JP2017165448A - 水硬性組成物用カートリッジ及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、施工方法においても、目地等の細かい箇所への少量の施工は手間がかかり煩雑であり、特に上向き施工が難しく、均質に施工をすることは難しかった。
しかも、このような水硬性組成物用カートリッジを用いることで、モルタルの撹拌混合作業と充填作業を同一の容器で行い、撹拌混合作業中の粉塵の発生をほぼゼロに抑え、上向き施工、孔内充填施工を含む、コテやヘラでは不得意としていた施工を簡便に行うことができる。
(1)一端に吐出口を有するシリンダと、シリンダ内において、吐出口に向かって移動可能なピストン壁と、シリンダ及びピストン壁により形成される空間に収容されている水硬性組成物の粉体と、空間にさらに収容されている、水を封入したガラス管とを含む水硬性組成物用カートリッジ。
(2)ガラス管は円筒形状を有し、ガラス管の内径は8〜14mmであり、ガラス管の肉厚は0.6〜1.4mmである上記(1)に記載の水硬性組成物用カートリッジ。
(3)シリンダの長さ方向におけるガラス管の長さが、吐出口のピストン壁側の端からピストン壁までの長さの7/10〜14/15であり、ガラス管の本数は3〜6本である上記(2)に記載の水硬性組成物用カートリッジ。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法であって、シリンダ内で、水を封入したガラス管を粉砕しながら水硬性組成物の粉体を撹拌することによって、水硬性組成物の粉体及び水を撹拌混合し、水硬性組成物の粉体と水とガラス管を粉砕することにより得られた骨材とを含むスラリーを作製する工程、及び、ピストン壁を吐出口側に移動させて吐出口からスラリーを押出す工程を含む水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
(5)スラリーを作製する工程は、1本の棒状体から構成され、棒状体は、把持部、直線部、シリンダ内の側壁に沿って延在しかつ部分的に側壁に接触可能な側壁接触部、シリンダ内の底面に沿って延在しかつ部分的に底面に接触可能な底面接触部、及びシリンダ内壁の損傷を抑制する先端部の順序で構成され、側壁接触部から先端部までの各部の曲がりは、シリンダの吐出口より挿入することが可能な範囲であり、側壁接触部及び該底面接触部は、シリンダ内でシリンダの内壁に沿うような形状で構成されているカートリッジ用撹拌棒を使用して、水硬性組成物の粉体及び水を撹拌混合する上記(4)に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
(6)スラリーを押出す工程は、水硬性組成物用カートリッジを吐出機に装着して行う上記(4)又は(5)に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
本発明の一実施形態に係る水硬性組成物用カートリッジは、一端に吐出口を有するシリンダと、シリンダ内において、吐出口に向かって移動可能なピストン壁と、シリンダ及びピストン壁により形成される空間に収容されている水硬性組成物の粉体と、空間にさらに収容されている、水を封入したガラス管とを含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る水硬性組成物用カートリッジ100は、図1(b)に示すように、一端に吐出口6を有するシリンダ1と、シリンダ内において、吐出口6に向かって移動可能なピストン壁2と、シリンダ1及びピストン壁2により形成される空間に収容されている水硬性組成物の粉体3と、上記空間にさらに収容されている、水4を封入したガラス管5とを含む。
図1(c)に示すように、シリンダ1の形状は例えば円筒形状であり、ピストン壁2がシリンダ1の吐出口6に向かってシリンダ1の内壁に沿ってシリンダ内を移動できる距離が長くなるような形状、すなわちピストン壁2が可能な限り吐出口6に近づけるような形状を採用する。
これにより、シリンダ内部で液体と混合された水硬性組成物を無駄なく押出して使用することができる。
このように吐出口6を封止することで、シリンダ1とピストン壁2とにより形成される空間と外気とは遮断され、シリンダ内部に収容されている水硬性組成物の粉体3が空気中に含まれる水分と接触することを回避でき、本発明の水硬性組成物用カートリッジの寿命を長くすることが可能となる。
これにより、シリンダ1の内壁に沿ってピストン壁2がスムーズに移動することが可能となるとともに、ピストン壁2とシリンダ1との内壁との間がシールされる。
例えば、シリコーンシーラントのカートリッジに用いられるピストン壁2の多くが円錐台状の形状をしており、ピストン壁2の一部の外周がシリンダ1の内壁の内周より小さいと、ピストン壁2とシリンダ1の内壁との間に隙間が形成され、ピストン壁2がシリンダ1の吐出口6の方向に移動する際に、水硬性組成物中に含まれる砂のような骨材が間隙に入って、ピストン壁2の移動を妨げるようになり、好ましくない。したがって、ピストン壁2の外周には、シリンダ1の内壁の内周よりも小さい箇所がないことが好ましい。
水硬性組成物の粉体3としては、水硬性粉体のみ、水硬性粉体及び非水硬性粉体、さらには、これらの粉体に増粘剤等を添加したものを使用することができる。
水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体が含まれる。
上記水硬性粉体は、成形時の可使時間の点から平均粒径10〜50μm程度のものが好ましく、また、高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上のものであることが好ましい。
非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、珪砂粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体が好ましい。
ガラス管5はガラス製であるので、ガラス管5の肉厚を容易に薄くできる。
また、ガラス管5はガラス製であるので割れやすい。
これにより、水硬性組成物の粉体を撹拌する操作で、水を封入したガラス管を容易に粉砕することができる。
しかし、ガラス管5を粉砕することによって得られる骨材が膨張材としての機能を有することから、好ましいガラス管5の材料はケイ酸塩ガラスであり、特に好ましいガラス管5の材料はホウケイ酸ガラスである。
また、ガラス管5を割れやすくするために、加熱したガラス管5を急冷して歪み応力をガラス管5に生じさせてもよい。
ガラス管5の内径が8〜14mmであると、シリンダ内で水硬性組成物の粉体3を撹拌する操作によって、ガラス管5を十分に粉砕することができる。
水硬性組成物用カートリッジが未使用のときにガラス管5が割れることを抑制できるとともに、シリンダ内での水硬性組成物の粉体を撹拌する操作でガラス管5を粉砕することができるという観点から、ガラス管5の肉厚は、好ましくは0.6〜1.4mmであり、より好ましくは0.6〜1.2mmであり、さらに好ましくは0.8〜1.0mmである。
これにより、水硬性組成物の粉体3を硬化させるのに十分な量の水をガラス管5に収容させることができる。
この場合、シリンダ1及びピストン壁2により形成される空間に収容されるガラス管5の本数は、好ましくは3〜6本であり、より好ましくは4〜6本である。
ガラス管5の本数が3〜6本であると、シリンダ内での水硬性組成物の粉体を撹拌する操作でガラス管5を十分に粉砕することができる。
なお、ガラス管5の長さは、ミキサーをカートリッジ内に入れる時に、ミキサーの挿入を阻害しない空間ができるような長さであることが好ましい。
また、シリンダ1の長さ方向における吐出口6のピストン壁側の端からガラス管5の端までの距離は20mm以上であることが好ましい。
また、ピストン壁2からガラス管5の端までの距離は5mm以内の範囲であることが好ましい。
図2(a)に示すように、スラリーを作製する工程では、水4を封入したガラス管5を粉砕しながら水硬性組成物の粉体3を撹拌する。
ガラス管5が粉砕されると、ガラス管5に封入されていた水4は開放され、水硬性組成物の粉体3及び水4は撹拌混合されることになる。
粉砕されたガラス管5は骨材となる。
そして、図2(b)に示すように、水硬性組成物の粉体と水とガラス管を粉砕することによって得られた骨材10aとを含むスラリー10が作製される。
これにより、水硬性組成物用カートリッジに水を注入する必要がなくなる。
その結果、水をカートリッジに注入する際に水をこぼしたり、水を注入した後の水が入っていた空容器が廃棄物となったりすることを防止することができる。
カートリッジ用撹拌棒210は、1本の棒状体から構成されている。
棒状体は、把持部P1、直線部P2、シリンダ内の側壁に沿って延在しかつ部分的に側壁に接触可能な側壁接触部P3、シリンダ内の底面に沿って延在しかつ部分的に底面に接触可能な底面接触部P4、及びシリンダ内壁の損傷を抑制する先端部P5の順序で構成される。
側壁接触部P3から先端部P5までの各部の曲がりは、シリンダ1の吐出口6より挿入することが可能な範囲である。
側壁接触部P3及び底面接触部P4は、シリンダ内でシリンダの内壁に沿うような形状で構成されている。
このようなカートリッジ用撹拌棒210を使用して、水4を封入したガラス管5を粉砕しながら水硬性組成物の粉体3を撹拌してもよい。
なお、シリンダ1の底面はピストン壁2により構成される。
このような曲線構造を採用することにより、カートリッジ用撹拌棒210と、シリンダ内の水硬性組成物との接触部が大きくなり、効率よく撹拌することができる。
ただし、曲線部が長くなり過ぎると、逆に水硬性組成物との接触部が大きくなって抵抗が大きくなり過ぎてしまい、撹拌時に労力を要するようになってしまうため、曲線部は、延長方向を軸として2周以内の範囲に収めることが好適である。
従って、シリンダ内の側壁及び底面などの内壁近くに滞留する水硬性組成物の粉体3を効率よく撹拌するために、側壁接触部P3及び底面接触部P4の形状は、シリンダ内でシリンダ1の内壁に沿うような形状で構成することが好適である。
把持部P1は、カートリッジ用撹拌棒210を使用する際に把持する部分であり、直線部P2と特に構成上異なる点はない。
ただし、カートリッジ用撹拌棒210を使用する際に、把持しやすくなるように把持部を太くしたり、クッション等を巻いたり、又は把持部にジョイント部を設けて、機械と接続させる等することは適宜可能である。
直線部P2は、使用時や、水硬性組成物用カートリッジ100にカートリッジ用撹拌棒210を挿入する際に、直線部P2が吐出口6に引っかかったり、直線部P2がねじれたり、直線部P2が曲がったり、直線部P2が折れたりする等の不都合が生じるようなものでなければ、その長さや太さは特に限定されない。
側壁接触部P3は、その一部が側壁と接触している程度に、曲線状にすれば十分にその目的を達することができるが、側壁近くに滞留した水硬性組成物を効率よく撹拌するために、側壁に沿うような形状で構成することが望ましい。
底面接触部P4も、側壁接触部P3と同様、十分な撹拌効果を確保するために、底面に沿うような形状で構成することが望ましく、さらに好適には、底面接触部P4の、シリンダ底面と接触可能な部分の長さは、直線に換算してシリンダ底面の直径の4分の1以上あることが好ましい。
また、曲げにおいても、滑らかに曲げるだけでなく、折れ曲げるなどの加工を施してもよい。
先端を丸く形成するには、撹拌棒を形成する前又は形成した後に、やすり等で先端を削って丸く形成する。
また、先端部P5にシリコン等の保護材を被せることにより、先端を丸く形成することも可能である。
そして、先端部P5よりシリンダ1の吐出口6に挿入し、カートリッジ用撹拌棒210の曲率に合わせて角度を調整して、図2(a)のようにカートリッジ用撹拌棒210が水硬性組成物用カートリッジ100内に収まるようにする。
このとき、カートリッジ用撹拌棒210の、側壁接触部P3から先端部P5までの各部の曲がりは、カートリッジ用撹拌棒210をシリンダ1の吐出口6より挿入することが可能な範囲であるため、容易にカートリッジ用撹拌棒210を水硬性組成物用カートリッジ100内に挿入することができる。
そして、カートリッジ用撹拌棒210を、カートリッジ用撹拌棒210の軸を中心に回転させ、シリンダ1の軸方向に上下させて水硬性組成物の粉体3を撹拌する。
また、カートリッジ用撹拌棒210を左右方向や斜め方向に動かしたり、カートリッジ用撹拌棒上の一点を中心として振り子状運動をさせる等、種々の撹拌方法も採用できる。
ガラス管5が破壊されることにより生成するガラス片は、カートリッジ用撹拌棒210と何度も衝突し、その結果、ガラス片は、微細な骨材10aとなる。
また、カートリッジ用撹拌棒210の底面接触部P4は、シリンダ1の底面に沿うような形状で構成されているため、底面接触部P4をシリンダ1の底面に接触させながら撹拌することで、底面にこびりついた水硬性組成物をこそぎ落とし、底面近くの水硬性組成物を効率よく撹拌することができる。
また、上記構成を採用しない場合にも、カートリッジ用撹拌棒210の底面接触部P4の部分を、シリンダ1の吐出口6の周りの内壁に接触させながら撹拌することで、吐出口6の周りの内壁にこびりついたり滞留している水硬性組成物を、効率よく撹拌することができる。
スラリー10を押出す工程では、図3に示すように、ピストン壁2を吐出口6側に移動させて吐出口6からスラリー10を押出す。
そして、図4に示すように、スラリー10を所望する箇所に、例えばアンカー筋を挿入するための孔300の中に適用する。
吐出機20は、本発明の水硬性組成物用カートリッジ100を装着するカートリッジ用ガンとして使用することができる。
本発明の一実施形態に係る水硬性組成物用カートリッジ100は、例えば、図3に示すように、ノズル11の先端をカットし吐出口6に取り付け、吐出機20に装着されて、施工に用いられる。
先端支持部材21や胴体支持部材22、又は後述するボディ23などは必要に応じて一体的に形成することも可能である。
胴体支持部材22は、先端支持部材21と連結されている側とは逆側で、ボディ23と連結されている。さらに、ボディ23には把持部24が固定され、ボディの支点29を中心に可動するレバー25を片手でも動作させやすいよう構成されている。
レバー25の動きに連動する連動部26が設けられ、連動部26の移動により押圧軸27がカートリッジ方向に移動するよう構成されている。
押圧軸27は、連動部26の動作によりカートリッジ方向のみに移動可能とされている。
また、ピストン壁2は、その外気側、すなわちスラリー10と接しているピストン壁2の面とは逆の面側で、吐出機20の押圧軸27の押圧部28と接している。
これにより、支点29でレバー25に連動するように構成されている連動部26がカートリッジ方向のノズル側に移動し、そして、連動部26と連結されている押圧軸27も移動する。
これにより、押圧軸27と一体となっている押圧部28がカートリッジ方向のノズル側へ移動し、ピストン壁2は同様にカートリッジ方向のノズル側へ移動し、シリンダ内のスラリー10が吐出口6及びノズル11より吐出する。
レバー25と連動部26とは自動的に元の位置に戻るよう構成されているが、連動部26が戻る際には、押圧軸27は移動しないよう構成されている。
これにより、レバー25を把持部24側に引き寄せるたび毎に、押圧軸27がカートリッジ方向のノズル側のみに移動する。
そして、使用者が水硬性組成物用カートリッジ100を装着した吐出機20の把持部24とレバー25とを手で握り、支点29を中心にレバー25を把持部24の方向に引き寄せる度に、スラリー10を水硬性組成物用カートリッジ100から吐出させることができる。
例えば、図5(a)に示す水硬性組成物用カートリッジ100Aのように、ガラス管5Aの本数は2であってもよいし、図5(b)に示す水硬性組成物用カートリッジ100Bのように、ガラス管5Bの本数は6であってもよい。
なお、図5(a)は、シリンダ1Aの軸方向に対して垂直方向における水硬性組成物用カートリッジ100Aの断面図であり、図5(b)は、シリンダ1Bの軸方向に対して垂直方向における水硬性組成物用カートリッジ100Bの断面図である。
また、符号1A及び1Bはシリンダを示し、符号3A及び3Bは水硬性組成物の粉体を示し、符号4A及び4Bは水を示す。
例えば、図5(c)に示す水硬性組成物用カートリッジ100Cのように、ガラス管5Cの軸に対して垂直方向のガラス管5Cの断面は正方形等の多角形であってもよい。
なお、図5(c)は、シリンダ1Cの軸方向に対して垂直方向における水硬性組成物用カートリッジ100Cの断面図である。
また、符号1Cはシリンダを示し、符号3Cは水硬性組成物の粉体を示し、符号4Cは水を示す。
しかし、ガラス管5はそこまで長くなくてもよい。
例えば、図5(d)に示す水硬性組成物用カートリッジ100Dのように、短いガラス管5Dがシリンダ1D内に分散していてもよい。
なお、図5(d)は、本発明の一実施形態に係る水硬性組成物用カートリッジ100Dの軸方向の断面図である。
また、符号2Dはピストン壁を示し、符号3Dは水硬性組成物の粉体を示し、符号4Dは水を示し、符号6Dは吐出口を示す。
[試験方法]
(1)下記の表1に示す量の水硬性組成物の粉体と、表1に示すガラス外径、内径、肉厚及び長さを有し、水が封入された、表1に示す本数のガラス管とを、図1に示すシリンダに収容した後、図1に示すピストン壁でシリンダの吐出口の反対側を閉鎖して参考例1〜11のカートリッジを作製した。なお、カートリッジのシリンダの寸法等は以下のとおりである。
シリンダの長さ:229.05mm
シリンダの外径:φ50.1mm
シリンダの内径:φ47.8mm
吐出口の内径:φ16.5mm
吐出口の入口側端からシリンダの端までの距離:216.8mm
(2)シリンダの吐出口より、図2(a)に示す撹拌棒を底部まで押し込みインパクトドリルにて撹拌し、ガラス管を粉砕するとともに水硬性組成物及び水を撹拌混合した。
(3)30秒撹拌後、撹拌棒を取り出し、カートリッジを図3に示す吐出機に取り付けた。
(4)カートリッジからスラリーを排出した。
(撹拌棒の挿入性)
撹拌棒がシリンダの底部まで入れば、○と評価した。しかし、底部まで入らなければ×と評価した。
(排出性)
シリンダ内のスラリーをほぼ全て排出できた場合は○と評価し、スラリーがシリンダ内に大分残ってしまう場合は×と評価した。
評価結果を下記の表1に示す。
この結果より、ガラス管の肉厚及び内径並びにガラス管の本数を適宜選択することによって、シリンダにガラス管を収容した場合でも撹拌棒を挿入することができ、シリンダ内のガラス管を粉砕でき、そしてシリンダ内のスラリーを排出できることがわかった。
上記実施例では、ガラス管の内径は8〜13mmであり、ガラス管の肉厚は1.2mm以下であることが好ましかった。
また、この試験では、ガラス管の本数は3〜6本であることが好ましかった。
[試験方法]
(1)図3に示すカートリッジ用ガンを使用して、穿孔内にスラリーを注入した。
(2)スラリーが注入された穿孔にアンカー筋を差し込んだ。
なお、試験条件の詳細は、下記の表2に示す。
○:アンカー筋が手で差し込める。
△:アンカー筋をハンマーで打ち込みが必要。
×:アンカー筋をハンマーで打ち込んでも定着長まで入らない。
評価結果を下記の表2に示す。この結果より、撹拌棒を使用してガラス管を粉砕することによって得られた骨材を含むスラリーを注入した穿孔に、アンカー筋を差し込めることがわかった。
この試験では、有効埋め込み長さは15d以下(アンカー筋の直径の15倍の長さ以下)が好ましかった。
2,2D ピストン壁
3,3A〜3D 水硬性組成物の粉体
4,4A〜4D 水
5,5A〜5D ガラス管
6 吐出口
7 封止手段
10 スラリー
10a 骨材
11 ノズル
20 吐出機
21 先端支持部材
22 胴体支持部材
23 ボディ
24 把持部
25 レバー
26 連動部
27 押圧軸
28 押圧部
29 支点
100 水硬性組成物用カートリッジ
210 カートリッジ用撹拌棒
220 充電式インパクトドライバ
300 アンカー筋を挿入するための孔
P1 把持部
P2 直線部
P3 側壁接触部
P4 底面接触部
P5 先端部
Claims (6)
- 一端に吐出口を有するシリンダと、
前記シリンダ内において、前記吐出口に向かって移動可能なピストン壁と、
前記シリンダ及び前記ピストン壁により形成される空間に収容されている水硬性組成物の粉体と、
前記空間にさらに収容されている、水を封入したガラス管とを含む水硬性組成物用カートリッジ。 - 前記ガラス管は円筒形状を有し、
前記ガラス管の内径は8〜14mmであり、
前記ガラス管の肉厚は0.6〜1.4mmである請求項1に記載の水硬性組成物用カートリッジ。 - 前記シリンダの長さ方向における前記ガラス管の長さが、前記吐出口の前記ピストン壁側の端から前記ピストン壁までの長さの7/10〜14/15であり、
前記ガラス管の本数は3〜6本である請求項2に記載の水硬性組成物用カートリッジ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法であって、
前記シリンダ内で、水を封入した前記ガラス管を粉砕しながら前記水硬性組成物の粉体を撹拌することによって、前記水硬性組成物の粉体及び前記水を撹拌混合し、前記水硬性組成物の粉体と前記水と前記ガラス管を粉砕することにより得られた骨材とを含むスラリーを作製する工程、及び、
前記ピストン壁を前記吐出口側に移動させて前記吐出口から前記スラリーを押出す工程を含む水硬性組成物用カートリッジの使用方法。 - 前記スラリーを作製する工程は、1本の棒状体から構成され、前記棒状体は、把持部、直線部、前記シリンダ内の側壁に沿って延在しかつ部分的に側壁に接触可能な側壁接触部、前記シリンダ内の底面に沿って延在しかつ部分的に底面に接触可能な底面接触部、及び前記シリンダ内壁の損傷を抑制する先端部の順序で構成され、前記側壁接触部から前記先端部までの各部の曲がりは、前記シリンダの吐出口より挿入することが可能な範囲であり、前記側壁接触部及び該底面接触部は、前記シリンダ内で前記シリンダの内壁に沿うような形状で構成されているカートリッジ用撹拌棒を使用して、前記水硬性組成物の粉体及び水を撹拌混合する請求項4に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
- 前記スラリーを押出す工程は、前記水硬性組成物用カートリッジを吐出機に装着して行う請求項4又は5に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
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