JP5729665B2 - 時計用デテント脱進機、および機械式時計 - Google Patents

時計用デテント脱進機、および機械式時計 Download PDF

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Description

この発明は、時計用デテント脱進機、およびこれを用いた機械式時計に関するものである。
従来から、機械式時計の歩度を維持するための脱進機としてデテント脱進機が知られている。この種の脱進機の機構は、スプリングデテント脱進機(Spring Detent Escapement)とピボットデテント脱進機(Pivoted Detent Escapement)の2つに大別される(例えば、非特許文献1参照)。
図11は、従来のスプリングデテント脱進機の一例を示す斜視図である。
同図に示すように、スプリングデテント脱進機300は、がんぎ車301と、回転軸であるてん真302を中心に自由振動するてんぷ303と、デテントレバー304とを備えている。てんぷ303は、がんぎ車301の歯部301aと接触可能な振り石305、およびデテントレバー304に取り付けられている片作動ばね309と接触可能な外し石306を有している。
デテントレバー304は、この基端に設けられた復帰ばね307を介して固定されている。復帰ばね307は、デテントレバー304をがんぎ車301に対して接離可能に支持していると共に、デテントレバー304を原位置に復帰するように付勢している。すなわち、デテントレバー304は、復帰ばね307の基端を支点304aとしてがんぎ車301に接離可能に構成されている。
また、デテントレバー304には、がんぎ車301の歯部301aと接触可能な止め石308が設けられている。さらに、デテントレバー304の基端側には、片作動ばね309の基端が固定されている。片作動ばね309は、この先端がデテントレバー304の先端よりも僅かに突出するようにデテントレバー304の長手方向に沿って形成されている。すなわち、片作動ばね309は、てんぷ303のてん真302とデテントレバー304の支点304aとを通る直線上に沿うように形成されている。そして、片作動ばね309の先端が、てんぷ303の外し石306と接触するようになっている。
このような構成のもと、てんぷ303の自由振動により外し石306が矢印CCW30方向(図11における反時計回り方向)に向かって回転すると、片作動ばね309を介してデテントレバー304が押圧される。すると、がんぎ車301の歯部301aに接触していた止め石308が歯部301aから離脱し、がんぎ車301とデテントレバー304との係合が解除される。そして、がんぎ車301が1歯分回転する。
がんぎ車301が1歯分回転する間に、デテントレバー304に復帰ばね307の付勢力が作用し、デテントレバー304が原位置に戻る。これにより、がんぎ車301の歯部301aに止め石308が再び接触する。すなわち、がんぎ車301とデテントレバー304とが係合し、がんぎ車301の回転が停止される。
一方、てんぷ303の自由振動により外し石306が逆転し、矢印CW30方向(図11における時計回り方向)に向かって回転すると、この外し石306によって片作動ばね309がデテントレバー304から離反する方向に向かって押圧される。このとき、片作動ばね309が弾性変形する一方、デテントレバー304は停止したままの状態となる。外し石306に押圧された片作動ばね309は、この片作動ばね309から外し石306が離反した後、片作動ばね309自身の復元力により原位置に戻る。
すなわち、外し石306が矢印CCW30方向に向かって回転し、片作動ばね309を介してデテントレバー304が押圧される際、片作動ばね309は、何ら動作していないことになる。これに対し、外し石306が矢印CW30方向に向かって回転すると、片作動ばね309が弾性変形して動作することになる。
そして、この動作が繰り返し行われることにより、機械式時計の輪列が一定速度で駆動する。
図12は、従来のピボットデテント脱進機の一例を示す斜視図である。なお、図11のスプリングデテント脱進機300と同一態様には、同一符号を付して説明する。
同図に示すように、ピボットデテント脱進機400は、がんぎ車301と、てん真302を中心に自由振動するてんぷ403と、デテントレバー404とを備えている。ここで、ピボットデテント脱進機400とスプリングデテント脱進機300との相違点は、デテントレバーを原位置に復帰させる付勢手段が異なる点にある。
すなわち、ピボットデテント脱進機400のデテントレバー404は、回転軸410を介して回転自在に支持されており、これによってがんぎ車301に対して接離可能となっている。また、デテントレバー404に設けられている復帰ばね407は、回転軸410を取り囲むように渦巻きばねで構成されており、デテントレバー404を原位置に復帰するように付勢している。
さらに、デテントレバー404には、この長手方向に略直交し、かつ回転軸410を通る直線P100上に片作動ばね409の基端が固定されている。片作動ばね409は、デテントレバー404の長手方向に沿うように、つまり、てんぷ403のてん真302とデテントレバー404の回転軸410とを通る直線上に沿うように形成されており、その先端がてんぷ403の外し石306と接触するようになっている。
このような構成のもと、てんぷ403が自由振動することにより、外し石306が矢印CCW31方向(図12における反時計回り方向)に向かって回転したり、矢印CW31方向(図12における時計回り方向)に向かって回転したりすると、これに基づいて片作動ばね409が動作したり、何ら動作しなかったりする。これにより、機械式時計の輪列が一定速度で駆動する。
ジョージ・ダニエル著、「The Practical Watch Escapement」、Premier Print Limited、1994年(第1版発行)、第39〜47頁
ところで、上述の従来技術にあっては、片作動ばね309,409を動作させる際、これらのばね力に抗して外し石306を回転させることになるので、てんぷ303,403の自由振動に対してエネルギーロスが生じてしまう。
ここで、スプリングデテント脱進機300にあっては、デテントレバー304の支点304aよりも先端側、つまり、てんぷ303側に片作動ばね309の基端が固定されている。また、ピボットデテント脱進機400にあっては、デテントレバー404の回転軸410よりもやや先端側、つまり、てんぷ403側に片作動ばね409の基端が固定されている。
このように構成されている場合、各片作動ばね309,409にかかる最大応力部は、デテントレバー304の支点304a、およびデテントレバー404の回転軸410よりも先端側に存在することになる。このため、各片作動ばね309,409がしなりにくくなり、てんぷ303,403が片作動ばね309,409のばね力の影響を受けやすくなる。よって、てんぷ303,403の自由振動に対するエネルギーロスを低減しにくく、計時精度が悪化するという課題がある。
また、各片作動ばね309,409が、それぞれデテントレバー304,404の長手方向に沿って形成されているので、外し石306が逆転(図11、図12における矢印CW30,CW31参照)し、片作動ばね309,409が動作する際、外し石306と片作動ばね309,409の先端との接触範囲が大きくなる。このため、てんぷ303,403の自由振動に対するエネルギーロスをさらに低減しにくいという課題がある。
より詳しく、図13に基づいて説明する。
図13は、片作動ばねの挙動説明図である。なお、各片作動ばね309,409の挙動は、ほぼ同じであるので、スプリングデテント脱進機300のデテントレバー304に取り付けられている片作動ばね309についてのみ説明する。
同図に示すように、片作動ばね309は、てんぷ303のてん真302とデテントレバー304の支点304aとを通る直線L100上に沿うように形成されている。ここで、てんぷ303が逆転(図13における矢印CW32参照)する場合、外し石306と片作動ばね309との接触範囲は、外し石306の回転軌跡R1に対し、角度θAとなる。
これに対し、例えば、直線L100に対して交差するように、片作動ばね309の基端を図13における右側にずらし、片作動ばね309を斜めに配置すると(以下、この片作動ばねを片作動ばね309’とする)、外し石306と片作動ばね309’との接触範囲は、外し石306の回転軌跡R1に対し、角度θBとなる。
すなわち、外し石306と片作動ばね309との接触範囲を小さく設定しようとすると、デテントレバー304に対して斜めに片作動ばね309’を配置する必要がある。しかしながら、このようにすると、デテント脱進機全体が厚み方向に大型化してしまうという課題がある。
また、スプリングデテント脱進機300やピボットデテント脱進機400にあっては、デテントレバー304,404が大きいために所謂頭でっかちになり、重心位置が前のめりになってしまう。このため、この重心位置と片作動ばね309,409の支点とがずれてしまい、デテント脱進機の傾きによって復帰ばね307,407にかかる荷重が変化してしまう。よって、計時精度が悪化する虞があるという課題がある。
さらに、各脱進機300,400を構成する部品点数が多く、組み立て誤差による完成品の精度のばらつき、つまり、重心位置、振り角、歩度等のばらつきが大きくなってしまうという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減し、計時精度を向上させることができる時計用デテント脱進機を提供するものである。
また、小型化できると共に、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑制することができる時計用デテント脱進機を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る時計用デテント脱進機(例えば、デテント脱進機1)は、がんぎ車(例えば、がんぎ車2)と、このがんぎ車の歯部(例えば、歯部2a)と接触可能な振り石(例えば、振り石3)、および外し石(例えば、外し石4)を有し、てん真(例えば、てん真9)を中心に自由振動するてんぷ(例えば、てんぷ5)と、前記がんぎ車の歯部と接触可能な止め石(例えば、止め石6)を有し、前記がんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバー(例えば、作動レバー23)と、前記外し石と接触可能、かつ前記作動レバーに対して接離方向に沿って弾性変形可能な片作動ばね(例えば、片作動ばね24)とを備え、前記片作動ばねは、前記作動レバーから、この延在方向と交差する方向に延出された後、前記てんぷとは反対側に向かって湾曲形成され、さらに前記てんぷ側に向かって折り返すように湾曲形成された湾曲部(例えば、円弧部31、湾曲部131)を有し、前記てんぷの戻り回転時に、前記外し石が接触することにより作動した際に生ずる最大応力部(例えば、最大応力部F1)が、前記てん真の中心と前記作動レバーの支点(例えば、支点23a)とを結ぶ第1直線(例えば、第1直線L1)に対して垂直で、かつ前記支点を通る第2直線(例えば、第2直線L2)を挟んで前記てんぷとは反対側に存在ていることを特徴とする。
この場合、前記作動レバーに前記片作動ばねが固定されていてもよい。
このように構成することで、片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離が十分確保され、片作動ばねをしなり易くすることができる。このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減し、計時精度を向上させることが可能になる。
また、このように構成することで、簡素な構造で片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離を十分確保することができると共に、小型化を図りつつ片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記片作動ばねは、前記作動レバーを挟んで前記がんぎ車とは反対側に前記最大応力部が存在するように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、前述の図13におけるデテントレバー304に対して斜めに配置された片作動ばね309’と同様の効果を奏することができる。すなわち、片作動ばねの作動時において、簡素な構造で片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。このため、さらに効率よくてんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減することが可能になる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記作動レバーを原位置に復帰するように付勢する復帰ばね(例えば、復帰ばね22)と、前記作動レバーを支持するためのデテント支持部(例えば、デテント固定部21)とを備え、前記片作動ばねの前記湾曲部は、前記デテント支持部の周囲を取り囲むように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、小型化を図りつつ、片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離を十分確保することが可能になる。また、片作動ばねの最大応力部の位置を、作動レバーを挟んでがんぎ車とは反対側に設定することができ、片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することが可能になる。
このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスをより確実に低減することが可能になる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねから構成されるデテント本体(例えば、デテント7)の重心位置(例えば、重心位置J1)が前記作動レバーの支点に位置するように前記片作動ばねを配置したことを特徴とする。
このように構成することで、デテント脱進機の傾きによって復帰ばねにかかる荷重が変化してしまうことを防止できる。このため、計時精度を向上させることが可能になる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねを一体成形したことを特徴とする。
このように構成することで、部品点数を減少させることができるので、小型化を図りつつ、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記作動レバー、前記片作動ばね、前記復帰ばね、および前記デテント支持部を一体成形したことを特徴とする。
このように構成することで、さらに部品点数を減少させることができ、小型で組み立て誤差による完成品の精度のばらつきをさらに抑えたデテント脱進機を提供できる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記片作動ばねに生じる前記最大応力部の位置を所望の位置に設定するための最大応力位置設定部を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、片作動ばねの形状に関わらず、最大応力部の位置を所望の位置に設定することができる。このため、片作動ばねの設計の自由度を高めることが可能になる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記片作動ばねの前記湾曲部上に、前記最大応力位置設定部を設けたことを特徴とする。
この場合、前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された厚肉部であってもよい。
また、前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された薄肉部であってもよい。
このように構成することで、簡素な構造で容易に最大応力部の位置を変更することが可能になる。
本発明に係る時計用デテント脱進機は、前記最大応力位置設定部は、前記片作動ばねとは別体で設けられた調整部材であって、この調整部材は、少なくとも前記作動レバーに対して前記片作動ばねが離反する方向に変位した際、この片作動ばねに接触するように配置されていることを特徴とする。
この場合、前記調整部材は、前記片作動ばねの前記湾曲部に沿って変位可能な可動ピンであってもよい。
このように構成することで、片作動ばねの形状を変更することなく、最大応力部の位置を変更することが可能になる。
本発明に係る機械式時計(例えば、機械式時計100)は、上記の何れかに記載の時計用デテント脱進機と、動力源を構成するぜんまい(例えば、ぜんまい111)と、このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列(例えば、表輪列105)とを備え、この表輪列の回転を前記時計用デテント脱進機により制御することを特徴とする。
このように構成することで、計時精度の向上した機械式時計を提供することができる。
本発明によれば、片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離が十分確保され、片作動ばねをしなり易くすることができる。このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減し、計時精度を向上させることが可能になる。
また、片作動ばねの作動時において、簡素な構造で片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。このため、さらに効率よくてんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減することが可能になる。
さらに、簡素な構造で片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離を十分確保することができると共に、小型化を図りつつ片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。
そして、部品点数を減少させることができるので、小型化を図りつつ、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
本発明の第1実施形態における機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の平面図である。 本発明の第1実施形態におけるデテントの平面図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の動作説明図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の動作説明図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の動作説明図である。 本発明の第1実施形態におけるデテントの片作動ばねが弾性変形した状態の応力分布図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例におけるデテントの平面図である。 従来のスプリングデテント脱進機の一例を示す斜視図である。 従来のピボットデテント脱進機の一例を示す斜視図である。 片作動ばねの挙動説明図である。 本発明の第2実施形態におけるデテントの平面図であって、(a)、(b)は、厚肉部の形状違いを示している。 本発明の第2実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。 本発明の第2実施形態の第2変形例におけるデテントを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA部拡大図である。 本発明の第3実施形態におけるデテント脱進機の斜視図である。 本発明の第3実施形態における最大応力位置設定部の平面図である。
(第1実施形態)
(機械式時計)
次に、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、このムーブメント101の基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
また、ムーブメント101の裏側(図1における紙面奥側)には、オシドリ、カンヌキ、およびカンヌキ押さえを含む切換装置(不図示)が配置されている。この切換装置により、巻真104の軸方向の位置が決定するようになっている。
一方、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、および香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている。
香箱車110は、ぜんまい111を有しており、巻真104を回転させると不図示のツヅミ車が回転し、さらにキチ車、丸穴車、および角穴車(何れも不図示)を介してぜんまい111が巻き上げられるようになっている。そして、ぜんまい111が巻き戻される際の回転力により香箱車110が回転し、さらに二番車108が回転するように構成されている。
二番車108は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番カナと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車108が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
三番車107は、二番車108の二番歯車に噛合う不図示の三番カナと、三番歯車(何れも不図示)とを有している。三番車107が回転すると、四番車106が回転するように構成されている。
四番車106は、三番車107の三番歯車に噛合う不図示の四番カナと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車106が回転することによりデテント脱進機1が駆動する。このデテント脱進機1が駆動することにより、四番車106が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車108が1時間に1回転するように制御される。
(デテント脱進機)
図2は、デテント脱進機の斜視図、図3は、デテント脱進機の平面図である。
図2、図3に示すように、デテント脱進機1は、四番車106が回転することにより回転するがんぎ車2と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、
がんぎ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、およびデテント7と接触可能な外し石4を有するてんぷ5とを備えている。
がんぎ車2は不図示の四番歯車に噛合されるがんぎかな8を有しており、地板102(図1参照)と輪列受(不図示)によって回転可能に枢支されている。すなわち、輪列受にがんぎかな8の上軸部が回転可能に支持されると共に、地板102にがんぎかな8の下軸部が回転可能に支持される。また、がんぎ車2の歯部2aは、がんぎ車2の外周部に複数(例えば、この第1実施形態では15個)形成されている。
てんぷ5は、回転軸であるてん真9を中心にして自由振動するものであって、てん真9の他に、てん真9と同心円上に配置されたてん輪10と、略円板状の大つば11と、不図示のひげぜんまいとを有している。そして、不図示のてんぷ受けにてん真9の上軸部が回転可能に支持されると共に、地板102にてん真9の下軸部が回転可能に支持されることにより、地板102、およびてんぷ受けに、てんぷ5が回転可能に枢支される。
また、大つば11に、振り石3と外し石4とが設けられている。振り石3は、この断面形状が大つば11の径方向に沿って長くなるように直方体状に形成されており、断面短手方向で対向する2面のうち、がんぎ車2の歯部2aと接触する接触面3aが他の面よりも大つば11から突出するように形成されている。
外し石4は、デテント7に設けられている後述の片作動ばね24と接触可能になっている。外し石4によってデテント7が作動する。
デテント7は、地板102に固定ワッシャ12を介して固定されている。固定ワッシャ12は、大径ワッシャ12aと、小径ワッシャ12bとにより構成されており、大径ワッシャ12aを地板102側(図2における下側)に配置した状態で、各ワッシャ12a,12bによりデテント7を挟持している。そして、この状態で一対の固定ピン13a,13bを介してデテント7を固定するようになっている。
また、固定ワッシャ12は、地板102を挟んで反対側に設けられている回転レバー14と調整ボルト15を介して連結されている。調整ボルト15は、固定ワッシャ12の径方向中央を貫通するように設けられている。回転レバー14は、デテント7の取り付け角度を調整するためのものであって、デテント7の取り付け角度を調整した後、取り外せるようになっている。
(デテント)
図4は、デテントの平面図である。
図2〜図4に示すように、デテント7は、固定ワッシャ12の大径ワッシャ12aと小径ワッシャ12bとにより挟持されている円板状のデテント固定部21と、デテント固定部21に復帰ばね22を介して支持されている作動レバー23と、外し石4と接触可能な片作動ばね24とが一体成形されたものである。
ここで、一体成形を行う方法として、電鋳加工によりデテント7を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMによりデテント7を形成したりすることが可能である。
デテント固定部21の直径は、固定ワッシャ12を構成する小径ワッシャ12bの直径と略同一に設定されている。デテント固定部21の径方向中央には、調整ボルト15を挿通可能なボルト挿通孔25が形成されている。このボルト挿通孔25を挟んで両側には、一対の固定ピン13a,13bを挿通可能な2つのピン挿通孔26a,26bが形成されている。2つのピン挿通孔26a,26bのうち、一方のピン挿通孔26bは、各部品の製作誤差を吸収できるように長円形状に形成されている。
また、デテント固定部21の外周部には、てんぷ5側(図4における上側)に凹部27が形成され、ここに復帰ばね22が立設されている。復帰ばね22は、この基端22aとてんぷ5のてん真9の中心(軸心)とを結ぶ第1直線L1に沿うように板状に形成されている。復帰ばね22は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
復帰ばね22の先端に設けられている作動レバー23は、第1直線L1上に沿う直方体状のアーム部28と、このアーム部28の先端側に配置され、アーム部28よりも幅広の止め石取付部29と、止め石取付部29よりも先端側に配置され、アーム部28よりも細い直方体状の先端部30とが一体成形されている。
止め石取付部29には、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6が設けられている。止め石6は、この断面形状が作動レバー23の先端部30に向かうに従って漸次幅広となるように略台形状に形成されている。そして、止め石6の下面(図3、図4における上側の面)ががんぎ車2の歯部2aと接触する接触面6aに設定されている。
先端部30は、この中心が第1直線L1からがんぎ車2とは反対側に向かって僅かにオフセットするように配置されている。このようにオフセットされた先端部30のがんぎ車2側の当接面30aに片作動ばね24の先端が当接されている。
片作動ばね24も復帰ばね22と同様に、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
片作動ばね24は、平面視略6字状に形成されたものであって、作動レバー23の基端部、つまり、アーム部28の基端部から延出する円弧部31と、円弧部31の先端から作動レバー23の先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。そして、直線部32が作動レバー23に対する接離方向に沿って弾性変形するようになっている。
円弧部31は、アーム部28の基端部からがんぎ車2とは反対側(図3、図4における右側)に向かって、かつ第1直線L1と略直交する方向に沿って延出し、この後、デテント固定部21の周囲の約3/4を取り囲むように円弧状に形成されている。つまり、円弧部31は、アーム部28の基端部から、一旦てんぷ5とは反対側に向かって延出された後、てんぷ5側に向かって折り返すように円弧状に形成されている。円弧部31の曲率半径の中心は、デテント固定部21の中心、つまりデテント固定部21に形成されているボルト挿通孔25の中心P1とほぼ一致している。
一方、直線部32は、円弧部31の先端から第1直線L1に対して緩やかに傾斜するように延出された緩傾斜部32aと、緩傾斜部32aの先端から、この緩傾斜部32aよりも第1直線L1に対して急傾斜するように延出され、先端が先端部30に当接された急傾斜部32bと、急傾斜部32bから先端部30に沿って延出された舌片部32cとにより構成されている。
緩傾斜部32aは、円弧部31の先端から止め石取付部29に対応する位置に至るまで延出されている。すなわち、直線部32は、作動レバー23の止め石取付部29との干渉を避けるように円弧部31の先端から作動レバー23の先端部30に向かって延出形成された状態になっている。
また、舌片部32cは、この先端が作動レバー23の先端部30から僅かに突出するように延出形成されている。この舌片部32cの先端部30から突出した部位に、てんぷ5の外し石4が接触するようになっている。
ここで、第1直線L1上には、デテント固定部21のボルト挿通孔25の中心P1も位置しており、この中心P1、復帰ばね22、作動レバー23、およびてん真9が同一直線上に設けられた状態になっている。このように構成されたデテント7の作動レバー23は、復帰ばね22の基端22aを支点23aとし、この支点23aを中心にしてがんぎ車2に対して接離可能になっている。すなわち、復帰ばね22が基端22aを中心にしてしなるように弾性変形することにより、作動レバー23ががんぎ車2に対して接離方向に沿って変位する。
復帰ばね22は、作動レバー23を原位置に復帰するように付勢している。より具体的には、図3、図4に図示した状態のように、復帰ばね22は、作動レバー23のアーム部28の長手方向が第1直線L1上となる位置に復帰するように付勢している。一方、片作動ばね24は、この片作動ばね24の舌片部32cが常に作動レバー23の先端部30と当接可能な程度のばね力に設定されている。
また、復帰ばね22は、デテント固定部21の凹部27に形成されていることから、デテント固定部21と作動レバー23との間の離間距離K1を大きく設定することなく十分な長さを確保することができる。これにより、復帰ばね22は、作動レバー23をがんぎ車2の接離方向に沿って十分変位させることができるようになっている。
ここで、凹部27の幅は、作動レバー23をがんぎ車2に対して接離方向に沿う変位を許容可能に設定されている。また、デテント固定部21を挟持する大径ワッシャ12a、および小径ワッシャ12bには、デテント固定部21の凹部27に対応する部位に、それぞれ凹部16,17が形成されている。このため、各ワッシャ12a,12bによりデテント7を固定した状態であっても、作動レバー23をがんぎ車2の接離方向に沿って十分変位させることができる。
さらに、片作動ばね24が円弧部31と直線部32とからなる平面視略6字状に形成されていることから、デテント7全体の重心位置J1が作動レバー23の支点23aとほぼ一致する。
片作動ばね24の舌片部32cに接触可能な外し石4は、舌片部32cの先端部30とは反対側の面に接触する接触面4aが舌片部32cに沿うように形成されている。一方、外し石4の接触面4aとは反対側には、平面取りすることにより傾斜面4bが形成されている。これにより、外し石4は、この断面形状が台形状のように大つば11の径方向外側に向かうに従って先細りになっている。そして、外し石4は、てんぷ5の自由振動時における先端の軌跡が作動レバー23に接触不能な位置となるように、かつ片作動ばね24の舌片部32cに接触可能な位置となるように配置される。
このように外し石4やデテント7を構成することにより、てんぷ5の自由振動に伴って作動レバー23をがんぎ車2から離反させたり、接近させたりすることができる(詳細は後述する)。
ここで、地板102には、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位を規制するストッパ40が設けられている。ストッパ40は、ストッパアーム41とストッパアーム41の先端に立設されたストッパピン42とを有している。そして、ストッパアーム41の基端側が、固定ピン43を介して地板102に固定されている。
ストッパピン42は、作動レバー23のアーム部28に、がんぎ車2側から当接するようになっている。これにより、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位が規制される。
また、ストッパアーム41は、固定ピン43を中心にして回転可能に設けられており、これによってストッパピン42の位置が調整できるようになっている。このストッパピン42の位置を調整することにより、作動レバー23の移動規制位置が、がんぎ車2の歯部2aに止め石6が接触可能、かつアーム部28の長手方向が第1直線L1上となる位置に設定される。
(デテント脱進機の動作)
次に、図3、図5〜図7に基づいて、デテント脱進機1の動作について説明する。
図5〜図7は、デテント脱進機の動作説明図である。
図3に示すように、デテント7の作動レバー23が第1直線L1に沿う位置に存在している状態では、がんぎ車2の歯部2aと作動レバー23に設けられている止め石6の接触面6aとが接触し、両者2,6が係合した状態になっている。
ここで、がんぎ車2は表輪列105より回転力が付与されているが、止め石6と係合している状態にあっては、がんぎ車2が停止した状態になっている。
この状態から、図5に示すように、てんぷ5が自由振動することにより、大つば11が矢印CCW1方向(図5における反時計回り方向)に向かって回転すると、この大つば11に設けられている外し石4の接触面4aとデテント7を構成する片作動ばね24の舌片部32cの先端とが当接する。そして、外し石4により、舌片部32cを介して作動レバー23が押圧され、がんぎ車2から離反する方向に向かって変位する(図5における矢印Y1参照)。
このとき、復帰ばね22がしなるように弾性変形することにより、作動レバー23が変位するが、これに対し、片作動ばね24は殆ど弾性変形しない。すなわち、舌片部32cががんぎ車2から離反する方向(図5における矢印Y1方向)に向かって僅かに変位する場合にあっては、片作動ばね24が平面視略6字状に形成されており、直線部32が僅かに円弧部31を巻き上げる方向に変位するだけなので、殆ど弾性変形しない。
作動レバー23ががんぎ車2から離反する方向に向かって変位することにより、これに設けられている止め石6ががんぎ車2の歯部2aから離脱し、両者2,6の係合が解除される。これにより、がんぎ車2が矢印CW1方向(図5における時計回り方向)に向かって回転する。
また、大つば11が矢印CCW1方向に向かって回転することにより、がんぎ車2が矢印CW1方向に向かって回転し始めるのとほぼ同時に、がんぎ車2の歯部2aに振り石3の接触面3aが接触する(図5における2点鎖線参照)。そして、がんぎ車2の回転力が振り石3を介しててんぷ5に伝達される。このとき、てんぷ5は、矢印CCW1方向に向かって回転力が付与される。
図6に示すように、大つば11が矢印CCW1方向(図6における反時計回り方向)に向かって所定角度回転すると、片作動ばね24の舌片部32cの先端から外し石4が離反する。すると、復帰ばね22の復元力により、作動レバー23ががんぎ車2に接近する方向(図6における矢印Y2参照)に向かって変位する。このとき、作動レバー23の変位がストッパ40によって規制され、作動レバー23が原位置に戻る。
作動レバー23が原位置に戻ることにより、止め石6の接触面6aに回転するがんぎ車2の歯部2aが当接し、再びがんぎ車2と止め石6とが係合する。これにより、がんぎ車2の回転が停止される。ここで、がんぎ車2と止め石6との係合が解除されてから再び係合するまでの間に、がんぎ車2は1歯分だけ回転する。
一方、がんぎ車2によって矢印CCW1方向に向かう回転力が付与されたてんぷ5は、このてんぷ5に設けられているひげぜんまいが巻き上げられる。そして、ひげぜんまいが所定量巻き上げられると、ひげぜんまいの復元力とてんぷ5の回転力とが逆転し、大つば11の回転方向が矢印CW2方向(図6における時計回り方向)に転じる。
図7に示すように、大つば11が矢印CW2方向に向かって回転すると、外し石4の傾斜面4bが片作動ばね24の舌片部32cの先端に接触する。そして、さらに大つば11が回転することにより、片作動ばね24の舌片部32cが作動レバー23から離反する方向、つまり、がんぎ車2に向かう方向(矢印Y3参照)に向かって押圧される。すると、片作動ばね24は、直線部32を押し広げられるように弾性変形する。
ここで、図8に基づいて、片作動ばね24が弾性変形することによる応力分布について詳述する。
図8は、デテントの片作動ばねが弾性変形した状態の応力分布図である。
同図に示すように、片作動ばね24の直線部32が作動レバー23から離反する方向(図8における矢印Y3参照)に向かって押し広げられた際、片作動ばね24に最も大きな応力がかかる最大応力部F1は、円弧部31が延在している部分の略中央(図8におけるデテント固定部21の右下)に存在している。
換言すれば、片作動ばね24が動作した際に生ずる最大応力部F1は、第1直線L1を中心にしてがんぎ車2とは反対側に存在している。これに加え、最大応力部F1は、第1直線L1に直交し、かつ作動レバー23の支点23aを通る第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側に存在している。
このように、片作動ばね24は、外し石4が接触する舌片部32cの先端から最大応力部F1との間の距離が十分確保されている。また、片作動ばね24は、最大応力部F1に対応する位置が弾性変形(動作)する基点となる。このため、この基点となる箇所が、作動レバー23の延在する第1直線L1上からがんぎ車2とは反対側(図8における右側)にずれた状態になる。
図3、図7に戻り、大つば11がさらに矢印CW2方向に向かって回転し、所定角度に達すると、片作動ばね24の舌片部32cから外し石4が離反する。すると、片作動ばね24の復元力により、舌片部32cが作動レバー23側に向かって変位し(図7における矢印Y4参照)、原位置に戻る。
一方、大つば11が矢印CW2方向に向かって回転している間、てんぷ5に設けられているひげぜんまいが巻き戻される。そして、ひげぜんまいが所定量巻き戻されると、ひげぜんまいの復元力とてんぷ5の回転力とが逆転し、再び大つば11の回転方向が矢印CCW1方向(図7における反時計回り方向)に転じる。
これを繰り返すことにより、てんぷ5がてん真9を中心にして自由振動すると共に、デテント7が図3、図5〜図7に示す状態を繰り返す。このため、がんぎ車2が常に一定速度で回転する。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、デテント7の片作動ばね24を円弧部31と直線部32とからなる平面視略6字状に形成し、片作動ばね24が動作した際に生ずる最大応力部F1を、第1直線L1に直交し、かつ作動レバー23の支点23aを通る第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側に存在させることにより、外し石4が接触する舌片部32cの先端から最大応力部F1との間の距離を十分確保できる。このため、片作動ばね24をしなり易くすることができ、外し石4が片作動ばね24を押し広げることによるエネルギーロスを低減できる。つまり、てんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを低減できる。また、がんぎ車2から離反する方向に向かって作動レバー23が変位する場合にあっては、片作動ばね24の直線部32が僅かに円弧部31を巻き上げる方向に変位するだけなので、殆ど弾性変形しない。このため、このような場合もてんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを十分低減できる。よって、機械式時計100の計時精度を向上させることが可能になる。
また、片作動ばね24の弾性変形する基点となる箇所が、作動レバー23の延在する第1直線L1上からがんぎ車2とは反対側(図8における右側)にずれた状態になっている。このため、従来と比較して片作動ばね24と外し石4との接触範囲を小さく設定することができる(図13における角度θB参照)。よって、さらに効率よくてんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを低減することが可能になる。
さらに、片作動ばね24の円弧部31を、デテント固定部21の周囲を取り囲むように形成することにより、デテント7を大型化させることなく、舌片部32cの先端から最大応力部F1との間の距離を十分確保したり、片作動ばね24の弾性変形する基点となる箇所を第1直線L1上からずらしたりすることができる。このため、デテント7の小型化を図りつつ、てんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを確実に低減できる。
そして、デテント7を、この全体の重心位置J1が作動レバー23の支点23aとほぼ一致するように形成しているので、デテント脱進機1の傾きによる復帰ばね22にかかる荷重の変化を防止できる。
また、デテント7を構成するデテント固定部21、復帰ばね22、作動レバー23、および片作動ばね24を一体成形しているので、デテント脱進機1の部品点数を減少させることができる。このため、デテント脱進機1の小型化を図りつつ、デテント脱進機1の組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
なお、上述の第1実施形態では、片作動ばね24を円弧部31と直線部32とからなる平面視略6字状に形成し、作動レバー23の基端部、つまり、アーム部28の基端部から円弧部31を延出させている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも片作動ばね24が動作した際に生ずる最大応力部F1を、第1直線L1に直交し、かつ作動レバー23の支点23aを通る第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側に存在させるか、または片作動ばね24にてんぷ5側とは反対側に向かって延出した後、てんぷ5側に向かって折り返す湾曲部が形成されていればよい。
(第1実施形態の第1変形例)
(デテント)
より具体的に、図9に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。なお、以下の図面において、上述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図9は、第1実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第1実施形態における第1変形例のデテント71に設けられている片作動ばね124は、デテント固定部21のがんぎ車2側(図9における左側)から第1直線L1と略直交する方向に向かって延出し、作動レバー23の先端部30側に向かって湾曲する湾曲部131と、この湾曲部131の先端から先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。
このように片作動ばね124を形成した場合であっても、この片作動ばね24を動作させた際に生ずる最大応力部F1が第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側(図9における下側)に存在することになる。このため、従来と比較して片作動ばね124をしなり易くすることができ、てんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを低減できる。
(第1実施形態の第2変形例)
(デテント)
図10は、第1実施形態の第2変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第1実施形態における第2変形例のデテント72に設けられている片作動ばね224は、作動レバー23におけるアーム部28の基端部から延出する湾曲部232と、この湾曲部232の先端から延出する直線部32とにより構成されている。湾曲部232は、アーム部28のがんぎ車2側(図10における左側)から、一旦てんぷ5とは反対側(図10における下側)に向かって延出された後、てんぷ5側に向かって折り返すように湾曲形成されている。そして、このように形成された湾曲部232の先端から直線部32が延出されている。
このように形成された片作動ばね224は、この片作動ばね224を動作させた際に生ずる最大応力部F1が湾曲部232に存在する。すなわち、第2直線L2よりもてんぷ5側に、片作動ばね224の最大応力部F1が存在することになる。しかしながら、片作動ばね224に湾曲部232が形成されている分、従来と比較して片作動ばね224をしなり易くすることができる。このため、従来よりもてんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを低減することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図14(a)、図14(b)に基づいて説明する。
図14(a)、図14(b)は、この第2実施形態のデテントの平面図である。
図14(a)に示すように、第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態のデテント207の片作動ばね224には、第1実施形態の片作動ばね24の円弧部31に厚肉部51を形成した構成となっている点にある。
すなわち、作動レバー23を構成するアーム部28の基端部には、片作動ばね24の円弧部31に沿うよう厚肉部51が延出形成されている。より具体的には、厚肉部51は、円弧部31の他の部分よりも厚肉に形成されたものである。厚肉部51は、アーム部28の基端部からデテント固定部21の周囲の約1/16程度延出するように円弧部31上に形成されている。これにより、片作動ばね224の直線部32が作動レバー23から離反する方向(図14(a)における矢印Y5参照)に向かって押し広げられた際、片作動ばね224に最も大きな応力がかかる最大応力部F1は、前述の第1実施形態における片作動ばね24の最大応力部F1(図8参照)よりもやや右上に位置する。
このように、円弧部31上に形成された厚肉部51は、片作動ばね224に最も大きな応力がかかる最大応力部F1の位置を設定するための最大応力位置設定部48として機能する。
ここで、厚肉部51のアーム部28からの延出長さを変更することにより、最大応力部F1の位置を変更することができる。
例えば、図14(b)に示すように、厚肉部51をアーム部28の基端部からデテント固定部21の周囲の約1/4程度延出するように円弧部31上に形成した場合、最大応力部F1の位置は、図14(a)に示す、最大応力部F1の位置よりも、さらに右上にずれる。このように、厚肉部51の延出長さを変更することにより、最大応力部F1の位置をずらすことができる。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、片作動ばね224の引き回し形状に関わらず、最大応力部F1を所望の位置に設定することができる。このため、片作動ばね224の設計の自由度を高めることが可能になる。
なお、上述の第2実施形態では、アーム部28の基端部から厚肉部51が延出形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、片作動ばね224の円弧部31上に厚肉部51が形成されていればよい。
(第2実施形態の第1変形例)
より具体的に、図15に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。
図15は、第2実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第2実施形態における第1変形例のデテント217に設けられている片作動ばね225には、円弧部31上に、デテント固定部21の中心P1のアーム部28とは反対側に厚肉部51が形成されている。厚肉部51は、デテント固定部21の周囲の約1/4の範囲に亘って延出形成されている。
このように厚肉部51が形成されている場合、片作動ばね225の最大応力部F1は、厚肉部51の長手方向両端側に存在する。すなわち、前述の第1実施形態、および第2実施形態のように、最大応力部F1が1箇所とはならず、2箇所に分散される。このため、片作動ばね225をさらに撓り易くすることができると共に、最大応力部F1を2箇所に分散することができるので、片作動ばね225の疲労による損傷を防止することが可能になる。
また、上述の第2実施形態では、片作動ばね224の最大応力部F1の位置を所望の位置に設定する最大応力位置設定部48として、厚肉部51を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、最大応力部F1を所望の位置に設定することができる構造であればよい。
(第2実施形態の第2変形例)
より具体的に、図16(a)、図16(b)に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。
図16(a)は、第2実施形態の第2変形例におけるデテントの平面図、図16(b)は、図16(a)のA部拡大図である。
図16(a)、図16(b)に示すように、第2実施形態における第2変形例のデテント227に設けられている片作動ばね226には、円弧部31上の図16(a)における右側に、他の部分より薄肉に形成された薄肉部52が形成されている。つまり、薄肉部52は、第1直線L1を中心にしてがんぎ車2とは反対側で、かつ第2直線L2を中心にして、てんぷ5とは反対側に存在している。
薄肉部52が形成された円弧部31は、薄肉部52が形成されている箇所の剛性が他の円弧部31上の部位よりも弱まり、薄肉部52に応力が集中する。すなわち、薄肉部52が形成された箇所が最大応力部F1となる。
このように、薄肉部52を形成した箇所を、最大応力部F1の位置に設定することができる。つまり、薄肉部52は、片作動ばね226に最も大きな応力がかかる最大応力部F1の位置を設定するための最大応力位置設定部48として機能する。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図17、図18に基づいて説明する。
図17は、この発明の第3実施形態におけるデテント脱進機の斜視図である。
同図に示すように、この第3実施形態と第1実施形態との相違点は、第3実施形態のデテント7には、地板102に固定するための固定ワッシャ12に最大応力位置設定部49が設けられているのに対し、第1実施形態のデテント7には、固定ワッシャ12に最大応力位置設定部49が設けられていない点にある。
図18は、最大応力位置設定部の平面図である。
図17、図18に示すように、最大応力位置設定部49は、固定ワッシャ12に対して摺動可能、かつ回動可能に設けられた支持プレート55を有している。支持プレート55は、固定ワッシャ12の大径ワッシャ12aの外径よりもやや大きく形成され、大径ワッシャ12aと同軸上に配置された環状部55aと、この環状部55aの一側に設けられ、径方向外側に向かって突出する支持アーム55bとが一体成形されたものである。そして、支持プレート55は、支持アーム55bが片作動ばね24の円弧部31が延在している部分の略中央(図18における固定ワッシャ12の右下)に存在するように配置されている。
支持アーム55bの先端には、接続ピン57を介して可動プレート56の基端が回動自在に設けられている。可動プレート56は、この先端が片作動ばね24の円弧部31近傍に位置するように配置されている。そして、可動プレート56の先端に可動ピン58が立設されており、この可動ピン58が、片作動ばね24の円弧部31の図18における右下に接触した状態になっている。つまり、可動ピン58は、第1直線L1を中心にしてがんぎ車2とは反対側で、かつ第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側に存在している。
このような構成のもと、片作動ばね24の直線部32が作動レバー23から離反する方向(図18における矢印Y6参照)に向かって押し広げられると、片作動ばね24の円弧部31は、これに接触している可動ピン58を支点にして撓む。このため、片作動ばね24の可動ピン58が接触している箇所が、最も大きな応力がかかる最大応力部F1となる。
ここで、最大応力位置設定部49は、固定ワッシャ12に対して摺動可能、かつ回動可能に支持プレート55が設けられていると共に、この支持プレート55に可動プレート56の基端が回動自在に設けられている。このため、片作動ばね24の円弧部31に対する可動ピン58の接触位置を変位させることができる。
すなわち、最大応力位置設定部49の支持プレート55を、デテント固定部21の中心P1を中心にして回動させ(図18における矢印Y7参照)、さらに、可動プレート56を、接続ピン57を中心にして回動させることにより(図18における矢印Y8参照)、可動ピン58の位置を変位させることができる。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、片作動ばね24の引き回し形状に関わらず、最大応力部F1を所望の位置に設定することができる。このため、片作動ばね24の設計の自由度を高めることが可能になる。
また片作動ばね24の形状を変更することなく、最大応力部F1の位置を所望の位置に設定することが可能になる。
なお、上述の第3実施形態では、片作動ばね24の円弧部31に接触するように、最大応力位置設定部49の可動ピン58が配置される場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも片作動ばね24の直線部32が作動レバー23から離反する方向(図18における矢印Y6参照)に向かって押し広げられる際、片作動ばね24の円弧部31と可動ピン58とが接触するように、最大応力位置設定部49を配置すればよい。すなわち、片作動ばね24が動作していない状態において、円弧部31から僅かに離間した位置に可動ピン58が配置されていてもよい。このように配置した場合であっても、片作動ばね24が押し広げられた際、円弧部31が可動ピン58を支点にして撓むので、この可動ピン58が接触している箇所が最大応力部F1となる。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、電鋳加工やLIGAプロセスにより、デテント7,71,72,207,217,227を一体成形する場合について説明したが、これに限られるものではなく、樹脂成形としてもよい。また、復帰ばね22や片作動ばね24,124,224,225,226は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましいと説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、金属製の板ばねや線ばねにより形成することも可能である。
そして、デテント固定部21や作動レバー23を樹脂成形とし、復帰ばね22や片作動ばね24を金属製の板ばねや線ばねとする場合、デテント固定部21や作動レバー23に、復帰ばね22、および片作動ばね24をインサート成型する構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、デテント固定部21、復帰ばね22、作動レバー23、および片作動ばね24,124,224,225,226を一体成形した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも復帰ばね22、作動レバー23、および片作動ばね24,124,224,225,226が一体成形されていればよい。これにより、作動レバー23に対する片作動ばね24,124,224,225,226の取付位置や復帰ばね22の取り付け位置を調整する必要がなくなるので、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
さらに、上述の実施形態では、デテント固定部21に復帰ばね22を介して作動レバー23が支持されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、所謂ピボットデテント脱進機のように、不図示の回転軸を介して作動レバー23を回転自在に支持し、これによってがんぎ車2に対して作動レバー23を接離可能に構成してもよい。この場合、復帰ばね22に代わって不図示の回転軸を取り囲むように渦巻きばね(不図示)を設ける。そして、この渦巻きは、作動レバー23を原位置に復帰するように付勢すればよい。
そして、上述の実施形態では、デテント固定部21の中心P1、復帰ばね22、作動レバー23、およびてん真9が、全て復帰ばね22の基端22a、つまり作動レバー23の支点23aとてんぷ5のてん真9の中心とを結ぶ第1直線L1上に形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、作動レバー23の止め石6ががんぎ車2の歯部2aに対して接離可能に構成されていればよい。
ここで、第1直線L1は、作動レバー23の支点23aとてんぷ5のてん真9の中心とを通る直線であればよい。
また、上述の実施形態では、外し石4は、この断面形状が台形状のように大つば11の径方向外側に向かうに従って先細りになっている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、外し石4は、断面円形状や楕円形状、または断面四角形状等、片作動ばね24に接触可能な形状であればよい。
1 デテント脱進機(時計用デテント脱進機)
2 がんぎ車
2a 歯部
3 振り石
4 外し石
5 てんぷ
6 止め石
7,71,72,207,217,227 デテント(デテント本体)
9 てん真
21 デテント固定部(デテント支持部)
22 復帰ばね
23 作動レバー
23a 支点
24,124,224,225,226 片作動ばね
31 円弧部(湾曲部)
100 機械式時計
105 表輪列
111 ぜんまい
131,232 湾曲部
F1 最大応力部
J1 重心位置
L1 第1直線
L2 第2直線
P1 中心

Claims (14)

  1. がんぎ車と、
    このがんぎ車の歯部と接触可能な振り石、および外し石を有し、てん真を中心に自由振動するてんぷと、
    前記がんぎ車の歯部と接触可能な止め石を有し、前記がんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーと、
    前記外し石と接触可能、かつ前記作動レバーに対して接離方向に沿って弾性変形可能な片作動ばねとを備え、
    前記片作動ばねは、
    前記作動レバーから、この延在方向と交差する方向に延出された後、前記てんぷとは反対側に向かって湾曲形成され、さらに前記てんぷ側に向かって折り返すように湾曲形成された湾曲部を有し、
    前記てんぷの戻り回転時に、前記外し石が接触することにより作動した際に生ずる最大応力部が、前記てん真の中心と前記作動レバーの支点とを結ぶ第1直線に対して垂直で、かつ前記支点を通る第2直線を挟んで前記てんぷとは反対側に存在ていることを特徴とする時計用デテント脱進機。
  2. 前記作動レバーに前記片作動ばねが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の時計用デテント脱進機。
  3. 前記片作動ばねは、前記作動レバーを挟んで前記がんぎ車とは反対側に前記最大応力部が存在するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計用デテント脱進機。
  4. 前記作動レバーを原位置に復帰するように付勢する復帰ばねと、
    前記作動レバーを支持するためのデテント支持部とを備え、
    前記片作動ばねの前記湾曲部は、前記デテント支持部の周囲を取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の時計用デテント脱進機。
  5. 前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねから構成されるデテント本体の重心位置が前記作動レバーの支点に位置するように前記片作動ばねを配置したことを特徴とする請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  6. 前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねを一体成形したことを特徴とする請求項または請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  7. 前記作動レバー、前記片作動ばね、前記復帰ばね、および前記デテント支持部を一体成形したことを特徴とする請求項または請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  8. 前記片作動ばねに生じる前記最大応力部の位置を所望の位置に設定するための最大応力位置設定部を備えたことを特徴とする請求項〜請求項の何れかに記載の時計用デテント脱進機。
  9. 前記片作動ばねの前記湾曲部上に、前記最大応力位置設定部を設けたことを特徴とする請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  10. 前記最大応力位置設定部は、前記片作動ばねとは別体で設けられた調整部材であって、
    この調整部材は、
    少なくとも前記作動レバーに対して前記片作動ばねが離反する方向に変位した際、この片作動ばねに接触するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  11. 前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された厚肉部であることを特徴とする請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  12. 前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された薄肉部であることを特徴とする請求項に記載の時計用デテント脱進機。
  13. 前記調整部材は、前記片作動ばねの前記湾曲部に沿って変位可能な可動ピンであることを特徴とする請求項10に記載の時計用デテント脱進機。
  14. 請求項1〜請求項13の何れかに記載の時計用デテント脱進機と、
    動力源を構成するぜんまいと、
    このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列とを備え、
    この表輪列の回転を前記時計用デテント脱進機により制御することを特徴とする機械式時計。
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