JP5458609B2 - 水硬性組成物用カートリッジ及びその使用方法 - Google Patents
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Description
また施工方法においても、目地等の細かい箇所への少量の施工は手間がかかり煩雑であり、特に上向き施工が難しく、均質に施工をすることは難しかった。
かかる撹拌棒を備える構造を有する吐出機は、装置の構造が煩雑であり、また混合されるべき複数の成分、例えば第1成分と第2成分とが予め充填されていると重量が重くなるとともに搬送にも手間がかかり、従って高価なものとなってしまう。
そして、本発明の目的は、前記本発明の水硬性組成物用カートリッジを用いて、モルタルの撹拌混合作業と充填作業を同一の容器で行い、撹拌混合作業中の粉塵の発生をほぼゼロに抑え、上向き施工、孔内充填施工を含む、コテやヘラでは不得意としていた施工を簡便に行うことのできる、水硬性組成物用カートリッジの使用方法を提供する。
また好適には、当該水硬性組成物用カートリッジは、前記水硬性組成物用カートリッジにおいて、該シリンダ内には、該水硬性組成物の粉体が該ピストン壁側に偏って充填され、該吐出口側の該シリンダの内面と、前記充填された水硬性組成物粉体の端面との間には空洞が形成されていることを特徴とする水硬性組成物用カートリッジである。
より好適には当該水硬性組成物用カートリッジは、前記水硬性組成物用カートリッジにおいて、該ピストン壁は該シリンダの内面と密着する形状であることを特徴とする水硬性組成物用カートリッジである。
好適には、本発明の水硬性組成物用カートリッジの使用方法は、前記水硬性組成物用カートリッジの使用方法において、該吐出口から水硬性組成物を押出す際には、該カートリッジをシーリングガンに装着して行うことを特徴とする水硬性組成物用カートリッジの使用方法である。
また、モルタル等の水硬性組成物を調製するための特別な道具を必要とせず、水を加えて該カートリッジを振ることで容易に撹拌することができ、簡単にモルタル等の水硬性組成物を調製することができる。
さらに、本発明のカートリッジの内部に液体を添加して混合撹拌して水硬性組成物を調製した後のカートリッジを用いて、調製した水硬性組成物を少量簡便に、手軽に施工することができる。
その間、モルタル等の水硬性組成物は密閉したカートリッジの中で混合撹拌されて、施工されるため、粉塵の発生がほとんど無く、通常の混合容器のように容器の汚れで施工現場を汚すこともない。
また、本発明の水硬性組成物用カートリッジの使用方法は、前記本発明の水硬性組成物用カートリッジを用いて、その付属のノズルによる注入工法により、上向き施工、孔内充填施工を含め、コテやヘラでは不得意としていた施工を簡便に実施することができる。
本発明の水硬性組成物用カートリッジは、一端に吐出口6を有するシリンダ1と、該シリンダ1内において、該吐出口6に向かって移動可能なピストン壁2と、該シリンダ1内に水硬性組成物の粉体3が収容されていることを特徴とする。
本発明に係る水硬性組成物用カートリッジは、図1に示すように、シリンダ1、吐出口封止用アルミシート4、移動可能なピストン壁2及び水硬性組成物粉体3を備える。
シリンダ1の形状は円筒形等であり、ピストン壁2がシリンダ1の吐出口6に向かってシリンダ1の内壁に沿ってシリンダ1内を移動できる距離が長くなるような形状、すなわちピストン壁2が可能な限り吐出口6に近づけるような形状を採用する。
これにより、シリンダ内部で液体と混合された水硬性組成物を無駄なく押出して使用することができる。
吐出口6を封止する手段としては、図1に示すように、吐出口6をアルミシート4のような封止シートを設けることによっても、吐出口6にキャップを備えることによっても、またアルミシート4を設けるとともにキャップで封止することによっても、いずれの手段を用いてもよい。
このように該吐出口6を封止することで、内部と外気とは遮断され、シリンダ1内部に収容されている水硬性組成物粉体3が空気中に含まれる水分と接触することを回避でき、本発明に係る水硬性組成物用カートリッジの寿命を長くすることが可能となる。
これにより、シリンダ1の内壁に沿ってピストン壁2がスムースに移動することが可能となるとともに、ピストン壁2とシリンダ1との内壁との間がシールされる。
例えば、シリコーンシーラントのカートリッジに用いられるピストン壁2の多くが円錐台状の形状をしており、該ピストン壁2の一部の外周がシリンダ1の内壁の内周より小さいと、ピストン壁2とシリンダ1の内壁との間に隙間が形成され、ピストン壁2がシリンダ1の吐出口6の方向に移動する際に、水硬性組成物中に含まれる砂のような骨材が該間隙に入って、ピストン壁2の移動を妨げるようになり、好ましくない。
水硬性組成物粉体3としては、水硬性粉体のみ、水硬性粉体及び非水硬性粉体、更には、これらの粉体に増粘剤等を添加したものを使用することができる。
水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、好ましくはポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が含まれる。
前記水硬性粉体は、成形時の可使時間の点から平均粒径10〜50μm程度のものが好ましく、また、高強度を確保する点から、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上のものであることが好ましい。
非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、珪砂粉末、粘土粉末及びシリカヒューム粉末からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が好ましい。
上記水硬性組成物粉体3は、該カートリッジの容器を立てた場合、上記ピストン壁2側に偏って充填され、空洞5が、吐出口6側に出現することが望ましい。
すなわち、該空洞5は、該吐出口6側のシリンダ1の内面と、前記充填された水硬性組成物粉体3の端面との間に設けられることが好ましい。
水硬性組成物粉体3と反応する水等の液体Aの容量は、水硬性組成物粉体3の成分や、得られる水硬性組成物の所望する粘性により変動するものであり、予め設定することができるものである。
これにより、シリンダ1内で得られる水硬性組成物の容量を可能な限り多くするとともに、導入した液体Aと水硬性組成物粉体3とが振動によりスムースに撹拌混合することができる。
例えば、本発明の図1で示される水硬性組成物用カートリッジのノズルを取り除いて、吐出口6を封止していた、内部のアルミシート4を破断して、水等の液体Aを、該シリンダ1の該吐出口6よりシリンダ1内に設けられた空洞5に導入する。
予め設定された容量の液体Aを該空洞5内に導入したあと、例えばキャップ等の簡易な封止手段7によって、該吐出口6を仮密封する。
振動は、人力によってカートリッジを上下、左右等に振る方法や、機械を用いて振動を与える方法であってもよく、物理的に、シリンダ1内の水硬性組成物粉体3と導入された液体Aとが均質に混合される方法であれば採用することができる。
従って、水硬性組成物粉体3と液体Aとを撹拌混合して水硬性組成物10を得るのに、特別な装置等を必要とせず、簡便に混合することが可能となる。
シーリングガンまたはコーキングガンは、本発明のカートリッジを装着するカートリッジ用ガンとして使用することができる。
本発明のカートリッジは、キャップ等の封止手段7をはずした状態で、ノズル11の先端をカットし吐出口6に取り付け、カートリッジ用ガンに装着されて、施工に用いられる。かかる状態を模式的に示したのが図3である。
該胴体支持部材22は、先端支持部材21と連結されている側とは逆側で、ボディ23と連結されている。さらに、該ボディ23には把持部24が固定され、該ボディの支点29を中心に可動するレバー25を片手でも動作させ易いよう構成されている。レバー25の動きに連動する連動部26が設けられ、連動部26の移動により押圧軸27がカートリッジ方向に移動するよう構成されている。押圧軸27は、連動部26の動作によりカートリッジ方向のみに移動可能とされている。また、ピストン壁2は、その外気側、すなわち水硬性組成物10と接しているピストン壁2の面とは逆の面側で、ガン20の押圧軸27の押圧部28と接している。
レバー25と連動部26とは自動的に元の位置に戻るよう構成されているが、連動部26が戻る際には、押圧軸27は移動しないよう構成され、レバー25を把持部24側に引き寄せるたび毎に、押圧軸27がカードリッジ方向のみに移動し、水硬性組成物10を吐出させる。
従って、少量の水硬性組成物を簡便に、粉塵がほぼ発生せず、手軽に施工することができるとともに、本発明の水硬性組成物用カートリッジを用いて、上向き施工、孔内充填施工を含め、ばらつきのない施工を簡便に実施することが可能となる。
2 ピストン壁
3 水硬性組成物粉体
4 アルミシート
5 空洞
6 吐出口
7 封止手段
A 液体
10 水硬性組成物
11 ノズル
20 カートリッジ用ガン
21 先端支持部材
22 胴体支持部材
23 ボディ
24 把持部
25 レバー
26 連動部
27 押圧軸
28 押圧部
29 支点
Claims (4)
- 一端に吐出口を有するシリンダと、
該シリンダ内において、該吐出口に向かって移動可能なピストン壁と、
該シリンダ内に水硬性組成物の粉体が収容され、
該吐出口はアルミシートによって封止されており、
該水硬性組成物の平均粒径は10〜50μmであり、かつブレーン比表面積が2500cm2/g以上であり、
該シリンダ内には、該水硬性組成物の粉体が該ピストン壁側に偏って充填され、該吐出口側の該シリンダの内面と、前記充填された水硬性組成物粉体の端面との間には空洞が形成されている水硬性組成物用カートリッジの使用方法において、
該カートリッジの該吐出口から液体を導入し、該カートリッジに振動を与え該水硬性組成物粉体と該液体とを撹拌混合し、該ピストン壁を該吐出口側に移動させて該吐出口から水硬性組成物を押出すことを特徴とする水硬性組成物用カートリッジの使用方法。 - 請求項1に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法において、該水硬性組成物用カートリッジの該空洞の容積は、前記充填された水硬性組成物粉体と反応する液体を該吐出口を経て導入すべき容量より大きいことを特徴とする水硬性組成物用カートリッジの使用法。
- 請求項1又は2に記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法において、該水硬性組成物用カートリッジの該ピストン壁は該シリンダの内面と密着する形状であることを特徴とする水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の水硬性組成物用カートリッジの使用方法において、該吐出口から水硬性組成物を押出す際には、該カートリッジをシーリングガンに装着して行うことを特徴とする水硬性組成物用カートリッジの使用方法。
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