JP6772805B2 - 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計 - Google Patents

偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計 Download PDF

Info

Publication number
JP6772805B2
JP6772805B2 JP2016241139A JP2016241139A JP6772805B2 JP 6772805 B2 JP6772805 B2 JP 6772805B2 JP 2016241139 A JP2016241139 A JP 2016241139A JP 2016241139 A JP2016241139 A JP 2016241139A JP 6772805 B2 JP6772805 B2 JP 6772805B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentric
shaft portion
hole
eccentric shaft
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016241139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018096815A (ja
Inventor
恵一 向山
恵一 向山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2016241139A priority Critical patent/JP6772805B2/ja
Publication of JP2018096815A publication Critical patent/JP2018096815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6772805B2 publication Critical patent/JP6772805B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)

Description

本発明は、機械式時計の自動巻上機構に用いられる偏心車、当該偏心車を備える時計用ムーブメントおよび機械式時計に関する。
従来、機械式時計におけるゼンマイの自動巻上機構は、回転錘と、回転錘に連動して回動する偏心車と、偏心車に取り付けられ、押し爪および引き爪を備えた爪レバーと、爪レバーの押し爪および引き爪が係合し、角穴車を回転させる伝え車とを備えている。
この機構によれば、回転錘に連動して偏心車が回動することで、爪レバーの押し爪および引き爪が、伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。そして、この進退運動に連動して伝え車が回転し、これに連動して角穴車が回転し、ゼンマイが巻き上げられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の一番伝え車(偏心車)の偏心軸部材は、二番受で受けられる下案内軸部と、三番受で受けられる上案内軸部と、下案内軸部および上案内軸部の間に設けられ、爪レバーが回動自在に取り付けられる偏心軸部とを備えている。下案内軸部および上案内軸部は同軸上に設けられ、偏心軸部の偏心軸は、下案内軸部および上案内軸部の回転軸から所定距離だけ離間している。これにより、偏心車が回動すると、偏心軸部は、偏心車の回転軸を中心にして公転する。これにより、偏心軸部に取り付けられた爪レバーは、伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。
特開平11−183645号公報
上記のような偏心軸部材は、例えば、軸部材に偏心軸部を取り付けることで製造される。偏心軸部には、平面中心からずれた位置に軸方向の孔が設けられ、この孔に軸部材を挿通することで、偏心軸部は軸部材に取り付けられる。そして、軸方向から見た平面視において、下案内軸部および上案内軸部の全体は、偏心軸部と重なるように設けられている。
このような偏心軸部材を備える偏心車では、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を低減したいという要望がある。
本発明の目的は、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を低減できる偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計を提供することにある。
本発明は、機械式時計におけるゼンマイの自動巻上機構に用いられ、角穴車を回転させる伝え車に係合する爪レバーが取り付けられ、回転錘に連動して回動することで前記爪レバーを前記伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動させる偏心車であって、偏心軸部材と、前記偏心軸部材に取り付けられ、前記回転錘に連動して回動する偏心歯車と、を備え、前記偏心軸部材は、軸方向の一方の端に設けられた第1回転軸部、および、軸方向の他方の端に設けられ、前記第1回転軸部と同軸上の第2回転軸部と、前記第1回転軸部および前記第2回転軸部の回転軸に対して偏心し、前記爪レバーに設けられた孔に挿通される偏心軸部と、前記偏心軸部および前記第2回転軸部の間に設けられ、前記偏心歯車が取り付けられる歯車支持部と、を備え、軸方向から見た平面視において、前記第1回転軸部の少なくとも一部および前記第2回転軸部の少なくとも一部は、前記偏心軸部と重なっていないことを特徴とする。
偏心車は、時計のムーブメントが備える第1受部材と、第1受部材と軸方向に離間して設けられた第2受部材との間に設けられる。第1回転軸部は、第1受部材に設けられた第1軸受で軸支され、第2回転軸部は、第2受部材に設けられた第2軸受で軸支される。
爪レバーの進退運動のストロークは、第1回転軸部および第2回転軸部の回転軸と偏心軸部の偏心軸との距離の2倍の長さとなる。
例えば、特許文献1の偏心軸部材のように、平面視において第1回転軸部および第2回転軸部の全体を偏心軸部と重ねる場合は、偏心軸から、第1回転軸部および第2回転軸部のうち平面視において距離が最も遠い位置までの長さを最長距離とした場合、偏心軸部の半径を前記最長距離以上に設定する必要がある。
これに対して、本発明によれば、偏心軸部の半径を前記最長距離未満とすることができ、例えば、強度を確保できる最小寸法に設定できる。これにより、偏心軸部と爪レバーの孔の内周面との接触面積を小さくでき、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を小さくできる。
本発明の偏心車において、前記偏心軸部材は、前記第1回転軸部と同軸上に前記第1回転軸部に連続して設けられ、前記第1回転軸部よりも直径が大きい移動規制部と、前記移動規制部と前記偏心軸部とを連結する連結部と、を備え、前記第1回転軸部および前記移動規制部における軸方向と直交する方向の寸法は、前記爪レバーの孔の直径以下であり、前記連結部は、前記爪レバーの孔を通過する場合に、前記平面視において前記偏心軸部が前記爪レバーの孔と重なるように、前記爪レバーの孔内を移動できる形状および寸法を有することが好ましい。
本発明によれば、第1受部材および爪レバーが配置された状態で、爪レバーの孔に対して、第1受部材とは反対側から、偏心軸部材を挿入することで、偏心軸部材を組み込むことができる。
すなわち、本発明では、平面視において第1回転軸部の少なくとも一部は偏心軸部と重なっていない。このため、第1回転軸部を爪レバーの孔に挿入した場合、平面視において偏心軸部の一部は爪レバーの孔と重なっていない。
このため、偏心軸部材を軸方向に沿って第1受部材側にさらに移動させた場合は、偏心軸部材が爪レバーに当たり、偏心軸部を爪レバーの孔に挿通させることができない。
しかしながら、本発明によれば、第1回転軸部および移動規制部が爪レバーの孔を通過した後、連結部が爪レバーの孔を通過する場合に、平面視において偏心軸部が爪レバーの孔と重なるように、偏心軸部材を軸方向と直交する方向に移動できる。これにより、偏心軸部材を軸方向にさらに移動させることで、偏心軸部を爪レバーの孔に挿通させ、かつ、第1回転軸部を第1軸受で軸支させることができ、偏心軸部材を組み込むことができる。
このように、本発明によれば、第1回転軸部を第1軸受で軸支させる工程と、偏心軸部に爪レバーを取り付ける工程とを、一度に行うことができる。このため、各工程を別々に行う場合と比べて、ムーブメントの組み立て工程を簡略化できる。
本発明の偏心車において、前記連結部において、前記爪レバーの孔の深さ寸法と同じ軸方向の寸法を有する任意の領域は、常に、前記平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、前記爪レバーの孔の直径以下であることが好ましい。
本発明によれば、偏心軸部材の軸方向が爪レバーの孔の径方向と直交する状態で、爪レバーの孔に連結部を通過させることができる。すなわち、これによれば、偏心軸部材の軸方向が爪レバーの孔の径方向と直交する状態で、爪レバーの孔に、第1回転軸部、移動規制部および連結部を通過させた後、偏心軸部を挿通させることができる。
従って、例えば、偏心軸部材を、傾きを調整しながら爪レバーの孔に挿通させる場合と比べて、偏心軸部材の組み込み工程を簡略化できる。
本発明の偏心車において、前記連結部は、前記移動規制部の外周面に連続した第1側面と、前記第1側面の前記第2回転軸部側の第1端縁から、前記偏心軸部の前記第1回転軸部側の端部の外周縁における第1端点まで伸びる第1傾斜面と、前記偏心軸部の外周面に連続した第2側面と、前記第2側面の前記第1回転軸部側の第2端縁から、前記移動規制部の前記第2回転軸部側の端部の外周縁における第2端点まで伸びる第2傾斜面と、を備え、前記平面視において、前記第1端縁の中間点は、前記回転軸から偏心軸に向かう直線上に位置し、前記第1端点は、前記偏心軸部の前記外周縁において、前記回転軸から最も離れた点であり、前記平面視において、前記第2端縁の中間点は、前記偏心軸から前記回転軸に向かう直線上に位置し、前記第2端点は、前記移動規制部の前記外周縁において、前記偏心軸から最も離れた点であり、前記第2側面の軸方向の寸法は、前記爪レバーの孔の深さ寸法以上であることが好ましい。
本発明によれば、偏心軸部材を爪レバーの孔に挿入すると、第1傾斜面が爪レバーにおける孔の外周縁に当たる。この状態で偏心軸部材に第1受部材に向かう方向の力が加えられると、第1傾斜面が爪レバーの前記外周縁に当たっているため、偏心軸部材は、第1傾斜面に沿った方向に移動する。すなわち、偏心軸部材は、軸方向に沿った方向だけではなく、爪レバーの孔の径方向にも移動する。ここで、第2傾斜面の角度を、第1傾斜面および第2傾斜面が同時に爪レバーの前記外周縁に当たることがない角度に設定しておけば、偏心軸部材の移動が妨げられることがない。
そして、連結部の偏心軸部側の端が、爪レバーの孔に挿入された時点で、第2側面が爪レバーの孔の内周面に当たり、平面視において偏心軸部が爪レバーの孔と重なる。この状態でさらに偏心軸部材に第1受部材に向かう方向の力が加えられると、偏心軸部が爪レバーの孔に挿通し、かつ、第1回転軸部が第1軸受で軸支される。
これによれば、偏心軸部材を爪レバーの孔に挿入するだけで、位置合わせなどをすることなく偏心軸部材を組み込むことができるため、偏心軸部材の組み込み工程をより簡略化できる。
本発明の時計用ムーブメントは、上記偏心車と、前記回転錘と、前記爪レバーと、前記伝え車と、前記角穴車と、香箱車と、を備えることを特徴とする。
上記偏心車によれば、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を小さくできる。このため、当該偏心車が組み込まれた時計用ムーブメントによれば、ゼンマイの巻上げをより円滑に行うことができる。
本発明の機械式時計は、上記時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ゼンマイの巻上げをより円滑に行うことができる。
本発明に係る実施形態における時計の平面図。 実施形態におけるムーブメントの平面図。 実施形態におけるムーブメントの要部の平面図。 実施形態におけるムーブメントの要部の断面図。 図4の部分拡大図。 実施形態における偏心軸の側面図。 実施形態における偏心軸を裏蓋側から見た斜視図。 実施形態における偏心軸を文字板側から見た斜視図。 実施形態における偏心軸の組み込み方法を示す遷移図。 本発明に係る他の実施形態における偏心軸の側面図。 他の実施形態における偏心軸の組み込み方法を示す遷移図。 本発明に係るさらに他の実施形態における偏心軸の側面図。
以下、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。
[時計の構成]
図1は、機械式時計である時計1を示す平面図である。
時計1は、円筒状の外装ケース11を備え、外装ケース11の内周側に、円盤状の文字板12が配置されている。外装ケース11の二つの開口のうち、時計表面側の開口は、カバーガラス13で塞がれており、裏面側の開口は図示しない裏蓋で塞がれている。
時計1は、外装ケース11内に収容されたムーブメント2(図2参照)、小秒針21、分針22、時針23、日車24を備えている。
各指針21〜23は、文字板12の表面側に配置され、ムーブメント2は、文字板12の裏面側に配置されている。各指針21〜23は、ムーブメント2が備える回転軸361,712,722に取り付けられ、ムーブメント2により駆動される。分針22、時針23は、文字板12の平面中心に設けられた回転軸712,722に取り付けられ、小秒針21は、文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられた回転軸361に取り付けられている。
また、文字板12には、カレンダー小窓12Aが設けられており、カレンダー小窓12Aから、日車24の数字が視認可能となっている。日車24の数字は、年月日の「日」を表す。
外装ケース11の側面には、リューズ14が設けられている。リューズ14が操作されることにより、操作に応じた入力を行うことができる。
[ムーブメントの構成]
図2は、時計1のムーブメント2(時計用ムーブメント)を裏蓋側から見た平面図である。図2における図面上側は、3時方向側であり、図面下側は、9時方向側であり、図面右側は、12時方向側であり、図面左側は、6時方向側である。なお、図2において、輪列受けや、回転錘51(図4参照)、ベアリング52(図4参照)などについては、図示を省略している。
ムーブメント2は、基本輪列30と、小秒車36と、アンクル37と、テンプ38と、手動巻上機構40と、自動巻上機構50とを備えている。
[基本輪列]
基本輪列30は、地板61の裏蓋側に設けられた、香箱車31、二番車32、三番車33、四番車34、ガンギ車35を備えている。
[香箱車]
香箱車31は、平面視において文字板12の平面中心に対して1時方向側に設けられた香箱真311と、香箱歯車312と、香箱蓋313と、香箱歯車312および香箱蓋313で囲まれた空間に収納された図示しないゼンマイとを備えている。ゼンマイは、後述する手動巻上機構40または自動巻上機構50によって香箱真311が回転されることで巻き上げられる。香箱歯車312は、巻き上げられたゼンマイが巻き戻されると、香箱真311を軸にして回転する。
[二番車]
二番車32は、平面視において回転軸323が文字板12の平面中心に対して10時方向側に設けられている。二番車32は、香箱歯車312に噛み合う二番カナ321と、二番歯車322とを備え、香箱歯車312に連動して回転する。回転軸323と二番カナ321とは一体で形成されている。時計1では、指針22(分針)が取り付けられる分車を別途備えているため、二番車32は、文字板12の平面中心からずれた位置に設けられている。
[三番車]
三番車33は、平面視において回転軸333が文字板12の平面中心に対して10時方向側に設けられている。また、三番車33の回転軸333は、二番車32の回転軸323に対して、文字板12の平面中心側に位置している。三番車33は、二番歯車322に噛み合う三番カナ331と、三番歯車332とを備え、二番車32に連動して回転する。回転軸333と三番カナ331とは一体で形成されている。
[四番車]
四番車34は、平面視において回転軸343が文字板12の平面中心に設けられている。四番車34は、三番歯車332に噛み合う四番カナ341と、四番歯車342とを備え、三番車33に連動して回転する。回転軸343と四番カナ341とは一体で形成されている。
ここで、地板61の文字板12側には、平面視において文字板12の平面中心に回転軸712,722(図1参照)が設けられた図示しない分車および筒車と、日の裏車とが設けられている。
分車は、前記回転軸712、分歯車、回転軸712と一体で形成された分カナを備える。分歯車は、三番カナ331に噛み合い、分車は、三番車33に連動して回転する。日の裏車の歯車は、分カナに噛み合い、日の裏車は、分車に連動して回転する。筒車は、前記回転軸722、および、回転軸722と一体で形成された筒歯車を備える。筒歯車は、日の裏車のカナに噛み合い、筒車は、日の裏車に連動して回転する。
なお、分車の回転軸712には、分針22が取り付けられ、筒車の回転軸722には、時針23が取り付けられる。
[ガンギ車]
ガンギ車35は、平面視において文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられた回転軸351と、第1ガンギカナ352と、第2ガンギカナ353と、ガンギ歯車354とを備えている。回転軸351と第1ガンギカナ352とは一体で形成されている。
第1ガンギカナ352は、四番歯車342と噛み合い、ガンギ車35は、四番車34に連動して回転する。
[アンクルおよびテンプ]
アンクル37は、ガンギ歯車354に噛み合う2つの爪石を備え、テンプ38の回転往復運動に応じて、ガンギ歯車354を送り、ガンギ車35の回転速度を制御する。これにより、香箱車31、二番車32、三番車33、四番車34、小秒車36の回転速度が制御される。
[小秒車]
小秒車36は、平面視において文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられ、小秒針21が取り付けられる回転軸361を備える。小秒車36の回転軸361は、ガンギ車35の回転軸351に対して、文字板12の平面中心側とは反対側に位置している。
また、小秒車36は、第2ガンギカナ353に噛み合う小秒歯車362を備え、ガンギ車35に連動して回転する。
[手動巻上機構]
手動巻上機構40は、巻真41、きち車42、図示しないつづみ車、丸穴車44、角穴伝え車45,46,47、角穴車48を備えている。
つづみ車には、回転中心を通る四角い穴が設けられており、この穴に巻真41が挿通している。これにより、つづみ車は、巻真41と一体で回転する。
きち車42には、回転中心を通る円形の穴が設けられており、この穴に巻真41が回転可能に挿通している。巻真41が、ムーブメント2の中心方向に押し込まれた状態(0段位置)にある場合、きち車42は、つづみ車と噛み合い、つづみ車に連動して回転する。
丸穴車44は、きち車42に噛み合い、きち車42に連動して回転する。丸穴車44が回転すると、角穴伝え車45,46,47が回転し、角穴車48が回転する。角穴車48が回転すると、香箱真311が角穴車48と一体で回転し、ゼンマイが巻き上げられる。
このような手動巻上機構40によれば、ユーザーが巻真41の先端に取り付けられたリューズ14を回転させることで、ゼンマイを巻き上げることができる。
[自動巻上機構]
図3は、ムーブメント2の要部の平面図である。図4は、ムーブメント2の要部の断面図である。図4における図面上側は、裏蓋側であり、図面下側は、文字板12側である。
図2〜図4に示すように、自動巻上機構50は、回転錘51(図4参照)、ベアリング52(図3、図4参照)、偏心車53、爪レバー54、伝え車55を備える。
回転錘51は、平面視において、ベアリング52の回動軸を中心とする半円形状を有している。回転錘51はベアリング52の外輪521に取り付けられおり、外輪521は、回転錘51と一体で回動する。
偏心車53は、偏心軸部材80と、偏心軸部材80に取り付けられた偏心歯車90とを備えている。偏心歯車90は、ベアリング52の外輪521の外周に設けられた回転錘カナ522と噛み合い、偏心車53は、回転錘51に連動して回動する。なお、偏心軸部材80の詳細は後述する。
爪レバー54は、孔が形成された本体部541(図3参照)と、本体部541から延出し、先端が伝え車55に係合する引き爪542(図3参照)と、本体部541から延出し、先端が伝え車55に係合する押し爪543(図3参照)とを備えている。さらに、爪レバー54は、環状部材としての穴石73(図3、図4参照)と、金属などで形成された緩衝部材72(図3、図4参照)とを備えている。穴石73は、本体部541の孔に、緩衝部材72を介して設けられている。穴石73の孔731には、偏心車53の偏心軸部材80が挿通される。
爪レバー54は、偏心車53の回動に連動して、伝え車55に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。なお、爪レバー54の材料としては、炭素工具鋼(例えば、SK−5,SK−4)などを例示できる。
伝え車55は、爪レバー54の引き爪542および押し爪543が係合する伝え歯車551と、角穴車48に噛み合う伝えカナ552とを備えている。伝え車55は、爪レバー54の進退運動に連動して一方向に回転する。そして、角穴車48は、伝え車55に連動して回転する。角穴車48が回転すると、香箱真311が角穴車48と一体で回転し、ゼンマイが巻き上げられる。
このような自動巻上機構50によれば、例えば、ユーザーが腕に時計1を装着した状態で腕を振り、回転錘51を回動させることで、ゼンマイを巻き上げることができる。
[偏心軸部材の受構造]
図5は、図4の部分拡大図である。図5に示すように、ムーブメント2は、文字板12から裏蓋側に向かって、地板61と、巻真受62(第1受部材)と、巻上受63と、輪列受64(第2受部材)とを備えている。そして、巻上受63の裏蓋側には、爪レバー54が設けられている。
巻真受62には穴が形成され、この穴に穴石71(第1軸受)が設けられている。また、輪列受64には穴が形成され、この穴に穴石74(第2軸受)が設けられている。また、巻上受63には、偏心軸部材80が挿通される孔631が設けられている。
偏心軸部材80は、巻真受62と輪列受64との間に、巻上受63の孔631および爪レバー54の穴石73の孔731を挿通して設けられ、穴石71,74で軸支される。本実施形態では、孔731の直径は、約0.55mmであり、深さ寸法(高さ寸法)は、約0.25mmである。
[偏心軸部材の構成]
図6は、偏心軸部材80を、軸方向に直交する方向から見た側面図である。図7は、偏心軸部材80を、裏蓋側から見た斜視図である。図8は、偏心軸部材80を、文字板12側から見た斜視図である。
図6〜図8に示すように、偏心軸部材80は、文字板12側から順に、第1回転軸部81、第1移動規制部82、連結部83、偏心軸部84、歯車支持部85、第2移動規制部86(図7参照)、第2回転軸部87を備える。ここで、各部81〜87は一体で形成されている。なお、図6中の二点鎖線B1は、第1回転軸部81と第1移動規制部82との境界線を示し、図6中の二点鎖線B2は、連結部83と偏心軸部84との境界線を示す。偏心軸部材80は、例えば、柱状の軸部材を回転させながら切削加工することで形成できる。
第1回転軸部81は、円柱形状を有し、穴石71の孔に挿通される。第1回転軸部81の直径は、強度を確保できる寸法以上、かつ、穴石73の孔731の直径以下であり、本実施形態では、約0.30mmである。
第1移動規制部82は、第1回転軸部81よりも直径が大きい円柱形状を有し、第1回転軸部81の回転軸L1と同軸上に設けられている。第1移動規制部82は、偏心軸部材80が文字板12側に移動すると穴石71に当たり、偏心軸部材80がそれ以上文字板12側に移動することを規制する。第1移動規制部82の直径は、穴石73の孔731の直径以下であり、本実施形態では、約0.45mmである。また、第1移動規制部82の軸方向の長さは、約0.16mmである。
偏心軸部84は、円柱形状を有している。偏心軸部84の偏心軸L2は、回転軸L1からずれている。本実施形態では、回転軸L1と偏心軸L2とは、約0.24mm離れている。
偏心軸部84は、穴石73の孔731に挿通され、かつ、巻上受63の孔631に挿通される。偏心軸部84の直径は、孔731で軸支可能な大きさに設定され、本実施形態では、約0.55mmである。なお、偏心車53が回転した際に、偏心軸部84が巻上受63と干渉しないで孔631内を移動できるように、孔631の直径は、偏心軸部84の回転軌跡の直径よりも大きく設定されている。また、本実施形態では、偏心軸部84の軸方向の寸法は、約0.65mmである。
歯車支持部85は、円盤形状を有し、平面中心が回転軸L1上に位置している本体部851と、本体部851の裏蓋側に突出した円筒状の歯車案内部852とを備えている。偏心歯車90は平面中心に孔を備え、当該孔に歯車案内部852が挿通するように、本体部851に取り付けられる。
第2移動規制部86(図7参照)は、後述する第2回転軸部87よりも直径が大きい円錐台形状を有し、回転軸L1と同軸上に設けられている。第2移動規制部86は、偏心軸部材80が裏蓋側に移動すると穴石74に当たり、偏心軸部材80がそれ以上裏蓋側に移動することを規制する。本実施形態では、第2移動規制部86の裏蓋側の端部の直径は、約0.60mmである。
第2回転軸部87は、円柱形状を有し、回転軸L1と同軸上に設けられている。第2回転軸部87は、穴石74の孔に挿通される。第2回転軸部87の直径は、本実施形態では、約0.40mmである。
連結部83は、第1移動規制部82の外周面に連続した側面831(第1側面)と、側面831の裏蓋側の端縁E1(第1端縁)から、偏心軸部84の文字板12側の端部の外周縁における端点E2(第1端点)まで伸びる傾斜面832(第1傾斜面)とを備える。端縁E1は、回転軸L1を中心とする半円の円弧であり、平面視において、端縁E1の円周方向の中間点は、回転軸L1から偏心軸L2に向かう直線上に位置している。端点E2は、偏心軸部84の前記外周縁において、回転軸L1から最も離れた点である。
さらに、連結部83は、偏心軸部84の外周面に連続した側面833(第2側面)と、側面833の文字板12側の端縁E3(第2端縁)から、第1移動規制部82の裏蓋側の端部の外周縁における端点E4(第2端点)まで伸びる傾斜面834(第2傾斜面)とを備える。端縁E3は、偏心軸L2を中心とする円弧であり、平面視において、端縁E3の円周方向の中間点は、偏心軸L2から回転軸L1に向かう直線上に位置している。端点E4は、第1移動規制部82の前記外周縁において、偏心軸L2から最も離れた点である。
なお、本実施形態では、傾斜面832,834は、外側に膨らんだ曲面である。
また、連結部83は、軸方向の寸法H1が穴石73の孔731の深さ寸法以上となるように形成されている。そして、連結部83において、穴石73の孔の深さ寸法と同じ高さ寸法(軸方向の寸法)を有する任意の領域は、常に、平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、孔731の直径以下となる。これによれば、連結部83を、孔731に、軸方向が穴石73の径方向と直交する状態で通過させることができる。
このような偏心軸部材80の構成により、偏心歯車90は、回転軸L1を中心にして回転する。また、偏心軸部84は、回転軸L1を中心にして公転する。これにより、偏心軸部84に回動自在に取り付けられた爪レバー54は、伝え車55に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。なお、爪レバー54の進退運動のストロークは、回転軸L1と偏心軸L2との距離の2倍の長さとなる。
また、平面視において、第1回転軸部81の一部および第2回転軸部87の一部は、偏心軸部84と重なっていない。従って、第1回転軸部81および第2回転軸部87の全体が偏心軸部84と重なっている場合と比べて、偏心軸部84の直径を小さくできる。すなわち、第1回転軸部81および第2回転軸部87の全体を偏心軸部84と重ねる場合は、偏心軸L2から、第1回転軸部81および第2回転軸部87のうち平面視において最も遠い位置までの距離を最長距離とした場合、偏心軸部84の半径を前記最長距離以上に設定する必要がある。これに対して、時計1によれば、偏心軸部84の半径を前記最長距離未満とすることができ、例えば、強度を確保できる最小寸法に設定できる。
[偏心軸部材の組み込み方法]
次に、偏心軸部材80の組み込み方法について説明する。図9は、偏心軸部材80の組み込み方法を説明する遷移図である。
偏心軸部材80は、巻真受62および爪レバー54が配置された状態で組み込まれる。
まず、図9の状態1に示すように、爪レバー54の穴石73の孔731に対して、裏蓋側から、偏心軸部材80の第1回転軸部81および第1移動規制部82を挿通させる。
この状態から、偏心軸部材80を軸方向に沿って文字板12側にさらに移動させると、連結部83が孔731に挿通され、状態2に示すように、連結部83の傾斜面832が穴石73に当たる。
この状態から、偏心軸部材80に文字板12側に向かう方向の力が加えられると、状態3に示すように、傾斜面832が穴石73に当たっているため、偏心軸部材80は、傾斜面832に沿った方向に移動する。すなわち、偏心軸部材80は、軸方向に沿った方向だけではなく、穴石73の径方向にも移動する。軸方向の移動距離と前記径方向の移動距離との比は、傾斜面832の角度で決定される。また、傾斜面834の角度は、傾斜面832,834が同時に穴石73に当たることがない角度に設定されているため、偏心軸部材80の移動が妨げられることがない。
そして、連結部83の偏心軸部84側の端が、孔731に挿入された時点で、側面833が穴石73の内周面に当たり、平面視において偏心軸部84が孔731と重なる。ここで、第1回転軸部81、第1移動規制部82および連結部83を合わせた軸方向の寸法H2は、穴石71の裏蓋側の端から穴石73の裏蓋側の端までの軸方向の距離H3以上である。このため、第1回転軸部81は、穴石71に到達していない。
また、偏心軸部材80では、第1移動規制部82、連結部83および偏心軸部84を合わせた軸方向の寸法H4は、距離H3以上である。
従って、この状態から偏心軸部材80に文字板12側に向かう方向の力が加えられると、状態4に示すように、偏心軸部84を孔731に挿通させることができ、状態5に示すように、第1回転軸部81を穴石71の孔に挿入させることができる。そして、状態6に示すように、第1移動規制部82が穴石71に当たるところまで偏心軸部材80は移動する。このようにして、偏心軸部材80は組み込まれる。
その後は、歯車支持部85に偏心歯車90が取り付けられ、偏心車53が組み立てられる。なお、偏心歯車90が予め歯車支持部85に取り付けられた状態で、偏心軸部材80を組み込むようにしてもよい。
[実施形態の作用効果]
平面視において、第1回転軸部81の一部および第2回転軸部87の一部は、偏心軸部84と重なっていないため、第1回転軸部81および第2回転軸部87の全体が偏心軸部84と重なっている場合と比べて、偏心軸部84の直径を小さくできる。これにより、偏心軸部84と穴石73の孔731の内周面との接触面積を小さくでき、偏心軸部84と爪レバー54との摩擦を小さくできる。これにより、ゼンマイの巻上げをより円滑に行うことができる。
第1回転軸部81を穴石71で軸支させる工程と、偏心軸部84に爪レバー54を取り付ける工程とを、一度に行うことができる。このため、各工程を別々に行う場合と比べて、ムーブメント2の組み立て工程を簡略化できる。
連結部83において、穴石73の孔731の深さ寸法と同じ高さ寸法を有する任意の領域は、常に、平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、孔731の直径以下となる。このため、偏心軸部材80の軸方向が穴石73の径方向と直交する状態で、孔731に、第1回転軸部81、第1移動規制部82および連結部83を通過させた後、偏心軸部84を挿通させることができる。従って、例えば、偏心軸部材80を、傾きを調整しながら孔731に挿通させる場合と比べて、偏心軸部材80の組み込み工程を簡略化できる。
偏心軸部材80を穴石73の孔731に挿入するだけで、位置合わせなどをすることなく偏心軸部材80を組み込むことができるため、偏心軸部材80の組み込み工程をより簡略化できる。
平面視において、偏心軸部材80は、ベアリング52と重なっていない。このため、軸方向に直交する方向から見て、偏心軸部材80の一部がベアリング52の一部と重なるようにして、偏心軸部材80を設けることができる。これによれば、例えば、偏心軸部材80がベアリング52の文字板12側に設けられる場合と比べて、ムーブメント2を薄く構成できる。
偏心軸部材80は、軸方向における両端部で受部材によって軸支されているため、一方の端部だけで軸支されている場合と比べて、偏心車53が傾くことを抑制できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、連結部83において、穴石73の孔731の深さ寸法と同じ高さ寸法を有する任意の領域は、常に、平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、孔731の直径以下となるが、本発明はこれに限定されない。例えば、前記最大寸法が、孔731の直径よりも大きくなる領域があっても、偏心軸部材を傾けることで、当該領域の前記最大寸法が孔731の直径以下となっていればよい。
この変形例の偏心軸部材80Aを、図10に示す。偏心軸部材80Aの連結部83Aでは、側面831および傾斜面832が、軸方向と直交する面835で連結され、側面833および傾斜面834が、軸方向と直交する面836で連結されている。偏心軸部材80Aでは、面835,836を含み、軸方向の寸法が穴石73の孔731の深さ寸法と同じとなる領域における前記最大寸法は、孔731の直径よりも大きい。
このため、連結部83Aは、軸方向が穴石73の径方向と直交する状態で、孔731を通過することができない。しかしながら、偏心軸部材80Aの傾きを調整することで、孔731に連結部83Aを通過させることができる。
図11は、偏心軸部材80Aの組み込み方法の一例を説明する遷移図である。
まず、図11の状態1に示すように、偏心軸部材80Aを、傾斜面832,834と穴石73の径方向との角度が大きくなる方向に所定角度傾けた状態で、穴石73の径方向と直交する方向に移動させ、第1回転軸部81、第1移動規制部82および連結部83Aを穴石73の孔731に挿通させる。
この場合、連結部83Aが孔731を通過している途中で、面835が穴石73に当たる。面835が穴石73に当たったら、状態2に示すように、偏心軸部材80Aを、穴石73の径方向に移動させ、傾斜面834を穴石73の内周面に当てる。
この状態から、傾斜面834を穴石73に当接させながら、偏心軸部材80Aを、傾斜面834に沿った方向に移動させる。すなわち、偏心軸部材80Aは、軸方向に沿った方向だけではなく、穴石73の径方向にも移動する。軸方向の移動距離と、前記径方向の移動距離との比は、傾斜面834の角度で決定される。また、傾斜面832の角度は、傾斜面832,834が同時に穴石73に当たることがない角度に設定されているため、偏心軸部材80Aの移動が妨げられることがない。
そして、状態3に示すように、偏心軸部84が穴石73に当たると、状態4,5に示すように、偏心軸部材80Aの傾きを戻すことで、連結部83Aの偏心軸部84側の端が穴石73の孔に挿入され、平面視において偏心軸部84が穴石73の孔と重なる。そして、偏心軸部材80Aを、穴石73の径方向と直交する方向にさらに移動させることで、状態6に示すように、偏心軸部84を穴石73の孔に挿通させることができる。
また、前記実施形態では、偏心軸部材80の連結部83が備える傾斜面832,834は、曲面であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示す偏心軸部材80Bのように、傾斜面832,834は、平坦面(C面)であってもよい。ただし、曲面の場合は、連結部83を、他の部分と同様に、軸部材を回転させながら切削加工する方法で形成できるため、容易に製造できる。
また、傾斜面832は、側面831の端縁E1から、偏心軸部84の文字板12側の端部の外周縁における端点E2まで伸びているが、本発明はこれに限定されない。例えば、傾斜面832は、端縁E1から、偏心軸部84の前記外周縁における端点E2を含む円弧まで伸びる形状であってもよい。また、傾斜面834は、側面833の端縁E3から、第1移動規制部82の裏蓋側の端部の外周縁における端点E4まで伸びているが、本発明はこれに限定されない。例えば、傾斜面834は、端縁E3から、第1移動規制部82の前記外周縁における端点E4を含む円弧まで伸びる形状であってもよい。
また、傾斜面832,834の代わりに、軸方向の面と、軸方向に直交する面とが交互に連続した段差状の面を適用してもよい。
なお、連結部の形状および寸法は、前記実施形態および上記各変形例に限定されず、穴石73の孔731を通過する場合に、平面視において偏心軸部84が孔731と重なるように、孔731内を移動でき、かつ、強度を確保できる形状および寸法であればよい。
前記実施形態では、平面視において第1回転軸部81の一部および第2回転軸部87の一部が偏心軸部84と重なっていないが、本発明はこれに限定されない。例えば、平面視において第1回転軸部81および第2回転軸部87の全体が偏心軸部84と重なっていなくてもよい。
前記実施形態では、爪レバー54は、緩衝部材72および穴石73を備えているが、本発明はこれに限定されない。例えば、本体部541の孔の内周面に滑り加工等が施されており、偏心軸部84に回転自在に取り付けられる構成であれば、爪レバー54は、緩衝部材72および穴石73を備えていなくてもよい。
前記実施形態では、第1回転軸部81は巻真受62で軸支されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、地板61などの他の受部材で軸支されていてもよい。
また、前記実施形態では、第2回転軸部87は、輪列受64で軸支されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、輪列受64以外の受部材で軸支されていてもよい。
1…時計、2…ムーブメント、31…香箱車、48…角穴車、50…自動巻上機構、51…回転錘、52…ベアリング、53…偏心車、54…爪レバー、55…伝え車、62…巻真受、64…輪列受、71,73,74…穴石、80,80A,80B…偏心軸部材、81…第1回転軸部、82…第1移動規制部、83,83A…連結部、84…偏心軸部、85…歯車支持部、86…第2移動規制部、87…第2回転軸部、90…偏心歯車、831,833…側面、832,834…傾斜面、835,836…面、851…本体部、852…歯車案内部、B1,B2…境界線、E1,E3…端縁、E2,E4…端点、H1…軸方向の寸法、L1…回転軸、L2…偏心軸。

Claims (6)

  1. 機械式時計におけるゼンマイの自動巻上機構に用いられ、角穴車を回転させる伝え車に係合する爪レバーが取り付けられ、回転錘に連動して回動することで前記爪レバーを前記伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動させる偏心車であって、
    偏心軸部材と、前記偏心軸部材に取り付けられ、前記回転錘に連動して回動する偏心歯車と、を備え、
    前記偏心軸部材は、
    軸方向の一方の端に設けられた第1回転軸部、および、軸方向の他方の端に設けられ、前記第1回転軸部と同軸上の第2回転軸部と、
    前記第1回転軸部および前記第2回転軸部の回転軸に対して偏心し、前記爪レバーに設けられた孔に挿通される偏心軸部と、
    前記偏心軸部および前記第2回転軸部の間に設けられ、前記偏心歯車が取り付けられる歯車支持部と、を備え、
    軸方向から見た平面視において、前記第1回転軸部の少なくとも一部および前記第2回転軸部の少なくとも一部は、前記偏心軸部と重なっていない
    ことを特徴とする偏心車。
  2. 請求項1に記載の偏心車において、
    前記偏心軸部材は、
    前記第1回転軸部と同軸上に前記第1回転軸部に連続して設けられ、前記第1回転軸部よりも直径が大きい移動規制部と、
    前記移動規制部と前記偏心軸部とを連結する連結部と、を備え、
    前記第1回転軸部および前記移動規制部における軸方向と直交する方向の寸法は、前記爪レバーの孔の直径以下であり、
    前記連結部は、前記爪レバーの孔を通過する場合に、前記平面視において前記偏心軸部が前記爪レバーの孔と重なるように、前記爪レバーの孔内を移動できる形状および寸法を有する
    ことを特徴とする偏心車。
  3. 請求項2に記載の偏心車において、
    前記連結部において、前記爪レバーの孔の深さ寸法と同じ軸方向の寸法を有する任意の領域は、常に、前記平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、前記爪レバーの孔の直径以下である
    ことを特徴とする偏心車。
  4. 請求項3に記載の偏心車において、
    前記連結部は、
    前記移動規制部の外周面に連続した第1側面と、
    前記第1側面の前記第2回転軸部側の第1端縁から、前記偏心軸部の前記第1回転軸部側の端部の外周縁における第1端点まで伸びる第1傾斜面と、
    前記偏心軸部の外周面に連続した第2側面と、
    前記第2側面の前記第1回転軸部側の第2端縁から、前記移動規制部の前記第2回転軸部側の端部の外周縁における第2端点まで伸びる第2傾斜面と、を備え、
    前記平面視において、前記第1端縁の中間点は、前記回転軸から偏心軸に向かう直線上に位置し、
    前記第1端点は、前記偏心軸部の前記外周縁において、前記回転軸から最も離れた点であり、
    前記平面視において、前記第2端縁の中間点は、前記偏心軸から前記回転軸に向かう直線上に位置し、
    前記第2端点は、前記移動規制部の前記外周縁において、前記偏心軸から最も離れた点であり、
    前記第2側面の軸方向の寸法は、前記爪レバーの孔の深さ寸法以上である
    ことを特徴とする偏心車。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の偏心車と、
    前記回転錘と、
    前記爪レバーと、
    前記伝え車と、
    前記角穴車と、
    香箱車と、を備える
    ことを特徴とする時計用ムーブメント。
  6. 請求項5に記載の時計用ムーブメントを備える
    ことを特徴とする機械式時計。
JP2016241139A 2016-12-13 2016-12-13 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計 Active JP6772805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016241139A JP6772805B2 (ja) 2016-12-13 2016-12-13 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016241139A JP6772805B2 (ja) 2016-12-13 2016-12-13 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018096815A JP2018096815A (ja) 2018-06-21
JP6772805B2 true JP6772805B2 (ja) 2020-10-21

Family

ID=62632284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016241139A Active JP6772805B2 (ja) 2016-12-13 2016-12-13 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6772805B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3628325A (en) * 1968-07-02 1971-12-21 Seiko Instr & Electronics Self-winding watch
JPS52118672U (ja) * 1976-03-08 1977-09-08
JPH11183645A (ja) * 1997-12-18 1999-07-09 Seiko Instruments Inc 自動巻時計

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018096815A (ja) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI743189B (zh) 陀飛輪及具有陀飛輪的錶
JP2007024900A (ja) 日付機構付き時計
EP2133759A1 (fr) Pièce d'horlogerie comportant un mécanisme de sonnerie
US6340241B2 (en) Power reserve indicator mechanism and watch fitted with such a mechanism
JP6772805B2 (ja) 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計
JP5441434B2 (ja) デテント脱進機並びにこれを用いた調速・脱進機及び時計
CH708264B1 (fr) Mécanisme horloger d'affichage avec un indicateur se rapprochant et s'éloignant du centre d'un cadran.
JP5964089B2 (ja) 時計用回転錘および時計用回転錘を備えた時計
JP6801423B2 (ja) 時計用ムーブメントおよび機械式時計
JP6787098B2 (ja) 時計用ムーブメント、機械式時計および爪レバーの係合解除方法
JP6969652B2 (ja) 時計用ムーブメントおよび機械式時計
US11022940B2 (en) Timepiece movement and timepiece
JP6787099B2 (ja) 時計用ムーブメントおよび機械式時計
JP2023086697A (ja) 傾斜を可変的に調整するための手段を有する部材を備える時計ムーブメント
JP2023086695A (ja) 傾斜を可変的に調整するための手段を有する可動部材を備える時計ムーブメント
JP6650010B2 (ja) 復帰ばね、輪列機構、時計用ムーブメント及び機械式時計
US10908556B2 (en) Timepiece movement and timepiece
US20060187761A1 (en) Gear mechanism of timepiece, hand winding mechanism and timepiece having the same
WO2022044584A1 (ja) 輪列保持構造及び時計
JP2010145160A (ja) 日車装置及びこれを備えたアナログ時計
RU2015129573A (ru) Двигатель часового механизма
JP2015007539A (ja) 表示機構、時計用ムーブメントおよび時計
US186838A (en) Improvement in watches
JP2020052040A (ja) ローターと同じ側に位置する時間表示針を有する自動巻き機能付き計時器用ムーブメント
JP2018077109A (ja) 歩度調整機構、ムーブメント及び時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6772805

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150