JP6719627B1 - ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法 - Google Patents

ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6719627B1
JP6719627B1 JP2019130639A JP2019130639A JP6719627B1 JP 6719627 B1 JP6719627 B1 JP 6719627B1 JP 2019130639 A JP2019130639 A JP 2019130639A JP 2019130639 A JP2019130639 A JP 2019130639A JP 6719627 B1 JP6719627 B1 JP 6719627B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beer
taste beverage
taste
content
malt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019130639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021013348A (ja
Inventor
悠一 加藤
悠一 加藤
杏奈 新村
杏奈 新村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2019130639A priority Critical patent/JP6719627B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6719627B1 publication Critical patent/JP6719627B1/ja
Publication of JP2021013348A publication Critical patent/JP2021013348A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】発酵工程中の泡の大量発生を抑制し、風味の優れたビールテイスト飲料が求められている。【解決手段】イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が3〜120mg/100mL、総ポリフェノール量が3〜90質量ppm、および、カプロン酸エチルの含有量が0.7〜7mg/Lであるビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法に関する。
一般的なビールや発泡酒のようなビールテイスト飲料には、主原料として麦芽とホップが用いられる。原料として、麦芽が使用されることによって、麦芽由来の旨味や味わいが豊かな飲料が製造できる。また、原料としてホップが使用されることによって、ホップ特有の苦味や渋みおよびその他の香味により、苦味や香りが付与された飲料が製造できる。
しかし、原料に麦芽を多く用いると、発酵工程において酵母から発生した二酸化炭素等を含む泡が大量に発生し、発酵液の表面から高い位置まで泡が盛り上がって堆積して形成される。これによって、発酵タンクの上方に設けられる二酸化炭素の回収ライン等の設備の中に泡が侵入することがあった。一般的に、二酸化炭素の回収ラインは複数の発酵タンクに接続しているため、1つのビールテイスト飲料の発酵工程中の泡が高い位置まで盛り上がって堆積すると二酸化炭素の回収ラインを介して、別の発酵タンクで発酵している異なる種類のビールテイスト飲料の発酵液に混入することがあった。
また、原料に麦芽の代わりに発芽豆類を使用した発泡性アルコール飲料も開発されたが、風味の厚みが減少し、ホップの苦味が強調されてしまう(特開2009−136186号公報(特許文献1))。
このような問題を解決するために、原料として麦芽は使用するが、麦芽の使用比率を抑えることによって、発酵工程における泡の発生と堆積を抑制することができる。
しかし、原料中のタンパク質の含有量や原料中の麦芽の比率を低くすると、発酵工程中の泡の大量発生を抑制できるが、得られる飲料の風味の厚みが減少し、ホップの苦味が目立ってしまう。また、このような苦味を抑制するために原料にホップを使用しないと、ホップ特有の苦味がなくなり風味のシマリ感がなくなってしまう。
特開2009−136186号公報
そこで、発酵工程中の泡の大量発生および大量堆積を抑制し、風味の優れたビールテイスト飲料が求められている。
本発明は、イソα酸を実質的に含有しないビールテイスト飲料であって、全窒素量、総ポリフェノールおよびカプロン酸エチルの濃度が所定の範囲内のビールテイスト飲料を提供する。
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が3〜120mg/100mL、総ポリフェノール量が3〜90質量ppm、および、カプロン酸エチルの含有量が0.7〜7mg/Lであるビールテイスト飲料。
[2]
全窒素量が6〜97mg/100mLであり、
総ポリフェノール量が5〜89質量ppmである、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
原麦汁エキス(O−Ex)濃度が5〜18質量%である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.04〜25である、[1]〜[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
窒素またはポリフェノールの少なくとも一部が麦芽由来である、[1]〜[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[7]
ホップを配合する工程を有しない、[6]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[8]
麦芽比率が55質量%以下である、[6]または[7]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[9]
さらに、酵母が資化可能な原料からなる群から選ばれる1種以上を配合する工程を有する、[6]〜[8]のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[10]
さらに、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有する、[6]〜[9]のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明の好適な一態様によれば、発酵工程中の泡の大量発生および大量堆積を抑制でき、また、風味の優れたビールテイスト飲料が提供される。
1.ビールテイスト飲料
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が3〜120mg/100mL、総ポリフェノール量が3〜90質量ppmであり、カプロン酸エチルの含有量が0.7〜7mg/Lのビールテイスト飲料である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有またはノンアルコールの炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。したがって、麦汁に酵母を添加して発酵させて製造される飲料に限定されず、エステル、高級アルコール(例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n−プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド)、4ビニルグアイアコール、リナロール等を含むビール香料が添加された炭酸飲料をも包含する。
本発明のビールテイスト飲料は、発酵工程を経て得られた発酵ビールテイスト飲料が好ましく、発酵麦芽ビールテイスト飲料、発酵大麦麦芽ビールテイスト飲料、麦芽使用ビールテイスト飲料および大麦麦芽使用ビールテイスト飲料が好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料は、スピリッツなどの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料およびスピリッツ含有ビールテイスト飲料が好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、アルコール含有のビールテイスト飲料、アルコール度数が1(v/v)%未満のビールテイスト飲料等も含まれる。
本発明のビールテイスト飲料は、イソα酸の含有量を0.1質量ppm以下に限定している。イソα酸は、ホップに多く含まれる苦味成分である。つまり、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるビールテイスト飲料は、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」ビールテイスト飲料であることを意味する。
なお、本明細書において、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」とは、ビールテイスト飲料を製造する際に、原材料として、ホップおよびホップに由来する成分をいずれも積極的に添加しないこと意味し、ビールテイスト飲料の製造の際にホップ由来の成分が不可避的に混入する態様は包含する。
また、ビールテイスト飲料の原材料として、ホップおよびホップに由来する成分が積極的に添加されているか否かは、酒税法、食品表示法、食品衛生法、JAS法、景品表示法、健康増進法あるいは業界団体が定めた規約や自主基準等によって定められた原材料表示から確認することもできる。例えば、ホップおよびホップに由来する成分が含まれている場合、原材料表示の原材料名に「ホップ」のように表記される。一方、「ホップに由来する成分を実質的に含まない」ビールテイスト飲料では、原材料表示の原材料名に「ホップ」との表記がされない。
発酵工程中の泡の大量発生を抑制するために、原料の麦芽比率を抑えることなどによって、全窒素量および総ポリフェノール量を一定の範囲内に制御したビールテイスト飲料を提供できるが、このようなビールテイスト飲料は、苦味が目立ちやすくなる。本発明のビールテイスト飲料は、ホップに多く含まれるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下に制限し、かつ、一定量のカプロン酸エチルを含有するため、風味の優れたビールテイスト飲料となる。
上記観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料において、イソα酸の含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、0.1質量ppm以下であるが、好ましくは0.05質量ppm以下、より好ましくは0.01質量ppm以下である。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は3〜120mg/100mLである。本発明における「全窒素量」とは、タンパク質、アミノ酸等の全ての窒素化合物の総量である。
全窒素量は飲み応え、味の厚み、味わい等に影響する。全窒素量を3mg/100mL以上とすることによって飲み応え、味の厚み、味わいを向上させることができる。これらをさらに向上させる観点から全窒素量は6mg/100mL以上が好ましく、8mg/100mL以上がより好ましく、15mg/100mL以上がさらに好ましく、30mg/100mL以上が特に好ましい。
他方、全窒素量が多いと、発酵工程中に泡が大量に発生し、また飲み口も重くなってしまう。そこで、本発明の飲料の全窒素量は特に限定されないが、115mg/100mL以下が好ましく、100mg/100mL以下がより好ましく、98mg/100mL以下がさらに好ましく、90mg/100mL以下がさらに好ましく、80mg/100mL以下がさらに好ましく、70mg/100mL以下がさらに好ましく、60mg/100mL以下がさらに好ましく、48mg/100mL以下がさらに好ましく、45mg/100mL以下がさらに好ましく、40mg/100mL以下が特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の全窒素量は、比較的窒素含有量が多く、酵母が資化可能な原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、窒素含有量の多い麦芽等の使用量を増やすことにより全窒素量を増加させることができる。窒素含有量の多い原料としては、例えば、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、未発芽の穀物などが挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。
本発明に係るビールテイスト飲料の全窒素量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は3〜90質量ppmである。
ポリフェノールとは、芳香族炭化水素の2個以上の水素がヒドロキシル基で置換された化合物をいう。ポリフェノールとしては、例えば、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなどが挙げられる。
本発明における「総ポリフェノール量」とは、ビールテイスト飲料に含まれるこれらポリフェノールの総量である。
総ポリフェノール量は飲み応え、味の厚み、味わい等に影響する。総ポリフェノール量を3質量ppm以上とすることによって飲み応え、味の厚み、味わいを向上させることができる。これらをさらに向上させる観点から総ポリフェノール量は4質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましく、7質量ppm以上がさらに好ましく、10質量ppm以上がさらに好ましく、15質量ppm以上がさらに好ましく、30質量ppm以上が特に好ましい。
他方、総ポリフェノール量が多いと、発酵時に発生した泡が堆積しやすくなり、泡が消えにくくなる。また、総ポリフェノールが多い飲料は、混濁安定性が低下し、また飲み口も重くなってしまう。そこで、本発明の飲料の総ポリフェノール量は90質量ppm以下が好ましく、80質量ppm以下がより好ましく、70質量ppm以下がさらに好ましく、60質量ppm以下がさらに好ましく、50質量ppm以下が特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)などのポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、ポリフェノール含有量の多い麦芽等の原材料の使用量を増やすことにより総ポリフェノール量を増加させることができる。
一般的に、ハスク(穀皮)がある麦芽等は窒素およびポリフェノールの含有量が多く、大豆、酵母エキス、小麦、小麦麦芽等は窒素の含有量が多いがポリフェノールの含有量が少ない。そこで、ビールテイスト飲料における全窒素量および総ポリフェノール量は、原料の配合割合を調整することによって、増減させることができる。以下、全窒素量および総ポリフェノール量を増減させる代表的な方法(1)〜(4)を挙げる。
(1)ハスクがある麦芽等の使用量を増やすことによって、ビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を増やす。
(2)大豆、酵母エキス等の使用量を増減させることによって、総ポリフェノール量を維持しながら、ビールテイスト飲料の全窒素量を増減させる。
(3)ハスクがある麦芽等の使用量を増やし大豆、酵母エキス等の使用量を減らすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を増やす。
(4)ハスクがある麦芽等の使用量を減らし大豆、酵母エキス等の使用量を増やすことによって、全窒素量を維持しながら、総ポリフェノール量を減らす。
本発明のビールテイスト飲料の総ポリフェノール量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料において、全窒素量が総ポリフェノール量に対して大きすぎると飲み口が重くなり、小さすぎると水っぽくなってしまう。そこで、本発明のビールテイスト飲料における全窒素量と総ポリフェノール量との割合である全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.04〜25であることが好ましく、0.06〜17.1であることがより好ましく、0.17〜6.6であることがさらに好ましく、0.41〜2.9であることが特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの含有量は0.7〜7mg/Lである。カプロン酸エチルは、吟醸香を有する化合物として知られている。本発明のビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの含有量は0.8〜6.5mg/Lが好ましく、0.9〜6.0mg/Lがさらに好ましく、1.0〜5.5mg/Lが特に好ましい。
カプロン酸エチルはビールテイスト飲料の後味に余韻のある味わいを付与し、また、飲みやすさ、ビールらしい軽快なのどごし等を付与することができる。特に、イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下のビールテイスト飲料はホップ由来の特有な苦味を感じにくいため、カプロン酸エチルを一定量含有するとビールらしい軽快なのどごしを効果的に付与できる。そこで、本発明のビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの含有量は1.2mg/L以上が好ましく、1.5mg/L以上がさらに好ましく、1.7mg/L以上が特に好ましい。
他方、パイナップル様のビールテイスト飲料に適さない風味を抑えるために、本発明の飲料のカプロン酸エチルの濃度は5.3mg/L以下が好ましく、4.5mg/L以下がさらに好ましく、4.0mg/L以下がさらに好ましく、3.5mg/L以下が特に好ましい。
本発明のビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの濃度は、例えば、カプロン酸エチルや、カプロン酸エチル含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
本発明のビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの濃度は、例えば、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
本発明のビールテイスト飲料はノンアルコールビールテイスト飲料を含む。本発明のビールテイスト飲料のアルコール度数は限定されず、好ましくは0〜20(v/v)%、より好ましくは1〜15(v/v)%、さらに好ましくは2〜12(v/v)%、さらに好ましくは3〜10(v/v)%、特に好ましくは4〜9(v/v)%である。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを含有してもよい。
本明細書において、スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽または必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類を意味する。スピリッツの原材料である穀物としては、麦が好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、または、無色透明であってもよく、あるいは着色料などを添加して、所望の色を付けてもよい。ビールテイスト飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくは2.0〜4.6であり、より好ましくは2.5〜4.5であり、さらに好ましくは3.0〜4.2であり、特に好ましくは3.2〜4.0である。本発明のビールテイスト飲料は、静菌効果のあるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下であるため、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、微生物の発生と増殖を抑制するために、ビールテイスト飲料のpHは4.5以下が好ましく、4.0以下がさらに好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料のpHは2.0以上であれば飲料の香味が向上しやすい。
アルコールを含有するビールテイスト飲料のpHは、好ましくは3.0〜4.5であり、さらに好ましくは3.0〜4.0であり、特に好ましくは、3.2〜3.8である。また、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは、好ましくは4.0未満であり、さらに好ましくは3.8以下である。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の原麦汁エキス(O−Ex)濃度は、特に限定されないが、ビールテイスト飲料に軽快な飲み口を付与する観点から、アルコールを含むビールテイスト飲料の場合は、好ましくは5〜18質量%、より好ましくは8〜15質量%、さらに好ましくは9〜14質量%、特に好ましくは10〜13.5質量%である。
本明細書における「原麦汁エキス濃度」は、アルコール度数が1(v/v)%以上の飲料においては、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15℃の時において原容量100cm中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が1(v/v)%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める分析法(BOCJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版))に従い測定したエキス値(質量%)をいう。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器詰の態様に適している。容器の例としては、ビン、ペットボトル、缶、または樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン、ペットボトルが好ましい。
なお、無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、通常の缶や有色のビンでの場合と異なり、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになる。しかしながら、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分を実質的に含有していないため、日光の照射に起因した日光臭の発生が抑制される。そのため、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、このような無色透明のビンやペットボトルに充填することもできる。
本発明のビールテイスト飲料の製造に使用できる穀物、甘味料等の任意の添加原料については、「1.1原材料」において詳述する。
1.1 原材料
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、窒素、ポリフェノール等を含有する麦芽および水であり、ホップを実質的に使用しないが、その他に、酒石酸、クエン酸、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料または苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。本発明においては、好ましくは大麦麦芽を用いる。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
また、麦芽と共に、麦芽以外の穀物、タンパク、酵母エキス、糖液等を用いてもよい。そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、およびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。また、タンパクとしては、大豆タンパク、エンドウ豆タンパク、酵母エキス、これらの分解物等が挙げられる。
麦芽には、窒素化合物およびポリフェノールが含まれている。したがって、本発明においては、本発明のビールテイスト飲料の全窒素量および総ポリフェノール量を本発明で規定される範囲内とするために、原料における麦芽の比率を抑制することが好ましい。具体的には、麦芽比率55質量%以下が好ましく、2〜50質量%であることがさらに好ましく、3〜40質量%であることがさらに好ましく、4〜30質量%であることが特に好ましい。
麦芽比率を上記の範囲内とすることにより、発酵工程における泡の大量発生を抑制し、麦芽等に起因する濁りを抑制し、風味がより優れたビールテイスト飲料を製造できる。
本明細書において、麦芽比率とは平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
麦芽の比率を抑制する場合、酵母が資化可能な麦芽以外の原料(炭素源、窒素源)を増量することが好ましい。酵母が資化可能な原料の炭素源としては単糖、二糖、三糖、それらの糖液等が挙げられ、窒素源としては酵母エキス、大豆タンパク、麦芽、大豆、酵母エキス、エンドウ、小麦麦芽、未発芽の穀物、これらの分解物等が挙げられる。また未発芽の穀物としては、例えば、未発芽の大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、大豆、エンドウ等が挙げられる。本発明のビールテイスト飲料は、発酵工程における泡の大量発生を抑制するために、麦芽以外の原料として糖液を用いることが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれるカプロン酸エチルは、原材料に含まれるカプロン酸エチルを利用してもよく、また、カプロン酸エチルまたはカプロン酸エチルを含む添加剤を添加してもよい。また、カプロン酸エチルを生成する酵母や、原料に含まれる前駆体をカプロン酸エチルに変換する酵母を選択し使用することで、カプロン酸エチルの含有量を増加することもできる。
甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリンまたはポリデキストロースが好ましい。
ホップに多く含まれる苦味成分の1種であるイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下という範囲内で、使用される苦味料または苦味付与剤は、特に限定されず、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、クワシン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、ナリンギン、ニガヨモギおよびニガヨモギ抽出物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、およびカテキン等が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、発酵により発生する醸造成分等が含まれる。ビール香料の具体例としてはエステルや高級アルコール等が挙げられ、更に具体的には、酢酸イソアミル、n−プロパノール、イソブタノール、およびアセトアルデヒド等が挙げられる。
酸味料としては、酸味を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。
これらの酸味料の中でも、リン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、酒石酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1.2 炭酸ガス
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール発酵を行うため、この発酵工程で生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表されるが、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は5.0kg/cm、4.5kg/cm、または4.0kg/cmであり、下限は0.20kg/cm、0.50kg/cm、または1.0kg/cmであり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.50kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
1.3 その他の添加物
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
1.4 容器詰飲料
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビンやペットボトルが好ましい。
2. ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されないが、水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程(1)、ならびに、カプロン酸エチルの含有量を調整する工程(4)を有することが好ましく、さらに酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程(2)および穀物に由来するスピリッツを添加する工程(3)を有してもよい。
・工程(1):水および麦芽を含む原料に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
・工程(2):酵母が資化可能な原料を1種以上配合する工程。
・工程(3):穀物に由来するスピリッツを添加する工程。
・工程(4):カプロン酸エチルの含有量を調整する工程。
上記の工程(1)〜(4)の順序は特に限定されないが、工程(2)として、水および麦芽と共に、酵母が資化可能な原料を配合して、発酵前の原料を調製した後、工程(1)として、酵母が資化可能な原料を含む原料に対してアルコール発酵を行うことが好ましい。これによって、アルコール発酵中の泡の大量発生を抑制することができる。
また、工程(3)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(3)で行う各成分の配合は、工程(1)の前の発酵前の原料に対して行ってもよく、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよい。
工程(4)についても、同様に、それぞれの工程を行う順序は特に限定されず、例えば、工程(4)で行うカプロン酸エチルの含有量の調整は、工程(1)の後の発酵後の原料に対して行ってもよいが、工程(4)は最後に行うことが好ましい。具体的には、工程(4)以外の工程(例えば、工程(1)〜(3))に基づいてビールテイストベース飲料を製造し、当該ベース飲料に工程(4)に基づいてカプロン酸エチルの含有量を調整することが好ましい。例えば、工程(1)でカプロン酸エチルが生成された場合、工程(4)においてカプロン酸エチルの含有量が特定の値になるように調整される。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸を実質的に含まないため、酵母を一定量以上含むと香味に悪影響を与えやすい。そこで、本発明の製造方法は、ろ過工程によって、酵母を取り除くことが好ましい。ろ過工程の順序は特に限定されないが、工程(2)と工程(3)の間に行われることが好ましい。
また、本発明の製造方法は、ホップを配合する工程を有さないことが好ましいが、静菌効果があるホップを用いずに得られた飲料は、微生物が発生して増殖するリスクがある。そこで、本発明の製造方法は、微生物の発生と増殖を抑制するために、殺菌工程を有することが好ましい。殺菌工程の順序は特に限定されないが、工程(4)の後に行われることが好ましい。殺菌工程は、加熱によって行われることが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法はホップを配合する工程を有しないことが好ましい。本発明の製造方法がホップを配合する工程を有さない場合でも、不可避的に混入する態様までを除外するわけではない。また、本発明の製造方法の麦芽比率は特に限定されないが、55質量%以下が好ましく、2〜50質量%であることがさらに好ましく、3〜40質量%であることがさらに好ましく、4〜30質量%であることが特に好ましい。
<工程(1)>
工程(1)は、水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程である。
原料の調製方法としては、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク等の固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えて、原料を調製することができる。
なお、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等は、発酵工程後において所定量添加してもよいが、糊化・糖化工程を含む製造工程中の任意のタイミングで添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、本発明の飲料の製造には、上面発酵酵母も下面発酵酵母も用いることができ、また、Weihenstephan-34株(下面発酵酵母)等の市販の酵母を用いることができる。
酵母は、酵母懸濁液のまま原料に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原料に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×10cells/mL〜1×10cells/mL程度である。
アルコール発酵を行う際の発酵温度および発酵期間等の諸条件は、適宜設定することができるが、例えば、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8〜25℃、5〜10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料はイソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が3〜120mg/100mLおよび総ポリフェノール量が3〜90質量ppmであり、このような範囲に制御することによって、工程(1)におけるアルコール発酵中の泡の大量発生を抑制することができる。
発酵工程を行った後は、貯酒工程およびろ過工程等の当業者に周知のビールテイスト飲料の製造で行われる工程を行ってもよい。
<工程(2)、(3)>
工程(2)は酵母が資化可能な原料1種以上を配合する工程である。工程(2)における酵母が資化可能な原料としては、窒素源および炭素源となる麦芽以外の原料であり、例えば、エンドウ豆、トウモロコシ、コメ、大豆、酵母エキスなどを用いることができるが、これら以外の原料を用いることも可能である。なお、これらの原料もビールテイスト飲料の呈味と香りに影響を与えるので飲用者の嗜好に合わせて適宜選択するのが好ましい。
また、工程(3)は、穀物に由来するスピリッツを添加する工程である。
<工程(4)>
工程(4)は、カプロン酸エチルの含有量を調整する工程である。
本発明のビールテイスト飲料は、カプロン酸エチルの含有量が上述の範囲となるように調整されていることが好ましく、このような飲料は工程(4)を含む工程を実施することによって製造することができる。ここで、原料由来または発酵により生成したカプロン酸エチルによって適した含有量となっている場合には、さらにカプロン酸エチルを添加する必要はない。一方で、工程(4)で、カプロン酸エチルもしくはカプロン酸エチルを含む添加剤を添加して、ビールテイスト飲料のカプロン酸エチルの含有量を調整してもよい。また、カプロン酸エチルを生成しやすいまたは生成しにくい酵母を選択し使用することで、カプロン酸エチルの含有量を調整することもできる。
さらに、本発明の製造方法において、ビールテイスト飲料の製造途中で希釈、ろ過、フィルタリング等を行うことによって、カプロン酸エチルの含有量を調整してもよい。
工程(2)〜(4)において、各工程で配合する成分は、発酵前の原料に対して配合してもよく、発酵後の原料に対して配合してもよい。また、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
また、酵母が資化可能な原料およびスピリッツを同時に配合し、工程(2)〜(4)を同時に行ってもよい。
さらに、工程(2)〜(4)を行う際に、他の添加剤も同時に配合してもよい。
このようにして得られた本発明の一態様のビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
また、実施例において、原麦汁エキス濃度、全窒素量、総ポリフェノール量、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法に基づいて測定した。
発酵工程における泡の量(試験例1〜4)
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該、原料液を煮沸釜に投入し、指定の麦芽比率になるように糖液およびホップを添加し(試験例1では糖液不使用、試験例3と4ではホップは不使用)、温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。麦芽比率、および、ホップの使用量は表1に示す。
このようにして得られた発酵前液を煮沸してから冷却した後、得られた発酵もろみにビール酵母(下面発酵酵母)を添加して約1週間発酵させた後、さらに約1週間の熟成期間を経て、酵母をろ過で除去して、エキス調整水を添加しビールテイスト飲料を調製した。
このようにして得られたビールテイスト飲料における全窒素量、総ポリフェノール量、イソα散の含有量は表1に記載のとおりであり、いずれもpHは4.0未満であった。
各試験例の飲料は、径、高さ、コニカル部分の角度などの形状が同一の発酵タンクを用いて発酵させて製造した。発酵タンクにおける各飲料の液体部分の高さ、および、液体と泡を含む全体の高さを目視で測定し、泡の割合を示す指標として「全体の高さ/液体部分の高さ」を計算した。
また、泡の割合を示す「全体の高さ/液体部分の高さ」は以下のとおり評価した。
・「×」:全体の高さ/液体部分の高さが1.30以上であり、発酵最盛期に生じる泡が製造設備の二酸化炭素回収ラインに侵入する等の恐れが高いと推測される。
・「△」:全体の高さ/液体部分の高さが1.20以上1.30未満であり、発酵最盛期に生じる泡が製造設備の二酸化炭素回収ラインに侵入する等の恐れがやや高いと推測される。
・「○」:全体の高さ/液体部分の高さ1.20未満であり、発酵最盛期に生じる泡製造設備の二酸化炭素回収ラインに侵入する等の恐れは低いと推測される。
Figure 0006719627
表1に示すとおり、同じ麦芽比率の試験例2と3を比較すると、ビールテイスト飲料においてホップを使用しない場合、発酵工程の泡の量が減少し、発酵最盛期の泡によって二酸化炭素回収ライン等の設備に侵入して汚染するといった弊害の抑制効果は高いと考えられる。
また、ホップを使用しない試験例3と4を比較すると、ビールテイスト飲料において麦芽の比率を低くすると、発酵工程の泡の発生量および堆積量が減少するため、同様に、設備の汚染の抑制効果は高いと考えられる。この傾向は、試験例1と2を比較することによっても現れている。
このような表1の結果から、イソα酸を実質的に含有しないビールテイスト飲料において、全窒素量、総ポリフェノール量が所定の範囲内に制御すると、発酵工程における泡の発生量および堆積量を抑制できることがわかった。
ビールテイスト飲料の官能評価(実施例1〜3、比較例1、2)
粉砕した大麦麦芽を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該原料液を煮沸釜に投入し、麦芽比率55質量%になるように糖液を添加し温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
このようにして得られた発酵前液を煮沸してから冷却した後、得られた発酵もろみにビール酵母(下面発酵酵母)を添加して約1週間発酵させた後、さらに約1週間の熟成期間を経て、酵母をろ過で除去して、エキス調整水およびカプロン酸エチルを添加しビールテイスト飲料を調製した。なお、このようにして得られた飲料は、容器に詰めた後、加熱殺菌を実施した。
このようにして得られたビールテイスト飲料における全窒素量、総ポリフェノール量、イソα散の含有量および原麦汁エキス濃度は表2に記載のとおりであり、いずれもpHは4.0未満であった。
ビールテイスト飲料の官能評価(実施例4〜9、比較例3〜6)
粉砕した大麦麦芽およびタンパク分解酵素を温水120Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に温度を上げて保持し、ろ過して麦芽粕を除去した。その後、当該原料液を煮沸釜に投入し、表3および4に記載された麦芽比率になるように糖液を添加し温水で100Lに調整して熱麦汁を得た。熱麦汁を冷却し、酸素による通気を実施することで酵母添加前の発酵前液60Lを得た。
このようにして得られた発酵前液を、実施例1〜3と同様に処理してビールテイスト飲料を調製した。なお、このようにして得られた飲料は、容器に詰めた後、加熱殺菌を実施した。
得られたビールテイスト飲料における全窒素量、総ポリフェノール量、イソα散の含有量および原麦汁エキス濃度は表3および4に記載のとおりであり、いずれもpHは4.0未満であった。
得られたビールテイスト飲料の評価は、同一の6人のパネラーが、各飲料の試飲をし、以下のように行った。
[ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし]
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし」をそれぞれ下記基準によって3段階で評価した。なお、「ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし」の評価前に、予め、それぞれの評価が「2」となるサンプルを用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。
(ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごしの評価)
・「3」:非常に良い。
・「2」:良い。
・「1」:悪い。
そして、6人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
[ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り]
4℃程度まで冷却したビールテイスト飲料を、各パネラーが試飲し、「ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り」をそれぞれ下記基準によって3段階で評価した。なお、「ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り」の評価前に、予め、それぞれの評価が「2」となるサンプルを用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。
(ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香りの評価)
・「3」:感じない。
・「2」:ほとんど感じない。
・「1」:感じる。
そして、6人のパネラーの平均値を基に、以下の基準で評価をし、2.0以上を合格とした。
[ビールテイスト飲料の総合評価]
また、各パネラーが試飲した際の、「ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし」および「ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り」に基づき総合評価を、下記基準によって3段階で評価した。
・「〇」:「ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし」および「ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り」の評価の両者が2.5以上。
・「△」:「○」および「×」に該当しない。
・「×」:「ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごし」および「ビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香り」の評価のどちらか一方が2未満。
各ビールテイスト飲料の評価の結果を表2〜表4に示す。なお、表2〜表4のいずれの官能評価においても、各パネラー間での2段階以上の評価の差異は確認されなかった。
Figure 0006719627
Figure 0006719627
Figure 0006719627
実施例1〜3および比較例1、2のビールテイスト飲料はいずれも、麦芽比率が55質量%、イソα酸の含有量が0.1質量ppm、全窒素量が96.3mg/100mL、総ポリフェノール量が88.5質量ppmおよび原麦汁エキス濃度13質量%のビールテイスト飲料である(表2)。これらのビールテイスト飲料を比較すると、カプロン酸エチルの含有量が1.1、2、5mg/Lの飲料では、ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごしおよびビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香りがいずれも一定の評価以上であり、風味の優れたビールテイスト飲料であった。
実施例4〜6および比較例3〜4のビールテイスト飲料はいずれも、麦芽比率が25質量%、イソα酸の含有量が0.1質量ppm、全窒素量が37.1mg/100mL、総ポリフェノール量が34.1質量ppmおよび原麦汁エキス濃度11.01質量%のビールテイスト飲料である(表3)。これらのビールテイスト飲料を比較すると、カプロン酸エチルの含有量が1.1、2、5mg/Lの飲料では、ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごしおよびビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香りがいずれも一定の評価以上であり、風味の優れたビールテイスト飲料であった。
実施例7〜9および比較例5〜6のビールテイスト飲料はいずれも、麦芽比率が5質量%、イソα酸の含有量が0.1質量ppm、全窒素量が6.14mg/100mL、総ポリフェノール量が5.64質量ppmおよび原麦汁エキス濃度9.11質量%のビールテイスト飲料である(表4)。これらのビールテイスト飲料を比較すると、カプロン酸エチルの含有量が1.1、2、5mg/Lの飲料では、ビールテイスト飲料らしい軽快なのどごしおよびビールテイスト飲料として不適なパイナップル様の香りがいずれも一定の評価以上であり、風味の優れたビールテイスト飲料であった。

Claims (10)

  1. イソα酸の含有量が0.1質量ppm以下、全窒素量が3〜120mg/100mL、総ポリフェノール量が3〜90質量ppm、および、カプロン酸エチルの含有量が1.1〜7mg/Lであるビールテイスト飲料。
  2. 全窒素量が6〜97mg/100mLであり、
    総ポリフェノール量が5〜89質量ppmである、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 原麦汁エキス(O−Ex)濃度が5〜18質量%である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
  4. 全窒素量(mg/100mL)/総ポリフェノール量(質量ppm)が0.04〜25である、請求項1〜3のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
  5. 窒素またはポリフェノールの少なくとも一部が麦芽由来である、請求項1〜4のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
    水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. ホップを配合する工程を有しない、請求項6に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  8. 麦芽比率が55質量%以下である、請求項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  9. さらに、酵母が資化可能な原料からなる群から選ばれる1種以上を配合する工程を有する、請求項6〜8のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  10. さらに、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有する、請求項6〜9のいずれかに記載のビールテイスト飲料の製造方法。
JP2019130639A 2019-07-12 2019-07-12 ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法 Active JP6719627B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019130639A JP6719627B1 (ja) 2019-07-12 2019-07-12 ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019130639A JP6719627B1 (ja) 2019-07-12 2019-07-12 ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6719627B1 true JP6719627B1 (ja) 2020-07-08
JP2021013348A JP2021013348A (ja) 2021-02-12

Family

ID=71402401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019130639A Active JP6719627B1 (ja) 2019-07-12 2019-07-12 ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6719627B1 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6087625B2 (ja) * 2012-12-28 2017-03-01 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料の製造方法
JP6084460B2 (ja) * 2012-12-28 2017-02-22 サントリーホールディングス株式会社 新規ビールテイスト飲料
JP2017006077A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 キリン株式会社 ビールらしい苦味や後キレを有するビールテイスト飲料
JP6010713B1 (ja) * 2016-04-05 2016-10-19 花王株式会社 ビアテイスト飲料
JP6960742B2 (ja) * 2017-02-07 2021-11-05 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料およびその製造方法
JP7060337B2 (ja) * 2017-05-09 2022-04-26 サッポロビール株式会社 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料に濃醇さと味のマイルド感を付与する方法
EP3670641A4 (en) * 2017-08-18 2021-08-04 Asahi Group Holdings, Ltd. UNSWEETENED TASTE DRINK
JP7057296B2 (ja) * 2019-02-12 2022-04-19 サッポロビール株式会社 ビールテイスト飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021013348A (ja) 2021-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6703173B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6706374B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6676813B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6719626B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6706373B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6622898B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7455899B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP2021073910A (ja) 非甘味性飲料、および非甘味性飲料の製造方法
JP2020103167A (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6676812B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
WO2022118775A1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6622897B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7281345B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6622895B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6719627B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6703172B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6692970B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP2020103272A (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP2020103170A (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP6676811B1 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7015345B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7018480B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7281346B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法
JP7449673B2 (ja) 非甘味性飲料、および非甘味性飲料の製造方法
JP7281347B2 (ja) ビールテイスト飲料、およびビールテイスト飲料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190826

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190826

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200318

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200318

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200331

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6719627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250