JP2012083332A - 時計用デテント脱進機、および機械式時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デテント7の片作動ばねは、てんぷ5の戻り回転時に外し石4が接触することにより作動した際に生ずる最大応力部が、てん真9の中心と作動レバー23の支点23aとを結ぶ第1直線L1に対して垂直で、かつ支点23aを通る第2直線L2を挟んでてんぷ5とは反対側に存在するように形成されている。
【選択図】図3
Description
同図に示すように、スプリングデテント脱進機300は、がんぎ車301と、回転軸であるてん真302を中心に自由振動するてんぷ303と、デテントレバー304とを備えている。てんぷ303は、がんぎ車301の歯部301aと接触可能な振り石305、およびデテントレバー304に取り付けられている片作動ばね309と接触可能な外し石306を有している。
がんぎ車301が1歯分回転する間に、デテントレバー304に復帰ばね307の付勢力が作用し、デテントレバー304が原位置に戻る。これにより、がんぎ車301の歯部301aに止め石308が再び接触する。すなわち、がんぎ車301とデテントレバー304とが係合し、がんぎ車301の回転が停止される。
そして、この動作が繰り返し行われることにより、機械式時計の輪列が一定速度で駆動する。
同図に示すように、ピボットデテント脱進機400は、がんぎ車301と、てん真302を中心に自由振動するてんぷ403と、デテントレバー404とを備えている。ここで、ピボットデテント脱進機400とスプリングデテント脱進機300との相違点は、デテントレバーを原位置に復帰させる付勢手段が異なる点にある。
ここで、スプリングデテント脱進機300にあっては、デテントレバー304の支点304aよりも先端側、つまり、てんぷ303側に片作動ばね309の基端が固定されている。また、ピボットデテント脱進機400にあっては、デテントレバー404の回転軸410よりもやや先端側、つまり、てんぷ403側に片作動ばね409の基端が固定されている。
図13は、片作動ばねの挙動説明図である。なお、各片作動ばね309,409の挙動は、ほぼ同じであるので、スプリングデテント脱進機300のデテントレバー304に取り付けられている片作動ばね309についてのみ説明する。
同図に示すように、片作動ばね309は、てんぷ303のてん真302とデテントレバー304の支点304aとを通る直線L100上に沿うように形成されている。ここで、てんぷ303が逆転(図13における矢印CW32参照)する場合、外し石306と片作動ばね309との接触範囲は、外し石306の回転軌跡R1に対し、角度θAとなる。
すなわち、外し石306と片作動ばね309との接触範囲を小さく設定しようとすると、デテントレバー304に対して斜めに片作動ばね309’を配置する必要がある。しかしながら、このようにすると、デテント脱進機全体が厚み方向に大型化してしまうという課題がある。
また、小型化できると共に、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑制することができる時計用デテント脱進機を提供するものである。
この場合、前記作動レバーに前記片作動ばねが固定されていてもよい。
このように構成することで、片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離が十分確保され、片作動ばねをしなり易くすることができる。このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減し、計時精度を向上させることが可能になる。
このように構成することで、前述の図13におけるデテントレバー304に対して斜めに配置された片作動ばね309’と同様の効果を奏することができる。すなわち、片作動ばねの作動時において、簡素な構造で片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。このため、さらに効率よくてんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減することが可能になる。
このように構成することで、簡素な構造で片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離を十分確保することができると共に、小型化を図りつつ片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。
このように構成することで、小型化を図りつつ、片作動ばねの最大応力部と片作動ばねの外し石が接触する部位との距離を十分確保することが可能になる。また、片作動ばねの最大応力部の位置を、作動レバーを挟んでがんぎ車とは反対側に設定することができ、片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することが可能になる。
このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスをより確実に低減することが可能になる。
このように構成することで、デテント脱進機の傾きによって復帰ばねにかかる荷重が変化してしまうことを防止できる。このため、計時精度を向上させることが可能になる。
このように構成することで、部品点数を減少させることができるので、小型化を図りつつ、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
このように構成することで、さらに部品点数を減少させることができ、小型で組み立て誤差による完成品の精度のばらつきをさらに抑えたデテント脱進機を提供できる。
このように構成することで、片作動ばねの形状に関わらず、最大応力部の位置を所望の位置に設定することができる。このため、片作動ばねの設計の自由度を高めることが可能になる。
この場合、前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された厚肉部であってもよい。
また、前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された薄肉部であってもよい。
このように構成することで、簡素な構造で容易に最大応力部の位置を変更することが可能になる。
この場合、前記調整部材は、前記片作動ばねの前記湾曲部に沿って変位可能な可動ピンであってもよい。
このように構成することで、片作動ばねの形状を変更することなく、最大応力部の位置を変更することが可能になる。
このように構成することで、従来と比較して片作動ばねをしなり易くすることができる。このため、てんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減し、計時精度を向上させることが可能になる。
このように構成することで、計時精度の向上した機械式時計を提供することができる。
また、片作動ばねの作動時において、簡素な構造で片作動ばねと外し石との接触範囲を小さく設定することができる。このため、さらに効率よくてんぷの自由振動に対するエネルギーロスを低減することが可能になる。
そして、部品点数を減少させることができるので、小型化を図りつつ、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
(機械式時計)
次に、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、このムーブメント101の基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
一方、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、および香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている。
二番車108は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番カナと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車108が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
四番車106は、三番車107の三番歯車に噛合う不図示の四番カナと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車106が回転することによりデテント脱進機1が駆動する。このデテント脱進機1が駆動することにより、四番車106が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車108が1時間に1回転するように制御される。
図2は、デテント脱進機の斜視図、図3は、デテント脱進機の平面図である。
図2、図3に示すように、デテント脱進機1は、四番車106が回転することにより回転するがんぎ車2と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、
がんぎ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、およびデテント7と接触可能な外し石4を有するてんぷ5とを備えている。
外し石4は、デテント7に設けられている後述の片作動ばね24と接触可能になっている。外し石4によってデテント7が作動する。
図4は、デテントの平面図である。
図2〜図4に示すように、デテント7は、固定ワッシャ12の大径ワッシャ12aと小径ワッシャ12bとにより挟持されている円板状のデテント固定部21と、デテント固定部21に復帰ばね22を介して支持されている作動レバー23と、外し石4と接触可能な片作動ばね24とが一体成形されたものである。
ここで、一体成形を行う方法として、電鋳加工によりデテント7を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMによりデテント7を形成したりすることが可能である。
先端部30は、この中心が第1直線L1からがんぎ車2とは反対側に向かって僅かにオフセットするように配置されている。このようにオフセットされた先端部30のがんぎ車2側の当接面30aに片作動ばね24の先端が当接されている。
片作動ばね24は、平面視略6字状に形成されたものであって、作動レバー23の基端部、つまり、アーム部28の基端部から延出する円弧部31と、円弧部31の先端から作動レバー23の先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。そして、直線部32が作動レバー23に対する接離方向に沿って弾性変形するようになっている。
また、舌片部32cは、この先端が作動レバー23の先端部30から僅かに突出するように延出形成されている。この舌片部32cの先端部30から突出した部位に、てんぷ5の外し石4が接触するようになっている。
さらに、片作動ばね24が円弧部31と直線部32とからなる平面視略6字状に形成されていることから、デテント7全体の重心位置J1が作動レバー23の支点23aとほぼ一致する。
ここで、地板102には、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位を規制するストッパ40が設けられている。ストッパ40は、ストッパアーム41とストッパアーム41の先端に立設されたストッパピン42とを有している。そして、ストッパアーム41の基端側が、固定ピン43を介して地板102に固定されている。
また、ストッパアーム41は、固定ピン43を中心にして回転可能に設けられており、これによってストッパピン42の位置が調整できるようになっている。このストッパピン42の位置を調整することにより、作動レバー23の移動規制位置が、がんぎ車2の歯部2aに止め石6が接触可能、かつアーム部28の長手方向が第1直線L1上となる位置に設定される。
次に、図3、図5〜図7に基づいて、デテント脱進機1の動作について説明する。
図5〜図7は、デテント脱進機の動作説明図である。
図3に示すように、デテント7の作動レバー23が第1直線L1に沿う位置に存在している状態では、がんぎ車2の歯部2aと作動レバー23に設けられている止め石6の接触面6aとが接触し、両者2,6が係合した状態になっている。
ここで、がんぎ車2は表輪列105より回転力が付与されているが、止め石6と係合している状態にあっては、がんぎ車2が停止した状態になっている。
また、大つば11が矢印CCW1方向に向かって回転することにより、がんぎ車2が矢印CW1方向に向かって回転し始めるのとほぼ同時に、がんぎ車2の歯部2aに振り石3の接触面3aが接触する(図5における2点鎖線参照)。そして、がんぎ車2の回転力が振り石3を介しててんぷ5に伝達される。このとき、てんぷ5は、矢印CCW1方向に向かって回転力が付与される。
一方、がんぎ車2によって矢印CCW1方向に向かう回転力が付与されたてんぷ5は、このてんぷ5に設けられているひげぜんまいが巻き上げられる。そして、ひげぜんまいが所定量巻き上げられると、ひげぜんまいの復元力とてんぷ5の回転力とが逆転し、大つば11の回転方向が矢印CW2方向(図6における時計回り方向)に転じる。
図8は、デテントの片作動ばねが弾性変形した状態の応力分布図である。
同図に示すように、片作動ばね24の直線部32が作動レバー23から離反する方向(図8における矢印Y3参照)に向かって押し広げられた際、片作動ばね24に最も大きな応力がかかる最大応力部F1は、円弧部31が延在している部分の略中央(図8におけるデテント固定部21の右下)に存在している。
このように、片作動ばね24は、外し石4が接触する舌片部32cの先端から最大応力部F1との間の距離が十分確保されている。また、片作動ばね24は、最大応力部F1に対応する位置が弾性変形(動作)する基点となる。このため、この基点となる箇所が、作動レバー23の延在する第1直線L1上からがんぎ車2とは反対側(図8における右側)にずれた状態になる。
これを繰り返すことにより、てんぷ5がてん真9を中心にして自由振動すると共に、デテント7が図3、図5〜図7に示す状態を繰り返す。このため、がんぎ車2が常に一定速度で回転する。
したがって、上述の第1実施形態によれば、デテント7の片作動ばね24を円弧部31と直線部32とからなる平面視略6字状に形成し、片作動ばね24が動作した際に生ずる最大応力部F1を、第1直線L1に直交し、かつ作動レバー23の支点23aを通る第2直線L2を中心にしててんぷ5とは反対側に存在させることにより、外し石4が接触する舌片部32cの先端から最大応力部F1との間の距離を十分確保できる。このため、片作動ばね24をしなり易くすることができ、外し石4が片作動ばね24を押し広げることによるエネルギーロスを低減できる。つまり、てんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを低減できる。また、がんぎ車2から離反する方向に向かって作動レバー23が変位する場合にあっては、片作動ばね24の直線部32が僅かに円弧部31を巻き上げる方向に変位するだけなので、殆ど弾性変形しない。このため、このような場合もてんぷ5の自由振動に対するエネルギーロスを十分低減できる。よって、機械式時計100の計時精度を向上させることが可能になる。
また、デテント7を構成するデテント固定部21、復帰ばね22、作動レバー23、および片作動ばね24を一体成形しているので、デテント脱進機1の部品点数を減少させることができる。このため、デテント脱進機1の小型化を図りつつ、デテント脱進機1の組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
(デテント)
より具体的に、図9に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。なお、以下の図面において、上述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図9は、第1実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第1実施形態における第1変形例のデテント71に設けられている片作動ばね124は、デテント固定部21のがんぎ車2側(図9における左側)から第1直線L1と略直交する方向に向かって延出し、作動レバー23の先端部30側に向かって湾曲する湾曲部131と、この湾曲部131の先端から先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。
(デテント)
図10は、第1実施形態の第2変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第1実施形態における第2変形例のデテント72に設けられている片作動ばね224は、作動レバー23におけるアーム部28の基端部から延出する湾曲部232と、この湾曲部232の先端から延出する直線部32とにより構成されている。湾曲部232は、アーム部28のがんぎ車2側(図10における左側)から、一旦てんぷ5とは反対側(図10における下側)に向かって延出された後、てんぷ5側に向かって折り返すように湾曲形成されている。そして、このように形成された湾曲部232の先端から直線部32が延出されている。
次に、この発明の第2実施形態を図14(a)、図14(b)に基づいて説明する。
図14(a)、図14(b)は、この第2実施形態のデテントの平面図である。
図14(a)に示すように、第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態のデテント207の片作動ばね224には、第1実施形態の片作動ばね24の円弧部31に厚肉部51を形成した構成となっている点にある。
ここで、厚肉部51のアーム部28からの延出長さを変更することにより、最大応力部F1の位置を変更することができる。
なお、上述の第2実施形態では、アーム部28の基端部から厚肉部51が延出形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、片作動ばね224の円弧部31上に厚肉部51が形成されていればよい。
より具体的に、図15に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。
図15は、第2実施形態の第1変形例におけるデテントの平面図である。
同図に示すように、第2実施形態における第1変形例のデテント217に設けられている片作動ばね225には、円弧部31上に、デテント固定部21の中心P1のアーム部28とは反対側に厚肉部51が形成されている。厚肉部51は、デテント固定部21の周囲の約1/4の範囲に亘って延出形成されている。
より具体的に、図16(a)、図16(b)に基づいて、片作動ばねの変形例について説明する。
図16(a)は、第2実施形態の第2変形例におけるデテントの平面図、図16(b)は、図16(a)のA部拡大図である。
図16(a)、図16(b)に示すように、第2実施形態における第2変形例のデテント227に設けられている片作動ばね226には、円弧部31上の図16(a)における右側に、他の部分より薄肉に形成された薄肉部52が形成されている。つまり、薄肉部52は、第1直線L1を中心にしてがんぎ車2とは反対側で、かつ第2直線L2を中心にして、てんぷ5とは反対側に存在している。
このように、薄肉部52を形成した箇所を、最大応力部F1の位置に設定することができる。つまり、薄肉部52は、片作動ばね226に最も大きな応力がかかる最大応力部F1の位置を設定するための最大応力位置設定部48として機能する。
次に、この発明の第3実施形態を図17、図18に基づいて説明する。
図17は、この発明の第3実施形態におけるデテント脱進機の斜視図である。
同図に示すように、この第3実施形態と第1実施形態との相違点は、第3実施形態のデテント7には、地板102に固定するための固定ワッシャ12に最大応力位置設定部49が設けられているのに対し、第1実施形態のデテント7には、固定ワッシャ12に最大応力位置設定部49が設けられていない点にある。
図17、図18に示すように、最大応力位置設定部49は、固定ワッシャ12に対して摺動可能、かつ回動可能に設けられた支持プレート55を有している。支持プレート55は、固定ワッシャ12の大径ワッシャ12aの外径よりもやや大きく形成され、大径ワッシャ12aと同軸上に配置された環状部55aと、この環状部55aの一側に設けられ、径方向外側に向かって突出する支持アーム55bとが一体成形されたものである。そして、支持プレート55は、支持アーム55bが片作動ばね24の円弧部31が延在している部分の略中央(図18における固定ワッシャ12の右下)に存在するように配置されている。
すなわち、最大応力位置設定部49の支持プレート55を、デテント固定部21の中心P1を中心にして回動させ(図18における矢印Y7参照)、さらに、可動プレート56を、接続ピン57を中心にして回動させることにより(図18における矢印Y8参照)、可動ピン58の位置を変位させることができる。
また片作動ばね24の形状を変更することなく、最大応力部F1の位置を所望の位置に設定することが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、電鋳加工やLIGAプロセスにより、デテント7,71,72,207,217,227を一体成形する場合について説明したが、これに限られるものではなく、樹脂成形としてもよい。また、復帰ばね22や片作動ばね24,124,224,225,226は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましいと説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、金属製の板ばねや線ばねにより形成することも可能である。
そして、デテント固定部21や作動レバー23を樹脂成形とし、復帰ばね22や片作動ばね24を金属製の板ばねや線ばねとする場合、デテント固定部21や作動レバー23に、復帰ばね22、および片作動ばね24をインサート成型する構成としてもよい。
ここで、第1直線L1は、作動レバー23の支点23aとてんぷ5のてん真9の中心とを通る直線であればよい。
2 がんぎ車
2a 歯部
3 振り石
4 外し石
5 てんぷ
6 止め石
7,71,72,207,217,227 デテント(デテント本体)
9 てん真
21 デテント固定部(デテント支持部)
22 復帰ばね
23 作動レバー
23a 支点
24,124,224,225,226 片作動ばね
31 円弧部(湾曲部)
100 機械式時計
105 表輪列
111 ぜんまい
131,232 湾曲部
F1 最大応力部
J1 重心位置
L1 第1直線
L2 第2直線
P1 中心
Claims (16)
- がんぎ車と、
このがんぎ車の歯部と接触可能な振り石、および外し石を有し、てん真を中心に自由振動するてんぷと、
前記がんぎ車の歯部と接触可能な止め石を有し、前記がんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーと、
前記外し石と接触可能、かつ前記作動レバーに対して接離方向に沿って弾性変形可能な片作動ばねとを備え、
前記片作動ばねは、
前記てんぷの戻り回転時に、前記外し石が接触することにより作動した際に生ずる最大応力部が、前記てん真の中心と前記作動レバーの支点とを結ぶ第1直線に対して垂直で、かつ前記支点を通る第2直線を挟んで前記てんぷとは反対側に存在するように形成されていることを特徴とする時計用デテント脱進機。 - 前記作動レバーに前記片作動ばねが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記片作動ばねは、前記作動レバーを挟んで前記がんぎ車とは反対側に前記最大応力部が存在するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記片作動ばねは、前記作動レバーから、この延在方向と交差する方向に延出された後、前記てんぷとは反対側に向かって湾曲形成され、さらに前記てんぷ側に向かって折り返すように湾曲形成された湾曲部を有していることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の時計用デテント脱進機。
- 前記作動レバーを原位置に復帰するように付勢する復帰ばねと、
前記作動レバーを支持するためのデテント支持部とを備え、
前記片作動ばねの前記湾曲部は、前記デテント支持部の周囲を取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の時計用デテント脱進機。 - 前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねから構成されるデテント本体の重心位置が前記作動レバーの支点に位置するように前記片作動ばねを配置したことを特徴とする請求項5に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記作動レバー、前記片作動ばね、および前記復帰ばねを一体成形したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記作動レバー、前記片作動ばね、前記復帰ばね、および前記デテント支持部を一体成形したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記片作動ばねに生じる前記最大応力部の位置を所望の位置に設定するための最大応力位置設定部を備えたことを特徴とする請求項4〜請求項8の何れかに記載の時計用デテント脱進機。
- 前記片作動ばねの前記湾曲部上に、前記最大応力位置設定部を設けたことを特徴とする請求項9に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記最大応力位置設定部は、前記片作動ばねとは別体で設けられた調整部材であって、
この調整部材は、
少なくとも前記作動レバーに対して前記片作動ばねが離反する方向に変位した際、この片作動ばねに接触するように配置されていることを特徴とする請求項9に記載の時計用デテント脱進機。 - 前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された厚肉部であることを特徴とする請求項10に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記最大応力位置設定部は、前記湾曲部の一部に形成された薄肉部であることを特徴とする請求項10に記載の時計用デテント脱進機。
- 前記調整部材は、前記片作動ばねの前記湾曲部に沿って変位可能な可動ピンであることを特徴とする請求項11に記載の時計用デテント脱進機。
- がんぎ車と、
このがんぎ車の歯部と接触可能な振り石、および外し石を有し、てん真を中心に自由振動するてんぷと、
前記がんぎ車の歯部と接触可能な止め石を有し、前記がんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーと、
前記外し石と接触可能、かつ前記作動レバーに対して接離方向に沿って弾性変形可能な片作動ばねとを備え、
前記片作動ばねは、
前記作動レバーから、この延在方向と交差する方向に延出された後、前記てんぷとは反対側に向かって湾曲形成され、さらに前記てんぷ側に向かって折り返すように湾曲形成された湾曲部を有していることを特徴とする時計用デテント脱進機。 - 請求項1〜請求項15の何れかに記載の時計用デテント脱進機と、
動力源を構成するぜんまいと、
このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列とを備え、
この表輪列の回転を前記時計用デテント脱進機により制御することを特徴とする機械式時計。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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