JP5351237B2 - 時計機構用の同期脱進機 - Google Patents

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Description

本発明は、時計機構用のガンギ車であって、複数の歯付きホイールを含み、歯付きホイールが、同軸であり、枢動軸の周りで同期して枢動し、第1のインパルス平面内に少なくとも1つの第1の歯付きインパルスホイールを含み、第1のインパルス平面と平行であるか、または交わる第2の停止平面に少なくとも1つの第2の歯付き解放ホイールを含むガンギ車に関する。
また、本発明は、プレートに対して枢動して、前記機構に組み込まれることも組み込まれないこともあるエネルギー伝達または貯蔵手段から枢動トルクを受け取るこのタイプの少なくとも1つのガンギ車と、テンプ軸の周りで枢動し、少なくとも1つのインパルス表面、1つの操作表面、および1つの離脱表面を含む少なくとも1つのテンプとを含む脱進機構に関する。
また、本発明は、枢動トルクを伝達するためのエネルギー貯蔵および伝達手段を含み、かつ枢動トルクによって駆動されるように構成されたこのタイプの少なくとも1つの脱進機構を含み、および/または枢動トルクの作用下で枢動するように、かつムーブメントに構成されたテンプに周期インパルスの形態で前記トルクを伝達するように構成されたこのタイプの少なくとも1つのガンギ車を含む時計ムーブメントに関する。
さらに、本発明は、このタイプの少なくとも1つの時計ムーブメント、および/またはこのタイプの少なくとも1つの脱進機構、および/またはこのタイプの少なくとも1つのガンギ車を含む時計に関する。
本発明は、時計学の分野に関し、より詳細には脱進機構の分野に関する。
既知の脱進機で、効率および精度を兼ね備えたものはほとんどない。
−スイスレバー脱進機は、信頼性が高く頑強であるが、インパルスが爪を介して摩擦面を通過するので出力が低い。
−コーアクシャル脱進機またはダニエルズ(Daniels)脱進機は、二接線インパルスを有し、したがってより効率的であるが、その構成要素および組立ては複雑であり高価である。
−フリクショナルレスト脱進機(frictional rest escapement)はレバーを有さず、テンプにただ1つのインパルスを与えるただ1つのホイールを含むが、ホイールがテンプと接触する時間が長く、そのため、調整部材に対する摩擦および外乱によりエネルギーを浪費する。
−デテント脱進機構は、最も精密であると言われており、海洋クロノメータ用に長い間使用されている。それらは、テンプのただ1回の律動でただ1つのインパルスを有し、最良の機械効率を提供する機構である。
デテント脱進機構の効率は、レバー脱進機よりも良い。なぜなら、ガンギ車が1回の律動につき1つだけテンプにインパルスを伝え、その間にガンギ車が1角度ステップだけ枢動するからである。したがって、ガンギ車の慣性により損失されるエネルギーは、レバー脱進機では1回の振動につき1度生じるのに対し、1回の律動につき1度生じる。
腕時計でのデテント脱進機の使用は、そのような脱進機が衝撃に敏感であるため、より複雑である。
ほとんどのデテント脱進機は、ブレーキレバーとも呼ばれるデテントレバーを含み、デテントレバーは、係止された位置でガンギ車を保持するための少なくとも1つの係止石によって形成された係止手段を含む。また、このレバーは、作動フィンガまたは鼻部を含み、作動フィンガまたは鼻部もまた、レバーに固定されたばねの端部によって形成することができ、テンプと一体のローラに構成された放出爪、さらには前記ローラにあるノッチと協働する。
また、テンプは、一般に別のローラ上にインパルス爪を担持する。ガンギ車が解放されるとき、香箱トルクは、ガンギ車によってインパルス爪に伝達され、インパルス爪は、テンプの交互枢動を維持する。
簡潔には、ガンギ車は、テンプローラが一方向で枢動するときに解放され、ローラが逆方向で枢動するときには係止されたままである。したがって、インパルスは、1回の律動につき1つだけ与えられる。
衝撃、特に側方衝撃時、テンプがその通常の振幅を超えて枢動される場合、ガンギ車の1つの歯が係止石から離れ、同じ振動中に離脱およびインパルスが2度生じる。「歯飛び(tripping)」と呼ばれるこの現象の影響は、振子の等時性を乱すことである。
James Stephenson名義の特許文献1では、従来のモデルによる脱進機であって、放出爪と協働するレバー鼻部が、デテント脱進機に固定されたストリップばねによって形成される脱進機が開示されている。
また、1876年のF.Herman Voigt名義の特許文献2では、ここではテンプの大輪に掛止されたばね機構が開示されている。
Emile James名義の1891年の特許文献3は、デテントレバーが主ばねによって担持され、ガンギ車が、振動または衝撃時に係止機構に保持される機構が開示されている。テンプの第1のローラは、デテントレバーに固定されたストリップばねと協働する持上げ部片を含む。持上げ部片は鼻部を有し、鼻部は、持上げ部片がデテントを持ち上げるときに、第1のテンプローラに平行な第2のテンプローラにあるノッチと協働する。衝撃時、デテントが取り付けられた螺旋ばねは、ガンギ車を係止石に対して押し付けて保つ傾向がある。この機構は、デテントばね脱進機に適用することができる。
デテント脱進機は、20世紀中にはそれほど大きくは変わらなかった。
しかし、George Daniels名義の1984年の特許文献4から知られているDaniels脱進機を挙げておく。この脱進機は、従来のデテント脱進機とはわずかに異なっており、主な特徴として、とりわけ、一方ではテンプピンと協働し、他方では、2つの入爪および出爪を介してテンプにインパルスを与える第1の外部ガンギ車、および個々のインパルス爪を介して第1のガンギ車と同軸の第2のガンギ車と協働するレバーを含む。
2005年まで、腕時計に特化した新規のデテント脱進機は開示されていなかった。
MONTRES BREGUET SA名義の特許文献5では、係止石を有するレバーデテントと、第1の作動フィンガとを含むこのタイプの脱進機が開示されている。第1の作動フィンガは、インパルス爪を担持するテンプローラにおいて枢動する非常に長い弾性部材に取り付けられた第2の作動フィンガと協働する。この第2のフィンガは、レバーを作動させるためにローラが第1の方向に枢動しているときに第1のフィンガを押進することができ、ローラが逆方向に枢動しているときにはフィンガを押進しないようにフィンガを迂回することができる。この弾性部材は、ローラによって担持される第1のピンの周りで移動する開口部を含み、ローラはまた第2のピンを担持し、この第2のピンは、張力レベルまたは前記部材が伸長される度合いに応じて、弾性部材と協働することも協働しないこともある。別の実施形態では、この脱進機の弾性部材はレバー上にあり、ローラ上にはない。この弾性部材は、螺旋ばね、または蛇行ばねからなることがある。
MONTRES BREGUET SA名義の特許文献6、特許文献7、特許文献8、および特許文献9では、様々な改良形態および変形形態が提示されている。
最初の特許文献6では、デテントに弾性部材を有さず、ローラ上に第2の作動フィンガを担持する弾性部材を有する機構が開示されている。前記ローラには、カムノッチが設けられ、カムノッチ内で、デテントレバーのフィーラーアームの端部に位置された鼻部が移動する。
特許文献7では、同様の機構であるが弾性部材を有さない機構が開示されており、第2の作動フィンガは、カムノッチと逆に位置決めされ、ローラが枢動している方向に応じてデテントレバーの第1のフィンガの一方の側または他方の側と協働して、係止石を押進または保持する。第2の作動フィンガの機能は、ガンギ車に係止石を再係合することであり、鼻部を有するフィーラーアームは使用されない。
MONTRES BREGUET SA名義の特許文献9では、第2の作動フィンガと協働するための第1のフィンガと、前述のものと同様のカムノッチと協働する鼻部を有するフィーラーとの両方を担持するアームを含むレバーが開示されている。テンプおよびローラが第1の方向で枢動するとき、第1のフィンガが第2のフィンガを押進して、ガンギ車から(1つまたは複数の)係止石を離脱させる。次いで、フィーラーアームの鼻部が、カムノッチの先縁部によって押進されて、ガンギ車に係止手段を再係合する。テンプが逆方向に枢動するとき、第1のフィンガが第2のフィンガを押進して、ガンギ車に係合された状態で係止手段を保つ。ローラが枢動している方向に関わらず、第1のフィンガと第2のフィンガが衝突するとき、レバーアーバーに対して自然回転力が発生する。この衝突は、機構を破壊する危険をなんら生じない。弾性部材やストップピンは必要ない。特定の実施形態では、この機構は、隣接しているが位置合わせされていない係止面を含む2つの並置された係止石を含み、これは、ガンギ車歯の先端を係止面の接合部の係止線上に位置させることができるようにし、引込み効果を生成して、ストップピンの必要をなくす。ガンギ車に対して最も近い係止石の係止面は、歯の前に位置し、歯が進み続けるのを妨げる。ガンギ車歯のこの全体的な係止位置において、フィーラーアームの鼻部は、ローラの周縁から離れるように移動して、テンプを完全に解放して、第1の振動を完了させる。この設計は、脱進機を耐衝撃性にする。実際、衝撃は、鼻部を対応するローラの周縁に戻すが、引込み効果により係止線に対する歯の戻りがすぐに生じるので係止石を離脱させない。その後、第2の振動の終わりに向かって逆方向にテンプが戻る移動中に、第1のフィンガと第2のフィンガが協働するとき、それらは、デテントレバーにおいてその枢動軸の周りでトルクを生じ、ガンギ車歯のわずかな引き戻しをもたらし、その後、フィンガが互いに離れるときに歯が反引込み効果で係止線に戻る。
特許文献8では、これらの様々な変形形態に適用可能な改良が開示されており、これは、ローラに固定された安全フィンガの形態であり、ガンギ車の歯と協働するように構成され、インパルス爪がホイールの歯列から意図せず解放された場合に前記ホイールを係止する。この構成は、衝撃時のガンギ車の空転を防止し、精密にガンギ車のインパルスの時点でローラの回転方向の逆転をもたらす。ガンギ車の1つの歯とこの安全フィンガとの衝突により、ガンギ車を係止して、ローラを適切な回転方向に戻す。
したがって、これらの特許は、デテント脱進機を単純化し、かつより確実なものにすることを提案している。
他の文献は、他の解決策を提案している。
そして、これもまた2005年に公開されたDetra SAおよびPatek Philippe SA名義の特許文献10では、係止部品と、歯列に隙間を有する歯付きホイールとを備える脱進機構が提案されている。第1のホイールセットは、例えば固定子に取り付けられた回転子によって得られる周期的なトルクを受ける。この第1のホイールセットは、一方では、基本平面内に、周縁にわたって歯列に隙間を有する第1のホイールを含み、他方では、第2の平面内に第1のブレーキレバーを含み、第1のブレーキレバーは複数の歯を含み、テンプが第1の方向で枢動するときにテンプローラに構成された解放レバーを係止することができる。この第1のホイールセットは、その位置に応じて、第1のブレーキレバーまたは第1のホイールを介して第2のホイールセットと協働する。この第2のホイールセットは、基本平面内に、歯列隙間を有する第2のホイールを含み、第2の平面内に成形部品を含み、成形部品は複数のフィンガを含み、第1の方向とは逆の第2の枢動方向でテンプローラ解放レバーを係止することができる。さらに、第2のホイールセットは、前述の平面に平行な第1の平面内に係止部品を含む。この第2のホイールセットは、その位置に応じて、係止部品または第2のホイールを介してガンギ車と協働し、ガンギ車は、基本平面内に、歯列隙間を有する歯付きホイールを含み、第1の平面内にインパルスホイールを含み、インパルスホイールは、従来のガンギ車と同様の香箱からのトルクなど連続する機械的なトルクを受け取り、テンプローラに構成されたインパルスレバーと協働してテンプの律動運動を維持することができる。様々なホイールセットのそれぞれの角度位置に応じて、係止部品、または成形部品、または歯が互いに協働し、したがってこのデバイスは、第1のピンの1回転につき4つの安定な係止位置を有し、それらの位置の間に同数の離脱位置を有する。機械的なトルクのための2つの係止手段と2つの離脱手段の組合せ、および2つの係止動作間で離脱動作を課す特定のシーケンスが、機構に対する衝撃時の空転または歯飛びを防止する。この機構は、複雑であり、比較的高価であり、また複数の平面にわたって延在し、そのためかなりの厚さになる。
Peter Baumberger名義の特許文献11は、空間的要件を最小にするように考案された先行するVoigtの特許文献12の改良であり、ここでは、枢動して螺旋ばねによって戻されるデテントレバーを有する従来のデテント脱進機が開示されている。レバーの1つのアームがストリップばねの一端を担持し、ストリップばねの他端は、レバーの別のアームによって担持された停止部材に当接して保持され、テンプの小さなローラと一体の離脱石と協働するように構成される。係止石を越えるレバーの別のアームはフィンガを含み、フィンガは、この小さなローラの周縁と協働し、特にストリップばねの高さよりも下でカムを形成する切頭部分と協働する。従来、大きなテンプローラがインパルス爪を担持し、第1の凹部がインパルス爪の前にあり、第2の凹部が後にあり、係止石がデテントレバーを枢動するときに係止石を離脱させることができるようにする。係止段階中のガンギ車の中心とテンプの中心を通る線に対してほぼ対称な係止石およびインパルス爪の位置と、フィンガおよびストリップばねの自由端によって形成されるフォークとの両方に関して、特定の幾何形状を選択することで、テンプ律動に対するデテントの慣性に関連する外乱の影響を制限する。衝撃時のデテントの枢動の振幅は、係止石と大きなローラとの相互作用によって制限される。補完実施形態では、この機構は、小さなローラの近くに歯飛び防止レバーを含み、歯飛び防止レバーは、第1の端部が協働することができる停止部材にあるジャンパばねによって維持される2つの安定な端部位置間でムーブメントに枢動可能に取り付けられ、その第2のフォーク形状の端部は放出爪と相互作用する。放出爪は、フォーク内に進むたびに、一方の安定な位置から他方の安定な位置に歯飛び防止レバーを傾けるように圧力を及ぼす。したがって、フォークは、歯飛びの発生時に小さなローラのための2つの停止体を形成し、1回転を超えてテンプが枢動するのを防止する。
Christophe Claret SA名義の特許文献13では、側方衝撃に対するデテント脱進機用の保護を提供する可動ブリッジを備えるムーブメントが開示されている。この可動ブリッジは、ばねテンプ枢動軸、ガンギ車枢動軸、デテント枢動軸、および歯車列の一部を担持する。これは、歯車列ホイールのうちの1つ、例えば秒ホイールのアーバー上で弾性的に枢動される。このとき、係止石を離脱させる可能性がある側方衝撃などの力が可動ブリッジ全体を押進し、デテントとガンギ車の相対位置が維持される。これは、脱進機の一定の動作を保証する。また、可動ブリッジは、衝撃によるエネルギーの一部を散逸する減衰システムによって減衰させることもできる。
Rolex SA名義の特許文献14では、テンプの加速の作用下でテンプローラに対して枢動することができる慣性質量を含む新規性のあるデテント脱進機が開示されている。この慣性質量は、離脱フィンガを担持し、その機能は、デテントレバーフィンガと協働することである。質量は、ローラの偏心アーバー上で枢動され、その角度的な遊びは、細長い穴内でのピンの進行距離によって制限され、これは2つの安定位置、すなわちテンプの各枢動方向での安定位置に対応する。したがって、テンプの加速に応じて、離脱フィンガはテンプローラに対して突出し、または突出せず、したがってデテントレバーフィンガに係合する、または係合することができない。したがって、離脱フィンガは、テンプがその律動運動のためのインパルスを受け取らない振動中、ローラの縁部から引き戻されて引込んだままであるので、デテントレバーフィンガの妨害を乗り越えるために弾性部材の抵抗に打ち勝つ必要はない。テンプの律動周期に対するエネルギー損失または外乱は存在しない。
Christophe Claret SA名義の特許文献15では、螺旋ばねに枢動可能に取り付けられ、枢支点の近くに埋め込まれた第1のストリップばねと他端で協働するデテントレバーを備えるデテント脱進機が開示されている。テンプローラは、2つの異なる放出爪を含む。デテントレバーに対してガンギ車の逆側に配置されたホイールセットが枢動カムを担持し、枢動カムは、カムストリップばねを保持し、停止位置で螺旋ばねによってデテントに向けて戻される。このカムは、カムストリップばねが、第1の状態で、ストリップばねを担持するレバーの端部と協働し、第2の状態で、テンプの放出爪と協働するように構成される。第1の放出爪は、第1の爪が第1の方向で第1のストリップに衝突するときに、第1のストリップばねと協働してデテントを作動させ、逆方向で第1のストリップに衝突するときにはデテントを作動させずに第1のストリップと協働するだけであるように構成される。カムは、第1の状態にあるとき、デテントと協働してデテントの移動を制限する。第2の放出爪は、カムを第2の状態に変えるように構成され、第2の状態では、デテントはその離脱動作を行い、係止石からガンギ車歯を解放することができる。2つの放出爪は近くにあり、デテントが離脱動作を行う直前にカムがその第2の状態になるように配置される。カムストリップばねよりも強い螺旋カム復帰ばねは、カムをその第1の状態に戻す傾向がある。したがって、カムは、その第1の状態で、係止石の意図せぬ離脱をもたらすことがあるデテントの意図せぬあらゆる移動を妨げるように位置決めされ、脱進機は衝撃の影響をあまり受けない。この機構の調節は複雑である。なぜなら、調節は、機構に設けられるばね独自の特徴に依存し、ばねは少なくとも3つあるからである。
Rolex SA名義の特許文献16では、直接衝撃脱進機、特にデテント脱進機が開示されている。デテントレバーは特定の様式で構成され、2つの停止部材の間で枢動する。デテントレバーは、ガンギ車に面してフィンガを含み、フィンガは順に、係止石として使用される停止表面、レバーの枢動位置に応じてガンギ車軌道と干渉するまたは干渉しない安全表面、およびガンギ車が枢動しているときにレバーに力を加えて傾ける摺動表面を含み、前記ホイールの枢動を停止するためには摺動表面、したがって停止表面をガンギ車と干渉する領域に戻す。従来、テンプローラは、インパルス爪と離脱フィンガを含む。テンプの第1の枢動方向への振動中、レバーは、離脱フィンガが進むことができるようにする第1の停止枢動位置にあり、一方、他方の枢動方向への他方の振動では、レバーは、別の停止位置に枢動され、前記レバーに構成された弾性離脱要素で離脱フィンガに衝突する。この弾性離脱要素の弾性進行により、テンプは、その進行を継続することができ、インパルス爪は、ガンギ車の2つの隣接する歯の間に進む。その直後に、テンプは、そのテンプばねによって停止され、逆方向に枢動する。この弾性進行中、レバーは、停止部材に対して突き当たったままであり、レバーの停止表面はガンギ車歯にわたって摺動し、ガンギ車歯は停止されたままである。この機構の安全性は、ガンギ車歯列の軌道に交互に入る1つの停止表面と1つの摺動表面を有するレバーフィンガの構成によって保証される。停止表面と摺動表面の間の安全表面の長さは、駆動エネルギーをテンプに伝えるためにホイールが進む角度に対応し、ホイールの軌道への停止要素の早すぎる戻りを防止し、これはさらに安全性を高める。しかし、香箱からのエネルギーの一部は、摺動段階中の摩擦で消費される。
これらの様々な機構は、複雑であり、多くの構成要素を必要とし、調節が難しいことがあることは明らかである。
米国特許第40508号 米国特許第180290号 スイス特許第3299号 欧州特許第0018796号 欧州特許第1538490号 欧州特許第1538491号 欧州特許第1544689号 欧州特許第1708046号 欧州特許第1708047号 欧州特許第1708047号 欧州特許第1770452号 米国特許第180290号 欧州特許第1860511号 欧州特許第2221677号 スイス特許出願第700091号 欧州特許第2224292号
本発明は、特にデテント脱進機に関して使用することができる完全に新規のガンギ車および脱進機構設計を提供することを提案し、高い評価を受けているこのタイプの脱進機の精度の高さ、運動中の完璧な位置合わせの保証、構成要素の大幅な減少、非常に単純な組立て、および最小限にされた調節といった利点を備える脱進機構設計に関する。本発明による脱進機構の設計は、デテントレバーであるかブレーキレバーまたは爪であるかに関わらず、ガンギ車とテンプの間の中間構成要素をなくす。
したがって、本発明は、時計機構用のガンギ車であって、複数の歯付きホイールを含み、歯付きホイールが、同軸であり、枢動軸の周りで同期して枢動し、第1のインパルス平面内に少なくとも1つの第1の歯付きインパルスホイールを含み、前記第1のインパルス平面に平行であるか、または交わる第2の停止平面内に少なくとも1つの第2の歯付き解放ホイールを含むガンギ車に関し、このガンギ車は、第2の歯付き解放ホイールが、少なくとも1つの可動歯車を含み、可動歯車が、一方では、少なくとも1つの解放歯を含み、解放歯が、前記枢動軸に対して半径方向に可動であり、第1の復帰手段によってテンプの位置に戻され、他方では、少なくとも1つの係止歯を含み、係止歯が、第2の復帰手段によって停止位置に向かって第1の半径方向に戻されることを特徴とする。さらに、前記解放歯が、前記解放歯が前記第1の半径方向とは逆の第2の半径方向に押進されるときに、前記第2の半径方向に前記係止歯を押進するために前記係止歯に構成される相補押進手段と協働するように構成された押進手段を含むこと、および前記解放歯が第1の半径方向に押進されるときに、前記押進手段が、前記係止歯を押進することなく、前記相補押進手段から距離を取って移動するように構成されることを特徴とする。
本発明の1つの特徴によれば、前記インパルスホイールが、先端が前記第2の半径方向に向いたインパルス歯を、前記第2の解放ホイールが有する前記可動歯車と同数含み、可動歯車はそれぞれ、先端が前記第2の半径方向を向いた解放歯を含み、前記インパルス歯が前記解放歯と交互である。
本発明の1つの特徴によれば、前記ガンギ車1が、微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、またはMEMS技術から作り出される合金、またはDRIEもしくはLIGA法によって得られるものなどの合金、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなる。
さらに、本発明は、この機構に組み込まれていても組み込まれていなくてもよいエネルギー伝達または貯蔵手段から枢動トルクを受け取る少なくとも1つのそのようなガンギ車と、少なくとも1つのテンプとを含む脱進機構であって、テンプが、テンプ軸の周りで枢動し、少なくとも1つのインパルス表面、1つの操作表面、および1つの離脱表面を含み、前記ガンギ車および前記テンプがプレートに対して枢動可能である脱進機構に関し、この脱進機構は、各前記ガンギ車に関して、前記プレートが停止部材を含み、停止部材が、その前記停止位置で各前記係止歯と連続的に協働するように構成されて、前記ガンギ車の枢動を阻止し、前記係止歯が前記対応する解放歯によってその停止位置から離れるように移動されるときに前記ガンギ車が枢動できるようにすることを特徴とする。
本発明の1つの特徴によれば、前記テンプの第1の枢動方向で、前記離脱表面の軌道が、各前記解放歯の軌道と順に連続的に干渉して、前記解放歯に掛止し、前記解放歯を、前記係止歯を押進して、前記係止歯をその前記停止位置から離れるように移動させることによって、前記第2の半径方向でテンプの前記位置から離れるように移動させ、前記ガンギ車が枢動できるようにする。
本発明の1つの特徴によれば、前記ガンギ車の前記枢動中に、インパルス歯が、1回の完全な律動のために前記テンプの前記インパルス表面に十分なインパルスを与え、前記第1の枢動方向とは逆の前記テンプの第2の枢動方向での前記テンプの次の振動の間に、前記操作表面の軌道が各前記解放歯の軌道と連続的に干渉して、前記解放歯を第1の半径方向に押して、前記解放歯と関連付けられる前記係止歯を前記停止部材から解放せずに前記テンプが枢動を続けられるようにする。
本発明の1つの特徴によれば、前記テンプが、前記プレートと一部片で形成される。
本発明の1つの特徴によれば、前記テンプが、少なくとも1つの螺旋ばねと一部片で形成される。
本発明の1つの特徴によれば、前記脱進機構が、第1の一部片部品を含み、第1の一部片部品が、少なくとも1つの前記ガンギ車を案内するために構成された枢動案内手段を含む前記プレートと、少なくとも1つの前記テンプと、各前記テンプに結合された少なくとも1つの前記螺旋ばねとを一体にまとめ、かつ第2の一部片部品を含み、第2の一部片部品が、少なくとも1つの前記ガンギ車を含み、また、ガンギ車が枢動するときに前記ガンギ車を案内するための、前記プレート前記案内手段と協働するように構成された相補案内手段を含み、各前記ガンギ車が、前記テンプに結合されるように構成される。
本発明の1つの特徴によれば、前記脱進機構は、微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなる。
また、本発明は、枢動トルクを伝達するためのエネルギー貯蔵および伝達手段を含み、かつ枢動トルクによって駆動されるこのタイプの少なくとも1つの脱進機構を含み、および/または枢動トルクの作用下で枢動するように、かつムーブメントに構成されたテンプに周期インパルスの形態で前記トルクを伝達するように構成されたこのタイプの少なくとも1つのガンギ車を含む時計ムーブメントに関する。
さらに、本発明は、このタイプの少なくとも1つの時計ムーブメント、および/またはこのタイプの少なくとも1つの脱進機構、および/またはこのタイプの少なくとも1つのガンギ車を含む時計に関する。
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読めば明らかになろう。
解放段階での、本発明によるガンギ車を組み込む本発明による脱進機構の概略部分平面図である。 インパルス段階での、図1の脱進機構の概略部分平面図である。 離脱段階での、図1の脱進機構の概略部分平面図である。 インパルス歯の側から見た、図1のガンギ車の概略部分斜視図である。 解放歯および係止歯の側から見た、図1のガンギ車の概略斜視部分図である。 解放段階での、それ自体が図1の脱進機構を含む時計ムーブメントを含む、時計の概略部分平面図である。 図6の時計の概略部分平面図である。 解放段階での、本発明によるガンギ車の別の変形形態を組み込む本発明による脱進機構の概略部分平面図である。 第1の停止位置での、本発明による脱進機構に構成された歯飛び防止デバイスの概略部分平面図である。 図9のデバイスの斜視図である。
本発明は、時計学の分野に関し、より詳細には脱進機構の分野に関する。
本発明は、特にデテント脱進機に関する新規性のあるガンギ車および脱進機構設計を提供し、高い評価を受けているこのタイプの脱進機の精度の高さ、運動中の完璧な幾何形状、最小数の構成要素、非常に単純な組立て、および最小限の調節といった利点を備える。本発明は、デテントレバーであるかブレーキレバーであるかに関わらず、ガンギ車とテンプの間での中間構成要素をなくす。実際には、脱進機機能はすべて単一のホイールに組み込まれる。
本発明は、時計1000、時計ムーブメント100、または脱進機構10などの時計機構用のホイール1、より詳細にはガンギ車に関する。
図4および図5で見られるように、ホイール1は、複数の歯付きホイールを含み、これらの歯付きホイールは同軸であり、枢動軸D1の周りで同期して枢動し、第1のインパルス平面に少なくとも1つの第1の歯付きインパルスホイール2を含み、第1のインパルス平面と平行であるか、または交わる第2の停止平面に少なくとも1つの第2の歯付き解放ホイール4を含む。図4は、第1の歯付きインパルスホイール2を含み、ホイールが解放されたときにテンプにエネルギーを伝達するインパルス段階を、図5は、第2の歯付き解放ホイール4を含むホイール離脱解放段階をそれぞれ示す。これらの段階が、同じホイールに連係されているとしても別々に動作することは明らかである。
第1のインパルス平面は、第2の停止平面と交わることがある。
ここに記載する好ましい実施形態では、インパルス段階は、あらゆるデテント脱進機と同様にただ1つの単一インパルスを提供する。
本発明によれば、第2の歯付き解放ホイール4は、少なくとも1つの可動歯車5を含む。この歯車は、一方では少なくとも1つの解放歯6を含み、解放歯6は、枢動軸D1に対して半径方向に移動させることができ、第1の復帰手段によってテンプの位置に戻され、他方では少なくとも1つの係止歯8を含み、係止歯8は、第2の復帰手段9によって第1の半径方向S1に停止位置に戻される。
より具体的には、解放歯6は、解放歯6が第1の半径方向S1とは逆の第2の半径方向S2に移動するときに、係止歯8に構成された相補押進手段12と協働するように構成された押進手段11を含み、係止歯8を第2の半径方向S2に押進する。
解放歯6が第1の半径方向S1に移動するとき、押進手段11は、係止歯8を押進することなく、相補押進手段12から距離を取って移動するように構成される。
ホイール1の各係止段階で、係止歯8は、時計1000またはムーブメント100のプレート13に対して固定された停止部材15に衝突し、ガンギ車1が空転するのを防止する。
インパルスホイール2が、先端が第2の半径方向S2に向いたインパルス歯3を、第2の解放ホイール4が有する可動歯車5と同数有し、各歯車が解放歯6を有し、その先端は第2の半径方向S2に向いている。
インパルス歯3は解放歯6と交互になっている。
図面は、8つのインパルス歯3と8つの可動歯車5を有する例示的なホイール1を示す。この例は限定的なものではない。
好ましくは、第1の復帰手段7および第2の復帰手段9は、特に図面で見られるような蛇行ばねタイプの弾性復帰手段、またはストリップばねもしくは螺旋ばねである。
好ましくは、解放歯6は、第1のばね7の端部を形成し、ばね7の他端7Aは、ガンギ車1に構成された構造内に埋め込まれる。同様に、係止歯8は、第2のばね9の端部を形成し、ばね9の他端9Aも構造内に埋め込まれる。
一実施形態を示す図面では、これらのばねは、停止平面である同じ平面内で、2つの連続する可動歯車5の間に延在し、蛇行ばねの形態で示されており、これらは重なり合うが、互いの収縮または伸長に干渉しない。また、いくつかの連続するステップでばねを広げることも可能であり、それによりばねの長さを伸ばし、したがって、その自由端に及ぼされることになる力を減少させ、それによりエネルギー損失を減少させる。また、これらのばねのいくつかは、インパルス段階に配置することもでき、またはガンギ車1の大輪の空いた空間内に配置することもできる。また、これらのばねは、第1のインパルス平面と第2の停止平面に平行な1つまたは複数の平面内で横向きに配置することもできる。
また、復帰手段7および9を形成するこれらのばねは、2つの平行な平面内に並べて配置することもできる。
トルク消費を減少させ、それによりエネルギー消費を減少させるために、テンプ20の離脱表面23と連続的に協働する表面であって、その半径方向振幅がその角度位置に応じている表面、例えばステップの形態での段差付き表面を有する複数の解放歯6が存在してもよい。
図1〜図7で見られる第1の実施形態では、第1の半径方向S1は中心に向いている。
図8で見られる第2の実施形態では、第1の半径方向S1は外に向いている。
本発明によるガンギ車1は、一部片であることが好ましく、かつ有利である。これによって、第1のインパルス平面内にある第1の歯付きインパルスホイール2と、第2の停止平面内にある第2の歯付き解放ホイール4とによって形成される2つの高さの完全な位置合わせが可能になる。
ガンギ車1が、微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、またはMEMS技術から作り出される合金、またはDRIEもしくはLIGA法によって得られるものなどの合金、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなることが非常に有利である。これらの方法は、本発明によるガンギ車1など、複数の高さをもつ複雑な構成要素を製造することができる。
さらに、本発明は、プレート13と、このタイプの少なくとも1つのガンギ車1とを含む脱進機構10に関し、ガンギ車1は、前記プレート13に対して枢動可能であり、歯車列、香箱、回転子などのエネルギー伝達または貯蔵手段14から枢動トルクを受け取るように構成され、エネルギー伝達または貯蔵手段14は、機構10内に組み込まれることも、組み込まれないこともある。また、この機構10は、テンプ軸D2の周りで枢動し、少なくとも1つのインパルス表面21、1つの操作表面22、および1つの離脱表面23を含む少なくとも1つのテンプ20を含む。
本発明によれば、各ガンギ車1に関して、機構10のプレート13が停止部材15を含み、停止部材15は、停止部材15のリミットストップ表面15Aと係止歯8の停止表面8Aとの協働によって、各係止歯8とその停止位置で連続的に協働するように構成されて、係止歯8が、対応する解放歯6によってその停止位置から離れるように移動されるときに、1つの枢動方向Pへのガンギ車1の枢動を阻止する。
図1で見られるように、離脱表面23の軌道は、テンプ20の第1の枢動方向B1で、連続的に順に各解放歯6の軌道と干渉して、解放歯6に掛止し、係止歯8を押進することによって解放歯6を第2の半径方向S2にテンプの位置から離れるように移動させて、係止歯8をその停止位置から離れるように移動させ、それによりガンギ車1が、図面で見られる方向Pに枢動できるようにする。
図1は、解放段階を示す。この段階の開始時、ホイール1は、一方では係止歯の停止表面8と、他方では停止部材15のリミットストップ表面15Aとの協働によって停止部材15に対して停止されている。テンプ20が方向B1に枢動するとき、テンプ20、例えば爪石24またはローラなどに構成された離脱表面23が、ホイール1の解放歯6と接触する。離脱表面は、歯を押進し、方向S2への外に向かう運動で歯をテンプの位置から離れるように移動させる。例えば突出部によって形成される解放歯6の押進手段11は、対応する係止歯8の相補押進手段12に当接し、次いで前記係止歯8を方向S2に押進する。この運動は、停止部材15のリミットストップ表面15Aによる保持から係止歯の停止面8を解放する。
図2はインパルス段階を示す。前述の解放段階後、ホイール1は、次の係止歯8がリミットストップ部材15に衝突するまで方向Pに自由に枢動する。枢動過程中、ホイール1は、インパルス歯3をテンプ20のインパルス表面21に当接させる。
ガンギ車1が枢動しているとき、インパルス歯3は、1回の完全な律動のために十分なインパルスをテンプ20のインパルス表面21に与えるように構成される。第1の枢動方向B1とは逆の第2の枢動方向B2へのテンプ20の次の振動の間、操作表面22の軌道が連続的に各解放歯6の軌道と干渉して、解放歯6を第1の半径方向S1に押し、それにより、解放歯6に関連付けられた係止歯8をリミットストップ部材15から解放することなくテンプ20が引き続き枢動できるようになっている。
このインパルス歯3は、解放歯の高さとは異なる高さにあり、図1〜図7の第1の変形形態ではより中心から外れており、ホイール1の枢動軸D1とテンプ20の枢動軸D2は、ガンギ車1の大輪の各側にある。ここで逆に、図8の第2の変形形態ではより中心に近く、ホイール1の枢動軸D1とテンプ20の枢動軸D2はどちらもガンギ車1の大輪の内側にあるが、互いに中心がずれている。
このとき、インパルス歯3は、テンプ20の運動を維持するためにテンプ20のインパルス表面21に十分なインパルスを与え、特に、脱進機構10がデテント脱進機構である場合にテンプの1回の完全な律動のために十分なインパルスを与える。インパルスが終わると、ホイール1は、次の係止歯8がリミットストップ部材15に衝突するまで枢動し続け、衝突時に係止歯8は停止される。
離脱または外れている段階を示す図3で見られるように、第1の枢動方向B1とは逆の第2の枢動方向B2へのテンプ20の次の振動の間、テンプの操作表面22の軌道が連続的に各解放歯6の軌道と干渉して、解放歯6を半径方向S1に押し、したがってテンプが引き続き枢動できるようになるが、それによって解放歯6に関連付けられた係止歯8を停止部材15から解放することはない。なぜなら、押進手段11と相補押進手段12が、一方向、すなわち第2の半径方向S2でのみ協働するように考案されているからである。したがって、解放歯6は、第1の半径方向S1に移動するとき、係止歯8を押進せず、係止歯8は、停止部材15上で定位置に留まり、ホイール1を定位置に係止する。
有利には、図面で見られる好ましい実施形態では、インパルス表面21、操作表面22、および離脱表面23は、テンプ20によって担持される同じ爪24に配置される。当然、従来技術と同様に、様々なフィンガまたは爪に分散させることによってこれらの要素を分離することもできる。
図面は、テンプ20のこれらの表面をその全幅にわたって示すが、それらを同様に異なる形で分配することもでき、インパルス表面21を第1のテンプインパルス平面上に位置させ、操作表面22および離脱表面23を第2のテンプ停止平面上に位置させることもできる。
好ましくは、脱進機構10はデテント脱進機構であり、テンプへの衝撃時に脱進機を角度的に制限するための歯飛び防止機構30を含む。
このタイプの歯飛び防止機構30の非限定的な例が、図9および図10に示される。これは、ガンギ車の大輪に枢動可能に取り付けられたレバー31を含む。本発明によるガンギ車1に対する特定の用途では、レバー31が、枢支点32に、好ましくは少なくとも1つの可動歯車5、より特定的には各可動歯車5に枢動可能に取り付けられる。レバー31は、第1のリミットストップ表面34を含む第1のアーム33と、第2のリミットストップ表面36を含む第2のアーム35を含む。
レバー31は、復帰手段32A、特に少なくとも1つのばね、例えば図9で見られるような螺旋ばねによって、図9に示される復帰位置に戻される。特に、有利には、レバー31の角度枢動進行は、復帰手段32Aを形成するばねによって制限されて、時計への衝撃時およびテンプの空転時に表面34または36に対するテンプ20のインパルス力を吸収することができる停止部材を形成する。レバー31は第3のアーム37を含み、第3のアーム37は、掛止表面38と傾斜支持表面39を含む。これらの表面は、フック40と協働するように構成され、フック40は、第3のアーム37に対して、それぞれ前記フック40に構成された相補掛止表面42または相補傾斜支持表面41上で移動可能である。このフック40は、図9で見られるようにガンギ車1の大輪の固定点44に、または実際のレバー31上の点にばね43によって懸架される。このばね43は、テンプとは逆側に、すなわち図9の場合にはガンギ車1の中心に向けてフックを戻す傾向がある。このフック40は、プレート13に接続された固定停止部材46と協働するように構成された停止表面45を含む。
通常モードで、インパルス歯3がテンプ20にインパルスを与えた後、テンプ20が反時計回り方向B1へのその振動を終え、次いで戻って、逆の時計回り方向B2への次の振動をするとき、テンプの運動が解放歯6を押し始め、またアーム37の掛止表面38をフック40の相補掛止表面42と協働させることによってレバー31の湾曲を開始する。衝撃後、テンプ20が逆方向B2で空転し、新たな回転を行おうとする場合、テンプ20は、第2のアーム35の第2のリミットストップ表面36によって停止され、第2のアームがホイール1の大輪の上に突出してテンプを制止する。
テンプ20は、通常モードで、その枢動の端部で通常通りに時計回り方向B2へのその復帰振動を終えると、反時計回り方向B1に再始動し、次いで、解放歯6および係止歯8を図1の位置に持ち上げ、ホイール1をそのただ1つの枢動方向Pで枢動できるようにする。同時に、第2のアーム35を押すことによって、プレートに固定された固定停止部材46のフック40を外し、次いでばねアーム43がテンプを適切な高さに戻す。テンプ20が、図9の位置にレバー31を湾曲させ、フック40の相補掛止表面42からアーム37の掛止表面38を外し、次いでアーム37が移動して、その支持表面39によってフック40の相補支持表面41に当接し、フック40は、そのばね43の作用の下でアーム37に向けて押し戻される。
傾斜支持表面39は2つの機能を有する。すなわち、一方は、フック40の相補支持表面41との当接を維持するように協働する機能であり、他方は傾斜機能であり、これは、インパルスが与えられたときに、固定停止部材46が成す妨害をガンギ車1が乗り越えることができるようにし、前記ホイールは、下側湾曲接触した表面38および42を介してアーム37上にフック40が掛止することによって解放される。実際、この段階では、可動歯車の底部がただ1つの傾斜表面39によって形成され、このとき傾斜表面39は固定停止部材46の上に位置し、その傾斜により固定停止部材46を容易に乗り越えることができる。
衝撃後、テンプ20が空転して、テンプの第1の枢動方向B1に新たな回転を行おうとする場合、テンプ20が、図9に示されるようにホイール1の大輪の上に突出している第1のリミットストップ表面34と衝突し、それにより制止される。
固定停止部材46は、可動歯車5を掛止するために既に使用されている停止部材15によって形成することができることが明らかである。同様に、フック40は、係止歯8と同一にすることができる。なぜならその停止表面45がリミットストップ表面15Aと交わり、相補掛止表面42が相補掛止手段12の1つの表面であり、支持表面41が前記手段の別の表面であるからである。第3のアーム37は、解放歯6の底部によって形成することができ、その掛止表面38が、解放歯6の押進手段11に対応する。したがって、本明細書に上述した可動歯車5は、この歯飛び防止機構を形成するように容易に構成することもできる。実際、解放歯6をレバー31に変えればよく、レバー31は、復帰手段7を適合させるために枢支点32に対して実質的に対称であり、復帰手段7はこのとき復帰手段32Aになる。解放歯6の底部は、表面38および39を有する第3のアーム37を形成するように変更され、係止歯8も、傾斜支持表面41を加えることによって変更される。
この歯飛び防止デバイス30、より具体的には可動歯車5の構造を利用するために開発された歯飛び防止デバイス30は、そのまま他のタイプのデテント脱進機機構のために使用することもできることが明らかである。
図8の第2の実施形態に対応する特定の形態では、脱進機構10が、少なくとも1つのテンプ20および少なくとも1つのガンギ車1を含み、それらの枢動軸D1とD2はどちらもガンギ車1の大輪の内側にある。
図面に示されていない特定の形態では、各テンプ20に関して、脱進機構10は、互いに逆方向に枢動する2つのガンギ車1を含む。
図面に示されていない別の形態では、各テンプ20に関して、脱進機構10は、同じ方向に枢動し、異なるインパルス位置に対応する少なくとも2つのガンギ車1を含む。
構成要素の数を減少させる傾向がある特定の実施形態では、テンプ20はプレート13と一部片で形成される。
同じ理由から、前述の形態と組み合わせることができる別の形態では、本出願人名義の欧州特許出願第2104008号に開示されるように、テンプ20は、少なくとも1つの螺旋ばねと一部片で形成される。
最小数の構成要素を有する形態では、脱進機構10は以下のような2つの部品を有する。
−第1の一部片部品は、プレート13と、少なくとも1つのテンプ20と、各テンプ20に結合された少なくとも1つの螺旋ばねとを含む。一形態では、これは、螺旋ばねを有さず、本出願人名義でスイス特許出願第01198/10号に開示された実施形態と同様に、テンプ20の代替構成が復帰機能を組み込み、テンプの律動運動を可能にする。有利には、プレート13は、少なくとも1つのガンギ車1を案内するように構成された枢動案内手段を有する。
−第2の一部片部品は、本発明による少なくとも1つのガンギ車1を含み、これは、ガンギ車の枢動を案内するために前記プレート案内手段と協働するように構成された相補案内手段を有する。各ホイール1は、テンプ20に結合されるように構成される。
好ましくは、この脱進機構のすべてまたは一部が、微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、またはMEMS技術から作り出される合金、またはDRIEもしくはLIGA法によって得られるものなどの合金、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなる。好ましくは、その構成要素のすべてが、このタイプの材料で形成されるか、またはこのタイプの方法によって形成される。
本発明の実施形態は、単純であり、信頼性が高く、効率の良いデテント脱進機構を提供する。
そのエネルギー効率をさらに改良するために、摩擦表面の全体または一部に、すなわちガンギ車1、インパルス歯3、および解放歯4に関して、ならびにテンプ20、インパルス表面21、操作表面22、および離脱表面23に関して、摩擦学的処理を適用して摩擦レベルを減少させることが望ましい。同じことが、係止歯8の表面8Aおよび停止部材15の表面15Aに当てはまり、エネルギーを浪費することなく停止位置からガンギ車1が出るのを容易にする。
また、本発明は、枢動トルクを伝達するためのエネルギー貯蔵および伝達手段を含み、かつ枢動トルクによって駆動されるように構成されたこのタイプの少なくとも1つの脱進機構10を含み、および/または枢動トルクの作用下で枢動するように、かつムーブメント100に構成されたテンプ20に周期インパルスの形態で前記トルクを伝達するように構成されたこのタイプの少なくとも1つのガンギ車1を含む時計ムーブメント100に関する。
また、本発明は、このタイプの少なくとも1つの時計ムーブメント100、および/またはこのタイプの少なくとも1つの脱進機構10、および/またはこのタイプの少なくとも1つのガンギ車1を含む時計1000に関する。
本発明は、脱進機の機能をすべて単一の構成要素にまとめるという大きな利点を有する。
本発明によるガンギ車を、MEMS、LIGA、DRIE、または同様の方法によって特にシリコンから形成することができることにより、完璧な幾何形状が得られることが保証され、特に、歯列、歯付きインパルスホイール、および歯付き解放ホイールの2つの高さの位置合わせおよび角度シフトが保証される。シリコンは、その固有弾性特性に関して特に有利であり、これはさらに構成要素内部に復帰手段を形成できるようにする。解放歯と係止歯の完璧な相対位置付けも保証される。
このタイプのガンギ車またはこのタイプの脱進機構は、既存のムーブメントに容易に組み込むことができる。さらに、本発明は、かなりの省スペースを実現し、これは、関連のムーブメントまたは時計の他の機能を時計の中央部分に収容できるようにする。
デテント脱進機への好ましい適用に関して本明細書で提示した実施形態では、デテント脱進機の高い精度レベルが保証される。また、本発明は、効率の改善の可能性、したがってパワー節約の可能性を提供する。
本発明の小型性は、余剰の空間を取らずに例えば2つの結合されたガンギ車を備えて機能を二重にすることができることを意味する。

Claims (22)

  1. 複数の歯付きホイールを含み、前記歯付きホイールが、同軸であり、枢動軸(D1)の周りで同期して枢動し、第1のインパルス平面内に少なくとも1つの第1の歯付きインパルスホイール(2)を含み、前記第1のインパルス平面に平行であるか、または交わる第2の停止平面内に少なくとも1つの第2の歯付き解放ホイール(4)を含む、時計機構用のガンギ車(1)であって、
    前記第2の歯付き解放ホイール(4)が、少なくとも1つの可動歯車(5)を含むこと、および
    前記可動歯車(5)が、一方では、少なくとも1つの解放歯(6)を含み、前記解放歯(6)が、前記枢動軸(D1)に対して半径方向に可動であり、第1の復帰手段(7)によってテンプの位置に戻され、他方では、少なくとも1つの係止歯(8)を含み、前記係止歯(8)が、第2の復帰手段(9)によって停止位置に向かって第1の半径方向(S1)に戻されること
    を特徴とし、さらに、
    前記解放歯(6)が、前記解放歯(6)が前記第1の半径方向(S1)とは逆の第2の半径方向(S2)に押進されるときに、前記第2の半径方向(S2)に前記係止歯(8)を押進するために前記係止歯(8)に構成される相補押進手段(12)と協働するように構成された押進手段(11)を含むこと、および
    前記解放歯(6)が前記第1の半径方向(S1)に押進されるときに、前記押進手段(11)が、前記係止歯(8)を押進することなく、前記相補押進手段(12)から距離を取って移動するように構成されること
    を特徴とする、ガンギ車(1)。
  2. 前記インパルスホイール(2)が、先端が前記第2の半径方向(S2)に向いたインパルス歯(3)を、前記第2の解放ホイール(4)が有する可動歯車(5)と同数含み、可動歯車(5)はそれぞれ、先端が前記第2の半径方向(S2)を向いた解放歯(6)を含み、前記インパルス歯(6)が前記解放歯(3)と交互であることを特徴とする、請求項1に記載のガンギ車(1)。
  3. 前記第1の復帰手段(7)および前記第2の復帰手段(9)が、弾性復帰手段であることを特徴とする、請求項1に記載のガンギ車(1)。
  4. 前記解放歯(6)が、第1の復帰手段(7)の端部を形成し、前記第1の復帰手段(7)の端部(7A)が、前記ガンギ車(1)に構成される構造内に埋め込まれること、および前記係止歯(8)が、第2の復帰手段(9)の端部を形成し、前記第2の復帰手段(9)の端部(9A)も前記構造内に埋め込まれることを特徴とする、請求項3に記載のガンギ車(1)。
  5. 前記第1の半径方向(S1)が外に向いていることを特徴とする、請求項1に記載のガンギ車(1)。
  6. 前記第1の半径方向が中心に向いていることを特徴とする、請求項1に記載のガンギ車(1)。
  7. 一部片であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のガンギ車(1)。
  8. 微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のガンギ車(1)。
  9. プレート(13)と、機構(10)に組み込まれていても組み込まれていなくてもよいエネルギー伝達または貯蔵手段(14)から枢動トルクを受け取るように構成された請求項1に記載の少なくとも1つのガンギ車(1)と、少なくとも1つのテンプ(20)とを含む脱進機構(10)であって、前記テンプ(20)が、テンプ軸(D2)の周りで枢動し、少なくとも1つのインパルス表面(21)、1つの操作表面(22)、および1つの離脱表面(23)を含み、前記ガンギ車(1)および前記テンプ(20)が前記プレート(13)に対して枢動可能である脱進機構(10)において、
    各前記ガンギ車(1)に関して、前記プレート(13)が停止部材(15)を含み、前記停止部材(15)が、その前記停止位置で各前記係止歯(8)と連続的に協働するように構成されて、前記ガンギ車(1)の枢動を阻止し、前記係止歯(8)が前記対応する解放歯(6)によってその停止位置から離れるように移動されるときに前記ガンギ車(1)が枢動できるようにすることを特徴とする、脱進機構(10)。
  10. 前記テンプ(20)の第1の枢動方向(B1)で、前記離脱表面(23)の軌道が、各前記解放歯(6)の軌道と順に連続的に干渉して、前記解放歯(6)に掛止し、前記解放歯(6)を、前記係止歯(8)を押進し、前記係止歯(8)をその前記停止位置から離れるように移動させることによって前記第2の半径方向(S2)でテンプの前記位置から離れるように移動させ、前記ガンギ車(1)が枢動できるようにすることを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  11. 前記ガンギ車(1)の前記枢動中に、インパルス歯(3)が、1回の完全な律動のために前記テンプ(20)の前記インパルス表面(21)に十分なインパルスを与えるように構成されること、およびさらに、前記第1の枢動方向(B1)とは逆の前記テンプ(20)の第2の枢動方向(B2)での前記テンプ(20)の次の振動の間に、前記操作表面(22)の軌道が各前記解放歯(6)の軌道と連続的に干渉して、前記解放歯(6)を前記第1の半径方向(S1)に押して、前記解放歯(6)と関連付けられる前記係止歯(8)を前記停止部材(15)から解放せずに前記テンプ(20)が枢動を続けられるようにすることを特徴とする、請求項10に記載の脱進機構(10)。
  12. 前記インパルス表面(21)、前記操作表面(22)、および前記離脱表面(23)が、前記テンプ(20)によって担持される同じ爪(24)に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  13. デテント脱進機構であり、歯飛び防止機構を含むことを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  14. 互いに同軸である少なくとも1つの前記テンプ(20)と少なくとも1つの前記ガンギ車(1)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  15. 各前記テンプ(20)に関して、互いに逆方向に枢動する2つの前記ガンギ車(1)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  16. 前記テンプ(20)が、前記プレート(13)と一部片で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  17. 前記テンプ(20)が、少なくとも1つの螺旋ばねと一部片で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  18. 第1の一部片部品を含み、前記第1の一部片部品が、少なくとも1つの前記ガンギ車を案内するために構成された枢動案内手段を含む前記プレート(13)と、少なくとも1つの前記テンプ(20)と、各前記テンプ(20)に結合された少なくとも1つの前記螺旋ばねとを一体にまとめること、および
    第2の一部片部品を含み、前記第2の一部片部品が、少なくとも1つの前記ガンギ車(1)を含み、また、前記ガンギ車(1)が枢動するときに前記ガンギ車(1)を案内するための、前記プレート用の前記案内手段と協働するように構成された相補案内手段を含み、各前記ガンギ車(1)が、1つの前記テンプ(20)に結合されるように構成されること
    を特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  19. 微細加工可能な材料、すなわちシリコン、または水晶、またはそれらの化合物、またはMEMS技術から作り出される合金、またはDRIEもしくはLIGA法によって得られるものなどの合金、または少なくとも部分的に非晶質の材料からなるからなることを特徴とする、請求項9に記載の脱進機構(10)。
  20. 枢動トルクを伝達するためのエネルギー貯蔵および伝達手段を含み、かつ枢動トルクによって駆動されるように構成された請求項9に記載の少なくとも1つの脱進機構(10)を含み、前記少なくとも1つのガンギ車(1)が、前記枢動トルクの作用下で枢動するように、かつ前記ムーブメント(100)に構成されるテンプ(20)に周期インパルスの形態で前記トルクを伝達するように構成される、時計ムーブメント(100)。
  21. 枢動トルクを伝達するためのエネルギー貯蔵および伝達手段を含み、かつ前記枢動トルクの作用下で枢動するように、かつ前記ムーブメント(100)に構成されたテンプ(20)に周期インパルスの形態で前記トルクを伝達するように構成された、請求項1に記載のこのタイプの少なくとも1つのガンギ車(1)を含む、時計ムーブメント(100)。
  22. 請求項20または21に記載の少なくとも1つの時計ムーブメント(100)および/または請求項9から19のいずれか一項に記載の少なくとも1つの脱進機構(10)、および/または請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのガンギ車(1)を含む、時計(1000)。
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