸ガスを発生が少なくなり、濁り液の比率が多すぎると、滓の量が多くなり、程度後に搖動工程を設けなくてはならず、工程が煩雑となる。
また、混合後のアルコール度は9.0〜12.0%程度に調整することが好ましい。アルコール度数がこの範囲を超え高い場合は二次醗酵が阻害されることがあり好ましくない。また、ここでの日本酒度は−60〜−40程度とすることが好ましい。なお、残存している非醗酵性のオリゴ糖が糖化酵素により糖化された資化性糖になるので、二次醗酵の初発糖濃度は十分であり、補糖などの必要はないところがシャンパン製法とは異なるところである。
火入れ方法は湯せんが好ましい。例えば、次のように行うことが好ましい。
まず、火入れ装置槽内の水温を少しずつ上昇させることで、製品の温度をゆっくりと上昇させる。約30分で製品温度を63℃まで上げ、この状態を約3分間保持する。加熱処理後は水温を少しずつ下げ、約60分後には加熱前製品の温度にする。その後、冷蔵庫等で製品を保管する。
水195Lに乳酸を800ml添加した。これに、精米歩合60%の米こうじ50kgと培養した清酒酵母0.6kg、精米歩合60%の蒸米100kgを添加し、18.5℃の温度で仕込んだ。
仕込み後16日目で日本酒度が-51、酸度が5.1になったところで、もろみを網目1mmの金網で濾し、9Lの濁り液を得た。残りのもろみを圧搾機にかけ、290Lの清澄液を得た。圧搾終了後に、これら濁り液と清澄液を混合した。
以上のようにして得られた発泡清酒と市販の発泡酒について評価試験を行った。本試験例で行った試験の評価方法を以下に示す。また、その結果を表1に示す。
瓶内二次発酵の発泡日本酒A〜Eを試験した。この内、AとBは市販の透明タイプであり、Cは上記実施例で得られた本発明品であり、DとEは市販の所謂濁り酒である。
A〜Eまで銘柄を隠し、透明な容器で色を確認し、きき猪口に注いだ酒の香味を審査した。審査後には、本発明品CについてAと比較して感じたことを記入してもらった。
1:優れる 2:やや優れる 3:普通 4:やや劣る 5:劣る
Aについて
他と比べると味うすい、うすい、後味ニガ、粕臭?、酵母臭、酸味少ない、苦み強い、スパークリングワインに比べて甘味が少ない、化学的な味わい、飲みづらい、ドライ、後残る、さわやか、色:無色透明に近い、香:まんじゅうの皮・酒まんじゅう、味:淡く渋さ浮く、ガス:きめ細やか、キレがあってスッキリ、もう少し後に残る甘があるといい、味、重い、酸味、ややホコリ臭、すんだ感じ、さっぱり、スッキリ。
あと味残る、バランスくずれ、あわ多すぎ、熟成香、重い、酸味やや強、酸味・苦味高い、ややこげた香り?、色と泡立ちがシャンパングラスに一番似合っている、飲みこめない、熟成しすぎ、香りが個性あり、熟成、酸、老、色:濃い、香:老・こげっぽい臭い、味:薄くキタナイ、ガス:弱い、老、後味残る、老香、辛口、色はキレイ、味は良いが香りは×、熟、ひね、舌ピリピリした、老香、酸。
やや酸強い、香り爽快、バランス良、やや酵母臭あるがそれ程気にならない、酸味が高いが甘みも高いのでほどよい、スパークリングワインそのもの、味・香り良い、もう少し発泡性があるとなおおいしい、ソフト、まろやか、酸、酸、色:淡い黄緑、香:酒母っぽい、味:酸っぱい、甘さうすい、甘・酸、やや発泡弱い、後味残る、もう少しキレほしい、やや甘、香りにクセ、酸味、スッキリ、シンナー、メルカプタン?、シュワシュワ最も感じた、味に巾がある、甘味・酸味バランスとれている。
甘く、カプ、シブく荒い、苦み強い、ヨーグルト臭、甘味が少ない、口に含んだ瞬間ミルキーっぽい、イメージとちがう、泡まめ、細やか、フレッシュ、甘重、粕っぽい、色:琥珀入りのくもり、香:重い粕臭・糠臭、味:雑味・苦味・キタナイ、吟醸系?、酵母死臭のような感じ、生老、フレッシュ、とろみあり、うすい、辛い。
ほのかな甘み、軽快、粕っぽい、普段飲む醪の香り、後味残る、バランス、甘旨、甘・酸のバランス○、色:くもり強い、味:爽やかな甘み、ガス:強めの刺激、おりからくるのかやや重さ感じる、バランスはわりと良い、ザラつき、やや渋味、味重、Dより後に辛みを感じた、甘い、後味が苦い。
酸を強く感じられたので、Cの方がパンチがある。同系統の香りが付いているが、味と香りのバランスが良いので(Cのほうが濃い)、酵母臭的な香りは気にならない。甘・酸のバランスが良い。Cの方が甘味が高くバランスが良い。Aは甘味が低いせいか苦味を強く感じる。ワイン好きに好まれそう。飲みやすい。Cの方がさわやかな酸が際立っていて素晴らしい。日本酒初心者、女性、若者にうけやすいのでは。CO2がよくまとまっていて良好。酸が強い。Aの方がバランスが良い。個人的には、CとAのちょうど中間がベストのイメージ。Aはスッキリ、キレ、Cは甘・酸、狙うターゲットによって違うのかと思う。Cは酸味が強く、香りにクセがある。Aの方が軽快な感じがする。Cの方がよりスッキリときれいで良好。Cの方が酸味があるように感じた。Aの方がさっぱりした感じがした。香りは似ているが、CはAよりも味に幅があった。白ワイン様。
Claims (4)
- 米、水及び米麹を原材料とし、上槽により得られた日本酒度が−60〜−40及び酸度が4〜6の範囲である清酒と、酵母を含み醗酵活性のある醪を粗漉して得られた懸濁清酒とを、混合体積比率30:1〜45:1で混合した混合清酒を、密閉した容器内で10〜25℃で二次発酵させ、炭酸ガスを発生させた後、前記容器内部の滓を、容器口部を下にすることにより前記容器口部に集積させ、前記容器口部を冷却することにより、該滓を冷凍し、開栓して前記容器口部に集積した前記滓を噴出させ、該滓を引取り除く工程を有する、日本酒度が−40〜−20、酸度が4〜6の発泡性清酒の製造方法。
- 更に、原材料に酵母を添加することを特徴とする請求項1記載の発泡性清酒の製造方法。
- 更に、原材料に乳酸を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の発泡性清酒の製造方法。
- 滓引き後、さらに、火入れを行う、請求項1から3の何れか1項記載の発泡性清酒の製造方法。
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