JP5441434B2 - デテント脱進機並びにこれを用いた調速・脱進機及び時計 - Google Patents

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Description

本発明は、デテント脱進機並びにこれを用いた調速・脱進機及び時計に係る。
輪列と調速機との間に位置する脱進機として、デテント脱進機は知られている(例えば、非特許文献1)。このデテント脱進機では、がんぎ車のエネルギがてんぷ(の振り石)に直接与えられる点及び一周期の往復回動の間にてんぷに加えられる衝撃が一回だけで自由振動区間が長い点で、がんぎ車のエネルギがアンクルの如き中間部品を介して間接的にてんぷ(の振り石)に与えられ一周期の往復回動の間にてんぷに二回衝撃が加えられるクラブツースレバー脱進機よりも優れ計時精度が高められ易い面がある。
しかしながら、従来の一般的なデテント脱進機では、がんぎ車が制止されつつ一歯づつ回転される構造的保証がない。すなわち、従来の一般的なデテント脱進機では、てんぷの振動即ちてん輪やてん真の往復回動の際に、該てん輪やてん真と一体的な小ツバ(impulse roller)に取付けられたハズシ石(unlocking stone)によって作動レバー(blade)を弾性的に変位させることにより該作動レバーと一体的な停止石(locking stone)を変位させてがんぎ車の回転規正を解除し、がんぎ車の回転に伴ってその歯でてん輪やてん真と一体的な大ツバ(impulse roller)に取付けられた振り石(impulse pallet)に回転エネルギを与え、弾性的に変位されていた作動レバーが元の位置に戻ると、がんぎ車の歯が停止石に当たってがんぎ車の回転が規正されることが繰返される。この場合、一旦変位されてがんぎ車の回転を許容した作動レバーの停止石が元の位置に戻ってがんぎ車の回転を再度禁止するまでの時間間隔がどの程度になるかの保証がない。従って、停止石が元に戻るまでにがんぎ車の歯が複数個分回転したり、多数個分回転する虞れがある。この場合、回転駆動源がぜんまいである機械式時計では、ぜんまいがほどけてしまう虞れすらある。なお、弾性的な変位を規定する復帰バネ(spring detent)としては板バネ又は渦巻きバネが用いられている。
一方、広義のデテント脱進機において、がんぎ車の回転位置に従って規定されるてんぷの振り石(衝撃石)の位置に応じて作動レバー(制止部材)の回動位置を規定しこれにより作動レバーと一体的な停止石(停止つめ石)の位置を規定してがんぎ車の回転規正を確実に行い得るようにすることは、提案されている(特許文献1)。
この特許文献1では、復帰バネに代えててんぷのてん真やてん輪と一体的なカム状通路形成部(第1フィンガ等)を設けると共にてんぷの回転方向に応じて該カム状通路形成部に選択的に係合する係合部(第2フィンガ)を作動レバーの先端部に設け、がんぎ車の回転位置に従って規定されるてんぷの振り石(衝撃石)の往復回転位置(回転方向及び該方向での回転位置)に応じて作動レバー(制止部材)の回動位置を規定するようにしている。
しかしながら、この特許文献1では、てんぷの往復回転(往復回動)の夫々に応じて作動レバー(制止部材)が異なる回動位置(揺動位置)を採るように、該作動レバーの先端の係合部(第2フィンガ)をてんぷのカム状通路形成部(第1フィンガ等)に係合させるようになっているので、てんぷの戻り回動動作の際に作動レバーの先端の係合部がてんぷの回転に対する抵抗になって、てんぷの振動が乱れたりてんぷの振動エネルギのロスが生じる虞れがある。
ジョージ・ダニエルス(George Daniels)著、「実用時計脱進機(The Practical Watch Escapement)」、第2版、1997年、p.38-47
特開2005−181318号公報
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、復帰バネ(この明細書において「復帰バネ」は板バネに限られず渦巻きバネ(ぜんまい)も含む)を用いるタイプのデテント脱進機であってがんぎ車を一歯ずつ確実に制止し得るもの並びにこれを用いた調速・脱進機及び時計を提供することにある。
本発明のデテント脱進機は、前記目的を達成すべく、がんぎ真及び該がんぎ真と一体的で同心の環状部を有し、該環状部の外周に沿って第一の歯を等間隔に備えると共に該環状部の内周に沿って第二の歯を等間隔に備えたがんぎ車と、作動レバー及び該作動レバーを基体に対して第一の位置と第二の位置との間で可動に弾性的に支持する弾性支持機構を備えたデテントと、てん真に固定されるつば体であって、がんぎ車の第一の歯によって回転エネルギを受ける振り石を大径部に備え、前記作動レバーを第一の位置から第二の位置の方へ変位させるハズシ石を小径部に備えたものとを具備し、デテントが、前記作動レバーに取付けられ該作動レバーが第一の位置にある際にがんぎ車の第一の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第一の停止部材と、前記作動レバーに取付けられ該作動レバーが第二の位置にある際にがんぎ車の第二の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第二の停止部材とを有する。
本発明のデテント脱進機では、作動レバーを弾性支持機構によって可動に弾性的に支持するので、てんぷの振動が乱れたりてんぷの振動エネルギが失われるのを最低限に抑え得るだけでなく、特に、「デテントが、作動レバーに取付けられ該作動レバーが第一の位置にある際にがんぎ車の第一の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第一の停止部材と、前記作動レバーに取付けられ該作動レバーが第二の位置にある際にがんぎ車の第二の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第二の停止部材とを有する」ので、がんぎ車が、一歯回転する毎に確実に規制(以下では、「係止」ともいう)されて制止(以下では、「停止」ともいう)され得る。すなわち、本発明のデテント脱進機では、がんぎ車が第一の歯に加えて第二の歯を有し、デテントが第一の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第一の停止部材に加えて第二の歯に係合してがんぎ車の回転を規制する第二の停止部材を有するので、がんぎ車が、一歯回転する毎に確実に制止ないし停止され得る。
本発明のデテント脱進機では、
(1)がんぎ車が第一の歯で振り石に回転エネルギを与えた後、第二の停止部材によって第二の歯で停止せしめられるようになっていても、
(2)がんぎ車が第一の歯で振り石に回転エネルギを与える前に、第二の停止部材によって第二の歯で停止せしめられるようになっていても
よい。
いずれの場合でも、てんぷが衝撃を受ける回数は、てんぷの一往復(回動)当たり、一回である。
前者の場合、即ち(1)の場合、ハズシ石によってがんぎ車の回転が許容された後、がんぎ車の回転が第一の歯で制止せしめられる。この場合、ハズシ石は、弾性支持機構によって弾性的に可動に支持された作動レバーを弾性的に変位させることにより、第一の停止部材による第一の歯の規制を解除してがんぎ車の回転を許容する。ここで、ハズシ石は、典型的には、作動レバーに付加され作動レバーの先端から突出している片作動バネの先端に力を加える。
また、前者の場合、デテントが第一の位置に戻ると、第二の停止部材による第二の歯の回転規制が解除されると共に第一の停止部材による第一の歯の回転規制が行われる。すなわち、第一の歯が第一の停止部材に係合するがんぎ車の回転位置が第二の歯が第二の停止部材に係合するがんぎ車の回転位置とほぼ同じで、前者の方が僅かに先行する(第二の停止部材による第二の歯の規制ないし係止が解除された後速やかに第一の停止部材による第一の歯の規制ないし係止が行われる)。従って、第一及び第二の歯は、このような条件を満たすように、周方向に沿って形成される。ここで、第一の歯は、典型的には、がんぎ歯車の歯であるから、第二の歯ががんぎ歯車の歯の周方向位置に応じて適切な位置に形成されることになる。但し、第一の歯に対する第二の歯の相対位置は、作動レバー上の第一及び第二の停止部材の相対位置に依存し、且つ作動レバーの第一及び第二の位置にも依存するので、これら、三種類の相対位置関係を考慮して適切な位置が決定されることになる。
一方、後者の場合、即ち(2)の場合、第二の歯が第二の停止部材を介して作動レバーに対して第二の位置から第一の位置に向かって変位する力を及ぼす。従って、作動レバーは第二の位置から第一の位置に速やかに復帰する。なお、このような変位力が生じ易くするために、典型的には、第二の停止部材が第二の歯によって力を受ける力受面の向き(面の法線方向)を第二の位置から第一の位置に向かう向きと平行又はそれに近い向きにしておく。ここで、第二の歯はがんぎ車の歯であるから、該第二の歯には香箱車からの一方向トルクが常時働いているので、このトルクを作動レバーの第二の位置から第一の位置への復帰に利用することになる。
なお、後者の場合、「がんぎ車が第一の歯で振り石に回転エネルギを与える前に、第二の停止部材によって第二の歯で停止せしめられる」ということは、典型的には、「がんぎ車が第一の歯で振り石に回転エネルギを与えた後、第一の停止部材によって第一の歯で停止せしめられる」ことになる。
更に、後者の場合、「がんぎ車が第一の歯で振り石に回転エネルギを与える前に、第二の停止部材によって第二の歯で停止せしめられる」ということは、典型的には、「ハズシ石によってがんぎ車の回転が許容された後、がんぎ車の回転が第二の歯で制止せしめられる」ことになる。この制止は、典型的には、ハズシ石による回転許容後速やかに行われる。この場合、ハズシ石は、弾性支持機構によって弾性的に可動に支持された作動レバーを弾性的に変位させることにより、第一の停止部材による第一の歯の規制を解除してがんぎ車の回転を許容する。ここで、ハズシ石は、典型的には、作動レバーに付加され作動レバーの先端から突出している片作動バネの先端に力を加える。ハズシ石による回転許容後速やかに第二の停止部材による第二の歯の制止が行われ得るように、この片作動レバーの先端の突出長は前記(1)の場合よりも、典型的には短い。
本発明のデテント脱進機では、がんぎ車の第一の歯及び第二の歯が一体的に形成されていても、別体で形成されていてもよい。このようながんぎ車は、典型的には、UV−LIGAにより製造される。但し、他の方法によってもよい。
本発明のデテント脱進機では、復帰バネとして働く弾性機構が、典型的には、板バネからなる。但し、厚さや軸支部分での抵抗が無視され得るような場合には、復帰バネとして働く弾性機構が、板バネの代わりに、渦巻きバネないしぜんまいからなっていてもよい。
本発明の調速・脱進機は、上述のようなデテント脱進機とてんぷとからなる。
また、本発明の機械式時計は、上述のようなデテント脱進機を備える。そのような機械式時計は、ぜんまいのほどけに伴う香箱車のトルクが効果的に調速・脱進機を動作させるので、時計の計時精度が高められ易い。
本発明の好ましい一実施例のデテント脱進機を備えた本発明の好ましい一実施例の調速・脱進機を有する本発明の好ましい一実施例の機械式時計の一部を示したもので、機械式時計の輪列の一部を調速・脱進機と共に示した斜視説明図である。 図1(a)の機械式時計のうち楕円で囲った調速・脱進機の部分を拡大して示した斜視説明図(重なり合った背後の部分も破線などで同時に示してある)である。 図1のテデント脱進機の部分を示したもので、斜め上(裏蓋側ないし大つば側)から見た斜視説明図である。 図1のテデント脱進機の部分を示したもので、斜め下(文字板側ないし小つば側)から見た斜視説明図である。 図1のテデント脱進機の部分の平面説明図である。 図1のデテント脱進機で用いられるがんぎ車を示したもので、がんぎ車の一例の平面説明図である。 図1のデテント脱進機で用いられるがんぎ車を示したもので、(a)のIVB−IVB線断面説明図である。 図1のデテント脱進機で用いられるがんぎ車を示したもので、がんぎ車の変形例の平面説明図である。 図1のデテント脱進機で用いられるがんぎ車を示したもので、(c)のIVD−IVD線断面説明図である。 図1のデテント脱進機の動作状態の変化を8段階に分けて、アルファベット順に(a)〜(h)で示した図1のデテント脱進機の動作の説明図である。 図5の8段階の動作について、がんぎ車の歯と関連部材との係合又は係止状態の確立とその解除との変化を示した拡大動作説明図である。 本発明の一変形例のデテント脱進機を示したもので、(a)は図2の(a)と同様に、斜め上(裏蓋側ないし大つば側)から見た斜視説明図、(b)は図2の(b)と同様に、斜め下(文字板側ないし小つば側)から見た斜視説明図である。 図7のデテント脱進機を示したもので、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)において背後に位置する部分を破線で示した(a)と同様な平面説明図である。 別の一変形例のデテント脱進機について、その動作状態の変化を図5と同様に(但し、9段階に分けて)、アルファベット順に(a)〜(i)で示した動作の説明図である((c)では係止石の近傍部分が付加的に左上隅に想像線で拡大して示されている)。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
図1から図3には、本発明の好ましい一実施例のデテント脱進機1及び該脱進機1を備えた調速・脱進機2を有する機械式時計3が示されている。
機械式時計3は、図1の(a)に示したように、基体としての地板10に香箱11が配置され、二番車12がかな部12aで香箱11の香箱歯車(香箱車)11aに噛合され、三番車13がかな部13aで二番車12の歯車部12bに噛合され、四番車14がかな部14aで三番車13の歯車部13bに噛合されている。四番車14は、歯車部14bで調速・脱進機2に係合されており、調速・脱進機2により規定される速度で、香箱車11aが回転して、香箱11のぜんまいがほどける。
香箱車11aと同心の角穴車15には、丸穴車16が噛合され、巻真17の引出位置に応じて、巻真17の回転により角穴車15を介して香箱11内のぜんまい(図示せず)が巻上可能である。なお、18はぜんまいのほどけを防ぐこはぜである。
調速・脱進機2は、脱進機1とてんぷ20とからなる。
脱進機1は、図1の(a)のうち楕円Bで囲った領域を拡大し且つ重なり合った背後も示した図1の(b)、図2の(a)及び(b)並びに図3からわかるように、てんぷ20のてん真21に固定されたつば体30と、がんぎ車40と、デテント50とを有する。てんぷ20は、回転中心軸線(てん真21の中心軸線)Cのまわりで、C1,C2方向に往復回動可能である。
つば体30は、大つば部ないし大径円板状部31及び小つば部ないし小径円板状部32と、振り石33と、ハズシ石34とを有する。振り石33は、大径円板状部31の外周面31aから半径方向外向きに多少突出する状態で該大径円板状部31に取付けられている。大径円板状部31のうち振り石33の力受面33aが向いた側には、該面33aにD1方向の力(C1方向の回転力)を受け易いように、切欠部ないし凹部31bが形成されている。
小径円板状部ないし小径円柱状部32は、大径円板状部31よりも径が小さく、該大径円板状部31の裏側(文字板側)に配置されている。但し、逆側、すなわち大径円板状部31の表側(裏蓋板側)でもよい。ハズシ石34は、小径円板状部32の外周面32aから半径方向外向きに多少突出する状態で該小径円板状部32に取付けられている。なお、ハズシ石34は、C1方向に回転される際に力を及ぼし得るように、力作用面34aをD1方向に向いた側に有する。
がんぎ車40は、図2の(a)や(b)において想像線で部分的に示し軸ないし真41及びこれと一体的ながんぎかな42と、がんぎ車本体43とを有する。なお、がんぎ車40の構造は、図4の(a)及び(b)により詳しく示されている。がんぎ車本体43は、環状部としての環状板状部44及び該環状板状部44を軸41に連結・固定する連結固定部45を備える。連結固定部45は、環状板状部44の厚さ方向の一方の側(裏蓋側)において環状板状部44の環状内周縁44aから半径方向に延びた四本の腕部45aと、該腕部45aの半径方向内側端部につながったリング状のハブ部45bとを備え、該ハブ部45bでがんぎ真41に固定されている。環状板状部44の外周には、がんぎ歯車46が形成され、環状板状部44の内周のうち厚さ方向の他方の側(文字板側)には内歯車47形成されている。このようながんぎ車40は、例えば、UV−LIGAによって作製される。
がんぎ車40は、がんぎかな42で四番車14の歯車部14bに噛合され、てんぷ20のてん真21と一体的なつば体30の振り石33に対してがんぎ歯車46で係合可能である。
このデテント脱進機1のがんぎ車40のがんぎ歯車46は、アンクルの入りつめ及び出つめの両方と係合可能なクラブツースレバー脱進機のがんぎ歯車とは異なり、がんぎ車40の回転中心軸線EのまわりでE1方向に回転される際に、歯車46の各歯部48のE1方向に向いた側に振り石33にD1方向の力を及ぼす力作用面48aを備える。この力作用面48aは、後述のように、デテント50により回転が規制される被係止面ないし被停止面(被制止面ともいう)としても働く。
また、このデテント脱進機1のがんぎ車40の内歯車47は、がんぎ歯車46の歯48と同数の被係止用歯49を備え、該被係止用歯49のうちE1方向に向いた被係止面(被停止面ないし被係止面ともいう)49aは、後述のようにデテント50の係止作用を受けるもうひとつの被係止面として働く。
デテント50は、基体としての地板10への取付け部51と、復帰バネ52と、作動レバー60と、片作動バネ56と、停止石71と、係止石76とを有する。
作動レバー60は、細長い作動レバー本体部61と、該作動レバー本体部61の基端部61aから該本体部61に対して概ね直交する状態で横方向に延びた基部側支持腕部62と、該本体部61の基端部61aのうち腕部62とは反対側の側面から本体部61に対して斜めに延びた係止用腕部63とを有する。係止用腕部63は、作動レバー本体部61に対して補強腕部63bで補強されて作動レバー本体部61に剛性連結されている。作動レバー本体部61は、太い本体基部64と、該本体基部64の先端部64aから連続的に延びた細い本体先端側部65とを有する。
作動レバー60の本体部61の本体基部64の先端部64aには停止石71が取付けられ、作動レバー60の係止用腕部63の先端部63aには係止石76が取付けられている。
停止石71のうち作動レバー本体部61の本体基部64の先端部64aから裏蓋側に突出した突出部72は、横断面が半円の形態であって、平面状停止面72aと半円筒状周面72bとを有する。平面状停止面72aは、作動レバー本体部61の延在方向に対して交差する面より詳しくは概ね垂直な面に沿って延びる。
係止石76のうち係止用腕部63の先端部63aから裏蓋側に突出した突出部77も横断面が半円の形態であって、平面状停止面77aと半円筒状周面77bとを有する。平面状停止面77aは、係止用腕部63の延在方向に対して交差する面に沿って延び、この例では、より詳しくは停止石71の停止面72aと概ね平行である。
復帰バネ52は、基端52a側で取付け部51に固定され、先端52b側で作動レバー60の本体部61の本体基部64の基端部64dに固定されている。復帰バネ52は、該取付け部51に対してF1方向に曲げ変形可能でF2方向に復帰可能であり、該変形に応じて、作動レバー60が第一の位置としての非揺動位置(基準位置)P1と第二の位置としてのF2方向揺動位置P2との間で、F1,F2方向に揺動変位可能である。
デテント50は、復帰バネ52が弾性変形されていない状態S1(作動レバー60が第一の位置としての非揺動位置(基準位置)P1にある状態)では、がんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48が被係止面48aの先端部48bで停止石71の平面状停止面72aに係止され、復帰バネ52がF1方向に弾性的に撓められた状態S2(作動レバー60が第二の位置としてのF2方向揺動位置P2にある状態)では、停止石71の平面状停止面72aによるがんぎ歯車46の歯48の被係止面48aの係止が解除される。
デテント50では、復帰バネ52が弾性変形されていない状態S1(作動レバー60が第一の位置としての非揺動位置(基準位置)P1にある状態)では、係止用腕部63の先端部63aにある係止石76はがんぎ車40の内歯車47の歯49の軌跡外にあり、がんぎ車40のE1方向回転に伴ってがんぎ歯車46の歯48の被係止面48aが採る軌跡からF1方向にズレた位置に停止石71が位置するF1方向揺動状態S2(例えば、後で詳説する図5の(d)や図6の(d)に示すように、作動レバー60が第二の位置としての揺動位置P2を採る状態)では、内歯車47の歯49が係止石76で係止可能になる。
即ち、デテント50では、復帰バネ52が非変形状態S1にあり作動レバー60が第一の位置としての非揺動位置P1にある場合、(係止石76はがんぎ車40の内歯車47の歯49に係合しないけれども)停止石71ががんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48に係合可能であり、復帰バネ52がF1方向に撓んだ揺動変位状態ないし変形状態S2(例えば、後で詳説する図5の(d)や図6の(d)参照)にある場合、(停止石71はがんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48に係合しないけれども)係止石76ががんぎ車40の内歯車47の歯49に係合可能である。
片作動バネ56は、細くて薄い板バネからなり、基端部56aにおいて作動レバー60の基部側支持腕部62の先端部62aの下側突出部62bに固定され、中間部56bにおいて作動レバー60の本体基部64の先端部64aの下側突出部64bの一側縁64cに当接し、先端部56cにおいて作動レバー60の本体先端側部65の先端部65aの下側突出部65bの他側縁65cに当接している。片作動レバー56は、先端部56cの先端縁部56d(例えば、後で詳説する図6の(a),(f),(g)等参照)が僅かに作動レバー60の本体先端側部65の先端部65aの突出部65bから突出し、つば体30の小径円板状部32のハズシ石34と係合される。
従って、てんぷ20のC1方向回動に伴ってつば体30がC1方向に回転した場合、つば体30の小径円板状部32のハズシ石34が片作動レバー56の先端部56cの先端縁部56dをF1方向に押し、作動レバー60の本体先端側部65の先端部65aの下側突出部65bの側縁65cで先端部56cが支持された片作動レバー56は作動レバー60の本体先端側部65の先端部65aをF1方向に押すので、復帰バネ52がF1方向に撓められる(例えば、後で詳説する図5の(b)や図6の(b)参照)。
一方、てんぷ20のC2方向回動に伴ってつば体30がC2方向に回転した場合、つば体30の小径円板状部32のハズシ石34が傾斜面34bで片作動レバー56の先端部56cの先端縁部56dをF2方向に押す。ここで、細くて薄い板バネからなる片作動レバー56は、作動レバー60の本体基部64の先端部64aの下側突出部64bの一側縁64cで中間部56bが支持された片作動レバー56は該下側突出部64bのところでF2方向に撓められて逃げ(例えば、後で詳説する図5の(g)や図6の(g)参照)、ハズシ石34のC2方向回動を許容する。
次に、以上の如く構成された脱進機1であってがんぎ車40の外歯車をなすがんぎ歯車46の歯48と内歯車47の歯49とが、特定の相対位置にある実施例の脱進機1、及び該脱進機1を備えた調速・脱進機2の動作について、図1〜図4に加えて、図5の(a)〜(h)及びその一部を拡大した図6の(a)〜(h)に基づいて、説明する。
脱進機1において、図5の(a)及びその一部拡大図である図6の(a)は、デテント50の復帰バネ52が非湾曲状態S1にあって作動レバー60が非揺動位置P1にあり且つがんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48が作動レバー60の停止石71で係止されている状態において、てんぷ20のてん真21と一体的なつば体30のC1方向回動に伴ってハズシ石34が片作動レバー56の先端縁部56dに丁度衝突したときを示す。
てんぷ20のつば体30のハズシ石34が片作動レバー56の先端縁部56dをC1方向に押すので、図5の(b)に示したように、デテント50の復帰バネ52がF1方向に撓み、作動レバー60が非揺動位置P1から揺動位置P2に向かって変位し、一部を拡大した図6の(b)に示したように、停止石71とがんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48との係合が解除される。
従って、香箱車11aによるE1方向のトルクを受けているがんぎ車40がE1方向に回転し始める。
該がんぎ車40のE1方向回転が始まると、図5の(c)及びその一部拡大図である図6の(c)に示したように、がんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48がてんぷ20のつば体30の振り石33に衝突し、該振り石33にC1方向のトルクを与える。これにより、香箱11のぜんまい(図示せず)の機械的エネルギがてんぷ20に与えられて、てんぷ20の往復回動動作を安定な状態のまま継続させる。なお、このとき、ハズシ石34が片作動レバー56の先端縁部56dをC1方向に押しているか押した直後の状態であるので、デテント50の復帰バネ52がF1方向に撓んだ状態S2にあり、作動レバー60は揺動位置P2にある。
がんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48が振り石33から離れると実際上同じタイミングで、図5の(d)及びその一部拡大図である図6の(d)に示したように、がんぎ車40の内歯車47の歯49が、揺動状態S2にあるデテント50(揺動位置P2にある作動レバー60)の係止石76に当たって係止され、がんぎ車40のE1方向回転が停止される。
すなわち、内歯車47がない場合には、この段階ではがんぎ車46はE1方向に回転し続けることになるけれども、このデテント脱進機1では、デテント方式を採用しているにもかかわらず、がんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48によるてんぷ20の振り石33へのC1方向トルク付与が終了すると直ちにがんぎ車40のE1方向回転を停止させ、がんぎ車40が誤って一歯分を超えてE1方向に回ってしまうのを確実に規制し得る。
復帰バネ52がF1方向に撓んだ状態からF2方向に戻り、作動レバー60が非揺動位置P1に戻ると、図5の(e)及びその一部拡大図である図6の(e)に示したように、係止石76によるがんぎ車40の内歯車47の歯49の係止が解除される代わりに停止石71によるがんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48の係止が始まる。従って、がんぎ車40は、実際上、停止されたままに保たれる。なお、がんぎ車40のがんぎ歯車46の歯48のE1方向の回転位置と停止石71の位置関係、及びがんぎ車40の内歯車47の歯49のE1方向の回転位置と係止石76の位置関係によっては、がんぎ車40が僅かにE1方向に回転された後で係止されることになるけれども、この際の回転角が小さくなるように、位置関係が定められている。
なお、この間に、てんぷ20は、C1方向からC2方向に回転方向を変える。
図5の(f)及びその一部拡大図である図6の(f)に示したように、C2方向に回転するてんぷ20のつば体30のハズシ石34が、片作動レバー56の先端縁部56dにC2方向に当たる。
該、C2方向衝突の際には、細くて薄い板バネからなる片作動レバー56は下側突出部64bの側縁64cで支えられるので、図5の(g)及びその一部拡大図である図6の(g)に示したように、単独で容易に撓む。
この後、図5の(h)及びその一部拡大図である図6の(h)に示したように、てんぷ20は自由振動(ひげぜんまいの作用下での往復回動)動作を続け、C2方向からC1方向に回転方向が変わる。
次に、再び、図5の(a)や図6の(a)の動作状態に戻り、以上の動作が繰り返される。
以上のように、このデテント脱進機1では、がんぎ車40が、外歯車であるがんぎ歯車46に加えて内歯車47を備え、該歯車46,47の歯48,49に、停止石71に加えて係止石76が係合可能であるなら、がんぎ車40が誤って一歯以上回転してしまう虞れがない。
以上においては、復帰バネが板バネからなるデテント脱進機1について説明したけれども、図7の(a)及び(b)並びに図8の(a)及び(b)に示したように、デテント脱進機において、復帰バネは板バネの代わりに渦巻きバネであってもよい。図7の(a)及び(b)並びに図8の(a)及び(b)に示したデテント脱進機1Aにおいて、図1〜図6に示したデテント脱進機1の要素又は部位と同じ要素又は部位には同一の符号が付され、デテント脱進機1の要素又は部位に対応するけれども異なるところのある要素又は部位には対応する符号の後に添字Aが付されている。
作動レバー60は、地板10に対して、部位80において、中心軸線Jの周りでJ1,J2方向に回動可能である。部位80には、渦巻きバネないしぜんまいからなる復帰バネ52Aが配置されている。渦巻きバネの形態の復帰バネ52Aは、外周側端部52aAが取付け部材51Aに取付けられ、内周側端部52bAが部位80において作動レバー60Aに取付けられている。
従って、デテント脱進機1Aの作動レバー60Aの中心軸線JのまわりにおけるJ1,J2方向の回動変位(渦巻きバネの形態の復帰バネ52AのJ1,J2方向の弾性変位)が、デテント脱進機1の作動レバー60のF1,F2方向の揺動変位(板バネの形態の復帰バネ52のF1,F2方向の弾性変位)に、対応する。
このデテント脱進機1Aは、明らかに、図1〜図4に構造を示し図5や図6で動作説明をしたデテント脱進機1と同様に機能する。
なお、がんぎ車は、図4の(a)及び(b)に示したような一体物からなる代わりに、図4の(c)及び(d)に示したがんぎ車40Bのように、内歯車47Bを備えた下側車部91が、がんぎ歯車46B及び連結固定部45Bからなる上側車部92と別体で形成され同軸に重ね合わされていてもよい。上側車部92は、がんぎ真41と一体的に形成されている。この場合、下側車部91は、例えばリング状部で上歯車部92に固定される。但し、上側車部92と下側車部91とが全体として一体化され得る限り、両者の固定のために腕部等が下側車部に部分的に形成されてもよい。
次に、別の一変形例のデテント脱進機1Dについて説明する。このデテント脱進機1Dは、構造上は、概ね図1〜図4に示した脱進機1と同様である。但し、デテントががんぎ車を停止させるタイミングが異なる。従って、このデテント脱進機1Dにおいて、脱進機1に対応する要素や部位には、対応する符号の最後にDを付す。
すなわち、この変形例の脱進機1D及び該脱進機1Dを備えた調速・脱進機2Dでは、がんぎ車40Dの外歯車をなすがんぎ歯車46Dの歯48Dと内歯車47Dの歯49Dとが、脱進機1の場合とは別の特定の相対位置にある。
以下では、変形例の脱進機1D、及び該脱進機1Dを備えた調速・脱進機2Dの動作について、図1〜図4に加えて、図5の(a)〜(h)と同様な図9の(a)〜(i)に基づいて、説明する。
脱進機1Dにおいて、図9の(a)は、デテント50Dの復帰バネ52Dが非湾曲状態S1にあり且つがんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dが作動レバー60Dの停止石71Dで係止されている状態において、てんぷ20Dのてん真21Dと一体的なつば体30DのC1方向回動に伴ってハズシ石34Dが片作動レバー56Dの先端縁部56dDに丁度衝突したときを示す。
てんぷ20Dのつば体30Dのハズシ石34Dが片作動レバー56Dの先端縁部56dDをC1方向に押すので、図6の(b)に示したように、デテント50Dの復帰バネ52DがF1方向に撓んで作動レバー60Dが非揺動位置P1から揺動位置P2に変位されるので、停止石71Dとがんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dとの係合が解除される。
従って、香箱車11aによるE1方向のトルクを受けているがんぎ車40DがE1方向に回転し始める。
次に、作動レバー60Dが揺動位置P2に実際上ある状態において、図9の(c)に示したように、がんぎ車40Dは、回転し始めた後直ちに、内歯車47Dの歯49Dで、F1方向に揺動しているデテント50Dの係止石76Dに当たり、E1方向回転が停止せしめられる。なお、この変形例の場合、係止石76Dの平面状係止面ないし力受面77aDは、係止石76の平面状係止面77aと異なり、がんぎ車40Dの半径方向ではなくて、図9の(c)の左上において一部を想像線で拡大して示したように、係止用腕部63Dの延在方向に実際上沿うように延在している。それ故、香箱車11aによるE1方向トルクを受けているがんぎ車40Dの内歯車47Dの歯49Dは、デテント50Dの係止石76Dにデテント50DをF2方向に揺動させるような力を及ぼす。
従って、図9の(d)に示したように、デテント50DがF2方向に揺動されてデテント50Dが元の状態S1に戻り(作動レバー60Dが元の状態P1に戻り)、係止石76Dによるがんぎ車40Dの内歯車47Dの歯49Dの係止が解除され、がんぎ車40DのE1方向回転が始まる。がんぎ車40DのE1方向回転に伴い、がんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dがてんぷ20Dのつば体30Dの振り石33Dに衝突し、該振り石33DにC1方向のトルクを与える。これにより、香箱11のぜんまい(図示せず)の機械的エネルギがてんぷ20Dに与えられて、てんぷ20Dの往復回動動作を安定な状態のまま継続させる。
がんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dが振り石33Dから離れると実際上同じタイミングで、図9の(e)に示したように、がんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの一つ先行する歯48Dが、状態S1に戻っているデテント50Dの停止石71Dに当たって係止され、がんぎ車40DのE1方向回転が停止される。
すなわち、内歯車47がない場合には、図9の(b)以降この図9の(e)に至るまでがんぎ車46はE1方向に回転し続けることになるけれども、このデテント脱進機1では、デテント方式を採用しているにもかかわらず、内歯車47Dがあるので、がんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dによるてんぷ20Dの振り石33DへのC1方向トルク付与が、デテント50Dが非揺動状態S1にある際に開始されるので、がんぎ歯車46Dの歯48Dによるてんぷ20Dの振り石33DへのC1方向トルク付与が終了すると直ちにがんぎ車40DのE1方向回転を停止石71Dによって停止させ得るから、がんぎ車40Dが誤って一歯分を超えてE1方向に回ってしまうのを確実に規制し得る。
図9の(f)に示したように、がんぎ車40Dのがんぎ歯車46Dの歯48Dが停止石71Dによって係止されている間に、てんぷ20Dの回転方向がC1方向からC2方向に変わる。
次に、図9の(g)に示したように、C2方向に回転するてんぷ20Dのつば体30Dのハズシ石34Dが、片作動レバー56Dの先端縁部56dDにC2方向に当たる。
該、C2方向衝突の際には、細くて薄い板バネからなる片作動レバー56Dは下側突出部64bの側縁64cで支えられるので、図9の(h)に示したように、単独で容易に撓む。
この後、図9の(i)に示したように、てんぷ20Dは自由振動(ひげぜんまいの作用下での往復回動)動作を続け、C2方向からC1方向に回転方向が変わる。
次に、再び、図9の(a)の動作状態に戻り、以上の動作が繰返される。
以上のように、このデテント脱進機1Dでは、がんぎ車40Dが、外歯車であるがんぎ歯車46Dに加えて内歯車47Dを備え、該歯車46D,47Dの歯48D,49Dに、停止石71Dに加えて係止石76Dが係合可能であるなら、がんぎ車40Dが誤って一歯以上回転してしまう虞れがない。
以上においては、がんぎ車の外歯車(がんぎ歯車)及び内歯車が、半径方向外向き及び内向きに向いているとして説明したけれども、外歯車及び内歯車のうちの少なくとも一方が、少なくとも部分的に軸方向(軸線の延在方向と平行な方向)に向いていてもよい。
1,1A,1D デテント脱進機
2,2D 調速・脱進機
3 機械式時計
10 地板(基体)
11 香箱
11a 香箱(歯)車
12 二番車
12a,13a,14a かな部
12b,13b,14b 歯車部
13 三番車
14 四番車
15 角穴車
16 丸穴車
17 巻真
18 こはぜ
20,20D てんぷ
21,21D てん真
30,30D つば体
31 大径円板状部(大つば部)
31a 外周面
31b 凹部(切欠部)
32 小径円板状部(小つば部)
32a 外周面
33,33D 振り石
33a 力受面
34,34D ハズシ石
34a 力作用面
34b 傾斜面
40,40B,40D がんぎ車
41 がんぎ真(軸)
42 がんぎかな
43 がんぎ車本体
44 環状板状部(環状部)
45,45B 連結固定部
45a 腕部
45b ハブ部
46,46B,46D がんぎ歯車
47,47B,47D 内歯車
48,48D 歯部
48a 力作用面(被係止面)
48b 先端部
49,49D 被係止用歯
49a 被係止面
50,50D デテント
51 取付け部
52,52D 復帰バネ(板バネ)
52A 復帰バネ(渦巻きバネ)
52a 基端
52b 先端
56 片作動レバー
56a 基端部
56b 中間部
56c 先端部
56d,56dD 先端縁部
60,60A,60D 作動レバー
61 作動レバー本体部
61a 基端部
62 基部側支持腕部
62a 先端部
62b 下側突出部
63,63D 係止用腕部
63a 先端部
63b 補強腕部
64 本体基部
64a 先端部
64b 下側突出部
64c 一側縁
64d 基端部
65 本体先端側部
65a 先端部
65b 下側突出部
65c 他側縁
71,71D 停止石
72 突出部
72a 平面状停止面
72b 半円筒状周面
76,76D 係止石
77 突出部
77a,77aD 平面状係止面
77b 半円筒状周面
91 下側車部
92 上側車部
C 中心軸線
C1,C2 回転方向
D1 方向
E1 がんぎ車の回転方向
F1 曲げ方向(撓み方向)
F2 戻り方向
J 中心軸線
J1,J2 回転方向
P1 非揺動位置(基準位置,非回動位置)
P2 揺動位置(回動位置)
S1 非変形状態
S2 F1方向揺動状態(揺動変位状態)

Claims (13)

  1. がんぎ真及び該がんぎ真と一体的で同心の環状部を有し、該環状部の外周に沿って第一の歯を等間隔に備えると共に該環状部の内周に沿って第二の歯を等間隔に備え一体形成されたがんぎ車と、
    作動レバー及び該作動レバーを基体に対して第一の位置と第二の位置との間で可動に弾性的に支持する弾性支持機構を備えたデテントと、
    てん真に固定されるつば体であって、前記がんぎ車の前記第一の歯によって回転エネルギを受ける振り石を大径部に備え、前記作動レバーを前記第一の位置から前記第二の位置の方へ変位させるハズシ石を小径部に備えたものとを具備し、
    前記デテントが、
    前記作動レバーに取付けられ該作動レバーが前記第一の位置にある際に前記がんぎ車の前記第一の歯に係合して前記がんぎ車の回転を規制する第一の停止部材と、
    前記作動レバーに取付けられ該作動レバーが前記第二の位置にある際に前記がんぎ車の前記第二の歯に係合して前記がんぎ車の回転を規制する第二の停止部材とを有し、
    前記作動レバーは、前記第一の停止部材が前記第一の歯を前記環状部の外周側から係合し、前記第二の停止部材が前記第二の歯を前記環状部の内周側から係合するように形成されるデテント脱進機。
  2. 前記がんぎ車が前記第一の歯で前記振り石に回転エネルギを与えた後、前記第二の停止部材によって前記第二の歯で停止せしめられる請求項1に記載のデテント脱進機。
  3. 前記ハズシ石によって前記がんぎ車の回転が許容された後、前記がんぎ車の回転が前記第一の歯で制止せしめられる請求項2に記載のデテント脱進機。
  4. 前記デテントが前記第一の位置に戻ると、前記第二の停止部材による前記第二の歯の回転規制が解除されると共に前記第一の停止部材による前記第一の歯の回転規制が行われる請求項3に記載のデテント脱進機。
  5. 前記がんぎ車が前記第一の歯で前記振り石に回転エネルギを与える前に、前記第二の停止部材によって前記第二の歯で停止せしめられる請求項1に記載のデテント脱進機。
  6. 前記第二の歯が前記第二の停止部材を介して前記作動レバーに対して前記第二の位置から前記第一の位置に向かって変位する力を及ぼす請求項5に記載のデテント脱進機。
  7. 前記がんぎ車が前記第一の歯で振り石に回転エネルギを与えた後、前記第一の停止部材によって前記第一の歯で停止せしめられる請求項6に記載のデテント脱進機。
  8. 前記ハズシ石によって前記がんぎ車の回転が許容された後、前記がんぎ車の回転が前記第二の歯で制止せしめられる請求項7に記載のデテント脱進機。
  9. 前記がんぎ車の前記第一の歯及び前記第二の歯が別体で形成され相互に固定されている請求項1から8までのいずれか一つの項に記載のデテント脱進機。
  10. 前記弾性機構が板バネからなる請求項1から9までのいずれか一つの項に記載のデテント脱進機。
  11. 前記弾性機構が渦巻きバネからなる請求項1から9までのいずれか一つの項に記載のデテント脱進機。
  12. 請求項1から11までのいずれか一つの項に記載のデテント脱進機及びてんぷを備えた調速・脱進機。
  13. 請求項1から11までのいずれか一つの項に記載のデテント脱進機を備えた時計。
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