JP2022065660A - ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実質的にホップを使用しないビールテイスト飲料において、もったりした重い飲み口を有さず、のどに刺激を与えるビールテイスト飲料の提供。【解決手段】イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL、総ポリフェノール量が3~200質量ppm、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料。【選択図】なし
Description
本発明は、ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法に関する。
一般的なビールや発泡酒のようなビールテイスト飲料には、主原料として麦芽とホップが用いられる。原料として、麦芽が使用されることによって、麦芽由来の旨味や味わいが豊かな飲料が製造できる。また、原料としてホップが使用されることによって、ホップ特有の苦味や渋みおよびその他の香味により、豊かな香味を有する飲料が製造できる。
しかし、近年、ホップ由来の苦味や渋みを好まない消費者が増加し、ビールテイスト飲料の消費量が伸び悩んでいるといわれている。原材料にホップを使用しないビールテイスト飲料の開発も進められている(例えば、特開2017-6077号公報(特許文献1))。
ただし、ホップを使用しないビールテイスト飲料の中には、麦芽の風味が際立ってしまい、もったりした重い飲み口の飲料となってしまう場合もある。そこで、炭酸ガスの含有量を増加させることによって、のどの刺激を強くして、飲み口を軽くすることができるが、当該含有量は包材の強度によって制限される。特に、飲料の製造における殺菌工程では包材の内圧が高まるため、炭酸ガスの含有量が大きく制限され得る。
しかし、近年、ホップ由来の苦味や渋みを好まない消費者が増加し、ビールテイスト飲料の消費量が伸び悩んでいるといわれている。原材料にホップを使用しないビールテイスト飲料の開発も進められている(例えば、特開2017-6077号公報(特許文献1))。
ただし、ホップを使用しないビールテイスト飲料の中には、麦芽の風味が際立ってしまい、もったりした重い飲み口の飲料となってしまう場合もある。そこで、炭酸ガスの含有量を増加させることによって、のどの刺激を強くして、飲み口を軽くすることができるが、当該含有量は包材の強度によって制限される。特に、飲料の製造における殺菌工程では包材の内圧が高まるため、炭酸ガスの含有量が大きく制限され得る。
実質的にホップを使用しないビールテイスト飲料において、もったりした重い飲み口を有さず、のどに刺激を与えるビールテイスト飲料が求められている。
本発明は、イソα酸を実質的に含有しないビールテイスト飲料であって、全窒素量、総ポリフェノールおよび2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が所定の範囲内のビールテイスト飲料を提供する。
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL、総ポリフェノール量が3~200質量ppm、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料。
[2]
全窒素量が5~103mg/100mLであり、総ポリフェノール量が4~163質量ppmである、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
原麦汁エキス(O-Ex)濃度が5~18質量%である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.2~3.0である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
窒素またはポリフェノールの少なくとも一部が麦芽由来である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
麦芽比率が80質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]
前記ビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]
前記ビールテイスト飲料が非発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[9]
[7]に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[10]
[8]に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水およびアミノ酸含有材料を含む原料を混合する工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[11]
ホップを配合する工程を有しない、[9]または[10]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[12]
さらに、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有する、[9]~[11]のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[1]
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL、総ポリフェノール量が3~200質量ppm、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料。
[2]
全窒素量が5~103mg/100mLであり、総ポリフェノール量が4~163質量ppmである、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
原麦汁エキス(O-Ex)濃度が5~18質量%である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.2~3.0である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
窒素またはポリフェノールの少なくとも一部が麦芽由来である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
麦芽比率が80質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[7]
前記ビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[8]
前記ビールテイスト飲料が非発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[9]
[7]に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[10]
[8]に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水およびアミノ酸含有材料を含む原料を混合する工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[11]
ホップを配合する工程を有しない、[9]または[10]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[12]
さらに、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有する、[9]~[11]のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明の好適な一態様によれば、実質的にホップを使用せず、もったりした重い飲み口を有さず、のどに刺激を与えるビールテイスト飲料を提供する。
1.ビールテイスト飲料
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL 、総ポリフェノール量が3~200質量ppm 、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料である。
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL 、総ポリフェノール量が3~200質量ppm 、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有またはノンアルコールの炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。したがって、麦汁に酵母を添加して発酵させて製造される飲料に限定されず、エステルや高級アルコール(例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、メチオナール、フルフラール等)を含むビール香料が添加され、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
さらに、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール度数が1(v/v)%以上のアルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1(v/v)%未満、0.8(v/v)%以下、0.6(v/v)%以下、0.5(v/v)%以下、0.4(v/v)%以下、0.2(v/v)%以下、0.1(v/v)%以下、0.05(v/v)%以下、0.01(v/v)%以下、または0.005(v/v)%以下のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、ノンアルコールビールテイスト飲料は、製造工程において、酵母(上面発酵酵母及び/又は下面発酵酵母)を用いた発酵工程を経た後、発酵工程で生じたアルコールを除去して得られるアルコールが1(v/v%)未満である発酵飲料であってもよい。アルコールが1(v/v%)未満になるように発酵を停止させて得られる発酵飲料であっても良い。また、アルコールが1(v/v%)未満になるように水などで希釈した発酵飲料でも良い。発酵を停止させる場合は硫化水素やダイアセチル、2,3-ペンタンジオン、アセトアルデヒドといったオフフレーバーが閾値以下になるように発酵を停止させることが好ましいが必ずしも閾値以下にする必要はない。硫化水素やダイアセチル、2,3-ペンタンジオン、アセトアルデヒドといったオフフレーバーがビールテイスト飲料の香味と融合し良好な香味になれば、オフフレーバーの濃度については限定されない。また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、発酵工程を経ずにビール様の風味をもつように調製したノンアルコール非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
加えて、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用ビールテイスト飲料としては、麦芽使用発酵ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用発酵ビールテイスト飲料がより好ましい。また、麦芽不使用ビールテイスト飲料としては、麦芽不使用非発酵ビールテイスト飲料が好ましい。
他に、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料は、上面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された上面発酵ビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された下面発酵ビールテイスト飲料であってもよい。発酵にはアルコールを生成する酵母(サッカロマイセス)や野生酵母(ブレタノマイセスなど)を用いても良いし、アルコールを生成しない酵母(サッカロマイセスなど)、野生酵母(ブレタノマイセスなど)、乳酸発酵やグルコン酸発酵を行う菌などを用いても良い。
そして、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料および非発酵ビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料であってもよく、その中でも、スピリッツ含有ビールテイスト飲料が好ましい。本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料および非発酵ビールテイスト飲料に含有される蒸留酒(蒸留液)の原料としては、麦(大麦、小麦、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)やそれらの麦芽、米(白米、玄米等)、イネ科植物(麦、麦芽、コメ、とうもろこし、ひえ、さとうきび、粟、ひえなど)、とうもろこし(コーングリッツ等)、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、さとうきび、いも、黒糖、ぶどう、りんご、およびそれらから得られたデンプンや糖を原料とするのが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。特に、イネ科植物(麦、麦芽、コメ、とうもろこし、ひえ、さとうきび、粟、ひえなど)を澱粉原料として製造された蒸留酒が好ましい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
さらに、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール度数が1(v/v)%以上のアルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1(v/v)%未満、0.8(v/v)%以下、0.6(v/v)%以下、0.5(v/v)%以下、0.4(v/v)%以下、0.2(v/v)%以下、0.1(v/v)%以下、0.05(v/v)%以下、0.01(v/v)%以下、または0.005(v/v)%以下のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、ノンアルコールビールテイスト飲料は、製造工程において、酵母(上面発酵酵母及び/又は下面発酵酵母)を用いた発酵工程を経た後、発酵工程で生じたアルコールを除去して得られるアルコールが1(v/v%)未満である発酵飲料であってもよい。アルコールが1(v/v%)未満になるように発酵を停止させて得られる発酵飲料であっても良い。また、アルコールが1(v/v%)未満になるように水などで希釈した発酵飲料でも良い。発酵を停止させる場合は硫化水素やダイアセチル、2,3-ペンタンジオン、アセトアルデヒドといったオフフレーバーが閾値以下になるように発酵を停止させることが好ましいが必ずしも閾値以下にする必要はない。硫化水素やダイアセチル、2,3-ペンタンジオン、アセトアルデヒドといったオフフレーバーがビールテイスト飲料の香味と融合し良好な香味になれば、オフフレーバーの濃度については限定されない。また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、発酵工程を経ずにビール様の風味をもつように調製したノンアルコール非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
加えて、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用ビールテイスト飲料としては、麦芽使用発酵ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用発酵ビールテイスト飲料がより好ましい。また、麦芽不使用ビールテイスト飲料としては、麦芽不使用非発酵ビールテイスト飲料が好ましい。
他に、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料は、上面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された上面発酵ビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母を用いた発酵工程を経て醸造された下面発酵ビールテイスト飲料であってもよい。発酵にはアルコールを生成する酵母(サッカロマイセス)や野生酵母(ブレタノマイセスなど)を用いても良いし、アルコールを生成しない酵母(サッカロマイセスなど)、野生酵母(ブレタノマイセスなど)、乳酸発酵やグルコン酸発酵を行う菌などを用いても良い。
そして、本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料および非発酵ビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料であってもよく、その中でも、スピリッツ含有ビールテイスト飲料が好ましい。本発明の一態様の発酵ビールテイスト飲料および非発酵ビールテイスト飲料に含有される蒸留酒(蒸留液)の原料としては、麦(大麦、小麦、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)やそれらの麦芽、米(白米、玄米等)、イネ科植物(麦、麦芽、コメ、とうもろこし、ひえ、さとうきび、粟、ひえなど)、とうもろこし(コーングリッツ等)、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、さとうきび、いも、黒糖、ぶどう、りんご、およびそれらから得られたデンプンや糖を原料とするのが好ましく、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。特に、イネ科植物(麦、麦芽、コメ、とうもろこし、ひえ、さとうきび、粟、ひえなど)を澱粉原料として製造された蒸留酒が好ましい。
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下に限定している。イソα酸は、ホップに多く含まれる苦味成分である。つまり、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるビールテイスト飲料は、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」ビールテイスト飲料であることを意味する。
なお、本明細書において、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」とは、ビールテイスト飲料を製造する際に、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないことを意味し、ビールテイスト飲料の製造の際にホップ由来の成分が不可避的に混入する態様は包含する。
また、ビールテイスト飲料の原材料として、ホップおよびホップに由来する成分が積極的に添加されているか否かは、酒税法、食品表示法、食品衛生法、JAS法、景品表示法、健康増進法あるいは業界団体が定めた規約や自主基準等によって定められた原材料表示から確認することもできる。例えば、ホップおよびホップに由来する成分が含まれている場合、原材料表示の原材料名に「ホップ」のように表記される。一方、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」ビールテイスト飲料では、原材料表示の原材料名に「ホップ」との表記がされない。
なお、本明細書において、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」とは、ビールテイスト飲料を製造する際に、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないことを意味し、ビールテイスト飲料の製造の際にホップ由来の成分が不可避的に混入する態様は包含する。
また、ビールテイスト飲料の原材料として、ホップおよびホップに由来する成分が積極的に添加されているか否かは、酒税法、食品表示法、食品衛生法、JAS法、景品表示法、健康増進法あるいは業界団体が定めた規約や自主基準等によって定められた原材料表示から確認することもできる。例えば、ホップおよびホップに由来する成分が含まれている場合、原材料表示の原材料名に「ホップ」のように表記される。一方、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」ビールテイスト飲料では、原材料表示の原材料名に「ホップ」との表記がされない。
ホップを使用しないビールテイスト飲料の中には、麦芽の風味が際立ってしまい、もったりした重い飲み口の飲料となってしまう場合がある。麦芽の風味を抑えるために、全窒素量および総ポリフェノール量を一定の範囲内に制御したビールテイスト飲料を提供できるが、このようなビールテイスト飲料は、のどへの刺激が不十分な飲料となり易く、また、ビールテイスト飲料として不適な後味の渋味が感じやすい飲料となってしまう場合がある。本発明のビールテイスト飲料は、ホップに多く含まれるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下に制限し、かつ、一定量の2-メチル-2-ペンテン酸を含有することで、のどへの刺激が良好であり、ビールテイスト飲料としては不適な後味の渋味を抑えたビールテイスト飲料となり得る。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、イソα酸の含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、0.1質量ppm以下であるが、0.05質量ppm以下、0.01質量ppm以下、または0.001質量ppm以下としてもよい。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は4~140mg/100mLである。本発明における「全窒素量」とは、タンパク質、アミノ酸等の全ての窒素化合物の総量である。
全窒素量は飲み応え、味の厚み、味わい等に影響する。全窒素量を4mg/100mL以上とすることによって飲み応え、味の厚み、味わいを向上させることができる。これらをさらに向上させる観点から、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は5mg/100mL以上が好ましく、6mg/100mL以上がより好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量を、10mg/100mL以上、12mg/100mL以上、14mg/100mL以上、16mg/100mL以上、18mg/100mL以上、20mg/100mL以上、22mg/100mL以上、24mg/100mL以上、26mg/100mL以上、28mg/100mL以上、30mg/100mL以上、35mg/100mL以上、40mg/100mL以上、50mg/100mL以上、60mg/100mL以上、70mg/100mL以上、80mg/100mL以上、90mg/100mL以上、または100mg/100mL以上、としてもよい。
他方、全窒素量が多いと、飲料の飲み口が重くなってしまう。そこで、本発明の飲料の全窒素量は140mg/100mL以下とすることによって、飲み口が軽くなる。これらをさらに向上させる観点から、全窒素量は130mg/100mL以下が好ましく、125mg/100mL以下がより好ましく、120mg/100mL以下がより好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量を、115mg/100mL以下、110mg/100mL以下、または105mg/100mL以下、100mg/100mL以下、90mg/100mL以下、80mg/100mL以下、75mg/100mL以下、70mg/100mL以下としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は、比較的窒素含有量が多く、酵母が資化可能な原材料の使用量を調整することによって制御できる。非発酵のビールテイスト飲料の全窒素量は比較的窒素含有量が多い原材料の調整をすることによって制御できる。具体的には、窒素含有量の多い麦芽等の使用量を増やすことにより全窒素量を増加させることができる。窒素含有量の多い原料としては、例えば、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、未発芽の穀物、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン、コーンタンパク、米などが挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。また、全窒素量の調整は、希釈水や炭酸水の添加による希釈、原材料の使用量や種類の選択の他に、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、煮沸工程での煮沸時間及びpH、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整できる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合の全窒素量の調整は、希釈水や炭酸水の添加、原材料の使用量や種類の選択の他に、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、製造工程中の時間(酵素反応時間、原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度、等を適宜設定して調整できる。
本発明に係るビールテイスト飲料の全窒素量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
全窒素量は飲み応え、味の厚み、味わい等に影響する。全窒素量を4mg/100mL以上とすることによって飲み応え、味の厚み、味わいを向上させることができる。これらをさらに向上させる観点から、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は5mg/100mL以上が好ましく、6mg/100mL以上がより好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量を、10mg/100mL以上、12mg/100mL以上、14mg/100mL以上、16mg/100mL以上、18mg/100mL以上、20mg/100mL以上、22mg/100mL以上、24mg/100mL以上、26mg/100mL以上、28mg/100mL以上、30mg/100mL以上、35mg/100mL以上、40mg/100mL以上、50mg/100mL以上、60mg/100mL以上、70mg/100mL以上、80mg/100mL以上、90mg/100mL以上、または100mg/100mL以上、としてもよい。
他方、全窒素量が多いと、飲料の飲み口が重くなってしまう。そこで、本発明の飲料の全窒素量は140mg/100mL以下とすることによって、飲み口が軽くなる。これらをさらに向上させる観点から、全窒素量は130mg/100mL以下が好ましく、125mg/100mL以下がより好ましく、120mg/100mL以下がより好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量を、115mg/100mL以下、110mg/100mL以下、または105mg/100mL以下、100mg/100mL以下、90mg/100mL以下、80mg/100mL以下、75mg/100mL以下、70mg/100mL以下としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は、比較的窒素含有量が多く、酵母が資化可能な原材料の使用量を調整することによって制御できる。非発酵のビールテイスト飲料の全窒素量は比較的窒素含有量が多い原材料の調整をすることによって制御できる。具体的には、窒素含有量の多い麦芽等の使用量を増やすことにより全窒素量を増加させることができる。窒素含有量の多い原料としては、例えば、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、未発芽の穀物、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン、コーンタンパク、米などが挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。また、全窒素量の調整は、希釈水や炭酸水の添加による希釈、原材料の使用量や種類の選択の他に、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、煮沸工程での煮沸時間及びpH、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整できる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合の全窒素量の調整は、希釈水や炭酸水の添加、原材料の使用量や種類の選択の他に、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、製造工程中の時間(酵素反応時間、原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度、等を適宜設定して調整できる。
本発明に係るビールテイスト飲料の全窒素量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は3~200質量ppmである。
ポリフェノールとは、芳香族炭化水素の2個以上の水素がヒドロキシル基で置換された化合物をいう。ポリフェノールとしては、例えば、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなどが挙げられる。
本発明における「総ポリフェノール量」とは、ビールテイスト飲料に含まれるこれらポリフェノールの総量である。
ポリフェノールとは、芳香族炭化水素の2個以上の水素がヒドロキシル基で置換された化合物をいう。ポリフェノールとしては、例えば、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなどが挙げられる。
本発明における「総ポリフェノール量」とは、ビールテイスト飲料に含まれるこれらポリフェノールの総量である。
総ポリフェノール量は飲み応え、味の厚み、味わい等に影響する。総ポリフェノール量を3質量ppm以上とすることによって飲み応え、味の厚み、味わいを向上させることができる。これらをさらに向上させる観点から、総ポリフェノール量は4質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量を、6質量ppm以上、7質量ppm以上、8質量ppm以上、9質量ppm以上、10質量ppm以上、11質量ppm以上、12質量ppm以上、13質量ppm以上、14質量ppm以上、15質量ppm以上、16質量ppm以上、17質量ppm以上、18質量ppm以上、19質量ppm以上、20質量ppm以上、25質量ppm以上、30質量ppm以上、35質量ppm以上、40質量ppm以上、50質量ppm以上、60質量ppm以上、70質量ppm以上、80質量ppm以上、90質量ppm以上、または100質量ppm以上としてもよい。
他方、総ポリフェノールが多い飲料は、混濁安定性が低下し、また飲み口も重くなってしまう。そこで、本発明の飲料は総ポリフェノール量を200質量ppm以下とすることによって、飲料の混濁安定性および飲み口を改良できる。これらをさらに向上させる観点から、総ポリフェノール量は190質量ppm以下が好ましく、180質量ppm以下がより好ましく、170質量ppm以下がより好ましい、163質量ppm以下が特に好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量を、150質量ppm以下、140質量ppm以下、130質量ppm以下、120質量ppm以下、110質量ppm以下、100質量ppm以下、90質量ppm以下、80質量ppm以下、75質量ppm以下、70質量ppm以下、65質量ppm以下、60質量ppm以下、55質量ppm以下、50質量ppm以下、45質量ppm以下、40質量ppm以下、35質量ppm以下としてもよい。
総ポリフェノール量の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽等のポリフェノールを含む原料)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合の総ポリフェノール量の調整は、希釈水や炭酸水の添加、原材料の使用量や種類の選択の他に製造工程中の時間(原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度等を適宜設定して調整できる。
また、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)などのポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、ポリフェノール含有量の多い麦や麦芽等の穀物原料、緑茶や麦茶、紅茶、ウーロン茶などの茶原料、コーヒー豆などのコーヒー原料、果皮、果実、種子などの原材料の使用量を増やすことにより総ポリフェノール量を増加させることができる。
他方、総ポリフェノールが多い飲料は、混濁安定性が低下し、また飲み口も重くなってしまう。そこで、本発明の飲料は総ポリフェノール量を200質量ppm以下とすることによって、飲料の混濁安定性および飲み口を改良できる。これらをさらに向上させる観点から、総ポリフェノール量は190質量ppm以下が好ましく、180質量ppm以下がより好ましく、170質量ppm以下がより好ましい、163質量ppm以下が特に好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量を、150質量ppm以下、140質量ppm以下、130質量ppm以下、120質量ppm以下、110質量ppm以下、100質量ppm以下、90質量ppm以下、80質量ppm以下、75質量ppm以下、70質量ppm以下、65質量ppm以下、60質量ppm以下、55質量ppm以下、50質量ppm以下、45質量ppm以下、40質量ppm以下、35質量ppm以下としてもよい。
総ポリフェノール量の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽等のポリフェノールを含む原料)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合の総ポリフェノール量の調整は、希釈水や炭酸水の添加、原材料の使用量や種類の選択の他に製造工程中の時間(原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度等を適宜設定して調整できる。
また、本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)などのポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、ポリフェノール含有量の多い麦や麦芽等の穀物原料、緑茶や麦茶、紅茶、ウーロン茶などの茶原料、コーヒー豆などのコーヒー原料、果皮、果実、種子などの原材料の使用量を増やすことにより総ポリフェノール量を増加させることができる。
一般的に、ハスク(穀皮)がある麦芽等は窒素およびポリフェノールの含有量が多く、大豆、酵母エキス、小麦、小麦麦芽等は窒素の含有量が多いがポリフェノールの含有量が少ない。そこで、ビールテイスト飲料における全窒素量および総ポリフェノール量は、原料の配合割合を調整することによって、増減させることができる。以下、全窒素量および総ポリフェノール量を増減させる代表的な方法(1)~(4)を挙げる。
(1)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を増やすことによって、ビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を増やす。
(2)大豆、酵母エキス、コラーゲン、コラーゲンペプチド等の使用量を増減させることによって、総ポリフェノール量を維持しながら、ビールテイスト飲料の全窒素量を増減させる。
(3)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を増やし大豆、酵母エキス等の使用量を減らすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を増やす。
(4)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を減らし大豆、酵母エキス等の使用量を増やすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を減らす。
(1)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を増やすことによって、ビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を増やす。
(2)大豆、酵母エキス、コラーゲン、コラーゲンペプチド等の使用量を増減させることによって、総ポリフェノール量を維持しながら、ビールテイスト飲料の全窒素量を増減させる。
(3)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を増やし大豆、酵母エキス等の使用量を減らすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を増やす。
(4)ハスクがある麦や麦芽等の使用量を減らし大豆、酵母エキス等の使用量を増やすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を減らす。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料において、水っぽさを抑制しつつ、飲み口が軽い飲料とする観点から、全窒素量と総ポリフェノール量との割合である全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.2~9.5であることが好ましく、0.2~6.0であることがより好ましく、0.2~4.0であることがさらに好ましく、0.2~3.0であることがよりさらに好ましく、0.25~2.8であることがより好ましく、0.3~2.7であることがさらに好ましく、0.35~2.6であることがさらに好ましく、0.4~2.5であることがさらに好ましく、0.5~2.4であることが特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料は2-メチル-2-ペンテン酸を含み、その含有量は10500質量ppb以下である。
2-メチル-2-ペンテン酸は、ビールテイスト飲料にのどに刺激を与えるため、炭酸の含有量を過度に増やすことなく、適度なのどへの刺激を有するビールテイスト飲料を提供できる。特に、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下のビールテイスト飲料はホップ由来の特有な苦味を感じにくく、全窒素量と総ポリフェノール量が一定値以上含むビールテイスト飲料は麦芽の風味が際立ち易いため、2-メチル-2-ペンテン酸を一定量含有すると、適度なのどへの刺激を効果的に付与できる。そこで、本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は5質量ppb以上が好ましく、10質量ppb以上がさらに好ましく、15質量ppb以上がさらに好ましく、20質量ppb以上がさらに好ましく、25質量ppb以上がさらに好ましく、30質量ppb以上さらにが好ましく、35質量ppb以上がさらに好ましく、40質量ppb以上がさらに好ましく、45質量ppb以上がさらに好ましく、48質量ppb以上が特に好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を、80質量ppb以上、100質量ppb以上、200質量ppb以上、300質量ppb以上、または400質量ppb以上としてもよい。
他方、不適な渋みを抑制したビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は10400質量ppb以下が好ましく、10300質量ppb以下がさらに好ましく、10200質量ppb以下がさらに好ましく、10100質量ppb以下がさらに好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を、80質量ppb以上、8000質量ppb以下、6000質量ppb以下、4000質量ppb以下、2000質量ppb以下、または1000質量ppb以下としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は、例えば、2-メチル-2-ペンテン酸の添加や、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
なお、本発明のビールテイスト飲料は2-メチル-2-ペンテン酸以外の有機酸を含んでもよい。
2-メチル-2-ペンテン酸は、ビールテイスト飲料にのどに刺激を与えるため、炭酸の含有量を過度に増やすことなく、適度なのどへの刺激を有するビールテイスト飲料を提供できる。特に、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下のビールテイスト飲料はホップ由来の特有な苦味を感じにくく、全窒素量と総ポリフェノール量が一定値以上含むビールテイスト飲料は麦芽の風味が際立ち易いため、2-メチル-2-ペンテン酸を一定量含有すると、適度なのどへの刺激を効果的に付与できる。そこで、本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は5質量ppb以上が好ましく、10質量ppb以上がさらに好ましく、15質量ppb以上がさらに好ましく、20質量ppb以上がさらに好ましく、25質量ppb以上がさらに好ましく、30質量ppb以上さらにが好ましく、35質量ppb以上がさらに好ましく、40質量ppb以上がさらに好ましく、45質量ppb以上がさらに好ましく、48質量ppb以上が特に好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を、80質量ppb以上、100質量ppb以上、200質量ppb以上、300質量ppb以上、または400質量ppb以上としてもよい。
他方、不適な渋みを抑制したビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は10400質量ppb以下が好ましく、10300質量ppb以下がさらに好ましく、10200質量ppb以下がさらに好ましく、10100質量ppb以下がさらに好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を、80質量ppb以上、8000質量ppb以下、6000質量ppb以下、4000質量ppb以下、2000質量ppb以下、または1000質量ppb以下としてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は、例えば、2-メチル-2-ペンテン酸の添加や、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
なお、本発明のビールテイスト飲料は2-メチル-2-ペンテン酸以外の有機酸を含んでもよい。
本発明のビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析法(m/z 114)によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料はノンアルコールビールテイスト飲料を含む。本発明のビールテイスト飲料のアルコール度数は限定されず、好ましくは0~20.0(v/v)%、より好ましくは0.5~17.0(v/v)%以上、さらに好ましくは1.0~15.0(v/v)%、よりさらに好ましくは2.0~12.0(v/v)%、さらに好ましくは3.0~10.0(v/v)%、特に好ましくは4.0~9.0(v/v)%である。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを含有してもよい。
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、さらに蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、麦が好ましい。
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、さらに蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、麦が好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、または、無色透明であってもよく、あるいは着色料(カラメル色素など)や着色した原料(糖液、麦、麦芽、茶原料など)などを添加して、所望の色を付けてもよい。ビールテイスト飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくは2.0~4.6であり、より好ましくは2.5~4.5であり、さらに好ましくは3.0~4.2であり、よりさらに好ましくは3.2~4.0、よりさらに好ましくは3.3~3.9、よりさらに好ましくは3.4~3.8、よりさらに好ましくは3.5~3.8、特に好ましくは3.6~3.8である。
本発明のビールテイスト飲料は、静菌効果のあるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるため、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、微生物の発生と増殖を抑制するために、ビールテイスト飲料のpHは好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.0以下、よりさらに好ましくは3.8以下である。また、本発明のビールテイスト飲料のpHは2.0以上であれば飲料の香味が向上しやすい。
アルコールを含有するビールテイスト飲料のpHは、好ましくは2.9以上、さらに好ましくは3.0以上、より好ましくは、3.1以上、よりさらに好ましくは3.2以上
よりさらに好ましくは3.3以上、よりさらに好ましくは3.4以上、よりさらに好ましくは3.5以上、特に好ましくは3.6以上であり、また、pHは好ましくは4.6以下、より好ましくは4.5以下であり、さらに好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.1以下であり、よりさらに好ましくは4.0以下であり、好ましくは3.9以下であり、特に好ましくは3.8以下である。
また、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、静菌効果のあるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるため、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、微生物の発生と増殖を抑制するために、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは、好ましくは4.1以下であり、さらに好ましくは4.0以下であり、より好ましくは3.9以下であり、特に好ましくは3.8以下である。
pHの調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の種類(乳酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合のpHの調整は、希釈水や炭酸水の添加、ミネラル類(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)の添加、ミネラル類が含まれる水の添加、酸味料の使用量や酸味料の種類、原材料の使用量や種類の選択の他に製造工程中の時間(原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度等を適宜設定して調整できる。
本発明のビールテイスト飲料は、静菌効果のあるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるため、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、微生物の発生と増殖を抑制するために、ビールテイスト飲料のpHは好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.0以下、よりさらに好ましくは3.8以下である。また、本発明のビールテイスト飲料のpHは2.0以上であれば飲料の香味が向上しやすい。
アルコールを含有するビールテイスト飲料のpHは、好ましくは2.9以上、さらに好ましくは3.0以上、より好ましくは、3.1以上、よりさらに好ましくは3.2以上
よりさらに好ましくは3.3以上、よりさらに好ましくは3.4以上、よりさらに好ましくは3.5以上、特に好ましくは3.6以上であり、また、pHは好ましくは4.6以下、より好ましくは4.5以下であり、さらに好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.1以下であり、よりさらに好ましくは4.0以下であり、好ましくは3.9以下であり、特に好ましくは3.8以下である。
また、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、静菌効果のあるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるため、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、微生物の発生と増殖を抑制するために、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは、好ましくは4.1以下であり、さらに好ましくは4.0以下であり、より好ましくは3.9以下であり、特に好ましくは3.8以下である。
pHの調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で糖化時間、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、pH調整の際に使用する酸の種類(乳酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、pH調整の際に使用する酸の添加量、pH調整のタイミング(仕込時、発酵時、発酵完了時、ビール濾過前、ビール濾過後など)、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液のオリジナルエキス濃度、発酵工程でのオリジナルエキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
仕込槽や発酵タンクなどのビール醸造設備を使用しない場合のpHの調整は、希釈水や炭酸水の添加、ミネラル類(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)の添加、ミネラル類が含まれる水の添加、酸味料の使用量や酸味料の種類、原材料の使用量や種類の選択の他に製造工程中の時間(原料の混合に伴う調合時間など)、製造工程中の温度、製造工程中のpH、製造工程中のオリジナルエキス濃度等を適宜設定して調整できる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料のクエン酸換算での酸度は、低糖質でありながらも飲んだ後に自然な余韻がより感じられるビールテイスト飲料とする観点から、好ましくは0.01g/100mL以上、より好ましくは0.02g/100mL以上、より好ましくは0.03g/100mL以上、さらに好ましくは0.04g/100mL以上、よりさらに好ましくは0.05g/100mL以上、特に好ましくは0.06g/100mL以上であり、また、好ましくは0.30g/100mL以下、より好ましくは0.25g/100mL以下、より好ましくは0.20g/100mL以下、さらに好ましくは0.15g/100mL以下、さらに好ましくは0.13g/100mL以下、よりさらに好ましくは0.11g/100mL以下、特に好ましくは0.09g/100mL以下である。
なお、本明細書において、ビールテイスト飲料のクエン酸換算での酸度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.6 酸度」に記載の方法によってクエン酸にて測定することができる。
なお、本明細書において、ビールテイスト飲料のクエン酸換算での酸度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.6 酸度」に記載の方法によってクエン酸にて測定することができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の原麦汁エキス(O-Ex)濃度は、特に限定されないが、ビールテイスト飲料に軽快な飲み口を付与する観点から、アルコールを含むビールテイスト飲料の場合は、好ましくは5~18質量%、より好ましくは8~15質量%、さらに好ましくは9~14質量%、特に好ましくは10~13.5質量%である。
本明細書における「原麦汁エキス濃度」は、アルコール度数が1(v/v)%以上の飲料においては、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15℃の時において原容量100cm3中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が1(v/v)%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める分析法(BOCJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版))に従い測定したエキス値(質量%)をいう。
オリジナルエキス濃度の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液、コラーゲン、コラーゲンペプチド、大豆、コーンタンパク、水溶性食物繊維等)の種類、原材料の量、麦汁濾過の時間、麦汁濾過のpH、煮沸時間、煮沸温度等を適宜設定して行うことができる。
本明細書における「原麦汁エキス濃度」は、アルコール度数が1(v/v)%以上の飲料においては、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15℃の時において原容量100cm3中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が1(v/v)%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める分析法(BOCJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版))に従い測定したエキス値(質量%)をいう。
オリジナルエキス濃度の調整は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液、コラーゲン、コラーゲンペプチド、大豆、コーンタンパク、水溶性食物繊維等)の種類、原材料の量、麦汁濾過の時間、麦汁濾過のpH、煮沸時間、煮沸温度等を適宜設定して行うことができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器詰の態様に適している。容器の例としては、ビン、ペットボトル、缶、または樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン、ペットボトルが好ましい。
なお、無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、通常の缶や有色のビンでの場合と異なり、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになる。しかしながら、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分を実質的に含有していないため、日光の照射に起因した日光臭の発生が抑制される。そのため、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、このような無色透明のビンやペットボトルに充填することもできる。
なお、無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、通常の缶や有色のビンでの場合と異なり、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになる。しかしながら、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分を実質的に含有していないため、日光の照射に起因した日光臭の発生が抑制される。そのため、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、このような無色透明のビンやペットボトルに充填することもできる。
本発明のビールテイスト飲料の製造に使用できる穀物、甘味料等の任意の添加原料については、「1.1原材料」において詳述する。
1.1 原材料
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、窒素、ポリフェノール等を含有する麦芽および水であり、ホップを実質的に使用しないが、その他に、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、窒素、ポリフェノール等を含有する麦芽および水であり、ホップを実質的に使用しないが、その他に、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
原材料として麦芽を用いる場合、当該麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。本発明においては、大麦麦芽を用いることが好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
また、麦芽と共に、麦芽以外の穀物、タンパク、酵母エキス、糖液等を用いてもよい。そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし(コーングリッツ等)、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、さとうきび、芋、黒糖、ぶどう、りんごおよびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。また、タンパクとしては、大豆タンパク、エンドウ豆タンパク、酵母エキス、コラーゲン、コラーゲンペプチド、コーンタンパク、これらの分解物等が挙げられる。
なお、麦芽を用いない場合には、炭素源を含有する液糖、麦芽以外の上述の穀物等のアミノ酸含有材料(例えば、大豆たんぱく、エンドウ豆タンパク、酵母エキス、コラーゲン、コラーゲンペプチド、コーンタンパクこれらの分解物等)としての窒素源を用いたビールテイスト飲料が挙げられる。
麦芽には、窒素化合物およびポリフェノールが含まれている。したがって、本発明においては、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を本発明で規定される範囲内とするために、原料における麦芽の比率を一定の範囲に設定することが好ましい。具体的には、麦芽比率は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることがさらに好ましい。麦芽比率を上記の範囲内とすることにより、麦芽に由来するビールらしい味わいを有するビールテイスト飲料を製造できる。また、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上でもよい。
また、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、65質量%以下、60質量%以下
55質量%以下、50質量%以下でもよい。
本明細書において、麦芽比率とは平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
また、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、65質量%以下、60質量%以下
55質量%以下、50質量%以下でもよい。
本明細書において、麦芽比率とは平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
麦芽の比率を抑制する場合、酵母が資化可能な麦芽以外の原料(炭素源、窒素源)を増量することが好ましい。酵母が資化可能な原料の炭素源としては単糖、二糖、三糖、それらの糖液等が挙げられ、窒素源としては酵母エキス、大豆タンパク、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、小麦麦芽、未発芽の穀物、これらの分解物等が挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。特に、原材料に糖類を用いると麦芽由来の麦の香りを効果的に抑えることができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる2-メチル-2-ペンテン酸は、原材料に含まれる2-メチル-2-ペンテン酸を利用してもよく、2-メチル-2-ペンテン酸または2-メチル-2-ペンテン酸を含む添加剤を添加してもよく、また、醸造工程で発生した、2-メチル-2-ペンテン酸を利用してもよい。
保存料としては、例えば、安息香酸;安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩;パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の安息香酸エステル;二炭酸ジメチル等が挙げられる。また、保存料としては、強力サンプレザー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合物)等の市販の製剤を用いてもよい。これらの保存料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
保存料の配合量は、好ましくは5~1200質量ppm、より好ましくは10~1100質量ppm、さらに好ましくは15~1000質量ppm、よりさらに好ましくは20~900質量ppmである。
保存料の配合量は、好ましくは5~1200質量ppm、より好ましくは10~1100質量ppm、さらに好ましくは15~1000質量ppm、よりさらに好ましくは20~900質量ppmである。
甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリンまたはポリデキストロースが好ましい。
ホップに多く含まれる苦味成分の1種であるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下という範囲内で、使用される苦味料または苦味付与剤は、特に限定されず、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、クワシン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、ナリンギン、ニガヨモギおよびニガヨモギ抽出物、クワシン、アブシンチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、およびカテキン等が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、発酵により発生する醸造成分等が含まれる。ビール香料の具体例としてはエステルや高級アルコール等が挙げられ、さらに具体的には、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、メチオナール、フルフラール等が挙げられる。
酸味料としては、酸味を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。
これらの酸味料の中でも、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、酒石酸、リン酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの酸味料の中でも、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、酒石酸、リン酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リンゴ酸は、ビールテイスト飲料の後味に余韻のある味わいや厚みを付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい後味のすっきり感等を付与することができる。そこで、本発明のビールテイスト飲料のリンゴ酸の含有量は25mg/L以上が好ましく、50mg/L以上がさらに好ましく、75mg/L以上がさらに好ましく、100mg/L以上が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のリンゴ酸の含有量は450mg/L以下が好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下がさらに好ましく、200mg/L以下が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のリンゴ酸の含有量は450mg/L以下が好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下がさらに好ましく、200mg/L以下が特に好ましい。
クエン酸は、ビールテイスト飲料の後味に余韻のある味わいを付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい後味のすっきり感や爽やかな飲み口等を付与することができる。そこで、本発明のビールテイスト飲料のクエン酸の含有量は100mg/L以上が好ましく、125mg/L以上がさらに好ましく、150mg/L以上がさらに好ましく、175mg/L以上が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のクエン酸の含有量は500mg/L以下が好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のクエン酸の含有量は500mg/L以下が好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下が特に好ましい。
リン酸は、ビールテイスト飲料の後味にシャープなキレ感や刺激感を付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい後味のすっきり感等を付与することができる。そこで、本発明のビールテイスト飲料のリン酸の含有量は25mg/L以上が好ましく、50mg/L以上がさらに好ましく、100mg/L以上がさらに好ましく、150mg/L以上が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のリン酸の含有量は500mg/L以下が好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料のリン酸の含有量は500mg/L以下が好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下がさらに好ましく、250mg/L以下が特に好ましい。
酒石酸は、ビールテイスト飲料の後味に余韻のある味わいやふくらみを付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい後味のすっきり感等を付与することができる。そこで、本発明のビールテイスト飲料の酒石酸の含有量は10mg/L以上が好ましく、20mg/L以上がさらに好ましく、30mg/L以上がさらに好ましく、40mg/L以上が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の酒石酸の含有量は600mg/L以下が好ましく、550mg/L以下がさらに好ましく、500mg/L以下がさらに好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の酒石酸の含有量は600mg/L以下が好ましく、550mg/L以下がさらに好ましく、500mg/L以下がさらに好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下が特に好ましい。
乳酸は、ビールテイスト飲料の後味に余韻のある味わいやまろやかさを付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい後味のすっきり感等を付与することができる。そこで、本発明のビールテイスト飲料の乳酸の含有量は75mg/L以上が好ましく、100mg/L以上がさらに好ましく、125mg/L以上がさらに好ましく、150mg/L以上が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の乳酸の含有量は600mg/L以下が好ましく、500mg/L以下がさらに好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下が特に好ましい。
他方、ほどよい酸味のビールテイスト飲料とする観点から、本発明の飲料の乳酸の含有量は600mg/L以下が好ましく、500mg/L以下がさらに好ましく、450mg/L以下がさらに好ましく、400mg/L以下がさらに好ましく、350mg/L以下がさらに好ましく、300mg/L以下が特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料のリンゴ酸、クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の酸味料の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
また、リンゴ酸、クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の酸味料の含有量は、例えば、これらの酸や、これらの酸の含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
また、リンゴ酸、クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の酸味料の含有量は、例えば、これらの酸や、これらの酸の含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
1.2 炭酸ガス
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール発酵を行うため、この発酵工程で生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール発酵を行うため、この発酵工程で生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表されるが、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は5.0kg/cm2、4.5kg/cm2、または4.0kg/cm2であり、下限は0.20kg/cm2、0.50kg/cm2、または1.0kg/cm2であり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm2以上5.0kg/cm2以下、0.50kg/cm2以上4.5kg/cm2以下、または、1.0kg/cm2以上4.0kg/cm2以下であってよい。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は0.700w/w%以下、0.650w/w%以下、0.600w/w%以下、0.590w/w%以下、0.580w/w%以下、0.570w/w%以下、0.560w/w%以下、0.400w/w%以上、0.450w/w%以上、0.460w/w%以上、0.470w/w%以上、0.480w/w%以上、0.490w/w%以上が好ましい。
本発明の飲料は2-メチル-2-ペンテン酸を含有するため、炭酸ガスのガス圧(含有量)を通常よりも高くしなくても、のどに刺激を与える飲料を提供できる
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は0.700w/w%以下、0.650w/w%以下、0.600w/w%以下、0.590w/w%以下、0.580w/w%以下、0.570w/w%以下、0.560w/w%以下、0.400w/w%以上、0.450w/w%以上、0.460w/w%以上、0.470w/w%以上、0.480w/w%以上、0.490w/w%以上が好ましい。
本発明の飲料は2-メチル-2-ペンテン酸を含有するため、炭酸ガスのガス圧(含有量)を通常よりも高くしなくても、のどに刺激を与える飲料を提供できる
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
1.3 その他の添加物
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびコラーゲンペプチド等のペプチド含有物、酵母エキスなどを適宜使用することができる。
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびコラーゲンペプチド等のペプチド含有物、酵母エキスなどを適宜使用することができる。
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
1.4 容器詰飲料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビンやペットボトルが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビンやペットボトルが好ましい。
2. ビールテイスト飲料の製造方法
2.1 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程(1)、ならびに、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程(4)を有することが好ましく、さらに酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程(2)および穀物に由来するスピリッツを添加する工程(3)を有してもよい。
・工程(1):水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
・工程(2):酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程。
・工程(3):穀物に由来するスピリッツを添加する工程。
・工程(4):2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程。
2.1 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程(1)、ならびに、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程(4)を有することが好ましく、さらに酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程(2)および穀物に由来するスピリッツを添加する工程(3)を有してもよい。
・工程(1):水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
・工程(2):酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程。
・工程(3):穀物に由来するスピリッツを添加する工程。
・工程(4):2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程。
上記の工程(1)~(4)の順序は特に限定されないが、工程(2)として、水および麦芽と共に、酵母が資化可能な原料を配合して、発酵前の原料を調製した後、工程(1)として、酵母が資化可能な原料を含む原料に対してアルコール発酵を行うことが好ましい。
また、工程(3)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(3)で行う各成分の配合は、工程(1)の前の発酵前の原料に対して行ってもよく、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよい。
工程(4)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(4)で行う2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の調整は、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよいが、工程(4)は最後に行うことが好ましい。具体的には、工程(4)以外の工程(例えば、工程(1)~(3))に基づいてビールテイストベース飲料を製造し、当該ベース飲料に工程(4)に基づいて2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整することが好ましい。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸を実質的に含まないため、酵母を一定量以上含むと香味に悪影響を与えやすい。そこで、本発明の製造方法は、ろ過工程によって、酵母を取り除くことが好ましい。ろ過工程の順序は特に限定されないが、工程(2)と工程(3)の間に行われることが好ましい。
また、本発明の製造方法は、ホップを配合する工程を有さないことが好ましいが、静菌効果があるホップを用いずに得られた飲料は、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、本発明の製造方法は、微生物の発生と増殖を抑制するために、殺菌工程を有することが好ましい。殺菌工程の順序は特に限定されないが、工程(4)の後に行われることが好ましい。殺菌工程は、加熱によって行われることが好ましい。
また、工程(3)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(3)で行う各成分の配合は、工程(1)の前の発酵前の原料に対して行ってもよく、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよい。
工程(4)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(4)で行う2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の調整は、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよいが、工程(4)は最後に行うことが好ましい。具体的には、工程(4)以外の工程(例えば、工程(1)~(3))に基づいてビールテイストベース飲料を製造し、当該ベース飲料に工程(4)に基づいて2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整することが好ましい。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸を実質的に含まないため、酵母を一定量以上含むと香味に悪影響を与えやすい。そこで、本発明の製造方法は、ろ過工程によって、酵母を取り除くことが好ましい。ろ過工程の順序は特に限定されないが、工程(2)と工程(3)の間に行われることが好ましい。
また、本発明の製造方法は、ホップを配合する工程を有さないことが好ましいが、静菌効果があるホップを用いずに得られた飲料は、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、本発明の製造方法は、微生物の発生と増殖を抑制するために、殺菌工程を有することが好ましい。殺菌工程の順序は特に限定されないが、工程(4)の後に行われることが好ましい。殺菌工程は、加熱によって行われることが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法はホップを配合する工程を有しないことが好ましい。本発明の製造方法がホップを配合する工程を有さない場合でも、不可避的に混入する態様までを除外するわけではない。また、本発明の製造方法の麦芽比率は特に限定されないが、40質量%以上が好ましく、42~100質量%であることがさらに好ましく、45~90質量%であることがさらに好ましく、50~80質量%であることがさらに好ましく、50~70質量%であることが特に好ましい。
<工程(1)>
工程(1)は、水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程である。
原料の調製方法としては、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク等の固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えて、原料を調製することができる。
なお、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等は、発酵工程後において所定量添加してもよいが、糊化・糖化工程を含む製造工程中の任意のタイミングで添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
工程(1)は、水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程である。
原料の調製方法としては、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク等の固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えて、原料を調製することができる。
なお、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等は、発酵工程後において所定量添加してもよいが、糊化・糖化工程を含む製造工程中の任意のタイミングで添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、本発明の飲料の製造には、上面発酵酵母も下面発酵酵母も用いることができ、また、Weihenstephan-34株(下面発酵酵母)等の市販の酵母を用いることができる。
酵母は、酵母懸濁液のまま原料に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原料に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/mL~1×108cells/mL程度である。
酵母は、酵母懸濁液のまま原料に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原料に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/mL~1×108cells/mL程度である。
アルコール発酵を行う際の発酵温度および発酵期間等の諸条件は、適宜設定することができるが、例えば、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8~25℃、5~10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が40~140mg/100mLおよび総ポリフェノール量が30~180質量ppmであり、このような範囲に制御することによって、麦芽に由来するビールらしい味わいを付与することができる。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が40~140mg/100mLおよび総ポリフェノール量が30~180質量ppmであり、このような範囲に制御することによって、麦芽に由来するビールらしい味わいを付与することができる。
発酵工程を行った後は、貯酒工程およびろ過工程等の当業者に周知のビールテイスト飲料の製造で行われる工程を行ってもよい。
<工程(2)、(3)>
工程(2)は酵母が資化可能な原料1種以上を配合する工程である。工程(2)における酵母が資化可能な原料としては、窒素源および炭素源となる麦芽以外の原料であり、例えば、エンドウ豆、トウモロコシ、コメ、大豆、酵母エキスなどを用いることができるが、これら以外の原料を用いることも可能である。なお、これらの原料もビールテイスト飲料の呈味と香りに影響を与えるので飲用者の嗜好に合わせて適宜選択するのが好ましい。
また、工程(3)は、穀物に由来するスピリッツを添加する工程である。
工程(2)は酵母が資化可能な原料1種以上を配合する工程である。工程(2)における酵母が資化可能な原料としては、窒素源および炭素源となる麦芽以外の原料であり、例えば、エンドウ豆、トウモロコシ、コメ、大豆、酵母エキスなどを用いることができるが、これら以外の原料を用いることも可能である。なお、これらの原料もビールテイスト飲料の呈味と香りに影響を与えるので飲用者の嗜好に合わせて適宜選択するのが好ましい。
また、工程(3)は、穀物に由来するスピリッツを添加する工程である。
<工程(4)>
工程(4)は、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程である。
本発明のビールテイスト飲料は、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が上述の範囲となるように調整されていることが好ましく、このような飲料は工程(4)を含む工程を実施することによって製造することができる。ここで、原料に由来する2-メチル-2-ペンテン酸によって適した含有量となっている場合には、さらに2-メチル-2-ペンテン酸を添加する必要はない。一方で、工程(4)で、2-メチル-2-ペンテン酸もしくは2-メチル-2-ペンテン酸を含む添加剤を添加して、ビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整してもよい。
工程(4)は、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程である。
本発明のビールテイスト飲料は、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が上述の範囲となるように調整されていることが好ましく、このような飲料は工程(4)を含む工程を実施することによって製造することができる。ここで、原料に由来する2-メチル-2-ペンテン酸によって適した含有量となっている場合には、さらに2-メチル-2-ペンテン酸を添加する必要はない。一方で、工程(4)で、2-メチル-2-ペンテン酸もしくは2-メチル-2-ペンテン酸を含む添加剤を添加して、ビールテイスト飲料の2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整してもよい。
工程(2)~(4)において、各工程で配合する成分は、発酵前の原料に対して配合してもよく、発酵後の原料に対して配合してもよい。また、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
また、酵母が資化可能な原料およびスピリッツを同時に配合し、工程(2)~(4)を同時に行ってもよい。
さらに、工程(2)~(4)を行う際に、他の添加剤も同時に配合してもよい。
また、酵母が資化可能な原料およびスピリッツを同時に配合し、工程(2)~(4)を同時に行ってもよい。
さらに、工程(2)~(4)を行う際に、他の添加剤も同時に配合してもよい。
2.2 非発酵ビールテイスト飲料の製造方法
2.非発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量、全窒素量、総ポリフェノール量、および2-メチル-2-ペンテン酸の含有量をそれぞれ所定の範囲に調整することにより製造することができる。すなわち、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は、非発酵ビールテイスト飲料中のイソα酸の含有量の含有量、全窒素量の含有量、総ポリフェノール量の含有量、および2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程とを含む。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、全窒素量、総ポリフェノール量は上記のとおりである。
また、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下に調整するには、例えば、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないことによって実現できる。
本発明の製造方法において、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の調整はそれぞれ、非発酵ビールテイスト飲料の製造中または製造後のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば、いずれかの製造工程の前、最中または後に行ってもよく、また、複数の工程の前、最中または後に行ってもよい。最終的な非発酵ビールテイスト飲料において2-メチル-2-ペンテン酸の含有量がそれぞれ所定の範囲内となればよい。
例えば、本発明の非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合、麦芽を含む原料を糖化させる糖化工程と、糖化液を濾過して麦汁を得る濾過工程と、麦汁を煮沸する煮沸工程と、煮沸工程の後、熱麦汁からオリを分離する分離工程と、得られた分離液を濾過する濾過工程と、濾過液に脱気水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加する製品調製工程とを含む。
麦芽を原料として使用して製造される非発酵ビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じて苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものを煮沸してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加することで非発酵ビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。
また、原料として麦芽を使用しない非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、殺菌する。殺菌後の液糖溶液に対して、水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加することで非発酵ビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。
2.非発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量、全窒素量、総ポリフェノール量、および2-メチル-2-ペンテン酸の含有量をそれぞれ所定の範囲に調整することにより製造することができる。すなわち、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は、非発酵ビールテイスト飲料中のイソα酸の含有量の含有量、全窒素量の含有量、総ポリフェノール量の含有量、および2-メチル-2-ペンテン酸の含有量を調整する工程とを含む。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、全窒素量、総ポリフェノール量は上記のとおりである。
また、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下に調整するには、例えば、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないことによって実現できる。
本発明の製造方法において、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量の調整はそれぞれ、非発酵ビールテイスト飲料の製造中または製造後のいずれのタイミングで行ってもよい。例えば、いずれかの製造工程の前、最中または後に行ってもよく、また、複数の工程の前、最中または後に行ってもよい。最終的な非発酵ビールテイスト飲料において2-メチル-2-ペンテン酸の含有量がそれぞれ所定の範囲内となればよい。
例えば、本発明の非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合、麦芽を含む原料を糖化させる糖化工程と、糖化液を濾過して麦汁を得る濾過工程と、麦汁を煮沸する煮沸工程と、煮沸工程の後、熱麦汁からオリを分離する分離工程と、得られた分離液を濾過する濾過工程と、濾過液に脱気水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加する製品調製工程とを含む。
麦芽を原料として使用して製造される非発酵ビールテイスト飲料は、まず、麦芽等の麦の他、必要に応じて他の穀物、でんぷん、糖類、苦味料、又は着色料などの原料及び水を含む混合物に、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせ、ろ過し、糖化液とする。必要に応じて苦味料などを糖化液に加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除く。この糖化液の代替として、麦芽エキスに温水を加えたものを煮沸してもよい。糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程などにおける条件は、知られている条件を用いればよい。煮沸後、得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液に水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加することで非発酵ビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。
また、原料として麦芽を使用しない非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液とする。該液糖溶液は、殺菌する。殺菌後の液糖溶液に対して、水、炭酸ガス、調味成分および必要に応じてアルコールを添加することで非発酵ビールテイスト飲料を得る。前記各工程においてビールテイスト飲料としてより好ましい風味を得るために、脂肪酸エステルや酢酸エチル、酢酸イソアミルといった香気成分の添加を充填までのどの工程で行ってもよい。
このようにして得られた本発明の一態様のビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
また、実施例において、原麦汁エキス濃度、全窒素量、総ポリフェノール量、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法に基づいて測定した。
また、実施例において、原麦汁エキス濃度、全窒素量、総ポリフェノール量、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法に基づいて測定した。
<発酵ビールテイスト飲料の調製>
[実施例1~12、比較例1~8]
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該、原料液を煮沸釜に投入し、指定の麦芽比率になるように糖液を添加し、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。具体的には、実施例1~3ならびに比較例1および2の麦芽比率は70質量%、実施例4~6ならびに比較例3および4の麦芽比率は49質量%、実施例7~9ならびに比較例5および6の麦芽比率は25質量%、実施例10~12ならびに比較例7および8の麦芽比率は5質量%に調整した。得られた熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
[実施例1~12、比較例1~8]
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該、原料液を煮沸釜に投入し、指定の麦芽比率になるように糖液を添加し、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。具体的には、実施例1~3ならびに比較例1および2の麦芽比率は70質量%、実施例4~6ならびに比較例3および4の麦芽比率は49質量%、実施例7~9ならびに比較例5および6の麦芽比率は25質量%、実施例10~12ならびに比較例7および8の麦芽比率は5質量%に調整した。得られた熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
このようにして得られた発酵前液を煮沸してから冷却した後、得られた発酵もろみにビール酵母(下面発酵酵母)を添加して約1週間発酵させた後、さらに約1週間の熟成期間を経て、酵母をろ過で除去して、エキス調整水を添加し発酵ビールテイスト飲料を調製した。
このようにして得られた発酵ビールテイスト飲料におけるイソα酸の含有量、原麦汁エキス濃度、全窒素量、総ポリフェノール量、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は表1に記載のとおりであった。また、実施例1~12および比較例1~8の発酵ビールテイスト飲料のpHは4.0未満であった。
このようにして得られた発酵ビールテイスト飲料におけるイソα酸の含有量、原麦汁エキス濃度、全窒素量、総ポリフェノール量、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量は表1に記載のとおりであった。また、実施例1~12および比較例1~8の発酵ビールテイスト飲料のpHは4.0未満であった。
<非発酵ビールテイスト飲料の調製>
[実施例13~19、比較例9および10]
水に、大麦エキスの含有量が700mg/100mL、酸味料として乳酸の含有量が200mg/L、クエン酸の含有量が200mg/L、リンゴ酸の含有量が100mg/L、小麦スピリッツはアルコール度数が5.3v/v%となるように添加した。さらに、2-メチル-2-ペンテン酸およびコラーゲンペプチドを表2に記載の含有量になるように添加し、糖類を表2に記載の原麦汁エキスになるように添加して、非発酵飲料原料液を得た。当該非発酵飲料原料液に、炭酸ガスの含有量が0.520w/w%となるように、炭酸ガスを溶解させて、実施例13~19、比較例9および10の非発酵ビールテイスト飲料を調製した。
[実施例13~19、比較例9および10]
水に、大麦エキスの含有量が700mg/100mL、酸味料として乳酸の含有量が200mg/L、クエン酸の含有量が200mg/L、リンゴ酸の含有量が100mg/L、小麦スピリッツはアルコール度数が5.3v/v%となるように添加した。さらに、2-メチル-2-ペンテン酸およびコラーゲンペプチドを表2に記載の含有量になるように添加し、糖類を表2に記載の原麦汁エキスになるように添加して、非発酵飲料原料液を得た。当該非発酵飲料原料液に、炭酸ガスの含有量が0.520w/w%となるように、炭酸ガスを溶解させて、実施例13~19、比較例9および10の非発酵ビールテイスト飲料を調製した。
<官能評価>
ビールテイスト飲料の「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」および「ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み」の評価
得られたビールテイスト飲料の評価は、同一の4人のパネラーが、各飲料の試飲をし、以下のように行った。
ビールテイスト飲料の「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」および「ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み」の評価
得られたビールテイスト飲料の評価は、同一の4人のパネラーが、各飲料の試飲をし、以下のように行った。
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」および「ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み」について、下記のスコア基準に基づき、3.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアにて評価し、4人のパネラーのスコアの平均値を算出した。結果を表1および表2に示す。
評価に際しては、「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が下記基準「1」「2」および「3」に該当するサンプル、「ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み」が下記基準「1」「2」および「3」に該当するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。また、表1および表2のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での2.0以上のスコアの値の差異は確認されなかった。
評価に際しては、「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が下記基準「1」「2」および「3」に該当するサンプル、「ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み」が下記基準「1」「2」および「3」に該当するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。また、表1および表2のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での2.0以上のスコアの値の差異は確認されなかった。
[ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激]
・「3」:非常に良い。
・「2」:良い。
・「1」:悪い。
そして、4人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
・「3」:非常に良い。
・「2」:良い。
・「1」:悪い。
そして、4人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
[ビールテイスト飲料として不適な後味の渋み]
・「3」:感じない。
・「2」:ほとんど感じない。
・「1」:感じる。
そして、4人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
・「3」:感じない。
・「2」:ほとんど感じない。
・「1」:感じる。
そして、4人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
[総合評価]
「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が2.0以上、かつ、「ビールテイスト飲料として不適な渋み」が2.5以上の飲料を「○」とした。
また、「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が2.0未満、または、「ビールテイスト飲料として不適な渋味が2.5未満の飲料を「×」とした。
「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が2.0以上、かつ、「ビールテイスト飲料として不適な渋み」が2.5以上の飲料を「○」とした。
また、「ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激」が2.0未満、または、「ビールテイスト飲料として不適な渋味が2.5未満の飲料を「×」とした。
実施例の結果から、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であって、全窒素量が4~140mg/100mL、および、総ポリフェノール量が3~200質量ppmのビールテイスト飲料において、2-メチル-2-ペンテン酸を10500質量ppb以下で含有すると、ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激が良く、ビールテイスト飲料として不適な渋味が抑えられた飲料を提供できる。
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であって、全窒素量が4~140mg/100mL、および、総ポリフェノール量が3~200質量ppmのビールテイスト飲料であっても、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が多すぎると、ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激が悪化し、ビールテイスト飲料として不適な渋味を感じやすくなってしまい、また、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が少ないと、ビールテイスト飲料として不適な渋味は抑えられるが、ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激が悪化する傾向があった。
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であって、全窒素量が4~140mg/100mL、および、総ポリフェノール量が3~200質量ppmのビールテイスト飲料であっても、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が多すぎると、ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激が悪化し、ビールテイスト飲料として不適な渋味を感じやすくなってしまい、また、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が少ないと、ビールテイスト飲料として不適な渋味は抑えられるが、ビールテイスト飲料らしいのどへの刺激が悪化する傾向があった。
Claims (12)
- イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が4~140mg/100mL、総ポリフェノール量が3~200質量ppm、および、2-メチル-2-ペンテン酸の含有量が10500質量ppb以下であり、2-メチル-2-ペンテン酸を含有するビールテイスト飲料。
- 全窒素量が5~103mg/100mLであり、総ポリフェノール量が4~163質量ppmである、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- 原麦汁エキス(O-Ex)濃度が5~18質量%である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
- 全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.2~3.0である、請求項1~3のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 窒素またはポリフェノールの少なくとも一部が麦芽由来である、請求項1~4のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 麦芽比率が80質量%以下である、請求項1~5のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 前記ビールテイスト飲料が発酵ビールテイスト飲料である、請求項1~6のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 前記ビールテイスト飲料が非発酵ビールテイスト飲料である、請求項1~6のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
- 請求項7に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。 - 請求項8に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水およびアミノ酸含有材料を含む原料を混合する工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。 - ホップを配合する工程を有しない、請求項9または10に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
- さらに、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有する、請求項9~11のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
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