JPH0779674B2 - 醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法 - Google Patents
醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法Info
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- JPH0779674B2 JPH0779674B2 JP14867690A JP14867690A JPH0779674B2 JP H0779674 B2 JPH0779674 B2 JP H0779674B2 JP 14867690 A JP14867690 A JP 14867690A JP 14867690 A JP14867690 A JP 14867690A JP H0779674 B2 JPH0779674 B2 JP H0779674B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、白くにごった酒である濁り酒(にごり酒)の
製造に関し、特に、醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造に関
する。
製造に関し、特に、醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造に関
する。
[従来の技術] 現在市販されている濁り酒は、醗酵が終了した清酒もろ
みを軽く濾過した酒であり、白くにごった酒であること
から濁り酒或いはおり酒と言う。そして、現在市販され
ている濁り酒においては酵母は存在しているが死滅して
いるか或いは不活性化しているため、醗酵は進行してお
らず、炭酸ガスもほとんど含まれていない。
みを軽く濾過した酒であり、白くにごった酒であること
から濁り酒或いはおり酒と言う。そして、現在市販され
ている濁り酒においては酵母は存在しているが死滅して
いるか或いは不活性化しているため、醗酵は進行してお
らず、炭酸ガスもほとんど含まれていない。
ここで、炭酸ガスを含ませて清涼感をもたせて、新たな
風味を持つ濁り酒を得たいという要望が存在する。しか
し前述したように、従来の濁り酒は炭酸ガスをほとんど
含まない。
風味を持つ濁り酒を得たいという要望が存在する。しか
し前述したように、従来の濁り酒は炭酸ガスをほとんど
含まない。
一方、僅かに醗酵活性のあるもろみをビン詰めしたとし
ても、発酵が進行し過ぎて炭酸ガスが多量に発生する可
能性があり、その様な場合には味覚における刺激が強く
なり過ぎ、ビンが破裂する危険性がある。そのため、冷
所において醗酵を抑えたり、栓に小さい穴を開けてガス
抜きを行う必要がある。
ても、発酵が進行し過ぎて炭酸ガスが多量に発生する可
能性があり、その様な場合には味覚における刺激が強く
なり過ぎ、ビンが破裂する危険性がある。そのため、冷
所において醗酵を抑えたり、栓に小さい穴を開けてガス
抜きを行う必要がある。
そのため現状においては、濁り酒にガスをふきこんだり
或いは炭酸水で割水をしたりして、濁り酒中に炭酸ガス
を含ませて清涼感をもたせている。
或いは炭酸水で割水をしたりして、濁り酒中に炭酸ガス
を含ませて清涼感をもたせている。
しかし、ガスふきこみや炭酸水割水は異物添加物である
ため、商品イメージの点で消費者に悪い印象を与えてし
まう。
ため、商品イメージの点で消費者に悪い印象を与えてし
まう。
特開昭58−162284号公報には炭酸ガスを加えることによ
り発泡性を有する濁り酒を製造する技術が開示されてい
る。このように炭酸ガスを外部から加えることは濁り酒
に清涼感がなく、また炭酸ガスの添加工程を必要とす
る。
り発泡性を有する濁り酒を製造する技術が開示されてい
る。このように炭酸ガスを外部から加えることは濁り酒
に清涼感がなく、また炭酸ガスの添加工程を必要とす
る。
[発明が解決しようとする課題] したがって本発明の目的は、ヒン詰め後にビン内に自然
清涼感のある発酵ガスすなわち炭酸ガスを蓄積できる発
酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法を提供するにある。
清涼感のある発酵ガスすなわち炭酸ガスを蓄積できる発
酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の発酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法によれば、
清酒もろみ又はもろみを目の荒い網でこして、酵母、米
粒片を含み発酵活性のある濁り酒をビン詰めして打せん
し、ビン詰めされた濁り酒の発酵を持続させ、発酵によ
りガス圧が0.5〜4.0kg/cm2になったときに火入れを行っ
て酵母を不活性化するようになっている。
清酒もろみ又はもろみを目の荒い網でこして、酵母、米
粒片を含み発酵活性のある濁り酒をビン詰めして打せん
し、ビン詰めされた濁り酒の発酵を持続させ、発酵によ
りガス圧が0.5〜4.0kg/cm2になったときに火入れを行っ
て酵母を不活性化するようになっている。
[好ましい実施の態様] 火入れ温度はアルコール濃度によって異なるが、アルコ
ール濃度10%以上では45℃、15〜20分でよいが、アルコ
ール8%以下では55〜60℃、10分でよい。しかし、もろ
みに用いた酵母の違いで死滅温度が異なるため、火入れ
温度も多少変動する場合がある。
ール濃度10%以上では45℃、15〜20分でよいが、アルコ
ール8%以下では55〜60℃、10分でよい。しかし、もろ
みに用いた酵母の違いで死滅温度が異なるため、火入れ
温度も多少変動する場合がある。
さらに、本発明を実施する際に用いる酵母は、例えば、
優良清酒酵母の協会6号、7号、8号、9号、10号など
が好ましい。
優良清酒酵母の協会6号、7号、8号、9号、10号など
が好ましい。
発酵ガスの圧力が0.5kg/cm2以下では風味が充分でな
く、また4kg/cm2以上では刺激が強すぎると共にビンの
破裂の危険性が生ずるので、発酵ガスの圧力は0.5〜4.0
kg/cm2が最適である。
く、また4kg/cm2以上では刺激が強すぎると共にビンの
破裂の危険性が生ずるので、発酵ガスの圧力は0.5〜4.0
kg/cm2が最適である。
[作用] 上記したような構成を有する本発明によれば、清酒もろ
み又はもろみを目の荒い網でこして酵母、米粒片を含む
酒をビン詰めすることにより、醗酵活性のある濁り酒が
ビン詰めされたこととなる。そして、ビン詰めされた濁
り酒に酵母が発生する炭酸ガスを含有させ蓄積せしめ、
該濁り酒が風味(清涼感)に適切なガス圧(概ね0.5〜
4.0kg/cm2)となった時に火入れを行うことにより、酵
母を不活性化させてそれ以後の炭酸ガスの発生を停止す
る。その結果、醗酵ガス(炭酸ガス)の量が好適な数値
に調節された清涼感のある濁り酒が製造されるのであ
る。
み又はもろみを目の荒い網でこして酵母、米粒片を含む
酒をビン詰めすることにより、醗酵活性のある濁り酒が
ビン詰めされたこととなる。そして、ビン詰めされた濁
り酒に酵母が発生する炭酸ガスを含有させ蓄積せしめ、
該濁り酒が風味(清涼感)に適切なガス圧(概ね0.5〜
4.0kg/cm2)となった時に火入れを行うことにより、酵
母を不活性化させてそれ以後の炭酸ガスの発生を停止す
る。その結果、醗酵ガス(炭酸ガス)の量が好適な数値
に調節された清涼感のある濁り酒が製造されるのであ
る。
換言すると、本発明の特徴は適当なガス圧になった時点
で火入れによって酵母の活性を停止することである。
で火入れによって酵母の活性を停止することである。
そして、炭酸ガス含有量が好適な数値に調節されること
から、冷所において醗酵を抑えたり、栓に小さい穴を開
けてガス抜きを行う必要も無く、濁り酒にガスをふきこ
んだり或いは炭酸水で割水を行う必要も無い。そして、
自然醗酵による炭酸ガスを含有するので、異物を添加す
る従来品と比較して消費者に与える商品イメージが良好
である。
から、冷所において醗酵を抑えたり、栓に小さい穴を開
けてガス抜きを行う必要も無く、濁り酒にガスをふきこ
んだり或いは炭酸水で割水を行う必要も無い。そして、
自然醗酵による炭酸ガスを含有するので、異物を添加す
る従来品と比較して消費者に与える商品イメージが良好
である。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
まず、醗酵活性が見られる清酒もろみを目の荒いザルで
濾過し、アルコール濃度を調整するため水道水で希釈し
て4号ビンに入れ、打せん後室内に放置した。3〜7日
後に火入れして30日間放置して開栓・きき酒を行った。
濾過し、アルコール濃度を調整するため水道水で希釈し
て4号ビンに入れ、打せん後室内に放置した。3〜7日
後に火入れして30日間放置して開栓・きき酒を行った。
(1)第一実施例 アルコール15.0%の濁り酒をビン詰めして行った。
ビン詰め時 火入後30日後 日本酒度 −7.0 ±0 酸度(ml) 2.2 2.6 アミノ酸(ml) 1.5 1.5 糖(%) 2.5 1.0 PH 4.3 4.28 アルコール(%) 15.0 15.5 ガス圧(kg/cm2) 2.2 (一般分析は、国税庁所定分析法注解による。ガス圧
は、ガス圧計で測定) 開栓時にはビールと同様にガスがふき出てグラスにそそ
いだ時もガスの発生があった。
は、ガス圧計で測定) 開栓時にはビールと同様にガスがふき出てグラスにそそ
いだ時もガスの発生があった。
開栓時のガス圧は2.2kg/cm2であったが、火入時は2.0kg
/cm2であった。これは、火入(45℃、10分)で酵母が死
滅して、その後は醗酵しなかったためである。
/cm2であった。これは、火入(45℃、10分)で酵母が死
滅して、その後は醗酵しなかったためである。
成分の変化では日本酒度が−7.0から±0、糖は2.5%か
ら1.0%に変化したが、極端な味の変化が感じられず清
涼感のある濁り酒となった。
ら1.0%に変化したが、極端な味の変化が感じられず清
涼感のある濁り酒となった。
第二実施例 アルコール8.0%の濁り酒をビン詰めして行った。
ビン詰め時 火入後30日後 日本酒度 −60 −31 酸度(ml) 1.5 1.8 アミノ酸(ml) 1.0 1.1 糖(%) 5.1 2.4 PH 4.15 4.13 アルコール(%) 8.0 9.1 ガス圧(kg/cm2) 3.0 火入時のガス圧2.9kg/cm2であったが、開栓時は3.0kg/c
m2となり、ガスの発生も適当で刺激性があって清涼感も
よかった。
m2となり、ガスの発生も適当で刺激性があって清涼感も
よかった。
成分の変化は、日本酒度−60から−31、糖5.1%から2.4
%、アルコール8.0%から9.1%にそれぞれ変化した。
%、アルコール8.0%から9.1%にそれぞれ変化した。
アルコール9.1%の低アルコール濃度であっても米粒の
存在とガス圧によって極端にうすい感じはしなかった。
存在とガス圧によって極端にうすい感じはしなかった。
[発明の効果] 本発明の効果を以下に列挙する。
(1)醗酵ガスの発生が適当で、刺激性があって且つ清
涼感が良好な濁り酒を製造することができる。
涼感が良好な濁り酒を製造することができる。
(2)濁り酒の炭酸ガス含有量が好適に調節される。
(3)ビンの破裂の様な危険性が回避される。
(4)冷所において醗酵を抑えたり、栓に小さい穴を開
けてガス抜きを行う必要も無く、濁り酒にガスをふきこ
んだり或いは炭酸水で割水を行う必要も無い。
けてガス抜きを行う必要も無く、濁り酒にガスをふきこ
んだり或いは炭酸水で割水を行う必要も無い。
Claims (1)
- 【請求項1】清酒もろみ又はもろみを目の荒い網でこし
て、酵母、米粒片を含み発酵活性のある濁り酒をビン詰
めして打せんし、ビン詰めされた濁り酒の発酵を持続さ
せ、発酵によりガス圧が0.5〜4.0kg/cm2になったときに
火入れを行って酵母を不活性化することを特徴とする発
酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14867690A JPH0779674B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14867690A JPH0779674B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0440882A JPH0440882A (ja) | 1992-02-12 |
JPH0779674B2 true JPH0779674B2 (ja) | 1995-08-30 |
Family
ID=15458123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14867690A Expired - Lifetime JPH0779674B2 (ja) | 1990-06-08 | 1990-06-08 | 醗酵ガスを含んだ濁り酒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0779674B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009048180A1 (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nagai Sake Inc. | 発泡性清酒及びその製造方法 |
JP2017184656A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | 滝澤酒造株式会社 | 発泡性清酒の製造方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3640242B2 (ja) * | 2000-03-31 | 2005-04-20 | 玉川酒造株式会社 | 発泡性低アルコール清酒の製造方法 |
JP2003274921A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-09-30 | Yoshinogawa Kk | アルコール飲料の製造方法 |
JP3640946B2 (ja) * | 2002-09-27 | 2005-04-20 | 独立行政法人酒類総合研究所 | 発泡性低アルコール清酒の製造法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58162284A (ja) * | 1982-03-19 | 1983-09-26 | Tax Adm Agency | 濁り酒の製造法 |
JPS6147179A (ja) * | 1984-08-13 | 1986-03-07 | Takasago Syuzo Kk | 発泡性清酒の製造方法 |
JPS61108369A (ja) * | 1984-11-01 | 1986-05-27 | Oozeki Syuzo Kk | 発泡酒の製造法 |
JPH01257456A (ja) * | 1988-01-28 | 1989-10-13 | Toyo Rozai Kk | 発泡酒の製造方法 |
-
1990
- 1990-06-08 JP JP14867690A patent/JPH0779674B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009048180A1 (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nagai Sake Inc. | 発泡性清酒及びその製造方法 |
JP2009089663A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Nagai Shuzo Kk | 発泡性清酒の製造方法 |
JP2017184656A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | 滝澤酒造株式会社 | 発泡性清酒の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0440882A (ja) | 1992-02-12 |
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