JP2017161511A - 輪列規正機構、ムーブメントおよび機械式時計 - Google Patents

輪列規正機構、ムーブメントおよび機械式時計 Download PDF

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    • G04B17/285Tourbillons or carrousels

Abstract

【課題】てんぷを含む輪列の規正を解除する際にスムーズに輪列を再始動させることができると共に、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止できる輪列規正機構、ムーブメントおよび機械式時計を提供する。【解決手段】輪列を構成し、回転軸線C1回りに回転する規正リング37と、規正リング37に対して接離可能に設けられたばね体68と、を備え、ばね体68の規正リング37に対する接離方向は、回転軸線C1、および回転軸線C1と規正リング37のばね体68との接触点P1とを結ぶ直線S1のそれぞれに対して交差する方向に設定されている。【選択図】図7

Description

この発明は、輪列規正機構、ムーブメントおよび機械式時計に関するものである。
一般に、機械式時計は、表輪列を構成する香箱車、二番車、三番車および四番車と、これら各車の回転を制御するための脱進機および調速機と、を備えている。脱進機は、がんぎ車とアンクルとを備えており、がんぎ車の回転力を受けたアンクルがその力を調速機に伝達する。調速機は、てんぷおよびひげぜんまいからなる。てんぷは、アンクルからの力とひげぜんまいのばね力とによって、一定周期で振動する。
ここで、てんぷは、重力がかかる方向によって歩度精度に誤差が生じてしまう。このため、てんぷの重力に対する影響を低減するための機構として、いわゆるトゥールビヨン機構が知られている。トゥールビヨン機構は、調速機および脱進機を1つのキャリッジ内に配置し、一定の周期でキャリッジを回転させるように構成されている。これにより、重力によって生じる歩度精度の誤差を平均化することができる。
また、機械式時計には、時刻合わせを行う際に用いられる秒針規正(ストップセコンド)機構が設けられている。この秒針規正機構は、規正レバー等を有している。そして、規正レバーを作動させててんぷを規正し、輪列の動きを止める。
ここで、トゥールビヨン機構を有する機械式時計は、地板に対してキャリッジが回転しており、このキャリッジ内にてんぷが配置されているので、てんぷに規正レバー等を接触させようとすると、キャリッジに阻害されてしまう。このため、トゥールビヨン機構を有する機械式時計であっても、てんぷの振動を止めるさまざまな技術が開示されている。
例えば、ダブルアームばねを有する止め装置を備えたものがある。ダブルアームばねは、てんぷの輪郭の周方向に、且つ周方向とは逆方向に向けられるようにほぼV字状に形成されており、ノーマル位置からロック位置に揺動可能に設けられている。ロック位置では、ダブルアームばねの2つの先端のうちの少なくとも1つが、必ずてんぷの輪郭に当接するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、キャリッジ内にてんぷに当接可能なレバーを設け、このレバーをキャリッジの外側から押圧可能に構成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。これによれば、レバーを押圧することにより、てんぷにレバーが当接し、てんぷが規正される。
さらに、てんぷに当接可能な2つの停止レバーが渦巻ばねを介して揺動可能に支持されているものがある(例えば、特許文献3参照)。これによれば、仮にキャリッジに2つの停止レバーのうちの一方が接触した場合であっても、他方の停止レバーがてんぷに接触する。そして、仮にキャリッジに一方の停止レバーが接触した場合であっても、渦巻きばねが変形し、てんぷまで届かなかった分の停止レバーの変位量を吸収できる。
また、てんぷを規正する機構として、キャリッジと共に回転するようキャリッジに強固に固定され、てんぷに接触しててんぷを規正させる停止部材、および停止部材を作動させる装置を備えたものがある。停止部材は、ピラーが交差する、キャリッジと同軸上のディスクの形態であり、径方向にピラーを越えて位置する外周面を有する。作動装置は、少なくとも1つの作動部材を備え、作動部材は、外周面と協働してディスクをキャリッジの軸に沿って移動させ、てんぷを、ディスクとてんぷとの間の摩擦によって規正する(例えば、特許文献4参照)。
さらに、回転キャリッジ上に設けられた制動要素を備えたものがある(例えば、特許文献5参照)。これによれば、制動要素は、てんぷと係合でき、てん真に対して軸方向に可動するようになっている。
特表2005−512065号公報 特開2006−30190号公報 特表2015−526737号公報 特開2014−202750号公報 特許第5722487号公報
ところで、てんぷの規正位置が死点位置近傍であった場合で、且つひげぜんまいの巻き上げ量が少なかったり、がんぎ車とアンクルの爪石との間の摩擦が油の劣化等によって大きかったりした場合、てんぷの規正を解除してもてんぷが再始動しない可能性があった。とりわけ、トゥールビヨン機構は、キャリッジの重量による摩擦力が大きく、通常のてんぷに比べて再始動しにくい。
また、てんぷに直接物体(停止レバー等)を接触させるため、てんぷやてんぷを軸支する軸が破損する可能性があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、てんぷを含む輪列の規正を解除する際にスムーズに輪列を再始動させることができると共に、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止できる輪列規正機構、ムーブメントおよび機械式時計を提供するものである。
上記の課題を解決するために、輪列を構成し、回転軸線回りに回転する規正プレートと、前記規正プレートに対して接離可能に設けられた規正部と、を備え、前記規正部の前記規正プレートに対する接離方向は、前記回転軸線、および該回転軸線と前記規正プレートの前記規正部との接触点とを結ぶ直線のそれぞれに対して交差する方向に設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、てんぷに直接規正部を当接させることがなく、規正プレートに規正部を当接させて輪列を規正することができる。このため、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止できる。
また、規正部は、接離方向が回転軸線、および回転軸線と規正プレートの規正部との接触点とを結ぶ直線のそれぞれに対して交差する方向に設定されている。このため、規正プレートから規正部が離間する際、規正プレートと規正部との間に生じる摩擦力が、規正プレートを回転させる方向に作用する。規正プレートに回転力が作用することにより、輪列を構成する歯車やてんぷに回転力が付与される。このため、てんぷの規正位置が死点位置近傍で、且つひげぜんまいの巻き上げ量が少なかったり、がんぎ車とアンクルの爪石との間の摩擦が油の劣化等によって大きかったりした場合であってもスムーズに輪列を再始動させることができる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記規正プレートは、輪列を構成する複数の回転体のうちの1つに設けられ、前記回転体の回転軸線上に中心を有する円形状の外周面および内周面の少なくとも何れか一方を有し、前記規正部は、前記規正プレートの前記外周面および前記内周面の何れか一方の接線方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、規正プレートから規正部が離間する際、規正プレートと規正部との間に生じる摩擦力が、規正プレートの接線方向に作用する。このため、規正プレートに確実、且つ効率よく回転力を付与できる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記規正プレートは、歯車であることを特徴とする。
このように、歯車に、輪列の駆動伝達機能と、規正プレートの機能と、の2つの機能を持たせることにより、部品点数を削減でき、製造コストを低減できると共に、輪列規正機構を備えた機械式時計を小型化できる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記規正部は、回転運動を行うことにより、前記規正プレートに対して接離可能とされていることを特徴とする。
このように構成することで、規正部の占有スペースを省スペース化できると共に、効率よく規正プレートの回転力を付与することができる。
本発明に係る輪列規正機構は、巻真と連動して作動するリンク機構を備え、該リンク機構に、前記規正部が連結されていることを特徴とする。
このように構成することで、規正部を作動させるための構成を別途設ける必要がなく、既存の巻真を利用して規正部を作動させることができる。このため、輪列規正機構の部品点数を削減でき、小型化、軽量化を図ることができる。また、部品コストを低減できると共に、輪列規正機構の構成を簡素化でき、輪列規正機構の動作を安定させることができる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記規正部は、弧状に延在するばね部材であり、前記ばね部材は、前記先端部とは反対側の基端部がばね支持体に支持されており、前記支持体は、該支持体に設けられた回動軸を中心に回動自在に設けられていると共に、前記回動軸とは別の箇所に設けられた連結軸を介して前記リンク機構と連結されており、前記回動軸の軸心と前記連結軸の軸心との間の距離をL1とし、前記回動軸の軸心と前記ばね部材の前記先端部との間の距離をL2としたとき、前記距離L1および前記距離L2は、
L2>L1
を満たすように設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、リンク機構の可動領域に対してばね部材の可動領域を大きくすることができる。このため、リンク機構の僅かな動作で、規正プレートに対してばね部材を確実に接近、離間させることができる。
本発明に係る輪列規正機構は、巻真と連動して作動する歯車レバー機構を備え、前記歯車レバー機構に、前記規正部が連結されていることを特徴とする。
このように構成することで、部品点数を抑えて輪列規正機構の構成を簡素化しつつ、既存の巻真を利用して規正部を作動させることができる。
また、歯車レバー機構のギヤ比を調整することにより、ばね部材の可動領域を大きくすることができる。このため、歯車レバー機構の僅かな動作で、規正プレートに対してばね部材を確実に接近、離間させることができる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記規正部は、弧状に延在するばね部材であり、前記ばね部材の前記規正プレートに近接する側の先端部に、前記規正プレートから離間する方向に向かって曲折された屈曲部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、規正プレートにばね部材を滑らかに当接させることができる。このため、規正プレートにばね部材が当接する際の衝撃を最小限に抑えることができる。
本発明に係る輪列規正機構は、回転自在に設けられたキャリッジを備え、前記キャリッジにてんぷが回転自在に設けられていると共に、前記キャリッジに前記規正プレートが固定されていることを特徴とする。
このように構成することで、キャリッジを有するいわゆるトゥールビヨン機構において、てんぷの規正を解除する際にスムーズにてんぷを再始動させることができると共に、てんぷの破損を防止できる。
本発明に係る輪列規正機構は、前記規正プレートおよび前記規正部には、互いの接触箇所に、他の箇所よりも表面粗さの粗い粗面部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、規正プレートと規正部とが接触した際の摩擦抵抗を増大できる。このため、規正部によって規正プレートを確実に停止させることができる。また、規正プレートから規正部を離間させる際、規正プレートに十分な回転力を付与させることができる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記粗面部は、前記規正プレートに前記規正部が当接する方向の抵抗よりも前記規正プレートから前記規正部が離間する方向の抵抗が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、規正部によって規正プレートをスムーズに停止させることができる。また、また、規正プレートから規正部を離間させる際、規正プレートにより確実に回転力を付与させることができる。
本発明に係る輪列規正機構において、前記粗面部は、ラチェット歯およびラチェット爪であり、前記規正プレートに前記ラチェット歯が形成され、前記規正部に前記ラチェット歯と係合可能な前記ラチェット爪が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、規正プレートに規正部が当接する方向の抵抗よりも規正プレートから規正部が離間する方向の抵抗が大きくなるように、粗面部を容易に構成できる。
本発明に係る輪列規正機構は、前記規正部は、前記規正プレートの前記外周面および前記内周面の前記一方に当接することを特徴とする。
このように構成することで、規正プレートに対する規正部の押圧力を、規正プレートの径方向に作用させることができる。このため、例えば、規正部がばね部材である場合、このばね部材の撓み量を制御し易くすることができる。つまり、機械式時計の姿勢に関わらず、規正プレートに対する規正部の押圧力を安定させることができる。よって、規正部によって規正プレートを確実に規正できると共に、よりスムーズに輪列を再始動させることができる。
本発明に係るムーブメントは、上記の何れか1項に記載の輪列規正機構と、前記輪列と、前記輪列を支持する地板と、を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、てんぷを含む輪列の規正を解除する際にスムーズに輪列を再始動させることができると共に、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止可能なムーブメントを提供できる。
本発明に係る機械式時計は、上記に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、てんぷを含む輪列の規正を解除する際にスムーズに輪列を再始動させることができると共に、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止可能な機械式時計を提供できる。
本発明によれば、てんぷに直接規正部を当接させることがなく、規正プレートに規正部を当接させて輪列を規正することができる。このため、てんぷやてんぷを軸支する軸の破損を防止できる。
また、規正部は、接離方向が回転軸線、および回転軸線と規正プレートの規正部との接触点とを結ぶ直線のそれぞれに対して交差する方向に設定されている。このため、規正プレートから規正部が離間する際、規正プレートと規正部との間に生じる摩擦力が、規正プレートを回転させる方向に作用する。規正プレートに回転力が作用することにより、輪列を構成する歯車やてんぷに回転力が付与される。このため、てんぷの規正位置が死点位置近傍で、且つひげぜんまいの巻き上げ量が少なかったり、がんぎ車とアンクルの爪石との間の摩擦が油の劣化等によって大きかったりした場合であってもスムーズに輪列を再始動させることができる。
本発明の第1実施形態における機械式時計のムーブメントの表側の平面図である。 本発明の第1実施形態における定力装置付トゥールビヨンの側面図である。 本発明の第1実施形態における切替装置および輪列規正機構の斜視図である。 本発明の第1実施形態における切替装置および輪列規正機構の斜視図である。 本発明の第1実施形態における切替装置および輪列規正機構の動作説明図である。 本発明の第1実施形態における切替装置および輪列規正機構の動作説明図である。 本発明の第1実施形態における切替装置および輪列規正機構の動作説明図である。 本発明の第2実施形態における輪列規正機構の要部を拡大した平面図である。 本発明の第3実施形態における輪列規正機構の要部を示した斜視図である。 本発明の第4実施形態における輪列規正機構の要部の斜視図である。 本発明の第4実施形態における輪列規正機構の要部の斜視図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(機械式時計)
図1は、機械式時計1のムーブメントの表側の平面図である。
同図に示すように、機械式時計1は、ムーブメント10と、このムーブメント10を収納する不図示のケーシングと、により構成されている。
ムーブメント10は、基板を構成する地板11を有している。この地板11の裏側には不図示の文字板が配置されている。なお、ムーブメント10の表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント10の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12がスライド移動可能、且つ回転可能に組み込まれている。巻真12には、この巻真12の軸方向の位置を切替えるための切替装置40と、巻真12の軸方向の位置の切替え動作を利用して後述のてんぷ102(内キャリッジ34)を規正する輪列規正機構60と、が連結されている。
また、巻真12の案内軸部には、きち車17が巻真12に対して回転可能、且つ軸方向に移動不能に設けられている。さらに、巻真12のきち車17よりも先端側には、つづみ車18(図3参照)が巻真12に対して軸方向に移動可能、且つ回転不能に設けられている。また、これらきち車17とつづみ車18は、互いに噛合可能に設けられている。さらに、つづみ車18は、時刻合わせを行う際に用いられる小鉄車19(図5参照)と噛合可能に構成されている。一方、きち車17には、丸穴車20が噛合されている。なお、図1では特に図示しないが、巻真12のきち車17が設けられている側とは反対側の基端側には、使用者が巻真12を回転させるためのりゅうずが取り付けられている。
このような構成のもと、巻真12がきち車17とつづみ車18とを噛合わせた位置にある状態(詳細は後述する)で巻真12を回転させると、つづみ車18の回転を介してきち車17が回転する。そして、このきち車17が回転することにより、これと噛合う丸穴車20が回転する。そして、この丸穴車20が回転することにより、これと噛合う角穴車21が回転する。さらに、この角穴車21が回転することにより、香箱車22に収容された不図示の主ぜんまいを巻き上げる。
ムーブメント10の表輪列は、上述した香箱車22の他に、二番車25、三番車26、四番車27、および五番車28により構成されており、香箱車22の回転力を伝達する機能を果している。また、ムーブメント10の表側には、定力装置付トゥールビヨン30が配置されている。
二番車25は、香箱車22に噛合う歯車とされている。三番車26は、二番車25に噛合う歯車とされている。四番車27は、三番車26に噛合う歯車とされている。五番車28は、四番車27に噛合う歯車とされている。そして、五番車28に、定力装置付トゥールビヨン30が噛合されている。
なお、丸穴車20、角穴車21、および各番車25〜28は、それぞれ対応する回転軸20a,21a,25a〜28aに支持されて回転可能とされている。
(定力装置付トゥールビヨン)
図2は、定力装置付トゥールビヨン30の側面図である。
図1、図2に示すように、定力装置付トゥールビヨン30は、地板11および、この地板11に対して対向配置された不図示のキャリッジ受(輪列受)に回転自在に支持された外キャリッジ33と、この外キャリッジ33の内側に、外キャリッジ33に対して回転自在に支持された内キャリッジ34と、を備えている。また、定力装置付トゥールビヨン30は、表輪列の回転を制御するための脱進調速機構100や、この脱進調速機構100に伝達される回転トルクの変動を抑制するための定力装置3を備えている。
外キャリッジ33には、リング状の外歯歯車部35が設けられている。この外歯歯車部35に、五番車28が噛合されている。外キャリッジ33は、両端部に設けられたほぞが、地板11やキャリッジ受に設けられた不図示の穴石に挿入されることにより回転可能とされている。このほぞの中心が外キャリッジ33および内キャリッジ34の回転軸線C1となる。
一方、内キャリッジ34は、両端部に設けられたほぞが、外キャリッジ33の両端部に設けられた不図示の穴石に挿入されることにより回転可能とされている。このような内キャリッジ34に、脱進調速機構100が搭載されている。
脱進調速機構100は、内キャリッジ34の回転力を受けて回転するがんぎ車101や、がんぎ車101の回転力を受けて自由振動するてんぷ102を備えている。がんぎ車101は、てんぷ102の自由振動の影響を受けて常に一定周期で脱進運動を行う。
また、内キャリッジ34には、キャリッジ受(不図示)側(図1における紙面手前側、図2における右側)から外キャリッジ33の外側(キャリッジ受側)に突出する複数の脚部36が突設されている。外キャリッジ33の外側に突出した脚部36の先端には、規正リング37が設けられている。この規正リング37は、輪列規正機構60の一部を構成しており、回転軸線C1上に中心を有する円形状の外周面37aおよび内周面37bを有している(図3、図4参照)。
このように構成された外キャリッジ33と内キャリッジ34は、定力装置3を介して連結されている。定力装置3は、内キャリッジ34と外キャリッジ33との相対回転を間欠的に行うものでる。すなわち、定力装置3は、内キャリッジ34が一定回転した後、内キャリッジ34に対して外キャリッジ33を一定角度だけ回転させるように構成されている。
また、定力装置3は、不図示の定力ばねを有しており、この定力ばねの両端がそれぞれ内キャリッジ34と外キャリッジ33とに連結されている。つまり、内キャリッジ34は、不図示の定力ばねを介して外キャリッジ33に対して回転自在に支持されている。そして、内キャリッジ34に対して外キャリッジ33が一定角度だけ回転すると、定力ばねが所定量巻き上がるようになっている。これにより、脱進調速機構100に伝達される回転トルクの変動が抑制される。
(切替装置および輪列規正機構)
図3は、切替装置40および輪列規正機構60を、地板11とは反対側の不図示の輪列受側からみた斜視図、図4は、切替装置40および輪列規正機構60を、地板11側からみた斜視図である。
(切替装置)
図3、図4に示すように、切替装置40は、おしどり41、かんぬき42、およびかんぬき押さえ45を有している。
おしどり41は、平面視で略三日月状に形成されており、ほぼ中央が地板11に突設された支軸46に回転自在に支持されている。また、おしどり41の略長円形状の頭部41aは、巻真12に段差を介して形成されている括れ部12aに配置されている。括れ部12aは、巻真12のきち車17よりも基端側(りゅうず側、図3における右側)に形成されている。
ここで、おしどり41の頭部41aの幅W1は、巻真12の括れ部12aの幅W2とほぼ同一か、または若干小さい程度に設定されている。このため、巻真12の移動に追随するようにおしどり41の頭部41aがスムーズに変位する。
さらに、おしどり41の尾部側には、係合突起41bが形成されていると共に、係合ピン41cが不図示の輪列受側に向かって突設されている。おしどり41の係合突起41bは、かんぬき42に係合されている。
かんぬき42は、おしどり41と略同一平面上に並んで配置されている。かんぬき42は、略V字状に形成されており、かんぬき本体43と、かんぬきばね44と、により構成されている。また、かんぬき42は、かんぬき本体43の基端とかんぬきばね44の基端とがそれぞれ接合され、一体化されている。そして、かんぬき本体43とかんぬきばね44との接合部(基端)が、地板11に設けられた支軸47に回転自在に支持されている。
かんぬき本体43の頭部43aは、つづみ車18の括れ部18aに配置されている。かんぬき本体43の頭部43aの幅W3は、つづみ車18の括れ部18aの幅W4とほぼ同一か、または若干小さい程度に設定されている。このため、かんぬき本体43の頭部43aが変位すると、これに追随するようにつづみ車18がスムーズに巻真12上をスライド移動する。
かんぬき本体43の頭部43aと基端との間には、おしどり41側の側部に2つの係合凹部43b,43c(第1係合凹部43b、第2係合凹部43c)が並んで形成されている。これら係合凹部43b,43cのうち、第1係合凹部43bと、おしどり41の係合突起41bと、が係合される。2つの係合凹部43b,43cの間には、滑らかな山部43dが形成されている。この山部43dを介して2つの係合凹部43b,43cが連通されている。
また、かんぬきばね44は、このかんぬきばね44の先端側が、地板11に設けられたばね押えピン48に係合されている。これにより、かんぬき本体43には、支軸47を中心にして頭部43aがきち車17側に回動するように、常にかんぬきばね44の付勢力が作用している。
一方、おしどり41の係合ピン41cは、かんぬき押さえ45に係合されている。かんぬき押さえ45は、おしどり41およびかんぬき42の不図示の輪列受側の面に配置されている。
かんぬき押さえ45は、2つのアーム51a,51b(第1アーム51a、第2アーム51b)を有する略V字状に形成された支持部51と、支持部51の基端側から突出するばね部52と、が一体成形されたものである。支持部51の基端側は、かんぬき42の基端を支持する支軸47に固定されている。一方、支持部51の2つのアーム51a,51bのうち、第1アーム51aの先端には、おしどり41を支持する支軸46に対応する箇所に、この支軸46を挿通可能な貫通孔51cが形成されている。これにより、第1アーム51aの先端は、支軸46を逃げつつおしどり41を押さえる。
ばね部52は、支持部51の基端からおしどり41の係合ピン41cに向かって突出されている。ばね部52の先端には、平面視略四角状の頭部53が一体成形されている。この頭部53の係合ピン41c側の側部に、2つの係合凹部53a,53b(第1係合凹部53a、第2係合凹部53b)が並んで形成されている。これら係合凹部53a,53bと、おしどり41の係合ピン41cと、が係合される。2つの係合凹部53a,53bの間には、滑らかな山部53cが形成されている。この山部53cを介して2つの係合凹部53a,53bが連通されている。
(輪列規正機構)
輪列規正機構60は、地板11に突設された支軸61に回転自在に支持されている規正レバー62と、規正レバー62の基端62aに第1連結ピン63を介して一端が回転自在に連結されている伝えレバー64と、伝えレバー64の他端に第2連結ピン65を介して回転自在に連結されている発停レバー66と、を備えている。
規正レバー62は、かんぬき42のかんぬき本体43の長手方向と同じ方向に長くなるように形成されている。そして、規正レバー62の長手方向略中央に、支軸61を挿入可能な貫通孔62bが形成されている。すなわち、規正レバー62は、長手方向略中央が支軸61に回転自在に支持されている。
規正レバー62の貫通孔62bよりも先端側は、略長円形状に形成された頭部62cとされている。この頭部62cは、つづみ車18の括れ部18aで、且つかんぬき本体43の頭部43aとは巻真12を中心にして反対側に、配置されている。そして、つづみ車18が巻真12上をスライド移動すると、これに追随するように規正レバー62の頭部62cが変位する。
伝えレバー64は、規正レバー62とほぼ同一平面上に沿って略S字状に湾曲形成されている。
発停レバー66は、発停レバー本体67と、発停レバー本体67に基端68aが接続されたばね体68と、が一体成形されたものである。そして、発停レバー本体67のばね体68とは反対側端に、発停レバー66と伝えレバー64とを連結する第2連結ピン65が設けられている。
第2連結ピン65は、発停レバー本体67の厚さ方向両側に突出している。そして、第2連結ピン65の発停レバー本体67から伝えレバー64側に突出している箇所に、伝えレバー64の他端が回転自在に支持されている。
また、発停レバー本体67のばね体68とは反対側端には、第2連結ピン65からやや離間した箇所に、ピン挿入孔67aが形成されている。このピン挿入孔67aには、地板11に突設された支持ピン69が挿入されている。そして、この支持ピン69に発停レバー66が回転自在に支持されている。すなわち、発停レバー66は、支持ピン69を中心にして回転自在に設けられている。
発停レバー本体67に基端68aが接続されているばね体68は、支持ピン69を中心とした円弧状に形成されている。ばね体68の先端68bは、自由端とされている。また、ばね体68の先端68bには、発停レバー本体67側に向かって屈曲する屈曲部71が形成されている。屈曲部71も円弧状に形成されている。
ここで、この屈曲部71の曲率半径は、ばね体68の曲率半径よりも小さく設定されている。このため、屈曲部71とばね体68の先端68bは、滑らかに接続されている。
また、発停レバー66において、支持ピン69の中心と第2連結ピン65の中心との間の距離をL1とし、支持ピン69の中心とばね体68の先端68bとの間の距離をL2としたとき、各距離L1,L2は、
L2>L1・・・(1)
を満たすように設定されている。
このような構成のもと、発停レバー66が支持ピン69を中心にして揺動すると、ばね体68の先端68bが規正リング37の外周面37aに接触したり離間したりする。この際、支持ピン69の中心と第2連結ピン65の中心との間の距離L1と、支持ピン69の中心とばね体68の先端68bとの間の距離L2は、式(1)を満たすように設定されているので、第2連結ピン65の移動距離に対し、ばね体68の先端68bの移動距離が大きくなる。なお、切替装置40および輪列規正機構60の動作についての詳細は後述する。
(定力装置付トゥールビヨンの動作)
次に、定力装置付トゥールビヨン30の動作について説明する。
外キャリッジ33は、外歯歯車部35が五番車28(図1参照)に噛合されているので、香箱車22の回転力が表輪列を介して外キャリッジ33に伝達される。
ここで、外キャリッジ33と内キャリッジ34は、これら外キャリッジ33と内キャリッジ34との相対回転を間欠的に行う定力装置3を介して連結されている。このため、外キャリッジ33は、内キャリッジ34が一定角度回転するまで停止している。この間、外キャリッジ33に対し、内キャリッジ34が定力装置3を構成する不図示の定力ばねの付勢力を受けて回転する。
そして、内キャリッジ34が一定角度回転すると、外キャリッジ33に作用している香箱車22の回転力によって、外キャリッジ33が回転する。このとき、外キャリッジ33が回転した分、不図示の定力ばねが巻き上げられ、この定力ばねの付勢力によって内キャリッジ34が引き続き回転する。これを繰り返すことにより、内キャリッジ34がほぼ一定トルクで回転し続ける。
また、内キャリッジ34に搭載されている脱進調速機構100は、内キャリッジ34の回転力を受けて駆動する。具体的には、内キャリッジ34の回転力を受け、がんぎ車101が回転する。そして、このがんぎ車101の回転力を受け、不図示のアンクルを介しててんぷ102が自由振動する。がんぎ車101は、てんぷ102の自由振動の影響を受けて常に一定周期で脱進運動を行う。
なお、内キャリッジ34は、例えば1分間で1回転するように構成されている。そして、例えば、外キャリッジ33や内キャリッジ34に秒指示部(不図示)が取り付けられる。
(切替装置および輪列規正機構の動作)
次に、図5〜図8に基づいて、切替装置40および輪列規正機構60の動作について説明する。
図5〜図8は、切替装置40および輪列規正機構60の動作説明図である。
図5に示すように、巻真12が、回転軸線方向に沿ってムーブメント10の内側に一番近い位置(以下、0段目という)にある状態では、かんぬき本体43の第1係合凹部43bに、おしどり41の係合突起41bが収納されている。また、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている第1係合凹部53aに、おしどり41の係合ピン41cが収納されている。これにより、巻真12の位置が0段目に保持される。
0段目では、きち車17につづみ車18が噛合されている。ここで、つづみ車18は、巻真12に対して回転不能に設けられている。このため、0段目で巻真12を回転させると、つづみ車18が巻真12と一体となって回転し、さらに、つづみ車18を介してきち車17が回転する。そして、このきち車17が回転することにより、これと噛合う丸穴車20が回転する。そして、この丸穴車20が回転することにより、これと噛合う角穴車21が回転する。さらに、この角穴車21が回転することにより、香箱車22に収容された不図示の主ぜんまいを巻き上げる。
また、この0段目の状態では、規正リング37から発停レバー66のばね体68の先端68bが離間されている。
次に、図6に示すように、巻真12を0段目から不図示のりゅうず側(図6における右側)に引っ張り始めると(図6における矢印Y1参照)、巻真12の移動に追随するようにおしどり41の頭部41aも変位し始める。つまり、支軸46を中心にして、おしどり41が図6における時計回りに回転し始める(図6における矢印Y2参照)。すると、おしどり41の係合ピン41cが、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている第1係合凹部53aから山部53c側へと移動し始める。このため、ばね部52の頭部53が押圧され、僅かにムーブメント10の内側(図6における左側)に向かって変位する。
なお、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている山部53cの頂点におしどり41の係合ピン41cが位置している状態を0.5段目とする。以下、この状態を単に0.5段目という。
また、0.5段目では、おしどり41の係合突起41bが、かんぬき本体43の第1係合凹部43bから山部43dに向かって移動する。これにより、かんぬき本体43が押圧される。押圧されたかんぬき本体43は、かんぬきばね44のばね力に抗し、ムーブメント10の内側に向かって僅かに変位する(図6における矢印Y3参照)。すると、かんぬき本体43の変位に追随するように、つづみ車18がきち車17から離間する方向に向かってスライド移動する(図6における矢印Y4参照)。これにより、つづみ車18ときち車17との噛合いが解除される。なお、0.5段目では、おしどり41の係合突起41bは、かんぬき本体43の山部43dの頂点までは移動せず、山部43dの頂点から第1係合凹部43b側にずれた位置で停止する。
さらに、つづみ車18のスライド移動に伴って、規正レバー62の頭部62cが変位する。つまり、支軸61を中心にして、規正レバー62が図6における反時計回りに回転し始める。すると、輪列規正機構60が作動し、支持ピン69を中心にして、発停レバー66が図6における反時計回りに回転し始める(図6における矢印Y5参照)。すなわち、発停レバー66のばね体68が、支持ピン69を中心にした円上に沿って規正リング37の外周面37aに接近し始める。
なお、0.5段目の状態では、かんぬき本体43の変位量に対して規正レバー62の変位量が小さく、規正リング37の外周面37aに発停レバー66のばね体68の先端68bがまだ接触していない。
次に、図7に示すように、巻真12を0.5段目から、さらに不図示のりゅうず側(図7における右側)に引っ張ると(図7における矢印Y1参照)、巻真12の移動に追随しておしどり41の頭部41aもさらに変位する。つまり、支軸46を中心にして、おしどり41が図7における時計回りにさらに回転する(図7における矢印Y2参照)。すると、おしどり41の係合ピン41cが、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている山部53cを乗り越える。この際、ばね部52は、復元力が作用して元の位置(0段目のときの位置)に戻り始める。そして、ばね部52に形成されている第2係合凹部53bに、おしどり41の係合ピン41cが収納される。
なお、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている第2係合凹部53bに、おしどり41の係合ピン41cが収納されている状態を1段目とする。以下、この状態を単に1段目という。
巻真12は、かんぬき押さえ45の第2係合凹部53bに、おしどり41の係合ピン41cが収納されることにより、1段目に位置決めされる。
また、1段目では、おしどり41の係合突起41bは、かんぬき本体43の山部43dの頂点で停止する。これにより、かんぬき本体43がさらに押圧される。押圧されたかんぬき本体43は、かんぬきばね44のばね力に抗し、さらにムーブメント10の内側に向かって変位する(図7における矢印Y3参照)。すると、かんぬき本体43の変位に追随するように、つづみ車18が移動する(図7における矢印Y4参照)。そして、このつづみ車18と小鉄車19とが噛合される。
また、つづみ車18のスライド移動に伴って、規正レバー62の頭部62cがさらに変位する。つまり、支軸61を中心にして、規正レバー62が図7における反時計回りにさらに回転する。すると、輪列規正機構60が作動し、支持ピン69を中心にして、発停レバー66が図7における反時計回りに回転する(図7における矢印Y5参照)。そして、規正リング37の外周面37aに発停レバー66のばね体68の先端68bが接触する。
このとき、規正リング37の外周面37aにばね体68の先端68bが押圧される形になり、ばね体68が基端68aを基点として支持ピン69側に弾性変形する。すなわち、ばね体68が、規正リング37の外周面37aを径方向外側から径方向内側に向かって押圧する。そして、これにより生じる規正リング37とばね体68との間の摩擦力により、規正リング37が規正され、さらに、規正リング37が設けられている内キャリッジ34が規正される。
また、1段目では、つづみ車18と小鉄車19とが噛合されるので、巻真12を回転させると、つづみ車18が巻真12と一体となって回転し、さらに、小鉄車19が回転する。これにより、秒針を停止させた状態のまま(内キャリッジ34を停止させた状態のまま)時刻合わせを行うことができる。さらに、1段目では、つづみ車18ときち車17との噛合いが解除されているので、巻真12を回転させてもきち車17が回転することがない。
ここで、発停レバー66は、支持ピン69を中心にして回転運動し、この支持ピン69を中心にした円上に沿って規正リング37の外周面37aにばね体68が接近する。これを、換言すると、規正リング37の外周面37aの接線方向に沿って、この外周面37aにばね体68の先端68bが接近する形になる。この際、ばね体68の先端68bには、屈曲部71が形成されているので、規正リング37の外周面37aにばね体68が滑らかに接触する。このため、規正リング37にばね体68が接触する際の衝撃が極力低減される。
なお、外周面37aの「接線方向に沿う」とは、接線「上」ではなく接線方向から多少ずれているものも含むものとする。つまり、本第1実施形態では、ばね体68は、支持ピン69を中心にして回転運動しているので、その軌跡は円弧状となり、直線状ではない。しかしながら、このような場合であっても、その円弧軌跡が外周面37aの接線に近い軌跡を通るものであれば、「接線方向に沿う」ものとする。
次に、図5に示すように、巻真12を1段目から0段目に押し戻すと(図5における矢印Y6参照)、巻真12の移動に追随するようにおしどり41の頭部41aも変位する。つまり、支軸46を中心にして、おしどり41が図5における反時計回りに回転し始める(図5における矢印Y7参照)。すると、おしどり41の係合ピン41cが、かんぬき押さえ45のばね部52に形成されている第2係合凹部53bから再び山部53cを介して第1係合凹部53aに収納される。
また、おしどり41の係合突起41bが、かんぬき本体43の山部43dから第1係合凹部43bに向かって移動する。そして再びかんぬき本体43の第1係合凹部43bに、おしどり41の係合突起41bが収納される。この際、かんぬきばね44のばね力により、かんぬき本体43がりゅうず側(図5における右側)に押し戻される(図5における矢印Y8参照)。すると、かんぬき本体43の変位に追随するように、つづみ車18がきち車17側に向かってスライド移動する(図5における矢印Y9参照)。
さらに、つづみ車18のスライド移動に伴って、規正レバー62の頭部62cが変位する。つまり、支軸61を中心にして、規正レバー62が図5における時計回りに回転し始める。すると、規正リング37の外周面37aから発停レバー66のばね体68が離間する。これにより、内キャリッジ34(秒針)が規正から解除されて再び始動する。
ここで、図5に示すように、規正リング37の外周面37aから発停レバー66のばね体68が離間する際、このばね体68は、規正リング37の外周面37aの接線方向に沿って、この外周面37aから先端68bが離間する形になる(図5における矢印Y10参照)。この際、規正リング37とばね体68の先端68bとの間に生じる摩擦力によって、規正リング37に回転力が付与される(図5における矢印Y11参照)。
このように、上述の第1実施形態では、ばね体68の接離方向は、規正リング37(内キャリッジ34)の回転軸線C1、および回転軸線C1とばね体68との接触点P1(図7参照)とを結ぶ直線S1のそれぞれに対して交差する方向に設定されている。
したがって、上述の第1実施形態によれば、例えば、不図示の動力ぜんまいが巻解けに近い状態で、且つがんぎ車101のトルクが小さい状態、または油の劣化等によってがんぎ車101と不図示のアンクルとの摩擦が大きい状態で、内キャリッジ34(輪列)を規正した場合であっても、この規正の解除後に、スムーズに内キャリッジ34(輪列)を再始動させることができる。
また、内キャリッジ34に規正リング37を設け、この規正リング37に発停レバー66を当接、離間させることにより内キャリッジ34を規正したり、規正を解除したりしている。このため、内キャリッジ34に直接発停レバー66が接触することがなく、内キャリッジ34の破損を防止できる。さらに、てんぷ102に発停レバー66を当接させることもないので、てんぷ102やこのてんぷ102を軸支する軸の破損を防止できる。
さらに、発停レバー66を作動させるために、輪列規正機構60は、規正レバー62と、伝えレバー64と、を備え、規正レバー62をつづみ車18に追随して作動するように構成している。すなわち、規正レバー62と伝えレバー64とにより、巻真12の移動に連動して発停レバー66が作動するように構成している。このように、発停レバー66を作動させるための機構(発停レバー66を作動させるためのレバー等の構成)を別途設ける必要がなく、既存の巻真12を利用して発停レバー66を作動させることができる。このため、輪列規正機構60の部品点数を削減でき、小型化、軽量化を図ることができる。
また、発停レバー66のばね体68の先端68bに、発停レバー本体67側に向かって屈曲する屈曲部71を形成した。このため、規正リング37の外周面37aにばね体68を滑らかに当接させることができる。よって、規正リング37にばね体68が接触する際の衝撃を最小限に抑えることができる。
さらに、発停レバー66において、支持ピン69の中心と第2連結ピン65の中心との間の距離L1、および、支持ピン69の中心とばね体68の先端68bとの間の距離L2(図3参照)は、式(1)を満たすように設定されている。このため、第2連結ピン65の移動距離に対し、ばね体68の先端68bの移動距離を大きくできる。つまり、輪列規正機構60の原動力となっているつづみ車18の移動力が僅かであっても、発停レバー66のばね体68を、規正リング37から大きく離間させたり接近させたりすることができる。よって、規正リング37に対し、ばね体68を確実に接近、離間させることができる。
また、規正リング37の外周面37aにばね体68を接触させて摩擦力を生じさせている。つまり、規正リング37に、ばね体68を径方向外側から径方向内側に向けて押圧することにより、規正リング37を規正している。このため、ばね体68の撓み量を制御し易くすることができる。つまり、機械式時計1の姿勢に関わらず、規正リング37に対するばね体68の押圧力を安定させることができる。よって、発停レバー66(ばね体68)によって規正リング37を確実に規正できると共に、よりスムーズに内キャリッジ34(輪列)を再始動させることができる。
(第2実施形態)
(輪列規正機構)
次に、図8に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態における輪列規正機構260の要部を拡大した平面図である。なお、第1実施形態と同一態様には同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
同図に示すように、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態の輪列規正機構60の一部の形状と、第2実施形態の輪列規正機構260の一部の形状と、が異なる点にある。
より具体的には、輪列規正機構260を構成する発停レバー266には、ばね体268の先端68bに、ラチェット爪81が形成されている。ラチェット爪81は、先端68bの規正リング237と接触する側の面に配置されている。また、ラチェット爪81は、規正リング237と接触する側の面が、傾斜面81aとされている。この傾斜面81aによって、ラチェット爪81は、先端に向かうに従って先細りとなる。また、ラチェット爪81は、先端とは反対側の基端面81bが、ばね体268の延在方向に対してほぼ直交するように形成されている。
一方、規正リング237には、外周面237aにラチェット爪81と係合可能なラチェット歯82が形成されている。ラチェット歯82は、ラチェット爪81の形状に対応するように形成されている。つまり、ラチェット歯82は、傾斜面82aと端面82bとを有している。端面82bは、規正リング237の接線方向に対してほぼ直交している。
このような構成のもと、輪列規正機構260が作動し、規正リング237に発停レバー266のばね体268が接近する方向に移動すると(図8における矢印Y5参照)、規正リング237に発停レバー266のばね体268が接触する。この際、まず、規正リング237のラチェット歯82にラチェット爪81の傾斜面81aが当接する。
ここで、ラチェット歯82の歯先にラチェット爪81が当接した場合、ばね体268が弾性変形してラチェット歯82の歯先をラチェット爪81が乗り上げる。そして、ラチェット歯82の傾斜面82aとラチェット爪81の傾斜面81aとが当接すると、ラチェット爪81のラチェット歯82への押圧力が傾斜面81a,82aに沿って作用する。換言すれば、ラチェット歯82の傾斜面82aとラチェット爪81の傾斜面81aとが面接触され、ラチェット歯82に対するラチェット爪81の摩擦抵抗が大きくなる。
このように、ラチェット歯82とラチェット爪81とが接触する際、これらラチェット歯82とラチェット爪81とが完全に係合するまでの間は摩擦抵抗が小さい。一方、ラチェット歯82とラチェット爪81とが係合されるとラチェット爪81のラチェット歯82への押圧力が傾斜面81a,82aに沿って作用し(ラチェット歯82に対するラチェット爪81の摩擦抵抗が大きく)、発停レバー266によって規正リング237が規正される。
次に、輪列規正機構260が作動し、規正リング237から発停レバー266のばね体268が離間する方向に移動する(図8における矢印Y10参照)場合について説明する。
ここで、ラチェット歯82とラチェット爪81とが係合されている状態では、ラチェット歯82の端面82bとラチェット爪81の基端面81bとが当接している。ラチェット歯82の端面82bは、規正リング237の接線方向に対してほぼ直交している。
一方、ラチェット爪81の基端面81bは、ばね体268の延在方向に対してほぼ直交、つまり、ばね体268の移動方向に対してほぼ直交している。このため、規正リング237からばね体68が離間する際、ラチェット爪81の基端面81bがラチェット歯82の端面82bを押圧しながら移動する形になる。このため、規正リング237に回転力が付与される(図5における矢印Y11参照)。
このように、上述の第2実施形態では、発停レバー266には、ばね体268の先端68bに、ラチェット爪81が形成されている。また、規正リング237には、外周面237aにラチェット爪81と係合可能なラチェット歯82が形成されている。このため、規正リング237に発停レバー266が当接する方向の摩擦抵抗よりも規正リング237から発停レバー266が離間する方向の抵抗を大きくできる。よって、発停レバー266によって、規正リング237を規正する際は、スムーズに、且つ確実に規正リング237を規正できる。また、規正リング237から発停レバー266のばね体268が離間する際、規正リング237に十分な回転力を付与させることができる。
なお、上述の第2実施形態では、発停レバー266のばね体268にラチェット爪81を形成すると共に、規正リング237にラチェット歯82を形成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、規正リング237のばね体268と接触する箇所(外周面237a)と、ばね体268の規正リング237と接触する箇所(先端68b)とに、互いの接触箇所よりも表面粗さの粗い粗面部が設けられていればよい。粗面部の形成方法としては、例えばローレット加工を施して形成する方法などが挙げられる。しかしながら、これに限られるものではない。
粗面部を設けることにより、規正リング37とばね体68との間に生じる摩擦力が大きくなるので、発停レバー266によって規正リング237を確実に規正できる。また、規正リング237から発停レバー266のばね体268が離間する際、規正リング237に十分な回転力を付与させることができる。
さらに、粗面部を形成する場合、規正リング237に発停レバー266が当接する方向の摩擦抵抗よりも規正リング237から発停レバー266が離間する方向の摩擦抵抗が大きくなるように形成することが望ましい。例えば、粗面部としてカーペット地を設けることも可能である。カーペット地は、毛流れの方向があるので、規正リング237に発停レバー266が当接する方向の摩擦抵抗よりも規正リング237から発停レバー266が離間する方向の摩擦抵抗を大きくできる。
(第3実施形態)
(輪列規正機構)
次に、図9に基づいて、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態における輪列規正機構360の要部を示した斜視図である。
同図に示すように、第1実施形態と第3実施形態との相違点は、第1実施形態の発停レバー66と第3実施形態の発停レバー366との形状が異なる点にある。
より具体的には、発停レバー366は、発停レバー本体67と、発停レバー本体67に基端368aが接続されたばね体368と、が一体成形されている。ばね体368は、発停レバー本体67と厚さ方向が同一になるように、且つ支持ピン69を中心として円弧状となるように延出されている。そして、ばね体368の先端368bは、自由端とされている。また、ばね体368の先端368bには、規正リング37から離間する方向(図9における上方)に向かって屈曲する屈曲部371が形成されている。
このような構成のもと、発停レバー366が支持ピン69を中心にして揺動すると、ばね体368の先端368bが規正リング37の軸方向の平坦面37c(図9における上側の平坦面37c)に接触したり離間したりする。すなわち、第3実施形態における発停レバー366は、前述の第1実施形態のように、規正リング37の外周面37aに接触したり離間したりするのではなく、規正リング37の平坦面37cに接触したり離間したりする。そして、発停レバー366のばね体368は、規正リング37の平坦面37cに接触すると、規正リング37から離間する方向に向かって僅かに弾性変形する。
つまり、規正リング37の平坦面37cに、ばね体368の先端368bが押圧される形になる。そして、これにより生じる規正リング37とばね体368との間の摩擦力により、規正リング37が規正される。また、規正リング37の平坦面37cからばね体368が離間する際、平坦面37cとばね体368の先端368bとの間に生じる摩擦力によって、規正リング37に回転力が付与される。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上述の第3実施形態では、規正リング37の平坦面37cに、ばね体368の先端368bが接離されるように構成するので、規正リング37を内キャリッジ34の回転軸線C1上に中心を有する円形状に形成しなくてもよく、板状であれば任意の形状を採用することができる。例えば、規正リング37を多角形状にしてもよい。
(第4実施形態)
(輪列規正機構)
次に、図10、図11に基づいて、本発明の第4実施形態について説明する。
図10は、第4実施形態における輪列規正機構460の要部を示し、不図示の輪列受側からみた斜視図、図11は、輪列規正機構460の要部を、地板11側からみた斜視図である。
図10、図11に示すように、第4実施形態では、第1実施形態の規正レバー62および伝えレバー64に代わって歯車レバー機構90が設けられている。この点、前述の第1実施形態と相違する点である。
より具体的には、歯車レバー機構90は、おしどり41に設けられている第1歯車レバー91と、発停レバー466と一体成形されている第2歯車レバー92と、により構成されている。第1歯車レバー91は、おしどり41の地板11側に配置されている。第1歯車レバー91は、おしどり41が回転自在に支持されている支軸46から第2歯車レバー92に向かって延出するように形成された板状のものである。そして、おしどり41と第1歯車レバー91とが重なり合って一体化されている。
また、第1歯車レバー91は、支軸46から第2歯車レバー92に向かって徐々に幅広となるように略扇状に形成されている。このような形状の第1歯車レバー91の円周に、歯部91aが形成されている。この歯部91aが、第2歯車レバー92に噛合される。
第2歯車レバー92は、発停レバー466の発停レバー本体467から第1歯車レバー91に向かって延出形成されている。第2歯車レバー92は、発停レバー66を回転自在に支持する支持ピン69から第1歯車レバー91に向かって徐々に幅広となるように略扇状に形成されている。このような形状の第2歯車レバー92の円周に、歯部92aが形成されている。この歯部92aが、第1歯車レバー91の歯部91aに噛合される。
このような構成のもと、巻真12を不図示のりゅうず側に引っ張ると(図10における矢印Y1参照)、巻真12の移動に追随しておしどり41の頭部41aが変位し、おしどり41が支軸46を中心に回転する(図10における矢印Y2参照)。さらに、第1歯車レバー91がおしどり41と一体となって回転する(図10における矢印Y12参照)。そして、第1歯車レバー91に噛合されている第2歯車レバー92が、支持ピン69を中心に、第1歯車レバー91を追随するように回転する(図10における矢印Y13参照)。
すると、支持ピン69を中心にして発停レバー466が規正リング37に接近する。そして、規正リング37の外周面37aに発停レバー466のばね体68の先端68bが接触(押圧)し、規正リング37が規正される。
一方、巻真12を押し戻すことにより、発停レバー466が逆向きに回転し、規正リング37から発停レバー466のばね体68が離間する。この際、規正リング37に回転力が付与される。
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、前述の第1実施形態のように規正レバー62や伝えレバー64を用いる場合と比較して輪列規正機構460の部品点数を減少できる。このため、輪列規正機構460の構成を簡素化できる。
また、歯車レバー機構90のギヤ比を調整することにより、ばね体68の先端68bの移動距離を大きくできる。すなわち、例えば、第1歯車レバー91の歯部91aの歯車径を、第2歯車レバー92の歯部92aの歯車径よりも大きく設定することにより、第1歯車レバー91の回転角度に対して第2歯車レバー92の回転角度を大きくできる。このため、輪列規正機構460の原動力となっているつづみ車18の移動力が僅かであっても、発停レバー66のばね体68を、規正リング37から大きく離間させたり接近させたりすることができる。よって、規正リング37に対し、ばね体68を確実に接近、離間させることができる。
(第5実施形態)
上述の第3実施形態の輪列規正機構360では、規正リング37に発停レバー366のばね体368が接離可能となるように設けられている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、輪列を構成する各車20,21,25〜28の何れかに、発停レバー366のばね体368が直接接離可能となるように輪列規正機構360を設けてもよい。すなわち、各車20,21,25〜28の何れかの軸方向の平坦面に、発停レバー366のばね体368が接離可能となるように、輪列規正機構360を設けてもよい。この場合、輪列規正機構360の配置箇所に応じ、この輪列規正機構360を構成する伝えレバー64の長さを変更すればよい。
このように、上述の第5実施形態では、ばね体368が接離される車20,21,25〜28は、輪列の駆動伝達機能と、規正リング37の機能と、の2つの機能を備えることになる。したがって、上述の第5実施形態によれば、輪列規正機構460の部品点数を削減でき、製造コストを低減できる。また、輪列規正機構460を全体として小型化できる。
なお、上述の第5実施形態では、各車20,21,25〜28の何れかの軸方向の平坦面に、輪列規正機構360の発停レバー366のばね体368が、直接当接、離間されるように構成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、上述の第2実施形態(図8参照)における規正リング237の役割を、各車20,21,25〜28の何れかに持たせるように構成してもよい。つまり、内キャリッジ34に規正リング237を設けず、各車20,21,25〜28の何れかに、発停レバー266のばね体268を径方向に接離可能に設けてもよい。
さらに、これに限られるものではなく、上述の第1実施形態の輪列規正機構60において、規正リング37の役割を、各車20,21,25〜28の何れかに持たせるように構成してもよい。このような場合や上記の規正リング237の役割を、各車20,21,25〜28の何れかに持たせるように構成する場合、規正リング37,237の役割を持たせる車20,21,25〜28の位置に応じて、輪列規正機構60,260の配置箇所を変更すればよい。この場合も、輪列規正機構60,260の配置箇所に応じ、この輪列規正機構60,260を構成する伝えレバー64の長さを変更すればよい。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第1〜第5実施形態の輪列規正機構60〜460の構成を種々選択して入れ替えてもよい。
また、上述の実施形態では、内キャリッジ34に規正リング37,237を設け、この規正リング37を規正することにより、結果的に輪列を規正している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、定力装置付トゥールビヨン30を有さないムーブメント10にも、輪列規正機構60〜460の構成を採用することができる。さらに、定力装置3を備えた定力装置付トゥールビヨン30に限らず、定力装置3を備えない通常のトゥールビヨンにも、輪列規正機構60〜460の構成を採用することができる。
また、上述の実施形態では、定力装置付トゥールビヨン30に規正リング37を設けたり、輪列を構成する各車20,21,25〜28の何れかに規正リング37,237の役割を持たせたりする場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、輪列を構成する各車20,21,25〜28の回転軸20a,21a,25a〜28aに、各車25〜28とは別に規正リング37,237を設けてもよい。この場合、規正リング37に、各車25〜28の回転軸20a,21a,25a〜28aと同軸上に中心を有する円形状の外周面37aまたは内周面37bを形成することが望ましい。また、各車20,21,25〜28と規正リング37,237とを完全に別体としてもよいし、一体としてもよい。
また、上述の実施形態では、発停レバー66〜466は、ばね体68,268が弾性変形することにより、規正リング37,237に対して押圧力を付与し、結果的に規正リング37,237を規正したり、規正リング37,237に回転力を付与したりする場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ばね体68,268を、弾性を有しない剛体としてもよい。この場合、発停レバー66〜466の発停レバー本体67,467の一部を弾性変形可能な構造とする。そして、発停レバー本体67,467の弾性力により、規正リング37,237に、ばね体68,268が押圧されるように構成する。
さらに、上述の第1実施形態では、規正リング37の外周面37aに発停レバー66が接触するように構成した場合について説明した。しかしながら、規正リング37に発停レバー66が接触するように構成されていればよく、その接触箇所は、外周面37aに限られるものではない。例えば、規正リング37の内周面37b(図3、図4参照)に発停レバー66が接触するように構成されていてもよい。但し、この場合、発停レバー66、伝えレバー64、規正レバー62等の形状を変更する必要がある。そして、規正リング37の外周面37aや内周面37bに対し、これら外周面37aや内周面37bの接線方向に沿って発停レバー66のばね体68が接離可能に構成されていればよい。
また、規正リング37に代わって円盤状のプレートを用いても構わない。この場合は、その円盤状のプレートの外周面にばね体68を接触させることになる。
さらに、上述の第1実施形態では、規正リング37に、ばね体68を径方向外側から径方向内側に向けて押圧することにより、規正リング37を規正している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ばね体68が規正リング37の外周面37aや内周面37bに対し、これら外周面37aや内周面37bの接線方向に沿って移動するように構成されていればよい。換言すれば、ばね体68は、規正リング37の外周面37aの径方向に移動しないように構成されていればよい。また、規正リング37における外周面37aや内周面37b以外の軸方向で対向する2つの面のうちの何れか一方に、ばね体68が接触するように構成されていてもよい。
さらに、上述の第1実施形態では、ばね体68を発停レバー本体67で支持し、この発停レバー本体67を、支持ピン69に回転自在に支持させている場合について説明した。そして、支持ピン69を中心に発停レバー本体67を回転させることにより、規正リング37の外周面37aの接線方向に沿ってばね体68を移動させる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ばね体68が、規正リング37の外周面37aや内周面37bに対し、これら外周面37aや内周面37bの接線方向に沿って移動するように構成されていればよい。例えば、ばね体68を単体の板ばね等で構成し、この板ばねを地板11や不図示の輪列受に設けたガイドによって規正リング37の外周面37aの接線方向に沿ってスライド移動(直線運動)するように構成してもよい。
このスライド移動(直線運動)の構成は、上述の第1実施形態に限られるものではなく、第2〜第5実施形態における発停レバー266〜466に代わって採用することも可能である。
すなわち、輪列規正機構60〜460は、ばね体68,268の規正リング37,237に対する接離方向が、規正リング37,237の回転軸線C1、および回転軸線C1とばね体68,268との接触点P1とを結ぶ直線S1(例えば、図7参照)のそれぞれに対して交差する方向に設定されていればよい。例えば、規正リング37,237の軸方向上方から斜めにばね体68,268が当接、離間されるようにしてもよい。
また、巻真12の動作に連動してばね体68が作動するように構成されていなくてもよく、ばね体68を作動させるための機構を別途設けてもよい。
さらに、上述の第1実施形態では、発停レバー66において、支持ピン69の中心と第2連結ピン65の中心との間の距離L1、および、支持ピン69の中心とばね体68の先端68bとの間の距離L2は、式(1)を満たすように設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各距離L1,L2が式(1)を満たしていなくてもよく、規正リング37から発停レバー66のばね体68が接離可能となるように構成されていればよい。
1…機械式時計、10…ムーブメント、11…地板、12…巻真、20…丸穴車(輪列、回転体)、20a,21a,25a〜28a…回転軸、21…角穴車(輪列、回転体、歯車)、25…二番車(輪列、回転体、歯車)、26…三番車(輪列、回転体、歯車)、27…四番車(輪列、回転体、歯車)、28…五番車(輪列、回転体、歯車)、34…内キャリッジ(輪列、回転体、キャリッジ)、37,237…規正リング(規正プレート)、37a,237a…外周面、37b…内周面、37c…平坦面、60,260,360,460…輪列規正機構、62…規正レバー(リンク機構)、64…伝えレバー(リンク機構)、65…第2連結ピン(連結軸)、66,266,366,466…発停レバー、67,467…発停レバー本体(ばね支持体)、68,268…ばね体(規正部)、68b,368b…先端(先端部)、69…支持ピン(回動軸)、71,371…屈曲部、81…ラチェット爪(粗面部)、82…ラチェット歯、90…歯車レバー機構、91…第1歯車レバー、92…第2歯車レバー、102…てんぷ、C1…回転軸線、P1…接触点、S1…直線

Claims (14)

  1. 輪列を構成し、回転軸線回りに回転する規正プレートと、
    前記規正プレートに対して接離可能に設けられた規正部と、
    を備え、
    前記規正部の前記規正プレートに対する接離方向は、前記回転軸線、および該回転軸線と前記規正プレートの前記規正部との接触点とを結ぶ直線のそれぞれに対して交差する方向に設定されている
    ことを特徴とする輪列規正機構。
  2. 前記規正プレートは、輪列を構成する複数の回転体のうちの1つに設けられ、前記回転体の回転軸線上に中心を有する円形状の外周面および内周面の少なくとも何れか一方を有し、
    前記規正部は、前記規正プレートの前記外周面および前記内周面の何れか一方の接線方向に沿って移動可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の輪列規正機構。
  3. 前記規正プレートは、歯車である
    ことを特徴とする請求項1に記載の輪列規正機構。
  4. 前記規正部は、回転運動を行うことにより、前記規正プレートに対して接離可能とされている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の輪列規正機構。
  5. 巻真と連動して作動するリンク機構を備え、
    該リンク機構に、前記規正部が連結されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の輪列規正機構。
  6. 前記規正部は、弧状に延在するばね部材であり、
    前記ばね部材は、前記ばね部材の前記規正プレートに近接する側の先端部とは反対側の基端部がばね支持体に支持されており、
    前記支持体は、該支持体に設けられた回動軸を中心に回動自在に設けられていると共に、前記回動軸とは別の箇所に設けられた連結軸を介して前記リンク機構と連結されており、
    前記回動軸の軸心と前記連結軸の軸心との間の距離をL1とし、
    前記回動軸の軸心と前記ばね部材の前記先端部との間の距離をL2としたとき、
    前記距離L1および前記距離L2は、
    L2>L1
    を満たすように設定されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の輪列規正機構。
  7. 巻真と連動して作動する歯車レバー機構を備え、
    前記歯車レバー機構に、前記規正部が連結されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の輪列規正機構。
  8. 前記規正部は、弧状に延在するばね部材であり、
    前記ばね部材の前記規正プレートに近接する側の先端部に、前記規正プレートから離間する方向に向かって曲折された屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の輪列規正機構。
  9. 回転自在に設けられたキャリッジを備え、
    前記キャリッジにてんぷが回転自在に設けられていると共に、前記キャリッジに前記規正プレートが固定されていることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の輪列規正機構。
  10. 前記規正プレートおよび前記規正部には、互いの接触箇所に、他の箇所よりも表面粗さの粗い粗面部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の輪列規正機構。
  11. 前記粗面部は、前記規正プレートに前記規正部が当接する方向の抵抗よりも前記規正プレートから前記規正部が離間する方向の抵抗が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載の輪列規正機構。
  12. 前記粗面部は、ラチェット歯およびラチェット爪であり、
    前記規正プレートに前記ラチェット歯が形成され、前記規正部に前記ラチェット歯と係合可能な前記ラチェット爪が形成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の輪列規正機構。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の輪列規正機構と、
    前記輪列と、
    前記輪列を支持する地板と、
    を備えたことを特徴とするムーブメント。
  14. 請求項13に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする機械式時計。
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